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デジタル脳波の活用

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デジタル脳波の活用
デジタル脳波の活用
医療法人社団輔仁会
田崎病院
松浦雅人
協賛
GSK株式会社
日本光電株式会社
第1回 沖縄赤十字病院(嘉手川 淳先生、饒波正博先生)
第2回 学術講演会
第3回 沖縄病院(諏訪園秀吾先生)
12月5日予定(沖縄県薬剤師会館)
第4回 サマリア人病院(山城勝美先生)
来年2月?
今後、
天久台病院(平良直樹先生)、 田崎病院(松浦雅人)
中部病院(金城正高先生)、琉大病院(渡嘉敷 崇先生、外間宏人先生)
臨床脳波研究会資料(pdf)
1.脳波図版65枚
2.脳波図版61枚
3.脳波図版37枚
4.診断の補助となる臨床脳波検査
5.高齢者の脳波の読み方
6.第1回臨床脳波研究会ミニレクチャー
日本臨床神経生理学会ホームページ
(http://jscn.umin.ac.jp/)
現行:改訂臨床脳波検査基準2002
診療報酬上の要望
(日本臨床神経生理学会、日本てんかん学会など)
現行
脳波検査
600点
睡眠賦活加算
250点
脳波検査判断料
180点
他院の脳波判断料
70点
要望
→
1,000点
→
400点
脳波遠隔診断料
長期脳波ビデオ記録
( /1日、5日間を限度)
新設
900点
→
6,500点
認定検査技師の資格条件
資格名称
付与学会
超音波検査士
日本臨床神経学会認定
睡眠医療認定検査技
(体表臓器、循環器、消化器、
技師(脳波)、同(筋
師
泌尿器、産婦人科、検診、
電図、神経伝達)
血管)
日本睡眠学会
日本臨床神経生理学会
日本超音波医学会
会員歴
1年以上
連続3年以上
連続3年以上
経験歴
1年以上
3年以上
3年以上
学会参加
1回以上
1回以上
なし
1-2回
1回以上
なし
筆記試験、面接試験
筆記試験
筆記試験
症例報告
5症例
5症例(自検例)
各分野20症例
合格率*
80-85%
80-100%
約60%
取得者数
451名(46.5%)
216名(28.8%)
約7600人(消化器)
申請料
30,000円
5,000円
20,000円
交付料
10,000円
10,000円/1分野
5,000円
有効期間
5年間
5年間
5年間
更新単位
30単位
40単位
25単位
講習会
審査
改訂臨床脳波検査基準2002
(日本臨床神経生理学会、2002)
1.臨床脳波検査一般
2.新生児・未熟児・小児の脳波検査
3.緊急症例・ICUモニタリング
4.術中脳波・誘発電位
5.脳死判定
6.終夜睡眠ポリグラフィー
7.発作時脳波ビデオ同時記録
改訂臨床脳波検査基準2002
(日本臨床神経生理学会、2002)
デジタル脳波計に関する記述
•
システムリファレンス電極を雑音の混入しにくい部位に置く
(通常はC3+C4)
•
モンタージュ導出を記録する前に、システムリファレンス電極
を基準とした誘導を10秒以上記録する(すべての電極の増幅
器をチェック)
•
サンプリング周波数は200Hz以上
•
オーサライズファイルを作成し保存する
グリッド1
グリッド2
デジタル脳波計
電極箱
脳波計本体
ペン・ガルバノメータ
システムリファレンス導出
SR:システムリファレンス
単極導出(同側耳朶電極基準導出)
デジタル脳波計は電極の数だけ差動増幅器がある
電極ボックス
T1、T2端子がある
データ保存画面
データを保存する電極は脳波計導入
時に指定する
モニター画面
や紙記録上では
16チャネル表示
