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公営住宅における維持管理と更新について
公営住宅における維持管理と更新について 国土交通省住宅局住宅総合整備課 谷 山 拓 也 企画専門官 目 次 1.公営住宅ストック等の状況について 2.公営住宅の維持管理(ストックマネジメント)の取り組みについて ①PPP/PFI方式を活用した公営住宅の建替え ②公営住宅等の長寿命化 ③公営住宅等の再生・再編 公営住宅における維持管理と更新について 国土交通省住宅局住宅総合整備課 企画専門官 谷山 拓也 目 次 1. 公営住宅ストック等の状況について 2. 公営住宅の維持管理(ストックマネジメント)の 取り組みについて 1.公営住宅ストック等の状況について 公営住宅の建設年度別ストック数の推移 ○建築後40年以上が経過する高度成長期(昭和40年代まで)のストックが約1/3を占める ○建設年度別管理戸数 昭和20年代 0.5% (千戸) 100 昭和30年代 3.5% 築後30年以上131万戸(61%) 90 平成7年以降 20.7% 昭和40年代 29.7% 昭和20年代 昭和30年代 80 昭和40年代 昭和50年代 昭和60年代 70 昭和60年代 18.8% 平成7年以降 昭和50年代 26.8% 60 50 40 30 20 10 0 S20 S25 S30 S35 S40 S45 S50 S55 公営住宅のストック戸数(H27.3末現在):216万戸 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H26 近年の公営住宅 老朽化の進む公営住宅 高度成長期の公営住宅(老朽化している公営住宅)の仕様 <昭和40年代の郊外の大規模団地> <昭和40年代の公営住宅の一般的仕様> 住棟型式 :中層階段室型が約60% スラブ厚 :120mm程度 階高 :2600mm程度 規格 :2DKが45%程度 規模 :専有面積34~44㎡ 洗面所 :あり(ただし浴室内も含む) 浴室 :あり(40年代前半は在来) 洗濯機置場 :40年代前半は考慮なし。 <昭和40年代の公営住宅の標準的2DKプラン> <公営住宅のエレベーター設定状況(平成24年度末)> 低層 (1・2F建) 棟数 EV設置 棟数 設置率 中層 高層 (3~5F建) (6~13F建) 高層 (14F~) 118,216棟 57,250棟 6,279棟 669棟 18棟 7,520棟 5,947棟 657棟 95%% 98% 0.02% 13% 公共賃宅住宅の耐震化の状況 耐震化の状況 公営住宅+改良住宅の全国値 91.7% 耐震化率 89.9%(平成 27年8月末時点) (平成19年 約76%) 住宅の耐震化の目標 平成37年 概ね解消 住生活基本計画 (平成28年3月18日閣議 決定) ※ 調査対象:公営住宅1,980,331戸、改良住宅 117,927戸、地方住宅供給公社賃貸住宅 145,851戸、UR賃貸住宅743,200戸 ⇒ 社会資本整備総合交付金等に より支援 耐震化の事例 おおばる <北九州市大原団地>(平成24年度実施) 階段室開口に門型鉄骨外付け みやもと <神戸市宮本住宅>(平成23年度実施) PCアウトフレーム取付(色は1F保育所要望) 8 公営住宅のストック管理におけるマンパワーの不足 地方公共団体の規模別・建築職員数(H24年度) 地方公共団体の規模別 - 建築職員数(H24年度) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (該当団体数、公営住宅管理戸数) ①都道府県・政令市 0 ( 6 7団体,132万戸) ②10万人以上の市 0 4 95 ( 2 6 9団体,42万戸) ③5万~10万未満の市 ( 271団体,15万戸) ④5万人未満の市町村 ( 1 1 82団体,28万戸) 3 建築職員10人未満の市町 村が管理する昭和40年代 以前に整備された公営住 宅ストック 100 21 13.6万戸 38 32 39 56 11 2 人口10万人未満の市町村 が管理する昭和40年代以 前に整備された公営住宅 ストック 14.8万戸 0人 1~5人未満 5~10人未満 10人以上 ○ 昭和40年代に建設された公営住宅ストックが大量に更新期を迎える中、多くの地方公共団体 においては、建替えに十分な予算や組織・人員の確保が困難な状況。 ○ このため、更新期においてすべての公営住宅を建て替えることは、国・地方の財政状況、マン パワーからみて非現実的。 公営住宅のストックを前提とした単純な試算 ○ 仮に、50年ごとの建替えを想定すると、 昭和40年代のストックが2020年頃に特に集中して多 額の更新予算が必要となることが懸念されるため、戦略的な維持管理・更新の実施が必要。 ○ PPP/PFIの導入による民間活力の活用や公営住宅の長寿命化などにより、維持管理・更新に 必要な負担を低減するとともに、地方公共団体の負担を平準化する必要がある。 長寿命化を行わず築50年で更新するケース 長寿命化を行い、かつ更新量を平準化したケース ①長寿命化改善の推進 18,000 ⇒更新時期の後ろ倒し 18,000 16,000 16,000 14,000 14,000 12,000 12,000 ②計画的な更新の実施 10,000 ⇒更新量の平準化 10,000 2050 長寿命化改善 (億円) 2040 2030 バリフリ改修等 (億円) 2020 2010 EV・耐震改修 (億円) 2000 1990 外壁改修等 (億円) 1980 1970 維持管理費 (億円) 1960 1950 更新費 (億円) 2050 維持管理費 (億円) 2040 0 2030 0 2020 2,000 2010 2,000 2000 4,000 1990 4,000 1980 6,000 1970 6,000 1960 8,000 1950 8,000 更新費 (億円) 2.