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農作業安全の手引き

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農作業安全の手引き
清 流 の国 ®岐 阜 県
農作業安全の手引き
平 成 28 年 9 月
岐 阜 県農 政 部 農 産 園芸 課
は
じ
め
に
農 作 業 中 の 死 亡 事 故 は 、毎 年 、全 国 で 4 0 0 件 、本 県 に お い て も 、毎 年 8
件 程 度 発 生 し て い ま す 。要 因 と し て は 、機 械 の 転 倒・転 落 に 伴 う 事 故 が 多 く 、
次いで、機械に挟まれ・巻き込まれる事故が多発しています。
年齢別では70歳以上の農業機械利用に伴う事故の発生が多くなってい
ます。
農 作 業 事 故 に よ る ケ ガ は 経 営 に も 大 き な 影 響 を 及 ぼ し 、死 亡 事 故 と な れ ば
廃 業 に も つ な が り か ね ま せ ん 。こ の た め 、事 故 の 発 生 状 況 や 要 因 等 を 的 確 に
把 握 し 農 作 業 安 全 の 啓 発 活 動 に つ な げ る と と も に 、農 業 機 械 を 利 用 す る 農 業
者 及 び 関 係 者 等 が 安 全 意 識 、農 業 機 械 の 利 用 知 識 及 び 技 能 の 向 上 を 図 り 、農
作業事故の発生件数を少なくすることが重要です。
こ の 手 引 き は 、関 係 機 関 の 御 協 力 を 得 て 、農 作 業 事 故 の 関 連 情 報 及 び 安 全
対策についてまとめたものです。
農 業 者 が 集 ま る 会 合 等 に お け る 農 作 業 安 全 に 向 け た 注 意 喚 起 な ど 、各 地 域
で の 農 作 業 安 全 運 動 の 推 進 の 一 助 と し て 、こ の 手 引 き を ご 活 用 い た だ き ま す
ようお願いします。
平成28年9月
岐阜県農政部農産園芸課
目指せ!岐阜県内農作業事故ゼロ
(件)
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15
10
5
0
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(年次)
農作業事死亡事故は、農業機械利用中に多く発生しています。
農作業事故防止するための「5つ」のお願い!
その①
安全対策の講じられた
農業機械を購入しましょう!
その②
農業機械の
点検・整備を行いましょう!
緊急停止装置
緊急停止装置
出展:農研機構
農業技術革新工学研究センター
安全装置、装備の付いた農業機械を
選びましょう。
その③
安全な作業に必要な知識や
技術を習得しましょう!
日常点検に加え、
整備工場での定期点検を行いましょう。
その④
農作業事故への
危機意識を持ちましょう!
*まずは、危険箇所・危険作業を洗い出しましょう!*
地域などで行われる農作業安全に関する
研修会等に積極的に参加しましょう。
その⑤
①ほ場入り口や道路が狭い
→ 機械をゆっくり動かす、周囲に注意
②ハウス支柱の連結金具が飛び出している
→ 目印を付けておく
③刈り払い場所に空き缶等ゴミが転がっている
→ 作業前に片付けておく
万が一の事故に備え労災保険に加入しましょう!
労災保険は、雇用労働者の業務災害の補償を目的とする公的保険ですが、
自営農業者であっても、一定の基準を満たせば加入できる特別加入制度があります。
岐阜県・岐阜県農作業安全対策推進連絡会議
TEL
058-272-8439(岐阜県農政部農産園芸課)
1 本県における農作業死亡事故発生状況について
(1)調査方法
農林水産省の農作業事故調査に協力して実施する、厚生労働省の「人口動態調査」に係る死亡個票を
閲覧する方法及び、県が独自に調査している事故情報を集計したものです。
(2)本県における農作業死亡事故発生件数の推移
平成25年の農作業事故は3件と少なかったものの、直近10年間でみると、毎年8件程度の死亡事
故が発生しており、10年前と比較してもほとんど変わっていません。また、農業就業者人口が減少
傾向にあることを考慮すれば、増加傾向にあることが伺えます。
【別紙表-1参照】
(件)
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H13
14
15
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17
18
19
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21
22
23
24
25
26
図-1 農作業死亡事故発生件数
(3)農作業事故の発生状況
ア 機種別発生状況
農業機械作業における機種別の事故発生状況をみると、乗用トラクターの事故がもっとも多く、次い
でコンバインによる事故が発生しています。また、耕耘機の事故も散見されます。
その他には、草刈り機や運搬車の事故が含まれ、近年では多様な機械事故が報告されています。
26
25
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23
22
21
20
19
18
H17
0%
20%
乗用トラクター
40%
耕耘機
60%
コンバイン
80%
その他
図-2 機種別死亡事故発生状況(H17~26)
100%
イ 月別発生状況
月別の発生状況は、農繁期である5月及び9月に特に事故が多発しており、4月から6月はトラクタ
ーによる事故、8月から10月にかけては、コンバインの事故が目立ちます。
【別紙表-2参照】
45
(件)
40
死亡事故件数
傷害事故件数
35
30
25
20
15
10
5
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
(月)
図-3 月別発生状況(H13~26年の合計)
ウ 場所別発生状況
ほ場での事故発生件数が約6割を占めています。
ほ場内における事故は、乗用トラクターやコンバインによる事故が多くみられます。
次いで、ほ場間の移動やほ場へ向かう途中、帰る途中による路上における事故も多く報告されていま
す。
【別紙表―3参照】
その他
16%
作業舎
11%
ほ場
62%
道路
11%
図-4 場所別発生状況(H13~26年の合計)
エ 年齢別発生状況
年齢別の事故発生状況をみると、70歳以上の事故が、総件数の約7割を占めており、農業者の高齢
化とともに、農作業事故に占める高齢者の割合が非常に高くなっています。
【別紙表―4参照】
39歳以下
1%
70歳以上
66%
40~49歳
1%
50~59歳
5%
60~69歳
27%
図-5 年齢別発生状況(H13~26年の合計)
オ 男女別発生状況
主に、男性は機械操作中、女性は機械操作の補助を行っている際に事故に遭っていると推測されます。
【別紙表―5参照】
カ 受傷部位・内容別発生状況
トラクターでは、転倒転落によって下敷きとなり、圧迫や外傷性ショックなどにより死亡するケース
が非常に多くなっています。
耕耘機では、後進時に障害物との間に体が挟まれ、胸部を圧迫される事故や、ロータリーに巻き込ま
れて、足を切断する事故がみられます。
コンバインでは、脱穀部への巻き込まれによる手指の切断や裂傷、草刈り機では、使用中の異物の飛
散や刃部に接触しての切傷などがみられます。
【別紙表―6参照】
キ 原因別発生状況
