...

公民連携による公的住宅整備の取組み

by user

on
Category: Documents
3

views

Report

Comments

Transcript

公民連携による公的住宅整備の取組み
2015.5.12 第4回公民連携セミナー
公民連携による公的住宅整備の取組み
国土交通省住宅局
住宅総合整備課長 真鍋 純
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
住宅ストック数の推移と総ストック数に占める民間賃貸住宅の比率の推移
○住宅ストック総数の増加に伴い、民間賃貸住宅も増加してきており、住宅ストック総数の22~25%で推移している。
(千戸)
住宅総ストック総数1)
70,000
50.0%
持ち家
持家
60,000
60,629
57,586
借家
53,891
45,879
住宅ストック総数に占める
民間賃貸住宅の比率
40,000
25.4%
25.5%
23.3%
30,000
42,007
22.0%
31,059
13,093
7,281
4,904
14,594
9,604
6,527
23.0%
23.5%
23.7%
25,591
20,000
30.0%
38,607
35,451
21,090
10,000
50,246
民間賃貸住宅(借家の内数)
50,000
40.0%
17,007
11,723
7,889
19,428
12,689
8,408
21,650
12,951
8,487
22,948
14,015
9,666
24,376
15,691
10,762
24.0%
26,468
16,730
12,050
23.3%
28,666
17,166
12,561
23.2%
30,316
17,770
13,366
0
24.1%
32,166
20.0%
18,519
14,583
10.0%
0.0%
S38
(1963)
S43
(1968)
S48
(1973)
S53
(1978)
S58
(1983)
S63
(1988)
H5
(1993)
H10
(1998)
15
(2003)
H20
(2008)
H25 (年)
(2013)
1) 「住宅ストック総数」には、持家・借家に加え、「住宅の所有の関係が不詳なもの」が含まれている
資料:総務省「住宅・土地統計調査」
1
空き家の増加
○ 空き家の総数は、この10年で1.2倍(659万戸→820万戸)、20年で1.8倍(448万戸→820万戸)に増加。
○ 空き家の種類別の内訳では、「賃貸用又は売却用の住宅」(460万戸)が最も多いが、「その他の住宅」(318万戸)がこの10
年で1.5倍(212万戸→318万戸)、20年で2.1倍(149万戸→318万戸)に増加。
○ なお、「その他の住宅」(318万戸)のうち、「一戸建(木造)」(220万戸)が最も多い。
【空き家の種類別の空き家数の推移】
(万戸)
900
800
700
600
11.5%
757
659
9.8%
576
318
330
149
131
125
234
10.0%
8.0%
398
448
460
6.0%
352
262
4.0%
183
2.0%
100
0
22
1983年
1983年
S58
12.0%
268
212
448
394
14.0%
820
182
400
200
12.2%
8.6%
500
300
13.1%
その他の住宅
賃貸用又は売却用の住宅
二次的住宅
空き家率
9.4%
【空き家の種類別内訳】
13.5%
30
37
42
50
41
41
1988年
1988年
S63
1993年
1993年
H5
1998年
1998年
H10
2003年
2003年
H15
2008年
2008年
H20
2013年
2013年
H25
0.0%
長屋建
1.8%
(147,100)
一戸建
(非木造)
1.1%
(105,500)
一戸建
(木造)
26.8%
(2,199,900)
共同住宅
(木造)
1.4%
(116,300)
共同住宅
(非木造)
7.3%
(594,300)
その他
0.2%
(20,400)
二次的
住宅
5.0%
(412,000)
その他の
住宅
38.8%
(3,183,600)
空き家総数
8,195,600戸
賃貸用の
住宅
52.4%
(4,291,800)
売却用の
住宅
3.8%
(308,200)
【出典】:平成25年度住宅・土地統計調査(総務省)
【出典】:住宅・土地統計調査(総務省)
[空き家の種類]
二次的住宅:別荘及びその他(たまに寝泊まりする人がいる住宅)
賃貸用又は売却用の住宅:新築・中古を問わず,賃貸又は売却のために空き家になっている住宅
その他の住宅:上記の他に人が住んでいない住宅で,例えば,転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など
2
公営住宅関係制度の主な沿革
昭和26年 公営住宅制度の創設(公営住宅法制定)
平成5年
特定優良賃貸住宅制度の創設(特優賃法制定)
平成8年
買い取り・借り上げ公営住宅制度の創設(公営住宅法改正)
平成11年 高齢者向け優良賃貸住宅制度の創設
平成17年 地域住宅交付金制度の創設(地域住宅特措法制定)
平成19年 地域優良賃貸住宅制度の創設
平成22年 社会資本整備総合交付金制度の創設
平成23年 サービス付き高齢者住宅制度の創設(高齢者住まい法改正)
平成27年 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業の創設
3
住宅確保要配慮者向け賃貸住宅制度(公営住宅等)の概要
○ 住宅確保要配慮者(住宅セーフティネット施策対象者)は、所得の低下やひとり親世帯の増加などで対象者が増加して
おり、公営住宅の入居倍率は依然高水準(全国平均7.5倍)。
○ 現状、公営住宅の整備の大半は老朽ストックの建替えで、総戸数については漸減傾向。
○ 民間事業者等を活用した良質な賃貸住宅の供給を進め、居住の安定に必要な住宅セーフティネット構築が課題。
公営住宅
住宅確保要配慮者あんしん居住推進
事業住宅 (H27予算案)
地域優良賃貸住宅
概要
低額所得者の居住の安定を図るた
め、地方公共団体が、民間事業者
等の活用を図りながら、賃貸住宅を
供給
公営住宅を補完する観点から、民
間空き家等の既存ストックを改良
し、民間事業者等が賃貸住宅を
供給
地域の住宅政策推進の観点から、
地方公共団体が必要と認めるもの
について、民間事業者等が賃貸住
宅を供給
施策対象
低額所得者
低額所得者である、高齢者、障害
者、子育て世帯
高齢者、障害者、子育て世帯等
(一定の所得要件あり)
ストック数
217万戸
―
17.5万戸
事業主体
地方公共団体
民間事業者等
民間事業者等
国の支援
整備及び家賃低廉化に要する費用
について、地方公共団体を支援
既存ストックの改良費用について、
民間事業者等を直接支援
整備及び家賃低廉化に要する費用
について、事業主体を支援する地
方公共団体を支援
注)・ストック数は、H24年度末時点で記載。
・公的賃貸住宅としては、上記のほか(独)都市再生機構住宅、地方住宅供給公社住宅等がある。
4
公営住宅制度の概要
公営住宅は、憲法第25条(生存権の保障)の趣旨にのっとり、公営住宅法に基づき、国と地方公共団体が協力
して、住宅に困窮する低額所得者に対し、低廉な家賃で供給されるもの。(ストック数:約217万戸(H24年度末))
【供給】
○地方公共団体は、公営住宅を建設(又は民間住宅を買取り・借上げ)して管理
○国の助成:整備費等: 全体工事費の概ね45%(建設、買取り)又は共用部分工事費・改良費の2/3の概ね45%(借上げ)を助成
家賃低廉化:近傍同種家賃と入居者負担基準額との差額の概ね45%を助成
【整備基準】
○省令で規定した基準を参酌し、制定した条例等に従って整備
・床面積25㎡以上
・省エネ、バリアフリー対応であること
【入居者資格】
○入居収入基準
・月収25万9千円(収入分位50%)を上限として、
政令で規定する基準(月収15万8千円(収入
分位25%))を参酌し、条例で設定
・ただし、入居者の心身の状況又は世帯構成、
区域内の住宅事情その他の事情を勘案し、
特に居住の安定を図る必要がある場合として
条例で定める場合については、月収25万9千
円(収入分位50%)を上限として基準の設定が可能
※収入分位50%までの若年世帯等を対象とすること
も可能。
○住宅困窮要件
現に住宅に困窮していることが明らか
・台所、水洗便所、洗面設備、浴室等の設備があること 等(参酌基準の規定)
【入居制度】
○ 原則として、入居者を公募。
○ 特に居住の安定の確保が必要な者
について、地方公共団体の判断によ
り、入居者選考において優先的に取
り扱うことが可能(優先入居)
○ 収入超過者
3年以上入居し、入居収入基準を超
える収入のある者
→明渡努力義務が発生
○ 高額所得者
5年以上入居し、最近2年間月収31
万3千円(収入分位60%)を超える収入
のある者
→地方公共団体が明渡しを請求する
ことが可能
【家賃】
○ 入居者の家賃負担能力と
個々の住宅からの便益に応
じて補正する「応能応益制
度」に基づき、地方公共団
体が決定
○ 収入超過者の家賃は、収
入超過度合いと収入超過者
となってからの期間に応じ、
遅くとも5年目の家賃から近
傍同種家賃(市場家賃に近
い家賃)が適用
○ 高額所得者の家賃は、直
ちに近傍同種家賃が適用
5
公営住宅整備における民間活力導入に関する予算制度(概要)
○
○
直接建設・買取り・借上げのいずれに対しても補助を実施。
民間事業者が建設し、借上げ公営住宅として一定期間管理したあと、最終的に自治体に引き渡す場合(BOT方
式)における建設費の補助率を、借上げ方式(共同施設整備費のみ対象)ではなく、直接建設方式(工事費全体が
対象)と同様の補助率にしている。(下記の④)
○ さらに、BOT方式の場合、民間事業者への直接補助も可能。(下記の⑤・H26年度より)
また、事業の検討段階での支援として、以下の支援を実施。
○ PPP/PFI手法の導入可能性検討調査について、社会資本整備総合交付金の基幹事業として交付対象化。
(対地方公共団体、H26年度より)
○ 事業の初期段階におけるPPP/PFI手法の基本構想検討への支援(対民間事業者、H27年度より。次項で詳述)
①地方公共団体による
直接建設
概ね55%
概ね45%
地方公共団体
(起債)
②買取り公営住宅
概ね55%
地方公共団体
(起債)