公営住宅の維持管理(ストックマネジメント) の取り組みについて 公営住宅の特徴 ○ 道路、河川、下水道等の他のインフラと異なり、以下の特徴。 ① 民間市場が存在(むしろ民間市場のシェアが大きい) ② 家賃収入がある ③ 日常的に居住者の目に触れている ④ 維持管理・更新が中心となってきている ⑤ (④を背景として)長寿命化計画の策定が既に進んでいる ① 住宅はストック、フローいずれも民間供給が中心(維持管理・ 更新についても、民間市場が 存在)。 ② 家賃収入があることから、維持管理費用には国庫補助は充てていない。 ③ 不具合等があった場合、点検以前に居住者からの情報提供(クレーム)が持ち込まれること が多い。 ④ 既に純粋な新規建設は縮小しており、建替えが太宗を占める。 ⑤ ストック総合活用計画(平成12年~)、長寿命化計画(平成21年~)の策定を推進。平成26 年度から長寿命化計画の策定を補助要件化。長寿命化計画の策定率は平成26年度末時点 で86%。 公営住宅等のストックマネジメントの方向性 ○ 地方公共団体の実情や公営住宅等の需要に応じて、主として下記の3方針に基づき、メリハ リをつけて既存の公営住宅のストックマネジメントを推進していく必要。 ○ 国としても、これらの事業の推進に向けて、交付金とは別の補助制度による重点的な支援制 度やモデル事業制度を創設。 ①PPP/PFI方式を活用した公営住宅等の建替え ⇒民間事業者への直接補助(H26年度~) 公営住宅等の需要が根強く福祉拠点としての活用が効果的な場合は、予算や組織・人員の課題を 克服するため、民間活力を活用し、PPP/PFI手法により、住棟の集約化と余剰地・余剰容 積を活用した高齢者施設や子育て支援施設等の併設を行っていく必要がある。 ②公営住宅等の長寿命化 ⇒ 公的賃貸住宅長寿命化モデル事業(H26年度~) 敷地条件等の制約により当面の建替えが困難と思われる場合や建替え需要が見込めない場合は、 既存ストックの長寿命化対策を実施することが必要がある。 ③公営住宅等の再生・再編 ⇒ 地域居住機能再生推進事業(H25年度~) 人口減少により多数の空室が発生するなど、公営住宅として保有する必要性が低下している場合 は、公営住宅需要のある地域への集約化(非現地建替え)を進めていく必要がある。 ①PPP/PFI方式を活用した公営住宅の建替え 民間活力を導入した公営住宅整備・管理に関する制度 公営住宅の整備段階における民間活用 ○ 公営住宅の整備における民間活用の手法は「買取り」または「借上げ」 「買取り」…公営住宅を建設等した民間事業者から地方公共団体が買い取る(所有権は地方公共団体) 「借上げ」…公営住宅を建設等した民間事業者から地方公共団体が借り上げる(所有権は民間事業者) ○ 公営住宅の供給には、①地方公共団体の直接建設、②民間住宅の買取り、③民間賃貸住宅の借上げ、の3種類 の供給方式がある。 ○ このうち、買取・借上型の供給スキーム(平成8年公営住宅法改正)により民間活力の導入を進めている。 (過去10年間(平成15~25年度):買取公営住宅8,627戸、借上公営住宅6,952戸) ○ PFI法に基づくプロジェクトも相当程度実施されている。 (上記のうち、公営住宅37団地6,550戸、地域優良賃貸住宅2団地64戸 ※整備予定を含む(H26.1.1時点) 公営住宅の管理段階における民間活用 管理代行制度・・・地方公共団体, 地方住宅供給公社 入居・明渡し・維持管理に係る事務のうち、公営住宅 法により事業主体である地方公共団体が行う事務(入 居者募集・明渡し請求など)の一部を実施可能 指定管理者制度・・・民間事業者、住宅供給公社、公益法人 入居・明渡し・維持管理に係る事務のうち、行政判断が 不要な機械的事務、事実行為に係る事務の一部(申込み の受け付け・各種通知行為など)を実施可能 公営住宅における民間活用の状況 管理段階 整備段階 PFI事業(整備、管理) 実績:46事例・約9,900戸 (その他 地域優良賃貸住宅に係るもの 8事例) 買取公営住宅 (平成8年公営住宅法改正) 実績:7,755戸 (26年度末) ※PFI法に基づくPFI事業によるものを含めると13,177戸 指定管理者制度(平成15年地方自治法改正) 実績:45事業主体(67都道府県・政令市中)(H27.12) ※ (例) 大阪府営住宅における指定管理の状況 (戸数・指定管理者は平成28年4月現在) 吹田市、高槻市等8市町(27,883戸) 府住宅供給公社・大阪ガスセキュリティ サービス㈱共同体 大阪市(3,075戸) (株)東急コミュニティー 借上公営住宅 (平成8年公営住宅法改正) 実績:24,704戸 (26年度末) 堺市(南区除く)(13,821戸) (株)東急コミュニティー 堺市南区(泉北NT)(15,613戸) 府住宅供給公社・日本総合住生活㈱共 同体 施設併設による福祉拠点化 実績:3,575団地 5,834施設 (26年度末)(注) (注)公共賃貸住宅(公営、改良、 特公賃、UR住宅、公社住宅等) と社会福祉施設等との併設状況の合計 ※H28.1.1時点で実施方針公表済の事業 岸和田市、貝塚市等12市町(20,558戸) 府住宅供給公社・三菱電機ビルテクノ サービス㈱共同体 枚方市等4市(一部除く)(11,115戸) (株)東急コミュニティ- 村野住宅(1,100戸) 日本管財㈱ 寝屋川市等3市(10,842戸) 日本管財㈱ 大東朋来・ペア大東朋来住宅 (1,455戸) 日本管財㈱ 東大阪市(大東朋来除く)(5,767戸) 近鉄住宅管理(株) 八尾市、松原市等8市(15,359戸) ㈱東急コミュニティ- ※ 公営住宅法に基づく管理代行制度を導入している事業主体と併せ、 都道府県・政令市の全67事業主体で民間活用・広域管理が進んでいる。 