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電機・電子業界における 貢献量評価の取組(IEC規格開発)について
びわ湖環境ビジネスメッセ2014 電機・電子業界における 貢献量評価の取組(IEC規格開発)について 2014年10月22日 齋藤 潔 一般社団法人日本電機工業会 The Japan Electrical Manufacturers’ Association(JEMA) Ⅰ 電機・電子業界の温暖化防止自主取組み Ⅱ 削減貢献量評価の国際標準 ●「低炭素社会実行計画」と「削減貢献量評価」の取組み ●IEC国際標準化の取組み – IEC TC111 1 Ⅰ 電機・電子業界の温暖化防止自主取組み ●「低炭素社会実行計画」と「削減貢献量評価」の取組み http://www.denki-denshi.jp/dl2011jan/ 2 Ⅰ-1. 電機・電子業界の地球温暖化問題への対応 ■ 生産プロセスの革新とエネルギー消費効率の改善(「エネルギー効率の良いモノづくり」) -原単位改善で、「製造時のCO2排出量の抑制(削減)」を推進 ■ エネルギー需給の両面で、低炭素・高効率機器の開発と普及促進 -地球規模での中長期的な「低炭素社会」の実現に貢献 電機・電子業界の温暖化対策 ■ 生産効率の改善と省エネ推進 自主取組み ●生産プロセスの革新 ●エネルギー消費効率の改善 の推進 ■ 低炭素・高効率機器の開発と普及促進 省エネ デバイス エネルギーの需要面 省エネ機器の普及促進とグリーンITの推進 ●家電機器/業務用機器/産業用機器 ●IT機器/ITソリューション ●半導体素子 ●液晶パネル ●電子部品 エネルギーの供給面 高効率な電力供給を支える取組み ●原子力発電/複合火力発電 ●新エネルギー機器 3 Ⅰ-2. 電機・電子機器の将来ポテンシャル [低炭素・高効率化によるCO2排出抑制貢献] ■ 自然体ケース(6℃シナリオ)では、2050年のCO2排出量は現状(2009年:31Gt)の約1.87倍(58Gt) ●IPCC第4次評価報告書 -気温上昇を2℃以内に抑制するためには、大気中のCO2濃度450ppmでの安定化が必要 (2 - 3℃を超える平均気温の上昇により、全ての地域で利益が減少またはコストが増大する可能性が高い) ●IEAエネルギー技術展望 「技術革新、普及促進等による対策ケース」 -2℃シナリオでは、現状からCO2排出量を約半減(2009年:31Gt⇒2050年:16Gt) エネルギー需給の両面 における「低炭素/省エネ 技術革新・普及促進」 出典: IEA Energy Technology Perspectives 2012-Scenarios & Strategies to 2050 4 Ⅰ-3. 電機・電子機器のライサイクルCO2排出量評価 [LC-CO2評価] ■ 電機・電子機器は、ライフサイクル全体で評価すると、“使用段階”でのCO2排出の ウェートが高い ●評価事例(電気冷蔵庫): 2010年度対象製品(国内製造)のライフサイクル におけるCO2排出量 -2010冷凍年度製品 -定格内容積 501L 2010年度対象製品のライフサイクルにおける CO2排出量は約1,738 kg-CO2 使用段階の排出量は全体の約80%を占める 1999冷凍年度製品と2010冷凍年度製品の比較 -1999冷凍年度製品について、2010冷凍年度 製品の算出条件をもとに補正 ライフサイクル全体で比較すると、約59%減少 使用段階のみ では約64%減少 ライフサイクル全体 で約59%減少 使用段階におけるCO2排出量は約64%減少 [真空断熱材の採用等により、使用段階における 省エネ性能が大きく向上] 出典:一般社団法人日本電機工業会「LCA-WG」 5 Ⅰ-4. 電機・電子業界「低炭素社会実行計画」 [フェーズⅠ計画(~2020年)] ■電機・電子業界は、グローバル市場を踏まえた産業競争力の維持・向上を図ると同時に、 エネルギーの安定供給と低炭素社会の実現に資する「革新技術開発及び環境配慮製品の創出」 を推進し、我が国のみならずグローバル規模での温暖化防止に積極的に取組む ◇経団連 ライフサイクル的視点 によるCO2排出削減 2013年度から実行計画を開始 参加 ◇電機・電子業界 実行計画(方針) 低炭素社会実行計画 業界「低炭素社会実行計画」(※) 重点取組み ●生産プロセスのエネルギー効率改善/排出抑制 国内における「業界共通目標」を策定 -2020年に向け、エネルギー原単位改善率 年平均1% ●製品・サービスによる排出抑制貢献 排出抑制貢献量の算定方法確立と、毎年度の業界全体の実績公表 国際貢献の推進 革新的技術の開発 -発電(ガスタービン火力発電,太陽光発電,地熱発電 等)、 家電製品(冷蔵庫,エアコン,TV 等)、ICT機器及びソリューション の計21製品カテゴリーの排出抑制貢献方法論を制定 業界の取組み内容の把握・公表 参加 (※)低炭素社会実行計画の運営主体は、電機・電子 温暖化対策連絡会の構成団体の内、次の4団体 (一般社団法人電子情報技術産業協会,一般社団法人 日本電機工業会,一般社団法人ビジネス機械・情報システム 産業協会,一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会) 業界共通目標へのコミットと進捗状況の報告 A社 B社 C社 現在、2030年に向けての 「フェーズⅡ」計画内容 を検討中 6 Ⅰ-5. 