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泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率
Title Author(s) Citation Issue Date 泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利 用効率に関する研究 中辻, 浩喜 北海道大学農学部農場研究報告 = Research bulletin of the University Farm Hokkaido University, 31: 75-128 1999-03-29 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/13445 Right Type bulletin Additional Information File Information 31_p75-128.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号:75-128 ( 1 9 9 9 ) 泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料 エネルギーの利用効率に関する研究 中辻浩喜 (北海道大学農学部附属農場生態畜産部門) ( 1 9 9 9年 1月 2 9日受理) 第 I章 緒 目 次 論 … ・ … . . . . ・ ・ . . . . . . . ・ ・ . . . . . . . . . . . ・ ・ . . . . … … ・ … . . . . . ・ ・ . . . . . . . ・ ・ . . . . … ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 田 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 6 H H H H H 1.研究の背景と目的 . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・..………………...・ ・-…………ー・・・・ ・ ・-………………………… ・ ・ . .7 6 H H H H H H H H 2 . 本試験で用いた牛乳生産のエネルギ一利用効率の指標について …一一…..........・ ・ . . … . . . ・ ・ . . … … . . . ・ ・ … ・ . . . .7 8 3 . 従来の研究 ……・………・…… ・ ・ . . . . ・ ・-……・………...・ ・ . . . . ・ ・-一一…・ー・…...・ ・ . . . ・ ・ ・・ . . . ・ ・ . . . . ・ ・ . . . . . . .7 9 1) 粗飼料主体飼養による牛乳生産 ・・・・・・・・…・……・・・・…・・・・・・・・・……・・・・・・・・・・…………・・・・・…・・……・・・・・・… 7 9 2)飼料エネルギーの消化率および qに影響する要因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・……・・・・・・…・・・……・…・…・・…・・・・・・・・・… 7 9 H H H H H H H H H H H H H H 3)牛乳生産のエネルギ一利用効率に影響する要因 ・・・・・・…・・…・・・・・・・・・…・・・・・・………・・..…・・・……・・…….... 8 0 第I I章 試験方法 ・・…・・・・・・………・…・・……・・…・・・・……・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・…・・・・・・・・・・・・…・…・・・…・…・・・・…. 8 1 ・・……・…・・…・・・…・・…・……・・・・…・・・・・・・・・-・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・…・…・・・…・…・・・・…. 8 1 2 . 試験処理区 ・・・・・・・・・・・・・・・・…・・…・・・・・・・・・…・…・・・・….........・ ・..…・・・・……・・・・・・・・・…・・…・・・・…・…・・・・…. 8 1 3 . 飼料給与基準・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・…・・・・…・・……・・・・…・・・・・・・・・・・・・…・・…・・・・…・・・…・・…. 8 2 4 . 給与飼料 ・・・・・・・・…・・・・・・・・…・…・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・………・……・…・・…・・・・…・・…・・・・…......・ ・ . .8 2 5 . 飼料給与量 ・・・・・…・・・・・・・・…・…・….........……・・・・…・・・・・・…...・ ・...……・・・…・・・・…・・…・・・・…・・・・・….... 8 2 1 . 試験期間および供試牛 H H H 6 . 飼養管理 ・ ・ … ・ ・ … ・ ・ ・ ・ … ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ・ … … ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . . ・ . . . . . . . . . … . . . . ・ ・・・・・・・・・・・…・…・・・……... 8 4 H 7 . 測定項目およひ測定方法 …・…・…・…・…・・・・……・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・…・・・・・……..…・・・・・・…・……・・….... 8 5 1) 飼料採食量・・…………...・ ・-…・……・・・・・・……・・・・…・・…・・・・・・・・・・・…・・・・…・…・・…・・……・・……・・・…・・・ H 8 5 2)飼料成分組成・・・・・…………・・…・……・・…・………・…・・…・・・・・・・・・…・・・・・・…………・…・…・・……・・・・・・… 8 5 3)乳量および乳成分組成 ・・…・・…・……・・…・・・・……・…・…・・・・・・・・・・・…・・・・・…・・・……・…・…ー……・・・…… 8 5 4)体重 ・・…・・・…・・・・・・………・…・・……・・……・……・……・・・・・・・・・・・・…・・……・・・・・・・・・・…・…・・・・・…・・・・・・… 8 5 5)エネルギー出納試験 ・・・・・・・・・…・・・・・・・・・…・…・・・・…・・・……・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・…・…………・・・・・・… 8 5 第I I I章粗飼料多給飼養下における飼料のエネルギー消化率,代謝率および牛乳生産のエネルギ一利用効率 一一エネルギー出納試験成績からの検討一一 ・・・・・・・・・…・・……・・・・ 8 6 1 . 目的 …・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・…・・…・・・・…・…・・・…・・・・・・…・・・・………...…・・・…・…・・…・・・・…・・…....... 8 6 6 2 . 解析に用いたデータおよび解析方法 ・・・・・・・・・……・・・・…・・・・・・……・………・・・……・・・・…・・…・・・・…・・…・・・…. 8 3 . 結呆 ・・………・・…・・・・…・・・・・…・・…・・…・・・・……ー・・…・・・・・・………・………・ー…・・・・・・・・・…・・・・…・・…・・・…・ 8 7 1)エネルギー消化率, qおよひ牛乳生産のエネルギ一利用効率の平均値とその範囲…・・・…・・…・・・・…・……・…・ 8 7 2)飼料中粗飼料割合とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 ・・・・・・…・…・・・・…・ 88 9 3)飼料中 cwc含量とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 ・・・・・・…・……・…・ 8 4)飼料中 CP含量とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係・・・・・…・…・・・…・・…・ 9 0 1 5)飼料中 CWC/CP比とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 ・・・…・・・・・・・….. 9 6)エネルギー摂取レベルとエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 …・・・・・…・・・・ 9 2 7l飼養レベルとエネルギー消化率, qおよび午乳生産のエネルギ一利用効率との関係…・・・…・・…・…・・・……... 9 4 8)乳量レベルとエネルギー消化率, qおよび午乳生産のエネルギ一利用効率との関係・・・・・・…・…・・…・・・・・….... 9 5 9)乳期とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエ不ルギ一利用効率との関係 ・・・・・・・・・・・・…・…一……・・・…・・・ 9 6 1 0 ) 産次とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエ不ルギ一利用効率との関係 ・・・・・・・・・・・・…・…・・……・・…・・・・ 9 7 1 1 ) 季節とエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 ・・・・・・・・・・・…・・…・・……・・・…… 9 8 7 6 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 4 . 考 察 ・・……......……・・・・…・・…・…・…・……・・・……・・・……・・・・・・・・…・・・・…・・・・…・・・・…・・…・・・・…・…・・・…. 9 8 5 . 小 括 ・・・…….....………・…・・…・・…・………・・・…・・・・・・・・…・・…・・ー・・・・・・・・・・・・・・・…・…・…・・・・・・・…・・・・・・・…・ 1 0 2 第I V章 粗 飼 料 多 給 飼 養 下 に お け る l乳期生産時での牛乳生産のエネルギ一利用効率 1 0 3 飼養試験成績からの検討一一一 ・・・・・・・・・・・・・・・……・・… . 1 . 目的 ・・一.............…一日・一一一一一一一一....一一..........・…・・…・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・…・・…・…・・・・・・…・・… . 1 0 3 0 3 2 . 解析に用いたデータおよび解析方法 ・・・…・・・・・…・……・・…・・・・・・…・・・・…・・・…・・・・・…・…・・…・…・・・…・・・・・…・ 1 3 . 結 果 …・・・・……・・・・…ー…・…・…・・・……・・・・・…・…・…・…...……・・・・…・・・・……・……・・・…・…・・・…・・・・・…・ 1 0 3 1 ) 1乳期産乳成績 ・・…・・・…・・・・…・・・…・・・・・・・・…・・……・…・・・…・・・・………・・……・・・・・….......・ ・..…・・・…・ 1 0 3 2 ) 1乳期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産のエネルギー利用効率・・……・…-…・・・・…・…一…・・・…・ 1 0 4 3)乳量レベル別の 1乳期産乳成績,エネルギー摂取量および牛乳生産のエネルギ一利用効率………・・…・・・… . 1 0 4 4)初産,経産別の 1乳期産乳成績,エネルギー摂取量および牛乳生産のエネルギ一利用効率…・・・・…・・・・・・・…・ 1 0 6 5)給与粗飼料構成別の 1乳期産乳成績,エネルギー摂取量および牛乳生産のエネルギ一利用効率 ・・…・・・・・・…・ 1 0 7 6)分娩季節別の l乳期産乳成績, エネルギー摂取量および牛乳生産のエネルギ一利用効率…ー・・・・・・・…・・・・・…・ 1 0 8 a) 春 分 娩 牛 …・…...・ ・-…… ・・-…...・ ・ . . . . . ・ . . . … . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . … . . . ・ ・-…… . 1 0 8 H e H e H H H H b) 夏・秋分娩牛 ・…・・・・・……ー・…・…・……・・・・・・・・・……・………・・・・・…・・・・・・・・…・・・・・・…・・・・・・・・……・・…・ 1 1 0 c) 冬分娩牛 ・・・・…・・・・・……・・・…・…....・ H ・........……・・………・……・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・… . 1 1 1 4 . 考 察 ・・・・…・…………・・・・……・・・…・・…...・ ・...・・・…・・…・・………-……・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・…・・・…・・・・・…・ 1 1 2 H 5 . 小 括 ・・・・…・…………・・・・…・・…・…・・………・・・・・・・…・・・…・…...…・……・・・…・・・…・…・・…・…・・・…・・・・・…・ 1 1 5 第 V章 総合考察および、結論 ・・・・…・…・・…・…・…・・…・・・・…ー…・・・……・・・・…・・・…・・・・・…・…・・………・・・…・・・…・ 1 1 5 1 . 自給粗飼料多給飼養下における産乳に要する ME量 …・・…・・・…・・・・……・・…・・・・・・………………・・・…・・・…・ 116 2 . 結 論 ・・・・……....……・・・…・・・・・・・・…・…・・・・・・…・..…・・・…...…・・・・………...・ ・-…………...・ ・..…・・・…・ 1 2 0 H H 摘 要 ・・・・・・・…・・・・・口……・…・・・・・・・・・・・……・・・・・・…・…・・・・・……・・・・・・・…・・・…・・……・…・…・・・・…・…・・・・・・・・…・ 1 2 1 謝 辞 ・・・・・・・…・…・・・……・…・・・・・・・・・・…・…・・・・・・・……・・・・・……・・・・・・・…・……・……・…・…・・………・・・・・・・・…・ 1 2 2 引用文献 ・・・・・・・…・・・・・・・……・…・・…・…・・……・・…・・…・…・・・・……・・・・・・・・………・…・……・・…・…・・・・・・・・・・・・・・…・ 1 2 2 英 文 摘 要 ・・・・・……・・・・…・・……・・・…・…・・・・・・…・…・・…..…・・・……・・・・・・・・・・・・……・……ー…・……・・・・・・……・・…・ 1 2 7 第 I章 緒 として主要な位置を占めてきた北海道酪農の最大 論 の特徴は,豊富な粗飼料生産基盤を背景にした, 1.研究の背景と目的 自給粗飼料中心の土地利用型牛乳生産であり,本 日本における酪農は過去 3 5年間で急速に発展 少 l ト西南暖地における,いわゆる濃厚飼料多給型 し,その様相は著しく変化している。乳牛飼養頭 牛乳生産とは一線を画するものである。我が国の 1戸 土地条件および社会条件,さらには,今後,全世 当りの飼養頭数が増加した。生乳生産量は 1 9 6 0年 界的な食糧不足が予想されることなどから,我が 数が増加する一方で、乳牛飼養戸数が激減し の1 8 9万 tから 1 9 9 6年の 8 6 6万 tへ急増し,個体 国の牛乳生産は輸入穀類に頼らず,反努家畜の消 の泌乳能力も,搾乳牛 1頭当り年間乳量にすると 化特性をいかした粗飼料中心とし,人類の食糧と 1 9 6 0年の 4, 9 0 0kgから 1 9 9 6年 の 8, 3 6 4kgへと の競合を避けるかたちで,今後とも展開されるべ 向上してきている同点へこの中で,北海道の酪農が きである。大久保聞は,我が国おける午乳生産の 占める役割は大きく,全国の乳牛頭数の 46%を飼 基本的なあり方として,自給粗飼料中心の土地利 養し,生乳生産量は 4 1%にもおよぶ開局)。 用型牛乳生産を指向すべきことを強調しており, このように,従来から我が国の「牛乳生産基地」 その中で,生産量のみならず生産効率,特に飼料 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 7 7 エネルギーの利用効率についても考慮すべきこと ては最も優れていると考えられるが, NEの測定 を指摘している。 方法は MEよりもさらに複雑で、あり,さらに GE これらのことから,自給粗飼料を中心とし,飼 が NEに転換される効率は,生産の目的により大 料エネルギーを効率的に利用した,栄養生理面か きく異なる。飼料の NE含量や泌乳牛の NE要求 らも合理的な飼料給与方法および飼養技術を早急 量を表す場合には,維持,泌乳あるいは増体など に確立することが強〈望まれている。しかし,上 に分けて示さなければならないという煩雑さを考 記のような視点にたち,飼料エネルギーの利用効 慮すると MEのほうが好ましいであろう。 率に影響を及ぼす要因について検討した研究は少 1 9 8 7年版)聞におい 我が国では,日本飼養標準 ( て,エネルギー表示単位として MEを採用すべき ない。 飼料エネルギーの利用効率に関する研究を行な との指摘はあったが,その時点では研究データの っていく場合,まずエネルギーの評価法として何 蓄積が多い TDNを採用せざるを得なかった。 を用いるべきかを考えなくてはならない。我が国 1 9 9 4年に改訂された日本飼養標準刊 l こおいて,は では長い間,エネルギーの評価法として,可消化 じめて MEが用いられているが,我が固における 養分総量 (TDN)を用いてきている。しかし, TDN 飼料の ME含量や泌乳牛の ME要求量に関する は,濃厚飼料にくらべて粗飼料が過大評価される 研究データの蓄積はまだ必ずしも多くない。特に, 等,評価法として科学的精密性に欠けるといった 粗飼料割合の高い飼料給与条件下でのデータ蓄積 問題点が指摘されている。一方,欧米諸国におい はほとんどないのが現状である。 ては,第二次世界大戦以降,反努家畜のエネルギ 牛乳生産における飼料エネルギーの利用効率を 一利用に関する研究手法として,これまでの飼養 飼料 M Eの利用の観点から考えると,乳牛が飼料 試験に代わって,各種エネルギー出納試験が,特 として摂取した飼料中の GEから MEまでと,摂 にB e l t s v i l l e(アメリカ), Rostock(旧東ドイツ), 取した MEから牛乳の NEまでの 2つに分けて Wageningen(オランダ)などで盛んに行ーなわれる 考えることができる。 ようになったことも背景にあり,エネルギーの単 飼 料 GE中の MEの割合 (ME/GE)は,エネル c a lまたは J )で,代謝エネルギー ( ME)または 位( q )と呼ばれている。これは GE中の ギ一代謝率 ( 正味エネルギー ( NE)を直接表示する方式を採用 DEの割合 (DE/GE),すなわちエネルギー消化率 するようになってきている。これらの方式は,直 と同様に飼料の質を総合的に表す指標であるが, 接測定された乳牛の各種エネルギ一代謝量が基礎 qのほうが真に吸収利用されるエネルギーの割合 になっており,実際にもよく適合する。 に近い指標である。また,反努家畜では一般に, G E )のうち,消化 乳牛が摂取した総エネルギー ( 摂取された GEから MEに至るまでに損失する されずに糞として損失するエネルギーを差し引い 0-40%,尿とし エネルギーの割合は,糞として 3 D E )である。 DEから たものが可消化エネルギー ( て 2-8%およびメタンとして 5-8% 程 度 29)刷 さらに消化吸収後利用されずに尿中に排池される であり,その多くは糞としての損失であることか 代謝産物や,ルーメン内発酵の際,呼気中に排出 ら qはエネルギー消化率に大きく影響される。 されるメタンのエネルギーを差しヲ│いたものが MEである。従って, MEは DEよりも真に吸収利 泌乳牛における飼料エネルギーの消化率や q に影響を及ぼす要因には,飼料構成や飼料成分等 用されるエネルギー値に近いため,これを飼料エ の飼料側の要因,摂取レベル,乳量,乳期,産次 ネルギーの表示単位として用いることは好ましい 等の動物側の要因,および、温度,温度等の環境要 と考えられる。さらに, MEから熱増加を差し百│い 因がある。これらの影響について検討したこれま た も の が NEであり, 1c a lの NEを 摂 取 す れ での報告は,濃厚飼料割合が高<,単純な飼料構 a lの畜産物が生産されること ば,理論的には, 1c 成のもとで行なったエネルギー出納試験の結果か になる。従って,飼料エネルギーの表示単位とし ら検討している場合がほとんどであり,粗飼料割 7 8 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 合が高い飼料給与条件での研究報告は少ない。ま 1 8頭のエネルギー出納試験成績を用いて検討 べ2 た,泌乳牛は乳期の進行に伴い,乳量レベル,体 した(第四章)。さらに,泌乳牛の自給粗飼料多給 重の増減,妊娠の有無等によって生理状態が大き 下における 1乳期生産時での午乳生産のエネルギ く異なり,さらに実際の酪農現場での飼養条件で 一利用効率とそれらに影響を及ぽす諸要因との関 は給与飼料構成は多様で、ある。従って,泌乳午の 0 8頭の l乳期飼養成績を用い 連について,延べ 1 粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの消化 V章)。さらに,これらの結果をも て検討した(第 I 率や qに関与する要因について考える場合には, とに自給粗飼料多給下における 1乳期生産時での 飼料構成が多様な飼料給与条件下で,様々な乳期 牛乳生産に要する ME量の算出を試み,これらを の泌乳牛を用いたエネルギー出納試験を行い,そ 現行の日本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)54) の値と比較検 の結果を用いて検討する必要があろう。 ) 。 言すした(第 V章 一方,摂取された MEが牛乳の NEに転換され るまでの効率,すなわち牛乳生産のエネルギ一利 2 . 本試験で用いた牛乳生産のエネルギー利用効 用効率も,通常,ある限られた期間でのエネルギ 率の指標について ー出納試験の結果から算出されることが多い。実 欧米諸国での牛乳生産における飼料エネルギ一 際の 1乳期飼養時では,泌乳牛の乳期の進行に伴 利用に関する研究は乳生産に対する ME利用効 う生理状態の変佑はもちろんのこと,特に自給粗 率 k,[(ム牛乳エネルギ一生産量)/(ム維持以上 飼料多給条件下では,分娩季節が違うと泌乳初期, の ME摂取量)]についての検討が主で、ある。しか 中期および後期に給与される粗飼料構成が異なっ し k,の測定には精密な出納試験を行う必要があ てくることから,これらのことが 1乳期全体での るため,大がかりな設備,費用および労力を必要 牛乳生産のエネルギ一利用効率に影響する可能性 とする。 もある。従って,これらに関与する要因について 一方,より生産現場に近い条件下で,多数の泌 考える場合には 1乳期を通じての飼養試験を行 乳牛を対象とした長期的データの蓄積とその解析 い,その結果から検討する必要があるが,これま nd も必要で、ある。こうした観点から, BRODY a でにこのような研究はほとんどない。 PROCTOR8)は牛乳生産のエネルギ一利用効率を 9 8 4年 5月から 1 9 9 3年 以上のような背景から 1 表わす実際的な指標として,牛乳生産のエネルギ 4月までの 9年間にわたり,北海道大学農学部附 G r o s sE n e r g e t i cE f f i c i e n c y :GEE)を ー粗効率( 属農場畜産第二部のホルスタイン種泌乳牛全頭を 提唱した。ここで, GEEは以下の式で表わされる。 供試し,自給粗飼料多給飼養下における飼料エネ GEE(%)=MILKE/MEIx100 ルギーの効率的利用に基づく泌乳牛の飼養方式確 MILKE:生産された牛乳のエネルギー量 ( M J ) 立を目的として長期的かつ総合的な試験を実施し MEI:ME摂取量 ( M ] ) た。試験計画は自給粗飼料の種類,量および組み 合わせの異なる処理群を設定し 1乳期飼養試験 しかし,この指標に基づいた研究報告はきわめ て少ない。我が国では内藤ら 51) および大久保ら 57) を行なうとともに,それらの中から乳期,産次お の研究報告がある。大久保ら 57) は , GEEは個体, よび実施時期等を考慮、してエネルギー出納試験を 産次,乳期,乳量レベルおよび給与飼料等の要因 行なった。 によって大きく変動することを指摘し,牛乳生産 本研究では,これら一連の試験から得られた 1 乳期産乳成績およびエネルギー出納試験成績を用 のエネルギ一利用効率に及ぽす諸要因を検討する 指標として活用でき得る可能性を示唆している。 いて以下の解析を行なった。すなわち,泌乳牛の 一方, MILKE と MEIの比である GEEのう 自給粗飼料多給下における飼料のエネルギー消化 ち,分母の MEIから,体維持に要する MEを差し 率 , qおよび、牛乳生産のエネルギ一利用効率とそ 引くことによって,生産に利用可能な ME(ME れらに影響を及ぼす諸要因との関連について,延 A v a i l a b l ef o rP r o d u c t i o n :MEP)22)の牛乳生産 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 7 9 への利用効率を表わすことができる。本論文では, および放牧地草主体飼養による花田の報告刊な N e t この指標を午乳生産のエネルギ一正味効率 ( どがある o 手o 泉叫 l 土,出穂始期調製のチモシー主 E n e r g e t i cE f f i c i e n c y: NEE)と定義した。すなわ 体グラスサイレージを多給することにより濃厚飼 ち , NEEは , 3 0 5日間)で 5, 0 0 0kg(乳 脂 料無給与でも 1乳 期 ( NEE(%)=MILKE/(MEI-M E η) X100 ME n , :維持に要する M E量 (M J ) で表わすことができる。 NEEを用いることによ . 7%)以上の乳生産が可能で、あり,さらに,濃 率3 厚飼料を乾物換算で約 2, 0 0 0kg補給することに 0, 0 0 0kgの乳 より粗飼料乾物給与率 67%で約 1 り,体重の異なる個体聞においても,泌乳能力, 生産が可能で、あるとしている o また,坂東4) は,コ 産次および給与飼料の質,量,組み合わせ,ある ーンサイレージ主体高栄養グラスサイレージ併給 いは給与方法の違いが牛乳生産のエネルギ一利用 飼養によって 1乳期 ( 3 0 5日間)の濃厚飼料給与 効率に及ぼす影響を比較検討できると考えられ . 7t ,粗飼料乾物給与率 7 2% , 量が乾物換算で約 1 tは代謝エネルギ一利用の部分 る。なお,前述の k 粗飼料 TDN給与率 6 6 . 4%で 8, 0 0 0kg以上の 4 p a r t i a le f f i c i e n c y )であるのに対して,ここ 効率( %FCM生産が可能であると報告している。一方, g r o s s e f f i で示した NEEは牛乳生産の粗効率 ( 花田 24) は,時間制限放牧にグラスサイレージを組 c i e n c y )であり,両者は基本的に異なるものであ み合わせた飼養条件下では放牧による養分摂取量 る 。 および乳生産を安定的に維持することができ 1 以上のことから,本研究では牛乳生産のエネル 乳期( 3 0 0日間)約 8, 0 0 0kgの 4%FCM生 産 が ギ一利用効率を表わす指標として, GEEおよび 可能であることを示唆した。しかし,上記のいず NEEを用いることとした。 れの報告も,短期的に実施した種々の要因解析試 験の結果から 1乳期産乳可能量を推定したもので 必乳試験を行 あり,必ずしも 1乳期間を通じての 1 3 . 従来の研究 1)粗飼料主体飼養による牛乳生産 ったものではない。 泌乳牛の飼料給与および飼養技術に関するこれ までの研究は主に濃厚飼料を多用する方向で進め 4山 削 へ 給 与 量 1 8 ), 1 9 ) られてきた。濃厚飼料の質 23), 2) 飼料エネルギーの消化率および qに影響す および給与方法 31), 68), 7叩 飼料エネルギーの消化率に影響する要因につい 1 ) の違いが牛乳生産およ る要因 び生産効率に及ぼす影響については数多くの報告 ては,従来カかミら,飼養レベル的 6 臥 仰 ) , 以叫 13 がある。 飼料割合, ) 町 9川 川 凶 1 叫 4 ),飼料中の粗蛋白質 ( CP)含量叫,77),牧 一方,粗飼料については,放牧地草川叫問, 751, 草の刈り取りステージ 11) などの飼料側の要因,乳 3 0 ) . 6 0 ), グ ラ ス サ イ レ ー コ ー ン サ イ レ ー ジ 7), 期 15) などの動物側の要因,および環境温度33), 3附 ジ20), 61) , 83) ,アルフアルフアサイレージ 7), 74) および などの環境要因等,様々な要因との関連について 乾草 7)刈)等,種々の粗飼料を単独,あるいは組み合 わせて給与した場合叫の摂取量および乳量の比 検討されてきている。また, qについても飼養レベ ル的 6 臥 削 ) ,叫 1 3 較が主ており,牛乳生産効率,特にエネルギーの 連カがf報告されている。しかしこれらの報告はめ 利用効率の面からの検討はなされていない。試験 ん羊や乾乳牛を用いた研究,あるいは泌乳牛を用 1 ) 実施方法として泌乳安定期の牛を用い,試験期間 いた報告でも濃厚飼料の給与割合が高<,単純な も短いものが多い。 飼料構成であり,ある限られた期間で、のエネルギ また,粗飼料主体飼養による 1乳期間を通じて の午乳生産について検討した報告は少ない。我が 国ではグラスサイレージ主体飼養による和泉の報 告叫,コーンサイレージ主体による坂東の報告叫 ー出納試験の結果から検討している場合がほとん どである。 飼養レベルは摂取エネルギー量を維持要求量の 倍数であらわしたものであり, TYRRELL and 8 0 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 MOE76)は,飼養レベルの増加に伴いエネルギー消 8-30'Cの条件下で,乳量の 3 0 ら3川土環境温度 1 化率は低下し,その低下割合は飼養レベル 1単位 %に相当する濃厚飼料とビートパルプ,イタリア の増加につき平均で約 4%(2-7%の範囲)であ ンライグラス乾草およびコーンサイレージを泌乳 ったと述べている。また,その低下割合は飼料中 牛に給与した場合, 3 0 ' C下では,飼料摂取量が減 粗飼料割合が少ないほど大きい聞と報告してい 少したためにエネルギー消化率および qが有意 る。飼養レベルの増加に伴い糞中へのエネルギー に高くなったと報告している。また,寒冷環境下 損失は多くなるが,逆に尿およびメタンとしての では採食量は増加するが,反努活動の増加および エネルギー損失割合は減少する 6) ことから, qに 消化管内容物の通過速度の上昇をまねき,消化率 対する飼養レベルの影響はエネルギー消化率にく が低下するとの報告叫 81)がある。 らべて小さい刷とされている。飼養レベルの増加 に対する qの低下割合は飼養レべル 1単位の増 加につきl.8%でで、あるとする報告, ) 的 6川 日 1 叫 3 一方,濃厚飼料を多給することが多い我が国の飼 3)牛乳生産のエネルギ一利用効率に影響する 要因 これまで,欧米諸国での牛乳生産のエネルギ一 k tについての検討が中 料構造における成績叫では,飼養レベル 1単位の 利用効率に関する研究は 増加につき qが 3 . 5%低下することが報告され 心であった。英国では古くから飼養標準以),40)の ている。 作成の基礎として 飼料中の粗飼料割合との関係について, FLATT k tが用いられてきている。ま 9 9 4 た,我が国の最新の飼養標準(日本飼養標準 1 e ta l .15)は粗飼料割合が 20-60%のアルフアルフ 年版)刊においても,産乳に要する M E量算出の ア乾草と濃厚飼料の混合飼料を給与した場合,摂 基礎として初めて 取飼料中の粗飼料割合を高くするに伴ってエネル ギー消化率および qが低下したと報告している。 乳牛のエネルギ一利用に関する総説が VANEs a n d VA N d e r HONINC80),TYRRELL77)および ta l .9) も,組飼料割合が 10-40 また, BROSTERe MOE 叫によってまとめられており,いずれの総説 k tが用いられている。 %の飼料給与条件では,粗飼料割合が高まるにつ においても主に粗濃比同やエネルギー・蛋白比同 れて消化率は低下することを報告している。 等,飼料構成を変えた場合の 飼料中 CP含量の影響については, MOE a n d k tへの影響について 検討されている。 FLATTe ta l .15)は粗飼料割合が CP含 量 を 20-60%のアルフアルファ乾草と濃厚飼料の混 14-20%に変化させた(濃厚飼料としての大豆粕 合飼料を給与した場合,摂取した飼料中の粗飼料 をコーンミールで、代替)アルフアルファ乾草主体 割合にかかわらず,乳生産と体蓄積を込みにした 飼料を泌乳初期牛に給与した試験結果から,エネ k tはほぼ一定であったと報告している。 TYRREL43) お よ び TYRRELL77) は ルギー消化率および qは C P含量の増加に伴い高 また,飼料の質を総合的に表す指標である qが CP1 7%以上ではその上昇割合が小さ k tに及ほ、す影響についても多くの検討がなされ tはほぽ一定と ており, qによる影響は小さく , k 40), 80) , 54¥ qが高くなるにつれて L は する報告山 5), くなるが, くなるか(エネルギー消化率),あるいは低下した ( q )と報告している。 