※ 公営住宅建設事業債
で起債
※公営住宅建設事業債
で起債
国
国
概ね45%
③借上げ公営住宅
④BOT方式
公営住宅
概ね55%
専用部分
民間
共用部分
民間
地方
民間
地方公共団体が
分割支払い
概ね45%
国
(地方経由)
国(地方経由)
整備費の地方公共団
体負担を起債により
調達し家賃等により
償還
整備費の地方公共団
体負担を起債により
調達し家賃等により
償還
民間事業者が資金調
達し、借上げ料を地
方公共団体が支払い
民間事業者が整備費
を資金調達し、国の
補助と地方公共団体
の分割払いで支払い
⑤BOT方式
公営住宅
(民間直接補助)
民間
1/2
地方公共団体が
分割支払い
国
1/2
民間へ
直接補助
民間事業者が整備費
を資金調達し、国の
補助と地方公共団体
の分割払いで支払い
6
公営住宅に係るPPP/PFI導入推進事業 (H27年度より)
目 的
○ 昭和30年代の公営住宅ストック対策は概ね終了し、次は昭和40年代の公営住宅ストックが更新期を迎える中、多くの
地方公共団体では、将来の人口動向・地域のあり方を多角的に検討する必要に加え、建替え等に十分な予算や組織・人
員の確保が困難な状況。
○ このため、PPP/PFI手法を用いた具体の事業提案を行う民間事業者等への支援など、PPP/PFIによる公営住宅団地の
再生等を推進するための支援制度を充実する。
経済財政運営と改革の基本方針2014について(H26.6.24 閣議決定)
(民間能力の活用等) 公営住宅分野において事業に先立ってPPP/PFIの導入を検討する地方公共団体の取組を推進する。
• 現在、H27年度事業について、事業者(コンサル
タント)の公募中(4/30~5/29)
• 40以上の市区町村で本事業の活用意向
概 要
○ PPP/PFI事業に取り組むにあたっての条件整理・事業提案等の支援
マンパワーの限られる小規模な地方公共団体における事業の取組を促進するため、具体の地区の導入可能性調査(VFM
算出等)の前段階として、国は、PPP/PFIに関するノウハウのあるコンサル等の実務者への助成を通じて、地域でPPP/
PFIへの参画意欲のある民間事業者等を支援するとともに、PPP/PFIに取り組む意欲のある地方公共団体が導入候補団地
等の抽出やPPP/PFI手法が有効と考えられる併設機能・集約余剰地活用策の検討等の条件整理・事業提案等などを行う際
に必要な情報提供など基本構想策定段階における必要な支援(コンサル等からも支援)を実施。
契
落札者決定
約
査
管理事業者
建設事業者
その他(福祉法人
連
支
援
支
援
等)
携
地方公共団体
情報提供
等
コンサル 等
・どのような団地がPFIに適しているのか知見がない。
・民間事業者の事業への参画を容易にする条件が分からな
い。
・どのような提案が出されるのか分からない。
審
地方公共団体
両者に課題・悩み
入札公示
民間事業者等
(PPP/PFIへ参画意欲のある民間事業者等を組成)
設計事業者
民間事業者
特定事業
選 定
実施方針
公 表
導入可能性
調 査
基本計画
基本構想
通常の流れ
・専門分野のノウハウはあるが、どのようにPPP/PFI事業に
参画したら良いか分からない。
・他業種の事業者と連携をしたことがない。
助成
国
7
地域優良賃貸住宅制度の概要
1.目的
高齢者世帯、障害者世帯、新婚・子育て世帯等、各地域における居住の安定に特に配慮が必要な世帯の居住の用に供する良質な賃貸住宅の供給を
促進するため、住宅の整備等及び家賃の低廉化に要する費用について支援を行う。
2.制度概要
① 入居対象
下記に掲げる者のうち、原則として収入分位70%(月収38.7万円)以下の者
高齢者世帯、障害者等世帯、新婚世帯、子育て世帯、
地方公共団体が地域住宅計画に掲げる者 等
② 整備に対する国の支援
・事業主体が民間事業者等の場合
⇒地方公共団体が助成する費用(住宅の建設・買取費の1/6等)の概ね 45%
・事業主体が地方公共団体の場合
⇒住宅の整備費の概ね 45%
③ 家賃低廉化に対する国の支援
下記の者が入居する地域優良賃貸住宅を対象に、地方公共団体が事業主体に対して行う
家賃低廉化助成に要する費用(上限:4万円/月・世帯)の概ね 45%について、社会資本整備
総合交付金等により支援。
ⅰ) 収入分位 0~40%(月収21.4万円以下)である次の世帯
高齢者世帯、障害者等世帯、小学校卒業前の子どもがいる世帯 等
ⅱ) 収入分位 0~25%(月収15.8万円以下)の世帯
3.H27年度予算
<制度イメージ(事業主体が民間事業者等の場合)>
(空き家を活用した子育て世帯向け地域優良賃貸住宅の整備)
子育て世帯に対する支援を強化するため、地域優良賃貸住宅制度に
「子育て支援タイプ」を創設。戸建て空き家等を子育て仕様に改修して地域優良
賃貸住宅として供給する取組みへの支援を拡充。
①補助対象
事業主体が戸建空き家等を子育て仕様に改修し、地域優良賃貸住宅として
供給する場合、改良費全体(民間事業者等の場合は改良費の2/3)を
補助対象として取り扱う。(※事業主体が空き家等を借り上げて改修する場合も対象)
②事業主体
民間事業者等、地方住宅供給公社等、地方公共団体、都市再生機構
③補助率
概ね45% (社会資本整備総合交付金等により支援)
<戸建て住宅を子育て仕様とする場合の改修例>
8
地域優良賃貸住宅に係る国の支援について
○
○
地方公共団体及び民間事業者等による直接建設、買取り、買取り・借上げ後の改良に対して補助を実施。
公共供給型の地優賃を民間事業者が建設し、借上げ住宅として一定期間管理したあと、最終的に地方公共団体に引
き渡す(BOT方式)場合、建設費の補助率は、地方公共団体による直接建設(工事費全体が対象)と同様。
○ さらに、BOT方式の場合、民間事業者への直接補助も可能。(H27年度より)
建設・買取りに係る対象額
民間事業者
原則
サービス付き高齢者向け住宅
交付対象:建設・買取費用×1/6 ※
交付対象:建設・買取費用×1/5
地公体
国
1/6×55/100=9.2%
1/6×45/100=7.5%
1/5×55/100=11.0%
地公体
1/5×45/100=9.0%
国
事業者
5/6=83.3%
地方公共団体
•
交付対象:建設・買取費用
55.0%
地公体
(事業
主体)
•
事業者
4/5=80.0%
※ 低層住宅(平屋又
は2階建)の場合
1/9
45.0%
改良に係る対象額(用途の変更を伴わない場合)
民間事業者が公共供給型の地
優賃をBOT方式により供給す
る場合、公共供給型と同じ補助
率を適用。
この場合、国による直接補助も
可能(補助率 国:民間=1:1)
国
改良に係る対象額(用途の変更を伴う場合※※)
(※※ 住宅から子育て支援タイプへの変更を含む)
民間事業者
地方公共団体
民間事業者
地方公共団体
交付対象:共同施設等の改良費用×2/3
交付対象:共同施設等の改良費用
交付対象:改良費用×2/3
交付対象:改良費用
2/3×45/100=30.0%
国
1/3=33.3%
事
業
者
事
業
者
共同施設等 住宅専用部分
55.0%
45.0%
国
地公体(事業主体)
地
公
体
地公 体
(事業主体)
2/3×55/100=36.7%
共同施設等 住宅専用部分
2/3×55/100=36.7%
2/3×45/100=30.0%
1/3=33.3%
55.0%
地公体
(事業
主体)
45.0%
国
地公体
国
事業者
9
住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業の概要
○住宅に困窮している低所得の高齢者、障害者、子育て世帯の居住の安定確保に向け、居住支援協議会等
との連携や適切な管理の下で、空き家等を活用し一定の質が確保された賃貸住宅の供給を図るため、空
き家等のリフォームやコンバージョンに対して支援する。
補助の要件
居住支援協議会等との連携
<入居対象者>
〈各地域における整備量の設定〉
・収入分位25%以下* の高齢者世帯、障害者世帯、子育て世帯であっ
て、現に住宅に困窮している(狭小な住宅に居住等)世帯
*居住支援協議会等が認める場合には、地方公共団体が条例で定める高齢
者、障害者、子育て世帯向けの公営住宅の入居収入基準以下にできる
<住宅要件>
・住戸の床面積は原則として25㎡以上
・住宅設備を有すること(台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室)
・現行の耐震基準に適合していること
・一定のバリアフリー化がなされていること
・住宅確保要配慮者のニーズを把握し、必要な住宅供給量を設
定。
〈住宅情報の登録〉
・事業の実施意向のある住宅オーナー等の募集を行い、住宅情報
の登録を実施。
〈住宅情報の提供〉
・入居対象者に対する登録住宅の情報提供を実施。
〈入居状況の確認〉
・毎年度、居住支援協議会等において、入居状況を確認。
<家賃>
・公営住宅の家賃に準じたもの
スキーム図
対象工事
・バリアフリー改修工事
・耐震改修工事
・共同居住のための改修工事
・入居対象者の居住の安定確保を図るため居住支援協議会等が必要と
認める改修工事
(例:設備の改善・更新、断熱改修、防音性・遮音性の強化 等)
補助率・補助限度額
○補助率:1/3
○事業主体:民間事業者等
○補助限度額:50万円/戸
(共同居住用住居に用途変更する場合、100万円/戸)
10
10
スマートウェルネス住宅等推進事業の概要
高齢者、障害者、子育て世帯等の多様な世帯が安心して健康に暮らすことができる「スマートウェルネス住宅」を実現するた
め、サービス付き高齢者向け住宅の整備、住宅団地等における併設施設の整備及び先導的な取組みに対する支援を実施す
る。
スマートウェルネス住宅等推進事業
①サービス付き高齢者向け住宅整備事業
○ 「サービス付き高齢者向け住宅」の供給促進のため、整備費に対して、国が民間事業者等に補助を行う。
〔住宅〕 補助率:建設・買取 1/10、改良 1/3 補助限度額:100万円/戸
〔高齢者生活支援施設〕 補助率:建設・買取1/10、改良 1/3 補助限度額:1,000万円/施設
②スマートウェルネス拠点整備事業
○ 住宅団地等における併設施設※の整備費に対して、
国が民間事業者等に補助を行う。
補助率:建設・買取・改良 1/3
補助限度額:1,000万円/施設
※高齢者生活支援施設(見守りや生活支援サービス等の拠点施設
等)、
障害者福祉施設、子育て支援施設
③スマートウェルネス住宅等推進モデル事業
○ 高齢者、障害者、子育て世帯の居住の安定確保及