低炭素社会実行計画における製品貢献 [方法論確立と毎年度の実績公表] ■ 排出抑制貢献の取組み 2012.6.25時点: ●排出抑制貢献量の算定方法確立と、21製品の方法論 を作成 毎年度の業界全体の実績を公表 ■ 排出抑制貢献の評価方法 ●ベースライン(比較対象)のCO2排出量と 当該製品使用(導入)時のCO2排出量との差で評価 -効率向上シナリオ -代替シナリオ ●貢献量の集計方法(当該年間/稼働(運転)期間分一括) カテゴリー 発電 家電製品 ICT製品 製品 ベースライン(比較対象)の考え方 火力発電(石炭,ガス) 最新の既存平均性能 原子力発電 調整電源(火力平均) 太陽光発電,地熱発電 調整電源(火力平均) 家庭用燃料電池 調整電源(火力平均)、ガス給湯(都市ガス) テレビ,冷蔵庫,エアコン トップランナー基準値 照明器具,照明ランプ 基準年度業界平均値 ヒートポンプ給湯器 ガス給湯(都市ガス) サーバ型電子計算機,磁気ディスク装置, ルーティング機器,スイッチング機器 トップランナー基準値 クライアント型電子計算機, 複合機,プリンター 基準年度業界平均値 ICTソリューション 遠隔会議システム, (Green by ICT) デジタルタコグラフシステム ソリューション(サービス)導入前 ※稼働(運転)期間の 推計根拠を明示 個別製品の方法論等は、下記WEBサイトで公開予定(年内) http://www.denki-denshi.jp/dl2011jan/ 貢献量の2013年度実績(算定結果)についても、今後、低炭素社会 実行計画フォローアップ結果として公開 7 Ⅰ-6. 電機・電子業界における国際協力 [電機・電子業界のセクター別アプローチ] ■セクター別アプローチの狙い ●市場のグリーン化(グリーン市場の創出・拡大)の促進 ●適切な競争条件の確保と国際整合の促進 グローバル市場における「低炭素 /省エネ製品」の開発と普及促進 ■多岐に亙る活動 -国際省エネルギー協力パートナーシップ(IPEEC)/SEAD:高効率機器の普及促進 -国際エネルギー機関(IEA)/4E実施協定:機器の省エネ性能評価・測定方法の開発及び国際整合 -国際電気標準会議(IEC)/専門技術委員会:製品の省エネ試験方法開発、環境貢献評価方法論の開発 -気候変動枠組条約締結国会議(UNFCCC/COP):2国間オフセット・クレジット制度の試行検証(F/S)実施 G8サミット+(プラス) 国連気候変動枠組条約締結国会議(UNFCCC/COP) エネルギーと気候変動に関する 主要経済国フォーラム(MEF) ●日本政府「二国間クレジット制度化」 に向けた取組みへの協力※F/Sの実施 クリーンエネルギー大臣会合(CEM) 国際電気通信 連合標準化部門 (ITU-T) 国際標準化 機構(ISO) 国際省エネルギー協力 パートナーシップ (IPEEC/14ケ国+EU) 国際エネルギー機関 (IEA/28ケ国) SEAD - Super-efficient Equipment 4E実施協定 - Efficient Electrical End-use Equipment and Appliance Deployment ●高効率機器普及促進 政策導入への協力 国際電気標準会議 (IEC/65ケ国) 専門技術委員会 ●機器のベンチマーク評価、 省エネ基準&ラベリング制度 政策評価等への協力 電機・電子業界(セクター別アプローチ) ●機器の省エネ試験 方法開発(国際整合), 環境貢献方法論開発 8 8 Ⅰ-7. 主要家電機器の省エネ性能、技術動向 ■家庭部門のエネルギー消費量抑制に向けて、主要機器のエネルギー消費効率の改善[省エネ]が進展 ➾ 機器の大型化・高機能化も進む中で、エネルギー消費効率改善に寄与する代表的な省エネ技術を列挙 【エアコン】 制 御 (パワーエレクトロニクス) 【電気冷蔵庫】 高効率 インバータ制御 波形制御技術 ノンインバータエアコン ↓約30%の省エネ効果 インバータエアコン 【LED電球】 真 空断熱材 世界最高断熱性 能 (ウレタ ン比1 0倍 ) ・芯 材 (ガ ラ ス繊 維) 配 向 制 御技 術 従来断熱材に比べ、ウレタン比 約10倍の断熱効果 ・大幅な省エネ,省スペース化 発 光ダ イオード Light Em itting Diode 白 色 発 光ダイ オード RG B3色 発 光 ダイ オード 代表的な省エネ技術 高効率インバータ制御 真空断熱材 発光ダイオード 大幅な省エネ化,長寿命化 適用されている省エネ家電 エアコン,電気冷蔵庫,洗濯機,照明器具 等 左記の他、冷暖房・給湯等の 電気冷蔵庫,電気ポット,炊飯器 等 熱利用に関しては「ヒートポンプ LED 電球,ディスプレイ(パソコン,TV) 等 技術」が採用され、大幅な熱効率 の改善、省エネが進展している。