乳期との関係については, FLATTe ta l .15)は泌 7日目),中期 ( 1 6 7日目)および後 乳初期(分娩後 5 42) , 79) など,様々である。 上昇するとの報告2), その他,濃厚飼料の給与回数の影響について検 期( 2 8 4日目)の泌乳牛に粗飼料割合が 20-60% 討した報告では給与回数による影響は小さし の飼料を給与した場合,乳期が進むに伴ってエネ はほぼ一定であったとする報告閣 l こ対して,給与 k t ルギー消化率および qが低下したと報告してい 回数を増やすことにより熱発生量の低下が見られ る 。 k tは上昇したという報告制点 0) もある。 環境温度との関係については,暑熱および寒冷 しかし,我が国においては牛乳生産のエネルギ の影響に分けられる。暑熱の影響について,栗原 一利用効率だけでなく,乳牛のエネルギ一代謝に 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 関する研究報告も少ない。 1 9 6 0年代の飼養標準策 定に関する一連の研究m, 26) , 27) , 46) , 47) , 48),農林水産省 九州農業試験場および畜産試験場での高温環境下 8 1 合給与の場合に効率が高かったと報告している。 そ の 他 の 指 標 と し て ム FCM(kg)/ムMEI k g )/ MEI(MJ)町 が あ る ( M J )叫 お よ び FCM( が,これらを用いた牛乳生産のエネルギ一利用効 におけるエネルギ一代謝に関する一連の研 67), 73) 最 近 で は , 早 坂 28) の T MR(Total 究 37), 率に影響する要因についての検討はほとんどなさ MixedR a t i o n )給与における高泌乳牛のエネルギ れていない。 ー要求量に関する研究などがある。なお, 日本飼 I章 試 験 方 法 第I 9 4年版)刊における産乳に要する ME 養標準(19 量の算出基礎として,寺田らの報告聞の七= 0 . 6 2が用いられている。 1.試験期間および供試牛 1 9 8 4年 5月から 1 9 9 3年 4月までの 9年間,北 "の測定には大がかりな設備や費用,労 一方, k 海道大学農学部附属農場畜産第二部のホルスタイ 力を要することから,実際の生産現場に近い条件 ン種泌乳牛群(常時搾乳頭数 18-27頭)全頭を対 下での長期的なデータ蓄積が可能な,より簡易な 象として試験を実施した。 8 ) 指標も用いられている。 BRODYandPROCTOR 試験は農場の日常的な生産体系の中で実施する の提唱した GEEを用いた研究報告は,我が国で ことを基本とした。従って,分娩・乾乳,事故お は,内藤ら日)および大久保ら聞の報告しか見当た よび淘汰等による牛の出入りがあるため,年次に 968-73年の東京大学農学 らない。内藤ら刊は 1 よって牛群の産次および乳期構成等は一定ではな 部附属牧場において,初産から 5産までのホルス 1 かった。なお,各年次とも 5月 -10月を夏季, 1 5乳期のデータを解析し 1 タイン種乳牛,延べ 7 月一 4月を冬季とした。 乳期( 3 0 5日 間 ) 4% FCM3,578-4,5 1 9kgで GEE24.6-27.8%を得ている。また,大久保ら 57) は , 1 9 7 0年代の北海道大学農学部附属農場におい 2 . 試験処理区 試験処理の概要について図 1に示した。 1 9 8 4年 て,初産から 7産までのホルスタイン種乳牛,延 5月,前述の泌乳牛群をこれまでの北大農場の慣 べ9 1乳期のデータをもとに C o n v e n t i o n a l,C 行法である自給粗飼料中給群 ( 1乳期 ( 3 0 5日間 ) 4 7 4 8-5, 9 6 6kgで , GEE31 .4-35.9% % FCM4, 群)と濃厚飼料給与量を減らし粗飼料を多給する であったと報告している。しかし,両研究報告と Roughage,R群)の 2群 に 分 自給粗飼料多給群 ( も , GEEの変動に関わる要因については詳細には 9 8 7年 4月までの 3年間にわたり,この試験 け , 1 検討していない。 処理を継続した。なお, R群の給与粗飼料は,夏 GORDON e ta l . は,本研究で提唱した NEE 22 ) と同様な M E摂取量から体維持に要する MEを 季では放牧地草および冬季ではコーンサイレージ を主体とした。 差し引くことによって求めた生産に利用可能な 1 9 8 7年 5月からは粗飼料中給群 ( C群)を廃止 M E(MEAv a i l a b l ef o rP r o d u c t i o n :MEP)に対 し,粗飼料多給群のみとした。そして給与粗飼料 す る 牛 乳 エ ネ ル ギ 一 生 産 量 (MILKE/MEPX , R1群と R2群に分け, 1 9 9 0年 構成の異なる 2群 1 0 0 )を指標として,牛乳生産のエネルギ一利用効 4月までの 3年間,試験を実施した。なお, R1群 e n e t i cl n d e x : 率に対する乳午遺伝指数 (Cow G は R群と基本的に同様な処理であり, R2群は放 CGI)と飼料給与方法(粗飼料,濃厚飼料混合また / 2とし,放牧地草不足時に 牧地面積を R1群の 1 は分離給与)の影響を検討した。飼料中粗飼料割 は放牧を制限してグラスサイレージを増給した。 合 が 33-36%と濃厚飼料が多い飼料を給与した 1 9 9 0年 5月以降, R1群および R2群は,給与 結果, MILKE/MEPX100=47-58%なる値が得 粗飼料構成を泌乳期別に設定した粗飼料多給群 られ,遺伝的な泌乳能力が高い牛ほど効率が高く, (R3群)に同一群としてまとめ, 1 9 9 3年 4月まで また,飼料給与方法としては粗飼料,濃厚飼料混 の 3年間,試験を行なった。 8 2 年次 季節 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 」笠L W S 」笠土 s . ! 笠L W S . ! 笠L W.S . ! 笠L W S -1笠~ W S -1塑~ w, s . ! 笠L ws . ! 笠L ws .1盟 w 粗鋼料からの TDN給与量 量 要 九四 L民 ZJ 。 。 。 , GroupC お 量 要 GroupR2 ーー卜│﹄ 必 必 持ト産 維+拍 齢+生 寺産 事乳 L民 GroupRl 。 @ 今 υ A3 Gr oupR s :夏 季(5-10月) W:冬季司 11-4月) 図1.試験処理の概要 なお,群分けに当たっては,処理群間で産次, た。グラスサイレージは出穂始 出穂期 ( 5月下旬 乳期および体重ができるだけ同様になるようにし -6月中旬)のラジノクローパ混播のオーチヤー た。試験開始後に初産分娩した牛は随時いずれか ドグラス主体 1番草から調製した。アルフアルフ の群に振り分けた。また,同一牛については,年 アサイレージは 1 9 8 7年以降に調製利用した。アル 次による試験処理区の変更は行なわなかった。 フアルフアサイレージはアルフアルファ 3 . 飼料給与基準 ρr a t e n s eL.)混播草地から,開花期に年 3-4回刈 ( M e d i c a g o s a t i v a L.)主体のチモシー (Phleum 日本飼養標準 ( 1 9 7 4年版)聞の維持および産乳 取った原料草を順次サイロに追い詰めし,調製し TDNおよび DCP量に基づいて設定し たものを利用した。いずれのサイレージもスチー 9 8 7年 5月以降は日本飼養標準 ( 1 9 8 7年 た。なお, 1 ル製気密サイロ(⑮ハーベストア,直径 5.2mX高 に要する 版)聞を用いた。粗飼料全体から以下に示す TDN き 12.2m ,A .O.スミス社製,アメリカ)を用いて 量を給与し,不足分は濃厚飼料で補給した。 調製した。乾草は, 1984-1988年では,出穂 開 R,R 1 ,R2,R3群:維持 +13kg乳生産必要量 花始期(6月中旬 下旬)のラジノクローパ混播の C群 オーチヤードグラス主体 1番草および 2番草から :維持 +6.5kg乳生産必要量 維持の要求量は,体重 4 5 0kg ,5 5 0kg ,6 5 0kg , 7 5 0kgの値を求め,それぞれ 4 0 0kg台 , 5 0 0kg 台 , 6 0 0kg台 , 7 0 0kg台の牛に適用した。 調製して給与し, 1 9 8 9年以降は購入したチモシー 1番刈乾草を用いた。 夏季は放牧地草主体とし,併給粗飼料として 6 月上旬まではコーンサイレージ 4 . 給与飼料 6月中旬以降は グラスサイレージを用いた。冬季はコーンサイレ 給与粗飼料は,放牧地草,コーンサイレージ, ージ主体とし,冬季聞を通じて 1984-1986年はグ グラスサイレージ,アルフアルフアサイレージ, ラスサイレージを, 1 9 8 7年はグラスおよびアルフ 乾草であり,一部の乾草を除き,これらの粗飼料 アルフアサイレージを, 1 9 8 8年以降はアルフアル は北海道大学農学部附属農場畜産第二部で生産し フアサイレージを併給した。乾草は年聞を通じて たものであった。 給与した。濃厚飼料は市販の乳牛用配合飼料を用 放牧は, 1980-1983年に更新したオーチヤード し 、f こ 。 グラス (D a c t y l i sg l o m e r a t aL.)主体のラジノクロ ーパ (Tr 扮l i u m Repens L . var.)混播草地5 . 0 -6.0h aを用いて, 5月上旬ー 1 0月下旬に行なっ た。コーンサイレージは,黄熟期 ( 1 0月上旬 5 . 飼料給与量 夏季の粗飼料給与量を表 1に示した。夏季は基 中 本的に放牧地草多給であり,放牧開始時期,放牧 旬)のサイレージ用 F1 トウモロコシから調製し 時間帯,割当草量等を考慮、して期待食草量を設定 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 8 3 表1.粗飼料給与量(夏季) 年次 処理群 放牧地草 1) グラスサイレージ 1 9 8 4 8 6 1 9 8 7 8 9 R2 R 1 kgDM/d/cow 1 02) 7-10 3-5 1 0 3 . 5剖 kgFM/d/cow 4-102) 4-18 1 2 . 5 1 7 . 5 7 . 5 1 2 . 5 R C adl i b . ' ) 乾草 3 . 5 1 .5 3 3 1 9 9 0 9 2 R3 8-104) 5 ) 6-8 4-154) 9-21 ' ) 3 1)期待食草量 2 )放牧開始日 -6月2 0日 3 )6月2 1日 放牧終了日 4 )泌乳初期(分娩後 1 1週巨まで) 5 )泌乳中・後期(12 週目以降) した。体重の違いによる粗飼料給与量の増減はグ v s . 6- 8kgDM/日/頭),異なる草地に放牧した。 ラスサイレージで行ない,乾草は処理群毎に定量 冬季の粗飼料給与量を表 2に示した。冬季は基 給与とした。なお,年次によりグラスサイレージ 本的にはコーンサイレージ多給であり,併給サイ の代わりにコーンサイレージまたはアルフアルフ レージの種類,給与回数,給与時間帯等を考慮し, アサイレージを併給する時期もあった。 目標採食量を追求した。夏季と同様,体重の違い 1984-86年では,期待食草量を C群 で 3- 5 による粗飼料給与量の増減はサイレージで行な 0 kgDM/日/頭としたのに対して, R群 で は 1 い,乾草は処理群毎に定量給与した。 kgDM/日/頭と高く設定し,グラスサイレージ給 1985-87年では, 与量を減らした。 を体重に応じて 21-29kg給与した。一方, R群で 1987-89年は, R1群の期待食草量を放牧期間 C群は,コーンサイレージのみ 9 8 5 はコーンサイレージとグラスサイレージを, 1 を通じて 7-10kgDM/日/頭と R群 と 同 様 に 高 年では 7 0:3 0 (乾物比)で混合したものを, 1 9 8 6お 〈設定したのに対して, R2群ではスプリングフ 7年ではサイレージの混合比を乳期によっ よび 8 ラッシュまでの草量が豊富な時期には R1群と同 1 て変えて給与した。すなわち,泌乳初期(分娩後 1 様としたが,スプリングフラッシュ以降の草量が 週目まで)では 8 5:1 5(乾物比),泌乳中期 (12-30 . 5kgDM/日/頭に制限 不足する時期には放牧を 3 週目)では 7 0:3 0, 泌 乳 後 期 ( 3 1週目以降)では し,グラスサイレージを自由採食させた。 50:5 0として 36-44kg給与した。 1990-92年の R3群は, R1群と同様に放牧期 1988-90年は,コーンサイレージの併給サイレ 間を通じて放牧地草を多給したが,泌乳初期牛群 ージとして, R1群は 1 9 8 8年にはグラスサイレー 1週目まで)の期待食草量を泌乳中・後期 (分娩後 1 9 8 9および 9 0年にはグラスサイレージと ジを, 1 1 2週日以降)に比べて高〈設定し (8-10 牛群( アルフアルフアサイレージを半量づっ混合したも 表2 . 粗飼料給与量(冬季) 1 9 8 5 8 7 年次 処理群 C コーンサイレージ ア / レ ' 77)レ ブ ア サ イ レ ー ジ グラスサイレージ 21-29 乾草 5 1 9 8 8 9 0 R1 R 2 kgFM/d/cow 17-39 1 7 3 9 2 0 3 5 4-15 5-20 4-15 3 3 3 R 1 9 9 1 9 3 R3 2 3 3 4 5-13 3 8 4 北海道大学農学部農場研究報告 のを給与した。 R2群は 1 988-90年を通してアル 第 3 1号 6 . 飼養管理 フアルフアサイレージを給与した。各処理群とも, 夏季における各処理群の放牧方法を表 4に示し コーンサイレージと併給サイレージを泌乳初期に た 。 C群は 6牧区に区切った草地で輪換放牧を行 は8 5:1 5(乾物比),泌乳中期には 7 0 :3 0,泌乳後 なった。放牧地の期待利用率を 5 0%,期待食草量 期には 5 0:5 0で混合したものを 30-45kg給与 を 3- 5kgDM/d/cowとして,現存草量から滞 した。 牧日数を計算した。 R群は 1回単位, R1と R2群 1991-93年の R3群はコーンサイレージの併 は 3日単位および R3群は 1日単位の輪換放牧を 給サイレージとして R2群と同様に,アルフアル 行なった。現存草量,期待食草量,期待利用率か フアサイレージを給与したが,混合比を泌乳初期 ら 1回の放牧に必要な面積を計算し,簡易電気牧 では 8 0 :2 0 (乾物比),泌乳中期では 7 0 :3 0,泌乳 棚 後期では 6 0:4 0と し た も の を 体 重 に 応 じ て れぞれ必要面積分を区切って放牧した。なお,放 34-41kg給与した。 牧地の乾物草量はコドラート法により推定した現 濃厚飼料給与量および用いた濃厚飼料の CPと TDN含量を表 3に示した。乳期を泌乳初期(分娩 ( G a l l a g h e r社製,ニュージーランド)を用い,そ 存生草量に赤外線水分計 ( K e t t社製,日本)で測定 した乾物含量を乗じて算出した。 1回の放牧時間は吉田の報告84) を参考に 2 . 5 後1 1週目まで),泌乳中期 (12-30週目)および泌 乳後期 ( 3 1週目以降)の 3期間に区分し,給与量を 時間とした。 C群は放牧期間を通じて 1日 1回(朝 設定した。粗飼料からの TDN給与割合の高い R, 0-1 1:3 0 ),Rおよび R1群は 1日 の搾乳後, 9:0 R1,R2および R3群の濃厚飼料給与量は最高時 でも乳量の 25-28%であった。 2回(朝の搾乳後, 9:00-11:3 0および夕方の搾 乳後, 17:00-19:30)放牧した。 R2群はスプリ 表3 . 濃厚飼料の給与量および栄養価 1 9 8 4 8 6 年次 処理群 R 25-35 25-35 。 。 -25 -25 15-25 5-20 15-20 70-75 18-20 70-75 11-15 70-71 給与量 経産牛 初産牛 1 9 8 7 8 9 R2 R1 %o fm i l ky i e l d C 1 9 9 0 9 2 R3 13-28 10-22 栄養価 CP(%) TDN(%) 表4 .放牧方法 年次 処理群 放牧地面積 ( h a ) 放牧方式 放牧時間 1 9 8 4 8 6 R C 1 .9-2.2 3.1-3.2 6牧 区 輪 換 1匝 単 位 輪 換 2 . 5 2.5X2 ( h r / d ) 期待食草量 3-5 1 0 5 0 60-80 (kgDM/d/cow) 期待利用率(%) 1)放牧開始日 -6月2 0日 2 )6月2 1日 放牧終了日 1 9 8 7 8 9 R1 R2 1 .7 3 . 3 3日単位輪換 2.5x21) 2.5X2 2 . 52) 1 01) 7-10 3 . 52) 60-701) 40-70 4 02) 1 9 9 0 9 2 R3 2.2-2.8 1日単位輪換 2.5X31) 2 ) 2 . 5X2 8-101) 2 ) 6-8 6 0 1) 4 02) 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 8 5 ングフラッシュ時(放牧開始日 -6月 2 0日)には 取し,これらを半月毎の代表サンプルとした。採 1日 2回,それ以降 ( 6月 2 1日 放牧終了日)には 取したサンプルは直ちに 6 0 ' Cの通風乾燥器で 4 8 1日 I回,朝の搾乳後の放牧のみとした。 R3群 時間乾燥し,室温で 2 4時間以上放冷した後,粉砕 は,泌乳初期牛と泌乳中・後期牛を別々にして,ス して分析に供した。 プリングフラッシュ時には 1日 3回(朝夕の搾乳 分析は,一般成分を AOAC法 3) で,細胞壁構成 0 ),それ以降は 2回放牧(朝 後以外に, 5・00-7:3 物質 (CWC)は GOERING and VA N SOESTの方 夕の搾乳後)した。なお, 7月下旬から 8月末は暑 法 17) により分析した。また,総エネルギー ( G E )含 熱の影響を避けるため 9 :00-11・3 0の放牧時間 ,島津製作所 量はボンブカロリーメーター (CA-3 :00-7:3 0に変更した。 を5 製 , 日本)を用いて測定した。 夏季の放牧以外の給与飼料として,サイレージ は 1日 2-3回に分けて牛舎内で,乾草は夕方の 3)乳量および乳成分組成 放牧終了後,屋外パドック(雨天時は牛舎内)で給 , 8 :0 0と 1 6 :0 0に行ない 搾乳は 1日 2回 8:0 0,1 1:3 0, 与した。また,配合飼料は 1日 3回 ( 頭毎に乳量を測定,記録した。また,毎月 2回 , 1 5 :3 0 )に分けて給与した。 朝夕の搾乳時に 1頭毎に牛乳を採取し,それらの 冬季ではいずれの飼料も午舎内で給与した。サ 1 0:3 0, 1 5 :3 0 )に分けて, イレージは 1日 2回 ( 7 :3 0に給与した。また,配合飼 乾草は 1日 1回 1 料は,夏季と同様 1日 3回 ( 8:0 0, 11:3 0, 1 5:3 0 )に分けて給与した。 1 1日分を乳量比で混合して分析に供した。 乳脂肪率,乳タンパク質率および乳糖率は赤外 M i l k o S c a n1 0 4型 , F o s sE l e c t r i c 線牛乳分析器 ( 社製,デンマーク)を用いて測定した。無脂乳図形 分 (SNF)率は乳中灰分含量を1.0%として,乳タ ンパク質率と乳糖率の合計に1.0を加えた値とし 9 8 4年 5月一 8 6年 4月は,全固形分率 た。なお, 1 7 . 測定項目および測定方法 erber法により はアルミホイル法,乳脂肪率は G 1)飼料採食量 放牧地草については,コドラート法により推定 した放牧前の現存草量から放牧後の残存草量を差 測定した。 SNF率は全固形分率から乳脂率を差し 5 1いて求めた。 しヲ│いた値を供試牛頭数で除して算出した値を, 1頭当りの食草量とした。 1m X1m のコドラ ート枠を 1 0a当り 1カ所相当で無作為に置き,枠 4)体重 毎月 2回 , 1 3 :3 0に測定した。 内の牧草を地上高 5cmで刈り取り,これらの重 量の平均値を草量とした。 C群の輪換放牧では,滞 5)エネルギー出納試験 牧日数が 3日を越える場合には 3日毎に残存草量 毎年,夏季に 2-3回,冬季に 1-2回,各処 3日以内の 理群から 2-4頭を選択し全糞全尿採取法によ を測定し,食草量を推定した。なお 牧草生育量は考慮しなかった。 , サイレージおよび乾草の採食量は,毎月 2回 I頭毎に 2日間連続で測定しこの測定値を半月 毎の代表値とした。 配合飼料は,試験期間を通じて残食が認められ なかったため,給与量を採食量とした。 るエネルギー出納試験を行なった。産次および乳 期を考慮し,健康状態が良好で平均的な乳量の牛 を選んだ。 試験期間は 5日間とし,予備期 3日間,本期 2 日間とした。出納試験期間を通じて,供試午を午 舎内のストールに繋留し,通常と同じ時間帯に各 飼料を規定量給与して採食量を測定した。なお, 2)飼料成分組成 夏季の放牧時間帯には,原則としてその期間放牧 放牧地草は現存草量測定時に,配合飼料,サイ されるべき草地から刈り取った生草を期待食草量 レージおよび乾草は採食量測定時にサンプルを採 給与した。放牧時間終了後,直ちに残食量を測定 8 6 北海道大学農学部農場研究報告 第 3 1号 し,その差を食草量とした。本期 2日間は供試牛 多給飼養下における飼料エネルギーの消化率や q に糞尿採取のための糞筒および尿簡を装着し,そ に影響を及ぽす要因について考える場合には,飼 れらによって全糞全尿を採取した。 料構成が多様な飼料給与条件下で様々な乳期の泌 給与飼料と残食のサンプルは毎日採取し 5日 聞の混合サンプルとした。糞尿のサンプリングは 1 2時間毎に行ない,総排池量に対して一定割合を 採取し 2日間の混合サンプルとした。採取した 糞には腐敗防止のため,採取糞 1kg当りホルマ 乳牛でエネルギー出納試験を行い,その結果を用 いて検討する必要がある。 そこで,本章では,自給組飼料多給で飼料構成 が多様な飼料給与条件下で 1乳期間中の様々な 乳期の泌乳牛を用いたエネルギー出納試験成績を リンを約 5ml加 え た 。 尿 サ ン プ ル は 分 析 ま で もとに,飼料のエネルギー消化率, qおよび牛乳生 2 0 ' Cで凍結保存した。 産のエネルギー利用効率と,それらに影響を及ぽ 給与飼料,残食および糞のサンプルは風乾およ す諸要因との関連について検討した。 び粉砕後,分析に供した。尿サンプルは,分析前 4' cで 2 4時間以上保持して完全に解凍した後,窒 2 . 解析に用いたデータおよび解析方法 GE含量を測定した。窒素含量は K j e l d a h l法 3) により測定した。 GE含量は,予めエネルギ 18頭のホルスタイン種泌乳牛を供試して実 延べ 2 ー含量を測定したセルロースパウダーに尿サンプ 施したエネルギー出納試験の成績を解析に用い ルを浸透させ,凍結乾燥器 ( MODUL YO,E d w a r - 1章で述べた通 た。出納試験実施方法の詳細は第 1 d s社製,アメリカ)で 6 0 ' Cで凍結乾燥した後,ボ りである。 素含量と CA-3,島津製作所製, ンブカロリーメーター ( 日 本)を用いて測定した。 第I I I章 粗飼料多給飼養下における飼料のエネル ギー消化率,代謝率および牛乳生産のエ ネルギ一利用効率 一一エネルギー出納試験成績からの検討一一 1 . 目的 泌乳牛における飼料エネルギーの消化率や q に影響を及ぽす要因には,飼料構成や飼料成分等 1 9 8 4年 5月から 1 9 9 3年 4月までの 9年間に, ME摂取量は GE摂取量から糞,尿およびメタ ンによるエネルギー損失量を差し 9 1いて求めた。 ただしメタンエネルギー損失量は実測しなかっ n dCLAPPERTON5)の たので,下記の BLAXTERa 式を用いて推定した。 メタンエボノレギー損失割合(%0/GE反攻量)= 3.67千 0.062xGE消化率f 忽 ノ 牛乳のエネルギ一価は,下記の関根ら叫の式を 用いて推定した。 と 守! f l のエポノルギ一価 f 勿 !kg)= の飼料側の要因,摂取レベル,乳量,乳期,産次 0.343x ! f l A 蹴1 J $ ( % )十 0.199xSNF 卒f 新 十0 . 0 0 5 等の動物側の要因,および温度,湿度等の環境要 なお,算出にあたっては出納試験に最も近い時期 因などがある。これらの影響について検討したこ に 分 析 し た 乳 脂 肪 率 お よ び SNF率 の 値 を 用 い れまでの報告は,濃厚飼料割合が高<,単純な飼 た。また,牛乳のエネルギ一価に乳量を乗じて 料構成のもとで行なったエネルギー出納試験の結 MILKEを算出した。 果から検討している場合がほとんどであり,粗飼 料割合が高い飼料給与条件での研究は少ない。ま 牛乳生産のエネルギ一利用効率を表わす指標 ( 第I I章)としては,次の 2つを用いた。 た,供試牛としては,泌乳安定期などある限られ GEE(%)=MILKE/ MEIX 100 た乳期の牛を用いている場合がほとんどである。 NEE(%)=MILKE/(MEI-MEm)X 100 増減,妊娠の有無等によって生理状態が大きく異 MEmは日本飼養標準 (1994年版)54) におけ る 代 謝 体 重 当 り の 成 雌 午 の 維 持 に 要 す る ME なり,さらに実際の酪農現場の飼養条件では給与 量 :0 . 4 8 6 6MJ(初産牛および 2産牛は,この値の 飼料構成は多様で、ある。従って,泌乳牛の粗飼料 それぞれ, 1 3 0%および 115%の値を適用)と出納 泌乳午は乳期の進行に伴い,乳量レベル,体重の なお 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 87 試験に最も近い時期に測定した体重の値を用いて エネルギー出納試験実施時における供試牛の飼 算出した。なお,出納試験期間中に体重の増減は 料摂取および乳生産成績の平均値とその範囲を表 5に示した。摂取飼料中の粗飼料割合は平均 7 1 .0 なかったものとした。 %であった。産次,乳期,乳量および体重も様々 3 . 結果 な牛を用いており,そのため摂取飼料成分含量お 1)エネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエ よびエネルギー摂取レベルも広範囲であった。 出納試験によって得られたエネルギー消化率, ネルギ一利用効率の平均値とその範囲 エネルギー出納試験供試牛延べ 218頭の処理群 qおよび、牛乳生産のエネルギ一利用効率の平均値 毎の頭数は, C群 45(夏 季 28,冬季 1 7 ) 頭 , R群 とその範囲を表 6に示した。エネルギー消化率お 52(夏季 4,冬季 1 8 )頭 , R1群 38(夏 季 27,冬 よび qの平均値は, 65.2および 54.5%であった。 季 1 1 )頭 , R2群 39( 夏 27,冬季 1 2 )頭 お よ び R 3 エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び qの い ず れ も 平 均 値 を 群 44(夏季 36,冬季 8)頭であった。夏季では, 中心に上下それぞれ約 1 0% 単 位 の 範 囲 内 に 分 布 季節の進行にともない放牧地草の栄養含量が大き しており,その変動係数 (CV)は 7.3および、 8.4% く変化することを考慮し,各年とも 2回以上の出 であった。 GEEお よ び NEEの平均値は 35.6お 納試験を実施したため,貯蔵飼料給与の冬季にく よび 59.2% , CVは 24.1および 27.7%とエネル らべて供試牛が多かった。 ギー消化率および qにくらべ大きかった。 表 5. エネルギー出納試験供試牛の試験実施時における飼料摂取および乳生産成 績の平均値とその範囲 (n=218) 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重 ( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 ( M J / M B W l ) ) 飼養レベル2) l)MBW 代謝体重 (kg • O 75 平均 2 . 8 1 3 7 2 0 . 7 6 4 0 7 1 . 0 4 8 . 4 1 4 . 1 3 . 4 8 2 . 6 2 2 . 7 0 最小値 2 0 3 . 1 4 4 6 4 2 . 5 3 5 . 5 9 . 6 2 . 1 5 1 .3 1 1 .2 3 最大値 8 3 5 0 3 9 . 1 7 8 9 9 4 . 9 6 1 .1 1 8 . 1 5 . 8 1 3 . 6 2 4 . 3 8 SD CV(%) 1 .5 8 2 . 5 6 . 9 7 4 . 1 1 0 . 3 6 . 0 1 .9 0 . 7 0 . 4 0 . 6 5 5 . 0 6 0 . 2 3 3 . 3 1 1 .6 1 4 . 6 1 2 . 4 1 3 . 6 1 9 . 9 1 5 . 1 2 3 . 4 ) 2 )飼養レベル:維持の倍数 表6 . エネルギー消化率,代謝率および 牛乳生産効率の平均値とその範囲 (n=218) 平均 DE/GE q GEE NEE 6 5 . 2 5 4 . 5 3 5 . 6 5 9 . 2 最小値最大値 % 5 2 . 8 7 5 . 7 4 3 . 7 6 5 . 8 5 . 7 6 2 . 0 9 . 7 1 4 2 . 0 SD CV 4 . 7 4 . 6 8 . 6 1 6 . 4 % 7 . 3 8 . 4 2 4 . 1 2 7 . 7 8 8 北海道大学農学部農場研究報告 2)飼料中粗飼料割合とエネルギー消化率, qお よび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 第 3 1号 効率を表 8に示した。粗飼料割合の高い飼料を摂 取していた牛ほど分娩後の日数が経過しており, 摂取飼料中の粗飼料割合(以下,粗飼料割合)と FCM量 が 低 < GE摂取量も低かった。エネルギ エネルギー消化率および、 q との関係を図 2およ ー消化率は粗飼料割合 60-70%台が 60%未満に び図 3に示した。エネルギー消化率および qは粗 くらべ有意に高く ( P < 0 . 0 5 ),また, 8 0%以上とく 飼料割合の平均値である約 70%付近を頂点とし らべても有意で、はなかったが高い傾向を示してい た負の 2次曲線的傾向を示した。しかし,その曲 た。飼料中組飼料割合と qの関係もエネルギー消 線は有意で、はなく,エネルギー消化率および qは 0-70% 化率との関係と同様で、あり,粗飼料割合 6 粗飼料割合に関係なく平均値を中心に上下それぞ 台が最も高かった。 GEEは 2 7.6-43.5%であり, れ約 1 0%単位の範囲内に分布していた。 飼料中粗飼料割合が高いほど低い値となった (P< 飼料中の粗飼料割合を 6 0 . 0%未満, 60.0-79.9 l .1-69.6%であり, GEEと同様 0 . 0 5 ) NEEは 5 0 %および 8 0 . 0%以上に分け,粗飼料割合別の飼料 の傾向を示し,飼料中粗飼料割合が高いほど低い 摂取および乳生産成績を表 7に,それらのエネル P<0.05)。 イ直であった ( ギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用 80 360 80 1, . ・:~地l時・. 卜 υ・ 神 1 ・ 古 ・ i : [ .・ ・ 脚ι 4J ・圃圃圃巴亘司~ . .. 圃 50 40 40 ~ rJ~噌N野宮司・, z. 50 60 70 80 90 1 0 0 40 40 50 60 70 80 図2 . 摂取飼料中粗飼料割合とエネルギー消化率と の関係 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) l) MBW ・代謝体重 (kg O • 75 ) 2 )飼養レベルー維持の倍数 1 0 0 図3 . 摂取飼料中粗飼料割合とエネルギー代謝率と の関係 表7 . エネルギー出納試験供試牛における摂取飼料中粗飼料割合別の飼料摂取お よぴ手L 生産成績 延べ頭数 90 租飼料割合(%) 租飼料割合(%) -59.9 3 3 3 . 1: t1 .5 8 4土 6 4 . 1 2 5 . 6: t6 . 0 6 3 6土 8 0. 4 5 5 . 0: t4 . 1 4 3 . 7土 3 . 8 1 4 . 4: t1 .1 3 . 0 5土 0 . 4 2 . 7 8: t0 . 3 3 . 1 9土 0 . 5 粗飼料割合(%) 60.0-79.9 1 3 8 2 . 9: t1 .6 1 2 3: t7 5 . 2 2 1 .8: t6 . 4 6 4l : t7 5 . 0 7 0 . 0: t5 . 4 4 8 . 0土 5 . 8 t2 . 0 1 4 . 3: 3 . 4 1土 0 . 6 2 . 6 7: t 0. 4 2 . 8 0土 0 . 6 80.04 7 2 . 4: t1 .4 2 17 : t5 7 . 4 1 4 . 0士 3 . 2 6 37 : t6 8 . 2 8 5 . 2士 3 . 6 5 3 . 3: t4 . 5 1 3 . 5: t2 . 0 4 . 04 : t0 . 7 2 . 3 4士 0 . 3 2 . 1 0: t0 . 3 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 8 9 表8 . 摂取飼料中粗飼料割合別のエネルギー消化率,代謝率および 午乳生産効率 粗飼料割合(%) 60.0-79.9 % 6 5 . 8士 4 . 9b 5 5 . 1士 4 . 6b 3 6 . 5士 7 . 3b 5 9 . 4士1 4 . 9b -59.9 DE/GE q GEE NEE 6 3 . 2土 3 . 4 " 5 2 . 7土 3 . 3 " 4 3 . 5土 8 . 0C 9 . 2C 6 9 . 6土1 80.06 4 . 