機械の転落・転倒、人の転落・転倒、回転部等への挟まれ・巻き込まれが多く、総件数の約7割を占
めています。 【別紙表―7参照】
その他
13%
機械の転倒・転落
17%
刃部の事故
14%
挟まれ・巻き込まれ
18%
人の転倒・転落
37%
他車との事故
1%
図-6 農作業事故の発生原因(H13~26年の合計)
【別紙】
(表-1)農作業死亡事故発生確認件数(平成13年~平成26年)
年次
13
14
15
16
17
18
19
20
21
件数
5
16
6
9
6
6
6
3
10
(表-2)月別事故発生状況(平成13年~平成26年)
月
1
2
3
4
5
6
7
年次
1
1
13
(1)
(2)
(3)
(5)
(1)
1
2
3
1
3
14
(1)
(3)
(4)
(3)
(3)
2
1
15
(2)
(1)
3
2
16
(3)
(2)
8
2
(5)
1
(2)
1
(1)
22
10
9
(10)
4
(6)
1
(1)
1
(1)
23
9
10
24
12
25
3
11
1
(4)
(3)
2
(2)
1
(1)
26
9
12
(1)
1
(2)
1
(1)
平均
8
計
5
(32)
16
(27)
6
(6)
9
(9)
注)
( )内は、受傷事故を含めた事故件数。17 年以降は死亡事故のみを計上。
17
1
18
1
1
1
1
2
20
1
1
21
1
1
1
1
23
24
2
1
19
22
1
1
1
2
25
2
1
計
4
(4)
4
(5)
9
(11)
12
(16)
2
6
1
2
6
1
1
1
1
2
2
2
2
1
2
1
1
2
1
1
1
2
2
1
1
2
5
(5)
1
1
1
26
6
10
(17)
1
1
1
12
(12)
13
(17)
15
(27)
3
2
2
10
2
9
2
12
3
1
11
(17)
10
9
(10)
9
6
(7)
110
(148)
(表-3)場所別事故発生状況(平成13年~平成26年)
場所
ほ場
道路
作業舎
その他
年次
13
14
3
9
6
14
19
3
2
3
15
46
1
3
9
16
73
10
9
18
計
32
27
59
110
注)16 年までは傷害事故を含む。17 年以降は死亡事故のみ。
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
計
1
1
1
1
6
7
4
8
2
4
187
3
2
2
1
2
3
1
2
2
35
1
2
2
1
2
1
32
1
1
1
1
2
3
0
1
2
48
6
6
6
3
10
10
9
12
3
9
302
(表-4)年齢別事故発生件数(平成13年~平成26年)
年次
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
年齢
70 歳以上
18
15
40
70
4
5
4
3
7
8
5
60~69 歳
6
9
16
34
1
1
2
2
2
3
50~59 歳
5
2
2
4
1
1
1
40~49 歳
1
2
39 歳以下
3
1
計
32
27
59 110
6
6
6
3
10
10
9
注)16 年までは傷害事故含む。17 年以降は死亡事故のみ。
(表-5)男女別事故発生状況(平成13年~平成26年)
年次
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
性別
男性
26
25
31
78
6
5
6
3
9
7
女性
6
2
28
32
1
1
3
注)16 年までは傷害事故含む。17 年以降は死亡事故のみ。
23
9
24
25
26
10
2
1
2
7
1
1
12
3
9
24
25
26
11
1
2
1
計
197
81
16
3
4
302
8
1
計
226
76
(表-6)受傷部位・内容別事故発生状況(平成13年~平成26年)
受傷部位
受傷内容
年次
件数
手
足
頭部 全身 その他
切傷
骨折 切断
打撲
13
32
16
8
2
5
1
14
6
2
2
14
27
8
2
4
10
3
4
5
2
15
59
12
16
8
17
6
7
22
3
16
110
42
21
9
11
27
32
35
18
その他
8
1
21
16
注)16 年までは傷害事故含む。17 年以降は死亡事故のみ。
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
計
6
6
6
3
10
10
9
12
9
302
1
79
2
2
1
1
4
1
3
2
1
3
1
1
52
38
1
3
2
2
1
5
2
2
6
67
1
5
1
4
6
1
7
7
3
66
57
(表-7)農作業事故の発生原因(平成13年~平成26年)
原因 機械の転
人の転
他車との
挟まれ・
年次
倒・転落
倒・転落
事故
巻き込まれ
13
7
1
8
14
9
5
6
15
3
45
5
16
8
46
1
20
68
4
刃部の事
故
13
5
4
20
23
その他
46
計
3
2
2
15
32
27
59
110
3
4
6
6
6
6
3
10
10
9
12
3
9
302
注)16 年までは傷害事故含む。17 年以降は死亡事故のみ。
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
計
1
1
2
2
2
1
5
5
1
4
51
2
2
2
2
1
2
3
111
2
1
-
-
-
1
2
1
3
1
3
4
1
4
55
43
1
-
1
2
38
平成26年に発生した農作業死亡事故の概要
1
2
調査方法
本調査は、農作業死亡事故の発生実態及びその原因等を把握することを目的とし
て、平成26年1月1日~12月31日までの1年間の農作業死亡事故について、道府県職
員が厚生労働省の「人口動態調査」に係る死亡小票を閲覧する等の方法により実施
した。
調査結果の概要
2-1 概要 【表1参照】
(1) 平成26年の農作業死亡事故件数は350件であり、前年と同数となっている。
(2) 事故区分別にみると、
① 農業機械作業に係る事故(以下「機械事故」という。)は232件
(66.3%)
② 農業用施設作業に係る事故(以下「施設事故」という。)は24件
(6.9%)
③ 農業機械・施設以外の作業に係る事故(以下「それ以外の事故」という。)
は94件(26.9%)
であり、それぞれの割合は例年と同じ傾向となっている。
(3) 年齢階層別にみると、65歳以上の高齢者の事故は295件であり、事故全体に
占める割合は84.3%と例年より上昇した。
80歳以上は145件であり、41.4%を占めるとともに、昨年調査件数よりも25件
増加した。 【表5参照】
(4) 男女別にみると、男性が305件(87.1%)、女性が45件(12.9%)である。
2-2
(1)
「機械事故」の発生状況
機種別事故発生状況 【表1参照】
機種別では、「乗用型トラクター」による事故が最も多く、95件(農作業死
亡事故全体の27.1%)、次いで「農用運搬車(動力運搬車、農業用トラック等)」
が32件(9.1%)、「歩行型トラクター」が30件(8.6%)と、これらの3機種で
農作業死亡事故全体の44.9%を占めている。
(2) 原因別事故発生状況 【表2参照】
乗用型トラクターでは、「機械の転落・転倒」が75件(当該機種による事故
の78.9%)と最も多い。
歩行型トラクターでは、
「挟まれ」が14件(46.7%)と最も多く、次いで「機
械の転落・転倒」が7件(23.3%)及び「回転部等への巻き込まれ」が6件(20.