び健康の維持・増進に資する先導的な事業として選定
されるものに対し補助を行う。
〔建設工事費〕 補助率:建設・買取 1/10、改良 2/3
〔技術の検証費、情報提供及び普及費等〕 補助率:2/3
11
11
公営住宅の建設年度別ストック数の推移
○ 建設年度別管理戸数
昭和20年代
0%
(千戸)
100
90
平成7年以降
19%
築後30年以上126万戸(58%)
昭和30年代
4%
昭和20年代
昭和30年代
昭和40年代
昭和50年代
昭和60年代
平成7年以降
昭和40年代
31%
80
昭和60年代
19%
70
昭和50年代
27%
60
50
40
30
20
10
0
S20
S25
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22H24
12
公営住宅のストック戸数の推移
【公営住宅の管理戸数の推移】
【公営住宅ストックの住戸面積の分布】
管理戸数
(万戸)
整備戸数
(万戸)
管理戸数
219.2万戸
(H17年度)
230
220
210
全国計
8
管理戸数
216.8万戸
(H24年度)
6
200
5
190
4
整備戸数
1.5万戸(H24年度)
うち建替
1.3万戸(87.8%)
160
2
管理戸数(左軸)
S56
S61
H3
60~69㎡
28%
40~49㎡
18%
50~59㎡
27%
1
整備戸数(右軸)
150
S51
30~39㎡
17%
3
170
管理戸数
160.7万戸
(S51年度)
70㎡
以上
9%
7
整備戸数
7.0万戸(S51年度)
180
30㎡未満
1%
H8
H13
H18
H23
0
(H24年度末)
(出典)国土交通省調べ
13
公営住宅の入居者の属性等
入居者の収入 ※
入居者(世帯主)の年齢
※ 同居者の所得を含む。
60歳以上の高齢者世帯が57.5%
70歳以上
65~69歳
60~64歳
40~49歳
30~39歳
29歳以下
収入未申告
月収21.4万以下
月収12.3万以下
50~59歳
100%
90%
100%
2.4
21.6%
23.1%
25.0%
26.1%
90%
27.8%
28.6%
30.2%
31.5%
33.2%
80%
70%
10.5%
20.2%
10.6%
10.3%
10.8%
10.1%
10.9%
11.2%
15.1%
19.9%
19.6%
14.7%
14.4%
11.7%
19.0%
14.3%
18.2%
14.5%
10.9%
17.2%
14.5%
11.3%
16.2%
4.4
15.5%
10%
11.1%
10.9%
12.1%
15.3%
12.1%
14.7%
11.3%
1.9
2.1
1.8
1.7
1.2
1.5
1.4
1.2
1.5
1.3
1.1
1.4
2.0
2.0
2.0
3.3
2.8
4.0
6.2
1.8
1.8
3.5
2.9
4.2
3.4
2.9
4.1
3.3
2.8
4.0
3.3
2.8
4.1
6.2
6.1
6.1
6.2
1.8
1.1
2.7
2.1
3.0
3.0
4.0
3.5
3.4
4.6
1.0
2.2
1.9
2.8
2.7
3.8
3.3
3.3
4.5
1.2
1.9
1.6
2.5
0.9
1.8
1.6
2.4
2.5
2.4
3.5
3.1
3.1
4.4
3.4
3.1
3.1
4.3
77.0
60%
11.6%
50%
40%
14.3%
14.9%
15.1%
72.6
74.4
75.2
75.6
75.7
76.1
H15
H16
H17
H18
H19
H20
72.4
74.4
76.2
H21
H22
H23
15.2%
20%
14.8%
14.5%
13.9%
13.2%
12.4%
11.7%
10.9%
10.2%
6.3%
5.9%
5.2%
5.4%
4.1%
3.9%
3.6%
3.4%
3.1%
2.9%
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
0%
2.2
1.7
1.2
1.5
月収25.9万以下
月収13.9万以下
30%
14.6%
20%
16.0%
3.7
3.1
1.8
1.3
1.6
月収31.3万以下
月収15.8万以下
70%
11.8%
9.8%
40%
30%
2.1
6.4
10.4%
50%
34.6%
80%
10.3%
60%
2.0
1.5
1.8
月収31.3万超
月収18.6万以下
月収10.4万以下
(注)年齢不詳を除く
10%
(年度)
国土交通省作成
0%
国土交通省作成
H24
(年度)
4
公営住宅の応募倍率
• 全国平均 7.5倍 東京都 24.7倍 大阪府 18.5倍
愛知県 9.2倍
三大都市圏以外 3.8倍 (平成24年度)
14
公営住宅に係る課題
長期的な趨勢として、人口・世帯数の減少とともに公営住宅需要も減少すると考えられ
る一方で、短中期的には、高齢化の進展に伴い住宅セーフティネットとしてのニーズは
なお強く、必要なストックの確保が課題。
現代のニーズに合わない老朽団地が増加する一方、建替えや改善に要する財源の確
保に限界。
地域の将来のため、子育て世帯や生産年齢人口の定住の受け皿が必要だが、収入制
限の厳しい公営住宅では役割を果たせない。かといって民間賃貸住宅は供給が少な
い。
将来の管理コストの削減のため、集落の縁辺部等にある利便性の低い団地について、
そのまま建替えるべきか苦慮。
市町村における現在の体制では、日々の管理だけで余裕がない。既存ストックの建替え
について、民間のノウハウを活用できないか。
15
「地域における公営住宅の需給に係る検討調査」(H26)において実施したヒアリング調査等に基づき作成。
公営住宅における民間活用の状況
管理段階
供給段階
PFI事業(供給、管理)
実績:37事例 (その他 地域優良賃貸住宅に係るもの2事例)
買取公営住宅
(平成8年公営住宅法改正)
実績:6,005戸
(24年度末)
指定管理者制度(平成15年地方自治法改正)
実績:46事業主体(67都道府県政令市中)(H25.12) ※
(例) 大阪府営住宅における指定管理の状況
吹田市、高槻市等8市町(27,593戸)
大阪ガスセキュリティサービス(株) ・府住
宅供給公社共同体
借上公営住宅
(平成8年公営住宅法改正)
実績:24,338戸
(24年度末)
施設併設
による福祉拠点化
実績:2,519団地
4,394施設
(24年度末)(注)
(注)公共賃貸住宅(公営、改良、
特公賃、UR住宅、公社住宅等)
と社会福祉施設等との併設状況
大阪市、堺市(南区を除く)等10市
(43,891戸)
(株)東急コミュニティー
岸和田市、貝塚市等12市町(20,673戸)
三菱電機ビルテクノサービス(株) ・府住宅
供給公社共同体
(戸数・指定管理者はH25年度末)
枚方市等4市(一部除く)(11,880戸)
日本管財(株)
寝屋川市等3市と大東市の一部
(12,247戸)
アーバンサービスグループ
東大阪市(5,700戸)
日本住宅管理(株)
堺市(南区)(15,835戸)
日本総合住生活(株)・府住宅供給公
社共同体
※ 公営住宅法に基づく管理代行制度を導入している事業主体と併せ、
都道府県・政令市の全67事業主体で民間活用・広域管理が進んでいる。
滞納家賃等回収業務の外部委託
実績:22事業主体(67都道府県政令市中) (H25.12)
16
PFIを活用した公営住宅の整備事例一覧①
PFI活用事例一覧①
事業名
(平成26年1月調査)
事業主体
1
県営上安住宅(仮称)整備
広島県
事業
2
県営坂地区住宅整備事業
3
4
事業
方式
実施時期
実施
方針
着工
供用
実施時期
整備
戸数
事業名
事業主体
事業
方式
実施
方針
着工
供用
整備
戸数
BTO
H14.3
H16.6
H17.10 110戸
13
大阪府営苅田住宅民活プ
大阪府
ロジェクト
BT
H18.4
H19.11 H22.12 248戸
BTO
H15.11
H17.3
H18.4 80戸
14
県営坂地区住宅整備事業 広島県、
(第2期)
坂町
BT
H18.4
H19.3
H20.4 80戸
PFIによる県営住宅鈴川団
山形県
地移転建替等事業
BTO
H15.6
H17.3
H18.1 30戸
富山県
高岡市
BT
H18.8
H20.3
H21.4 50戸
山形県営松境・住吉団地
移転建替及び酒田市琢成 山形県、
学区コミュニティ防災セン 酒田市
ター整備事業
BTO
H16.12
H18.6
H19.7 66戸
16
新屋比内町市営住宅建替 秋田県
事業
秋田市
BT
H18.8
H19.9
H20.11 260戸
17
BT
H19.1
H20.5
H22.3 505戸
5
大阪府営東大阪島之内住
大阪府
宅民活プロジェクト
大阪府営千里佐竹台住宅
大阪府
(2丁目)民活プロジェクト
BT
18
BT
H19.2
H20.5
H23.1 181戸
6
PFIによる京都府府営住宅
京都府
常団地整備等事業
大阪府営東大阪新上小阪
大阪府
住宅民活プロジェクト
BTO
19
BTO
H20.1
H20.10 H21.11 20戸
PFIによる防府・高井県営
山口県
住宅東ブロック整備等事業
PFIによる山形県営通町団
山形県
地移転建替等事業
BTO
20
BT
H20.3
H20.12 H22.10 110戸
大阪府筆ヶ崎住宅民活プ
ロジェクト
小松市営川辺町住宅建替 石川県
事業
小松市
大阪府
BT
沼津市営住宅自由ヶ丘団
地整備事業
静岡県
沼津市
21
BT
H20.7
H21.8
BTO
大阪府営豊中新千里東住
大阪府
宅民活プロジェクト
米沢市公営住宅塩井町団 山形県
10
地建替等事業(1号棟)
米沢市
22
BTO
H21.10
H22.10 H24.4 30戸
BTO
米沢市公営住宅塩井町団 山形県
地建替等事業(2号棟)
米沢市
23
大阪府営吹田藤白台住宅
大阪府
民活プロジェクト
BT
H21.3
H23.5
H24.9 527戸
24
大阪府営堺南長尾住宅民
大阪府
活プロジェクト
BT
H21.4
H23.5
H24.9 443戸
7
8
9
PFIによる市営長曽根団
11 地・深井中町団地建替等
事業
12
広島県、
坂町
大阪府
堺市
BT
大阪府営岸和田下池田民
大阪府
活プロジェクト
BT
H16.2
H16.7
H17.12
H17.6
H17.7
H18.10
H18.12
H18.3
H17.1
H18.9 66戸
H18.2
H18.12
105戸
.