9 9 Ⅰ-8. 途上国への技術導入と消費電力量(CO2)削減ポテンシャル 現状 CO2排出量 消費電力量(CO2排出量) 高効率機器の導入 家庭やオフィスにおいて、必ずしも 省エネ性能の高い電気商品が使用 されている訳ではない。 ➾一般的な普及製品の省エネ性能 をベンチマーク Y -1 消費電力削減量 (CO2排出削減量) Y-2 ヒートポンプやインバータ技術等を 用いた高効率電気製品を導入。 ➾需要サイドの消費電力量削減が 可能。 (DSM:Demand Side Management) t Baseline 高効率機器 ■ ベ ト ナ ム で 使 用 さ れ る 平 均 的 な 一 定 速 の ル ー ム エ ア コン に 対 し て 、 イ ン バ ー タ 技 術 を 用 い た 高 効 率 ル ー ム エ ア コ ン を 導 入 し た 場 合 の 消 費 電 力 削 減 量 (= C O 2 排 出 削 減 量 )の 最 大 ポ テ ン シ ャ ル (試 算 )。 * プ ロ ジ ェ ク ト 活 動 が 、 2010年 ~ 2020年 ま で 継 続 的 に 行 わ れ る も の と の 想 定 に 基 づ く ● 試 算 結 果 (最 大 ポ テ ン シ ャ ル ):年 平 均 1 .85 M tC O 2 期 間 合 計 約 2 0.4M tC O 2 C O 2排 出 削 減 量 = (ス ト ッ ク 台 数 × ベ ー ス ラ イ ン 消 費 電 力 - 一 定 速 台 数 × ベ ー ス ラ イ ン 消 費 電 力 + イ ン バ ー タ 台 数 × プ ロ ジ ェ ク ト 消 費 電 力 )× 稼 動 時 間 × 稼 動 日 数 × G 排 出 係 数 表1 試算因子 ● ベ ー ス ラ イ ン (一 定 速 機 ) 消 費 電 力 750W ● プ ロ ジ ェク ト (イ ン バ ー タ 機 ) 消 費 電 力 525W (一 定 速 機 の 半 減 ) ● 稼 働 時 間 :8時 間 /日 ● 稼 働 日 数 :300日 /年 ● グ リ ッド 排 出 係 数 :0.52tC O 2 /GW h 出典:三菱UFJモルガンスタンレー証券「ベトナム における省エネ家電製品の普及のためのプログラム CDMの適用可能性についての調査(2010年3月) 表 2 エ アコンの普 及 台 数予 測 暦年 ス トッ ク(千 台 ) 内 一 定 速 (千 台 ) 訳 イ ンバ ー タ(千 台 ) 20 10 2,42 6 2 ,41 3 13 20 11 2,84 7 2 ,81 4 33 20 12 3,39 0 3 ,30 7 83 20 13 3,97 4 3 ,79 1 18 3 20 14 4,60 8 4 ,22 5 38 3 20 15 5,30 2 4 ,61 9 68 3 20 16 6,05 6 4 ,87 3 1,18 3 20 17 6,89 0 5 ,00 7 1,88 3 20 18 7,82 4 5 ,09 1 2,73 3 20 19 8,91 4 5 ,18 1 3,73 3 20 20 1 0,11 4 5 ,18 1 4,93 3 10 10 Ⅱ 貢献量評価の国際標準 ●IEC国際標準化の取組み – IEC TC111 IEC(国際電気標準会議) TC111 Established: October, 2004 Title: Environmental Standardization for Electrical and Electronic Products and Systems 国際議長: 市川芳明氏 (日本) 国際幹事: Andrea Legnani (Italy) IEC TC111 WG4 - GHG Established: April, 2011 Members: 41 (BE,BR,CA,CN,DE,EC,ECMA,FR,GB,IT,JP,KR,NL,SE,US) 国際主査:齋藤 潔 (日本) Published: IEC TR 62725 Ed.1.0 (2013-03) Analysis of quantification methodologies of greenhouse gas emissions for electrical and electronic products and systems IEC