6土 4 . 7 " b 5 4 . 0土 4 . 8 " b 2 7 . 6土 5 . 5 " 5 l .1 土1 4 . 1a a .b .c:異文字聞に有志、差あり ( pく 0 . 0 5 ) 3)飼料中 cwc含量とエネルギー消化率, qお よび牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 摂取飼料中 cwc含量とエネルギー消化率およ 含量に関わりなく平均値を中心に上下それぞれ約 10%単位の範囲内に分布していた。 飼 料 中 cwc含 量 を 45.0%未満, 45.0-54.9 び q との関係を図 4および図 5に示した。飼料中 % お よ び 55.0%以上に分け, CWC含量別の飼料 c w c含 量 と エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び q との聞に 摂取および乳生産成績を表 9に,それらのエネル は有意な相関関係は認められず,両者とも cwc ギー消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用 80 g vdf ソM. 3 6 0 1rftEld-h 晶古川 40 35 45 c w c 含量(%) 5 5 65 図 4. 摂取飼料中 c w c含量とエネルギー消化率と の関係 70 i : l 合調客足: t 40 35 55 45 図 5. 摂取飼料中 c w c含量とエネルギ一代謝率と の関係 表9 . エネルギー出納試験供試牛における摂取飼料中 cwc含量別の飼料摂取お よび乳生産成績 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 (kg/d) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) cwc含量(%) cp含量(%) cwc/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) l)MBW: 代謝体重 (kg O • 75 ) 2 )飼養レベル:維持の倍数 -44.9 6 0 3 . 0i :l .6 8 1土6 0 . 6 2 6 .2 i :6 . 1 6 4 9士7 7. 8 6 4 . 3i :8 . 9 4 l .3 土 2 . 6 1 3 .7 i :1 .8 3 . 0 8i :0 . 5 2 . 8 9土 0 . 4 3 . 1 7i :0 . 6 65 c w c 含量(%) CWC含量(%) 45.0-54.9 1 0 9 2 . 8i :l .5 1 4 6土8 2. 4 2 0 . 3土 5 . 6 6 3 8士7 5 . 5 7 l .4 士1 0 . 0 4 9. 4 i :2 . 8 1 4 . 6i :l .9 3 . 4 5i :0 . 6 2 . 6 0i :0 . 4 2 . 6 8土 0 . 5 55.03 5 2 . 5士l.7 1 7 4士6 4 . 2 1 5 . 4i :4 . 5 6 0 9i :5 9 . 9 7 9 . 8土 6 . 1 5 7 . 4土l.8 1 3 . 8土 2 . 0 4 . 2 7i :0 . 7 2 . 3 5士 0 . 3 2 . 2 6士 0 . 4 9 0 第3 1号 北海道大学農学部農場研究報告 0 . 摂取飼料中 表1 cwc含量別のエネルギー消化率,代謝率および 牛乳生産効率 cwc含量(%) 4 4 . 9 4 5 . 0 5 4 . 9 55.0- % 6 4 . 7: t4 . 8 5 4 . 5土 4 . 6 4 1 .0 : t7 . 5c DE/GE q GEE NEE t4 . 6 6 6 . 0: 5 5 . 1土 4 . 5 3 5 . 3土 7 . 2b 5 8. 6: t1 5 .0 ' 6 4 . 0: t1 6 . 2b 6 5 . 2: t4 . 6 5 4 . 7: t4 . 3 3 0 .7 : t8 . 3 " 5 5 .9: t1 9 .0 " a,b,C 異文字聞に有意差あり (pく 0 . 0 5 ) 効率を表 1 0に示した。粗飼料割合と同様, CWC し ミf こ 。 含量の高い飼料を摂取していた牛ほど分娩後日数 飼料中 CP含量を 1 3 . 0%未満, 13.0~15.9 % が経過しており, FCM量が低< GE摂取量も低 および 1 6 . 0%以上に分け, CP含量別の飼料摂取 かった。エネルギー消化率および qはそれぞれ, および乳生産成績を表 1 1に,それらのエネルギー 6 4 .7~66.0 および 54.5~55.1 %の範囲であり, 消化率, qおよび牛乳生産のエネルギ一利用効率 飼料中 CWC含量による有意な差はなかった O を表 1 2に示した。いずれの CP摂取レベルにおい GEEは 3 0 .7~4 1. 0 %であり,飼料中 CWC含 量 ても CWC含量に差はなかった。また, CP含量の が高いほど f s;ぃイ直となった (P<0.05)o NEEは 高い飼料を摂取していた牛ほど分娩後日数が短 55.9~64.0 %であり, GEEと同様,飼料中 CWC く , FCM量が高く GE摂取量も高かった。エネル 2 . 1~68.9 およ キ、一消化率および qはそれぞれ, 6 含量が高いほど低い値であった (P<0.05)。 び 52.0~57. 7%であり,飼料中 4)飼料中 CP含量とエネルギー消化率, qお よび、牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 摂取飼料中の CP含量とエネルギー消化率およ CP含量が高いほ ど高い値となった (P<0.05)o GEEは飼料中 CP 含量が 1 3%未満の時 3 3 . 8%であったの対して, 13% 以上では 36~37 %と高かったが,その差は び q との関係を図 6および図 7に示した。飼料中 有意で、はなかった。また, NEEは飼料中 CP含量 CP含量とエネルギー消化率および q との聞には 13%未満の時で 6 0 . 8%であったの対して, 1 3 . 0 有意な相関関係がみられた( r = O.48お よ び -15.9%および 16.0.%以上ではそれぞれ, 5 9 . 4 0.39:P<O.Ol)。また,どの CP摂取レベルにお %および 56.3%であり,その差は有意で、はなかっ いても,エネルギー消化率および qは,平均値を たが,飼料中 CP含量が増加するに伴って低くな 中心に上下それぞれ約 1 0%単位の幅で分布して る傾向を示した。 8 0 80 7 0 7 0 •• 迫6 0l : 言 穂 5 0 4 0 9 360 ( r = O . 4 8, P<O.Ol) 1 1 3 1 5 1 7 1 9 CP含量(%) . 摂取飼料中 C P含量とエネルギー消化率との 図6 関係 5 0 4 0 9 ( r = O . 3 9,P<O.Ol) • Jd 開F軒、・J Z 1 1 1 3 1 5 1 7 1 9 CP 含量(%) 図7 . 摂取飼料中 CP含量とエネルギ一代謝率との 関係 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 9 1 表11.エネルギー出納試験供試牛における摂取飼料中 CP含量別の飼料摂取およ ぴ乳生産成績 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 (kg/d) 休重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) CP含量(%) 13.0-15.9 1 1 6 2 . 8: t1 .5 1 3 7: t8 2 . 7 2 0 . 9土 6 . 7 6 3 8土7 4 . 6 6 9 . 3土1 0 . 8 4 8 . 3土 5 . 9 1 4 . 5: t0 . 9 3 . 3 5士 0 . 4 t0 . 4 2 . 6 2: 2. 7 3 : i : :0 . 6 -12.9 6 0 2 . 6土1.6 1 5 7: 1 :8 7 . 9 1 8 . 5士 7 . 2 6 44 : i : :7 7. 8 7 5 . 5: 1 :9 . 0 4 8 . 5: 1 :6 . 6 1 1 .7土 0 . 9 4 . 2 4土 0 . 8 2 . 5 6士 0 . 5 2 . 4 8: 1 :0 . 7 16.04 2 3 . 1土1.7 6 . 1 1 0 9土6 2 3 . 2: t6 . 2 6 3 7士6 8 . 7 6 9 . 5: t9 . 0 4 8 . 5: 1 :5 . 6 1 6 . 7士 0 . 6 2 . 9 2: t0 . 4 2 . 7 2: t0 . 3 2 . 9 6: t0 . 6 l)MBW: 代謝体重 (kg O • 75 ) 2 )飼養レベル:維持の倍数 2 . 摂取飼料中 CP含量別のエネルギー消化率,代謝率および牛 表1 乳生産効率 -12.9 CP含量(%) 13.0-15.9 16.0- % DE/GE q GEE NEE 6 2 . 1士 4 .1" 5 2 . 0: t4 . 2 " 3 3 . 8: 1 :9 . 5 6 0 . 8土1 9 . 0 6 5 . 4: 1 :4 . 2b . 2b 5 4 . 7土 4 . 3 3 6 . 1士 8 5 9. 4 : t1 6 . 2 6 8 . 9土 4.F 5 7 . 7: t4 . 0c 3 6 . 7士 7 . 8 5 6 . 3: t1 2 . 4 a, b, C :異文字閑に有意差あり ( P < O . 0 5 ) 5)飼料中 CWC/CP比とエネルギー消化率, q 3に,それらのエネルギー消 よび乳生産成績を表 1 および牛乳生産のエネルギ一利用効率との関 1~率, 係 4に示した。 CWC/CP比の低い飼料を摂取し 表1 摂取飼料中の CWC/CP比とエネルギー消化率 qおよび午乳生産のエネルギ一利用効率を ていた牛ほど分娩後日数が短く, FCM量が高〈 および q との関係を図 8および図 9に示した。飼 GE摂取量も高かった。エネルギー消化率および q 料中 CWC/CP比とエネルギー消化率および q と はそれぞれ, 63.1-67.4お よ び 52.9-56.7%で の 聞 に 有 意 な 負 の 相 関 関 係 が 認 め ら れ た (r= あり,飼料中 CWC/CP比が低いほど高い値を示 -0.36および -0.32:P<O.Ol)。また, CWC/CP した (P<0.05)o GEEは 飼 料 中 CWC/CP比 3.0 比 に 関 わ り な し エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び qは平 %未満の時 40.9%であったのに対して, 3.00- 均値を中心に上下それぞれ約 10%単位の幅で分 3.99および 4.00%以上ではそれぞれ 35.1および 布していた。 33.2%を示し, 3.0%未満にくらべて有意に低か 飼料中 CWC/CP比を 3.0未満, 3.0-3.9およ った (P<0.05)。しかし, NEEは 57.7-63.1%で、 び 4.0以上に分け, CWC/CP比別の飼料摂取お あり,飼料中 CWC/CP比による差は小さかった。 9 2 北海道大学農学部農場研究報告 8 0 8 0 .. . . . . . . . ~.‘ J_ • 、!3l祖町tI~←.官・ 6 0 ι r事司F・ H ・: ' h・ 1 ) ( r = 0 . 3 6,P<O0 _• 目 5 0ト 5 4 t r . ・ 官 、 園 E - - 6 h I:.~'WZ"~ ・・ 40 2 40 3 .-LtL 0 . 3 2,P < O . O l ) 雪 山l J重量留者 • • 2 二 一 さ│・ E 5 0 ( r 7 0 7 0 監 波 摂 第3 1号 4 3 5 ー 圃 • 6 cwc/cp 比 cwc/cP 比 図8 . 摂取飼料中 CWC/CP比とエネルギー消化 図 9. 摂取飼料中 CWC/CP比とエネルギ一代謝 率との関係 率との関係 表1 3 . エネルギー出納試験供試牛における摂取飼料中 CWC/CP比別の飼料摂取 および乳生産成績 CWC/CP比 3.00-3.99 1 1 6 t 1.5 2 . 7: 1 4 3土 7 9 . 1 2 0 . 2士 5 . 9 : t7 3 . 7 6 37 7 1 .3 土 9 . 3 4 9 . 1士 5 . 0 t 1.4 1 4 . 3: 3 . 4 4: t0 . 2 2 . 6 2土 0 . 4 2 . 6 6士 0 . 6 -2.99 5 2 3 . 3土1.7 7 2士4 9 . 3 t5 . 7 2 6 . 5: 6 . 4 6 3 8土 7 6 2 . 8士 8 . 0 4 3 . 2: t4 . 3 1 5 . 8土1.4 2 . 7 5士 0 . 2 2 . 8 8: t0 . 3 3 . 2 5土 0 . 5 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) 4.003 6 2 . 6土1.6 1 8 3士7 4 . 1 1 6 . 5: t5 . 5 6 2 9: t7 6 . 8 . 0 8 0 . 3士 8 5 3 .7 : t5 . 4 1 1 . 6土1.3 t0 . 5 4 . 6 6: 2 . 3 6: t0 . 4 2 . 3 2土 0 . 5 l)MBW:代謝体重 ( k gO.75) 2 )飼養レベル:維持の倍数 表1 4 . 摂取飼料中 CWC/CP比別のエネルギー消化率,代謝率およ び、牛乳生産効率 -2.99 CWC/CP比 3.00-3.99 4.00- % DE/GE q GEE NEE 6 7 . 4: t5 . 0c 5 6 .7 : t4 . 8c t7 . 1b 4 0 . 9: 6 . 7 6 2 . 0土 1 6 5 . 4: t4 . 2b 5 4 . 7土 4 . 0b a 3 5 .l : t7 .6 5 7 . 7土l3. 9 6 3 . 1士 4ーが 5 2 . 9: t4 . 5a 3 3 . 2士 9 . 2a 6 3 .l : t2 1 .5 a ,b ,c 異文字聞に有意差あり ( P < O . 0 5 ) 6) エ ネ ル ギ ー 摂 取 レ ベ ル と エ ネ ル ギ ー 消 化 率 , qおよび、牛乳生産のエネルギ一利用効率 との関係 代謝体重当りの GE摂取量とエネルギー消化率 0および図 1 1に示した。 および qとの関係を図 1 GE摂取量とエネルギー消化率および qとの聞に は有意な正の相聞がみられた ( P < O . O l )。また,エ ネルギー消イじ率および qはいずれの GE摂取レベ ルにおいても平均値を中心に上下それぞれ約 1 0 %単位の範囲内に分布していた。 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 8 0 8 0 7 0 g60 摂 • 5 0 ( r = O . 2 8,P < O . O l ) 場 臣 官 会 • 7 0 8宅 b6 0 ( r = O . 2 5,P < O . O l ) 5 0 • 圃 40 40 2 3 2 4 GE 摂取量( M J ! M B W ) 図 9 3 3 4 GE 摂取量( M J ! M B W ) 1 0 .エネルギー摂取レベルとエネルギー消化率と の関係 図1 1.エネルギー摂取レベルとエネルギ一代謝率と の関係 代 謝 体 重 当 り の GE摂 取 量 を 2.00MJ未満, エ ネ ル ギ 一 利 用 効 率 を 表 16に示した。 GE摂 取 量 2.00-2.49MJお よ び 2.50MJ以上に分け, GE が 高 か っ た 午 ほ ど 分 娩 後 日 数 が 短 <, 飼 料 中 粗 飼 摂 取 量 別 の 飼 料 摂 取 お よ び 乳 生 産 成 績 を 表 15に , 料 割 合 や CWC含量の低い飼料を摂取しており, それらのエネルギー消化率, qお よ び 牛 乳 生 産 の FCM量 も 高 か っ た 。 エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び q 表1 5 . エネルギー出納試験供試午における GE摂取量別の飼料摂取および乳生産 成績 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) -1.99 1 4 3 . 1: t1 .7 1 9 2: t6 2 . 2 1 4 . 1土 3 . 7 6 5 6士8 8 . 5 7 8 . 7: t8 . 9 5 3 . 3土 4 . 6 1 2 . 8: t2 . 3 4 . 3 7士1.0 l .8 6士 0 . 2 2 . 1 3: t0 . 4 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 2.00-2.49 6 5 2 . 4士1.4 : t7 6 . 7 2 0l 1 5 . 4: t4 . 5 6 4 1土7 2 . 8 7 6 . 7士1 0 . 0 5 l .6: t5 . 5 l 3. 7: tl .9 3 . 8 0土 0 . 6 2 . 2 8: t0 . 1 2 . 2 1土 0 . 4 2.50l 39 3 . 0土1.6 1 0 1士6 3 . 9 2 3 . 8: t6 . 0 t7 3 . 5 6 3 7: 6 7 . 6士 9 . 1 4 6 . 6士 5 . 5 1 4 .4 : t1 .8 3 . 2 7: t0 . 6 2 . 8 5: t0 . 3 3 . 0 0土 0 . 6 l )MBW 代謝休重 (kg O • 75 ) 2 )飼養レベル維持の倍数 表1 6 . GE摂取量別のエネルギー消化率,代謝率および牛乳生産効率 GE摂取量 (MJ/MBW) 2.00-2. 49 % 6 2 . 7土 4 . 5 " 6 4 . 2士 4 . 5 " 5 3 . 4士 4 . 3 " 5 2 . 4: t5 . 1 " 3 5 . 6土 9 . 6 " b 3 l .3 士8 . 6 " b 8 0 . 1土2 2 . 8 5 8 . 3: t1 8 . 7 " -1.99 DE/GE q GEE NEE MBW 代謝体重 (kg O • 75 ) a,b:異文字聞に有意差あり ( P < u . 0 5 ) 2.506 5 . 9土 4 . 7b 5 5 . 3: t4 . 5b 3 7 . 6士 7 . 8b 5 7 . 5士1 2 . 7 " 9 4 北海道大学農学部農場研究報告 第 3 1号 はそれぞれ, 6 2.7-65.9および 52.4-55.3% で 関係を図 1 2および図 1 3に示した。飼養レベルと GE摂取量が高いほど高い値であ . 5 0MJ以上で,それ未 り,その差は GE摂取量 2 エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び q との間には有意な正 の相闘がみられた ( P<0.01)。また,飼養レベルに P<0.05)o GEEは 満にくらべて有意であった ( 関 わ り な し エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び qは平均値 GE摂 取 量 2.00-2.49MJの 時 で 3l .3% と 低 い を中心に上下それぞれ約 1 0%単位の範囲内に分 傾向にあったが,それ以外は 3 5.6-37.6%であっ 布していた。 あり,両者とも た 。 NEEは GE摂取量 2 . 0 0MJ未満の時 8 0 . 1% 飼養レベルを維持の 2 . 0 0倍未満, 2.00-2.99 と高い値を示し, 2 .00-2.49および 2 . 5 0MJ以 上 倍および 3 . 0 0倍以上に分け,飼養レベル別の飼料 の時の値, 5 8 . 3および 5 7 . 5%にくらべて有意で 摂取および乳生産成績を表 1 7に,それらのエネル あった ( P<0.05)。 ギー消化率, qおよび午乳生産のエネルギ一利用 効率を表 1 8に示した。飼養レベルが高かった牛ほ 7)飼養レベルとエネルギー消化率, qおよび 含量の低い飼料を摂取しており, FCM量も高か 牛乳生産のエネルギ一利用効率との関係 飼 養 レ ベ ル と エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び q との 80 。 , (決}節目ギ摂 70 った。エネルギー消化率および qはそれぞれ6 2 . 5 8 0 . . : , . 晶 量 出 ・4 F L・ ( r = 0 . 2 5, PくO0 1 ) 目 70 可Y ; 1 戸 . 昨 . . . 沢 ."!t圃匝~.・. 喜60 U ︽ 50 ど分娩後日数が短<,飼料中粗飼料割合や c wc Z 0 . 2 3,P<O.Ol) 50 40 40 2 3 2 5 4 飼養レベル{維持の倍数) 3 4 飼養レベル{維持の倍数} 図1 2 . 飼養レベルとエネルギー消化率との関係 図1 3 . 飼養レベルとエネルギ一代謝率との関係 7 . エネルギー出納試験供試牛における飼養レベル別の飼料摂取および乳生産 表1 成績 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 ( M J / M B W l ) ) 飼養レベル幻 l)MBW: 代謝体重 (kg O • 75 ) 2 )餌養レベル維持の倍数 -1.99 2 3 2 . 2土1.5 2 4 5: t56.4 1 0 . 9: t2 . 6 6 5 5: t74.7 8 4 . 2: t7 . 6 5 2 . 6: t4 . 8 1 2 . 5: t1 .8 4 . 3 0: t0 . 9 2 . 17 : t0 . 3 1 .7 9: t0 . 2 飼養レベル2) 2.00-2.99 1 2 4 2 . 5: t1 .5 1 5 2土7 4 . 7 1 7 . 9士 3 . 4 6 27 : t7 6 . 2 7 2 . 5士 9 . 1 5 0 .4 : t5 . 3 1 4 . 2土1.8 3 . 6l : t0 . 6 2 . 5 0: t0 . 3 2 . 4 4: t0 . 3 3.007 1 3 . 5: t1 .3 7 5: t46.6 2 8 .7 : t3 . 6 6 5 6: t66.7 6 4 . 3: t7 . 8 4 4 . 1土 4 . 8 1 4 . 6土1.9 3 . 0 7土 0 . 5 2 . 97 : t0 . 3 3 . 4 6士 0 . 3 5 9 5 中辻-泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 表1 8 . 飼養レベル別のエネルギー消化率,代謝率および牛乳生産効 率 飼養レベル 2 . 0 0 2 . 9 9 -1.9 9 3 . 0 0 - % 6 4 . 9i :4 . 4b 5 4 . 1i :4 . 3b 3 3 . 7i :6 . 4b 5 8 . 9i :1 7 . 2b 6 2 . 5土 4 . 3 " q 5 1 .9i :4 . 4 " GEE 2 4 . 0i :6 . 2 " NEE 5 1 .4 土1 9 . 5 " 飼養レベル:維持の倍数 DE/GE 6 6 . 5士 5 . 0C 5 6 . 0士 4 . 6C 4 2 . 6i :6 . 6c 6 2 . 2土 1 2 . 9b a,b,C :異文字聞に有意差あり ( pく 0 . 0 5 ) -66.5および 51 .9-56.0%であり,いずれも飼 FCM量を 20kg未満, 20kg台および 30kg以 養レベルが高いほど高い値を示した (P<0.05)。 上に分け, FCM量別の飼料摂取および乳生産成 また, GEEも 24.0-42.6%と飼養レベルが高い 績を表 1 9に,そのエネルギー消化率, qおよび牛 ほど高い値であり,いずれも有意な差であった 0に示した o 乳生産のエネルギ一利用効率を表 2 (P<0.05)。一方, NEEは飼養レベル 2 . 0 0未満で FCM量が高かった牛ほど分娩後日数が短く,飼 51 .4%と f g,かったが (P<0.05),2.00-2.99およ 料中粗飼料割合および CWC含量の低い飼料を摂 . 0 0以上ではそれぞれ 5 8 . 9および、 6 2 . 2%と び3 取しており,その GE摂取量は高かった。エネルギ ほぼ同様の値を示した。 ー消化率は FCM量 2 0kg未 満 で 6 4 . 0%であっ 0kg以上では 6 6. 4-66.8%と有 たのに対して, 2 8) 乳量レベルとエネルギー消化率, qおよび Pく 0 . 0 5 )0 q もエネルギー消佑率と 意に高かった ( 同様な傾向であり, FCM量 2 0kg未満で 5 3 . 3% 牛乳生産のエネルギー利用効率との関係 1日当りの FCM量とエネルギー消化率および であったのに対して, 2 0kg以上では 55.7-56.3 q との関係を図 1 4およぴ図 1 5に示した。 FCM量 % と 有 意 に 高 か っ た (P<0.05)o GEEは 3 0.7 とエネルギー消化率および q との聞には有意な -45.6%と FCM量が高いほど高い値を示し,そ 正の相関関係が認められた (P<O.Ol)。また,どの 7 . 1 の 差 は 有 意 で あ っ た (P<0.05)o NEEは 5 乳量レベルにおいても,エネルギー消化率および -64.9%であり, GEEと同様, FCM量が高いほ qは平均値を中心に上下それぞ、れ約 1 0%単位の ど高い値を示したが,その差は有意ではなかった。 範囲内に分布していた。 . . . . .. _ . . 1 . . . . :・ . ; . 80 - n u ( 渓}岨宵記寝 。 肉 7 0 . • ..園圃』圃国..... .・四』咽目・・圃・F 1_~1ll晶・事v..... : 1 . ・ . .唱 . .. ー 司 ・ ー竺 ー . . . . ー ・ . ・司直岡国... •• 幽 ( r0 . 2 7,P<O.Ol) 二 7 0 s 喜 z s60 . ( r = 0 . 2 4,P<O.Ol) 5 0 。 r• ・ 80 5 0 。 40 2 0 a_ a 且.. -.. ...:主...可邑~~. .. . . . 1 . . . . .. ー .. 圃.岨r~l.・唱'宮. 岡市圃 40 1 0 ・ . ・ 圃 . ・ ・. ー . ~!i!i耳i~肩哩~!-... 3 0 FCM量O唱 / d ) 図1 4 . 乳量レベルとエネルギー消化率との関係 40 1 0 2 0 . . 3 0 FCM 量(kg/d) 図1 5 . 乳量レベルとエネルギ一代謝率との関係 40 9 6 北海道大学農学部農場研究報告 第3 1号 表1 9 . エネルギー出納試験供試牛における FCM量別の飼料校耳元および乳生産成 高 責 FCM量 ( k g ) 20.0-29.9 8 6 : tl .6 3 .3 8 . 2 9 5土 5 2 5 .l : t2 . 9 : t6 5 . 5 6 47 6 6 . 0土 8 . 3 . 0 4 6 . 1士 5 tl .9 1 4 . 6: . 6 3 . 2 1土 0 2 . 8 5土 0 . 3 . 3 3 . 1 1士 0 -19.9 1 1 2 2 . 2: tl .3 1 8 4: t7 5 . 5 1 5 . 0: t3 . 1 6 2 3土 7 7 . 9 7 6 . 2: t9 . 7 5 l .6 土 5 . 0 1 3 . 7士l.9 3 . 8 2: t0 . 7 : t0 . 3 2 . 37 2 . 1 9土 0 . 3 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 (kg/d) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) 30.02 0 4 . 0: tl .1 5 5: t3 2 . 4 . 6 3 3 . 3土 2 7 0 1士4 5 . 8 t5 . 9 6 3 . 7: 4 2 . 4土 5 . 5 1 4 . 4士l.8 3 . 0 0: t0 . 6 . 3 3 . 0 4土 0 3 . 8 1土 0 . 2 l) MBW: 代謝体重 (kg O • 75 ) 2 )飼養レベル.維持の倍数 表2 0 . FCM量別のエネルギー消化率,代謝率および牛乳生産効率 FCM量 ( k g ) 20.0-29.9 -19.9 30.0- % t4 . 3 " 6 4 . 0: 5 3 . 3土 4 . 3 " 3 0 . 7士 6 . 7 " 5 7 .l : t1 7 . 5 DE/GE q GEE NEE 6 6. 4 : t4 . 5b 5 5 . 7: t4 . 3b 3 9 . 7士 7 . 1b 6 0 . 6: t1 5 . 6 6 6 . 8: t6 . 0b 5 6 . 3土 5 . 4b 4 5 . 6土 5 . 2C 6 4 .9: t1 0 . 2 a,b,c:異文字問に有意差あり ( P < O . 0 5 ) 9)乳期とエネルギー消化率, qおよび牛乳生 産のエネルギ一利用効率との関係 を中心に上下それぞれ約 10%単位の範囲内に分 布していた。 分 娩 後 日 数 と エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び q との 分娩後の日数により泌乳初期(分娩後 80日ま 関係を図 16および図 17に示した。分娩後日数と で),中期 (81-210日)および後期 (211日以降)に エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び q との聞には有意な負 分け,乳期別の飼料摂取および乳生産成績を表 21 ( P < O . Ol)。また,乳期に に,そのエネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエ 関 わ り な し エ ネ ル ギ ー 消 化 率 お よ び qは平均値 ネルギ一利用効率を表 22に示した。乳期が進んだ の相関関係が認められた , 80 h 邑 ・4占 ・ . z r ω ( rニ ー 0 . 1 7,Pく 0 . 0 1 ) 幹事Rfdf- : i 棋惜.1泣き: ト 5 0 ( r =ー 0 . 1 3,P < O . O l ) 40 o 7 0 5 0 1 0 0 1 5 0 ∞ Z 40 2 5 0 3 0 0 分娩後日数 図1 6 . 乳期とエネルギー消化率との関係 3 5 0 o 50 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 分娩後回数 図1 7 . 乳期とエネルギ一代謝率との関係 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 97 表21.エネルギー出納試験供試午における乳期別の飼料摂取および乳生産成績 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル叫 l)MBW 泌乳期 中期 9 4 2 . 8i :1 .7 1 4 2i :3 3 . 8 :5 . 4 1 9 . 8i 6 4 2i :7 0 . 6 7 1 .7i :9 . 0 4 9 . 9土 5 . 9 1 4 . 2土1.9 3 . 5 8土 0 . 7 2 . 6 0土 0 . 4 2 . 6 0士 0 . 5 初期 7 3 2 . 9i :1 .5 4 8土1 5 . 7 2 6 . 1土 5 . 9 6 1 9土8 0 . 9 6 4 . 0士 7 . 3 4 4 . 4士 4 . 6 1 4 . 5士1.8 3 . 1 1士 0 . 5 2 . 87 : 1 : :0 . 3 3 . 2 2i :0 . 5 後期 5 1 2 . 8i :1 .4 :2 8 . 9 2 5 6i 1 4 . 6土 4 . 4 2 . 0 6 6 5土6 7 9 . 9i :9 . 2 . 3 5 2 . 1士 4 1 3.4士1.9 :0 . 7 3 . 9 1i 2 . 3 0土 0 . 3 . 4 2 . 1 4土 0 代謝体重 (kg O • 75 ) 2 )飼養レベル.維持の倍数 2 . 乳期別のエネルギー消化率,代謝率および牛乳生産効率 表2 初期 1 必乳期 中期 後期 % DE/GE q GEE NEE 6 6 . 0i :4 . 9 5 5 . 5i :4 . 5 4 1 .9土 7 . 6C 6 4 . 7士1 6 . 6C 6 5 . 0土 4 . 6 5 4 . 2土 4 . 4 3 4 . 7士 6 . 4b 5 8 . 8i :1 5 . 3b 6 4 . 4土 4 . 8 . 7 5 3 . 6士 4 2 8. 4 i : 7ーが 51 .9i :1 5 . 2 " a,b ,c:異文字聞に有意差あり (pく 0 . 0 5 ) 牛ほど飼料中粗飼料割合および CWC含 量 の 高 い 飼料を摂取し,その GE摂取量は低く, FCM量も 表2 3 . エネルギー出納試験供試牛における産次別の 飼料摂取および乳生産成績 低かった。エネルギー消化率および qはそれぞ、れ 64.4-66.0お よ び 53.6-55.5%であり,乳期に よる差は認められなかった。一方, GEEお よ び NEEは そ れ ぞ れ 28.4-41.9および、 51.9-64.7 %であり,いずれも乳期が進むに伴い低い値とな り,有意な低下を示した (P<0.05)。 1 0 ) 産次とエネルギー消化率, Qお よ び 牛 乳 生 産のエネルギ一利用効率との関係 エネルギー出納試験供試牛を初産,経産別に分 け,その飼料摂取および乳生産成績を表 23に,エ 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 ( k g / d ) 体重( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) 飼養レベル2) 産次 初産 経産 5 3 1 6 5 1 .0士 0 . 0 3 :1 .3 . 4i 1 3 8士7 4 . 0 1 37 : 1 : :8 5 . 3 :4 . 3 2 2 . 2土 6 . 9 1 5 . 