15 蓮花寺市営住宅建替事業
H19.12 H20.12 136戸
H19.6
H20.12 278戸
H18.12 H20.4 214戸
H19.10 H21.4 40戸
H21.3
H19.7
H22.11 200戸
H23.12 441戸
H21.12 221戸
17
PFIを活用した公営住宅の整備事例一覧②
PFI活用事例一覧②
(平成26年1月調査)
実施時期
事業名
事業主体
事業
方式
実施
方針
着工
供用
実施時期
整備
戸数
事業名
事業主体
事業
方式
実施
方針
着工
供用
整備
戸数
25
市営甲子園九番町団地第 兵庫県
1期建替事業
西宮市
BT
H21.4
H22.1
H23.12 280戸
37
大阪府営吹田高野台(1丁
大阪府
目)住宅民活プロジェクト
BT
H25.5
-
H28.8 330戸
26
大阪府営吹田竹見台住宅
大阪府
民活プロジェクト
BT
H21.8
H23.8
H25.2 385戸
38
市営武庫3住宅第1期建
替事業
兵庫県
尼崎市
BT
H25.10
H27.4
H28.10 350戸
27
市営甲子園九番町団地第 兵庫県
2期建替事業
西宮市
BT
H22.7
H24.4
H25.9 168戸
39
(仮称)吹田市営新佐竹台 大阪府
住宅集約建替事業
吹田市
BT
H25.12
-
-
28
米沢市公営住宅塩井町団 山形県
地建替等事業(3号棟)
米沢市
BTO
H23.10
H24.10 H26.4 38戸
29
山北駅北側定住促進住宅 神奈川県
BTO
整備事業
山北町
H23.11
H25.3
H26.4 40戸
30
大阪府営枚方田ノ口住宅
民活プロジェクト
大阪府
BT
H23.4
H25.8
H26.11 200戸
31 市営石在町団地整備事業
兵庫県
西宮市
BT
H24.1
H25.9
H27.6 67戸
32
徳島県県営住宅集約化P
FI事業
徳島県
BOT
H24.2
H25.11 H26.12 300戸
33
市営新町住宅他建替え事 秋田県
業
大館市
BTO
H24.3
H25.9
34
広島市営吉島住宅更新事 広島県
業
広島市
BT
H24.3
H25.10 H27.1 200戸
大阪府
岬町
BT
H24.9
H25.6
H27
BTO
H24.9
H25.7
H26.4 24戸
35 町営緑ヶ丘住宅PFI事業
ショッピングセンターマイン
佐賀県
36 用地における定住促進住
みやき町
宅整備事業
240戸
H27.1 15戸
126戸
18
公営住宅 健軍くらしささえ愛工房(熊本県熊本市)
高齢者、障害者、子育て世帯向けの福祉・交流拠点を整備
健軍くらしささえ愛工房〈熊本県営住宅:健軍団地>(熊本県熊本市)
・建替えとあわせて県営住宅1階に地域の福祉・交流拠点を整備。
NPOによる地域居住支援など、地域住民とのパートナーシップにより運営。
集会室
介護相談、生活相談、子
育て相談等の総合的な相
談窓口
障害者が働く喫茶・軽
食サービス事業
高齢者のデイサービス・
夜間一時預かり・
配食サービス
子育て支援や子育て
支援活動の実施
【健軍団地1階平面図】
19
とおや
公営住宅 遠矢団地(北海道釧路町)
集会・交流センターの整備
趣味・サークル活動などを通じて子供から高齢
者まで多世代が交流できる場づくり
釧路町型コレクティブハウジング「遠矢団地」(北海道釧路町)
・シルバーハウジングと一般世帯向け公営住宅を併せて「釧路町型コレクティブハウジング」と
して整備
・拠点施設を運営する住民主体のNPO法人の運営を支援
・入居選考を行う1年前からコレクティブハウジング模擬事業を実施し、コレクティブハウジング
への理解や入居後のスムーズな自治会活動を促進
<団地概要>
●公営住宅遠矢団地
3棟各20戸/計60戸
●遠矢コレクティブセンター
「ピュアとおや」
RC平屋建て
集会室・団らん室
相談室・多目的室・温浴施設他
20
みなみたちばな
公営住宅 南橘市営住宅(福岡県大牟田市)
市営住宅の建替え余剰地を社会福祉法人に売却、複合福祉施設を整備
南橘市営住宅とケアタウンたちばな(福岡県大牟田市)
・約860戸(地区全体)の簡易耐火造の市営住宅を578戸(地区外除く)に建替え・再編(S63~H18)。
・建替え余剰地については、公募型一般入札で社会福祉法人に売却。社会福祉法人は、既存特
養のサテライトの整備と併せて、小規模多機能型居宅介護施設、デイサービス、ヘルパーステー
ション、地域交流施設等を整備。
・併設された地域交流施設を核として、高齢者の見守り等、市営住宅内外の多世代の地域住民同
士のコミュニティ活動が誘発されている。
建替前の状況(S30年代に建設された簡易耐火造住宅)
<団地概要>
●市営南橘住宅等5団地(北部地区建替事業)
計578戸
●ケアタウンたちばな
特別養護老人ホーム(20床)
小規模多機能型居宅介護施設
認知症専用デイサービス施設
ヘルパーステーション、居宅介護支援事業所
介護予防拠点・地域交流施設
「青いタオルかけ運動」
(単身高齢者の見守り活動)
建替後の公営住宅と隣接するケアタウンたちばな全景
21
ごんたざか
公営住宅 保土ヶ谷区権太坂三丁目地区 (神奈川県横浜市)
■整備手法
○ 市営住宅建設予算の削減により凍結していた保有市有地の有効活用
○ 民間事業者が建設した住宅を市が借上げ
○ 定期借地+事業用借地の複合による公営住宅・商業施設の一体開発
○ 民間の自由提案による土地活用事業(PFI法によるものではない)
■整備箇所
所 在 地 /横浜市保土ヶ谷区権太坂三丁目
敷地面積/約11,700㎡
従前用途/更地(市営住宅用地)
(一時貸付により野球場として使用)
■整備内容
市営住宅/49戸、高齢者向け住宅/48戸、コミュニティハウス、
商業施設 等
(施設名称 : 権太坂スクエア)
【事業スケジュール】
1995年 3月 : 横浜市が当該用地を取得
2004年10月 : 募集要項の公表
2005年 3月 : 民間事業者の決定
2006年 7月 : 住宅棟建設開始
(定期借地契約)
2006年12月 : 商業棟建設開始
(事業用借地契約)
2007年 8月 : 施設全体
(権太坂スクエア)の供用開始
22
公営住宅 枚方田ノ口住宅建替え事業 (大阪府枚方市)
PFI手法を活用し、府営住宅の建替え(建物の高層化)によって創出された余剰地に、地域ニーズに
沿って戸建住宅やサービス付き高齢者向け住宅を一体的に整備。
・従前敷地面積
・建替後敷地面積
・創出余剰地等面積
2.36ha
0.95ha(府営住宅)
1.41ha(戸建住宅、サービス付き高齢者向け住宅等)
※市道等 0.44ha を含む
*余剰地活用の対価として約3.2億円が大阪府の収入
● 府営住宅
(0.95ha)
全景イメージ
● 余剰地 → サービス付き
(0.16ha) 高齢者向け住宅
建替後の府営住宅と戸建住宅
●余剰地 → 戸建住宅
(0.81ha)
23
公営住宅 徳島県営住宅の集約化 (徳島県)
○集約建替えに伴い、余剰地を活用した高齢者向け住宅の整備や福祉施設の設置を行うとともに、
県営住宅に津波避難機能も備え、地域の居住・まちづくりニーズに対応。(※当該地域における
人口は横ばい)
矢三団地
下助任町団地
建替前
吉野本町団地
12団地/県営住宅:645戸(うち入居戸数…約360戸)
北前川町団地
中常三島町団地
建替後
住吉島団地
集約化
万代町団地
徳島県庁
名東(東)団地
B
B 万代町団地
・県営住宅 112戸
・高齢者向け住宅44戸
・福祉施設
(※現地建替)
万代町団地
昭和町2丁目団地
津田松原団地
津田乾開団地
C
避難施設として
地域と連携
県営住宅
( 津 波 避 難ビ ル)
A
寺町団地
平成25年~
事業実施
3団地/県営住宅:300戸、高齢者向け住宅:60戸+福祉施設
A 名東(東)団地
・県営住宅 88戸
・高齢者向け住宅16戸
・福祉施設
新佐古団地
国府団地
集約・統合
C 津田松原団地
・県営住宅 100戸
・福祉施設
○高齢者向け住宅
○福祉サービス ※
地域に必要
とされる
福祉施設
集約に合わ ○高齢化への対応のため、地域に必要な福祉施設を併設
せて機能を ○防災・減災対策のため、避難施設(津波避難ビル)とし
高度化
ても活用し、 地域と連携
※2団地において福祉施設が完成し、20名の職員を雇用(うち新規雇用7名)
24
地域優良賃貸住宅 (島根県西ノ島町内)
 島根県西ノ島町は、第5次総合振興計画において就業者確保・高齢者福祉の充実、子育て支援体制の構築等を計画。支
援体制の充実や、子育て世帯の呼込み、高齢化への対応が求められているが、既存公営住宅は土地・間取りが狭小な住
宅が多く、介護サービス提供が難航するケースも見られ、高齢者世帯の住替え等も視野に入れた住宅整備が課題。
 このため、県住生活基本計画において、U・Iターンによる定住促進、若年層の子育て世帯への支援、住宅確保要配慮者の
居住の安定、地域の振興及び福祉の増進を目的に、居住環境が良好な賃貸住宅の供給を掲げている。
 H24~H26年度に地域優良賃貸住宅13戸を整備し、今後も同様の施策を進めていく予定。
【写真】
【計画の諸元】
・事業主体:島根県西ノ島町
・構
造:木造 2階建
・管理戸数:13戸
・住戸規模:36.25m2~87.00m2
・入居開始:H26年4月~
・家賃設定:20,000円/月(1LDK)
27,500円/月(2DK)
30,000円/月(2LDK)
40,000円/月(3LDK)
25
地域優良賃貸住宅 ふれあい団地 (北海道有珠郡壮瞥町内)
 北海道壮瞥町では、公営住宅等長寿命化計画(H21年度策定)を踏まえ、H24年度、社会資本整備総合交付金
を活用して地域優良賃貸住宅「ふれあい団地」を整備。
