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Shipper クロックス

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Shipper クロックス
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刷整
新備
リポート
靴メーカーのクロックス(本社=米国コロラド州)は、グローバル・オペレ
ーション体制を刷新する。基幹システム、倉庫管理システムを導入し、管
理機能の効率化を図るとともに、倉庫業務を自社運営に切り替える。日本
では成田空港外で新たに倉庫を構え、先月から自社オペレーションを開始
した。日本での2007年度(07年1∼12月)の販売足数は06年度比6倍の約
390万足に拡大している。事業拡大と顧客満足度向上に向けた同社の取り
組みをリポートする。
以前、企業間のビジネ
ミニマム・ストックとして在庫を確保してい
ていた。大手アパレル
る点に特徴がある。通常の靴メーカーは
メーカーの案件でハワ
受注生産のため、在庫が残らない。顧客
イを訪れた際、クロッ
が販売好調な商品を追加発注しようとし
クスの紹介を受けた。
ても補充できないことがある。一方、同
帰国後、すぐに市場調
社は販売状況や市場動向に応じ、各拠点
査を実施し、ビジネス
から在庫を出荷する体制を整備してい
の可能性があると判
クロックスの発足は02年7月。来月で設
る。ある国で在庫がない場合に他国から
断した。
立6年目を迎える同社だが、既に世界30
の補充が可能だ。また、在庫がない場合
当時、国内販売代
カ国に販売拠点を持つグローバルな靴メ
も短い生産L/Tを生かし、迅速に対応
理店はアウトドアメー
WMSを導入し、オペレーションを刷新す
ーカーに成長している。米国コロラド州ボ
できる。
カーが担当していた。
るためエレベーターでの昇降がなく、入
森平代表は、今後の
出庫がスムーズにできる設計を求めてい
クリエーション社の開発・生産したシュー
世界15カ所に物流倉庫
事業拡大に向け、日
た。さらに、製品は明るい色が多いため、
ズの販売代理業務を目的に会社を設立。
同社は、グローバルでの事業拡大に伴
本支社設立計画など
ほこりが入りにくく、きれいで新しい倉庫も
い、①基幹システムの導入②倉庫管理シ
を含め、アジア地域を
という特徴を生かし、ボートやアウトドア
ステム
(WMS)の導入③自社倉庫の運営
統括する「クロックスエイジア」
(本社=シ
日本代表)
と説明する。加えて、本社から
のシューズとして販売する計画だった。た
─に着手した。倉庫業務を含む各種
ンガポール)に対し、プレゼンテーション
の指示を受け、短期間で入居可能な施設
だ、02年のボートショーで「ビーチ」
(日本
システムの統一化、効率化を進め、事業
を実施。
「面白い」と評価され、支社設立
という点もポイントになった。
での販売モデル名はクラシック)
を発表し
拡大に向けたオペレーション体制を整備
に至った。
たところ、注文が殺到。ファッショナブルな
する。
ビーチに注文殺到
ルダーに住む3人の創業者は、フォーム・
主力商品の「ケイマン」
当初は、滑りにくく、足跡のつきにくい靴底
成田空港外の施設
取り扱う理由については、
「広くて使いや
すい倉庫を首都圏で探していた。また、
森平代表
必要だった」
(森平茂生クロックスエイジア
新センターでの在庫管理アイテム数は
支社設立直後、まず5カ所でワゴン販売
200万足。今年4月にはWMSなどを導入
多目的シューズとして一般消費者からも注
①では、オラクル社の「エンタープライズ
として直販を実施。その後、05年11月か
し、トレーニングを開始。5月28日に輸入
目を浴び、一気に事業が拡大した。その
ワン」を全世界で導入する。日本でも昨
ら卸売りを開始し、毎月、卸先を100店舗
製品の取り扱いを開始した。また、6月17