0%)となっている。
農用運搬車では、「機械の転落・転倒」が15件(46.9%)と最も多い。
自脱型コンバインでは、「機械の転落・転倒」が7件(70.0%)と最も多い。
2-3 「施設事故」の発生状況 【表3参照】
施設事故は、作業舎の屋根等、高所からの「墜落、転落」が11件(施設に係る事
故の45.8%)と最も多くなっている。
2-4 「それ以外の事故」の発生状況 【表4参照】
それ以外の事故は、「稲ワラ焼却中等の火傷」が27件(農業機械・施設作業以外
の事故の28.7%)と最も多く、次いで「熱中症」が19件(20.2%)となっている。
2-5 月別の事故の発生状況 【表6参照】
月別では、「5月」及び「9月」が52件(事故全体の14.9%)と最も多く、次い
で「7月」37件(10.6%)、「6月」36件(10.3%)となっている。
表1 農作業中の死亡事故発生状況
(単位:件、%)
17年
事故発生件数
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
25年
26年
395
391
397
374
408
398
366
350
350
350
農業機械作業に
係る事故
263
(66.6)
242
(61.9)
259
(65.2)
260
(69.5)
270
(66.2)
278
(69.8)
247
(67.5)
256
(73.1)
228
(65.1)
232
(66.3)
乗用型トラクター
124
(31.4)
115
(29.4)
115
(29.0)
129
(34.5)
122
(29.9)
114
(28.6)
123
(33.6)
106
(30.3)
111
(31.7)
95
(27.1)
歩行型トラクター
55
(13.9)
26
(6.6)
35
(8.8)
35
(9.4)
36
(8.8)
50
(12.6)
40
(10.9)
40
(11.4)
21
(6.0)
30
(8.6)
農用運搬車
30
(7.6)
53
(13.6)
45
(11.3)
35
(9.4)
30
(7.4)
46
(11.6)
31
(8.5)
40
(11.4)
33
(9.4)
32
(9.1)
自脱型コンバイン
10
(2.5)
6
(1.5)
10
(2.5)
9
(2.4)
17
(4.2)
15
(3.8)
9
(2.5)
17
(4.9)
11
(3.1)
10
(2.9)
動力防除機
4
(1.0)
3
(0.8)
4
(1.0)
5
(1.3)
9
(2.2)
8
(2.0)
4
(1.1)
7
(2.0)
10
(2.9)
12
(3.4)
動力刈払機
3
(0.8)
1
(0.3)
6
(1.5)
3
(0.8)
11
(2.7)
7
(1.8)
5
(1.4)
8
(2.3)
5
(1.4)
8
(2.3)
その他
37
(9.4)
38
(9.7)
44
(11.1)
44
(11.8)
45
(11.0)
38
(9.5)
35
(9.6)
38
(10.9)
37
(10.6)
45
(12.9)
農業用施設作業
に係る事故
23
(5.8)
26
(6.6)
21
(5.3)
17
(4.5)
18
(4.4)
14
(3.5)
20
(5.5)
19
(5.4)
12
(3.4)
24
(6.9)
農業機械・施設
以外の作業に係
る事故
109
(27.6)
123
(31.5)
117
(29.5)
97
(25.9)
120
(29.4)
106
(26.6)
99
(27.0)
75
(21.4)
110
(31.4)
94
(26.9)
性
男
341
(86.3)
330
(84.4)
333
(83.9)
325
(86.9)
337
(82.6)
334
(83.9)
304
(83.1)
302
(86.3)
303
(86.6)
305
(87.1)
別
女
53
(13.4)
61
(15.6)
64
(16.1)
49
(13.1)
71
(17.4)
64
(16.1)
62
(16.9)
48
(13.7)
47
(13.4)
45
(12.9)
298
(75.4)
305
(78.0)
286
(72.0)
296
(79.1)
324
(79.4)
321
(80.7)
281
(76.8)
278
(79.4)
272
(77.7)
295
(84.3)
うち65歳以上
層に係る事故
注:1 ( )内は、事故発生件数に対する割合である。
2 17年の性別については、不明が1名いる。
3 25年の年齢については、不明が1名いる。
表2 農業機械作業に係る死亡事故の機種別・原因別件数
(単位:件、%)
事故区分
事故発生原因
農
業
機
械
作
業
に
係
る
事
故
合 計
乗用型
トラクター
歩行型
トラクター
農 用
運搬車
自脱型
コンバイン
動 力
防除機
動 力
刈払機
その他
75
7
15
7
6
1
15
126
機械の転落・転倒
(78.9)
48
(23.3)
3
(46.9)
12
(70.0)
3
(50.0)
6
(12.5)
1
(33.3)
{54.3}
11
84
ほ 場 等
(50.5)
27
(10.0)
4
(37.5)
3
(30.0)
4
(50.0)
0
(12.5)
0
(24.4)
{36.2}
4
42
道 路 か ら
(28.4)
道路上での
自動車との衝突
2
(2.1)
4
挟
ま
4
か
2
(6.7)
14
(9.4)
2
(6.3)
8
(40.0)
0
(0.0)
2
(0.0)
0
(0.0)
4
(0.0)
0
(0.0)
1
(8.9)
{18.1}
2
8
(4.4)
{3.4}
7
40
れ
(4.2)
ひ
(13.3)
(46.7)
0
(25.0)
5
(20.0)
0
(33.3)
0
(12.5)
1
(15.6)
{17.2}
3
13
れ
(4.2)
回転部等への
巻き込まれ
3
(3.2)
4
(0.0)
6
(20.0)
0
(15.6)
0
(0.0)
1
(0.0)
0
(0.0)
1
(0.0)
0
(0.0)
1
(12.5)
1
(12.5)
0
(6.7)
{5.6}
9
19
(20.0)
{8.2}
2
9
機械からの転落
(4.2)
3
そ
の
(0.0)
1
(3.1)
1
(10.0)
0
(8.3)
1
(0.0)
4
(4.4)
{3.9}
7
17
他
(3.2)
(3.3)
(3.1)
(0.0)
(8.3)
95
30
32
10
12
{4.3}
{5.2}
(50.0)
8
(15.6)
{7.3}
45
232
合計
{40.9}
{12.9}
{13.8}
{3.4}
{19.4}
{100.0}
注:1 ( )内は、事故区分の合計に対する割合を示す。
2 { }内は、農業機械作業に係る死亡事故数の合計に対する割合を示す。
3 事故区分の「その他」は、左記以外の機械(田植機等)の他、機種不明の場合を含む。
表3 農業用施設作業に係る事故の原因別件数の推移
22年
23年
24年
25年
(単位:件、%)