 団地の近隣には小学校や中学校があり、地域における子育て世帯の快適な居住環境を確保するため、北海道が
推進するユニバールデザインに配慮し、良好な住環境の形成を図る。
 近隣地区には民間賃貸住宅がなく特公賃もないことから、この地区の収入超過者の受け皿としての役割も果たす。
【外観】
【諸元】
・事業主体:壮瞥町
・構
造:RC造 2階建
・管理戸数:8戸
・住戸規模:87.76m 2
・入居開始:H25年4月~
・家賃設定:52,000円/月(3LDK)
26
にいの
かみかわ
地域優良賃貸住宅 新野駅前団地 (兵庫県神河町内)
 兵庫県神河町では、世帯分離やUIJターンなどの受け皿となる適切な賃貸住宅の不足が、若者流出の大きな要因
である状況。そのような中、町住宅マスタープラン(H22年11月策定)において、世帯分離等に伴う賃貸住宅需要に
対応する適切な住宅の整備を図ることとし、若者の地元定着に繋がるような施策を積極的に推進。
 H26年度、社会資本整備総合交付金を活用し、交通利便性の高い駅前にある町合併による役場跡地(町有地)に、
地域優良賃貸住宅(12戸)を整備。H27年度も12戸を整備予定。
 当住宅に入居する新婚及び子育て世帯に対して家賃補助制度を実施し、若者世帯の地元定住を促進する。
【諸元】
・事業主体:神河町
・構
造:木造 2階建
・管理戸数:12戸(4戸×3棟)
・住戸規模:71.87 ㎡/戸(2LDK)
・入居開始:H27年4月~
・家賃設定: 62,000円/月(2LDK)
※ただし、以下の期間に限っては40,000円/月
(ア)新婚世帯:入居後2年間(24ヶ月)
(イ)子育て世帯:満15歳に到達して最初の3月31日
までの間にある同居する子どもがいる期間
新野駅前
団地
JR播但線
新野駅
100m
27
つの
地域優良賃貸住宅 Monte家 (高知県津野町内)
 高知県津野町では、「住んでみたいまちづくり」の施策方針のもと、担い手世代の町外流出を抑制すると同時に、町外から
の転入者獲得に向けた取り組みとして、H26年度に社会資本整備総合交付金を活用して地域優良賃貸住宅を整備。
 住宅の名称は、若者が津野町へ戻ってきてほしい(土佐弁で、戻ってきてほしいを「もんてや」)という願いを込め「Monte家」
に決定。
 内装建具、造付け収納棚等は、木の温かみを少しでも感じられるよう木製とし、また、子育て世帯へ特に配慮して、玄関及
び間仕切りは、引き戸とした。
 入居後10年以内に、町内に個人住宅を取得して地域優良賃貸住宅を明け渡す場合は、入居期間を基準として定住奨励金
を交付する。
【住宅外観】
【諸元】
・事業主体:高知県津野町
・構
造:RC造 3階建
・管理戸数:9戸/1棟
・住戸規模:54.4m 2 /戸
・入居開始:H27年5月上旬(予定)
・家賃設定:30,000円/月
・駐車場:2台/ 1世帯
28
かみいち
地域優良賃貸住宅 白萩西部公営住宅 (富山県中新川郡上市町内)
 富山県上市町では、上市町住生活基本計画(H23年度策定)において、人口減少対策としての新規住民の定住促進と、公
的資産の有効活用(PRE)【地元製薬企業からの寄付地を活用】を組み合わせた施策を検討。
 H24とH25年度に、当該公営住宅の入居者募集を行った結果、中堅所得者の入居希望が多く見受けられたことから、社会
資本総合整備計画を変更し、社会資本整備総合交付金を活用して、団地48戸中8戸を地域優良賃貸住宅として整備。
【外観】
【諸元】
・事業主体:上市町
・構
造:木造 平屋建・2階建
・管理戸数:8戸
・住戸規模:62.61m 2~90.35m 2
・入居開始:H27年11月~
【イメージ】
・家賃設定:47,500~54,000円/月(2DK)
57,000~73,500円/月(2LDK)
※設計・施工型総合評価一般競争入札を
導入し、委託費及び工事費の節減を
図った。
29
ののいち
地域優良賃貸住宅 つばきの郷住宅 (石川県野々市市)
 石川県野々市市は、昭和22年より公営住宅の供給を開始、平成21年度末時点で計30戸の公営住宅を管理してい
たが、老朽化、耐震性能不足が課題。
 このような状況下、JR野々市駅から徒歩10分の市北西部土地区画整理事業区域内の保育所隣接地が、公営住宅
建替えの適地と判断され、移転建替えの方針を決定。
 公営住宅だけでなく、隣接する保育園との連携を図った子育て支援施設を併設し、子育て支援にも配慮した市営の
地域優良賃貸住宅を計画した。
【諸元】
隣接する保育園
つばきの郷住宅
・事業期間:平成22年度~平成24年度
・事業費 :1,074,100千円(国費429,434千円)
・構
造:鉄筋コンクリート造 5階建
1~3F:公営住宅
4~5F:地域優良賃貸住宅
・管理戸数:全40戸(1LDK、2LDK)
公営住宅
: 1LDK 4戸、 2LDK 12戸
地域優良賃貸住宅: 1LDK 6戸、2LDK 18戸
・延床面積:3,184㎡
標準間取り
30
UR賃貸住宅 多摩平の森(東京都日野市)
■地区概要
【交通経路】
多摩平団地
○所在地
多摩川
↓(徒歩12分)
豊田駅
↓(JR中央線33分)
新宿駅
(計 45分)
東京都日野市多摩平
○敷地面積 約29.6ha
○従前戸数 2,792戸
(昭和33年度管理開始)
○事業後
建替後住宅 1,528戸
○事業期間 平成8年度~29年度(予定)
中央自動車道
○UR賃貸住宅概要
日野自動車工業工場
日野市役所
都立小宮公園
【建替前】 1DK~4DK
甲州街道
国立府中IC
(平均40㎡・46千円/月・戸)
コニカ工場
日野バイパス
【建替後】
1K~3LDK
H19年度末開通
(平均66㎡・107千円/月・戸)
豊田駅
甲州街道
多摩平団地
■広域図
多摩川
多摩動物公園
0m
500m
1000m
2.0㎞
31
UR賃貸住宅 団地再生事業 土地利用計画
○建替えにより生じた土地を活用し、商業施設、高齢者福祉施設等を導入
○民間の創意工夫を活かして既存住棟を活用する「住棟ルネッサンス事業」を実施
日野第五小学校
低中層住宅等
都営住宅
市立病院
多摩平の森
I
多摩平
第一公園
UR賃貸住宅
医療福祉施設等(予定)
日野第二中
学校
市水道事務所
集合住宅等
住棟ルネッサンス事業
【整備敷地 凡例】
集合住宅等
戸建住宅等
交
幼
商業・複合
沿道商業・集合住宅等
商業・複合等
その他(公益施設等)
豊田駅
0m 50m 100m
200m
32
UR賃貸住宅 住棟ルネッサンス事業
○建替前の既存住棟(5棟144戸)を民間事業者3者に建物賃貸
○民間事業者の創意工夫により、多様な住宅の供給、高齢者支援施設の導入、地域の魅力UP等を実現
◆「ゆいま~る多摩平の森」
事業者:㈱コミュニティネット
■位置図
・サービス付き高齢者向け住宅
・コミュニティハウス
・1階部分に高齢者施設を増築
・賃貸期間:20年
・2011年10月入居開始
◆「AURA243 多摩平の森」
事業者:たなべ物産㈱
237
・専用庭や貸し農園のある
賃貸住宅(24戸)
・賃貸期間:15年
・2011年7月入居開始
238
243
◆「りえんと多摩平」
事業者:東電不動産㈱
244
247
豊田駅
・団地型シェアハウス
1階 共用施設(シャワー、食堂、リビング、
ランドリー等)等
2~4階 シェアハウス
・賃貸期間:15年
・2011年3月入居開始
33
(参考)空き家対策の推進
34
空き家の発生による問題
想定される問題の例
管理水準の低下した空き家や空き店舗の周辺への影響
○防災性の低下
積雪等による倒壊、崩壊
屋根・外壁の落下
火災発生のおそれ
○防犯性の低下
風景・景観の悪化
防災や防犯機能の低下
ゴミなどの不法投棄等を誘発
犯罪の誘発
○ごみの不法投棄
○衛生の悪化、悪臭の発生
蚊、蝿、ねずみ、野良猫の発生、集中
○風景、景観の悪化
○その他
樹枝の越境、雑草の繁茂、落ち葉の飛散 等
火災の発生を誘発
悪臭の発生
その他
0
50
100
150
200
250
300
350
(件)
※全国1,804全市区町村を対象とするアンケート(H21.1)結果。回答率は67%
※上記の件数は、複数回答によるもの
35
法令による規制措置の例(1)
建築基準法による命令・代執行(第9条①⑪⑫、第10条③④)
○特定行政庁は、違反建築物について、除却、移転、改築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限等必要な措
置を命令できる。
○特定行政庁は、現に著しく保安上危険な既存不適格建築物等については、用途・規模によらず、除却、移
転、改築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限等必要な措置を命令できる。
○特定行政庁は、上記のいずれの場合も、当該措置が講じられないとき等は代執行できる。また、過失がなく
て所有者等を確知することができず、かつ、放置することが著しく公益に反すると認められる場合も、代執行
できる。
※特定行政庁:都道府県知事及び建築主事を置く市等の長をいう。
消防法による命令・代執行(第3条)
○消防長、消防署長その他の消防吏員は、屋外において火災の予防上危険な場合等について、空き家の周
辺に放置された燃焼のおそれのある物件等の除去等を命令できる。
○消防長又は消防署長は、上記の命令による措置が講じられないとき等は代執行できる。所有者等を確知す
ることができない場合も、消防長等により代執行と同等の措置が可能。
廃棄物処理法による命令・代執行(第19条の4・第19条の7)
○市町村長は、廃棄物の不法投棄について、生活環境の保全上支障がある場合について、不法投棄を行っ