後、クリエーション社をM&A(企業の吸
年9月に導入し、従来利用していたソフト
ずつ増やしていった。販売足数は初年度
日から他国への在庫供給のため輸出製品
収・合併)
し、現体制となった。
ウェアから切り替えた。②では、マンハッ
(05年8∼12月)が数千足だったが、06年
の取り扱いも行う。国内配送は主に佐川
タンアソシエイツ社のWMSを全世界で導
は62万足に拡大。07年
度(06年1∼12月)
「エンタープライズワン」
と連結する。
入し、
は約390万足に達した。
度(07年1∼12月)
ウェブにアクセスすると、経理・財務・在
成田で自社オペ開始
今年5月に発売した新製品「スポーティアダラ」
らかさ」
「軽さ
(約168g)
」
「通気性のよさ」
急便を利用する。
「昨
日本では今年から事前発注も行う。
年はまだ、事前発注を行っていなかった
などの特徴が消費者に好評を得ている。
生産拠点は現在、世界10カ所。内訳は中
庫状況、売上入力の確認、顧客からのオ
現在、一般に使用するシューズ以外にも
国3カ所(深 均
、ベトナム、EU
(欧
訓 が中心)
ーダー、ピッキング、梱包、デリバリー確認
日本支社は5月、成田空港外のAMB成
(同)
と振り返る。数カ月先の注文を受け
ボート利用者、看護師、ファッションモデ
2カ所、カナダ、米国・フロリダ、メ
州連合)
─などグローバル・オペレーションの状
(千葉県
田エアカーゴセンター・ユニットC
ることでニーズの高い種類、サイズ、カラ
ル、ガーデニング愛好家、シェフなど幅広
キシコ2カ所。
況を一元的に把握できる体制とする。
成田市南三里塚)内の専用スペースで自
ーなどの概要を把握できるため、ミニマ
ム・ストックの予測も立てやすくなる。
ため、供給が需要に追い付かなかった」
通常、靴メーカーは9カ月以上前に顧客
倉庫は現在、世界15拠点にある。06年
社オペレーションを開始した。従来、神奈
生産、在庫体制に特徴
を商品展示会などに招待し、プリ・オーダ
3月から順次、自社運営に切り替えてい
川県厚木の倉庫を利用していた。その
また、営業スタッフを増強し、セールス
を行う。一方、同社商品は、
ー(事前受注)
る。メキシコ、ロッテルダムに次いで6月か
後、世界的に自社倉庫を運営するという
「事前受注を取り、ミニマ
を深化させる。
グローバルな商品出荷フローは、①生
シンプルな設計という特性もあり、生産リ
ら日本も切り替えた。
本社指示を受け07年3月から大黒ふ頭で
ム・ストックを決め、顧客の需要にあった
産工場から販売拠点へ②世界各地の物流
ードタイム
(L/T)が短い。現在、受注後
倉庫を賃借し、自社オペレーションの習
在庫を確保する。ほしい時にほしい商品
倉庫から各販売拠点へ─―の2つに大別
2カ月での納品を目標に据え、取り組ん
熟にも努めてきた。
がある状態を目指す。だが、商品は余り
される。各出荷フローは特徴ある生産、
でいる。また、顧客は販売予算を販売直
日本支社の設立は05年7月。現在、日
商品の輸入手段は海上輸送が中心。起
在庫保有体制と密接に結び付いている。
前に作成することが可能となり、市場調査
本代表を務める森平茂生氏が取り組ん
用業者は日新。海上貨物を成田空港外で
い職業でも利用されているという。
CARGO JUNE 2008
る。
スのマッチングを行っ
「柔
という特殊素材が使用されている。
ト」
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だ。森平代表は設立
在庫保有体制をみると、各販売拠点が
同社製品には独自開発した「クロスライ
今年4月にリニューアルオープンした
大阪・阿倍野フープ店
を十分行うこともできるなどメリットがあ
販売数が約390万足
すぎない。営業強化はその1つの手段で
もある」と語る。
(井上昭憲)
CARGO JUNE 2008
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