9i 5 6 9: 1 : : 6 1 .9 6 6 2士6 2 . 4 7 3 . 5土1 0 . 3 7 :1 0 . 3 0 . 3i 5 0 . 0i :6 . 3 4 :5 . 8 7 . 9i 1 3 . 6士 2 . 0 1 4 . 3土1.9 3 . 7 2i :0 . 7 3 :0 . 7 . 4 0i 2 . 5 0i :0 . 3 2 . 6 6i :0 . 4 2 . 22 : 1 : :0 . 4 2 :0 . 6 . 8 6i l)MBW:代謝体重 ( k g O75 . ) 2 )飼養レベル維持の倍数 ネルギー消化率, Qおよび牛乳生産のエネルギ一 利用効率を表 24に示した。経産牛は初産牛にくら FCM量 が 高 <, 飼 料 中 粗 飼 料 割 合 お よ び CWC含 量 の 低 い 飼 料 を 摂 取 し , そ の GE摂 取 量 べて も高かった。また,経産牛は初産牛にくらべ体重 が約 100k g大きかった。 9 8 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 表2 4 . 産次別のエネルギー消化率,代謝率および牛乳 生産効率 表2 5 . エネルギー出納試験供試牛における試験実施 季節別の飼料摂取および乳生産成績 産次 初産 季節 経産 % DE/GE q GEE NEE 6 5 . 2土 4 . 0 5 4 . 8土 4 . 0 a 3 1 .7 : : ! :6 .8 5 9 .9 : : ! : 1 7 . 5 6 5 . 2 : : ! :4 . 9 . 7 5 4 . 4土 4 3 6 . 9 : : ! :8 . 7b 6 . 0 5 8 . 9土 1 a,b 異文字聞に有意差あり ( P < 0 . 0 5 ) エネルギー消化率は初産牛,経産牛ともに 65.2 夏季 延べ頭数 産次 分娩後日数 FCM量 (kg/d) 体重 ( k g ) 粗飼料割合(%) CWC含量(%) CP含量(%) CWC/CP比 GE摂取量 (MJ/MBW1)) %であり差は認められなかった。 qは初産牛およ 飼養レベル2) び経産牛でそれぞれ 54.8および 54.4%であり, l) MBW: 代謝体重 (kg O • 75 ) 冬季 1 5 2 2 . 8 : : ! :1 .5 1 4 3土 8 0 . 0 1 9 . 4 : : ! :6 . 2 6 3 4 : : ! : 7 4 . 4 7 0 . 6土 1 0 . 2 5 0 . 5 : : ! :4 . 9 1 4 . 7 : : ! :2 . 0 3 . 4 5土 0 . 6 2. 5 4 : : ! :0 . 4 2 . 6 2 : : ! :0 . 6 6 6 2 . 9 : : ! :1 .6 1 2 1 : : ! : 8 6 . 5 2 3 . 6土 7 . 5 6 5 2 : : ! : 7 2 . 7 7 2 . 0 : : ! : 1 0 . 7 4 4 . 0士 5 . 8 1 2 . 8 : : ! :1 .7 3 . 5 4 : : ! :0 . 8 2 . 8 0 : : ! :0 . 4 2 . 9 1土 0 . 7 2 )飼養レベル:維持の倍数 産次による差はなかった。また, GEEは初産牛お よ び 経 産 牛 で そ れ ぞ れ 31 .7お よ び 36.9%であ り,経産牛のほうが有意に高い値を示した (P< 0.05)。一方, NEEは初産牛および経産牛でそれ 表2 6 . 試験実施季節別のエネルギー消化率,代謝率お よび牛乳生産効率 季節 ぞれ 59.9および 58.9%であり,産次による差は 夏季 なかった。 DE/GE 1 1 ) 季節とエネルギー消化率, qおよび、牛乳生 産のエネルギー利用効率との関係 エネルギー出納試験供試牛を試験実施季節によ 冬季 % q GEE NEE 6 5 . 7 : : ! :4 . 6b 5 4 . 8土 4 . 4 3 4 . 8 : : ! :8 . 6a 5 8 . 6 : : ! : 1 7 . 8 6 3 . 9土 4 . 9a 5 4 . 0 : : ! :4 . 8 3 7 . 6 : : ! :8 .1 " 6 0 .4 : : ! : 1 2 .4 a,b:異文字聞に有意差あり ( Pく 0 . 0 5 ) り夏季 (5~10 月)および冬季 (11~ 4月)の季節 別に分け,その飼料摂取および乳生産成績を表 25 に,エネルギー消化率, qおよび牛乳生産のエネル ギ一利用効率を表 26に示した。夏季および冬季と 4 . 考察 出納試験実施時の摂取飼料中の粗飼料割合,エ も,供試牛の分娩後の日数はほぼ同様で、あったが, 1, ネルギー消化率および qの平均値はそれぞれ 7 夏季で C W Cおよび CP含量の高い飼料を摂取し 65および 55%であった。エネルギー消化率およ ていた。また,夏季は冬季にくらべて GE摂取量が び qのいずれも,平均値を中心に上下それぞれ約 低<, FCM量も低かった。エネルギー消化率は夏 10%単位の範囲内に分布しており,それらの変動 季および冬季でそれぞれ 65.7および 63.9%であ 係 数 (CV)はそれぞ、れ 7.3および 8.4%であった。 り,夏季のほうか有意に高かった (P<0.05)oqは 本試験では, M E摂取量を算出する際のメタンに 夏季および冬季でそれぞれ 54.8および 54.0%で よるエネルギー損失量は実測せず, BLAXTER あり,季節による差は認められなかった。 GEEは andCLAPPERTON5)の推定式から算出しており, 夏季,冬季でそれぞれ 34.8および 37.6%であり, それは GE 摂取量の 6.9~8.4 %の範囲であった。 夏季のほうが有意に低かった (P<0.05)o NEEは G E摂取量に占めるメタンによるエネルギー損失 夏季,冬季でそれぞれ 58.6および 60.4%であり, 割合について, BLAXTERa ndCLAPPERTON5)は GEEと同様,夏季で低い傾向を示したが,その差 6.2~10.8 は有意で、はなかった。 % , M AFF40)では飼料構成に関わらず 6% , GORDONe ta1 21 ) は粗飼料割合が 43~54 % の飼料で 5.4~6.6 %を報告している。粗飼料割合 中辻.泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 9 9 の高かった本試験での計算値はやや高い値を示し 告制では 39-70%と粗飼料割合の高い給与条件 たが,上記の報告の範囲内であった。また,表に であった。粗飼料の給与割合が高かったことも粗 平均値 は示していないが, DE/ME( 飼料割合とエネルギー消化率との関係が FLATT c vが 2%と小きかったことから, 8 3 . 6%)の qの変動の大 部分は,消化率に起因するものと考えられた。 e ta l .14)や BROSTERe ta l .9)の報告と異なった要 因のーっかもしれない。また,飼料中の粗飼料割 0%以上であり,飼料 粗飼料給与割合の平均が 7 合と q との関係についても,粗飼料割合が高まる 構成が多様な飼養条件下で 1乳期間中の様々な乳 につれて qが低下したとの報告叫があるが,本試 期の泌乳牛を用いて飼料エネルギーの消化率や q 験の結果とは一致しなかった。これは上記の理由 を求めた研究は,本研究以外に見当たらない。早 により,本試験で、のエネルギー消化率が必ずしも 5% (39-70%)と本試 坂 28) は粗飼料給与割合が 4 {民下しなかったためであろう。 験より低いが,飼料構成の多様な TMRを泌乳初 飼料中 CP含量とエネルギー消他率および q と 期から後期にわたる泌乳牛に給与して, 5 3例のエ 43) および の関係について, MOE and TYRRELL ネルギー出納試験を行った結果,エネルギー消化 TYRRELL77)は,濃厚飼料源として大豆粕をコー 6% (34-67%)と, 率は 65%(44-74%),qは 5 ンミールで代替して CP含量を 14-20%に変化 本試験の結果とほぼ同様な値を報告している。粗 させた,アルフアルファ乾草主体の飼料を泌乳初 時化 飼料給与割合が低くなるに伴ってエネルギ -t 期牛に給与して試験を行なった。その結果,エネ 率は上昇する 9).14) が,一方で、エネルギー摂取量の ルギー消化率および qは CP含量の増加に伴い高 増加に伴ってエネルギー消化率は低下す くなるが, CP含量が 17%以上になるとエネルギ る6),叫叫刷ことが報告されている。早坂の報告28) ー消化率の増加割合が小さくなり,また qは逆に では粗飼料給与割合は低かったが, GE摂取量が 低下したと報告している。本試験での飼料中 CP 代謝体重当たり 2.9M]と本試験の 2.6M]にく 含量の範囲は 10-18%であり,ほとんどが 1 7% らべて高かったため両者の影響が相殺され,エネ 未満であったことから, CP含量の増加に伴って ルギー消化率が本試験と同様な値になったと考え エネルギー消佑率および qが増加する結果が得 られる。 られたのであろう。 FLA TTe ta l . および BROSTERe ta . l9) は上 14 ) 飼養レベルは,摂取 ME量を維持 ME要求量の 述のように,飼料中の粗飼料割合とエネルギー消 倍 数 で 表 わ し た も の で あ る 。 TYRRELL and 化率の関係について,粗飼料割合が高まるに伴っ MOE76)は,泌乳牛用の通常の飼料では,飼養レベ て消化率は低下したと報告しているが,本試験で ル 1単位の増加につきエネルギー消化率は約 4% は必ずしも低下しなかった。また,早坂の報告 28) 低下するとしている。また, qについても飼養レベ においても,本試験と同様に,粗飼料割合とエネ ルの増加に伴って低下し,その低下割合は飼養レ ルギー消化率の関係は必ずしも明確で、はなく,エ ベ ル 1単位の増加につき1.8%で あ る と す る 報 ネルギー消化率および qはそれらの平均値を中 告 別 , 1抑 制 0) がある。しかし,本試験結果では,飼養 0%単位程度の変動が認めら 心に上下それぞれ 1 レベルが高いほどエネルギー消化率および qが れた。既述のように,エネルギー消化率はエネル P<0.05)。これは,本試験では飼養レベ 高かった ( ギー摂取量の増加によって低下することか ルが高いほど粗飼料割合の低い飼料を摂取してお ら6),川,叫叩),本試験および早坂の報告叫ともに,粗 り,エネルギー消化率が粗飼料割合の影響を大き 飼料割合の高い飼料ほど GE摂取量が低かったた く受けたためと考えられる。上記の報告6), 1 3 ), 7削 めに,消化率への影響が相殺されたと考えられた。 によれば,維持時のエネルギー消化率が 7 0%であ ta . lの報告 14) での組飼料割合の範 また, FLATTe 7 れば,飼養レベルが維持の 2倍での消化率は 6 0 ) , BROSTERe ta l . では 10-40% 囲は 20-60% % , 3f 音では 6 4%,維持時の qが 60%であれば, であったの対して,本試験は 43-95%,早坂の報 9% , 維持の 2倍での qは 5 9 ) 3倍では 58%になる 1 0 0 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 ことを示しており,これらの低下程度は大きなも らのことから,本試験の条件では,暑熱および寒 のではない。本試験では,同一飼養レベル内にお 冷の影響は少なかったと考えられる。 いてもエネルギー消化率および qは,平均値を中 このように,飼料構成が多様な粗飼料多給の 1 0%単位の範囲に分布して 心に上下それぞれ約 1 乳期飼養下でのエネルギー消化率および q とそ おり,これらの変動を飼養レベルの影響のみでは れらに影響を及ぽす要因との関係は,これまでの 説明することはできない。 報告と必ずしも一致しなかった。飼料中の粗飼料 FLATTe ta l .15)は,泌乳初期(分娩後 5 7日目), 割合が高くなってもエネルギー消化率および q 1 6 7日目)および後期 ( 2 8 4日目)の泌乳牛に 中期 ( は必ずしも低下せず,両者ともに,それらの平均 0-60%の飼料を同一摂取レベル 粗飼料割合が 2 5および 55%を中心に上下 1 0%単位 値である 6 になるように給与した場合,乳期が進むほどエネ 程度, ルギー消化率および qが低下したと報告してい のようなエネルギー消化率および qの変動には る。しかし,本試験ではいずれの乳期においても 飼料中粗飼料割合と摂取レベルが大きく関与して エネルギー消化率および qはほぼ一定であった。 おり,変動の多くはこれら二つの要因で説明する これは乳期の進行に伴い粗飼料割合の高い飼料を ことができるであろう。すなわち,通常 摂取し,一方,摂取レベルが低くなったことから, 飼養下では乳量に応じて濃厚飼料を給与するた 消化率に対する影響が相殺されたためと考えられ め,乳期の進行による乳量の低下に伴い,飼料中 CVで 7-8%程度の変動が認められた。こ 1乳期 の粗飼料割合は高くなる。しかし,その一方で、摂 た 。 初産および経産牛では,エネルギー消化率およ 取レベルは低下するため,エネルギー消イじ率およ 、 び qに差は認められなかった。経産牛では初産牛 び 、 qに対する負の影響である粗飼料割合の増加, にくらべて乳量が高かったため飼料中の組飼料割 および正の影響である摂取レベルの低下,両者の 合は低かったが,その摂取レベルが高かったため, 影響が相殺され,上記のような変動が生じたと考 消化率に対する影響が相殺されたのであろう。 えられた。 本研究において季節による違いは,一つは給与 GEEは , BRODYa n dPROCTOR8)によって提唱 粗飼料の種類の違いであり,もう一つは気温の違 された牛乳生産のエネルギ一利用効率を表わす実 いである。本試験の主体粗飼料は,夏季は放牧地 際的な指標であり,生産現場に近い条件下で,多 草,冬季はコーンサイレージであり,種類が異な 数の泌乳牛を対象とした長期的データの蓄積とそ CP含 量 が 高 < GE摂 の解析を行うのに適した指標である。本研究のエ っていた。夏季では飼料中 GEEの平均値 取量も低かったことから,エネルギー消佑率およ ネルギー出納試験により得られた び qは冬季よりやや高い傾向を示したが,粗飼料 5 . 6%であり,粗飼料割合の高い飼料を摂取し は3 の種類の違いによるエネルギー消化率および q ていた牛ほど の差はなかったと考えられた。一方,気温につい は2 4 . 1%と変動が大きかった。 ては,高温時の乳牛の生産性低下は環境温度 GEEが{止かった。また, GEEの CV 牛乳生産のエネルギ一利用効率について, GEE 24-27 ' C以上で発現し,その程度は乳量レベルの を指標に用いて検討した研究報告は少なし我が 高い牛ほど大きいといわれている 16)。また,低温環 4 . 6 2 7 . 8%,大久保ら 57)が 国では,内藤ら 51)が 2 行動が増 境条件下では採食量は増加するが,反事3 3l .4-35.9%という値を報告している。両報告と 加し,消化管内容物の通過が速くなり,消化率が GEEに影響を及ぼす要因については必ずしも 詳細に検討していないが,大久保ら 57) は G EEと FCM量との問に高い正の相関を認めており,乳 低下するとの報告制, 81) がある。試験期間を通し 0Cを越えることがいずれ て,夏季には牛舎内が 3 0 も , の年においてもある期間あったが,出納試験を実 量レベルが高いほど牛乳生産のエネルギ一利用効 7 ' C以下であった。また,冬季で 施した期間では 2 率が高くなることを示唆している。内藤らの報 o C以下になることはなかった。これ は牛舎内が o 告刊では GEEが低かったのは,解析の対象とし 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 0 1 た個体の FCM量 が 1 1.7-14.8kg/日/頭と,本 に初産午は経産牛にくらべ乳量レベルが低いこと 0 . 7kg/日/頭にくらべて低 試験の平均 FCM量 2 から GEEは低くなるであろう。また,初産牛は, かったためであろう。本試験での FCM量 (X, まだ成長段階にあり,摂取された MEの一部が成 kg/日/頭)と GEE(Y, %)との関係(図 1 8 )をみて 長にまわされていると思われ,体重増加に要する みると,両者間に有意な正の相関関係が認められ エネルギーの補正をしなければ当然 GEEは低く (r=0.75:P<O.Ol),Y=0.9305X+16.376 (R2= 0 . 5 6 )の式が得られた。これらのことから, なると考えられる。 本試験においても, GEEの変動には乳量レベルが では説明できない部分がある。一般に l乳期飼養 大きく関与していることが認められた。 下では乳量の多い泌乳初期牛は栄養要求量が高い g/B/頭と範囲 本 試 験 で の FCM量は 3-39k . •• 60 50 一方, CP含量と GEEの関係は乳量レベルのみ ため,必然的に飼料中の CP含量が高くなる。本試 験でも飼料中 CP含量が高いほど乳量が高かっ た。しかし,乳量が高くても GEEは必ずしも高く はならなかった。これは, CP含量の増加に伴う乳 40 量の増加割合が小きかったためである。このこと 誕 百 U』 3 0 は GEEの点からみて適切な飼料中 CP含量があ c l 20 Y=O.9305X+1 6 . 3 7 6 R2=O5579 ( r = 0. 75,P < O . O l ) 目 。 。 ることを示唆しているが,本試験では明らかでは なかった。 NEEは , MILKE と ME摂取量の比で表され 1 0 20 30 40 FCM量(同I d ) 図1 8 . 日FCM量と GEEとの関係 る GEEのうち,分母である ME摂取量から体維 持に要する MEを差し引くことによって生産に v a i l a b l ef o rP r o d u c t i o n : 利用可能な ME(MEA MEP)叫 の 午 乳 生 産 へ の 利 用 効 率 を 表 わ し た 指 が広く,そのため GEEの分子である MILK E 本雲である。すなわち, NEEを用いることにより, (MJ/日/頭)の変動は大きかったと推察される。ー 体重の異なる個体聞においても,泌乳能力,産次, 方,分母にあたる ME摂取量 (MJ/日/頭)全体の 給与飼料の質と量の組み合わせ,あるいは給与方 うち,維持に相当する MEは約 40%である。通 法の違いが牛乳生産のエネルギ一利用効率に及ほ、 常 , 1乳期飼養下での体重変化は乳量変化にくら す影響を比較検討できると考えられる。 べ小さい。すなわち,上記のような GEEの変動は 本研究のエネルギー出納試験により得られた ME摂取量の変動にくらべ MILKEの低下割合 NEEの平均値は 5 9 . 2%であった。 GORDON e t 22 a . 1 )は NEEという表現は用いていないが,同様 が大きいことにより生じると考えられた。 さらに,出納試験時に記録された乳量は必ずし に計算された指標 (MILKE/MEPx1 0 0 )を用い も出納試験時の飼料摂取量のみを反映していると て牛乳生産のエネルギ一利用効率に対する乳牛遺 は限らず,それ以前の飼料摂取量の影響を多少な I)と飼料の給与方法(粗飼料,濃厚飼料 伝指数 (CG りとも受けていると考えられる。飼料摂取量とそ 混合または分離給与)の影響を検討した。給与飼 i m el a gがあり,数日 れに対応する乳量には必ず t 料の粗飼料割合は 33-36%と本試験にくらべ低 間でのエネルギーの出納では GEEにある程度の かったが, MILKE/MEPX100=47-58%なる値 変動が生じるのは当然で、あろう。 GEEに対する産次の影響については,経産牛に が得られ,遺伝的な泌乳能力が高い牛ほど効率が 高<.また,飼料給与方法としては粗飼料,濃厚 くらべ初産牛で GEEが低かったとする大久保ら 飼料混合給与の効率が高かったと報告している o の報告 57) と同様な結果であった。本試験でも経産 本試験での平均値 5 9 . 2%は GORDON e ta. lの報 牛にくらべ初産牛の乳量が低かったように,一般 告 22) にくらべやや高い程度であったが, CVは 1 0 2 北海道大学農学部農場研究報告 第 3 1号 2 7 . 7%と変動が大きかった。本試験での FCM量 産牛にくらべ初産牛で低かったが ( P < 0 . 0 5 ), と NEEとの関係(図 1 9 )をみてみると,有意な正 NEEには差はなかった。初産牛と経産牛で飼料 の相関関係が認められたが ( P < O . ol ) , GEEの場 構成,成分およびその摂取量はほぼ、同様で、あった 合とは異なり,その相関係数 ( r = 0 . 2 3 )は低かっ ことから,本試験の範囲内で考えると,初産牛と た 。 NEEは FCM量にかかわらず,平均値を中心 経産牛とでは NEEは変わらないということがで にある変動幅をもち一定に推移する傾向にあった きるだろう。 が , NEEと乳量レベルとの関係は必ずしも明確 以上,本章ではエネルギー出納試験から飼料の ではなかった。また, NEEの分母である (MEI エネルギー消化率, qおよび、午乳生産のエネルギ M J I日/頭)の CVは 3 4 . 6%であり, NEE MEm)( 一利用効率を算出し,それらに影響を及ぽす諸要 の分子にあたる前述の MILKE と同様に変動が 因との関連を検討した。その結果,飼料中の粗飼 大きかった。すなわち,これらのことは NEEの変 料割合が高くなってもエネルギー消化率および q 動は必ずしも乳量レベルだけに起因するものでは は必ずしも低下しなかった。また, GEEの変動に ないことを表わしており,その他の要因として遺 は乳量レベルが大きく関与していたが, NEEの 伝的な泌乳能力の違いも考えられる。 変動は必ずしも乳量レベルだけに起因するもので さらに, NEEの変動要因として GEEの場合と はないことが示唆された。本試験では,飼料構成 が多様な飼料給与条件下で 1乳期間中の様々な乳 •• 140 120 期の泌乳牛を用いていた。しかしそこで得られ ( r = O . 2 3, P<O.Ol) た GEEおよび NEEの値はエネルギー出納試験 時という限られた期間での効率であり ∞ 1乳期生 産時での効率を検討する場合には,これらのみで 1 は必ずしも十分とはいえない。 1乳期生産時での . 1. . . ・ _ . ・ . 巴 80 t I . .-嬢駒子園 40 牛乳生産のエネルギ一利用効率に関与する要因に ついて考える場合には,さらに 1乳期を通じての 飼養試験成績から検討する必要があろう。これに ついては,第 I V 章で論ずる。 5 . 小括 。 D 10 20 30 40 FCM 量(匂/ d J 図1 9 . 日FCM量と NEEとの関係 飼料構成が多様な飼料給与条件下で 1乳期間中 1 8頭用いて行ったエ の様々な乳期の泌乳牛延べ 2 ネルギー出納試験の成績を解析し,自給粗飼料多 給飼養下における飼料のエネルギー消化率, qお 同様なことも考えられる。すなわち,出納試験時 よび牛乳生産のエネルギ一利用効率とそれらに影 に記録された乳量は必ずしも出納試験時の飼料摂 響を及ぽす諸要因との関連について検討した。 取量のみを反映しているとは限らず,それ以前の 摂取飼料中粗飼料割合の平均が 7 l .0%で,エネ 飼料摂取量の影響を多少なりとも受けている可能 ルギー消化率および qの平均値はそれぞれ 6 5 . 2 性がある。本試験で得られた NEEのなかで 1 0 0 %および 5 4 . 5%であり,飼料中の粗飼料割合が高 %を超えるものがみられたが(図 1 9 ),これは上記 くなってもエネルギー消化率および qは必ずし の要因が関連しているのであろう。 も低下しなかった。また,エネルギー消化率およ NEEを用いることにより,初産牛と経産牛の び qともに平均値を中心に上下 1 0%単位程度の 1 0 0kgの体重差を考えずに牛乳生産のエネル 変動がみられた。エネルギー消佑率および、 qの変 キ、一利用効率を検討することができる。 GEEは経 動には飼料中粗飼料割合と摂取レベルが大きく関 約 中辻 1 0 3 泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 与していた。通常の 1乳期飼養下では,乳期の進 2 . 解析に用いたデータおよび解析方法 行に伴い飼料中の組飼料割合は高くなる一方で-摂 1 9 8 4年 5月から 1 9 9 3年 4月までの 9年間にホ 取レベルは低下することから,エネルギー消化率 ルスタイン種泌乳牛を用いて実施した飼養試験で および qに対する両者の影響が相殺され上記の 1乳期を終了したものの中から,泌乳日数が 2 8 0 日以上であった延べ 1 0 8頭の成績を解析に用い ような変動が生じた。 GEEの平均値は 3 5 . 6%であった。また, GEE の変動の多くは乳量レベルに起因していた。通常 I章 た。飼養試験実施方法の詳細については,第 I で述べた通りである。 の 1乳期飼養下では ME摂 取 量 の 変 動 に く ら べ I ) は データの解析にあたり, ME摂 取 量 (ME 乳量の低下割合が大きいことから GEEに変動が GE摂取量 (GEI)に第皿章で求めた qを乗じて算 生じた。一方, NEEの平均値は 5 9 . 2%であった。 出した。なお, qは飼養試験と同時期に各処理群毎 GEEとは異なり, NEEの変動は必ずしも乳量レ に行なったエネルギー出納試験で得られた値を?必 ベルだけに起因するものではないことが示唆され 0日まで),中期 (81-210日)およ 乳初期(分娩後 8 た 。 2 1 1日以降)ごとに分け,各乳期に相当す び後期 ( V章 粗 飼 料 多 給 飼 養 下 に お け る l乳期生産時 第I での牛乳生産のエネルギ一利用効率 一一飼養試験成績からの検討一一 る牛に適用した。 MEmの算出には 1乳期間の平 I I章と同様に算出した。また, 均体重を用い,第 I MILKE,GEEおよび NEEについても第 I I I章と 同様に算出した。 1 . 目的 第四章ではエネルギー出納試験から飼料のエネ ルギー消化率, qおよび、牛乳生産のエネルギ一利 用効率を算出し,それらに影響を及ぽす諸要因と の関連を検討してきた。そこでは飼料構成が多様 3 . 結果 1 ) 1乳期産乳成績 解析に用いた飼養試験供試牛,延べ 1 0 8頭の 1 乳期産乳成績の平均値とその範囲を表 2 7に示し な飼料給与条件下で 1乳期間中の様々な乳期の泌 1頭 , R群 : た。処理群毎の頭数内訳は, C群 :2 乳牛を用いて出納試験を行なった。しかし,得ら 2 1頭 , R1群 :2 1頭 , R2群 :2 2頭 お よ び R3 れた GEEおよび NEEの値はエネルギー出納試 群 :2 3頭であった。 1乳期(平均 3 0 0日間)を通じ 験時という限られた期間での効率であり 1乳期 8.1-85.4% て摂取した飼料中の粗飼料割合は 5 生産時での効率を検討する場合には,これらのみ の範囲であり,平均 7 4 . 4%であった。濃厚飼料の では必ずしも十分とはいえない。 1乳期生産時で 乾物摂取量および総乾物摂取量の平均値はそれぞ、 の牛乳生産のエネルギ一利用効率に関与する要因 4 0 4kgおよび 5, 3 9 9kgであり れ 1, 1日 1頭当 について考える場合には,さらに l乳期を通じて . 7および 1 8 . 0kgであった。総 りに換算すると 4 の飼養試験成績から検討する必要があるが,これ 乾物摂取量は 1乳期平均体重に対して約 2.8%に までにこのような研究報告は見当たらない。 340-9, 3 3 8 相当した。 1乳 期 乳 量 は 実 乳 量 で 3, そこで,本章では,自給粗飼料の種類,量およ kg,FCM量では 3, 493-8, 2 0 7kgと広範囲であ びそれらの組み合わせの異なる条件下での 1乳期 1 8 9kgおよび 5, 9 5 1kgで り,平均でそれぞれ 6, 飼養試験成績に,同時期に行ったエネルギー出納 あった。 1日 1頭 当 り に す る と , 実 乳 量 お よ び 試験で得た q を適用して 1乳期生産時での GEE FCM量 で そ れ ぞ れ 2 0 . 6kgお よ び 1 9 . 8kgであ 1乳 期 を 通 じ て の 体 重 変 化 量 は , -78 および NEEを算出し,それらに影響を及ぽす諸 った。 要因との関連について検討した。 -+188kgと様々であり,平均 +75kgであった。 0.25kgに相当した。 日増体量にすると + 北海道大学農学部農場研究報告 1 0 4 第3 1号 表2 7 . 飼養試験供試牛における 1乳期産乳成績の平均値とその範囲 (n=108) 平均 2 . 7 3 0 0 6, 1 8 9 5 . 9 5 1 3 . 8 0 8 . 8 6 6 4 5 +75 1, 4 0 4 3, 9 9 5 5 . 3 9 9 7 4 . 4 産次 搾乳日数 乳量 ( k g ) FCM量( k g ) 乳脂肪率(%) SNF率(%) 体重 ( k g ) 体重変化量 ( k g ) 濃厚飼料摂取量 ( k g D M ) 粗飼料摂取量 ( k g D M ) 総飼料摂取量 ( k g D M ) 粗飼料割合(%) 最小値 1 2 8 0 3, 3 4 0 49 3 3. 3 . 1 4 8 . 2 6 4 9 8 -78 6 7 5 0 4 4 3, 0 6 8 4, 5 8 . 1 2 ) 1乳期生産時で、のエネルギー摂取量および 最大値 SD 1 .6 9 3 0 5 8 . 5 2 7 0 . 6 9, 3 3 8 1, 1 8 2 . 3 8, 2 0 7 1, 4 . 8 9 0 . 3 9 . 3 1 0 . 2 7 0 . 7 7 8 4 +188 5 6 . 8 8 9 4 4 5 8 . 8 2, 3 6 1 . 4 4, 9 6 4 6, 9 1 4 5 9 7 . 9 8 5 . 4 6 . 2 CV(%) 6 0 . 0 2 . 8 2 0 . 5 1 9 . 9 8 . 9 2 . 8 1 1 .0 7 5 . 8 3 2 . 7 9 . 0 1 1 .1 8 . 3 3)乳量レベル別の 1乳期産乳成績,エネルギ ー摂取量および、牛乳生産のエネルギ一利用効 牛乳生産のエネルギ一利用効率 第I I I章 で 求 め た q を適用して算出した 1乳 期 率 生産時で、のエネルギー摂取量およひー牛乳生産のエ 1乳 期 産 乳 成 績 を FCM量 に よ っ て 4, 000kg ネルギ一利用効率の平均値とその範囲を表 28に 未満, 4, 000kg台 , 5, 000kg台 , 6, 000kg台 , 7, E Iの 平 均 値 ( C V )は 100,524MJ 示した。総G OOOkg台 お よ び 8, 000kg以 上 に 分 け て 表 2 9に ( 11 .0%), 1日 1頭当りおよび代謝体重当りでは 示した。乳量レベルが高いほど平均産次が高かっ それぞれ 335および 2.62MJであった。また,総 た 。 1乳期を通じての摂取飼料中の粗飼料割合は MEIの平均値 ( C V )は 54,671MJ(13.2%), 1日 8, 000kg以上で低い傾向を示したが, 64.1-80.5 I頭当りおよび代謝体重当りではそれぞれ 182お %であり,いずれの乳量レベルの牛も粗飼料割合 よび1.42M Jであった。 GEEおよび NEEの平均 の高い飼料を摂取していた。濃厚飼料乾物摂取量 , 値は 34.5および 56.8% CVは 12.8および 13. は乳量に応じて給与していたことから 873-2, 367 kgと 大 き な 差 が あ っ た 。 総 乾 物 摂 取 量 は 4, 470 6 %であった。 表2 8 . 1乳期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産効率の平 均値とその範囲 (n=108) q 平均 最小値 最大値 一一一一一一一ー % 一一一一一一一 5 4 . 3 4 9 . 7 5 9 . 8 SD 3 . 2 MJ G E I MEI MEm MILKE 1 0 0, 5 2 4 5 4, 6 7 1 2 0, 8 2 1 1 8, 9 1 6 3 4 . 5 5 6 . 8 2 2 . 8 3 9 . 2 % 6 . 0 % 5 5 9 1 2 9, 6 2 0 1 1, 1 0 1 . 5 7 5, 0, 3 1 8 7, 4 0 0 7 2 3 0 . 6 3 8, 2 2 0 2 7, 7 6 9 1 .8 2 5 . 6 1 7, 9 4 9 2 6, 5 9 0 3, 7 1 6 . 7 1 0, 1 1 . 0 1 3 . 2 8 . 8 1 9 . 6 % % GEE NEE CV 4 4 . 1 7 7 . 9 4 . 4 7 . 7 1 2 . 8 1 3 . 6 1 0 5 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 表2 9 . 乳量別の 1乳期産乳成績 9 9 9 -3, 延べ頭数 産次 1 .0 土 0 . 0 搾乳日数 2 9 6土11 .6 乳量 ( k g ) 3, 7 7 8: t229.1 k g ) FCM量 ( 6 6 3士1 6 5 . 5 3, 乳脂肪率(%) 3 . 8 7士 0 . 3 8 . 9 5: t0 . 2 SNF率(%) 体重 ( k g ) t109.3 5 7 8: 体重変化量 ( k g ) +98: t26.0 濃厚飼料摂取量 (kgDM) 8 1 7 . 8 7 3土1 粗飼料摂取量 (kgDM) 3, 5 9 7: t3 5 5 .5 総飼料摂取量 (kgDM) 4, 4 7 0士4 3 4 . 2 粗飼料割合(%) 8 0 . 5: t1 .9 4, 000-4, 9 9 9 2 0 1 .4 士 0 . 8 . 8 3 0 0士 7 4, 7 8 7士3 4 8 . 3 4, 6 0 5士2 6 2 .9 3 . 8 1士 0 . 3 8 . 9 1: t0 . 2 5 8 0: t63.7 +1 0 8: t48.2 1, 0 1 9土2 71 .9 3, 7 8 2土2 9 2 . 