た者に対し、支障の除去・防止に必要な措置を命令できる。
○市町村長は、上記の命令による措置が講じられないとき等は代執行できる。また、過失がなくて処分者等を
確知することができない場合も、代執行できる。
密集市街地整備法による勧告(第13条)
○所管行政庁は、密集市街地のうち特定防火地域等にある延焼等危険建築物に対し、除却を勧告できる。
36
地方公共団体の条例による規制措置の例
全国約400の地方公共団体※で、空き家等の適正管理に関する条例が制定・施行されている。
※ 都道府県等への調査結果(平成26年10月)。平成26年10月1日時点で施行済みのもの。
処分等の内容
契 機
放置空き家
全般
条例の制定事例
勧
告
命
令
公
表
空き家の放置による外壁落下や倒壊事故、犯罪、
火災発生を防止
所沢市空き家等の適正管理に関する条例
(H22.10.1施行)
●
●
○
生活・
環境保全
ゴミ屋敷など、周辺の生活環境阻害状態の解消
や防止
下仁田町環境美化に関する条例
(H17.10.1施行)
●
●
○
火災予防
火災の発生防止、空き家への侵入防止
ふじみ野市空き家等の適正管理に関する条例
(H23.4.1施行)
●
○
○
景観保全
廃屋など地域の景観形成に著しく支障がある建
築物等の除去など、景観支障状態の解消と防止
和歌山県建築物等の外観の維持保全及び景観
支障状態の制限に関する条例(H24.1.1施行)
○
○
突風等による老朽家屋、空き家の外壁等の落下、
倒壊事故などの防止
足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例
(H23.11.1施行)
●
都市環境健全化の促進と防犯性の高いまちづく
り(空き家への不審者の侵入防止等)の推進
新潟市犯罪のない安心・安全なまちづくり条例
(H19.4.1施行)
豪雪による雪・氷の落下事故、倒壊事故の防止
大仙市空き家等の適正管理に関する条例
(H24.1.1施行)
魅力あるまちづくりとまちなか居住の促進(空き家
の適正管理も含む)
松江市空き家を生かした魅力あるまちづくり及び
まちなか居住促進の推進に関する条例
(H23.10.1施行)
突風等による
外壁落下、
倒壊防止
防
犯
豪雪による
倒壊防止
まちなか
居住
○
○
●
●
○
○
○
○
罰
則
代
執
行
●
○
○:条例に規定されている処分等、●:実績あり (平成25年度末)
○
37
空き家対策への支援の方向(国土交通省の支援制度の例)
(1)空き家の再生・除却への補助
→ 空き家再生等推進事業(①活用事業タイプ、②除却事業タイプ)
(2)空き家の活用等に係る相談体制等への整備への補助
→ 空き家管理等基盤強化推進事業
(3)空き家を活用した要配慮者支援への補助
→ 子育て世帯向け賃貸住宅の整備、住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業
(4)空き家の福祉施設等へのコンバージョンへの補助
→ スマートウェルネス住宅等推進事業
(5)住宅団地の再生・既存住宅の質向上による活用への補助
→ 住宅団地型既存住宅流通促進モデル事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業
38
空き家再生等推進事業 【除却事業タイプ】
(社会資本整備総合交付金等の基幹事業)
居住環境の整備改善を図るため、不良住宅、空き家住宅又は空き建築物の除却を行う。
対象地域
 空家等対策計画※1に定められた空家等に関する対策の対象地区
 空き家住宅等の集積が居住環境を阻害し、又は地域活性化を阻害しているため、空き家住宅等の計画的な除却を推進すべき区域として
地域住宅計画※2又は都市再生整備計画※3に定められた区域
 居住誘導区域※4を定めた場合はその区域外で空き家住宅等の集積が居住環境を阻害し、又は地域活性化を阻害している区域
対象施設
 不良住宅
・住宅地区改良法第2条第4項に規定するもの
(空き家かどうかにかかわらず対象)
※1
※2
※3
※4
空家等対策の推進に関する特別措置法に規定する空家等対策計画
地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法に規定する地域住宅計画
都市再生特別措置法に規定する都市再生整備計画
都市再生特別措置法に規定する居住誘導区域
 空き家住宅
・跡地が地域活性化のために供されるもの
 空き建築物
・跡地が地域活性化のために供されるもの
【福井県越前町】 老朽化した空き家住宅を除却し、ポケットパークとして活用
助成対象費用
 不良住宅、空き家住宅又は空き建築物の除却等に要する費用
事業主体
地方公共団体
民間(例)※6
(「除却工事費」+「除却により通常生ずる損失の補償費」)※5×8/10
※5
除却工事費については、除却工事費の1㎡当たりの額(一定の単価の上限あり)に、
不良住宅又は空き家住宅の延べ面積を乗じて得た額を限度とする。
(注)空き家住宅及び空き建築物に係るものについては、空家等対策計画に基づいて行
われる場合に限る。ただし、平成27年度から3年間の経過措置期間を設ける。
不良住宅、空き家住宅又は空き建築物の所有者の特定に要する費用
所有者の特定のための交通費、証明書発行閲覧費、通信費、委託費等
空家等対策計画の策定等に必要な空き家住宅等の実態把握に要する費用
負担割合
(除却等に要
する費用は
が
交付対象限
度額)
国費
2/5
国費
2/5
地方公共団体
2/5
地方公共団体
2/5
地方公共団体
1/5
民間
1/5
※6 国費は、地方公共団体補助の1/2
39
空き家再生等推進事業【除却】の事例(1) 福井県越前町
地区の住環境を改善するため、防災・防犯上危険な空き家について、空き家所有者が除
却する場合に、町がその除却費の一部補助を行っている。
また、除却後の跡地については町がポケットパークとして整備している。
除却前
除却後(町がポケットパークを整備)
40
空き家再生等推進事業【除却】の事例(2) 高知県東洋町
密集住宅地の不良住宅を取り壊すことにより延焼危険性及び倒壊危険性のある地域や
生活環境等の安定向上が阻害されている地域において、防災性や防犯性を向上させるた
め、空き家所有者が除却する場合に、町がその除却費の一部補助を行っている。
なお、跡地は、避難スペースとして有効活用している。
除却前
除却後
41
空き家再生等推進事業 【活用事業タイプ】
(社会資本整備総合交付金等の基幹事業)
居住環境の整備改善を図るため、空き家住宅又は空き建築物の活用を行う。
対象地域
 空家等対策計画※1に定められた空家等に関する対策の対象地区
 空き家住宅等の集積が居住環境を阻害し、又は地域活性化を阻害している一因となっている産炭等地域又は過疎地域
 空き家住宅等の集積が居住環境を阻害し、又は地域活性化を阻害しているため、空き家住宅等の計画的な活用を推進すべき区域として
地域住宅計画※2又は都市再生整備計画※3に定められた区域(居住誘導区域※4を定めた場合はその区域内に限る。)
対象施設
本事業を実施しようとする際に使用されておらず、かつ、
今後も従来の用途に供される見込みのない空き家住宅又
は空き建築物
※1
※2
※3
※4
空家等対策の推進に関する特別措置法に規定する空家等対策計画
地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法に規定する地域住宅計画
都市再生特別措置法に規定する都市再生整備計画
都市再生特別措置法に規定する居住誘導区域
※ 民間企業等又は個人に補助する場合は、地域コミュニティ維持・再生の用
途に10年以上活用されるものに限る
事業内容
空き家住宅及び空き建築物を、居住環境の整備改善及
び地域の活性化に資する滞在体験施設、交流施設、体
験学習施設、創作活動施設、文化施設等の用途に供す
るため、当該住宅等の取得(用地費を除く。)、移転、増築、
改築等を行う
【広島県庄原市】
長屋住宅を交流・展示施設として活用
【奈良県五條市】
町家を滞在体験施設として活用
助成対象費用
事業主体
空き家住宅・空き建築物の改修等に要する費用
空き家住宅等を滞在体験施設、交流施設、体験学習施設、創作活動施設、文
化施設等の用に供するため行う住宅等の取得(用地費を除く。)、移転、増築、
改築等
空き家住宅・空き建築物の所有者の特定に要する費用
所有者の特定のための交通費、証明書発行閲覧費、通信費、委託費等
空家等対策計画の策定等に必要な空き家住宅等の実態把握に要する費用
負担割合
(
が
交付対象
限度額)
地方公共団体
国費
地方公共団体
民間(例)※5※6
1/2
1/2
国費
1/3
地方公共団体
1/3
民間
1/3
※5 要する費用に2/3を乗じた額と地方公共団体が交付する補助金の額のうちいずれか少ない額
※6 国費は、地方公共団体補助の1/2
42
空き家再生等推進事業【活用】の事例(1) 奈良県五條市
伝統的な町家の魅力を活かし、若い世代が希望をもてるようなまちづくりを目指して、空き
家となっていた町家の離れと蔵を改修し、滞在体験型宿泊観光施設として活用。
改修前
改修後
43
空き家再生等推進事業【活用】の事例(2) 広島県庄原市
中心市街地の住環境の改善及びまちなかの賑わい創出を目指して、老朽化し空き家と
なっていた長屋住宅を改修し、コミュニティレストランや特産物販売を行う店舗や展示・交流
のスペース(貸し会場)として活用。
改修前
改修後
44
島根県江津市の取組み (移住促進のための空き家活用事業)
○ 過疎化・高齢化の進展により空き家が増え続けるなか、空き家を地域資源として捉え、定住促進や地域の活性
化につなげる取組を実施。
