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第1号(平成25年5月1日)

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第1号(平成25年5月1日)
~豆一俵物語・・反一俵の大豆の増収で会津を元気にしましょう!~
だいず通信
第1号(通算21号)
(平成25年5月1日)
発行:会津農林事務所農業振興普及部(TEL 0242-29-5306)
あ い づ 農 業 協 同 組 合(TEL 0242-37-2304)
1
今年も大豆を作ろう!~豆一俵物語・・反一俵の大豆の増収で会津を元気にしましょう!~
東日本大震災の発生より3年目となりますが、昨年は県内産大豆も風評被害の払拭には到らず、
今後も安全・安心に向けた栽培に取り組むとともに実需者・消費者へのPRは不可欠です。
一方、昨年の管内の大豆の10a当たり収量は、梅雨明け前の湿害、干ばつ等による高温障害が生
じたものの、管内平均では175kgと平年並でした。大豆は植物性タンパク質を供給する大切な作物で
す。また、努力すれば単収が向上し所得も増えるので、一俵の増収を目指し頑張りましょう。
2
多収のための基本技術
(1)堆肥や鶏ふんなどの有機物の施用による地力窒素の増強
(2)水田転換畑の弾丸暗渠実施や明渠の設置による排水対策
(3)適量の施肥、石灰施用
(4)砕土率(2cm以下の土塊の割合)80%の確保と除草剤の適期散布による出芽苗立向上と初
期雑草の抑制
(5)大豆300A技術(耕うん同時畝立て栽培、狭畦密植栽培、有芯部分耕播種等)の導入
(6)種子塗沫処理による初期害虫(フタスジヒメハムシ等)防除と苗立ち向上対策の実施
(7)中耕培土の実施
3
当面の技術対策
(1)種子の準備
① 購入した種子は、は種直前まで冷暗所に保管し、過乾燥を防止しましょう。
② 6月上旬播きまでの標準的なは種量は、10a当たりで
大粒が5~7kg、中粒4~6kg、小粒が1.5~2.5kg(いず
れも枕地を播種する場合)です。
③ 種子粉衣:は種直前に、クルーザーMAXXを乾燥種子
1kg当たり8ml、種子塗沫処理することによりタネバエ
やフタスジヒメハムシ、ネキリムシ類の防除と立枯性
病害を抑制し、苗立ちと初期生育が向上します。
平成25年産あやこがね転用種子は発芽率がやや劣ります
(検定72%)ので、播種量を調整し多めに播きます。
写真1.フタスジヒメハムシ子葉食害の様子
(2)ほ場の準備
① 排水対策:暗きょ排水が施工されているほ場では、暗きょ管が効いているか確認を行い、目詰
まり等があれば清掃を行いましょう。暗渠の効果を高めるため、サブソイラ等での
弾丸暗渠の施工を行います。弾丸暗渠等行えないところでは、溝掘り機等での額縁
明渠の設置を行いましょう。
② 土づくり:土づくりのために1t/10a前後の堆肥施用または、鶏ふん30kg/10a前後の施用に
よる地力の増強を図りましょう。また、pHの矯正とカルシウムの補給のため石灰
を80~100kg/10a散布しましょう。
③ 基
肥:10a当たりの標準施用量はチッソ2kg、リン酸6~8kg、カリウム6~8kgです。大豆一
発233(N22-P13-K13)を基肥に使用する場合は、標準として30kg/10aの現物量にし
ますが、倒伏しやすいコスズや地力の高いほ場では、現物量で25kg/10a程度に減肥
します。
(放射性物質対策のカリウムの増肥)
放射性セシウム対策で、土壌の交換性カリウム含量が高いと放射性セシウムの吸収
抑制効果が高いことから、土壌分析により交換性カリウムが25mg/100g以下のほ場
や土壌分析が困難なほ場では、10aのカリウム施用量を硫酸加里で増肥し12~14kg
に(表1、表2)しましょう。