5 4, 8 0 1士3 9 5 . 9 7 8 . 9士 4. 4 FCM量 ( k g ) 5, 000-5, 9 9 9 6, 000-6, 9 9 9 2 8 3 0 t1 .4 3 . 0: 2 . 8: t1 .8 0 l : t7 . 8 3 2 9 8: t10.0 5, 8 04 : t3 01 .2 6, 7 1 3土4 9 2 . 1 5, 5 3 8: t264. 2 6, 4 8 8土2 8 7 . 3 . 4 . 8 4士 0 3 . 7 4土 0 . 3 3 . 8 3士 0 . 3 8 . 8 5土 0 . 3 8 t52.0 6 6 3: 6 5 2土6 2 . 2 十6 3: t65.9 +76士4 5 . 4 1, 3 3 5士3 4 6 . 8 1, 5 4 1土3 5 0 . 0 4, 0 3 7: t3 61 .1 3, 9 9 7士3 1 4 . 9 5, 3 7 2: t432.7 5, 5 3 8士3 4 6 . 6 2 . 3: t 5.4 7 5 .3 : t5 . 3 7 7, 000-7, 9 9 9 2 0 3 . 7土1.4 3 0 3士 6 . 5 7, 6 4 4士5 3 5 . 8 7, 4 17 : t2 6 7 . 9 t 0.4 3 . 8 4: 8 . 8 8土 0 . 2 6 8 7土4 3 . 9 t56.4 +63: 1, 6 6 9士3 9 5 . 9 4, 2 2 1: t315.2 5, 8 9 0土3 4 3 . 2 71 .8: t 5.6 8, 0004 4 . 0土1.2 3 0 4士1.2 8, 7 5 4士4 2 3 . 7 8, 1 1 4: t82.0 3 . 5 4: t 03 8 . 5 8土 0 . 1 6 9 4土5 2 . 4 +14士6 5 . 9 2, 3 67 : t5 2 6 . 2 4, 1 9 5: t309.9 6, 5 6 2土3 1 8 . 7 6 4 . 1士 6 . 6 目 -6, 562kg, 1日 1頭当りおよび体重比ではそれ 41-2.96MJとなり,乳量レベルが高い時 よぴ 2. ぞれ 15.1-21 .6kgおよび 2.65-3.12%であり, ほど高い値を示した。総 MEIは 42, 956-67, 028 FCM量が多いほど高かった。 1乳期を通しての MJ,l日 1頭当りおよび代謝体重当りではそれぞ 体重の変化量は +14-+108kgであり,日増体量 れ 145-220および1.24-1 .64MJであり, FCM にすると十 0.05-十0.36kgとなり, FCM量が多 量が多い時ほど高かった。一方, MEmが MEIに いほど{5;ぃイ直を示した。 占める割合は FCM量が多い時ほど低い値を示し 乳量別の 1乳期生産時でのエネルギー摂取量お た 。 GEEは 27.4-38.4%であり, FCM量が多い よび午乳生産のエネルギ一利用効率を表 30に示 時 ほ ど 高 か っ た (P<0.05)。一方, NEEは 54.7 した。総 GEIは 83, 186-121, 667MJ ,1日 1頭当 -58.7%であり,乳量レベルの違いによる差は認 りおよび代謝体重当りではそれぞれ 281-400お められなかった。 表3 0 . 乳量別の 1乳期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産効率 9 9 9 -3, 000-4, 9 9 9 4, 5, 000-5, 9 9 9 FCM量 ( k g ) 6, 000-6, 9 9 9 7, 000-7, 9 9 9 8, 000- % q GEI MEI ME m MILKE 5 1 .6 士3 . 2 5 3 . 7土 3 . 1 8 3, 1 8 6: t8, 5 5 9 . 4 4 2, 9 5 6土4, 2 7 9 . 1 2 1, 9 8 5士3, 0 6 9 . 6 1 1, 6 87 : 1 : : 5 0 6 . 1 8 9, 3 7 0士7, 2 1 2 . 7 4 8, 0 34 : t4, 3 6 0 . 0 2 1, 3 8 2: t2, 0 4 5 .9 1 4, 6 8 5: t7 9 7 . 4 2 7 . 4土 2 . 8 " . 9 5 6 . 0土 3 3 0 . 7土 2 . 3ab 5 6 . 2士 7 . 2 . 3 5 5 . 8士 3 . 4 5 5 . 0: t2 . 8 5 4 . 4士 3 MJ 9 9, 8 6 3士7, 4 6 7 . 81 0 3, 0 6 0: t6, 9 5 6 . 61 1 0, 0 9 1土6, 0 5 4 . 71 2 , 16 67 : 1 : :6, 4 5 5 . 9 5 3, 8 3 6士4, 7 3 4 . 1 5 6, 1 9 8: t5, 2 5 2 . 0 6 1, 4 6 4土4, 5 6 3 . 6 6 7, 0 2 8士2, 9 8 4 . 3 2 0, 8 4 9: t1, 7 5 3 .4 2 0, 4 9 7: t1, 8 0 5 . 7 2 0, 4 8 6士1, 1 8 4 . 3 1 9, 9 97 : 1 : :1, 1 2 2 . 4 1 7, 6 5 2: t8 5 68 2 0, 5 8 6土 9 0 2 . 8 2 3, 5 34 : t 9 4 9 . 1 2 5, 5 9 9土 6 6 9 . 4 5 3 . 9土 4 . 7 目 % GEE NEE a, b, c , d :異文字聞に有意差あり ( pく 0 . 0 5 ) 3 3 . 0土 3 . 2abc 5 4 . 9土 9 . 1 3 6 . 9: t3 . 6bCd . 3 5 8 . 7士 8 3 8 . 4: t2 . 4", d 5 8 . 0土 5 . 9 bCd 3 8 . 2士1.8 5 4 .7 : 1 : :4 . 6 1 0 6 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 4)初産,経産別の 1乳期産乳成績,エネルギ た。総乾物摂取量は, 4, 817と 5, 634kg,1 日 1頭 ー摂取量および、牛乳生産のエネルギ一利用効 当りでは, 16.1と 18.8kgとなり,いずれも経産 率 牛で高かった。しかし,体重比に換算すると初産, 経産牛ともに 2.80%となり,差は認められなかっ l乳期産乳成績を初産,経産別に分けて表 31に 示した。乳量は初産および経産牛でそれぞ、れ実乳 た 。 1乳期を通じての体重変化量はそれぞ、れ +104 量 4, 842と 6, 731kg,FCM量 4, 683と 6, 461kg と+63kg,日増体量にすると +0.35と+0.21kg であり,いずれも経産牛が高かった。 1乳期を通 となり,いずれも初産牛が大きかった。 じての摂取飼料中の粗飼料割合は初産,経産牛の 初産,経産別の l乳期生産時でのエネルギー摂 いずれも 70%以上であり,粗飼料割合の高い飼料 取量および牛乳生産のエネルギ一利用効率を表 を摂取していた。濃厚飼料の乾物摂取量は初産お 32に 示 し た 。 総 132と 1, 514kgであっ よび経産午でそれぞれ 1, 104, 914MJ, 1日 1頭当りおよび代謝体重当りに GEIは そ れ ぞ れ 89,619 と 表31.産次別の 1乳期産乳成績 産次 初産 3 1 1 .0士 0 . 0 2 9 9: t8 . 9 4, 8 4 2土 7 8 3 . 7 4, 6 8 3士7 5 5 . 4 3 . 8 4: t0 . 4 8 . 9 4: t0 . 2 5 7 9土 6 7 . 4 +104: t4 4 . 5 1 3 2土 4 1 0 . 5 1, 6 8 4土 3 0 8 . 6 3, 4 . 8 1 7: t4 8 3 . 2 7 6 . 9: t6 . 4 延べ頭数 産次 搾乳日数 乳量 ( k g ) FCM量 ( k g ) 乳脂肪率(%) SNF率(%) 体重 ( k g ) 体重変化量 ( k g ) 濃厚飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料摂取量 (kgDM) 総飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料割合(%) 経産 7 7 3 . 4土1.4 t8 . 4 3 0 0: 3l : t9 9 6 . 1 6,7 6, 4 6 1土 9 0 7 . 4 . 3 3 . 7 8士 0 8 . 8 2: t0 . 3 6 7 2土 5 2 . 2 +63士51 .7 1,5 14 : t4 3 2 .9 1 2 0土 3 0 2 . 1 4, t4 6 6 . 0 5 . 6 3 4: t5 . 8 7 3 . 4: 表3 2 . 産次別の 1乳期生産時で のエネルギー摂取量および牛乳生産効率 b 産次 初産 経産 % q GEI MEI ME n , MILKE GEE NEE 5 3 . 6: t3 . 1 MJ 6 1 9: t8, 9 9 2 . 4 8 9, 0 9 3土4, 9 9 4 . 4 4 8, 2 2, 3 2l : t1, 8 1 0 . 6 9 6 0土 2, 4 1 4 . 2 1 4, % 3 1 . 1 土 3 . 6A t7 . 2 5 8. 5: A,B:異文字聞に有意差あり ( P < O . O l) 5 4 . 5: t3 . 3 1 0 4, 9 1 4: t8, 5 7 6 . 4 3 1 9土 6, 2 4 5 . 7 5 7, 2 17 : t1, 4 5 3 . 1 2 0, 2 0, 5 0 8土 2, 8 6 3 . 0 3 5 . 9土 4 . 08 5 6 . 1: t7 . 8 中辻.泌乳午の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 0 7 するとそれぞれ 300と 350M], 2.54と 2.65M] 1乳期を通じての摂取飼料中の粗飼料割合は,濃 であり,いずれも経産牛で高かった。総 MEIは 48, 093と 57, 319M] , 1 B1頭当りおよび代謝体 厚飼料給与レベルが高かった C群 が 60%台と最 重当りに換算すると 161 と 191M ], 1 .37と1.45 た。濃厚飼料乾物摂取量は C群 が 2, 000kg以 上 も低い値を示し,その他の群は 75%以上であっ M]と,いずれも経産牛で高かった。 MEmが MEI 081-1, 330kgの範囲で と最も高く,他の群は 1, に占める割合は乳量の多かった経産牛で低かっ あった。総乾物摂取量は 4, 910-5, 845kg ,1日 1 た 。 GEEは 31 .1と 35.9%であり,乳量レベルの 高かった経産牛が初産牛にくらべ有意に高い値で あった ( Pく 0.05)。一方, NEEは , 58.5と 56.1% であり,産次の違いによる差は認められなかった。 頭当りおよび体重比ではそれぞれ 16.5-19.4kg お よ び 2.73-2.88%の範囲であり,いずれも C 群が最も高く, R 3群が最も低かった。 処理群毎の粗飼料摂取量の内訳は, C群ではコ ーンサイレージと乾草が粗飼料全体の 70%以 上 5) 給与粗飼料構成別の 1乳期産乳成績,エネ を占めており,次いで放牧地草,グラスサイレー ルギー摂取量および牛乳生産のエネルギ一利 )群は,夏季開を通じて ジの順であった。 (R+R1 用効率 放牧地草を多給,冬季聞はコーンサイレージを多 1乳期産乳成績を給与粗飼料の種類,量とそれ 給しており,放牧地草とコーンサイレージの割合 C,(R十 R I ) , R 2および、 はほぼ同じで,両者で粗飼料全体の約 60%を占め R 3群の 4つの処理群に分けて表 33に示した。な ていた。その他,グラスサイレージ,乾草,アル お , R および R1群は,試験実施時期は異なって フア/レフアサイレージの順であった。 らの組み合わせの異なる いたが,粗飼料の種類,量およびそれらの組み合 わせは同じであったので同一群として解析した。 R2群では,夏季の一時期に放牧を制限してグ ラスサイレージを増給したため,放牧地草は (R+ 表3 3 . 給与粗飼料構成別の l乳期産乳成績 処理群 C 延べ頭数 産次 搾乳日数 乳量 ( k g ) FCM量 ( k g ) 乳脂肪率(%) SNF率(%) 体重 ( k g ) 体重変化量 ( k g ) k g D M ) 濃厚飼料摂取量 ( 粗飼料摂取量 ( k g D M ) コーンサイレージ グラスサイレージ アルフアルフアサイレージ 乾草 放牧地草 総飼料摂取量 ( k g D M ) 粗飼料割合(%) 2 1 3 . 0士 2 . 1 3 01 : : 1 : :7 . 9 6, 3 87 : : 1 : : , 11 6 4 . 7 6, 1 9 9土 1, 0 4 9 . 3 3 . 8 6土 0. 4 8 . 9 1: 1 :0 . 3 6 7 7: 1 :6 6 . 5 十1 1 1: 1 :4 6 . 68 2, 0 9 9土 3 5 6 . 9 3, 7 4 6土 2 1 3 . 8 , 14 6 9士2 1 0 . 9 ( 3 9 ) 3 9 1: 1 :1 6 2 . 1( 10 ) , 12 0 5: 1 :2 1 0 . 7( 3 3 ) 6 8 1土 1 9 7 . 2 ( 1 8 ) 5, 8 4 5土 4 6 8 . 1 6 4 . 3: 1 :3 . 6 A, s 異文字聞に有意差あり (pく 0 . 01 ) )内は,粗飼料摂取量に占める割合(%) R+R1 4 2 2 . 6: 1 : 1 .6 . 9 3 0 2士 6 2 1 7士1, 3 41 .3 6, 9 1 8: 1 :1 , 2 61 .7 5, 3‘7 1: 1 :0 . 3 8 . 8 0土 0 . 2 0 . 1 6 4 8土 7 +71士5 0 . 7A 2 7 4士2 9 5 . 7 1, 1 4 6: 1 :3 7 7. 9 4, , 13 4 6: 1 :4 4 6 . 7 ( 3 2 ) 1 :2 6 6 . 5 ( 2 2 ) 9 0 9: 1 3 0士2 2 9 . 6(3 ) 7 8 . 1( 1 6 ) 6 5 7士1 1 0 4: 1 :2 6 7 . 4 ( 2 7 ) 1, 4 2 0土 5 8 3. 4 5, 1 :3 . 7 7 6 . 7: R2 2 2 2 . 6: 1 :1 .3 2 9 8土 1 0 . 6 6, 3 9 5土 1, 2 0 7 . 3 6, 1 5 1士1, 1 1 9 . 9 3 . 8 1: 1 :0 . 3 8 . 9 4: 1 :0 . 3 6 5 0土 6 5 . 0 +71: 1 :5 9 .1 ' 1 .3 3 0士3 4 0 . 0 4, 1 1 6: 1 :3 2 3 . 2 3 6土 3 6 2 . 8( 3 0 ) 1, 1 :3 0 0 . 5 ( 2 2 ) 9 1 6: 5 3 . 2 ( 2 0 ) 8 0 9土 3 2 6 . 7 ( 1 3 ) 5 2 7士 1 6 1 . 9( 15 ) 6 2 7士 1 5, 4 4 5士5 6 7 . 5 1 :4 . 4 7 5 . 9: 。 R3 2 3 1 :1 .5 2 . 7: . 9 2 9 8土 8 5, 7 5 8士1, 2 6 4 . 4 5, 5 9 2: 1 :1 , 1 8 2 . 5 1 : 03 3 . 8 9: . 3 8 . 8 2土 0 7 . 6 6 0 7土 6 十5 2士61.1A 0 8 1: 1 :1 6 2 . 5 1, 3, 8 2 9: 1 :2 8 6 . 1 6 1土 3 5 7 . 5 ( 3 0 ) 1, 2 8 . 0(9 ) 3 6 2士1 1 :1 21 . 8( 1 7 ) 6 6 9: 5 8 1: : 1 : : 60 . 5( 1 6 ) 1, 0 5 7土 1 8 6 . 2 ( 2 8 ) 9 1 0: : 1 : :3 9 3 . 5 4, . 3 7 8 . 1士 2 司 。 1 0 8 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 R 1)群の約 1 / 2量であった。また,冬季ではコー 代謝体重当りではそれぞ、れ, 159-200と1.31-1 . ンサイレージにアルフアルフアサイレージを併給 56M]であり, R2群が最も高く, R3群で最も低 )群にくらべてアルフアルフア したため, (R十R1 かった。 MEmが MEIに占めるの割合は R3群が サイレージの割合が多く,かつグラスサイレージ 41 .3%と最も高<, R2群は 34.5%と最も低かっ とアルフアルフアサイレージで粗飼料全体の約 た 。 GEEは 32.9-36.8%の範囲であり, R3群が 40%を占めていた。 他 の 処 理 群 に く ら べ て 有 意 に 高 か っ た (P< R3群は,夏季は (R+R 1 )群,冬季は R2群の 0 . 0 5 )。また, NEEは 50.9-63.0%の範囲であ 処理とを組み合わせた群であり, (R+R1)群と同 り , R3群が他の群にくらべて有意に高< (P<O. 様,放牧地草とコーンサイレージで粗飼料全体の 0 5 ),一方 R2群が有意に低かった (P<0.05)。 約 60%を占めていた。その他,アルフアルフアサ 6)分娩季節別の 1乳期産乳成績,エネルギー イレージ,乾草,グラスサイレージの順であった。 1乳 期 乳 量 は 実 乳 量 5, 758-6, 395kg , FCM 摂取量および牛乳生産のエネルギ一利用 量 5, 592-6, 199kgの範囲であり,いずれも R3 効率 全データを分娩季節の違いにより,春分娩(3 群でやや低かったがその差は有意ではなかった。 1乳期を通じての体重変化量は +52-+111kg , -6月),夏・秋分娩 (7-10月)および冬分娩 日増体量では十 0.05-+0.17kgであり,濃厚飼 (11-2月)の 3つに分け,処理群別にまとめた。 料レベルの高かった C群が最も高く, R3群 が 最 なお比較を容易にするため,粗飼料給与レベルが もイ岳いイ直であった。 ),R2および、 R3群のみを 同一で、あった (R+R1 給与粗飼料構成別の 1乳期生産時でのエネルギ 解析した。 ー摂取量および牛乳生産のエネルギ一利用効率を a) 春分娩午 1, 606-108, 112M], 表 34に示した。総 GEIは 9 1日 I頭当りおよび代謝体重当りではそれぞれ , 1乳期生 春分娩牛の I乳期産乳成績を表 35に 359-307と 2.52-2.71M]の範囲であり,いずれ 産時でのエネルギー摂取量および、午乳生産のエネ も C群が最も高く, R3群 が 最 も 低 か っ た 。 総 ルギ一利用効率を表 36に処理群別に示した。総乾 MEIは 47, 521-59, 543M],1日 1頭当りおよび )と R2群 物摂取量は R3群 に く ら べ て (R+R 1 表3 4 . 給与粗飼料構成別の 1 乳期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産効率 処理群 R+R1 C R2 R3 % q GEI MEI MEm MILKE 5 3 . 4: t0 . 9 1 0 8, 1 l2: t9, 4 5 4 . 4 9 7 5土 4, 6 7 4 . 2 5 7, 2 1, 7 7 8: t1, 6 9 6 .9 7 2 9: t3, 2 21.3 1 9, 5 8 . 5: t0 . 9 MJ 1 0 0, 9 4 5土 1 0, 8 6 4 . 3 1 0 1, 8 0 0: t1 0, 2 5 9 . 3 5 4, 3 8l : t 6, 9 7 4 . 0 5 9, 5 4 3土 6, 0 51.4 2 1, 1 3 4土 1, 7 9 6 . 3 2 0, 5 7 2: t, 19 1 5 . 6 1 8, 7 9 3: t 3, 9 6 9 . 3 1 7 3 0士 3, 5 9 0 . 0 9, 5 3 . 9士 3 . 4 5 1 .7 土1.3 。 6 0 6土 7, 5 91.7 9 1, 4 7, 5 2l : t4, 5 8 9 . 1 9, 6 1 2土 1, 1 9 4 . 2 1 7, 6 1 7: t3, 6 0 5 . 8 % GEE NEE t3 . 8 " 3 3 . 9: 5 4 . 9土 7 . 1B : t4 . 5 " 3 4 .4 5 7 . 3: t7 . 8B a, b :異文字聞に有意差あり ( P < O . 0 5 ) A,B, C 異文字問に有意差あり ( P < O . Ol ) 3 2 . 9士 3 . 5 " 5 0 . 9: t5 . 2A 3 6 . 8: t4 . 9b 6 3 . 0土 5 . 1C 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 109 が高い傾向を示した。 FCM量は 4.682-5.622kg .0-34.3%の範囲で が最も低かった。 GEEは 31 の範囲であり. R 3群にくらべて (R+R 1 )と R 2 あり,処理群問で差は認められなかった。また, 群が約 1.000kg高かったが,個体聞での変動が大 NEEは 49.5-61 .4%の範囲であり, R 2群 が 最 きしその差は有意で、はなかった。いずれの群も )および R 3群にくらべて,その も低く, (R十 R 1 1乳期を通じて +79-+90kgの体重変化があっ P < O . O l )。 差は有意で、あった ( た。総 GEIと総 MEIは R 2群が最も高く .R3群 表3 5 . 春 分 娩 牛 の 1乳 期 産 乳 成 績 処理群 延ぺ頭数 産次 搾乳日数 乳量 ( k g ) FCM量 ( k g ) 乳脂肪率(%) SNF率(%) 体重 ( k g ) 。 。 体重変化量 ( k g ) 濃厚飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料摂取量 (kgDM) コーンサイレージ グラスサイレージ アルフアルフアサイレージ 乾草 放牧地草 総飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料割合(%) R+R1 1 3 2 . 2土1.2 3 0 0士 8 . 9 b 6, 0 8 4: t1 4 71 .1 6 2 2: t1269.2 5, 3 . 5 7: t0 . 2 8 . 7 5土 0 . 3 t65.7 6 2 8: 十7 9士4 4 . 3 2 2 7: t3 3 8 . 1, 3, 9 4 4: t4 3 0 . 9 3 8: t208.0( 2 4 ) 9 6 3土3 3 3 . 0 ( 2 4 ) 1 2 9土2 2 0 . 4(3 ) 7 3 6士2 51 .7( 19 ) 1, 1 7 8: t227. 1 (3 0 ) 1 7 1土7 1 8 . 7 5, 7 6 . 6土 3 . 6 R2 1 3 2 . 3士1.4 2 97 : t1 0 . 7 5, 7 3 7: t1034.5ab 5, 5 4 5土9 6 5 . 6 3 . 8 5士 0 . 2 8 . 9 7: t0 . 3 6 3 3: t63.2 +90土5 8 . 3 1, 1 4 1: t2 8 2 .2 4, 1 0 6士3 7 4 . 8 1, 0 3 1: t3 1 2 .2( 2 5 ) 1, 0 6 2土2 7 2 . 6 ( 2 6 ) 7 9 9土2 2 8 . 2 ( 1 9 ) 5 3 7士1 3 0 . 5 ( 1 3 ) 6 7 6: t1 4 3 . 2 ( 1 7 ) 5 . 2 4 6: t576.6 7 8 . 5士 3 . 7 R3 1 1 1 .8 士1.1 2 9 8士 9 . 4 4, 8 1 3: t 1 l40.7a 4, 6 8 2土9 7 3 . 3 . 9 6土 0 . 3 8 . 9 3土 0 . 2 5 7 6士7 2 . 0 十8 8: t51.3 1 . 0 0 6土1 9 3 . 3 3, 6 6 2土3 01 .7 4 8 . 5( 2 3 ) 8 4 3士1 4 0 6: tl34 .9( 1 1 ) 6 7 4: t1 2 9 . 8 ( 1 9 ) 5 6 0土7 3 . 9( 15 ) 1 7 9士1 2 8 . 7 ( 3 2 ) 1, 4, 6 6 8: t414.3 7 8 . 5土 2 . 9 。 a,b :異文字問に有意差あり ( Pく 0 . 0 5 ) )内は,粗飼料摂取量に占める割合(%) 表3 6 . 春 分 娩 牛 の 1乳 期 生 産 時 で の エ ネ ル ギ ー 摂 取 量 お よ び 牛 乳 生 産 効 率 処理群 R+R1 q GEI MEI MEm MILKE GEE NEE 5 4 . 4士 3 . 3 0 9 8: tl 3 ,2 6 6 . 2 9 6, 1 8 9土 7, 4 1 5 . 8 5 2, 6 6 4土 1, 3 9 2 . 3 2 0, 1 7, 9 8 9土 3, 9 9 5 . 1 3 4 . 3士 4 . 5 t7 . 9B 5 8 . 0: R2 % 5 8 . 4士 0 . 9 MJ 9 8, 0 3 3士1 0, 4 1 4 . 4 5 7, 2 1 3: t 6, 3 6 4 . 9 2 0, 8 2 8: t 2,170.0 1 7, 8 2 3: t 3,180.9 % 31 .0: t 3.0 4 9 . 5士 5 . 4A A,B:異文字問に有意差あり (P<O.Ol ) R3 t 0.9 5 0 . 6: 8 7, 1 7 7土8, 2 0 2 . 3 4 4, 2 7 9士4, 3 0 0 . 0 1 0 6士1, 2 6 3 . 1 2 0, 8 3 7: t2, 9 8 2 . 6 1 4, t3 . 9 3 3 . 3: 61 .4: t 4.9B 110 北海道大学農学部農場研究報告 第 31号 R3群であり, (R+R1 )群 が 最 も P<O.05)。 体 重 変 化 量 は +9-+79kg 低かった ( の範囲であり, ( R+R1 )群が最も大きく, R2群 b) 夏 ・ 秋 分 娩 午 も高く,ついで 夏・秋分娩牛の 1乳 期 産 乳 成 績 を 表 37に 1乳 期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産の 3 8に処理群別に示した。 R十 R 1 )と R2 総乾物摂取量は春分娩牛と同様, ( 群 が R3群 に く ら べ て 高 い 傾 向 を 示 し た 。 FCM 量 は 5, 2 2 1-7,3 8 8kgの範囲であり, R2群 が 最 エネルギ一利用効率を表 P<O.05)。 総 GEIと 総 MEI が最も小きかった ( R2群が最も高く, (R+R1 )と R3群 は ほ ぼ 同 l .8 3 9 . 8%の範囲であり, 様であった。 GEEは 3 R3群 で 最 も 高 <,最も低かった ( R十 Rl)群にく は 7 . 夏・秋分娩牛の 1乳期産乳成績 表3 処理群 延べ頭数 産次 搾乳日数 乳量 ( k g ) FCM量 ( k g ) 乳脂肪率 (%) SNF率(%) 体重 ( k g ) 体重変化量 ( k g ) 濃厚飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料摂取量 (kgDM) コーンサイレージ グラスサイレージ アルフアルフアサイレージ 乾草 放牧地草 総飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料割合(%) R十 R1 8 2 . 4: t1 .5 3 0 2: t 4.0 5, 4 1 6: t804.5a 5 . 2 2 1士7 6 4 . 3a 3 . 8l : t0 . 4 8 . 8 6土 0 . 2 t 66.7 6 3 0: +79士2 5 . 5b 1, 1 3 0: t225.6 4, 2 3 3土3 6 8 . , 14 67 : 1 : :2 0 6 . 0( 3 5 ) 9 8 5: t2 5 0 . 8 ( 2 3 ) 2 9 0: t313.8( 7 ) 6 6 3土1 9 9 . 5 ( 1 5 ) 8 2 7土7 2 . 5( 2 0 ) 5 . 3 6 3: t535.2 7 9 . 0: t 2.7 。 R2 4 2 . 8: t0 . 5 3 0 5士 0 . 0 c 7, 8 4 9: t8 0 6 .2 7, 3 8 8土8 0 9 . 0c 3 . 6l : t0 . 3 8 . 8 8: t0 . 3 6 2l : t2 8 . 9 +9土3 3 . 9 " 1 .763: t1 9 6 .7 4, 3 6 1土1 6 0 . 1 1, 5 9 7土1 3 6 . 7 ( 3 7 ) 7 3 2士3 1 9 . 4( 17 ) 1 , 21 0: t 49 . 1( 2 8 ) 4 1 8: t135.4(9 ) 4 0 3: t92.6 (9 ) 6. 1 24 : t3 2 2 .9 71 .3土1.9 R3 7 3 . 0土1.0 2 9 5: t1 0 . 1 6, 5 8 0: t649.1b b 6, 3 2 5: t7 31 .7 . 3 3 . 7 7土 0 8 . 7 4士 0 . 2 6 1 8: t5 4 . 2 十4 9土4 0 . 6ab 1, 1 1 5士9 6 . 3 3, 9 4 0: t1 2 8 .日 1, 5 3 8: t95.9 ( 3 9 ) t81 .6 (6 ) 2 4 8: 7 0 8士ll5. 0( 1 8 ) 6 0 1: t4 2 . 2( 1 6 ) 1 4 . 0( 21 ) 8 4 5土1 5 . 0 5 5士1 2 7 . 5 7 8 . 0: t1 .8 a, b, c 異文字問に有意差あり ( P < O . 0 5 ) )内は,粗飼料摂取量に占める割合(%) 8 . 夏・秋分娩牛の 表3 効率 1乳期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産 処理群 R+R1 q GEI MEI MEm MILKE GEE NEE 5 2 . 8: t2 . 3 4 7 1士9, 6 7 4 . 6 9 9, 5 2, 4 1 0: t6, 0 9 6 . 8 1 2 2士1, 9 8 3 . 1 2 1, 1 6, 6 1 0: t2, 3 7 9 . 0 31 .8: t4 . 4A 5 5 . 1土1 2 . 2ab R2 % 5 8 . 0士1.2 MJ 1 1 3, 965士5, 8 71 .0 6 6, 073: t3, 0 4 2 . 4 1 9, 1 6 8士1, 6 9 5 . 9 2 3, 6 2 8: t2, 4 6 2 . 4 % 3 5 . 7: t3 . 0A6 5 0 . 5: t 5.3a a, b 異文字聞に有意差あり ( P < O . 0 5 ) A,B:異文字問に有意差あり (P<O.Ol ) R3 5 2 . 8: t0 . 1 9 4, 6 3 6: t2, 5 0 2 . 0 5 0 .0 0 8: t 1 .313.9 1 8, 8 4 0: t 945.7 t2.264.8 1 9 .8 9 8: 3 9 . 8: t 4.06 6 3 . 7: t 4.7b 中辻.泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 1 1 産時でのエネルギー摂取量および、牛乳生産のエネ らべてその差は有意で、あった (P<O.01)。また, NEEは 50.5-63.7%の範囲であり, R 3群 が 最 ル ギ 一 利 用 効 率 を 表 40に処理群別に示した。総乾 も高く,最も低かった R 2群 に く ら べ て そ の 差 は 物摂取量は春分娩牛および夏・秋分娩牛と同様, 有意で、あった (P<0.05)。 (R+R1 ) と R 2群 が R 3群 に く ら べ 高 い 傾 向 に 366-6, 738kgの 範 囲 で あ あった。 FCM量 は 6, c) 冬 分 娩 牛 り , R 2群が最も高<, R 1群 が 最 も 低 か っ た が そ の 差 は 有 意 で は な か っ た 。 体 重 変 化 量 は -20 冬 分 娩 牛 の 1乳 期 産 乳 成 績 を 表 39に , 1乳 期 生 表3 9 . 冬分娩牛の 1乳期産乳成績 処理群 延べ頭数 産次 搾乳日数 乳量 ( k g ) FCM量 ( k g ) 乳脂肪率(%) SNF率(%) 体重 ( k g ) 体重変化量 ( k g ) 濃厚飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料摂取量 (kgDM) コーンサイレージ グラスサイレージ アルフアルフアサイレージ 乾草 放牧地草 総飼料摂取量 (kgDM) 粗飼料割合(%) R十 R1 2 1 2 . 9士1.8 t6 . 4 3 0 3: 6, 6 0 5: t1 3 1 8 . 1 6 . 3 6 6土1 2 7 6 . 7 3 . 7 6土 0 . 3 . 2 8 . 8 1士 0 l .5 6 6 8士7 b 十6 4: t6l .1 7 5 . 7 1, 3 5 7土2 0 9 . 6 4 . 2 3 9土3 1, 5 5 2土4 5 7 . 9( 3 7 ) 8 4 7士2 2 0 . 9 ( 2 0 ) 7 4 . 5 (2 ) 7 0士1 6 07 : t8 0 . 1( 1 4 ) 1, 1 6 3: t2 7 5. 4( 2 7 ) 61 .9 5, 5 9 6土4 7 5 . 9土 3 . 8 R2 5 3 . 2土1.3 2 9 5土1 3 . 3 6, 9 4 1士2 4 7 . 2 t377.8 6, 7 3 8: 3 . 87 : t0 . 3 8 . 9 2: t 0.2 7 1 7土4 6 . 0 十7 1士4 7 . 3b 1, 4 74 : t9 4 .3 3, 9 4 6: t103.3 1, 4 8 1土2 0 3 . 9 ( 3 8 ) 6 8 4士6 5 . 5( 17 ) 5 1 6: t3 6 8 . 8 ( 1 3 ) 5 8 8: t50.7 ( 1 5 ) 6 7 7土9 2 . 4( 1 7 ) 5, 4 2 0士1 6 0 . 3 7 2 . 8: t1 .2 R3 5 4 . 