TR 62726 Ed.1.0 (2014-08) Guidance on quantifying greenhouse gas emission reductions from the baseline for electrical and electronic products and systems 11 Ⅱ-1. サプライチェーンGHG管理の潮流 組織;サプライチェーン( ) SCアプローチ ※ 製品;ライフサイクル( ) LCアプローチ ※※ Politics 国際枠組み 政策/制度 Standardization 評価手法(標準化) GHG排出量(削減貢献量) コミュニケーション方法論 ポスト京都議定書 ●カンクン合意 ●MRV, セクター別アプローチ ●二国間クレジット 一般的な要求事項/ガイド GHG算定方法論:14064s, TR 14069 製品:TS 14067(CFP) LCA方法論:14040,44 電気・電子製品セクターガイダンス TR 62725, TR62726 ICTセクターガイダンス L.1400s (組織,製品,byICT) Disclosure 情報開示 EU 2020 targets are: •reducing carbon emissions by 20% •increasing the share of renewables in energy consumption to 20% •saving 20% of the EU's energy consumption ICT enabling Energy Efficiency Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard CFP ※GHG Protocolでは“バリューチェーン(VC)” ※※IECでは“Life cycle thinking(LCT)” CDP Product Life Cycle Accounting and Reporting Standard 12 Ⅱ-2. IEC TC111の活動 basic and horizontal standards (including technical reports) To liaise with product committees & other SDOs (e.g. ISO/TC 207) To monitor worldwide in order to become a focal point for discussions concerning standardization 【活動の背景】 【IEC TC111 活動の構成】 ◆各国製品環境規制のグローバリゼーションへの対応 ◆国際市場での環境配慮製品自由流通の確保 ◆環境配慮技術/機器の国際流通を円滑化し、各国の 環境規制適合に資する国際標準規格開発の推進 ◆各国環境法規制内容の国際整合へ貢献 ◆産業界の自主的な環境負荷低減活動共通指針作成 【主な活動分野/成果】 ◆製品含有化学物質(特定規制物質)管理 -グローバルサプライチェーンの特定規制物質情報 開示(IEC 62474)及び特定規制物質DB(VT 62474) -特定規制物質試験方法(IEC 62321シリーズ) ◆環境配慮設計(エコデザイン)プロセス -環境配慮設計の基本的枠組みとプロセス (IEC 62430) ◆温室効果ガス(GHG)排出量、削減貢献量の算定手法 IEC/TC111/WG4 –GHG IEC TR 62725 (2013.3発行) 電気電子製品のライフサイクルGHG排出量算定方法 IEC TR 62726 (2014.8発行) 電気電子製品のベースラインからのGHG排出削減量 算定ガイダンス ◆Reuse/Recovery/Recycle -リサイクル情報開示、リサイクル可能率(IEC TR 62635) WG1: 製品含有特定規制物質管理 TC111 市川議長(日)、幹事(伊) 【活動方針】 主査:米国 IEC 62474 Ed.1.0 VT 62474: 同 データベース PT 62476:製品含有特定規制物質 管理適合性評価ガイダンス 主査:日本 MT 62430: 環境配慮設計(改正) IEC 62430 Ed.1.0 PT 62635/62650: リサイクル性配慮 PT 62824: 資源効率 主査:ドイツ IEC 62321-1...5 主査:日本 IEC TR 62725 Ed.1.0 IEC TR 62726 Ed.1.0 WG3:製品含有特定規制物質試験方法 Ed1.0 WG4: 温室効果ガス排出量算定 AHG :用語(定義) IEC 62542 Ed.1.0 AHG 9: マーケティング AHG10:戦略ビジネスプラン 【IEC TC111東京大会 11/9~11/14のハイライト】 ●中長期のTC111環境分野標準活動戦略プランを合意 ●IEC/ISO共通:環境配慮設計国際標準開発-電気・電子機器 の環境配慮設計(IEC 62430)を基本に、サプライチェーン上の 全ての機器/サービス等に適用できるIEC/ISO共通規格開発 ●IEC 62474を活用した、グローバルサプライチェーンにおける 製品含有特定規制物質情報開示に関するWS開催 他 13 Ⅱ-3. 