④ 耕耘整地:砕土の目標は砕土率(2cm以下の土塊の割合)80%以上とし、その良否が出芽率や除
草剤の効果発現に大きく左右します。砕土後、播種まで降雨があるとほ場が乾きに
くくなるため、耕耘・整地作業はできるだけ播種当日に行いましょう。逆転ロータ
リーを用いた耕耘同時畝立て播種では、一行程で耕耘・整地・播種の一連の作業が
可能となります。
表1 放射性セシウム対策を考慮した施肥例1(各10a当たり)
肥料名
現物量
成
分
量
大豆一発233
30kg
チッソ 6.6kg リン酸 3.9kg カリウム 3.9kg
硫酸加里
20kg
カリウム 10.0kg
球状ようりん
20kg
リン酸 4.0kg
合計
チッソ 6.6kg リン酸 7.9kg カリウム 13.9kg
表2 放射性セシウム対策を考慮した施肥例2(各10a当たり)
肥料名
現物量
成
分
量
大豆専用500
40kg
チッソ 2.0kg リン酸 8.0kg カリウム 8.0kg
硫酸加里
10kg
5.0kg
合計
チッソ 2.0kg リン酸 8.0kg カリウム 13.0kg
※培土前にチッソ追肥が必要な場合があります。
(3)播種及び除草剤散布
① 播
種:播種機使用前にロールやブラシ、覆土板などの点検を行い、消耗品等事前準備しま
しょう。播種時の覆土深は3cm程度とし、5cm以上の深播きになっていないか確認し
ましょう。また、施肥同時播種では肥料と種子の間隔を5cm以上の間隔を開けて側条
施肥を行いましょう。降雨時の播種作業は、出芽不良となるため、天候の回復を待
って行いましょう。
② 栽植密度:6月上旬までの播種作業では畦間60~75cm、株間15~20cmで行います。6月中旬以
降の播種となる場合は、畦間や株間を狭めるなどして十分な苗立ち数を確保しまし
ょう。
表3 大豆の標準的な栽植密度
区分
播種期
畦間×株間
栽植本数
播種量(kg/10a)
(cm×cm)
(本/10a) 大粒
中粒
極小粒
標播 5月下旬~
60~75×15~20
13,300
5~7
4~6
1.5~2.5
6月上旬
~22,200
晩播 6月中旬~
60~70×10~15
19,000
7~12
6~10
2~4
6月下旬
~33,300
③
除 草 剤:土壌処理剤は、播種後発芽前まで可能ですが、雑草の発生後では効果が劣るため播
種後なるべく早く、土壌処理剤を散布します。
播種
(0日 )
出 芽
(+7 日)
●
●
●
大豆 3~4葉
(+25 ~30日)
▲
中耕・培土
土壌処理剤
●
大豆 5~6葉
(+40 ~50日)
収穫 50日前
▲
●
中耕・培土
茎葉処理剤・1回散布
生育期畦 間処理・2回以 内
注意
土壌処理剤 は出芽前に処理を終わるこ と。茎葉処理剤は使用時期 に注意するとともに
周囲のイネ科作 物にかからないようにするこ と。
(4)放射性物質対策
① 土壌酸度(pH)が不足すると、交換態の放射性セシウムが増加するため、大豆の適正土壌
pH6.0~6.5より低い場合は炭カル、苦土石灰を80kg/10a施用しましょう。
② 土壌の交換性カリウムが不足すると放射性セシウムの吸収が高まる傾向にあるため、土壌の交
換性カリウムが25mg/100g以下のほ場では硫酸加里(カリウム8~12kg/10a)を施用しましょ
う。
③ 牛ふん堆肥の300kg~1t/10aの施用は、交換性カリ含量が高まり、放射性セシウムの吸収抑
制になるため、積極的に利用しましょう。
④ 丁寧な耕運により作土層を15cm程度確保し、放射性セシウムが根域に集中しないようにしまし
ょう。
春の農作業安全運動重点推進期間!
平成25年4月1日~5月31日
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