26年
墜落、転落
9
(64.3)
11
(55.0)
12
(63.2)
7
(58.3)
11
(45.8)
落下物によるも
の
2
(14.3)
4
(20.0)
1
(5.3)
1
(8.3)
4
(16.7)
COガス等による
中毒
0
(0.0)
3
(15.0)
2
(10.5)
2
(16.7)
3
(12.5)
酸素欠乏による
もの
1
(7.1)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
2
(8.3)
2
(14.3)
2
(10.0)
4
(21.1)
2
(16.7)
4
(16.7)
14
(100.0)
注:( )内は割合を示す。
20
(100.0)
19
(100.0)
12
(100.0)
24
(100.0)
その他
合計
表4 農業機械・施設以外の作業に係る事故の原因別件数の推移
22年
23年
24年
25年
(単位:件、%)
26年
ほ場、道路から
の転落
34
(32.1)
27
(27.3)
12
(16.0)
23
(20.9)
17
(18.1)
木等の高所から
の転落
7
(6.6)
7
(7.1)
5
(6.7)
9
(8.2)
13
(13.8)
道路上での事故
1
(0.9)
0
(0.0)
2
(2.7)
2
(1.8)
0
(0.0)
稲ワラ焼却中等
の火傷
12
(11.3)
30
(30.3)
11
(14.7)
22
(20.0)
27
(28.7)
家畜によるもの
4
(3.8)
1
(1.0)
2
(2.7)
4
(3.6)
4
(4.3)
農薬による中毒
2
(1.9)
1
(1.0)
1
(1.3)
0
(0.0)
0
(0.0)
蛇、昆虫による
もの
2
(1.9)
0
(0.0)
1
(1.3)
2
(1.8)
0
(0.0)
落雷によるもの
0
(0.0)
1
(1.0)
1
(1.3)
1
(0.9)
0
(0.0)
刃部によるもの
1
(0.9)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
作業中の病気に
よるもの
28
(26.4)
26
(26.3)
23
(30.7)
24
(21.8)
19
(20.2)
うち熱中症に
よるもの
26
(24.5)
21
(21.2)
21
(28.0)
24
(21.8)
19
(20.2)
15
(14.2)
6
(6.1)
17
(22.7)
23
(20.9)
14
(14.9)
75
(100.0)
110
(100.0)
94
(100.0)
その他
106
99
(100.0)
(100.0)
注:1 ( )内は合計に対する割合を示す。
2 その他は溺水によるもの等を含む。
合計
表5 年齢階層別事故発生件数の推移
(単位:件、%)
区 分
22年
23年
3
24年
5
25年
7
26年
3
2
30歳未満
(0.8)
5
(1.4)
2
(2.0)
4
(0.9)
7
(0.6)
3
30~39歳
(1.3)
4
(0.5)
16
(1.1)
6
(2.0)
7
(0.9)
7
40~49歳
(1.0)
(4.4)
(1.7)
(2.0)
(2.0)
38
29
22
22
15
(9.5)
(7.9)
(6.3)
(6.3)
(4.3)
27
33
33
38
28
(6.8)
(9.0)
(9.4)
28
42
35
50~59歳
60~64歳
(10.9)
40
(8.0)
42
65~69歳
(7.0)
(11.5)
(10.0)
(11.4)
(12.0)
159
118
105
112
108
(39.9)
(32.2)
(30.0)
(32.0)
(30.9)
134
121
138
120
145
(33.7)
(33.1)
(39.4)
(34.3)
(41.4)
70~79歳
80歳以上
0
0
0
1
0
不明
(0.0)
(0.0)
(0.0)
(0.3)
(0.0)
398
366
350
350
350
合計
(100.0)
うち65歳以
上
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(100.0)
321
281
278
272
295
(80.7)
(76.8)
(79.4)
(77.7)
(84.3)
注:( )内は合計に対する割合を示す。
表6 月別の死亡事故発生状況
(単位:件、%)
区分
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
不明
合計
22年
23年
24年
25年
26年
13
14
10
11
(3.3)
(3.8)
(2.9)
(3.1)
(2.3)
12
19
13
14
18
(3.0)
(5.2)
(3.7)
(4.0)
(5.1)
16
19
12
23
31
(4.0)
(5.2)
(3.4)
(6.6)
(8.9)
31
41
45
29
29
(8.3)
(8.3)
35
52
(7.8)
56
(14.1)
49
(12.3)
46
(11.6)
51
(12.8)
42
(10.6)
(11.2)
44
(12.0)
40
(10.9)
37
(10.1)
(12.9)
42
(12.0)
31
(8.9)
42
(12.0)
30
34
(8.2)
(9.7)
39
49
(10.7)
(14.0)
(10.0)
38
(10.9)
42
(12.0)
49
(14.0)
36
(10.3)
8
(14.9)
36
(10.3)
37
(10.6)
29
(8.3)
52
(14.9)
39
34
32
27
30
(9.8)
(9.3)
(9.1)
(7.7)
(8.6)
30
27
22
32
20
(7.5)
(7.4)
(6.3)
(9.1)
(5.7)
13
22
17
14
(3.3)
(6.0)
(4.9)
(4.0)
0
0
1
0
8
(2.3)
0
(0.0)
(0.0)
(0.3)
(0.0)
(0.0)
398
366
350
350
350
(100.0)
(100.0)
注:( )内は合計に対する割合を示す。
(100.0)
(100.0)
(100.0)
(参考) 道府県別農作業死亡事故発生件数
都道府県名
22年
23年
24年
(単位:件)
26年
25年
1
北海道
18
21
20
18
19
2
青 森
9
14
9
10
11
3
岩 手
12
12
11
15
13
4
宮 城
9
6
5
7
6
5
秋 田
14
9
8
6
-
6
山 形
11
8
5
8
11
7
福 島
22
16
13
13
15
8
茨 城
10
16
11
17
11
9
栃 木
9
7
8
6
4
10
群 馬
9
14
11
4
8
11
埼 玉
6
-
-
-
4
12
千 葉
8
12
16
13
18
14
神奈川
-
-
-
4
-
19
山 梨
8
4
6
5
6
20
長 野
13
15
13
14
11
22
静 岡
4
7
6
8
8
15
新 潟
18
14
9