滞納家賃等回収業務の外部委託 実績:22事業主体(67都道府県・政令市中) (H27.12) 16 公営住宅整備における民間活力導入のメリット(地方公共団体の視点) 1.組織体制に関する課題の解消 ■建築部門職員数が少ない地方公共団体でのPFI事業実施事例 ※建築部門職員数は平成24年度データ ● 公営住宅の建替え等のノウハウの補完 や人手不足の解消 設計・建設工事に民間事業者を活用すること による自治体業務の軽減 ●町営緑ヶ丘住宅PFI事業 大阪府岬町:建築部門職員数:4人 ●ショッピングセンターマイン用地における定住促進住宅整備事業 佐賀県みやき町:建築部門職員数:4人 ●山北駅北側定住促進住宅整備事業 神奈川県山北町:建築部門職員数:1人 2.財政に関する課題の解消 ●事業費の削減 複数事業の一体化、民間の創意工夫の活用など ●財政負担の平準化 地方債を起債せず、民間への割賦支払いが可能となることなど ●建替え事業の平準化 建替え需要の集中による財政負担の軽減など ●余剰地処分収入の最大化 余剰地の有効活用による自治体負担額の軽減など 3.民間のノウハウ活用 ●大規模団地の一体的整備/余剰地の有効活用 ●福祉施設などの地域貢献施設の誘致・導入 ●建築コストの削減・工期の短縮 ●居住者移転の円滑化 ■市場的に実現が難しい 民間施設導入事例 ●府営住宅 (大阪府枚方田ノ口住宅) 余剰地における高齢者系施設の 提案を採点基準で優位に評価し、 駅より遠い郊外部で、事業者の土 地購入によりサービス付き高齢者 向け住宅を整備 ●余剰地: 戸建住宅 ●余剰地: サービス付き 高齢者向け住宅 公営住宅整備における民間活力導入に関する予算制度(概要) ○ 直接建設・買取り・借上げいずれも補助を実施。 ○ 民間事業者が建設し、借上げ公営住宅として一定期間管理したあと、最終的に自治体に引き渡す 場合(BOT方式)建設費の補助率を、借上げ方式(共同施設整備費のみ対象)ではなく直接建 設方式(工事費全体が対象)と同様の補助率にしている(下記の④) ○ 平成26年度予算で、民間事業者が建設し、借上げ公営住宅として一定期間管理したあと、最終 的に自治体に引き渡す場合、民間事業者への直接補助制度を創設(下記の⑤) ①自治体による 直接建設 概ね55% 地方公共団体 (起債) ②買取り公営住宅 概ね55% ※公営住宅建設事業債 で起債 ※公営住宅建設事業債 で起債 概ね45% 国 整備費の自治体負担 を起債により調達し 家賃により償還 地方公共団体 (起債) 概ね45% 国 整備費の自治体負担 を起債により調達し 家賃により償還 ③借上げ公営住宅 専用部分 民間 共用部分 民間 地方 国 民間事業者が資金調 達し、借上げ料を自 治体が支払い ④BOT方式 公営住宅 ⑤BOT方式 公営住宅 (民間直接補助) 概ね55% 地方公共団体 (分割支払い) 1/2 建設費 (民間) 概ね45% 国 1/2 国 民間事業者が整備費 を資金調達し、自治 体が後年度に割賦払 い等で支払い 民間事業者が整備費 を資金調達し、国が 民間事業者に直接整 備費を支援する PPP/PFIの活用にかかる支援の拡充(平成26年度~) ○ PPP/PFI導入可能性調査の助成対象への追加 公営住宅建替えにおける民間事業者のより積極的な参入を促すとともに、小規模な地方公共団体等の事務負担 を軽減するため、公営住宅整備における民間活力導入(PPP/PFI)の取り組みに対して支援する。 拡充内容 【事業内容】 PPP/PFI手法の導入可能性検討 調査について、公営住宅整備事業 の助成対象に追加する。 【助成対象】 PPP/PFI手法の導入可能性検討 調査に係る費用 【事業主体】 地方公共団体 導入可能性調査のプロセス例 PPP/PFIによるストック更新・地域再生 事例① 県営上安住宅整備事業(広島県広島市):買取&買取後管理(BTO事業) 【建替前】 ○公営住宅:3棟 63戸 <昭和36年~37年建設(築45年)> 平成17年建替 【建替後】 ○公営住宅:110戸 ○特別養護老人ホーム ○ケアハウス ○デイサービス ○グループホーム ○託児所 ○商業施設 等 集約化 ※買取及び買取後の管理の一括発注(BTO方式)に よる老朽化した公営住宅の建替え。 ※公営住宅統廃合計画に基づく近接三団地居住者分の 建替事業に際し、宅地造成、公営住宅建設及び余剰 地活用について、一体的な整備を進める。 ※事業者は竣工後、県に譲渡した後、20年間維持管 理等を行う。余剰地については、借地期間終了後に 土地を更地で返還する。 PPP/PFIによるストック更新・地域再生 事例② 徳島県営住宅集約化PFI事業(徳島県徳島市):一定期間民間が管理後引き渡し(BOT方式) 【建替前】 12団地/県営住宅:645戸(うち入居戸数…約360戸) 平成25年~ 事業実施 【建替後】 3団地/県営住宅;300戸、高齢者向住宅:61戸+福祉施設 外観 A 名東(東)団地 PFIにより新設される県営住宅 避難施設として 地域と連携 (県 津 波営 避住 難 ビ宅 ル ) ○高齢者向け住宅 ○福祉サービス ・県営住宅 88戸 ・高齢者向住宅16戸 ・福祉施設 利用料金収入で資金回収 を行うPFI事業 ○福祉施設の併設に加え、避難施設として地元との連携に よる地域に開かれた県営住宅を整備 ○公営住宅として全国初となるBOT方式での民間活用 ○県営住宅事業:サービス購入型 ○福祉施設等事業:独立採算型 下助任町団地 津田松原団地 C ・県営住宅 112戸 ・高齢者向住宅45戸 ・福祉施設 矢三団地 地域に必要 とされる 福祉施設 B 万代町団地 ・県営住宅 100戸 ・福祉施設 吉野本町団地 北前川町団地 中常三島町団地 住吉島団地 