電気・電子製品におけるGHG排出量/削減貢献量方法論の整理 *GHG suply chain management – Product GHG emissions Methodologies Mapping across ICT Standardization Organizations Methodology for Countries Aggregation of impact of ICT goods and services or organizations at country level 国際電気通信連合 - 電気通信標準化部門 WBCSD/WRI GHG.P Scope 3 Product std. Methodology for ICT In Organizations Aggregation of impact of ICT goods and services at company level Cost-benefit analysis of targeted deployment of ICT solutions in other sectors Methodology for ICT Projects Methodology for ICT Goods and Services 国際電気 標準会議 ETSI EE IEC TC111 TR 62725 TR 62726 国際 標準化 機構 Results of the Life Cycle Assessment (LCA) of individual products and services Product Specific TCs ISO 14040, 14044, 14067(Carbon foot print), 14069 出典: 20th Jan. 2011 In the international Chairmen’s meeting by Pierr Chastanet from European Commission (一部修正) 14 Ⅱ-4. IEC TR 62726の概要(1)開発スケジュール 2011年4月 日本から、IEC/TC111に提案した「電気・電子製品のGHG排出量算定分野」 に関する国際標準開発(2テーマ)が承認され、TC111にWG4-GHGが発足 ●日本の電機・電子業界の取組み、知見を背景に国際標準開発 を主導(日本が国際主査として取纏め) ●欧州委員会によるカーボンフットプリントパイロットテストへ開発 文書を提供 ●ISOやITU-T等とのリエゾン 2013年3月 IEC TR 62725 Ed.1.0 (2013-3-22発行) 電気・電子製品による環境負荷 “Analysis of quantification methodologies of greenhouse gas emissions for electrical and electronic products and systems” 「電気・電子製品及びシステムに対する温室効果ガス排出の 定量化方法論の分析」(標題仮訳:日本規格協会) LCA手法を基にLC-GHG定量化 (カーボンフットプリント)の手順、 報告、検証等のガイダンス 2014年8月 IEC TR62726 Ed.1.0 (2014-8-12発行) 電気・電子製品(低炭素/高効率 製品)の市場導入で達成された 環境負荷削減 “Guidance on quantifying greenhouse gas emission reductions from the baseline for electrical and electronic products and systems” 「電気・電子製品及びシステムに対するベースラインからの 温室効果ガス排出削減の定量化の手引」(標題仮訳:日本規格協会) 基準製品(ベースライン)に対す る低炭素/高効率製品の導入の GHG削減量定量化の手順、 報告、検証等のガイダンス 15 Ⅱ-5. IEC TR 62726の概要(2)開発のねらい ■目的 • 電機・電子(EE)分野の組織による、製品/システムを通じての、社会におけるGHG 排出量削減に対する貢献を定量化できるようにする 製品/システムの開発と市場への導入「(低炭素・高効率な)EE製品関連プロジェクト」の 成果を、ベースラインとの比較におけるGHG排出削減貢献量として評価(算定)すること “GHG reduction study for EE product-related GHG