○ 行政、宅建業者・建設業者、地域コミュニティ・NPOがそれぞれの機能を活かし役割分担することで空き家の活
用を円滑におこなう。
■多様な主体の連携による空き家の活用の流れ
STEP1 空き家の調査登録
(対応者) 市が中心となり実施
・空き家所有者の賃貸・売却などの意向確認や条件整理
STEP2 定住相談と情報提供
(対応者) 市とNPOや宅地建物取引業者等が連携し実施
・情報提供・・・空き家バンク(インターネット)
・空き家見学・紹介・・・市職員と宅建主任者が実施
・無料職業紹介・・・市とハローワークの嘱託職員が常駐
※売買が成立した空き家の例
※田舎暮らしツアーの実施の様子
[参考] 江津市の空き家バンクの実績
STEP3 空き家の賃貸・売買契約
(対応者) 宅地建物取引業者が実施
・売却の場合の宅建業者は公募選定で決定。
・空き家所有者又は入居希望者には、事前に業者が仲介
することを説明しておく
・家賃設定の低い空き家の場合、業者によっては仲介業
務を敬遠される。こうした空き家は修繕が発生するので、
宅建業と建設業を兼業する業者に仲介業務を依頼する等
の工夫をする
※ 資料等:国交省HP内「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会資料より、引用・抜粋 45
NPO法人 空き家コンシェルジュの取組み
県内で空き家が増加するとともに、適切な管理をされず、放置さ
れている空き家(負の遺産)が多数存在している実態等を受け、空
き家を適正に管理し、正の資産とし、地域活性化につなげる活動に
取組む。
建築・税務・法務などの専門家スタッフが、行政や宅建業協会、
建築士会、建築解体工事業協会等と連携しながら、奈良県内の
空き家を主な対象として、空き家所有者等への「無料相談・診断」
「管理代行サービス」「空き家バンク(利用希望者とのマッチング)」
等の総合的な対応を平成25年5月から開始し、空き家を通じた地
域の活性化に取組む。
補)平成25年住宅・土地統計調査による奈良県の空き家率:13.8%(全国13.5%)
空き家総数に占める「その他の住宅」の割合:50.6%(全国38.8%)
■主な取組み
●管理・活用・解体等の相談
無料相談
・診断
●県内各地での出前相談会の開催
●空き家のメンテナンス箇所、
活用可能性等の診断
●管理・活用方法等の提案
●メンテナンス、解体業者等の紹介など
管理代行
(巡回)
サービス
●月1回の定期巡回と災害後巡回
5,000円/月
【基本作業例】
●基本料金
外観・庭木・雑草チェック、漏水チェック、
通風・喚起(1h)、簡易清掃、報告書送付など
●空き家・空き地登録(所有者)
空き家バンク
【相談会】
【空き家バンク登録物件】
184件
●ホームページでの空き家情報の公開
●入居等希望者との連絡調整
■実績等
問合せ・
相談件数
●利用希望者登録、
※仲介行為はしていない
管理代行
サービス
依頼件数*
6件
空き家バンク登録件数*
空き家
所有者
利 用
希望者
成約件数
24件
88件
11件※
注)問合せ・相談件数と成約件数は、事業開始から平成26年7月末までの累計件数
管理代行サービス依頼件数と空き家バンク登録件数は、平成26年7月末時点
※成約件数の内訳:賃貸8件、売却3件
賃貸のうち7件は、空き家所有者からの依頼により
空き家コンシェルジュがサブリースを実施
●荷物の片付け・処分のサポート
その他
●賃貸希望の空き家所有者の依頼
によるサブリース事業
●各種セミナー・勉強会の開催
例)自治連合会等でのセミナー
ケアマネージャー向け空き家管理・空き家
対策講座、
46
公布: 平成26年11月27日
施行: 平成27年2月26日
(※関連の規定は5月26日)
空家等対策の推進に関する特別措置法(概要)
背
景
適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、
生活環境の保全、空家等の活用のため対応が必要(1条)
参考:現在、空家は全国約820万戸(平成25年)、401の自治体が空家条例を制定(平成26年10月)
定
義
○ 「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用が
なされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。
ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。(2条1項)
○
「特定空家等」とは、
① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にある空家等をいう。(2条2項)
空家等
・市町村による空家等対策計画の策定
・空家等の所在や所有者の調査
・固定資産税情報の内部利用等
・データベースの整備等
・適切な管理の促進、有効活用
特定空家等
・措置の実施のための立入調査
・指導→勧告→命令→代執行の措置
施策の概要
国による基本指針の策定・市町村による計画の策定等
空家等及びその跡地の活用
○国土交通大臣及び総務大臣は、空家等に関する施策の基本指針を策定
(5条)
○市町村は、国の基本指針に即した、空家等対策計画を策定(6条)・協議
会を設置(7条)
○都道府県は、市町村に対して技術的な助言、市町村相互間の連絡調整等
必要な援助(8条)
市町村による空家等及びその跡地に関する情報の提供その他これらの活用の
ための対策の実施(13条)
空家等についての情報収集
○市町村長は、
・法律で規定する限度において、空家等への立入調査(9条)
・空家等の所有者等を把握するために固定資産税情報の内部利用(10条)
等が可能
○市町村は、空家等に関するデータベースの整備等を行うよう努力(11条)
特定空家等に対する措置(※)
特定空家等に対しては、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、
勧告、命令が可能。
さらに要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行が可能。(14条)
財政上の措置及び税制上の措置等
市町村が行う空家等対策の円滑な実施のために、国及び地方公共団体による
空家等に関する施策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税制度の拡
充を行う(15条1項)。
47
このほか、今後必要な税制上の措置等を行う(15条2項)。
空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(固定資産税等)
空家の全国的な増加が懸念される中、空家の除却・適正管理を促進し、市町村による空家対策を支援する観点から、空家の存
する敷地に係る固定資産税等について必要な措置を講ずる。
概要
「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成26年法律第127号)の規定に基づき、市町村長が特定空家等(注)の所有者等
に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該特定空家等に係る敷地について
固定資産税等の住宅用地特例(※)の対象から除外することとする。 (注)周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にある空家等
施策の背景
○ 空家の総数(H25年10月1日時点で820万戸)は増加し続けており、今後とも、人口減少により全国的な空家の増加が懸
念される状況。
○ 特に、管理が不十分になった空家は、火災の発生や建物の倒壊、衛生面や景観面での悪化等多岐にわたる問題を発生
させることから、空家対策の重要性が高まっている。
(地方公共団体においても、空家の適正管理等に関する条例が401件(H26.10時点)施行されている。)
○ このような適切な管理が行われていない空家が放置されることへの対策として、固定資産税等の特例措置(人の居住の
用に供する家屋の敷地に適用される住宅用地特例)を解除すべきとの指摘がある。
○ また、前臨時国会において「市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資する
ため、必要な税制上の措置その他の措置を講ずるものとする」との規定を含む「空家等対策の推進に関する特別措置法」
が成立したところ。
○ 以上を踏まえ、空家の除却・適正管理を促進し、市町村による空家対策を支援する観点から、固定資産税等の住宅用地
特例に係る上述の措置を講ずることが必要。
(※現行の住宅用地特例)
固定資産税の
課税標準
小規模住宅用地
(200㎡以下の部分)
一般住宅用地
(200㎡を超える部分)
1/6に減額
1/3に減額
48
空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針【概要】
「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)」第5条に基づき、国土交通大臣及び総務大臣が定めることとされている。
一 空家等に関する施策の実施に関する基本的な事項
1 本基本指針の背景
(1)空家等の現状
(2)空家等対策の基本的な考え方
①基本的な考え方
・所有者等に第一義的な管理責任
・住民に最も身近な市町村による
空家等対策の実施の重要性 等
②市町村の役割
・空家等対策の体制整備
・空家等対策計画の作成、必要な
措置の実施 等
③都道府県の役割
・空家等対策計画の作成・実施等
に関する市町村への必要な援助
の実施 等
④国の役割