2: t1 .8 3 0l : t5 . 8 6, 6 8 7土4 3 8 . 4 6, 5 7 0士3 2 4 . 2 3 . 8 9: t0 . 5 8 . 6 8: t0 . 4 6 6 0土3 9 . 3 -20士3 6 . 2a 1, 1 9 7: t5 9 . 7 4, 0 4 0: t2 0 9. 3 1, 3 3 0土2 6 7 . 2 ( 3 3 ) 4 2 7士3 5 . 1( 10 ) 6 0 2士1 0 6 .1 ( 15 ) 5 9 5: t4 0 . 7( 1 5 ) 1, 0 8 5: t9 5 . 3( 2 7 ) 5 8 . 7 5, 2 3 7士2 7 7 .l : t0 . 6 a, b:異文字聞に有意差あり ( P < O . 0 5 ) )内は,粗飼料摂取量に占める割合(%) 表4 0 . 冬分娩牛の 1乳期生産時でのエネルギー摂取量および牛乳生産効率 処理群 R十 R1 R2 R3 % q GEI MEI " , ME MILKE 5 4 . 0: t3 . 9 1 0 4, 5 07 : t8, 6 1l .1 5 6, 4 8 9士6, 6 6 0 . 2 2 1, 4 3 0: t1, 9 5 9. 4 2 0, 1 2 3: t4, 0 6 8 . 9 5 9 . 2: t0.2 MJ 1 0 1, 8 6 3土2, 6 9 3 . 1 6 0, 3 7 7士1, 6 1 8 . 5 3 0 . 3 2 1, 0 3 1士 7 t1, 2 3 3 . 6 2 1, 5 6 8: 3 5 . 4: t4 . 4 5 7 . 8土 5 . 7A 3 5 . 7: t1.6 5 4 . 8: t2.8A 5 2 . 6: t0 . 6 9 7, 1 0 8土5, 6 1 6 . 8 2 5 5 . 2 5 1, 1 7 5士3, 9 4 . 5 1 9, 6 0 9士 8 t 726.3 2 0, 5 4 1: % GEE NEE A,B:異文字聞に有意差あり ( P < O . O l ) : t2 . 5 4 0 .3 6 5 . 5土 5 . 8B 1 1 2 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 -+71kgの範囲であり, R2群が最も大きく, R3 ,MILKEお その CVを求めた。その結果, MEI 群ではマイナスであった ( P<0.05)。総 GEIは処 4 . 9,1 6 . 9およ よび GEEの変動係数はそれぞれ 1 理群聞に差はなかった。総 MEIは R2群が最も 3 . 1%であり,本試験での CVと同様な値であ び1 5.4-40.3 高<. R3群で最も低かった。 GEEは 3 った。すなわち, SAAMAe ta l .の報告叫 l ま泌乳初 %の範囲であり, ( R十 RI)および R2群にくらべ 期のみのデータであることや本試験と飼料構成が て R3群で高い傾向にあったが,その差は有意で・ 異なっていたこともあるが,いわゆる本試験のよ 4.8-65.5%の範囲 はなかった。また, NEEは 5 うなフィールドデータにはこの程度の大きさの変 であり, R3群 が (R+R1)および R2群にくらべ 動が常に存在すること示唆するものであろう。ま P<O.Ol)。 て有意に高かった ( 1 9 7 4年版)聞での養分要求量 た,日本飼養標準 ( は,生物学的な反応に対して理論上必要とする栄 4 . 考察 養素の最小必要量に 10-15%の安全率を加算し 第凹章ではエネルギー出納試験から GEEおよ た値として示されている。これも実際の飼養条件 び NEEを算出し,それらに影響を及ぼす諸要因 下でのフィールドでは,常にこの程度の変動が起 との関連を検討した。その結果, GEEの変動には こり得ることを見込んでのことと思われる。 乳量レベルが大きく関与していたが,一方, NEE 一方 1乳期生産時での NEEの平均値は 5 6 . 8 の変動は必ずしも乳量レベルだけに起因するもの %であり,この値はエネルギー出納試験から得た ではなしその他の要因として遺伝的な泌乳能力 NEE5 9 . 2%とほぼ同様で、あった。大久保ら 57) に の違いが考えられた。 本試験での 1乳期を通じての摂取飼料中の粗飼 9 7 0年代の北大農場での報告における牛群 よる 1 0年代の本試験にくらべて平均体重が 4 0kg は , 8 4 . 4% お よ び 料 割 合 お よ び FCM量 の 平 均 は 7 程度小さかったことから,体重の影響を取り除く 5, 9 5 1kgであり, GEEの平均値は 3 4 . 5%であっ た。この値はエネルギー出納試験から得た GEE の平均値 3 5 . 6%とほほ、同様であった。大久保ら 57) 2 . 8%とな ために NEEを算出すると NEEは 5 すなわち,飼料中の粗飼料割合が高くなっても は , 1 9 7 0年代の北大農場における初産から 7産ま NEEは必ずしも低下せず,逆に高くなっていた。 り , 8 0年代の本研究での値にくらべて低かった。 1頭の 1乳期産乳成績を解析し, FCM量 で延べ 9 これは,個体の遺伝的な改良や飼料成分の改善な 2 8 7kgおよ お よ び GEEの 平 均 値 は そ れ ぞ れ 5, どによると推察される。 NEEの変動に関しては, 、 び3 3 . 4%であったと報告している。本研究開始以 CVは 1 3 . 6%であり,エネルギー出納試験時の 0年代での飼料給与は本試験での C群 に 相 前の 7 当する,いわゆる北大農場の慣行法に基づいてお CV27.7%にくらべて変動はかなり小きかった。 大久保ら 5川土 GEEと FCM量との聞に高い相 り,濃厚飼料給与レベルが高かった。しかし,乳 闘があることを認め,乳量レベルが高いほど GEE 'GEEは 80年代の本試験が高かった。す 量およ J が高くなることを示唆している。エネルギー出納 なわち,飼料中の粗飼料割合が高くなっても GEE 試験で求めた GEEにおいても上記の相聞が認め は必ずしも低下しなかった。 GEEの変動について られた(図 1 8 )0 1乳期産乳成績を乳量別に解析し 2 . 8%であり,エネルギー出納試験 みると CVは 1 7.4-38.4%であり,大久保らの た結果, GEEは 2 から得た CV2 4 . 1%にくらべて約 1 / 2であった。 報告C7) と同様,乳量レベルが高いほど GEEは高 SAAMA e ta l .聞 は , 飼 料 中 の 粗 飼 料 割 合 が P<0.05)。また かった ( 52-60%の 4種類の飼料を 2 8頭の分娩後 6-14 FCM量 (X,kg/頭)と GEE(Y,%)の関係(図 2 0 ) 週の泌乳午に給与して得られた乾物摂取量および をみてみると,両者聞に有意な正の相関関係が認 乳量等のフィールドデータに NRC標準での ME rニ 0 . 7 7,P<O.Ol),Y=0.0029X+1 7 . 4 8 4 められ ( および NE価を乗じてエネルギー摂取量および ( R 2 = 0 . 5 9 ) の式が得られた。これらのことから, 午乳生産のエネルギ一利用効率を算出し,同時に 1乳期生産時においても GEEの変動には乳量レ 1乳 期 産 乳 成 績 で の 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 1 3 らないことを表している。 5 0 1乳期生産時での初産および経産牛の GEEは l .1および 3 5 . 9%であり,初産牛が有 それぞれ 3 40 5 言 V 意に低く (P< 0 . 0 5 ),大久保らの報告57) と一致し w w 9 0 0 た。初産では経産牛にくらべて FCM量が約 1 c l 30 y=O0029X+17. 484 目 2 0 R2=0.5854 • ∞ ∞ 30 ( r = O . 7 7,PくO0 1 ) 体重増加に要するエネルギーを補正していないの 目 ∞ ∞ 5 0 40 7 0 ∞ 60 ∞ 8 0 kg低<.逆に体重増加量が約 4 0kg多かったが, 9 α)0 で当然 GEEは低くなったと考えられた。一方,体 重および体重増加分の M Eを差し号│いて求めた FCM量(kg) NEEは 初 産 お よ び 経 産 午 で そ れ ぞ れ 5 8 . 5およ 図2 0 . 1乳期 FCM量と GEEとの関係 6 . 1%であり,産次の違いによる差は認められ び5 ベルが関与していると考えられた。しかし,この なかった。すなわち,維持要求量以上に摂取され 場合, FCM量が低い牛ほど産次が少なく体重変 た MEの牛乳生産に対する利用効率は,産次に関 化量が多かったことも関連する。すなわち, FCM 係なく変動しないと推察される。 量の低い牛ほど M E摂取量に占める維持の ME 大久保ら 57) は GEEに影響を及ぽす要因につい に相当する割合が高いことから GEEが低くなっ て,給与飼料構成等,飼料側の要因についても指 た。また, FCM量の低い個体では摂取された ME 摘しているが実際の解析まで、至っておらず,他に の一部が成長にまわされており,体重増加に相当 これらについて検討した報告はみあたらない。本 C,( R+R1 ) , R2および R3群の給与 する M Eの補正をしていないので GEEは低くな 研究では, ったと考えられた。そこで,体重の増加分を考慮 飼料構成の違いから GEEおよび NEEを比較す した MEmを差しヲ│いて NEEを求めると 5 4 . 7 -58.7%となり, FCM量の違いによる差は認め られなくなった。また, 1乳期産乳成績での FCM 2 1 )をみてみると,有意な 量と NEEとの関係(図 r二 0 . 5 2, P< 正 の 相 関 関 係 が 認 め ら れ た が( 0 . 0 1 ),GEEにくらべて変動が大きく, NEEは る場合,次のような 3点からの検討が可能で、ある o ①飼料中の粗飼料割合の違い: C群 v s . (R+R1), R2および R3群 ②粗飼料中の放牧地草割合の違い・ (R+R1)および R3群 v s . R2群 ③コーンサイレージとの組み合わせがグラスかア FCM量に関係なく,平均値を中心にある変動幅 ルフアルフアサイレージの違い: をもち,ほぽ一定に推移する傾向にあった。すな (R+R1 )群 わち,維持要求量以上に摂取された MEの牛乳生 産に対する利用効率は乳量レベルに関わらず変わ なお,これらのことを検討する場合,各処理群 C群の 26%か 3 3%とほぼ同様で あり,牛群構成とし b ては各群ほぽ均等で、あった。 -, h 7 C群 v s . ( R十 飼料中の粗飼料割合の違い ( R1 ),R2および R3群)についてみると,飼料中 -EE .. , GEEは必 の粗飼料割合が高くなっても FCM量 ずしも低下しなかった。一方, 2 1 2 .. •••• 45 ﹄ H--F 話 雪 E 弱 z Ea 65 R3群 中の初産牛の割合が重要で、あるが, ら R3群の EF4 ・ ・ ・ ・ ・ h r r w 4・ ・ ・ ・ .-f r . . ' , ・E 圃 ・ , . , 圃 ・ ・ ・ . E . ・・・ 7 5 VS. ( r ニ0 . 5 2,P<O.Ol) C群での体重変化量 は他の 3群にくらべて高く,摂取されたエネルギ ーの一部が体重増加に利用され,そのために GEE 35 4)0 ∞ α 30 5 0 ∞ ∞ 60 7 0 ∞ ∞ 80 FCM 量( k g ) 図2 1 . l乳期 FCM量と NEEとの関係 ∞ 90 が低くなっていたと考えられる。また,飼料中の 粗飼料割合の増加に伴って熱発生量が増加すると の報告65) もあることから, NEEは C群が高くな 1 1 4 北海道大学農学部農場研究報告第 ることも予想されたが必ずしもそうはならず, 3 1号 くらべて低い傾向にあった。春分娩牛の FCM量 NEEは粗飼料割合の高い 3群でのばらつきが大 は R3群では初産牛が多かったが,放牧地草の割 きカミった。 合に関係なくほぽ同様で、あった。しかし, GEEお 次に,粗飼料中の放牧地草割合の違い ( ( R + よび NEEは放牧地草の割合が低くサイレージの R1 ),R3群 v s . R2群)についてみると, FCM 割合が高かった群が低い値となった。このように, 量は放牧地草の割合の違いに関係なくほぼ同様で、 春分娩牛の泌乳初期に,放牧を制限してグラスサ GEEおよび NEEは放牧地草割 イ レ ー ジ を 増 給 す る こ と は 1乳 期 生 産 時 で の 合が高く,サイレージの割合が低かった群で高い GEEお よ び NEEの点からみると必ずしも有効 f 直であった。 ではないと考えられた。 あった。しかし, また,コーンサイレージへの併給粗飼料がグラ 一方,冬分娩牛は概ね泌乳初期が冬季舎飼期, スサイレージかアルフアルフアサイレージの違い 中 後期が夏季放牧期,後期が冬季舎飼期である。 ((R+R1 )群 v s . R3群)について検討すると, FCM量は併給サイレージの違いに関係なくほぽ EEおよび NEEは,いず 同様であった。一方, G 泌乳初期の冬季舎飼期において, ーンサイレージにグラスサイレージを組み合わせ れもコーンサイレージにアルフアルフアサイレー 質のバランスを考慮、してコーンサイレージにアル ジを併給した群が高かった。 フアルフアサイレージを組み合わせて給与した。 1乳期を通じての給与粗飼料構成が同ーの処理 て給与した。一方, (R+R1 )群はコ R3群は飼料エネルギーと蛋白 R+R1 )群は 冬分娩牛の ( 2 1頭のうち 5頭 ( 2 4% ) 群であっても,分娩季節が違うと泌乳初期,中期 が初産牛であり,全体の平均と同様で、あったが, および後期に給与される粗飼料構成が異なってく 粗飼料構成別の成績をさらに分娩季節別に検討し R3群はすべて経産牛であった。そのために各群 , G EEおよび NEEは全体の平均値に の FCM量 くらべて高い傾向にあった。冬分娩の FCM量は, (R+R1)群では初産午が多かったが,サイレージ 5 4 0 ) BROSTERandTHOMAS10)は , 1 た(表 3 の組み合わせに関係なくほぼ同様で、あった。また, 乳期全体での乳生産の変動の 83%は最高乳量で GEEお よ び NEEはコーンサイレージにアルフ 1乳期全体 アルフアサイレージを組み合わせた群が高い値を 乳期全体での G EEおよび る。これらのことが 1 NEEに影響する可能性も考えられるため,給与 0 説明されると報告している。従って での乳生産にとって,泌乳初期での飼養法が大き 示した。このように,冬分娩牛の泌乳初期では, く関与すると考えられるため,特に泌乳初期の処 コーンサイレージにアルフアルフアサイレージを 乳期全体での 理が 1 GEEお よ び NEEに及ぼす 組 み 合 わ せ て 給 与 す る こ と が 1乳 期 生 産 時 で GEEお よ び NEEの点からみると有効であると 影響について検討した。 春分娩牛は概ね泌乳初期,中期が夏季放牧期, 考えられた。 ( R十R 1 )および、 R3群 夏・秋分娩牛は泌乳初期が夏季放牧期の放牧後 では泌乳初期,中期牛に対して放牧期を通じて放 期および冬季舎飼期である。放牧後期は放牧地草 R2群では,草量の豊富 の量や質が低下し,暑熱の影響もある時期であり, 後期が冬季舎飼期である。 牧地草を多給した。一方, な時期は放牧地草を多給するが,再生草量が低下 夏・秋分娩牛は春分娩牛や冬分娩牛にくらべ,乳 する時期には放牧を制限しグラスサイレージを増 生産にとって季節的に最も条件が悪い。本試験で 給して乾物および栄養摂取量を確保しようとし の飼養法としては,夏季の放牧地草多給と冬季の た。春分娩牛中の ( R+R1 ) , ( R十R1 ) コーンサイレージ+グラスサイレージ ( R2群および R3群 に含まれる初産牛の割合はそれぞれ 3 8,3 8および 群),夏季の放牧制限十グラスサイレージ増給と冬 55%であり,全体の平均にくらべて多く,特に, R3群は群全体の半数以上であった。従って,各群 , G EEおよび NEEは全体の平均値に の FCM量 季のコーンサイレージ+アルフアルフアサイレー ジ( R 2群)および夏季の放牧地草多給と冬季のコ ーンサイレージ+アルフアルフアサイレージ ( R 3 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 1 5 3処理である。夏・秋分娩牛での (R+R1 ), R2群および R3群中の初産午の割合はそれぞ、れ 験時にくらべ小きかった。 3 8,2 5および 0 %であり,全体の平均にくらべ, 量レベルが高いほど,また初産牛にくらべて経産 (R+R1)群が多く, R3群には初産牛がいなかっ た。各群の FCM量 お よ び G EEは全体の平均値 牛のほうが G EEが高かった。一方, )群では初産牛が多かったた にくらべて, (R十 R1 らずはぽ一定であった。 群)の GEEは乳量レベルおよび産次の影響を受け,乳 NEEはそれ らの影響を受けず,乳量レベルおよび産次に関わ 1乳 期 生 産 時 で の GEEお よ び NEEの点から R2および R3群は高い傾向を示した。 一方, NEEは全体の平均値にくらべて, R3群 で は高かったが R2群は低い傾向を示した。すなわ 娩牛では夏季の放牧地草多給,冬分娩牛では冬季 ち,夏季は同じ放牧地草多給であっても,冬季の のコーンサイレージとアルフアルフアサイレージ コーンサイレージと組み合わせる粗飼料がグラス の組み合わせ,および夏・秋分娩牛では放牧後期 サイレージよりもアルフアルフアサイレージのほ の放牧地草多給とそれに続く冬季でのコーンサイ うが FCM量 , レージとアルフアルフアサイレージの組み合わせ めに低く, GEEおよび NEEが高かった。一 方,冬季のサイレージの組み合わせがコーンサイ レージ+アルフアルフアサイレージであっても, 夏季に放牧を制限しグラスサイレージを増給する みて有効な泌乳初期での給与粗飼料構成は,春分 で、あった。 第 V章 総 合 考 察 お よ び 結 論 FCM量は低か 本研究では,自給粗飼料多給下におけるエネル EEお よ び NEEは高かった。このよう ったが G ギー出納試験成績および 1乳期飼養試験成績を解 よりも放牧地草を多給した群で, ME利用効率と,それらに影響 GEEと NEEを指標 に,夏・秋分娩牛の泌乳初期において,夏季放牧 析し午乳生産の 期の放牧後期には放牧地草を多給し,それに続く を及ぽす諸要因との関連を 冬季合飼期にはコーンサイレージにアルフアルフ として検討してきた。我が国では,かねてより アサイレージを組み合わせて給与することが 1 TDNに代わるエネルギーの表示単位として ME 乳期生産時で G EEおよび NEEの点からみると を用いるべきとの指摘がされてきたが, 1 9 9 4年刊 有効で、あると考えられた。 行の日本飼養標準 54) において,初めて MEを採用 するに至った。しかし,我が国では牛乳生産にお 5 . 小括 ける飼料エネルギ一利用に関する MEを用いた 自給粗飼料の種類,量およびそれらの組み合わ 研究蓄積はまだ少ない。特に,粗飼料割合が高い せの異なる条件下で延べ 1 0 8頭の泌乳牛を用いて 飼料給与条件下での研究報告はほとんどないのが GEEおよび、 NEEを算出し,自給粗飼料多給下における 1乳 現状であり,本研究が唯ーであろう。 期生産時での牛乳生産のエネルギー利用効率と, つに産乳に要する 行 っ た 1乳 期 飼 養 試 験 成 績 か ら それらに影響を及ぼす諸要因との関連について検 討した。 泌乳牛のエネルギー要求量の重要な部分のひと ME量がある。日本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)54) では,産乳に要する ME量 は 牛 乳 tで除して求めており, のエネルギ一価を k 4% び FCM量 の 平 均 は 7 4 . 4% お よ び 5, 9 5 1kg , FCM1kg生産に要する ME量は 4.95MJと算 定されている。この 4 . 9 5MJという値は,濃厚飼 GEEおよび NEEの平均値はそれぞれ 34.5%お 必乳安定期 料割合が高い飼料給与条件下で,かっ 1 よび 5 6 . 8%であり,飼料中の粗飼料割合が高くな といった,ある限られた乳期の牛で行なったエネ GEEお よ び NEEは必ずしもイ民下しなか EEおよび NEE った。また 1乳期生産時での G ルギー出納試験聞から求めた kt=0.62を用いて 求められている。一方,粗飼料割合が高い飼料給 はともにエネルギー出納試験での値とほほ・同様で、 与条件下で,かっ 1乳期飼養試験から得られた, あったが,その変動は両者ともエネルギー出納試 いわゆるフィールドでの実験データから産乳に要 l乳期を通じての摂取飼料中の粗飼料割合およ っても 1 1 6 北海道大学農学部農場研究報告 する ME量を検討した研究報告はほとんどない。 そこで本章では,総合考察として, 自給粗飼料 多給飼養下における産乳に要する M E量を乳量 第 3 1号 ように体重 1kg増加または減少に相当する ME 量を算出し,それらの値に 1乳期間の体重変化量 を乗ずる。 2 6 / 0 . 9 5 / k1 MJ/kgg a i n レベル別,産次別,給与粗飼料構成別,さらには 体重増の場合 分娩季節毎に算出し,これらを現行の日本飼養標 体 重 減 の 場 合 一 26XO.84/k1 MJ/kgl o s s 1 9 9 4年版)刊の値と比較検討した。 準( ME p: 1.自給粗飼料多給飼養下における産乳に要する 日本飼養標準(19 9 4年版)54) に基づき,妊娠末期 M E量 4 . 6 9MJ/日に泌 の胎児の発育に要する ME量 :2 1乳期飼養試験成績から産乳に要する M E量 0日間に該当する日数を 乳期間内での妊娠末期 6 を算出した。なお,算出に当たり,以下のように 乗ずる。 日),体重増減に相当す 維持に相当する M E量 (ME る M E量 (MEf)および妊娠末期の胎児の発育に 1乳期生産時での産乳に要する M E量の平均 相当する M E量 (ME p) を求め,これらの値を実際 1に示した。 MEIに占める維 値とその範囲を表 4 の MEIから減じて産乳に向けられた M E量を推 4 . 2%であった。体 持に相当する M Eの割合は 3 定した。産乳に要する M E量は,産乳に向けられ 重増減および妊娠に相当する MEの割合はそれ た M E量を FCM量で除して求めた。 . 2および 0 . 1%であり,両者とも MEIに ぞ、れ 6 占める割合は小きかった。産乳に要する M E量の MEm: 平均値は 5 . 5 1MJ/kgであり,日本飼養標準 ( 1 9 9 4 日本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)刊に基づき,代謝体重 当 り の 成 雌 牛 の 維 持 に 要 す る M E量 0 . 4 8 6 6 年版)刊での 4 . 9 5MJ/kgに く ら べ や や 高 か っ . 9 6 た。また,本試験での値には,範囲として 3 -7.79MJ/kgお よ び CVとして 1 4 . 2% の 変 動 MJに l乳期間の平均体重を乗ずる。 がみられた。この CVの値は 1乳 期 生 産 時 で の Mι: GEEにおける CV1 2 . 8%および、 NEEにおける ARC 2 )に基づき,体組織のエネルギ一価: CV1 3 . 6%とほぼ同様であった。このような変動 2 6MJ/kg ,泌乳中の体組織エネルギー蓄積効率: V章で指摘した GEEおよび NEEへの影 には,第 I k1XO.9 5( k1=0. 3 5q+O. 42 0 )お よ び 体 組 織 エ ネ 響と同様な要因が関与していると考えられるた . 8 4を用いて,下記の ルギーによる乳生産効率:0 め,以下に乳量レベル別,産次別,給与粗飼料構 表4 1 .1 乳期生産時での産乳に要する ME量の平均値とその範囲 ( n = 1 0 8 ) 平均 FCM量 MEI MEm ME, ME p 産乳に向けら れた ME量 最小値 最大値 SD 。 2 3 0 . 6 7 0, 3 1 8 7, 2 1, 9 9 4 l .6 0 3 . 8 4 6 6 . 0 8, 5 1 7 2, 1 2 4 . 6 8 1 5 1 9 . 9 % 1 3 . 2 8 . 6 7 2 . 5 2 9 7 . 8 3 2, 5 5 6( 5 9 . 5 ) 1 7, 0 1 3 5 1, 8 1 4 7, 0 6 8 . 1 2l .7 1 8 2 . 3 8, 2 0 7 1, % MJ!kg 産乳に要する ME量 ( )内は, CV % k g 5, 9 5 1 3, 4 9 3 MJ 5 4, 6 7 1 4 0 0 3 8, 1 8, 6 7 2( 3 4 . 2 ) 1 4, 7 1 7 3, 4 0 1 (6 . 2 ) -2, 7 4 4 4 2(0 .1 ) 5 . 5 1 MEIに占める割合(%) 3 . 9 6 7 . 7 9 0 . 8 1 4 . 2 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 117 成別,さらには分娩季節毎に産乳に要する M E量 重増減に要する M Eの割合も成長段階にある初 を検討した。 産牛で大きかった。産乳に要する M E量は初産, 乳 量 別 の 1乳 期 生 産 時 で の 産 乳 に 要 す る M E 経 産 牛 で そ れ ぞ れ 5.62お よ ぴ 5.46MJ/kgであ 量を表 42に示した。 MEIに占める維持に相当す り,産次による有意な差は認められなかった。ま る M Eの割合は乳量レベルの高い牛ほど低かっ た,これらの値は日本飼養標準(1994年版)刊での た。また,体重増減に相当する M Eの割合も,乳 4.95MJ/kgに対して初産,経産牛でそれぞ、れ 114 量レベルが高い牛ほど小さかった。産乳に要する %および 110%に相当した。すなわち,飼料中粗 M E量は 5.23-5.88MJ/kgであり,統計的には 飼料割合の高い飼料を給与した場合の産乳に要す 000 有意な差はなかった。乳量が極端に少ない 4, る M E量には産次による差はなしそれらの値は kg未満,および、体重変化量が他にくらべて極端に 日本飼養標準 (1994年版)刊の十 10-+15%程度 少ない乳量 8, 000kg以上の牛を除いた,乳量が で、あった。 4, 000kg-8, 000kgの 個 体 で は , 産 乳 に 要 す る 次に,給与粗飼料構成別の 1乳期生産時での産 M E量は 5.23-5.73MJ/kgであった。これらの 乳に要する M E量を表 44に示した。体重増減に 値は,日本飼養標準 (1994年版)刊での値である 相当する M Eの割合は濃厚飼料レベルの高かっ 4.95MJ/kgの 106-115% に 相 当 し た 。 す な わ た C群が最も高く,他の群はほぼ同様で、あった。 ち,飼料中粗飼料割合の高い飼料を給与した場合 産 乳 に 要 す る M E量は 4.92-6.19MJ/kgの 範 の産乳に要する M E量 は 日 本 飼 養 標 準 (1994年 囲 で あ り , こ れ ら の 値 は 日 本 飼 養 標 準 (1994年 版)54) の値にくらべやや高くなり,これらは乳量 版)54) で の 4.95MJ/kgの 99-125% に 相 当 し レベルによって変動するが,最大で日本飼養標準 た。処理群の中で産乳に要する M E量 が 最 も 低 (1994年版)刊の十 15%程度の値であった。 <.日本飼養標準 (1994年版)刊とほぽ同様の値で 産 次 別 の 1乳 期 生 産 時 で の 産 乳 に 要 す る M E あった R 3群 (99%)と最も高かった R 2群 (125 量を表 43に示した。 MEIに占める維持に要する %)を除いた, C群と (R+R1)群の産乳に要する M Eの割合は初産牛のほうが高かった。さらに,体 M E量 は 日 本 飼 養 標 準 (1994年版)54) の 111-112 表4 2 . 乳量別の 1乳期生産時での産乳に要する M E量 FCM量 MEI MEm M E, ME p 9 9 9 -3, 4, 000-4, 9 9 9 3, 6 6 3土1 6 5 . 5 4, 6 0 5土2 6 2 . 9 9 5 6: t4, 2 7 9 . 1 4 8, 0 3 4士4, 3 6 0 . 0 4 2, 1 6, 9 12 : t2, 3 61 . 2 1 7, 1 8l : t1, 2 3 9 . 0 4, 4 6 6土1, 2 1 5 . 1 4, 8 7 1土2, 1 6 6 . 5 6 7土 1 2 3 . 3 FCM量 ( k g ) 000-5, 9 9 9 6, 000-7, 9 9 9 8, 0005, 000-6, 9 9 9 7, kg 8, 5, 5 3 8土2 6 4 . 2 1 1 4土8 2 . 0 4 8 8士2 8 7 . 3 7, 4 17 : t2 6 7 . 9 6, MJ 5 3, 8 3 6士4, 7 3 4 . 1 5 6, 1 9 8: t5, 2 5 2 . 0 6 1, 4 6 4士4, 5 6 3 . 6 6 7, 0 2 8: t2, 9 8 4 . 3 1 8, 6 9 8: t1, 4 5 8 . 8 1 9, 1 0 9: t1, 1 2 0 . 4 1 9, 7 7 6: t9 9 9 . 4 1 9, 9 97 : t1, 1 2 2 . 4 8 2 4土2, 3, 4 17 : t1, 9 5 0 . 8 2, 7 1 6 . 9 8 6 5土2, 8 6 4 . 8 2, 8 52 : t2, 3 9 9 . 1 1 9土 6 3 7土 1 0 5 . 3 8 3 . 8 7 . 4 6 1士 1 産 乳に向けら 2 れた ME量 1, 5 7 8士2, 7 3 9 . 7 2 5, 9 1 6: t4, 2 3 7 . 2 3 1, 6 84 : t4, 4 4 5 . 6 3 4, 1 64 : t4, 5 5 7 . 9 3 8, 8 1 8: t5, 2 5 4 . 1 4 6, 2 0 7士5, 1 21 .0 % ofMEI MEm M E, M Ep 産乳に向けら れた ME量 3 9 . 4 1 0 . 4 3 58 1 0 . 1 0 . 1 3 4 . 7 6 . 3 0 . 1 5 0 . 2 5 4 . 0 5 8 . 9 目 3 4 . 0 5 . 1 0 . 1 3 2 . 2 4 . 7 0 . 0 3 2 9 . 8 1 . 2 6 0 . 8 6 3 . 1 6 9 . 0 . 7 5 . 2 7土 0 5 . 2 3: t0 . 7 5 . 7 0士 0 . 7 MJ/kg 産乳に要する ME量 5 . 8 8: t0 . 7 5 . 6 3土 0 . 9 5 . 73 : t0 . 8 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 118 表4 3 . 産次別の 1 乳期生産時での産乳に要する M E量 産次 初産 経産 kg 6, 4 6 1土 9 0 7 . 4 4, 6 8 3土 7 5 5 . 4 MJ 7, 3 1 9: t6, 2 4 5 .7 4 8, 0 9 3: t4 9 9 4 .4 5 9, 2 7 7土 1, 2 5 0 . 9 t1392.8 1 1 7 . 1 7 0: 2, 8 7 5士2, 4 4 9 . 6 4, 7 0 7土 2 0 0 3 . 8 2 1: t 68.8 9 4土 1 9 8 . 9 FCM量 MEI MEm M E, ME p 産乳に向けら れ た M E量 3 5, 1 4 6: t6, 3 2 8. 2 2 6, 1 2 4土 4 0 9 4 . 1 %ofMEI 恥1E m 乱IE f 乱1E p 3 5 . 7 9 . 8 0 . 2 3 3 . 6 5 . 0 0 . 1 産乳に向けら れた M E量 5 4 . 3 61 .3 産乳に要する M E量 5 . 6 2: t 0.7 MJ/kg 5 . 4 6士 0 . 8 表4 4 . 給与粗飼料構成別の 1 乳期生産時での産乳に要する M E量 処理群 C R2 R+R1 R3 kg 乱1 E I MEm ME , 乱1E p 産乳に向けら れた M E量 5, 5 9 2: t1,182.5 9 7 5: t4, 6 7 4 . 2 5 7, 1 9, 4 1 9: t1, 3 4 3 . 1 5, 0 27 : t2, 1 0 0 . 8 9 6土 2 2 0 . 0 1 5l : : l :1, 1 1 9 . 9 6, MJ 5 9, 5 4 3土 6, 0 51 .4 5 4, 3 8 1: t6, 9 7 4 . 0 1 8, 6 2 6士1, 3 6 7 . 2 1 8, 8 6 0土 1, 6 8 0 . 1 2 4 5: t2, 1 61 .5 3, 1 1 9: t2, 5 4 4 . 2 3, t 79.9 2 2土 2 5: 7 0 . 6 4 7, 5 2 1土 4, 5 8 9 . 0 1 7, 6 8 8士1, 4 8 6 . 9 2,4 6 8: t2,668.0 4 4土 1 1 0 . 6 4 3 2: t4, 8 1 2 . 4 3 3, 3 2, 2 5 3土 7, 1 2 0 . 0 2 7, 3 2 1士5, 3 61 . 2 3 3 . 5 8 . 7 0 . 1 3 4 . 7 6 . 0 0 . 0 4 31 .3 5 . 2 0 . 0 4 3 7 . 2 5 . 2 0 . 1 5 7 . 7 5 9 . 3 6 3 . 5 5 7 . 5 . 5 " 5 . 4 4土 0 5 . 5 0: t0.8 6 . 1 9: t 0.7c t 0.5A 4 . 9 2: 6, 1 9 9土 1, 0 4 9 . 3 FCM量 5, 9 1 8土 1, 2 61 .7 3 7, 7 7 3士6, 6 2 8 . 3 %ofMEI ME m ME , ME p 産乳に向けら れた M E量 る文 す異 要: υ ハ く p i nり , 水 町 音 山 差 有 問 字 一B に旦皐一仁 乳E 産M 一人 MJ/kg 8 %量であった。