実際には
多チャネル記録
をしている
サンプリング(標本化)と量子化
*
200Hzサンプリング
500Hzサンプリング
16ビットA/D変換器
による量子化
*ダイナミックレンジ
サンプリング周波数が小さいと原波形を再現できない
量子化のダイナミックレンジが短いと、
データのサチュレーションが生じる
デジタル脳波の記録・判読指針
(日本臨床神経生理学会、2014)
•
過大入力を抑制するために抵抗とコンデンサーからなるアナロ
グフィルター(ハードウエアフィルター)は脳波計導入時に設定
する(ハード時定数10秒)
•
検査技師は、基準電極導出と双極導出を、イベントマークを利
用して判読しながら記録する(アナログ脳波記録と同じ)
•
判読医は、モニター画面でリ・モンタージュ、リ・フィルタリング、
感度調節機能を用いて判読する
長い時定数でDCシフトがみられる
LC=1.5Hz
LC=1/2πTC(秒)
LC=0.03Hz
短い時定数で原波形が見やすくなる
筋電図の混入で原波形が見えない(TC=0.1秒、HFF=60Hz)
高域遮断フィルターをきつくかけると原波形が見えるようになる
(TC=0.1秒、HFF=15Hz)
全般性の筋電図の混入
HFF=OFF(120Hz)
vs
HFF=15Hz
局所的な筋電図の混入
HFF=OFF(120Hz)
vs
HFF=15Hz
HFFを強くかけるとHFOに似たアーチファクトが混入する
感度を下げると波形全体
が見えるようになる
(3Hz棘徐波群発)
リ・モンタージュ:同側耳朶電極を基準にした単極導出
リ・モンタージュ:平均基準電極導出
リ・モンタージュ:横連結双極導出
リ・モンタージュ:縦連結双極導出
Double banana
左半球脳梗塞の振幅低下が単極導出よりも双極導出で明瞭となる
通常の単極導出法(同側耳朶基準)
おすすめ単極導出法(T3-T4、A1-A2を追加)
平均基準電極導出法(✚T3-T4)
電源導出法(SD法、source derivation)(✚T3-T4)
ウィケット棘波(律動)
• 中(~前)側頭部に出現
• 鋭い波を混じる高振幅の6~11Hz律動波
• 徐波を伴わない
• 背景活動に局在性異常を伴わない
• 入眠期にめだつ
• 耳朶を活性化する
• 高齢者に多く出現する
ウイケット棘波とウイケット律動
(Krauss et al, 2005)
耳朶基準導出 Fig.1 Anne et al, 1998
双極導出(reformatting) Fig.1 Anne et al, 1998
高齢者脳波の特徴
1.背景活動の徐波化
2.反応性の低下
3.側頭部領域の特殊波形の出現
徐波、κ律動、ウィケット棘波など
4.入眠期の特殊波形の増加
前方部緩徐律動、小棘波など
同側耳朶基準電極導出(✚T3-T4
✚A1-A2)
平均基準電極導出(✚T3-T4)
対側耳朶基準電極導出(✚T3-T4
✚A2-A1)
3種類のα 帯域波と加齢変化
優勢部位 挙動
高齢者での変化
α律動
後頭部
開眼で抑制
徐化、広汎化、反
応性低下
μ律動
中心部
対側の手の運動で抑制 減少
κ律動*
側頭部
刺激で抑制されない?
*第3律動(Niedermeyer)、 τリズム( MEG )
・開眼、知的作業などで変化しない
・入眠期にも残存する
・対側半球で位相が逆転する
増加
対側耳朶導出:開眼で抑制されない
Fp1-A2
Fp2-A1
F3 -A2
F4 -A1
C3 -A2
C4 -A1
P3 -A2
P4 -A1
O1 -A2
O2 -A1
F7 -A2
F8 -A1
T3 -A2
T4 -A1
T5 -A2
T6 -A1
ECG
Resp.