集約化 新佐古団地 国府団地 A 寺町団地 徳島駅 徳島県庁 名東(東)団地 B 昭和町2丁目団地 万代町団地 (※現地建替) 万代町団地 津田乾開団地 津田松原団地 C PPP/PFIによるストック更新・地域再生 事例③ 保土ケ谷区権太坂三丁目地区(神奈川県横浜市):PPP事例 ■整備手法 ○ 市営住宅建設予算の削減により凍結していた保有市有地の有効活用 ○ 定期借地+事業用借地の複合による公営住宅・商業施設の一体開発 ○ 民間の自由提案による土地活用事業(PFI法によるものではない) ■整備箇所 所 在 地 /横浜市保土ヶ谷区権太坂三丁目 敷地面積/約11,700㎡ 従前用途/更地(市営住宅用地) (一時貸付により野球場として使用) ■整備内容 市営住宅/49戸、高齢者向け住宅/48戸、コミュニティハウス、 商業施設 等 (施設名称 : 権太坂スクエア) 【事業スケジュール】 1995年 3月 : 横浜市が当該用地を取得 2004年10月 : 募集要項の公表 2005年 3月 : 民間事業者の決定 2006年 7月 : 住宅棟建設開始 (定期借地契約) 2006年12月 : 商業棟建設開始 (事業用借地契約) 2007年 8月 : 施設全体 (権太坂スクエア)の供用開始 22 PPP/PFIによる整備事例 (地域優良賃貸住宅) 定住促進型の整備事例 : みやき町定住促進住宅(佐賀県みやき町) ・今後の人口減少に歯止めをかけるために、第3セクターが所有する旧ショッピングセンター用地を町が購入してPFI事業を実施。 ・PFI事業者が建物を建設し、完成後に所有権を町に譲渡。その後事業者が30年間維持管理運営を実施。 ・PFI事業者に返済する建物の整備費や維持管理費には、家賃収入・駐車場料金を充てるため、町の一般財源からの支出は生じない。 ■ 団地概要 ・事業主体 : みやき町 / PFI事業者 : (SPC)(株)三根定住促進 ・構 造 等 : RC造5階建、管理戸数24戸(65.33㎡~72.33㎡) ・入居開始 : H26年4月~ ・家賃設定 : 49,000円/月(2LDK)、 53,000円/月(3LDK) 整備に関するコンセプト 子育て世帯を中心とした 暮らしやすい定住促進住宅整備事業の実現 イメージパース 完成予想図 PFIを活用した公営住宅等の整備事例① PFI活用事例一覧① (平成28年1月調査) 事業名 事業主体 事業 方式 1 県営上安住宅(仮称)整備 事業 広島県 2 PFIによる県営住宅鈴川団 地移転建替等事業 3 県営坂地区住宅整備事業 実施時期 整備 戸数 実施 方針 着工 BTO H14.3 H16.6 H17.10 110戸 山形県 BTO H15.6 H17.3 H18.1 30戸 広島県、 坂町 BTO H15.11 H17.3 H18.4 80戸 H18.9 66戸 供用 4 大阪府営東大阪島之内住 宅民活プロジェクト 大阪府 BT H16.2 H17.1 5 PFIによる京都府府営住宅 常団地整備等事業 京都府 BTO H16.7 H18.2 H18.12 105戸 山形県営松境・住吉団地 移転建替及び酒田市琢成 6 学区コミュニティ防災セン ター整備事業 大阪府筆ヶ崎住宅民活プ 7 ロジェクト 山形県、 酒田市 BTO H16.12 H18.6 H19.7 事業名 14 蓮花寺市営住宅建替事業 米沢市公営住宅塩井町団 地建替等事業(1号棟) PFIによる市営長曽根団 16 地・深井中町団地建替等 事業 大阪府営千里佐竹台住宅 17 (2丁目)民活プロジェクト 15 BT H17.6 H19.6 H20.12 278戸 富山県 高岡市 実施時期 整備 戸数 実施 方針 着工 供用 BT H18.8 H20.3 H21.4 50戸 山形県 米沢市 BTO H18.10 H19.10 H21.4 40戸 大阪府 堺市 BT H18.12 H21.3 H22.11 200戸 大阪府 BT H19.1 H20.5 H22.3 505戸 18 大阪府営東大阪新上小阪 住宅民活プロジェクト 大阪府 BT H19.2 H20.5 H23.1 181戸 19 山形県営通町団地移転建 替等事業 山形県 BTO H20.1 H21.5 H21.11 16戸 20 小松市営川辺町住宅建替 事業 石川県 小松市 BT H20.3 H20.12 H22.10 110戸 21 大阪府営豊中新千里東住 宅民活プロジェクト 大阪府 BT H20.7 H21.8 H23.12 450戸 22 大阪府営吹田藤白台住宅 民活プロジェクト 大阪府 BT H21.3 H23.5 66戸 大阪府 事業主体 事業 方式 8 沼津市営住宅自由ヶ丘団 地整備事業 静岡県 沼津市 BTO H17.7 H18.12 H20.4 9 PFIによる防府・高井県営 住宅東ブロック整備等事業 山口県 BTO H17.12 H19.12 H20.12 136戸 23 市営甲子園九番町団地第 1期建替事業 兵庫県 西宮市 BT H21.4 H22.2 H23.12 280戸 10 大阪府営岸和田下池田民 活プロジェクト 大阪府 BT H18.3 H19.7 H21.12 221戸 24 大阪府営堺南長尾住宅民 活プロジェクト 大阪府 BT H21.4 H23.5 H24.9 443戸 11 県営坂地区住宅整備事業 (第2期) 広島県、 坂町 BT H18.4 H19.3 80戸 25 大阪府営吹田竹見台住宅 民活プロジェクト 大阪府 BT H21.8 H23.8 H25.2 385戸 12 大阪府営苅田住宅民活プ ロジェクト 大阪府 BT H18.4 H19.11 H22.12 248戸 26 米沢市公営住宅塩井町団 地建替等事業(2号棟) 山形県 米沢市 BTO H21.10 H22.10 H24.4 30戸 13 新屋比内町市営住宅建替 