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小児外科初期研修プログラム I.目標と特徴 小児外科診療に必要な基本

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小児外科初期研修プログラム I.目標と特徴 小児外科診療に必要な基本
小児外科初期研修プログラム
I.目標と特徴
小児外科診療に必要な基本的知識を修得し、さらに小児診療を通して繊細でソフト
な外科の基本的手技を習得する。将来外科医あるいは小児外科医を目指すものに対
しては日本外科学会の専門医資格が取得できるように、3年目以降の外科研修カリ
キュラムと関連性を保ちながら研修する。小児外科診療の他に小児肝不全症例に対
する高度医療である生体肝移植医療にも携わり、高度な術後管理、感染対策など多
岐にわたって外科患者管理を研修できることが特徴である。
Ⅱ.プログラム責任者
教授 鈴木 達也(日本外科学会指導医、日本小児外科学会指導医)
Ⅲ.運営指導体制および指導医
小児外科スタッフ全員がアットホームな雰囲気の中、研修医の指導を行う。日本外
科学会指導医は2名、日本外科学会認定医(専門医)2名であり、日本小児外科学会
の指導医は2名、専門医は2名である。
Ⅳ.臨床実績
小児外科における2010年の年間入院患者数は376例で、うち手術件数は244件である。
主な疾患はそけいヘルニア・陰嚢水腫118例、臍ヘルニア25例、停留精巣が16例、
小児固形腫瘍3例、新生児外科疾患10例、急性虫垂炎17例、鎖肛7例、先天性胆道拡
張症1例、漏斗胸3例、生体肝移植1例などである。
Ⅴ.研修内容
1. 行動目標
1) 小児外科的疾患患児に対する適切な臨床判断能力を可能にする。
2) 繊細、確実な手術手技の基本および問題解決能力を身につける。
3) 移植医療を通して医の倫理に配慮した外科診療を行うための適切な態度と習
慣を身につける。
4) 専門臓器にこだわらない幅広い診療を可能にする。
2.到達目標
1) 鼠径ヘルニア手術を通して手術解剖学に必要な「膜」の構造、見極めを習得
する。
2) 新生児から学童までの全身管理と静脈確保技術の習得をする。
3) 小児領域の輸液管理の習得。
4) 小児救急医療への対応の習得。
5) 小児外科疾患 (以下) 手術および周術期管理の習得。
鼠径ヘルニア、精系水腫、臍ヘルニア、急性虫垂炎、肥厚性幽門狭窄症、腸
重積症。
6)下記の小児に対する検査を理解し安全に実施または介助できる。
1)画像の診断
① X線検査:胸腹部単純撮影、消化管造影、尿路造影、胆道造影、
CT検査(3D-CT)、血管造影検査
② 超音波検査: 腹部、体表の超音波検査、肝血流測定
③ MRI検査
2)穿刺検査:胸腔、腹腔穿刺
3)生検:リンパ節、体表、直腸の生検
4)各種シンチグラフィー(肺、肝、小腸、骨、腫瘍)
5)消化管内圧検査: 食道、直腸肛門
6)食道内PH検査
Ⅵ.研修スケジュール
1.研修は病棟および手術室を主体とする。
① 病棟では1日2回(朝・夕)の回診を指導医と共に行う。
② 検体検査のための採血を指導の下に行う。
③ 指導担当医の指導の下、入院患者の予診、診察を行い、検査・治療計画をた
てる。
④ 小児患者、家族への会話を習得する。
⑤ 必要な検査、予定された手術に参加する。
⑥ 習得目標に従い検査技術、診断、手術手技を習得する。
2.救急医療への対応の研修
時間外診療にも積極的に参加し、小児外科救急診療を研修する。
3.学術的研修
①症例を定め、問題解決のための資料(文献もふくめ)収集を行い、要約の方法を
研修し、カンファランスでのプレゼンテーションを実践する。
②関連する学会(外科学会、小児外科学会、移植学会、肝移植研究会、消化器外
科学会など)への参加をし、最新の知識向上に努める。
Ⅶ.評価法
研修修了時に、受け持ち患者サマリー、術者・助手として関わった手術記録等を指
導医が評価し、これを参考にプログラム責任者が口頭試問により研修内容を評価す
る。最終的評価はオンライン臨床研修評価システム(EPOC)を用いて行う。
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