10
13
16
富 山
11
6
12
-
5
17
石 川
4
-
-
-
-
18
福 井
0
-
-
-
-
21
岐 阜
8
9
6
-
9
23
愛 知
7
9
7
6
6
24
三 重
9
9
6
4
5
25
滋 賀
4
4
5
5
-
26
京 都
-
-
-
-
0
27
大 阪
0
0
-
-
4
28
兵 庫
17
11
11
11
6
29
奈 良
-
-
-
5
5
30
和歌山
4
7
-
5
5
31
鳥 取
-
-
7
7
5
32
島 根
-
-
15
11
-
33
岡 山
9
10
6
7
8
34
広 島
7
7
7
9
8
35
山 口
8
5
11
9
6
36
徳 島
4
5
0
-
-
37
香 川
6
-
-
6
6
38
愛 媛
13
4
-
9
11
39
高 知
6
4
5
6
-
40
福 岡
11
11
10
11
14
41
佐 賀
13
10
7
5
5
42
長 崎
11
7
12
6
7
43
熊 本
14
9
14
15
18
44
大 分
10
8
6
4
8
45
宮 崎
16
15
12
12
9
46
鹿児島
7
19
18
14
20
47
沖 縄
6
-
4
4
4
全国計
398
366
350
350
注:1 東京都は本調査の対象外である。
2 事故件数が1~3件の道府県は「-」で示している。
3 本調査結果は、厚生労働省の人口動態調査・死亡小票等によるものであり、
各道府県が独自に実施している事故調査の結果と異なる場合がある。
4 道府県毎に農業者数や機械化の状況、農作業に係る環境等が異なるため、
県ごとの事故件数の多少について、単純な比較はできない。
350
農作業死亡事故の発生状況
450
400
350
事
故
件
数
(
件
)
395
391
397
374
408
398
366
90
350
350
75.4
84.3
84
97
350
86
111
77
78
70
85
300
72
77
55
60
250
50
203
200
80
218
212
192
187
190
160
140
150
152
40
41.4
150
高
齢
者
比
率
(
%
)
30
20.3
100
50
20
80
94
93
106
121
134
121
138
120
145
10
0
0
H17
80歳以上
H18
H19
H20
65歳以上80歳未満
H21
65歳未満
H22
H23
H24
不明
65歳以上の割合
H25
H26
80歳以上の割合
(農水省調べ)
要因別の死亡事故発生状況(平成26年)
機械・施設以外の作業に係る事故
94件(26.9%)
農業機械作業に係る事故
232件(66.3%)
木等の高所からの転落
13件(3.7%)
その他
ほ場、道路からの転落 18件(5.1%)
17件(4.9%)
乗用型トラクター
95件(27.1%)
熱中症
19件(5.4%)
稲ワラ焼却中等の火傷
27件(7.7%)
農業用施設作業に係る事故
24件(6.9%)
366
350件
歩行型トラクター
30件(8.6%)
その他
45件(12.9%)
農用運搬車
32件(9.1%)
動力刈払機
8件(2.3%)
動力防除機
12件(3.4%)
自脱型コンバイン
10件(2.9%)
(農水省調べ)
農作業死亡事故の発生状況(地域別)
事
故
件
数
(
件
)
85
80
75
70
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
81
71
59
48
(81.4)
74
(91.4)
64
(90.1)
65歳以上
65歳未満
30
23
22
21
19
20
9
(47.4)
10
(52.6)
11
(18.6)
14
(70.0)
17
(77.3)
7(9.9)
6(30.0)
5(22.7)
3(10.0)
3(14.3)
北海道
東北
関東
東海
近畿
中国
四国
21
(91.3)
2(8.7)
北陸
27
(90.0)
18
(85.7)
7(8.6)
九州
4
3(75.0)
1(25.0)
沖縄
※( )内は、各地域の事故発生件数計を100とした場合の割合
※地域区分は以下の通り
東北
青森、秋田、山形、岩手、宮城、福島
近畿 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
関東
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、静岡
中国 鳥取、島根、岡山、広島、山口
北陸
新潟、富山、石川、福井
四国 徳島、香川、愛媛、高知
東海
岐阜、愛知、三重
九州 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
(農水省調べ)
3
農作業安全に関するアンケート調査内容
この内容は、これまでに岐阜県内で行った農作業安全講習会等において、アンケートを実施し
た内容を取りまとめたものです。
1.農作業中にヒヤリとしたこと(ヒヤリとした時)はありますか?
(主な回答)
・フォークリフトやトラクターの運転をしてる時
・刈払機で長靴をかすって切った時
・障害物に衝突しそうになった時
・途中で雨が降り、帰りにタイヤが少し滑った
・急な坂を運搬車でのぼっている時に荷物が落ちて転がって行った
・田植機で水田から道路へ出るときに転倒しかけた
・トラクターをハウス内で運転した時、左右の間隔が分からなくなり、ハウスにぶつかった
・管理機を使用中にバランスを崩して機械が倒れたこと
・ボブローダーに乗っていて、ぐれんぐれんした時
2.農作業安全のために気をつけていることは、どんなことですか?
(主な回答)
・無茶をしない
・機械を使うときは必ず周りを確認している
・機械など動くものには注意する
・安全確認してからエンジンをかける
・後退する時など周りを良く見て、ボブローダーなど運転しています
・曲がるときには人がいなくても出来る限り一時停止をする
・作業時には暑くても長袖、長ズボンに心がける
・圃場内と道路内とのスピードを考えて走っている
・一つひとつの作業を安全に正確に行う
・発進するときは周りを見てから発進する
・作業着を着ること、安全靴又は長靴を使用する事
農作業中に、大きな事故にはつながらなかったもののヒヤッとしたこと
を経験している農業者が多く、農作業安全に注意している農業者の方が
多いことが伺えました。
4 地域ぐるみの農作業安全対策
自分の安全は自分で作り出すことが、地域の安全につながります。
多くのヒヤリ事故の中から重大事故が発生しています。
危険の兆候を早くとらえることができれば、「無事故」又は「ヒヤリ事故」ですみ
ますが、タイミングが遅くなれば「事故」になり、軽症から死亡・後遺障害を含む「重
大事故」にまでなってしまう恐れがあります。
地域における農作業事故根絶に向けて、農業者の会合等で農作業安全確認の意識向
上に向けて、どのような取組がもっとも効果的か、地域の皆様で検討することが大切
です。
○ ハインリッヒの法則とは?
