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企業で使えるか 企業で使えるか

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企業で使えるか 企業で使えるか
特集 2
グループウエア
Webメール
ホスティング
注目のメールを自社ドメインで
Gmailは
企業で使えるか
米グーグルのメール・サービス
「Gmail」
が,
企業向けの機能を充実させている。
操作性の高さやストレージの大きさといった特徴を引き継ぎつつ,
コンシューマ向けにはないサポートやカスタマイズ機能を盛り込んだ。
Gmailは本当に企業が導入できるレベルに達しているのかを検証する。
(山崎 洋一)
68 NIKKEI COMMUNICATIONS 2007.10.1
写真:getty images
料金は無料。
「∼@gmail.
com」のアドレスを持てる。
企業向けは自社ドメインの
アドレスを使える
ストレージ容量は
公称2Gバイト。
企業向けは最大
10Gバイト
企業向けはロゴを
カスタマイズできる
メール検索
機能が付く
図1 コンシューマ向けGmailをベースにした企業向け
Gmail 企業向けに追加した機能は図中の黄色の文字で
示した。
本文に関連した
広告が表示される。
企業向けは一部メニューで
非表示にできる
受信メール一覧とメール本文の
画面はページをリロードせず
切り替わる
スパム対策とウイルス対策を標準搭載。
例えばスパム・メールは自動的に
専用フォルダに振り分けられる
米グーグルが, コンシューマ向けの☞Web
キュリティ,検索などの機能をそのまま使える
メール・サービスとして浸透した「Gmail」の
ことである。
無料で使えるメール・サービスには,
企業向けバージョンを提供している。
「Google
米マイクロソフトの「MSN Hotmail」
(現在の
Apps」というアプリケーション群サービスの一
「Windows Live Hotmail」
)
や米ヤフーの「Yahoo!
部として,Webページ作成ツール,スケジュー
メール」などがある。これらを追って,Gmail
ラ,IM(インスタント・メッセージ)
,文書作成・
は2004年に「∼@gmail.com」のアドレスを持
共有ツールなどとセットになっている。コンシ
つサービスとしてスタート。当初から無料サー
ューマ向けとは明確に分けて,企業向けの機能
ビスとしては大容量な☞ギガバイト級のストレ
を充実させた。一般企業向けには有料版と無料
ージを利用できたことで,ユーザーから支持を
版の2種類がある。
得ていた。
企業向けGmailは,コンシューマ向けGmail
GmailはWebブラウザから利用でき,メール・
をベースにしたメール・ホスティング・サービス
ソフトから☞POP3やSMTPでアクセス可能で
の体裁を取る。 操作インタフェースはコンシュ
ある。Webメールの画面はメール・ソフトに近
ーマ向けと同様だが,企業向けではロゴを変え
い操作性を持ち,メール本文の画面と受信メー
たり広告を非表示にできる。ストレージを増や
ル一覧の表示を素早く切り替えられる(図1)。
すことも可能だ。 そして何より大きな違いは,
セキュリティ面では,スパム対策とウイルス対
ほかのホスティング型のサービスと同様に手持
策を標準で搭載。グーグルが得意とする検索技
ちのドメインを使えることだ。 つまりメールの
術を使ったメール全文の検索機能も提供する。
本文中☞の付いた
用語を解説
Web メール=メール・ソ
フトを使わず Web ブラウ
ザから利用できるメール・
サービスのこと。無料で
Web メールを使えるサー
ビスを提供する事業者も
いる。
ギガバイト級のストレー
ジ=サービス開始当初は
1G バイト。現 在は公 称
2G バイトだが,実際は
少しずつ容量を増やして
いる。
POP3 や SMTP =どちら
もメール・ソフトがメー
ル・サーバーを利用する
際 のプ ロトコル。POP3
でサーバーからメールを
読み出し,SMTP でメー
ルをサーバーに送る。
アドレスを「∼@自社ドメイン」に設定できる。
業務利用に向いた機能をそろえる
リッチな機能を自社ドメインでも使える
企業向けGmailはこうした特徴を引き継いだ
企業向けGmailの特徴は「Gmailの操作性」
うえで,業務利用に役立つ機能を付け加えた。
を保ちながら「企業向けに特化したツールやサ
グーグル日本法人の大須賀利一エンタープライ
ービス体制」を追加したことである。
ズセールスマネージャーは,
「コンシューマ向け
Gmailの操作性とは, コンシューマ向けの
に提供してきた検索,メール,カレンダーなど
Gmailで提供してきた大容量のストレージやセ
のサービスを企業が活用できるように,Google
NIKKEI COMMUNICATIONS 2007.10.1 69
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