すなわち,粗飼料割合の高い飼料 給与粗飼料構成が同一な群内での分娩季節の違 給与条件下での産乳に要する M E量 は 給 与 粗 飼 いと産乳に要する M E量 の 関 連 に つ い て 検 討 す 料構成により変動し,その値は概ね日本飼養標準 るため,春分娩牛(表 4 5 ),夏・秋分娩牛(表 4 6 )お ( 1 9 9 4年版)54)の値から +15%程度までの範囲内 7 )に分けて 1乳 期 生 産 時 で の よび冬分娩牛(表 4 にあるが,給与粗飼料構成によっては日本飼養標 産乳に要する M E量を示した。なお,濃厚飼料給 準( 1 9 9 4年版)刊と同等,あるいは十 1 5%以上の 与レベルが同一で、あった 値となる可能性も示唆された。 び R3群のみを解析の対象とした。産乳に要する (R+R1)群, R2群およ 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 1 9 表4 5 . 春分娩牛の 1乳期生産時での産乳に要する ME量 処理群 R+R1 FCM量 R2 kg 5, 5 4 5: t 9 6 5 . 6 MJ 5 7, 2 1 3: t6, 3 6 4 . 9 1 8, 1 8l : t , 13 0 3 . 6 9 4 8土 2, 5 0 9 . 7 3, 0 2 . 0 4 2土 1 5, 6 2 2: t1, 2 6 9. 2 MEI m ME ME f ME p 5 2, 1 8 9土 7, 4 1 5 . 8 1 8, 3 1 5土 1, 6 4 0 . 7 3, 5 3 1土 1, 9 8 3 . 9 2 3士 8 2 . 2 産乳に向けら れた ME量 3 0, 3 2 0土 6, 4 01 .0 MEm MEf ME p 3 5 . 1 6 . 8 0 . 0 4 産乳に向けら れた ME量 5 8 . 1 産乳に要する ME量 5 . 4 6士 0 . 7A R3 4, 6 8 2土 9 7 3 . 0 4 4, 2 7 9士4, 3 0 0 . 0 1 7, 0 2 7士1, 6 3 8 . 7 4, 0 4 6士2, 3 0 3 . 7 5 6土 1 3 0 . 7 3 5, 0 4 2: t5, 5 8 4 . 6 %ofMEI 3 l .8 6 . 9 0 . 1 2 3, 1 5 0士4, 0 9 2 . 3 1 .2 6 MJ/kg 6 . 3 7士 0 . 88 5 2 . 3 3 8 . 5 9 . 1 0 . 1 4 . 9 9: t0 . 4A A,B:異文字問に有意、差あり ( Pく O01 ) ‘ 表4 6 . 夏・秋分娩牛の 1 乳期生産時で産乳に要する ME量 処理群 R+R1 FCM量 5, 2 2 1士 7 6 4 . 3a MEI ME m MEf MEp 5 2, 4 1 0土 6, 0 9 6 . 8 1 8, 4 8 3土 1, 6 31 .5 3, 5 6 1士1, 1 8 0 . 5 2: t 9 7 . 4 産乳に向けら れた ME量 3 0, 3 1 4: t6, 5 3 7 . 6 。 MEm MEf ME p 3 5 . 3 6 . 8 0 . 1 産乳に向けら れた ME量 5 7 . 8 産乳に要する ME量 ab 5 . 8 6: t1 .2 R2 kg 7, 3 8 8: t 8 0 9 . 0c MJ 6 6, 0 7 3土 3, 0 4 2 . 4 4 6 6士 6 4 7 . 6 1 8, t , 14 0 0 4 5 2: 。. R3 b 6, 3 2 5: t 7 31 .7 5 0, 0 0 8土 1, 3 1 3 . 9 1 7, 7 4 4士 8 8 3 . 9 2 . 2 3 6: t1 .7 5 2 . 4 1 1土 2 8 . 0 4 7, 1 5 6土 3, 4 5 0 . 8 %ofMEI 2 7 . 9 0 . 7 3 0 .0 1 8: t2 .2 3 8 . 2 l .4 7 MJ/kg 41 土 0 . 4b 6. 6 0 . 0 3 5 . 5 4 . 5 0 . 0 2 a 4 . 7 9: tO .5 a,b,c・異文字聞に有意差あり ( P < O . 0 5 ) M E量の範囲は,春分娩牛,夏・秋分娩牛および冬 の違いによってやや異なり,また給与組飼料構成 分娩牛でそれぞれ 4.99-6.37 ,4.79-6.41および によっては日本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)刊と同等,あ 4.98-5.54MJ/kgであり,これらの値は日本飼 るいは十 1 5%以上の値となる可能性もあるが,概 養 標 準 ( 1994年 版 )54) に 対 し て そ れ ぞ れ ね日本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)刊の値から +15%程 101-129,9 7-129お よ び 101-112%に 相 当 し 度までの範囲内にあると考えられた。 た。すなわち,粗飼料割合の高い飼料給与条件下 以上のように,粗飼料割合が高い飼料給与条件 での産乳に要する M E量は,その範囲が分娩季節 下では, GEEおよび NEEは必ずしも低下しなか 1 2 0 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 表4 7 . 冬分娩牛の 1 乳期生産時での産乳に要する M E量 処理群 R2 R十 R1 FCM量 MEI MEm MEf ME p 産乳に向けら れた ME量 6, 3 6 6: t1, 2 7 6 . 7 5 6, 4 8 9土 6, 6 6 0 . 2 1 9, 3 4 2: t 1 .6 5 7 . 3 2, 9 4 8: t2, 5 5 8 . 1 1 1土 4 8 . 5 3 4, 1 8 8土 7, 5 1 7 . 8 乱1 E m ME , MEp 産乳に向けら れた ME量 産乳に要する ME量 kg 6, 7 3 8: t 3 7 7 . 8 MJ 6 0, 3 7 7土 1, 6 1 8 . 5 1 9, 9 1 2土 1, 2 9 0 . 1 3, 0 9 8: t2, 0 6 6 . 0 3 7, 3 6 8土 3, 4 5 9 . 4 R3 6, 5 7 0: t 3 2 4 . 2 5 1, 1 7 5土 3, 2 5 5 . 2 1 9, 0 67 : t 8 3 0 . 7 6 7 9: t1 .3 9 8 . 2 6 4: t 1 4 3 . 5 3 2, 7 2 3士3, 4 0 5 . 0 %ofMEI 3 4 . 3 5 . 2 0 . 0 2 6 0 . 5 3 3 . 0 5 . 1 3 7 . 3 1 .3 0 . 1 6 1 .9 6 3 . 9 MJ/kg 5 . 4 0: t0 . 6 . 5 5 . 5 4士 0 4 . 9 8士 0 . 5 ったが,産乳に要する M E量 は 日 本 飼 養 標 準 低下しなかった。また,エネルギー消化率および (1994年版)54) にくらべてやや高くなった。すなわ q ともに平均値を中心に上下 1 0%単位程度の変 ち,産乳に向けられた M Eの牛乳生産への利用効 動がみられた。エネルギー消化率および qの変動 率が粗飼料多給により低下したと考えられた。こ には飼料中粗飼料割合と摂取レベルが大きく関与 れには飼料中の粗飼料割合の増加に伴う熱発生量 していた。通常の 1乳期飼養下では乳期の進行に の増加問が関与している可能性がある。 伴い飼料中の粗飼料割合は高くなる一方で、摂取レ また,自給粗飼料多給下の産乳に要する M E量 は乳量レベル,給与粗飼料構成および分娩季節に ベルは低下することから,両者の影響が相殺され エネルギー消化率および qに変動が生じた。 よって変動していたが,概ね日本飼養標準 (1994 年版)54)の値から +15%程度までの範囲内にあっ 2)エネルギー出納試験成績から得られた GEE た。従って,本研究のような組飼料割合が 70%以 の平均値は 35.6%であり,その変動には乳量レベ 上の飼料を給与する際の産乳に要する M E量は, ルが大きく関与していた。通常の l乳期飼養下で 日本飼養標準 (1994年版)刊の値に 15%程度の上 は M E摂取量の変動にくらべ乳量の低下割合が 乗せが必要で、ある。 大きいことから 2 . 結論 変動は必ずしも乳量レベルだけに起因するもので 本研究は,泌乳牛の自給粗飼料多給飼養下にお GEEに変動が生じた。一方, NEE の平均値は 59.2%であり, G EEとは異なり,その はなしその他の要因が考えられた。 ける飼料エネルギーの利用効率に関与する要因を ギー消化率および qの平均値はそれぞれ 65.2% 3 ) 1乳期飼養試験成績から求めた GEEおよび NEEの平均値は 34.5%および 56.8%であり, 飼料中の粗飼料割合が高くなっても G EEおよび NEEは必ずしも低下しなかった。また, 1乳期生 産時での G EEおよび NEEの値はエネルギ一試 および 54.5%であり,飼料中の粗飼料割合が高く 験時での値とほぼ同様であったが,その変動は両 なってもエネルギー消化率および qは必ずしも 者ともエネルギー出納試験時にくらべ小さかっ 明らかにする目的で行なったものであり,以下の ように結論される。 1)エネルギー出納試験成績から得られたエネル 1 2 1 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 た 。 ぴエネルギー出納試験成績を用いて,泌乳牛の自 給粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利 4 ) 1乳期生産時での GEEは乳量レベルおよび 産次の影響を受け,乳量レベルが高いほど,また 用効率に関与する要因を明らかにする目的で行な った。 初産牛にくらべて経産牛のほうが GEEが高かっ た。一方, NEEはそれらの影響を受けず,乳量レ ベルおよび産次に関わらずほぽ一定であった。 乳期生産時での 1 GEEおよび NEEの点からみて 2 . 延べ 2 1 8頭のエネルギー出納試験成績から得 られたエネルギー消化率および qの平均値はそ れぞれ, 6 5 . 2%および、 5 4 . 5%であり,飼料中の粗 有効な泌乳初期での給与粗飼料構成は,春分娩牛 飼料割合が高くなってもエネルギー消化率および では夏季の放牧地草多給,冬分娩牛では冬季のコ qは必ずしも低下しなかった。また,エネルギー消 ーンサイレージとアルフアルフアサイレージの組 化率および q ともに平均値を中心に上下 1 0%単 み合わせ,および夏・秋分娩牛では放牧後期の放 位程度の変動がみられた。エネルギー消化率およ 牧地草多給とそれに続く冬季でのコーンサイレー び qの変動には飼料中粗飼料割合と摂取レベル ジとアルフアルフアサイレージの組み合わせであ が大きく関与しており,変動の多くはこれら二つ った。 の要因により説明できた。すなわち,通常 1乳 期飼養下では乳期の進行に伴い飼料中の粗飼料割 5 ) 1乳期飼養試験成績から求めた産乳に要する 合は高くなり,その一方で、摂取レベルは低下する。 ME量の平均値は 5 . 5 1MJ/kgであり, 日本飼養 標準( 1 9 9 4年版)54) での 4 . 9 5MJ/kgに く ら べ や このため,エネルギー消化率および qに対する両 者の影響が相殺されて上記のような変動が生じた や高くなった。この値は乳量レベル,給与粗飼料 と考えられた。 GEEの平均値は 構成および分娩季節によって変動したが,概ね日 の変動には乳量レベルが大きく関与していた。通 9 4年版)刊の値から +15%程度ま 本飼養標準(19 常の 1乳期飼養下では での範囲内にあった。 3 5 . 6%であり,そ ME摂取量の変動にくら べ,乳量の低下割合が大きいことにより生じると 6)従って,粗飼料割合が 7 0%以上の飼料を給与 NEEの平均値は 5 9 . 2%であ った。 GEEとは異なり, NEEの変動は必ずしも乳 ME量は,日本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)刊の値に 1 5%程度の上乗せが必要で 要因が考えられた。 考えられた。一方, する際の産乳に要する 量レベルだけに起因するものではなしその他の あると結論した。 摘 要 1 .1 9 8 4年 5月から 1 9 9 3年 4月までの 9年間, 北海道大学農学部附属農場畜産第二部のホルスタ イン種泌乳午全頭を供試し, 自給粗飼料多給飼養 3 . 延べ 1 0 8頭の 1乳期飼養試験成績から求めた GEEおよび NEEの平均値はそれぞれ 3 4 . 5%お よび 5 6 . 8%であり,飼料中の粗飼料割合が高くな 民下しなか っても GEEおよび NEEは必ずしも f 乳期生産時での GEEおよび NEE った。また 1 下における飼料エネルギーの効率的利用に基づく はともにエネルギー出納試験での値とほほ、同様で、 泌乳牛の飼養方式確立を目的として長期的かつ総 あったが,その変動は両者ともエネルギー出納試 合的な試験を実施した。自給粗飼料の種類,量お 験時にくらべ小さかった。 GEEは乳量レベルおよ よびそれらの組み合わせの異なる処理群を設定し び産次の影響を受け,乳量レベルが高いほど,ま て 1乳期飼養試験を行な 7 とともに,それらの供 た初産午にくらべて経産牛のほうが GEEが高か 試牛の中から乳期および産次を考慮して,併せて った。一方, エネルギー出納試験を行なった。本研究はこれら レベルおよび産次に関わらずはぽ一定であった。 一連の試験の中から得られた 1乳期産乳成績およ 1乳期生産時での GEEおよび NEEの点からみ NEEはそれらの影響を受けず,乳量 北海道大学農学部農場研究報告 1 2 2 第3 1号 て有効な泌乳初期での給与粗飼料構成は,春分娩 をいただいた。さらに北海道大学農学部畜産学科 牛では夏季の放牧地草多給,冬分娩牛では冬季の 家畜飼養学講座(現畜産科学科畜牧体系学講座) コーンサイレージとアルフアルフアサイレージの の歴代修了生,卒業生諸氏には本研究の共同研究 組み合わせ,および夏・秋分娩牛では放牧後期の 者として昼夜を問わず試験遂行上数々のご協力を 放牧地草多給とそれに統〈冬季でのコーンサイレ いただいた。 ージとアルフアルフアサイレージの組み合わせで ここに,以上の各位に深く感謝の意を表する次 第である。 あると考えられた。 4 . 1乳期飼養試験成績から求めた産乳に要する M E量の平均値は 5 . 5 1MJ/kgであり, 日本飼養 標準( 1 9 9 4年版)54) での 4 . 9 5MJ/kgに く ら べ や や高くなった。この値は乳量レベル,給与粗飼料 構成および分娩季節によって変動したが,概ね日 本飼養標準 ( 1 9 9 4年版)54) の値から +15%程度ま での範囲内にあった。従って,粗飼料割合が 70% 以 上 の 飼 料 を 給 与 す る 際 の 産 乳 に 要 す る M E量 は , 日本飼養標準(19 9 4年版)叫の値に 15%程 度 の上乗せが必要で、あると結論した。 謝 辞 本研究を取りまとめるにあたり,北海道大学大 学院農学研究科教授大久保正彦博士には終始懇切 なるご指導,ご助言をいただき本稿のご校閲を賜 った。また,北海道大学大学院農学研究科教授田 中桂一博士ならびに同助教授近藤誠司博士には本 稿のご校閲と懇篤なご助言をいただいた。さらに, 北海道大学名誉教授朝日田康司博士,同名誉教授 上山英一博士,現鳥取大学農学部教授関根純二郎 博士には研究開始当初から懇切なるご指導,ご鞭 引用文献 1 .A g r i c u l t u r a l Research C o u n c i l :The n u t r i e n t .N o . 2 .R u m i n a n t s . r e q u i r e m e n t so ffarml i v e s t o ck HMSO.L o n d o n .1 9 6 5 t 2 .A g r i c u l t u r a l R e s e a r c h C o u n c i l : The n u t r i巴n .C . A . B . .L o n . r e q u i r e m e n t so fr u m i n a n tl i v e s t o ck d o n .1 9 8 0 . 3 .A s s o c i a t i o no fO f f i c i a lA n a l y t i c a lC h e m i s t s :O f f i . c i a lmethodso fa n a l y s i s .1 1t he d .A . O . A . C .W a s h i n .1 9 7 0 . g t o n .D .C 4 . 坂東健:トウモロコシサイレージを基本飼料とする 牛乳生産に関する飼養学的研究.北海道立農業試験場 報告, 8 1 : 18 9 .1 9 9 3 . . L .and] . L .CLAPPERTON:P r e d i c t i o n 5 . BLAXTER,K o ft h eamounto fmethanep r o d u c e dbyr u m i n a n t s . Br .] .Nu t , . r1 9:5 1 1 5 2 2 .1 9 6 5 6 . BLAXTER,K . L .: Thee f f i c i e n c yo fe n e r g yt r a n s f o r m a t i o n si nr u m i n a n t s .I n Energy m e t a b o l i s mo f K .L . ,] .KIELANOWSKIand farma n i m a l s(BLAXTER, K. e d s . ) .p p .2 1 2 8 .EAAPP u b .N o .1 2 G .THORBE O r i e lP r e s s .N e w c a s t l e .1 9 6 9 . . A .: A l f a l f as i l a g eo rhayv e r s u sc o r n 7 . BRODERICK,G s i l a g ea st h es o l ef o r a g ef o rl a c t a t i n gd a i r yc o w s .] . 8 :3 2 6 2 3 27 1 .1 9 8 5 . D a i r yS c i .,6 . c .PROCTER:Energeticefficiency 8 . BRODY,S andR o fm i l kp r o d u c t i o nandt h ei n f l u 巴n c eo fbodyw e i g h t , . l2 2 2 . t h e r e o n .U n i v .Mo.Ag r .E x p .S t a .R e s .B u l 1 9 3 5 . D . SUTTON and J . A .B INES: 9 . BROSTER,W.H.,] C o n c e n t r a t e :f o r a g er a t i o sf o rh i g h . y i e l d i n gd a i r y 巴si na n i m a ln u t r i t i o n .1 9 7 8 c o w s .I nR e c e n tadvanc .L E W I S .e d s . ) .p p .9 9 1 2 6 (HARESIGN,W. and D B u t t e r w o r t h s .L o n d o n .1 9 7 9 目 目 捷を賜った。ここに深甚なる感謝の意を表する。 また,本研究の遂行にあたって,北海道大学農 学部附属牧場助教授秦寛博士,元北海道大学大 学院農学研究科助手諸岡敏生氏,現同助手上回宏 一郎博士には有益なご助言,ご協力をいただいた。 本研究は 1 9 8 4年 以 降 北 海 道 大 学 農 学 部 附 属 農 場畜産第二部で行なわれたものであり,この間の 試験牛の一般管理,飼料の調製など実際の現場に おいては,北海道大学農学部附属農場畜産第二部 技官岩倉 隆氏,同新海秀史氏,同高橋太郎氏, 元技官西山政治氏,同仁和敏夫氏,同稲見昇氏, 同平中 昇氏,同吉田哲三氏から絶大なるご協力 1 0 . BROSTER,W.H.andC .THOMAS: Thei n f l u e n c eo f l e v e l and p a t t e r no fc o n c e n t r a t ei n p u to nm i l k o u t p u t .I nR e c e n ta d v a n c e si na n i m a ln u t r i t i o n d . ) .p p .4 9 6 9 .B u t t e r w o r t h s 1 9 8 1(HARESIGN,W.e L o n d o n .1 9 81 . 1 2 3 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 1 . CLEALE ,IV,R .M.andL .S .BULL:E f f e c to ff o r a g e 1 m a t u r i t yonr a t i o nd i g e s t i b i l i t yandp r o d u c t i o nby .D a i r yS c i .,6 9 :1 5 8 7 1 5 9 4 .1 9 8 6 d a i r yc o w s .1 .a nd1 . HODGSON:H erbagei n t a k e 1 2 . COMBELLAS,1 . and m i l kp r o d u c t i o n by g r a z i n gd a i r y cows 1 Thee f f e c t so fv a r i a t i o ni nh e r b a g emassandd a i l y .G r a s sand h e r b a g ea l l o w a n c ei nas h o r t t e r mt r i al 4 :2 0 9 2 1 4 .1 9 7 9 ForageS c i .,3 .H. NOLLER and S .A . WOLFE: 1 3 . COPPOCK,C . E .,C E f f e c to ff o r a g e c o n c e n t r a t er a t i oi nc o m p l e t ef e e d s i b i t u m on e n 巴r g yi n t a k ei nr e l a t i o nt o f e d ad l .D airyS c i .,5 7 :1 3 7 1 r e q u i r e m e n t sbyd a i r yc o w s .1 1 3 8 .1 9 7 4 .A . MOORE, N.W. 1 4 . FLATT, W.P., P.W. MOE, L . P .LEHMANN,E.R φRSKOVandR .W. HOOVEN,R HEMKEN: Energy u t i l i z a t i o n by h i g hp r o d u c i n g a t i o ncompod a i r ycows 1 .E x p e r i m e n t a ld e s i g n,r i g e s t i b i l i t yd a t a anda n i m a l performance s i t i o n,d d u r i n ge n e r g yb a l a n c et r i a l s .I nEnergymetabolism . L . , 1 .KIELANOWSKI o ffarma n i m a l s(BLAXTER,K p .2 2 1 2 3 4 .EAAPP u b .No . andG .THORBEK.e d sよp 1 2 .O r i e lP r e s s .N e w c a s t l e .1 9 6 9 a . . MUNSON a ndT . 1 5 . FLATT,W.P.,P.W. MOE,A日 T COOPER: Energy u t i l i z a t i o n by h i g hp r o d u c i n g d a i r ycows I I .Summaryo fe n e r g yb a l a n c ee x p e r i ments w i t hl a c t a t i n gH o l s t e i nc o w s .I n Energy 1sm o ffarm a n i m a l s (BLAXTER,K . L . , 1 . metaboi KIELANOWSKIandG .THORBE K.e d s . ) .p p .2 3 5 2 51 . EAAPP u b .No .1 2 .O r i巴IP r e s s .N e w c a s t l e .1 9 6 9 b . .W.:Heat s t r e s sa si ta f f e c t sa n i m a l 1 6 . FUQUAY,1 2 :1 6 4 1 7 4 .1 9 8 1 . p r o d u c t i o n .] .Anim.S c i .,5 1 7 . GOERING,] . K .a ndP .1 . VANS OEST:Forag 巴 f i b e r a n a l y s 巴s ( A p p a r a t u s,r e a g e n t s, p r o c e d u r e s and som 巴 a p p l i c a t i o n s ) .A g r i c . Handbook No .3 7 9 A .WashingtonD . C .1 9 7 0 . ARSUSD . ] .: Thee f f e c to fc o n c e n t r a t 巴 l e v e land 1 8 . GORDON,F s t o c k i n gr a t eonp e r f o r m a n c eo fd a i r ycowsc a l v i n g 2 :1 7 5 1 8 7 .1 9 7 6 . i nl a t ew i n t e r .Anim.P r o d .,2 F . ] .: Thee f f e c to ft h r e ec o n c e n t r a t 巴i n p u t 1 9 . GORDON, l e v e l sont h ep e r f o r m a n c eo fd a i r ycowsc a l v i n g 5 :3 7 3 3 7 9 .1 9 7 7 . d u r i n gm i d w i n t e r .Anim.P r o d .,2 . ] .: Thee f f e c to fi n t e r v a lbetweenh a r 2 0 . GORDON,F v e s t sandw i l t i n gons i l a g ef o rmilk p r o d u c t i o n . 1 :3 5 41 .1 9 8 0 . Anim.P r o d .,3 1 . GORDON ,F . , . J M.G. PORTER,C . S . MAYNE,E . F . 2 UNSWORTHandD . ] .KILPATRICK:E f f e c to ff o r a g e d i g e s t i b i l i t yand t y p eo fc o n c e n t r a t e onn u t r i e n t .D a i r yR e s ., u t i l i z a t i o nbyl a c t a t i n gd a i r yc a t t l e .1 6 2 :1 5 2 7 .1 9 9 5 a . , . J D .C . PATTERSON,T . YAN,M.G 2 2 . GORDON,F PORTER,C .S . MAYNE and E . F . Unsworth:The i n f l u e n c eo fg e n e t i ci n d e xf o rm i l kp r o d u c t i o non ed i e tf e e d i n gandt h eu t i l i t h er e s p o n s et ocompl巴t 1・1 9 9 z a t i o no fe n e r g yandn i t r o g e n .Anim.S c i .,6 2 1 0 .1 9 9 5 b . . R .and1 . H .CLARK:E f f e c to fd i e t a r y 2 3 . GRUMMER,R n i t r o g e ns o l u b i l i t yon l a c t a t i o np e r f o r m a n c eand ns i t u .1 .D a i r y p r o t e i nandd r ym a t t e rd e g r a d a t i o ni 5 :1 4 3 2 1 4 4 4 .1 9 8 2 S c i .,6 2 4 . 花田正明:泌乳牛の放牧飼養時における併給飼料の給 5 :1 与法に関する研究.北海道立農業試験場報告, 8 6 6 .1 9 9 5 . 2 5 . 橋爪徳三・森本宏・増淵敏彦・安部道夫・堀井聡・ 浜田竜夫・田中孝之介・高橋正也・海塩義男・安保庄 一郎乳牛の飼養標準に関する研究 1 1.乳牛の維持 7 7 . 1964 養分要求量に関する研究.畜試特報, 2 :7a . 2 6 . 橋爪徳三・森本宏・増淵敏彦'安部道夫・堀井聡・ 浜田竜夫・実川義人・横田千尺.乳牛の飼養標準に関 する研究 VI.乳牛の妊娠時におけるエネルギ一代謝 4 4, 1 9 6 4b . と養分要求量.畜試特報. 5: 62 7 . 橋爪徳三・森本 宏・増淵敏彦・安部道夫・浜田竜夫・ 堀井 聡・実川義人・横田千尺・山本藤五郎・高橋覚 蔵・吉野正純・斉藤久弥:乳牛の飼養標準に関する研 究 V11.乳牛の産乳におけるエネルギ一代謝と養分要 6 75 8 .1 9 6 5 . 2 8 . 早坂貴代史.完全混合飼料給与におけるホルスタイン 求量.畜試特報, 種泌乳牛の乾物摂取量と養分要求量に関する研究.北 6 5 : 16 8 .1 9 9 7 . 海道農試研報, 1 2 9 . 姫野健太郎・横山 昭・津田恒之・朝日田康司・黒崎 順二.1 峯崎 坦・扇元敬司・中江利孝編ー畜産ノ、ンド フ¥yク.講談社.東京. 1 9 8 4 . 3 0 . HOLTER,] . B . , W. E .URBAN,J r ,目 W .S.KENNETTand c . ] .SNIFFEN:Corns i l a g ew i t handw i t h o u tg r a s s 6 :9 1 5 hayf o rl a c t a t i n gd a i r yc o w s .J .D a i r yS c i .,5 9 2 2 .1 9 7 3 . 1 .I STAssE,L . , G.W. R EID,c . A .G . TAIT and E . R . 3 ORSKOV: C o n c e n t r a t e sf o rd a i r ycows:E f f e c t so f r o p o r t i o ni nd i e tandt y p e .Anim. f e e d i n gmethod,p , . l1 5 :1 6 7 1 8 2 .1 9 8 6 FeedS c i .Techno 3 2 . 和泉康史 サイレージ多給による搾乳牛の飼養技術に 9・1ー7 7 . 関する研究.北海道立農業試験場報告, 6 1 9 8 8 . . M .,R . 1 . CHRISTOPHERSON and L .P 3 3 . KENNEDY,P LlGAN: Thee f f e c to fc o l de x p o s u r eo fs h e e pon MIL u r n o v e rt i m eande f f i c i e n c yo f d i g e s t i o n,rument .1 .Nu t r .,3 6 :2 3 1 2 4 2 .1 9 7 6 . m i c r o b i a ls y n t h e s i s .Br .L .MULLERa nd1 .SAX: 3 4 . KIRCHGEsNER,M.von,H 巴r t u n g n i c h t l a E n e r g i e u m s a t z und E n e r g i e v e r w k t i e r e n d e rundl a k t i e r e n d e rKuheb e iu n t e r s c h i e d l iー 1 2 4 北海道大学農学部農場研究報告 c h e rF u t t e r u n g s f r e q u e n z .Z .T i e r p h y s i o , . lT i e r e r n a . 4 :2 7 9 2 8 9 .1 9 8 0 . h r g .u .F u t t e r m i t t e l k d e .,4 . c .andP.E.ANDERSEN:Differentenergy 3 5 . KROHN,c k s andp r o t e i nl e v e l sf o rd a i r ycowsi nt h ee ar 1yw巴e 5 5 5 5 6 8 .1 9 8 0 . o fl a c t a t i o n .L i v e s t .P r o d .S c i .,7: 3 6 . 莱原光規・高橋繁男・相井孝允・久米新一.泌乳牛の 第3 1号 4 7 . 森本 宏・橋爪徳三・増淵敏彦・安保庄一郎・高橋正 也・斉藤久弥・布村 稔・前田昭二.