大事故
ある1つの重大事故が発生した場合、同じ原因
1
で29件の軽い事故が発生し、300件のヒヤリ
小事故
事故が発生していると言われています。
29
(1:29:300)
ヒヤリ・ハット
300
○
安全への第一歩
農作業を行う気持ちを、服装等を変えることで切り替えましょう。
「仕事への気持ちの切り替え」のポイント
(1)作業計画を確認する
(2)作業に適した作業服に着替える
(3)適切な安全保護具、衛生保護具を使用する
(4)作業中に発生するかもしれない危険について予測し、対策を考える
○
危険予知訓練
次の手順で作業をする人が個々又は、グループで危険予知訓練を行いましょう。
(1)これから取り組む作業について、起こりそうな危険について考える
(2)想定した危険に遭遇したときの対処法を考える
(3)想定した危険に遭遇しないようにするための行動を考える
危険予知活動は、1回5分程度しかかかりません。
次の休憩までの作業について、危険予知を習慣づけましょう。
「昨日と同じだから省略」は危険です。
○
農作業事故ゼロの心得
農作業でも「危機管理」の意識が大切です。
危機管理の手順の5段階
(1)危険の存在を認識する
(2)危険を確認する
(3)危険被害の推定
(4)危険対策の評価
(5)危険回避行動
○
農作業安全のポイント
① 取扱説明書をしっかり読みましょう
農業機械に付属の説明書をしっかりと読み、農業機械の機械特性、操作方法等を
習得しましょう。
② 安全装備を活用しましょう
農業機械には、事故を防止のために、様々な安全装置が付いています。
安全装置が付いている箇所や、使用効果等を確認しましょう。
③ 始業点検、終業点検、定期点検を実施しましょう
農作業安全に関するチェックシート等を作成・活用して、定期的な点検を行いま
しょう。
④ 機械操作に必要な特殊免許等を取得しましょう
大型化・高性能化している農業機械は、特殊免許(大型特殊免許、けん引免許等)
が必要となる場合があります。操作時には、法令厳守のためにも特殊免許の取得
をしましょう。
⑤ 作業の基本を身につける
農業機械に装備されている様々な装置の特性や、運転操作方法等について、納入
業者からの指導を受けるとともに、研修会や農業機械士からも指導を受けましょ
う。
特に、機械の更新直後は新しい機械操作に慣れず事故が発生しやすくなりますの
で、注意しましょう。
⑥ 休憩時間を必ず作る
疲労を感じながらの作業継続は集中力の低下を招き、事故になることが多い傾向
にあります。
通常作業なら2時間程度に1回、きつい作業はより頻繁に休憩を取りましょう。
機械能力、経験等に合わせて、無理のない作業計画を立てましょう。また、休憩
時に、危険予知活動を忘れずに行いましょう。
⑦ 機械格納庫の整備
整理整頓に努めましょう。
格納庫内での点検調整のために、床が平らで、適切な明るさがあり、換気が行わ
れる空間を確保しましょう。
(具体例)
・一つの機械を使うのに多くの機械を動かすようなことがないように格納する。
・小さな物は棚を使って立体的置く。
・車輪のない大きな作業機は台車等に乗せて格納する。 等
⑧ 家からほ場までの安全確保
他の自動車などと接触しないように安全運転で移動しましょう。
路肩を踏み外して転落しないように、路肩に寄り過ぎないよう注意しましょう。
転倒時の安全スペース確保のため、安全キャブや安全フレームの付いたトラク
ターやコンバインを使い、シートベルト着用を徹底しましょう。
⑨ 圃場での安全確保
段差のあるほ場への出入りは、歩み板や十分な幅と長さのある進入路を利用し
ましょう。
また、傾斜に対して直角の向きで出入りしましょう。
「急」のつく操作(急発進、急ハンドル、急ブレーキ等)は避けましょう
旋回時や後進時は、周囲の安全を確認しましょう。
共同作業者や家族との間で、機械が動く際の声掛けや合図を決めましょう。
点検整備・清掃中は、必ずエンジンを止めましょう。
⑩ ほ場から家への安全確保
トラクターでは、ほ場を出る前に、ブレーキペダルの連結を必ず確認しましょう。
低速車マークや反射資材を活用し、他の自動者などからの衝突を回避しましょう。
⑪ 園芸施設での作業安全
歩行型管理機での耕うん作業中に後退時にハンドルに体が持ち上げられる事故が
頻発しています。
ハンドル回転式の管理機を使用しましよう。また、後退発進時の急発進は避けま
しょう。
⑫ 果樹園での作業安全
脚立やはしごを使う高所作業は、バランスを崩し転落の可能性が高まります。
無理な脚立の使い方をしないようにしましょう。
脚立上は、バランスが悪いので重心のかけ方に注意しましょう。
また、スピードスプレヤーでの防除は、枝等の周囲に注意しましょう。
⑬ 畜舎内作業の安全確保
給餌車、配飼車または家畜に挟まれないようにしましょう。
フォークで足を突かないようにしましょう。
サイロに入る時は、サイロ内が酸欠状態になっていないかチェックを必ず行いま
しょう。
○
救急処置と労災保険の加入
農作業事故と救急措置
事故発生時の、救急処置や対応方法等を事前に確認しておきましょう。
一人で作業中の事故は、携帯電話を持つことで救命につながることもあります。
作業中も携帯電話を持つようにしましょう。
★正しい応急処置
(1)事故を発見したら、まず機械のエンジンを停止する。
(家族全員が所有機械のエンジン停止方法を知っておくこと)
(2)ケガの様子を正しく把握し、救急出動の連絡をする。
(3)救急隊到着までの間に適切な応急処置を施す。
(4)救急隊が到着したら、施した処置について報告する。
労災保険制度のあらましについて
・万が一の事故に備え、療養・休業給付遺族給付が受けられる労災保険の特別加
入制度が設けられています。
次の3つの区分のいずれかに特別加入することができます。
農作業事故の補償を得るため、営農の実態に合った労災保険に加入しましょう。
加
入
資
格
①特定農業従事者
②指定農業機械作業従事者
③中小事業主等
経営耕地面積2ha以上また
指定された機械を使用し、土
①常時300人以下の労働者
は、年間農畜産物販売金額3
地の耕作・開墾、植物の栽培
を使用する事業主とその事業
00万円以上の規模を有し、
・採取の作業を行う農業者(
従事者(家族従事者など)
農業機械を使用する作業など
家族従事者を含む)
②年間100日以上労働者を
の特定の農作業に従事する農
使用する事業主とその事業従
業者(家族従事者を含む)
事者(家族従事者など)
※その事業の労災保険に係る
事務処理を委託していること
補
償
対
象
作
業
土地の耕作・開墾、植物の栽培 指定農業機械を使用する作業
農作業中や事業の運営に必要
・採取、家畜・蚕の飼育の作業 及びこれに直接付帯する行為
な業務上の業務災害や通勤災
のうち、次に掲げるもの
害。
(運転・運搬を含む)
①動力により駆動される機械
を使用する作業
②高さが2メートル以上の箇
所における作業
③牛・馬・豚に接触し、または
接触の恐れのある作業
④酸素欠乏危険場所における
作業(サイロ、むろなど)
④農薬散布の作業
等
*厚生労働省か作成する「農業者のための特別加入制度のしおり」も参考としましょう。
集落営農組織における具体的な加入方法について
1.任意組合の構成員(農業者)は、個人事業主の資格で「特定農作業従事者」又は「指定農業機
械従事者」として特別加入するのが原則です。