事業 秋田県 秋田市 BT H18.8 H19.9 H20.11 260戸 27 市営甲子園九番町団地第 2期建替事業 兵庫県 西宮市 BT H22.7 H24.4 H20.4 214戸 H24.9 H25.9 527戸 168戸 24 PFIを活用した公営住宅等の整備事例② PFI活用事例一覧② 事業名 (平成28年1月調査) 事業主体 事業 方式 実施時期 実施 方針 着工 供用 整備 戸数 28 大阪府営枚方田ノ口住宅 民活プロジェクト 大阪府 BT H23.4 H25.8 H26.11 200戸 29 米沢市公営住宅塩井町団 地建替等事業(3号棟) 山形県 米沢市 BTO H23.10 H24.10 H26.4 38戸 30 山北駅北側定住促進住宅 整備事業 神奈川県 山北町 BTO H23.11 H25.3 H26.4 42戸 兵庫県 西宮市 BT H24.1 H25.9 H27.6 67戸 徳島県県営住宅集約化P 32 FI事業 徳島県 BOT 広島市営吉島住宅更新事 業 広島県 広島市 BT 市営新町住宅他建替え事 34 業 ショッピングセンターマイン 35 用地における定住促進住 宅整備事業 秋田県 大館市 BTO 31 市営石在町団地整備事業 33 佐賀県 みやき町 BTO H24.2 H24.3 H24.3 H24.9 事業名 事業主体 42 豊後高田市子育て支援住 宅等PFI事業 大分県豊 後高田市 BTO H26.5 43 市営桜の宮住宅建替事業 (1期) 兵庫県 神戸市 BT H26.7 H28 H31 450戸 44 芦屋市高浜町1番住宅等 大規模集約事業 兵庫県 芦屋市 BT H26.7 H28.8 H30.4 350戸 45 寝屋川市営住宅再編整備 第1期建替事業 大阪府 寝屋川市 BT H26.7 H27.3 H29 143戸 46 大阪府営吹田藤白台住宅 (第2期)民活プロジェクト 大阪府 BT H26.10 H28.6 H30.5 420戸 47 三根庁舎西南用地定住促 進住宅整備事業 佐賀県 みやき町 BTO H26.11 H27.5 H28.4 59戸 48 大刀洗町定住促進住宅 (仮称)整備事業 福岡県 大刀洗町 BTO H26.11 H27.5 H28.4 27戸 49 公共施設再配置第1次プロ ジェクト 愛知県 西尾市 未定 H26.11 未定 未定 90戸 BTO H27.7 未定 H29.4 24戸 兵庫県 尼崎市 BT H27.10 H29.7 H31.1 570戸 鹿児島県 鹿屋市 BTO H27.10 H28.6 H28.7 40戸 H29 H32 325戸 H25.11 H26.12 300戸 H25.10 H27.1 H25.9 H25.7 H28.3 H26.4 200戸 67戸 24戸 36 町営緑ヶ丘住宅PFI事業 大阪府 岬町 BT H24.9 H25.6 H27.10 126戸 大阪府営吹田高野台(1丁 37 目)住宅民活プロジェクト 大阪府 BT H25.5 H26.6 兵庫県 尼崎市 BT H25.10 H27.7 H28.11 350戸 市営武庫3住宅第2期建替 51 事業 52 H28.8 330戸 実施時期 事業 方式 大崎町定住促進住宅整備 鹿児島県 50 事業・文化通住宅2号棟建 大崎町 設(仮称) 実施 方針 38 市営武庫3住宅第1期建 替事業 39 三根庁舎南東用地定住促 進住宅整備事業 佐賀県 みやき町 BTO H25.10 H26.6 40 市営甲子園春風町団地第 1期建替事業 兵庫県 西宮市 BT H26.1 H27.3 H28.10 158戸 市営東多聞台住宅建替事 53 業 兵庫県 神戸市 BT H27.10 41 (仮称)吹田市営新佐竹台 住宅集約建替事業 大阪府 吹田市 BT H26.4 H26.9 東大阪市営上小阪東住宅 54 建替事業 大阪府 東大阪市 BT H27.12 H27.4 H29.4 24戸 240戸 (仮称)桜ヶ丘子育て支援 住宅整備PFI事業 着工 供用 H26.11 H27.8 整備 戸数 18戸 H29.1 H31.11 230戸 25 ②公営住宅等の長寿命化 長寿命化に向けたこれまでの主な取り組み 平成12年度 公営住宅ストック総合活用計画制度 公営住宅ストック総合改善事業の創設 トータルリモデル事業(住戸の全面改善と共用部分のバリアフリー化)の実施 平成21年度 公営住宅等長寿命化計画の策定に対する支援 改善事業に、劣化防止、耐久性向上や維持管理の容易化等の長寿命化型を創設 平成26年度 公的賃貸住宅長寿命化モデル事業の創設 改善事業及び建替事業について、公営住宅等長寿命化計画の策定義務化 (参考) 公営住宅等長寿命化計画に基づく計画的な改善・更新のフロー ○公営住宅等長寿命化計画 • 長寿命化に関する基本方針 • 長寿命化のための方策(改善、建替等) 等 ○建替事業 ○公営住宅 ストック総合 改善事業等 (長寿命化計画に基づく計画的な改善) • トータルリモデル事業 (全面的な改善) • • • • 規模増改善 住戸改善(居住性向上、福祉対応、安全性確保、長寿命化) 共用部分改善( 〃 ) 屋外・外構改善( 〃 ) 「公営住宅等長寿命化計画策定指針」について 「公営住宅等長寿命化計画策定指針」(平成21年3月策定)について、インフラの長寿命化に係る各種計画や方 針の策定を踏まえ、内容を改定(平成28年8月)。 