開眼
単極導出ではα波に左右差があるように見えるが、平均基準電極
導出ではκ律動の左右差であったことがわかる
Mark1
Fp1-A1
Fp2-A2
F3 -A1
F4 -A2
C3 -A1
C4 -A2
P3 -A1
P4 -A2
O1 -A1
O2 -A2
F7 -A1
F8 -A2
T3 -A1
T4 -A2
T5 -A1
T6 -A2
25 -26
TOP
MONT1A
MEAS
OF FILE
27
-28
Mark2
Mark1
Fp1-AV
Fp2-AV
F3 -AV
F4 -AV
C3 -AV
C4 -AV
P3 -AV
P4 -AV
O1 -AV
O2 -AV
F7 -AV
F8 -AV
T3 -AV
T4 -AV
T5 -AV
T6 -AV
25 -26
TOP
MONT1A
MEAS
OF FILE
27
-28
Mark2
入眠判定への影響(単極導出
Fp1-A1
Fp2-A2
F3 -A1
F4 -A2
C3 -A1
C4 -A2
P3 -A1
P4 -A2
O1 -A1
O2 -A2
F7 -A1
F8 -A2
T3 -A1
T4 -A2
T5 -A1
T6 -A2
T3 -T4
A1 -A2
ECG
sleep onset
✚T3-T4 ✚A1-A2)
入眠判定への影響(電流原導出
Fp1-SD1
Fp2-SD1
F3 -SD1
F4 -SD1
C3 -SD1
C4 -SD1
P3 -SD1
P4 -SD1
O1 -SD1
O2 -SD1
F7 -SD1
F8 -SD1
T3 -SD1
T4 -SD1
T5 -SD1
T6 -SD1
T3 -T4
SD1-SD1
ECG
sleep onset
✚T3-T4)
てんかん3000例の発作間欠期棘波
初回覚醒時脳波で出現
33%
睡眠記録ではじめて出現
27%
繰り返し覚醒時記録で出現
16%
繰り返し睡眠時記録で出現
10%
出現せず
8%
Binnie & Stefan (Clin Neurophysiol 1999)
てんかん診断における脳波の感受性
ルーチン脳波検査(てんかん性放電の出現頻度)
・初回脳波50%,3回目84%,4回目92%
(Salinsky et al, Epilepsia 1987)
・初回脳波50%程度、繰り返し検査により80%まで上昇
(Benbadis, Epilepsy Beh 2007)
ビデオ脳波同時記録(発作の捕捉頻度)
(Faulkner et al, Seizure 2012)
てんかん初診例の異常波の出現率
%
Leach et al, 2006
てんかん性異常波の出現率
%
Degan
(1982)
(1983)
(1987)
治療例
初診例
Aguglia
(1994)
Ropakiotis
(2000)
Foldvary-Schaefer & Grigg-Damberger, J Clin Neirophysiol 2006
てんかん性棘波・鋭波
1.小児や特発性てんかんで出現頻度が高い(高齢者では
出現頻度が低い)
2.睡眠中に出現しやすい(覚醒時脳波記録のみでは不十分)
c.f. 若年ミオクロニーてんかんの多棘徐波複合は早朝
覚醒時に出現しやすい
3.発作頻度が多い時期と発作直後に出現しやすい(発
作直後に出現頻度が高くなる)
4.断眠により出現しやすくなる
てんかん診断の特異性
High (>85%)
側頭部棘波
頭頂部棘波
ヒプスアリスミア
鋭徐波複合
全般性突発性速波律動
Moderate(75%<)
前頭部棘波
広汎性棘徐波複合
中心部棘波
後頭部棘波
光突発反応
(Smith 2005,
Low(40%<)
ローランド棘波
Minimal (≒0%)
14&6Hz陽性棘波
6Hz棘徐波複合
精神運動発作異型
SREDA
Pillai & Sperling 2006)
部分発作時脳波
発作時脳波
①律動性徐波、②反復性棘波、③振幅減衰のいず
れかが、時間経過に伴って空間分布・波形・周波数
が進展する。
発作時脳波の疑い
①広汎な背景活動の抑制、②短い律動波形のいず
れかで、時間的進展がない。
Klatt et al, Epilepsia 2012
部分発作起始時の脳波
発作時の
頭蓋内脳波と
頭皮脳波
(Tao et al,
Epilpesia 2007)
部分発作時脳波に似た眼瞼振戦アーチファクト
発作時脳波に似た口部ジスキネジアによるアーチファクト
精神運動発作異型Psychomotor Variant (Gibbs & Gibbs)
Rhythmic Temporal Theta Burst of Drowsiness (IFSECN)
Fp1-Av
Fp2-Av
F7 -Av
F8 -Av
T3 -Av
T4 -Av
T5 -Av
T6 -Av
C3 -Av
C4 -Av
P3 -Av
P4 -Av
O1 -Av
O2 -Av
Psychomotor Variant /Rhythmic Temporal Theta Burst of Drowsiness
Saw-toothed
pattern
Flat-topped
pattern
精神運動発作異型(Psychomotor Variant Pattern)
Rhythmic Temporal Theta Burst of Drowsiness
Rhythmic Mid-temporal Discharges, RMTD
Rhythmic Temporal Theta Discharges, RTTD
Jack Ruby(1911-1967)
1963年、ジャック・ルビーは
オズワルドがケネディ大統
領暗殺容疑で逮捕された2
日後、ダラス警察署の地下
でテレビ中継中にオズワル
ドを射殺した。
脳波検査で、精神運動発
作異型がみられたことから
、てんかんが疑われた。
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