2.任意組合が「法人化」により、オペレータ等労働者を雇用すれば「労働者」としての一般加入
と「役員」の労災保険特別加入制度が活用できます。
3.また、「必要な補償」を充足させるためには、労災保険制度に加え、JA共済等保険の活
用についても検討して下さい。
集落営農組織における労災保険の加入形態
雇用労働者
組 合 員
特
定
農
業
団
体
等
組合員
非組合員
一般加入
一般加入
特別加入
任意組合
(特定農作業従事者)
(指定農業機械作業従事者)
〈民法667 条組合契約〉
特別加入
(中小事業主等)
(特定農作業従事者)
(指定農業機械作業従事者)
人格のない社団
〈法人税基本通達1-1-1〉
組 合 員
非組合員
法人が組合員を労働者
法人が組合員を労働者
として雇用しない場合
として雇用する場合
代表理事
(法人雇用労働者)
(理事・監事)
〈労働者性のない者〉
“事 業”
従 事
農
事
組
合
法
人
従
事
分
量
配
当
制
“事 務”
従 事
“事 業”
従 事
“事 務”
従 事
事 業
従 事
事 務
従 事
特別加入
特別加入
一
般
加
入
(特定農作業従事者)
又は
(中小事業主等)
又は
(特定農作業従事者)
又は
(指定農業機械作業従事者)
一般加入
(指定農業機械作業従事者)
特別加入
確
定
給
与
制
一般加入
(中小事業主等)
又は
(特定農作業従事者)
又は
(指定農業機械作業従事者)
一般加入
(備考)法人に雇用されない組合員は、個人農業者として特別加入(「特定農作業従事者」「指定農業機械作業従事者」)の対象となる。
労働者を雇用する法人の代表理事と役員(理事)は、「中小事業主等」として特別加入が可能である。
農業者に係る労災保険加入の形態
特
一般加入
別
加
入
(雇用労働者)
中小事業主等
指定農業機械作業従事者
特定農作業従事者
保 険 料 率
13/1000
13/1000
3/1000
9/1000
保険料負担
事業主
事業主
加入者
加入者
(備考) 個人事業主の場合の本人の分の特別加入労災保険料は必要経費(法定福利費)ではなく、社会保険料控除(事業主貸)の対象と
なります。法人の場合は損金(報知恵福利費)になります。
5 農作業安全に関する啓発資材等一覧
題
名
農作業安全シリーズ Disc1
製
作
備
考
所要
時間
(一社)日本農業機械化協会
DVD
47分
(一社)日本農業機械化協会
DVD
51分
(一社)日本農業機械化協会
DVD
83分
(一社)日本農業機械化協会
DVD
92分
(一社)日本農業機械化協会
DVD
51分
(一社)日本農業機械化協会
DVD
35分
(一社)日本農業機械化協会
CD-ROM
-
農機安全 e ラーニング CD 版
(独)農研機構生研センター
CD-ROM
-
農作業事故 ここがポイント
(一社)日本農村医学会
CD-ROM
-
ここがポイント 農作業事故防止 各論編
1. トラクターの事故
2. コンバインの事故
3. 耕耘機の事故
4. 草刈り機の事故
5. 脚立の事故
6. 農作業事故と労働安全の法律
7. 農作業事故・緊急時の対応
(一社)日本農村医学会
CD-ROM
-
女性・高齢者の安全を確保しよう
あなたの安全度チェック
農作業安全シリーズ Disc2
農作業環境丸ごと点検
農作業事故の実態と防ぎ方
トラクター転倒死亡事故を防ごう
セイフティアグリシリーズ Disc1
あなたを守る安全フレーム
トラクター運転操作の基本
トラクターセイフティチェックポイント
農機の路上走行を安全に
地域ぐるみで事故を防ぐ
トラクター安全研修の進め方
セイフティアグリシリーズ Disc2
春の農作業を安全に
中山間地の農作業安全
耕うん作業を安全に
秋の農作業を安全に
中山間地域の農作業安全
安全なコンバイン作業
セイフティアグリシリーズ Disc3
あなたのための安全保護具
事故を防ぐ農機の安全装置
安全確保のための正しい工具の使い方
地域で守る担い手の生命(いのち)
地域での話し合いから始める農作業
農作業安全診断ソフト
安全意識を事故点検しましょう
※上記の資材等については、常時貸し出しをしていますので、地域での農作業安全啓発のための研修会や
座談会等に御活用ください。
<問い合わせ先>
岐阜県農政部農産園芸課水田経営係 TEL 058-272-1111(内2864)
6
農作業安全のための取組状況
(1)岐阜県が実施する農作業安全への取組
岐阜県では、農業関係団体とともに岐阜県農作業安全対策推進連絡会議を設置し、ポスタ
ー掲示やチラシの作成・配布、国が作成する農作業安全に取り組むための資料等を活用し
て農作業安全啓発活動を実施しています。
表.平成27年度の取組内容
時
期
活動内容
4月~6月
「春の農作業安全運動」の展開
ポスターの掲示
5月~9月
熱中症対策への啓発
8月~11月
「秋の農作業安全運動」の展開
ポスターの掲示
チラシの作成・配布
11月
「農業機械士養成研修」の開催
(農業機械に関する農作業安全・簡易点検整備・運転操作研修、
大型特殊免許(農耕車限定)習得支援 等)
随時
研修会等での農作業安全講習
注)農業機械士
:集落営農組織のオペレーターとして活動するために、県が主催する農業機械に必要な知識、技能に関する研
修を受講し、農業機械士技能検定に合格した者。県が認定。
指導農業機械士
:農業機械士認定者であって、集落営農組織等において農業機械作業の管理者、指導者として活動するために、
県が主催する農業機械に関する必要な高度な専門知識、技能に関する研修を受講し、指導農業機械士技能検定
に合格した者。県が認定。
(2)農作業安全に関する啓発資料
国や県が作成した主な農作業安全啓発資料を次ページより掲載しておりますので、ご
活用ください。
なお、掲載している資料以外にも、ホームページに関係資料を掲載していますので、
是非ご覧ください。
農林水産省ホームページ
農水省 農作業安全
検索
岐阜県ホームページ
岐阜県 農作業安全
検索
(参考資料)
国が作成した主な農作業安全啓発資料について
農林水産省ホームページ 農作業安全対策へのリンク
http://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/index.html#kenshusiryo
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平成 26 年度農水省補助事業「農作業事故の対面調査」
一般社団法人・日本農村医学会
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農林水産省からのお知らせ
農作業による死亡事故が
増えています
交通事故や労働災害による死亡事故が減少する中、農作業による事故は増加
しています。平成17年の死亡事故は、労災事故の4倍の発生率となっています。
12.0
10.0
8.0
6.0
10万人当たり死亡事故件数の推移
件
11.8
農業
9.9
7.9
交通事故
3.9倍
5.4
労働災害
(全産業平均)
4.7
4.0
3.0
2.0
平成8
9
10
11
12
13
14
15
16
17 年
資料: 死亡事故件数と人口から算出。死亡事故件数は、上から農林水産省生産技術課、