{山田久芳・早川 政市・杉原敏広・工藤吉人・宮谷内留行・高野恵三・ 石井力夫・松村緑・針生程吉・花坂昭吾・戸塚宏・ 石井尚一-犬童幸人・向居彰夫・岡本昌三・牧野敏夫・ 今淵宗男・上原邦夫・遠藤 司・野村亀次郎・土田武 エネルギ一代謝に及ぼす環境温度の影響ーサイレー 男・香川壮一・宮本伸昭・石浜克夫・加々見恒夫・大 3 :8 6 1 8 3 9 . ジおよび乾草給与時.日畜会報, 6 久保 1 9 9 2 . 岩部義夫・伊藤清蔵・中沢正三・小熊儀平・加藤英輔・ 3 7 . 栗原光規・久米新一・相井孝允・高橋繁男・柴田正貴・ 西国武弘:気候温暖化に対応した乳牛の飼養法 一エ ネルギ一代謝に基づく技術評価一.九州農試報告, 2 9:2 1 1 0 7 .1 9 9 5 . 3 8 . LEDu,Y .L .P .,] .COMBELLAS , ] .HODGSONa ndR .D BAKER: Herbage i n t a k e andmilk p r o d u c t i o nby g r a z i n gd a i r y cows 2 . The e f f e c t so fl e v e lo f 巴. G r a s s w i n t e rf e e d i n gandd a i l yh e r b a g ea l l o w a n c 4: 2 4 9 2 6 0 .1 9 7 9 . andForageS c i3 .P .,R . D .BAKERandR . D .NEWBERRY: 3 9 . LEDu,Y.L Herbage i n t a k e andm i l kp r o d u c t i o nbyg r a z i n g d a i r y cows 3 . The e f f e c t so fg r a z i n gs e v e r i t y underc o n t i n u o u ss t o c k i n g .G r a s sandForageS c i ., . 3 6: 3 0 7 3 1 8 .1 9 81 4 0 .M i n i s t r y o fA g r i c u l t u r e, F i s h e r i e s and Food, Departmento fA g r i c u l t u r e& F i s h e r i e sf o rS c o t . l a n dandDepartmento fA g r i c u l t u r ef o rNorthern I r e l a n d: Energya l l o w a n c e sandf e e d i n gs y s t e m sf o r r u m i n a n t s .T e c h n i c a lB u l l e t i n3 3 .HMSO.L o n d o n . 1 9 7 5 . 1 . MIELKE ,C .D . andD . ] . SCHINGOETHE:H e a t t r e a t 4 5 7 9 s o y b e a n sf o rl a c t a t i n gc o w s .] .D a i r yS c i .,6 4・1 . 1 5 8 5 .1 9 81 4 2 . MOE,P.W.andP.W.FLATT:Nete n e r g yv a l u eo f f e e d s t u f f sf o rl a c t a t i o n .] .D a i r yS c i .,5 2 :9 2 8 9 2 9 . 1 9 6 9 . . F .TYRRELL: I n f l u e n c eo fp r o t e i n 4 3 . MOE,P.W.andH l e v e l on m e t a b o l i z a b l ee n r g yv a l u eo fd i e t sf o r . ): 6 9 .1 97 7 . l a c t a t i n gc o w s .] .D a i r yS c i .,6 0 ( S u p pl 4 4 . MOE,P.W.:Energymetabolismo fd a i r yc a t t l巴.]. D a i r yS c i .,6 4: 1 1 2 01 1 3 9 .1 9 8 1 , . J H . D . BAXTER and B . J 4 5 . MONTGOMERY M. BEARDEN:Corns i l a g es u p p l e m e n t a t i o nf o rmaxi. 9: mumi n t a k eandm i l kp r o d u c t i o n .] .D a i r yS c i .,5 1 9 1 5 1 9 2 2 .1 9 7 6 . 4 6 . 森本 宏・橋爪徳三・増淵敏彦・仙田久芳・早川政市・ 吋 ← 杉原敏広・工藤芳夫・宮谷内留行・高野恵三・富永 信 ・ 村松緑・針生程吉・花坂昭吾・戸塚宏・石井尚一・ 犬童幸人・向居彰夫・岡本昌三.乳牛の飼養標準に関 する研究 1.飼養試験より得た乾乳牛の維持要求量. 畜試特報, 1: 63 4 .1 9 6 3 . 瑛・今井達郎・北川斐夫・富永秀雄・小坂隆雄・ 佐藤正・小川昭二・池田森男・佐々木敏夫・佐々木 重人・長岡正三・森田 沢一志・渡辺 修・吉田 稔・高橋敏郎・平 肇・西埜進・曽根章夫・大沢貞次郎・ 若原英敏・石栗敏機・和泉康史・図師重孝・橋本専一・ 飯野 弘・大神田昭雄・毛利忠男・神谷陸郎・湯山 一 ・ 松尾完二・市川忠雄・星谷佳功・藤森 進・平賀幸夫・ 勝山建郎・斉藤義行・平林栄司・蔵知 毅・小沢宣雄・ 加本一久・上原茂喜・清須秀徳・多田昌男・守屋典彦・ 小谷順一・山本一朗・河田治茂・成田 宇都宮義文・本村一郎・長沢 弘・山本忠道・ 明・久保山義秋・増満 洲市郎・山本文男・加留部誠二・熊丸朋臣:乳牛の飼 養標準に関する研究 V .飼養試験より得た乳生産に 4: 71 3 8 .1 9 6 4 . 4 8 . 森本宏・橋爪徳三・増淵敏彦・海塩義男.乳牛の飼 要する養分量.畜試特報, 養標準に関する研究 I X .わが国の乳牛飼養標準.畜 1 9 4 .1 9 6 5 . 試特報, 6:8 ] . C .andJ . A .F .ROOK:A c o m p a r i s o no f 4 9 . MURDOCH, hayands i l a g ef o rmilkp r o d u c t i o n .] .D a i r yR e s ., 3 0 :3 9 1 3 9 7 .1 9 6 3 . . , ] .SAXandM.vonKIRCHGEsNER: 5 0 . MULLER,H.L r 1u s t eu b e rKot,HarnundMethand u r c h E n e r g i巴ve u n t e r s c h i e d l i c h eH a u f i g k e i td e rF u t t e r u n gb e in i c h .T i e r . t l a k t i e r e n d e n und l a k t i e r e n d e nK u h e n .Z p h y s i o , . lT i e r e r n a h r g .u .F u t t e r m i t t e l l 王d e ,・ 4 4 :1 8 1 1 8 9 .1 9 8 0 51.内藤元男・高橋弘安・三浦高義・加納康彦・小山徳義・ 加藤次男・岡野福夫・小池幸良 東大牧場ホルスタイ ン種乳牛群のエネルギー粗効率と簡易指数について. 日畜会報, 4 5 :2 4 9 2 61 .1 9 7 4 . 5 2 . 農林水産省農林水産技術会議事務局編:日本飼養標 1 9 7 4年版).中央畜産会.東京. 1 9 7 4 . 準・乳牛 ( 5 3 . 農林水産省農林水産技術会議事務局編・日本飼養標 1 9 8 7年版).中央畜産会.東京. 1 9 8 7 . 準・乳牛 ( 5 4 . 農林水産省農林水産技術会議事務局編.日本飼養標 1 9 9 4年版).中央畜産会.東京. 1 9 9 4 . 準・乳牛 ( 5 5 . 農林水産省統計情報部・畜産統計.農林統計協会.東 京. 1 9 9 7 . 5 6 . 農 林 水 産 省 統 計 情 報 部 平 成 8年 度 牛 乳 乳 製 品 統 計.農林統計協会.東京. 1 9 9 7 . 5 7 . 大久保正彦・前滝次郎・近藤誠司・関根純二郎・朝日 田康司:北大農場における牛乳生産のエネルギ一利用 中辻:泌乳牛の粗飼料多給飼養下における飼料エネルギーの利用効率に関する研究 効率.北大農場研究報告, 2 4 :6 9 7 5 .1 9 8 5 . 5 8 . 大久保正彦.牛乳生産技術の課題と方向. 日畜会報, 6 1:2 1 3 2 1 9 .1 9 9 0 . 59.φRSKOV,E .R . , G.W.REIDandI乱1cDoNALD:The e f f e c t so fp r o t e i nd e g r a d a b i l i t yandf o o di n t a k eon milky i e l dandc o m p o s i t i o ni ncowsi ne a r l yl a c t a . 4 7 5 5 5 .1 9 81 . t i o n .Br .] .Nut , . r4 5・5 6 0 . PHlPPS,R .H .andD . G .CRAMP:Thes u p p l e m e n t a t i o no fmaizes i l a g ef o rana u t u m n . c a l v i n gd a i r y 3 :1 9 1 1 9 6 .1 9 7 6 . h e r d .Anim.P r o d .,2 1 . RAE,R .C . ,C .THOMAS,A .REEVE,A . ] .GOLIGHTLY, 6 R .G .HODSONandR .D .BAKER:Thep o t e n t i a lo fan a l l . g r a s sd i e tf o rt h el a t e w i n t e rc a l v i n gd a i r yc o w . 2 :2 4 9 2 5 7 .1 9 8 7 G r a s sandForageS c i .,4 . SPIEKERS,V . POTTHAST and E . 6 2 . RUHLE,R,H PFEFFER: Performanceo fd a i r ycowsf e dc o n c e n t r a t e sd i f f e r i n gi nt h e i rc o n t e n t so fe a s i l yf e r m e n t a i t hroughagef e de i t h e radl i b . b l ec a r b o h y d r a t e s,w o ra tar e s t r i c t e dr a t e .L i v e s t .P r o d .S c i .,3 2 :1 4 9 .1 9 9 2 1 61 . M .,1 . L .MAOand] . B .HOLTER:Energy 6 3 . SAAMA,P i n t a k eandg r o s se f f i c i e n c yc o m p a r i s o n sfromc a l o r a c t a t i n gc o w s . i m e t r i candf i e l dd a t aont h巴 samel 8 :1 9 4 5 1 9 5 3 .1 9 9 5 ] .D a i r yS c i .,7 6 4 . 関根純二郎・近藤誠司・大久保正彦・朝日田康司:乳 成分含量による牛乳エネルギ一価の推定. 日畜会報, 5 6:5 8 3 5 8 7 .1 9 8 5 . 6 5 . 関根純二郎・森田 茂・花田正明・諸問敏生・近藤誠 司・大久保正彦・朝日田康司 6カ月齢子牛に対する オーチヤードグラス乾草および混合飼料のエネルギ一 7 :4 8 5 4 9 0 .1 9 8 6 . 価査定. 日畜会報, 5 .FRITZ,] . R .REICHLandK .H . 6 6 . SCHNEIDER,W.,D MENKE: E f f e c to fp r o t e i nc o n t e n t and m e t a b o l i z a b i l i t yo ft h ed i e tont h ee f f i c i e n c yo fu t i l i z a t i o n 巴r g y o fm e t a b o l i z a b l ee n e r g yi nd a i r yc o w s .I nEn .E .ed よp p .3 4 1 3 4 4 .EAAP metabolism(MOUNT,L P u b .No2 6 .B u t t e r w o r t h s .L o n d o n .1 9 8 0 . 6 7 . 柴田正貴:高温環境下における乳牛のエネルギ一代謝 3 :2 5 3 3 1 9 .1 9 8 3 . と乳生産.九州農試報告, 2 巴l 6 8 . STERN,R.W.andF . ] .GORDON:Thee f f e c to fl e v ands y s t e mo fc o n c e n t r a t ea l l o c a t i o nt oJanuary/ Februaryc a l v i n gcows ont o t a ll a c t a t i o np e r f o r 0 :3 9 51 .1 9 8 0 . mance.Anim.P r o d .,3 6 9 . 回先威和夫・大谷勲・吉原一郎・松本達郎共著:家 9 7 3 . 畜飼養学.朝倉書庖.東京. 1 . D .LEAVER: Systemso fc o n c e n 7 0 . TAYLOR,W and] . Ac omparison t r a t ea l l o c a t i o nf o rd a i r yc a t t l e 1 o ft h r e ep a t t e r n so fa l l o c a t i o nf o ra u t u m n c a l v i n g i b i t u m . cowsandh e i f e r so f f e r e dg r a s ss i l a g ead l Anim.P r o d .,3 9 :3 1 5 3 2 4 .1 9 8 4 a . 1 2 5 7 1 . TAYLOR ,W and] . D .LEA VER: Systemso fc o n c e n t r a t ea l l o c a t i o nf o rd a i r yc a t t l e 2 . A comparison o ftwop a t t e r n so fa l l o c a t i o nf o ra u t u m n c a l v i n g cows o f f e r e d two q u a l i t i e so fg r a s ss i l a g e ad r o d .,3 9・3 2 5 3 3 3 .1 9 8 4 b . l i b i t u m .Anim.P . :E f f e c to fl e v e lo ff e e di n t a k e on 7 2 . TERADA,F m e t a b o l i z a b l ee n e r g yv a l u e si nd i e t sf o rc a t t l e .I n T r o p i c a la g r i c u l t u r er e s e a r c hs e r i e sN0 . 2 5 .p p .1 9 3 1 9 8 .T r o p i c a lA g r i c u l t u r eR e s e a r c hC e n t e r .T s u k u b a .J a p a n .1 9 9 2 7 3 . 寺田文典・柴田正貴・西国武弘・岩崎和雄:代謝エネ 7回日本畜産 ルギーの乳生産に対する利用効率.第 8 3 5 .1 9 9 3 . 学会大会講演要旨, 1 . W .,L .D .BROWNandR .S .EMERY:Corn 7 4 . THOMAS,] s i l a g ecomparedt oa l f a l f ahayf o rm i l k i n gcows 巴v e l so fg r a i n .] .D a i r yS c i .,5 3: whenf e dv a r i o u s1 3 4 2 3 5 0 .1 9 7 0 . . , . JD . E . BEEVER,M . ] . HAINES,S . B 7 5 . THOMSON,D CAMBELL,R .T . EVANS,M . S . DHANOA and A.R AUSTIN: Y i e l d and c o m p o s i t i o no fm i l k from F r i e s i a ncowsg r a z i n ge i t h e rp e r e n n i a lr y e g r a s so r 2 :1 7 w h i t ec l o v e ri ne a r l yl a c t a t i o n .] .D a i r yR e s .,5 31 .1 9 8 5 7 6 . TYRRELL,H . F .andP.W.MOE: E f f e c to fi n t a k eon d i g e s t i v ee f f i c i e n c y .] .D a i r yS c i .,5 8 :1 1 5 1 1 1 6 3 1 9 7 5 7 7 . TYRRELL,H.F ‘ :L i m i t st o milk p r o d u c t i o ne f f i c i e n c ybyt h ed a i r yc o w .] .Anim.S c i .,5 1 :1 4 4 1 1 4 4 7 .1 9 8 0 . 7 8 . VANd e rHONING,Y .,G .A .BANGMA,G.W.HOMAN, R .TERLUIN,B .THIELENand].E .VOGT:E f f e c ton methane p r o d u c t i o n and e n e r g yb a l a n c eo fi n c r e a s e df e e d i n g f r e q u e n c yo fc o n c e n t r a t e st ol a c t a t i n gc o w s .I nEnergymetabolismo ffarma n i m a l s ( V e r m o r e l,M.e d . ) .p p .7 7 8 0 .EAAPP u b .N O . 1 9 . B u s s a c .C l e r m o n t F e r r a n d .1 9 7 6 . J. H .: Fe 巴de v a l u a t i o nf o rr u m i n a n t s . 1 . 7 9 . VANEs,A, Thes y s t e mi nu s efromMay1 9 7 7onwardsi nt h e 3 1 3 4 5 .1 9 7 8 N e t h e r l a n d s .L i v e s t .P r o d .S c i .,5・3 .J . H .andY . VANd e r HONIG:Energy 8 0 . VANEs,A U t i l i z a t i o n .I nF e e d i n gs t r a t e g yf o rt h eh i g hy i e l d i n gd a i r ycow(BROSTER, W.H.andH .SWAN.e d s . ) . p p .6 8 8 9 .GranadaP u b .L o n d o n .1 9 7 9 8 1 . WESTRA,R andR . ] .CHRISTOPHERSON: E f f e c t so f 巴s t i b i l i t y,r e t e n t i o nt i m eo fd i g e s t a, c o l d on d i g r e t i c u l u mm o t i l i t yandt h y r o i dhormonesi ns h e e p . C a n .] .Anim.S c i .,5 6 :6 9 9 7 0 8 .1 9 7 6 . . :Gen 巴r a lp l a n eo fn u t r i t i o nf o r 8 2 . WIKTORSSON,H d a i r yc o w s .I nF e e d i n gs t r a t e g yf o rt h eh i g hy i e l d .SWAN.e d s . ) . i n gd a i r ycow(BROSTER,W.H.andH 目 1 2 6 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 p p .1 4 8 1 7 0 . EAAP P u b . N0 2 5 . Granada P u b . L o n d o n .1 9 7 9 . .andS . P .WILLlAMS:A comparisono f 8 3 . WILMAN,D g r a s s / w h i t ec 10 v e r and g r a s ss i l a g e so f f e r e dt o d a i r ycowsa st h es o l ef e e d .G r a s sandForageSc , . i 4 8 :2 3 1 2 3 7 .1 9 9 3 . 8 4 . 吉田 悟.粗飼料の低コスト生産と利用 2 . 放牧利 用について.北草研報, 1 5 :1 7 2 5 .1 9 81 . R e s .B u ll .U n i v .FarmHokkaidoU n i v .3 1:75-128( 1 9 9 9 ) 1 2 7 S t u d i e so nE f f i c i e n c yo fF e e d sE n e r g yU t i1 iz a t i o ni nL a c t a t i n gD a i r y Cowsu n d e rHighRoughageF e e d i n gS y s t e m H i r o k iNAKATSUJI x p e r i m e n tFarms,F a c u l t yo fA g r i c u l t u r e, ( L a b o r a t o r yo fE c o l o g i c a lA n i m a lA g r i c u l t u r e,E HokkaidoU n i v e r s i t y,S a p p o r o0 6 0 0 8 1 1,J a p a n ) ( R e c i e v e dJ a n u a r y2 9,1 9 9 9 ) Summary Toe v a l u a t ef a c t o r sa f f e c t i n ge f f i c i e n c yo ff e e d se n e r g yu t i l i z a t i o ni nl a c t a t i n gd a i r ycowsu n d e r h i g hroughagef e e d i n gs y s t e m, as e r i e so fl o n g t e r me x p e r i m e n tf o r9y e a r s(May1 9 8 4t oA p r i l 1 9 9 3 )have beenc a r r i e do u tu s i n gH o l s t e i nh e r di nExperimentFarms,Hokkaido U n i v e r s i t y . Thef o l l o w i n g r e s u l t swereo b t a i n e d . 1 .Meanso fe n e r g yd i g e s t i b i l i t yandm e t a b o l i z a b i l i t y( q )o b t a i n e dfromat o t a lo f2 1 8e n e r g y b a l a n c e t r i a l swere6 5 . 2 %and54.5%, r e s p e c t i v e l y . Thec o e f f i c i e n t sv a r i e da b o u t土 10%u n i taroundt h em巴a n s, ands c a r s e l yd e c r e a s e da sap r o p o r t i o no froughaget ot o t a ld r ym a t t e r(DM)i n t a k ei n c r e a s e d . The v a r i a t i o no ft h ed i g e s t i b i l i t yandqwouldbee x p l a i n e dbytwof a c t o r s: t h ep r o p o r t i o no froughaget o t o t a lD Mi n t a k eandt h ef e e di n t a k el e v e lf o rc o w s . Underp r a c t i c a lf e e d i n gc o n d i t i o n so fl a c t a t i n g cows, t h ep r o p o r t i o no froughaget ot o t a lD Mi n t a k ei n c r e a s e s, w h i l巴 f e e di n t a k ed e c r e a s e sa sl a c t a t i o n s t a g ea d v a n c e s . I twass u g g e s t e dt h a tt h ev a r i a t i o nwouldbec a u s e dbyc o u n t e r b a l a n c eo ft h o s etwo f a c t o r s . 2 . Rangeo fg r o s se n e r g e t i ce f f i c i e n c y(GEE)o b t a i n e dfromt h ee n e r g y b a l a n c et r i a l swasc o n s i d e r a b l ywide,andmeano ft h ec o e f f i c i e n t swas3 5 . 6 % . TheGEEwouldbemainlya f f e c t e dbyc h a n g e so f m i l ky i e l da sl a c t a t i o ns t a g ea d v a n c e . Meano fn e te n e r g e t i ce f f i c i e n c y(NEE)o b t a i n e dfromt h ee n e r g y b a l a n c et r i a l swas5 9 . 2 % . F a c t o r sa f f e c t i n gt h ev a r i a t i o no ft h eNEEwouldn o to n l ym i l kp r o d u c t i o n l e v e lb u ta l s oo t h e rf a c t o r si n c l u d i n gg e n e t i ca b i l i t y . 3 .Meanso fGEEandNEEt h r o u g ht h el a c t a t i o no b t a i n e dfromat o t a lo f1 0 8f e e d i n gt r i a l swere 34.5%and5 6 . 8 %,r e s p e c t i v e l y,andshowedl i t t l ed e c r e a s i n ga st h ep r o p o r t i o no froughaget ot o t a lD M i n t a k ei n c r e a s e d . V a r i a t i o n so ft h ec o e f f i c i e n t sweres m a l l e rt h a nt h o s efromt h ee n e r g y b a l a n c et r i a l s, a l t h o u g ht h emeansweres i m i l ar . 4 .TheGEEt h r o u g ht h el a c t a t i o nwouldbea f f e c t e dbytwof a c t o r s: t h em i l kp r o d u c t i o nl e v e land t h ep a r i t yo fe a c hc o w . Thec o e f f i c i e n t si n c r e a s e da sm i l kp r o d u c t i o nl e v e lo fcowsi n c r e a s e d, andwere h i g h e ri nm u l t i p a r o u scowst h a nt h o s ei np r i m i p a r o u sc o w s . Ont h eo t h e rhand,t h eNEEwouldn o tbe i n f l u e n c e dbyt h em i l kp r o d u c t i o nl e v e landt h ep a r i t yo fc o w s . Thec o e f f i c i e n t sweren e a r l yc o n s t a n t i r r e s p e c t i v eo ft h em i l kp r o d u c t i o nl e v e landt h ep a r i t yo fc o w s . Ane f f e c t i v eroughagec o m p o s i t i o ni n t h er a t i o n sd u r i n ge a r l yl a c t a t i o ni nr e s p e c to fGEEandNEEt h r o u g ht h el a c t a t i o nc o u l dbeh i g h p r o p o r t i o no fp a s t u r a g ei nsummers e a s o nf o rs p r i n g c a l v i n gcows,ac o m b i n a t i o no fc o r ns i l a g eand a l f a l f as i l a g ei nt h ew i n t e rs e a s o nf o rw i n t e r c a l v i n gcows,andh i g hp r o p o r t i o no fp a s t u r a g ei nl a t e summers e a s o nt h e nt h ec o m b i n a t i o no fc o r ns i l a g eanda l f a l f as i l a g ei ns u c c e s s i v ew i n t e rs e a s o nf o r summerI a u t u m n c a l v i n gc o w s . 5 .Meano fm e t a b o l i z a b l ee n e r g y(ME)r e q u i r e m e n tf o rm i l kp r o d u c t i o no b t a i n e dfromt h ef e e d i n g t r i a l st h r o u g ht h el a c t a t i o nwas5.51MJ/kg, andwass l i g h t l yh i g h e rt h a n4.95MJ/kgi nJ a p a n e s eF e e d i n g S t a n d a r df o rD a i r yC a t t l e( 1 9 9 4 ) . Thev a l u e sv a r i e dw i t hroughagec o m p o s i t i o ni nt h er a t i o n sand c a l v i n gs e a s o n so fcows,andt h er a n g eo ft h ev a l u e swerel e s st h a na b o u t十 15%o ft h ev a l u e( 4 . 9 5MJ/ 1 2 8 北海道大学農学部農場研究報告第 3 1号 k g )i n] a p a n e s eF e e d i n gS t a n d a r df o rD a i r yC a t t l e( 1 9 9 4 ) . 6 .I ti sc o n c l u d e dt h a tMEr e q u i r e m e n tf o rm i l kp r o d u c t i o ns h o u l dbeaddeda b o u t+15%t ot h e v a l u ei n] a p a n e s eF e e d i n gS t a n d a r df o rD a i r yC a t t l e( 1 9 9 4 )whencowsweref e dt h er a t i o nc o n t a i n i n g o v e r70%o froughage