・特定空家等対策に関するガイド
ラインの策定
・必要な財政上の措置・税制上の
措置の実施 等
1
2 実施体制の整備
(1)市町村内の関係部局による連
携体制
(2)協議会の組織化
(3)空家等の所有者等及び周辺住
民からの相談体制の整備
3 空家等の実態把握
(1)市町村内の空家等の所在等の
把握
(2)空家等の所有者等の特定及び
意向の把握
(3)空家等の所有者等に関する情報
を把握する手段
・固定資産税情報の内部利用 等
4 空家等に関するデータベースの
整備等
5 空家等対策計画の作成
二 空家等対策計画に関する事項
1 効果的な空家等対策計画の作成の推進
2 空家等対策計画に定める事項
(1)空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類
その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針
・重点対象地区の設定、空家等対策の優先順位の明示 等
(2)計画期間
・既存の計画や調査の実施年との整合性の確保 等
(3)空家等の調査に関する事項
・対象地区、期間、対象など調査内容及び方法の記載 等
1
(4)所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項
(5)空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進に関する事項
(6)特定空家等に対する措置その他の特定空家等への対処に関する事項
6 空家等及びその跡地の活用の促
進
(7)住民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項
7 特定空家等に対する措置の促進
・ガイドラインを参照しつつ、「特定
空家等」の対策を推進
(9)その他空家等に関する対策の実施に関し必要な事項
・対策の効果の検証、その結果を踏まえた計画の見直し方針 等
(8)空家等に関する対策の実施体制に関する事項
・各部局の役割分担、組織体制、窓口連絡先などの記載 等
3 空家等対策計画の公表等
8 空家等に関する対策の実施に必
要な財政上・税制上の措置
(1)財政上の措置
(2)税制上の措置
・市町村長による必要な措置の勧告
を受けた「特定空家等」に対する
固定資産税等の住宅用地特例の解
除
三 その他空家等に関する施策を総合的かつ
計画的に実施するために必要な事項
1 空家等の所有者等の意識の涵養と理解増進
2 空家等に対する他法令による諸規制等
3 空家等の増加抑制策、利活用施策、除却等に対する支援施策等 49
「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)(案)【概要】
市町村が「特定空家等」の判断の参考となる基準等及び「特定空家等に対する措置」に係る手続について、参考となる考え方を示すもの。
第2章 「特定空家等に対する措置」を講ずるに
際して参考となる事項
第1章 空家等に対する対応
1.法に定義される「空家等」及び「特定空家等」
2.具体の事案に対する措置の検討
(1)「特定空家等」と認められる空家等に対して法の規定を適用した場合の効果等
・固定資産税等の住宅用地特例に関する措置
(2)行政関与の要否の判断
(3)他の法令等に基づく諸制度との関係
3.所有者等の特定
1
・「特定空家等に関する措置」を講ずるか否かについては、(1)を参
考に、(2)及び(3)に示す事項を勘案して、総合的に判断。
(1)「特定空家等」の判断の参考となる基準
・空家等の物的状態の判断に際して参考となる基準を 別紙に示す。
(2)周辺の建築物や通行人等に対し悪影響をもたらすおそれがあるか
否か
(3)悪影響の程度と危険等の切迫性
1
第3章 特定空家等に対する措置
1.適切な管理が行われていない空家等の所有
者等の事情の把握
2.「特定空家等に対する措置」の事前準備
(1)立入調査
・明示的な拒否があった場合は、立入調査を
することはできない。
・空家等を損壊させることのない範囲内での立
入調査は許容され得る。
(2)データベース(台帳等)の整備と関係部局へ
の情報提供
・税務部局に対し、空家等施策担当部局から
常に「特定空家等」に係る最新情報を提供
(3)特定空家等に関係する権利者との調整
・抵当権等が設定されていた場合でも、命令等
を行うに当たっては、関係権利者と必ずしも調
整を行う必要はない。
3.特定空家等の所有者等への助言又は指導
(1)特定空家等の所有者等への告知
(2)措置の内容等の検討
4.特定空家等の所有者等への勧告
(1)勧告の実施
・固定資産税等の住宅用地特例から除外され
ることを示すべき。
・勧告は書面で行う。
・措置の内容は、規制目的を達成するために
必要かつ合理的な範囲内
(2)関係部局への情報提供
5.特定空家等の所有者等への命令
(1)所有者等への事前の通知
(2)所有者等による公開による意見聴取の請求
(3)公開による意見の聴取
(4)命令の実施
・命令は書面で行う。
(5)標識の設置その他国土交通省令・総務省令
で定める方法による公示
6.特定空家等に係る代執行
(1)実体的要件の明確化
(2)手続的要件
(3)非常の場合又は危険切迫の場合
(4)執行責任者の証票の携帯及び呈示
(5)費用の徴収
7.過失なく措置を命ぜられるべき者を確知すること
ができない場合
(1)「過失がなくて」「確知することができない」場合
・不動産登記簿情報、固定資産税情報等を活用
せずに、所有者等を特定できなかった場合、「過
失がない」とは言い難い。
(2)事前の公告
(3)費用の徴収
・義務者が後で判明したときは、その者から費用
を徴収できる。
8.必要な措置が講じられた場合の対応
・所有者等が、勧告又は命令に係る措置を実施
し、当該勧告又は命令が撤回された場合、固定
資産税等の住宅用地特例の要件を満たす家屋
の敷地は、特例の適用対象となる。
50
ガイドライン(案) 〔別紙1〕~〔別紙4〕の概要
空家等の物的状態の判断に際して参考となる基準を示すもの。以下は例示であり、これによらない場合も適切に判断していく必要
〔別紙1〕 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危
険となるおそれのある状態
〔別紙2〕 そのまま放置すれば著しく衛生上有害となる
おそれのある状態
1.建築物が著しく保安上危険となるおそれがある。
(1)建築物が倒壊等するおそれがある。
イ 建築物の著しい傾斜
・基礎に不同沈下がある
・柱が傾斜している
等
ロ 建築物の構造耐力上主要な部分の損傷等
・基礎が破損又は変形している ・土台が腐朽又は破損している 等
(2)屋根、外壁等が脱落、飛散等するおそれがある。
・屋根が変形している
・屋根ふき材が剥落している
・壁体を貫通する穴が生じている ・看板、給湯設備等が転倒している
・屋外階段、バルコニーが腐食、破損又は脱落している
等
2.擁壁が老朽化し危険となるおそれがある。
・擁壁表面に水がしみ出し、流出している
等
(1)建築物又は設備等の破損等が原因で、以下の状態にある。
・吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況である。
・浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生があり、周辺
住民の日常生活に支障を及ぼしている。
・排水等の流出による臭気の発生があり、周辺住民の日常生活に支障を
及ぼしている。
(2)ごみ等の放置、不法投棄が原因で、以下の状態にある。
・ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、周辺住民の日常生
活に影響を及ぼしている。
・ごみ等の放置、不法投棄により、多数のねずみ、はえ、蚊等が発生し、
周辺住民の日常生活に影響を及ぼしている。
1
1
〔別紙3〕 適切な管理が行われていないことにより著し
く景観を損なっている状態
〔別紙4〕 その他周辺の生活環境の保全を図るために
放置することが不適切である状態
(1)適切な管理が行われていない結果、既存の景観ルールに著しく適合し
ていない状態となっている。
・景観法に基づき景観計画を策定している場合において、当該景観計
画に定める建築物又は工作物の形態意匠等の制限に著しく適合してい
ない状態となっている。
・地域で定められた景観保全に係るルールに著しく適合しない状態と
なっている。
等
(2)その他、以下のような状態にあり、周囲の景観と著しく不調和な状態で
ある。
・屋根、外壁等が、外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されている。
・多数の窓ガラスが割れたまま放置されている。
・立木等が建築物の全面を覆う程度まで繁茂している。
等
(1)立木が原因で、以下の状態にある。
・立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し、歩行者等の通行を妨げてい
る。
等
(2)空家等に住みついた動物等が原因で、以下の状態にある。
・動物のふん尿その他の汚物の放置により、臭気が発生し、周辺住民の
日常生活に支障を及ぼしている。
・シロアリが大量に発生し、近隣の家屋に飛来し、周辺住民の生活環境
に悪影響を及ぼすおそれがある。
等
(3)建築物等の不適切な管理が原因で、以下の状態にある。
・門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易
に侵入できる状態で放置されている。
等
51
Fly UP