警察庁交通局、厚生労働省安全課調べ。人口は、農林水産省統計部「農業構造動
態調査」の農業就業人口、総務省統計局調べによる総人口及び労働者数。
高齢者による事故、機械操作に伴う事故
が多くなっています
高齢化の進展に伴い、高齢農業者による事故の割合が増えています。
(農作業死亡事故件数の3/4が65歳以上)
死亡事故の原因別では、農業機械の操作に伴うものが7割を占め、その約
半数が乗用型トラクターによるものとなっています。
農作業死亡事故件数の年齢階層別・事故原因別内訳
(平成15∼17年の3か年平均、事故件数402件)
農業機械事故のうち
機種別内訳
機械・施設作業
以外のもの
65歳未満
年齢階層別
65歳以上
74%
施設作業に伴う事故原因別
もの
農業機械作業
に伴うもの
70%
その他
農用
運搬車
歩行型
トラクター
乗用型
トラクター
46%
事故防止には、一人一人が高い安全意識
を持って作業を行うことが重要です
安全対策が講じられた農業機械を導入しましょう
安全装置の装備等により、農業機械の安全性は向上しています。例えば、乗用型
トラクターの安全キャブ・フレームは、転落・転倒時の死亡率を1/8に抑える等の
高い効果が認められています。
乗用型トラクターは安全
キャブ・フレーム付きのも
のを使いましょう
安全装置の装備等、一定の安全基準を満たしていることを国等が確認した農業機
械には、このようなシールが貼られていますので、機械導入の目安として下さい。
農業機械の管理・利用は、適切に行いましょう
機械自体の安全性能が優れていても、日頃の管理が不十分では、思わぬ故障が発生
して事故を招いたり、万が一の場合に安全装置が機能しないこともあります。
日常的な点検に加え、整備工場での定期的な整備を行いましょう。
また、安全装置があっても、それを適切に使用しなければ効果はありません。
(例えば可倒式の安全フレームを倒したまま使用、シートベルトを着用しない等)
取扱説明書や関係法令に従った安全な利用を心掛けましょう。
安全な農作業に必要な知識・技術を習得しましょう
農作業には様々な危険が伴うことを認識した上で、安全な作業に必要な基本的な
知識や技術を習得し、高い安全意識のもとで、それを実践することが重要です。
地域で開催される農作業安全研修会等に積極的に参加しましょう。
農業機械や農作業安全に関して高い知識・技術を持つ農業機械士を中心に勉強
会を行う等の取組みにより、大きな効果をあげている地域もあります。
高齢者の方は、自らの心身機能の衰えを十分に
意識して、農作業に取組みましょう
年齢が高くなると、視力、平衡機能、とっさの判断力等の心身機能は低下します。このた
め、事故を起こしやすくなり、ケガの程度も大きくなる傾向にあります。
これを防止するためには、高齢者の方が、自らの体力等が若い頃とは違うということを十
分に自覚した上で、余裕をもった作業を心掛けることが重要です。
加齢による心身機能低下の程度
(20∼24歳層を100とした55∼59歳層の相対割合)
筋力(握力)
就業人口10万人当たり農作業死亡事故件数
(平成15∼17年、3か年平均)
75
瞬発反応
視力
63
71
44
平衡機能
48
聴力
77
判断力
20∼24歳
55∼59歳
65歳未満
7件
65歳以上
15件
55∼59歳層で視力は37%、
判断力は23%、平衡機能
は52%低下
65歳以上層は65歳未満層の
2倍以上の事故発生率
データ出典:斉藤,労働の科学,22(1),4-9,1967
高齢者による発生が多い農作業事故の例
歩行型トラクターの
後進作業時は後方
の障害物に注意を!
野焼き中、火にまかれる
増水時に田の見回りに
行って水路に転落する
急に後退してきた歩行型トラクター
と壁の間に挟まれる
万が一の事故に備えて、労災保険に
加入しましょう
労災保険は、雇用労働者の業務災害時の補償を目的とする公的保険ですが、
自営農業者であっても、一定の要件を満たしていれば加入できる特別加入制
度があります。
万が一の場合でも、経営を維持し、家族の生活を守るため、労災保険の特別
加入制度を活用しましょう。
特別加入制度の詳細は、お近くの農協や労働基準監
督署等にお問い合せ下さい。また、厚生労働省の
ホームページで、右のパンフレットがご覧になれます。
なお、法人経営において、労働者を雇用する場合に
は、使用者の責任において労働者を労災保険に加
入させることが義務づけられています。
(平成19年度版)
農作業安全対策の留意点等を詳細に解説した「農作業安全のための
指針」や事故防止の取組事例等の農作業安全に関する情報が、農林
水産省のホームページでご覧いただけます。
www.maff.go.jp/soshiki/seisan/shizai/nousagyouannzenn16.10.20.html
または、 農作業安全対策
検索
※ 本資料中のイラストは、(社)日本農業機械化協会発行の安全啓発用冊子に掲載されたものを使用しています。
同協会ホームページ(http://nitinoki.or.jp/)から、冊子の情報の他、農作業安全に関する情報が入手できます。
お問合せ
農林水産省生産局生産技術課
TEL 03(3502)8111 (内線4840)
【平成20年3月作成】
清流の国ぎふ憲章
~ 豊 かな森 と清 き水 世 界 に誇 れる 我 が清 流 の国 ~
岐 阜 県 は、古 来 、山 紫 水 明 の自 然 に恵 まれ、世 界 に誇 る 伝 統
と文 化 を育 んできました。豊 かな森 を源 とする「清 流 」は、県 内 をあま
ねく流 れ、里 や街 を潤 しています。そして、「心 の清 流 」として、 私 たち
の心 の奥 底 にも脈 々と流 れ、安 らぎと豊 かさをもたらしています。
私 たちの「清 流 」は、飛 騨 の木 工 芸 、美 濃 和 紙 、関 の刃 物 、
東 濃 の陶 磁 器 など匠 の技 を磨 き、千 有 余 年 の歴 史 を誇 る鵜 飼
などの伝 統 文 化 を 育 むとともに、新 たな未 来 を 創 造 する 源 になって
います。
私 たち 岐 阜 県 民 は 、「清 流 」の恵 みに感 謝 し、 「清 流 」に育 まれ
た、自 然 ・ 歴 史 ・ 伝 統 ・ 文 化 ・技 を ふるさとの宝 も のと して 、 活 か し、
伝 えてまいります。
そして、人 と人 、自 然 と人 との絆 を深 め、世 代 を超 えた循 環 の
中 で、岐 阜 県 の底 力 になり、100年 、200年 先 の未 来 を築 いていく
ため、ここに「清 流 の国 ぎふ憲 章 」を定 めます。
「清 流 の国 ぎふ」に生 きる私 たちは、
知
清 流 がもたらした
自 然 、歴 史 、伝 統 、文 化 、技 を知 り学 びます
創
ふるさとの宝 ものを磨 き活 かし、
新 たな創 造 と発 信 に努 めます
伝
清 流 の恵 みを新 たな世 代 へと守 り伝 えます
平 成 26 年 1 月 31 日 「 清 流 の 国 ぎふ 」づくり 推 進 県 民 会 議
岐阜県農政部農産園芸課
(水田経営係)
〒500-8570
岐阜市薮田南2-1-1
TEL: 058-272-1111( 内 2864)
FAX: 058-278-2692
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