project”を可能にする 電気・電子(EE)分野の組織(プロジェクト実施者)への参考書(教科書)的な役割を提供 既存規格(ISO 14064-2,GHG Protocol-Project Protocol等)の要求事項を“BOX”等で引用 - 当該の要求事項を踏まえ、電気・電子製品に適用する際のガイダンスを記述 ■電気・電子製品の“GHG reduction study for EE product-related GHG project” • 評価(算定)の実施手順を明確化し、手順毎に、そのガイダンスを提供 Goal & scopeで、2つのApplicationを明示-①企業等による推計の自己宣言・訴求、 ②プログラム(制度)の要求に基づくCertified emission(e.g クレジット)への訴求 - Applicationにより、ガイダンスにおいて求める事項(内容)も異なる - TRとしては、programme-neutral • 比較対象の考え方において、2つの志向性(LCA評価、プロジェクト評価)を考慮し、 3のオプション(選択肢)を提示 • 対象が部品である場合を想定し、「中間製品のための追加のガイダンス」を記述 16 Ⅱ-6. IEC TR 62726の概要(3)既存規格等との関係 WBCSD/WRI GHG Protocol GHG Protocol for Project Accounting standard 2005年発行 (プロジェクト算定用プロトコル) ISO TC207 SC7 GHG Management ISO 14064-2 : Specification with guidance at the project level for quantification, monitoring and reporting of GHG emission reductions or removal enhancements project baseline (プロジェクトにおける温室効果ガス排出量削減-ベースラインからの削減) ISO TC207 -IEC TC111 Liaison 2006年発行 Reference / Sector specific IEC TC111 TR 62726 2014年発行 Guidance on quantifying greenhouse gas emission reductions From the baseline for electrical and electronic products and systems 低炭素・高効率機器の市場への導入 排出削減量算定の対象となる製品または (プロジェクト)によるGHG排出量削減 目的 技術がなかった場合(ベースライン)との 及び省エネ効果等を定量的に評価(算定) 比較によりライフサイクルでのGHG削減量 評価(算定)の透明性、公平性等を確保 を評価(算定)するためのガイダンス 電気・電子製品への適用 <さらに期待される効果> • GHG関連目標を製品の設計および開発戦略に組入れること の促進 - EE分野における異なる製品エリア間での 一貫性を確保 • IECの製品担当技術委員会(TC)において、当該製品固有事項 を踏まえたガイダンス作成に対する支援 IEC 各Product TCs Liaison ICT Sector specific ITU-T SG-5 L.1400: Overview and general principles - Environmental impacts for ICT. (2010年発行) L.1410:ICT goods, networks and services. (2011年発行) 17 Ⅱ-7. IEC TR 62726の概要(4)目次(構成) 序章(INTRODUCTION) 1. 適用範囲 2. 引用規格 3. 用語と定義 4. 原則 5. 国際標準規格等既存関連文書の比較分析と評価 (サマリー) 6. GHG削減貢献量算定の枠組み 6.1 GHG削減貢献量算定の一般的枠組み 6.2 GHG削減貢献量算定の基本ステップ 6.3 目標と算定範囲(Goal and Scope)の特定 6.4 電気・電子製品関連GHG削減プロジェクト (EE product-related GHG project)の特定 ベースラインの例 - 対象製品により置き換えられる製品 - 適用可能な最良技術(類似活動のトップレベル) - 共通プラクティス(市場参入度が最も高い 既存製品) - 従来からの状況(GHG排出量や活動レベルの 標準データなど) 6.5 ベースラインシナリオの特定 6.6 比較対象のGHG sources, sinks and reservoirs (SSRs)に関する選択 6.7 事前試算(Trial estimation)に基づく比較対象SSRs の決定 6.8 ベースライン排出量の算定 6.9 データ収集及び品質の評価 6.10 GHG削減貢献量の算定 7. 