【改定のポイント】 ①定期的な点検の実施 ⇒ 日常点検や定期点検及び点検結果のデータベース化を位置づけ ②将来の必要量推計に基づく事業手法の選定 <事業手法の決定フロー> ① 公営住宅等の需要の見通しに基づく将来の必要量推計 ② 団地毎に立地環境等の社会的特性や安全性等の物理的特性に基づき、管理方針や改善が必要な場 合の事業手法を仮設定 ③ 事業主体毎の当面の建替事業量や将来の必要量を踏まえた管理方針や事業手法を仮設定 ④ 再生・再編の可能性を踏まえ、管理方針や事業手法を再判定 ⇒ 管理手法等の決定 ③ライフサイクルコスト(LCC)算定対象の見直し ⇒ 長寿命化型改善、全面的改善の場合に加え、新規整備や建替事業においてもLCCを算定 ※指針と合わせて、「日常点検マニュアル」「維持管理データベース」「ストック推計プログラム」「LCC算定プログラム」 を提示 公的賃貸住宅長寿命化モデル事業 背 公営住宅の建設年代別ストック戸数(2012年度末時点) 景 (万戸) • 昭和40年代建設の公営住宅ストックが大量に更新期を迎える中、 多くの地方公共団体においては、建替えに十分な予算や組織・人員 の確保が困難な状況。 • このような状況を踏まえ、公的賃貸住宅の戦略的なストックマネジメ ントを実施する一環として、長期にわたり維持・活用していくことを目的 に、最新の建築技術を踏まえた長寿命化改修の先導的な取組みに 対して支援する。 100 用途廃止戸数(万戸) 管理戸数(万戸) 90 80 23万戸 70 1万戸 60 50 1万戸 40 30 20 10 0 31万戸 43万戸 67万戸 58万戸 41万戸 1万戸 9万戸 S20年代 ~1954 S30年代 1955~ 31万戸 11万戸 S40年代 1965~ S50年代 1975~ S60~H6 1985~ H7~H16 1995~ H17~ 2005~ (建設年代) 概 要 <改善イメージ> 【事業主体(対象住宅)・補助率】 ○ 地方公共団体(公営住宅・改良住宅) ・・・補助率:国2/3(地方公共団体負担 1/3) ○ 都市再生機構(UR住宅) ・・・補助率:国1/2(UR負担 1/2) ○ 地方住宅供給公社(公社住宅) ・・・補助率:国1/4(公社負担 3/4) ※ 地方住宅供給公社が供給主体の場合は、地域優良賃貸住宅の認定を 受けたものに限る。 ①階段室を撤去 し、住居面積 を拡充 改修前 ②階段室を撤去しエレ ベータを設置すると共 に、共用廊下の増設 【補助対象】 ① 長寿命化基本改善工事 ストックの長期活用の観点から、専用部分/共用部分/屋外・外構部分 について、最低限必要な工事 (居住性向上のための工事、福祉対応の ための工事等) ② 長寿命化先導的改善工事 長寿命化に資する先導性を有し、今後将来的な普及が見込まれる工事 ※ただし、補助引上げ対象上限額を①+②の合計で戸当たり1,000万円とする。 ②増設廊下を高耐久 性仕上げで処理 ①バリアフリー改善 公的賃貸住宅長寿命化モデル事業の取組事例① 京都市営楽只団地 ・地域や団地の集約・再編に基づく事業の実施 ・耐震改修部材をバルコニー部材と兼用することにより、耐震性と居住性を同時に向上 ・外壁に躯体の劣化・汚染対策に優れた高機能塗料を塗布し、躯体を長寿命化 ●団地の集約・再編 ※ 他団地も当団地に集約 ※ 集約に伴う創出地に賑わい施設を検討 【現況】 ● 耐震性と居住性を同時に向上 ● 外壁に高機能塗料を塗布し、躯体を 長寿命化 バルコニー 改善前 バルコニー 対象住棟 内部 内部 5F 共用 廊下 4F 共用 廊下 (断面図) (団地配置図) 他棟へ集約 【対象住棟 概要】 継続活用 耐震改修部材をバル コニー部材と兼用。 耐震性と居住性を同 時に向上。 外壁に高機能塗料を塗布し、 躯体を長寿命化 (可とう形改修塗材E (低汚染型水性フッ素樹脂塗料)) ・建設年度:昭和47~49年度 ・構造:鉄筋コンクリート造 ・階数:5階建 ・住戸数:80戸(事業完了時:76戸) (立面図) 30 公的賃貸住宅長寿命化モデル事業の取組事例② 福井県高浜町営緑が丘団地 1階住戸の分割(小型化)による地域住宅ニーズへの対応 【現況】 ●高齢単身者の入居申込増加等により、1階のファミリー向3LDK 住戸を1DK2戸に分割し、所定の居住性能を確保 N 3LDK 58㎡ 3LDK 58㎡ 3LDK 58㎡ 3LDK 58㎡ 改善前 新築と同等仕様による外壁塗装、躯体への荷重 を軽減した屋上防水改善により躯体を長寿命化 【団地概要】 ・建設年度:昭和55、平成2、7年度 ・RC造4階建 ・3棟 ・48戸 【対象住棟 概要】 <1号棟> ・建設年度:昭和55年度 ・RC造(階段室型ラーメン造) 4階建 ・16戸 →事業完了後 20戸 1DK 26㎡ 1DK 30㎡ 1DK 26㎡ 1DK 30㎡ 1DK 26㎡ 1DK 30㎡ 戸境壁新設し 住戸分割 1DK 26㎡ 1DK 30㎡ 改善後 補強壁設置により建物全体を耐震化 31 ③公営住宅等の再生・再編 公共賃貸住宅団地再生のポイント 企画段階 団地再生の目標 ○ 昭和40年代~50年代前半の団 地の再生に当たっては、「複合的 再生」が重要。 地域に応じた その他の目標 居住者層 どのような居住者が どんな生活をするのか 事業・管理運営段階 機能 どのような生活支援 機能が求められるか 手法 建替え、改修、修繕 及びその複合 民間住宅事業者、NPO法人、社会福祉法人等 との連携による団地の整備、管理・運営 複合的再生の実現 <居住者層の複合> ○ 家族構成や年齢、所得等、多様な 人々が居住し、団地内外の居住者 が交流できる環境を整える。 <機能の複合> ○ 高齢者福祉、医療、子育て支援、 交流・文化、商業等の生活支援機 能等を付加する。 <手法の複合> ○ ストックの状況を考慮しながら、建 替え、改修、修繕等の手法を的確 に組み合わせ。 居住者層の複合 ○ 高度成長期を中心とする時代では、夫婦と子供2人 からなる4人世帯を標準として想定。 ○ 現在では、単身世帯や夫婦のみ世帯等が増加。ま た、高齢化の傾向が強まり、地域の活力が低下。 ◆ 家族類型別世帯数の推移(出典:国勢調査) 一人暮らし世帯 (単独世帯) 昭和40年 S40 夫婦のみ の世帯 7.8% 9.8% 昭和50年 13.5% S50 昭和60年 S60 ひとり親と 子どもから 成る世帯 夫婦と子ども から成る世帯 45.4% 12.4% 20.8% 45.7% 13.7% 40.0% ○ 余剰地における民間分譲住宅や賃貸マン ションの供給、定期借地権方式の活用 23,286千世帯 22.6% 6.3% ○ 公営住宅の住戸を活用したグループホーム の設置 ○ 子育て世代に着目した優先的な入居 29.6% 5.8% ○ 公営住宅団地の建替えにあわせた地域優 良賃貸住宅等の供給 ○ 公営住宅における期限付き入居制度の導入 その他の 世帯 7.4% <多様な主体による多様な住宅等の複合> 31,271千世帯 37,980千世帯 19.2% <コミュニティを育む場所・仕掛けの複合> ○ 内外の居住者が交流できるコミュニティ拠点 や歩行者空間の整備 ○ NPO等の地域団体等の活動支援 平成7年 H07 25.6% 平成17年 H17 17.4% 29.5% 0% 20% 19.6% 40% 34.2% 29.9% 60% 7.1% 15.7% 8.4% 12.7% 80% 43,900千世帯 49,063 千世帯 100% ○ 建替計画への入居者の参画 等 地域居住機能再生推進事業(平成25年度創設) 現状・課題 ○高齢化が急速に進展する地域における公的賃貸住宅団地の老朽化、生活サービス機能の不足 ○大規模団地の再生を通じて、周辺の市街地も含めた地域全体の再編を図る必要性 事業目的 ○大規模な公的賃貸住宅団地を含む高齢化の著しい地域において、多様な主体の連携・協働により、居住機 能の集約化等とあわせた子育て支援施設や福祉施設等の整備を進め、地域の居住機能を再生する取組み を総合的に支援する。 地域居住機能の再生のイメージ 関係者による協議会の事業調整 関係者による協議会の事業調整 を通じた一体的整備 を通じた一体的整備 各事業主体ごとの対応 各事業主体ごとの対応 公営 UR 公営 UR 公営住宅として 公営住宅として 借り上げ 借り上げ 跡地は 低層住宅、 跡地は 低層住宅、 公園等とし 公園等とし て活用 て活用 公営 公営 集約化 集約化 民間マンション 民間マンション UR UR UR UR UR UR 公社 鉄道 公社 公営 ○多様な主体の協働による事業 実施 公営 民間マンション 民間マンション 移転後の土地・建物は 移転後の土地・建物は 医療・福祉 医療・福祉 売却等により再活用 売却等により再活用 施設(民間) 施設(民間) 鉄道 鉄道 公営 公営 公社 ○居住機能の集約化とあわせて 大規模団地等の地域居住機能 を再生 鉄道 公営 公営 公営 公営 公社 保育・児童 保育・児童 施設を誘致 施設を誘致 (民間)(民間) サービス付き サービス付き 高齢者向け住宅 高齢者向け住宅 の導入 の導入 公社 公社 ○高齢者世帯・子育て世帯向け の施設や交流機能等を導入 (参考) 具体の地区のイメージ 苫小牧市 日新団地地区 取組内容 オープンスペースを活用した 多世代の交流の場のイメージ ○協議会の構成員(施行者) ・北海道、苫小牧市 ○施行者間の連携 ・市営住宅建替えに伴う移転者用として、道営住宅の空き家を活用 ○生活支援施設の整備等 ・既存の保育園、児童センターを長寿命化する改善を実施 (児童センターはH26に外壁、防水改修を実施) 苫小牧市日新団地地区の整備地区 市立児童センター 児童遊園 私立幼稚園 市営日新団地 オープンスペース 市立保育園 道営住宅 整備地区 重点整備地区 道営住宅 ・建て替えに伴い、団地敷 地内に児童遊園やオー プンスペースを整備。 ・隣接する既存の保育園や 児童センターとの連携し た活用により、多世代交 流の場を提供し、誰もが 安心して暮らせる地域づ くりを進める。 市営住宅建替えに伴う移転者 用に道営住宅の空き家を活用 建て替えによる移転者 に対し、市営・道営の 双方で受け入れできる よう、適切な住宅を斡 旋・確保する。 地区の諸元 ○従前の公的賃貸住宅の管理戸数 市営住宅1,204戸、道営住宅78戸 ○公的賃貸住宅の建て替え計画 市営住宅930戸→552戸 (現時点で建て替え計画の決定しているもの) ○事業スケジュール 平成26年度~ (参考) 具体の地区のイメージ 神奈川県 厚木緑ヶ丘地区 厚木緑ヶ丘地区の整備地区 取組内容 県営文郷山住宅 ○協議会の構成員(施行者) ・神奈川県、神奈川県住宅供給公社 ○施行者間の連携 ・県営住宅建替えに伴う移転者用として、公社賃貸住宅の空き家を活用 公社緑ヶ丘共同住宅 ○生活支援施設の整備等 ・建て替えに伴う余剰地に、生活支援施設を整備予定 (高齢者生活支援施設の誘致を、厚木市の各部局と検討中) 県営緑ヶ丘団地 事業イメージ 誘致施設(想定) 敷地面積:約700㎡ 建物概要:RC造3階建 延べ1,400㎡ 誘致機能【イメージ】 ○ 医療・介護・福祉 サービスの拠点 ○ 地域コミュニティ 活動の拠点 等 県営住宅の 建替え事業区域 公社賃貸住宅 県営緑ヶ丘住宅 県営住宅 整備地区 (1期:平成22年度完成) 建替え時の移転などの協力 (2期:平成24年度完成) (3期:平成26年度完成予定) (県営住宅) 団地外居住者 近隣への医療・介護・ 福祉サービスの波及 (4期予定) (5期予定) 既存の医療機関(地区外) (公社住宅) 100m 地区の諸元 公園 団地集会所 (地域コミュニティ の場づくり) 重点整備地区 連携 団地内居住者 県営住宅 ○従前の公的賃貸住宅の管理戸数 県営住宅672戸、公社賃貸住宅400戸 ○公的賃貸住宅の建て替え計画 県営住宅432戸→472戸 (現時点で建て替え計画の決定しているもの) ○事業スケジュール 平成25年度~平成26年度(第3期) 平成27年度~(第4期、第5期) (参考) UR団地の地域医療福祉拠点化 UR団地の再編等に併せ、医療福祉施設等の誘致を推進し、団地周辺地域も含めた地域の医療福 祉拠点の形成を図る。 <今後の目標> 平成32年度までに100団地程度で拠点形成 <取組の状況> 41団地で拠点形成に着手済(平成27年12月24日現在) (平成26年度は23団地で着手済。平成27年度は20団地程度で着手予定(うち、18団地で着手済)) ■拠点化に向けた取り組み [医療福祉拠点の形成のイメージ] 高齢者の住まいと 多様な在宅医療・看護 ・介護サービスの提供拠点 在宅医療を推進するための 地域福祉医療拠点 ①地方公共団体等との連携体制の構築、整備方針の策定 ②医療福祉施設の団地等への立地 健康づくりと憩いの場 緑豊かな路・公園 ③高齢者向け住宅の供給、バリアフリー化等の居住環境の 整備 公園 医療福祉拠点形成に取り組んでいる41団地(H27.12.24現在) 自転車歩行 者専用道 商業・生活利便 施設ゾーン 地域の中に高齢者の多様な 活躍の場を作ることにより 生きがい就労を創成 車いすもベビー カーも移動しや すいバリアフ リーのまち UR団地 <柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会の資料を基に国土交通省作成> 高島平(板橋区)、豊島五丁目(北区)、大谷田一丁目 (足立区)、多摩NT諏訪、多摩NT永山、多摩NT貝取、多 摩NT豊ヶ丘(多摩市)、館ヶ丘(八王子市) 千葉幸町、花見川、千草台(千葉市)、アートヒル高根台 千葉県 (船橋市)、コンフォール柏豊四季台(柏市) 首都 圏 奈良北、公田町(横浜市)、相模台(相模原市)、コン 神奈川県 フォール茅ヶ崎浜見平(茅ヶ崎市) 武里(春日部市)、みさと(三郷市)、西大和(和光市)、コ 埼玉県 ンフォール松原(草加市)、原市、尾山台、西上尾第一、 西上尾第二(上尾市) 大阪府 新千里西町(豊中市)、森ノ宮、森ノ宮第2(大阪市) 近畿 京都府 男山(八幡市) 圏 奈良県 奈良学園前・鶴舞、富雄(奈良市) 豊明(豊明市)、アーバンラフレ鳴子(名古屋市)、岩倉 愛知県 (岩倉市)、藤山台、岩成台、高森台、中央台(春日井 中部・ 市) 九州 福岡県 徳力、志徳(北九州市)、日の里(宗像市) 東京都 38 (参考)UR団地の取組事例①(日生オアシスひばりが丘(東京都西東京市)) 昭和30年代に建設された既存住棟を大規模改修して、サービス付き高齢者向け住宅として新たに再生。 認知症および在宅における医療ニーズに対応するため、地域に密着した介護・医療施設を一体的に整備。 事業概要 物件名称 : 日生オアシスひばりが丘 所在地 : 東京都西東京市ひばりが丘3-3-13 開設年次 : 2014年10月竣工 住戸数 : 16戸 面積 : 18.90㎡~36.58㎡ 施設種別 : サービス付高齢者向け住宅 併設施設 : 「Aエリア」: 訪問介護・訪問看護・居宅介護支援 事業所、診療所(内科等)、調剤薬局 「Bエリア」: サービス付き高齢者向け住宅 「Cエリア」: 小規模多機能ホームと認知症グルー プホーム サービス : 居宅介護支援、訪問介護 料金 : 185,600円(Aタイプ;二人居住 可能) 149,000円(Bタイプ;単身者専用) 事業主体 : (株)日本生科学研究所 従前の住棟 改修後の外観 住戸平面図(Aタイプ 34㎡) Aエリア Bエリア 住戸平面図(Bタイプ 25㎡) Cエリア Bエリア 用途 Cエリア 診療所・薬局 サービス付き高齢者向け 訪問介護・訪問看護事業所等 住宅 コンビニ(ローソン) 小規模多機能・グループ ホーム 整備主体 (株)日本生科学研究所 UR都市機構 (株)日本生科学研究所 管理・運営 (株)日本生科学研究所 寺村医師 (株)日本生科学研究所 UR都市機構 (株)ローソン (株)日本生科学研究所 Aエリア 39 (参考)UR団地の取組事例②(ココファン豊四季台(千葉県柏市)) ○UR団地の建替えにより生み出された用地を活用して、福祉拠点化を図った例。サービス付き高齢者向け住 宅と地域の医療・介護拠点を整備し、24時間対応の地域包括ケアシステムを構築。 ○サ高住や団地内の住民だけでなく、周辺住民も利用できる地域のサービス拠点として整備。 UR豊四季台団地における取組 民間分譲マンション等 サービス付き高齢者向け住宅と医療・福祉サービス拠点の整備 植物栽培ユニット (生きがい就労の取組 ) 柏駅 N ○24時間対応サービス提供拠点 ○サービス付高齢者向け住宅 自立棟 ≪未着手≫ ≪着手済≫ 既存UR賃貸住宅 300戸 認定こども園(既存 増築)H26.4開設 介護棟 公園 約1.0ha 小規模多機能 H26.5開設 UR賃貸住宅 220戸 ≪着手済≫ ○柏地域医療連携センター H26.4開設 ≪着手済≫ ≪未着手≫ 既存UR賃貸住宅 1,240戸 居宅介護 ○地区面積 約32.3ha ○戸数 ①従前戸数 4,666戸 ②建替後戸数 約2,100戸:予定 在宅療養 支援診療所 24H訪問看護 主治医 診療所 薬局 子育て 支援施設 既存UR 賃貸住宅 230戸 ≪未着手≫ 既存UR 賃貸住宅 440戸 名 ≪着手済≫ 既存UR 賃貸住宅 210戸 商業施設 特別養護老人ホーム、認知 症高齢者GH (H23.10開設) 24H訪問介護 地域交流 地域包括 スペース 支援センター ≪建替後≫ UR賃貸住宅:入居済 1,212戸 民間分譲マンション 称:ココファン柏豊四季台 (サービス付き高齢者向け住宅) 戸 数:105戸(自立型33戸・介護型72戸) 開 設:平成26年5月 併設施設:グループホーム、小規模多機能居宅介護施設、 24H定期巡回訪問介護・看護、在宅療養支援診療所、 診療所、薬局、地域包括支援センター、地域交流スペー ス、子育て支援施設 事 業 者 :学研ココファン H24.3~入居 40