文書化(Documentation) 8. 妥当性評価、検証とモニタリング(Validation, verification and monitoring) 9. コミュニケーション(Communication) Annex A (informative) 国際標準規格等既存関連文書の比較分析と評価 (詳細) Annex B (informative) GHG削減量算定の事例 -カーボンフットプリントにおける削減貢献量算定 事例 Annex C (informative) 系統的抽出法(統計的-サンプリング手法)による モニタリングの例 18 Ⅱ-8. IEC TR 62726の概要(5)GHG削減貢献量算定の基本手順① ■Goal&ScopeにおけるApplication ●削減貢献量の自主宣言/情報開示 [Self-declared claim and estimation] ●削減目標達成、プログラム(制度)で認 定(証明)される削減単位 [Certification and recognition of GHG reduction units]・・・Step 10ではモニタリン グまで要求される ■EE product – related GHG projectとは? ■Choosing the option to select relevant GHG SSRs(妥当なGHG SSRsの比較-オプション) - GHG SSRs in the full life cycle stages of both the assessed product and the reference product or function - GHG SSRs in the full life cycle stages of the assessed product and selected life cycle stages of the reference product or function - GHG SSRs in selected life cycle stages of both the assessed product which targets GHG reduction and the reference product or function 19 Ⅱ-9. IEC TR 62726の概要(6)GHG削減貢献量算定の基本手順② ■ベースラインの代表的な考え方 ●性能標準手順 [Performance standard procedure] ●プロジェクト固有手順 [Project specific procedure] ■GHG削減貢献量の集計(accumulation) の考え方 - 電気電子製品は耐久消費財およびそこに 含まれる部品であることから、排出削減量の 集計について二つの方法を提示 ① ライフタイムGHG削減量に基づく集計 ② 年間GHG削減量に基づく集計 ① ■モニタリング手法の考え方 ② - 対象製品1台毎のモニタリングが困難なケース(省エネ家電製品を 市場に導入したようなケース)では、統計的処理によるサンプリング ・アプローチを推奨 -- 単純無作為抽出法、多段式抽出法 等 20 Ⅱ-10. IEC TR 62726の概要(7)ベースラインの考え方 ■ ベースラインシナリオの設定に関する2つのアプローチ ⇒ “Performance standard”と“project-specific procedure” 【ベースライン消費電力量の算定 “Performance standard”の例】 ベースライン消費電力量 プロジェクト実施“前後”の エネ消費効率の差 =プロジェクト (導入量/個数等) × 活動量(稼働時間等) × [ プロジェクトエネルギー消費効率 / ベースラインエネルギー消費効率 ] Performance standard方式 project-specific procedure方式 *製品の基準省エネ性能を特定 *特定の技術、製品⇒“高効率・低炭素製品への代替” ■ベースライン [製品の基準省エネ性能] ↓ ■プロジェクト [導入される製品の省エネ性能] ■ベースライン [(現在普及している)一般的に使用される製品] ↓ ■プロジェクト [導入されるGHG削減にポジティブな製品] 例) PJ(BAT):電気冷蔵庫 (ベースラインを上回るエネ消費効率) BL(BAU):電気冷蔵庫 (基準の平均エネ消費効率) 例) PJ(BAT):再生可能エネルギー導入 (一般的な電力系統への追加、代替導入) 留意事項; 留意事項; ●製品性能データのサンプリング ●ベースラインの変化への対応 ●導入技術・製品/(現在普及している)一般的に使用される製品 →“何”を“どのような技術”で代替(保守的な説明) 21