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当日講演資料 - 早稲田大学
スポーツを活かした地方創生に向けた ス ポ ー ツ 庁 の 取 組 2016年3月8日 スポーツ庁長官 鈴木 大地 自己紹介 1 スポーツ庁初代長官 鈴木 大地(すずき だいち) ◆アスリートとして 昭和59年 ロサンゼルスオリンピック 11位(100メートル背泳ぎ) 昭和61年 アジア競技大会(ソウル) 金メダル (100メートル背泳ぎ、400メートルメドレーリレー) 昭和63年 ソウルオリンピック 金メダル(100メートル背泳ぎ) ◆研究者・教員として 平成 5 年 3月 順天堂大学大学院体育学研究科コーチ学専攻修了 平成19年 2月 博士(医学)を取得 平成25年 4月 順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科コーチング科学コース教授 (〜平成27年9月30日まで) ◆団体役員として 平成15年9月 世界オリンピアンズ協会理事(〜平成27年10月まで) 平成25年4月 日本オリンピアンズ協会会長 平成25年6月 日本オリンピック委員会理事 平成25年6月 日本水泳連盟会長 (〜平成27年9月30日まで) (〜平成27年9月30日まで) スポーツ庁創設の経緯 2 背景 スポーツ基本法(平成23年)の制定 スポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で 文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す 全ての国民のスポーツ機会の確保 健康長寿社会の実現 スポーツを通じた地域活性化、経済活性化 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等の日本開催 開催国として、政府一丸となった準備が必要 国際公約としてのスポーツによる国際貢献の実施 国民全体へのオリンピズムの普及 開催国としての我が国の競技力の向上 健常者・障害者のスポーツの一体的な推進 スポーツ基本法 附則 (スポーツに関する施策を総合的に推進するための行政組織の在り方の検討) 第2条 政府は、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツ庁及びスポーツに関 する審議会等の設置等行政組織の在り方について、政府の行政改革の基本方針との整合 性に配慮して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 平成26年 6月 超党派スポーツ議員連盟 今後のスポーツ政策のあり方検討とスポーツ庁創設に向けたプロジェクトチーム 議論のまとめ (1)設置の意義 文部科学省、経済産業省、厚生労働省、外務省等の省庁間の重複を調整して効率化を図るとともに、新たな相乗効 果を生み出すものとして、スポーツ庁を設置する。 (2)設置形態 学校体育、生涯スポーツを含めスポーツ施策の主要部分を狙ってきた文部科学省の外局として創設する。 (3)スポーツ庁の所掌領域と省庁間の連携 各省庁のスポーツ施策に関する司令塔的役割を果たす。 平成27年 1月 5月 平成27年度政府予算案で、本年10月のスポーツ庁の設置に必要な機構・定員を計上。 「文部科学省設置法の一部を改正する法律案」が全会一致で可決・成立。 (施行:平成27年10月1日) スポーツ庁の組織概要 3 スポーツ庁は、スポーツ基本法の趣旨を踏まえ、国際競技力の向上はもとより、スポーツによる健康増進、 スポーツを通じた地域や経済の活性化、国際貢献など、スポーツ行政を総合的・一体的に推進するため、 文部科学省の外局として設置された組織。 スポーツ庁 文部科学省の外局として設置 (5課2参事官) 長官 次長 審議官 文部科学省 スポーツ審議会 スポーツ庁 (新設) スポーツ 総括官 文化庁 政策課 健康スポーツ課 競技スポーツ課 国際課 学校体育室 (学校体育・運動部活動) 障害者スポーツ振興室 (障害者スポーツの充実) オリンピック・パラリンピック課 ※時限 参事官(地域振興担当) 参事官(民間スポーツ担当) 定員121名 民間企業・他省庁から約30名の多 様な人員が派遣されている。 スポーツ庁において取り組む主な課題 4 スポーツ基本法の理念を踏まえ、スポーツを通じ 「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す。 目指す姿 今後の課題 スポーツによる健康増進 ○あらゆる世代でスポーツ人口が拡大 ○平均寿命と健康寿命の差の縮減 ○スポーツを通じた国民医療費の抑制 等 我が国の国際競技力の向上等 ○我が国のアスリートのメダル獲得の増大 (夢や感動による日本社会の活力の増大) ○2020年東京大会等の成功 等 我が国の国際的地位の向上 ○スポーツによる国際相互理解の促進 ○スポーツによる国際貢献 ○スポーツを通じ、国際的な視野を持って平和でより良い 世界の構築に向けて活躍できる人材の輩出 等 スポーツによる地域・経済活性化 ○スポーツによる地域活性化、地域の一体感の醸成 ○スポーツによる経済の活性化 等 ・スポーツの楽しさを子供達に実感させる ・高齢者や障害者が地域において継続的に運動できる環境をつくる ・スポーツ無関心層に働きかける ・優れたスポーツ指導者を育成する 等 ・新国立競技場の確実な整備 ・2020年東京大会等に向けた競技力強化・アスリート支援 ・スポーツ界のガバナンス・マネジメントの向上 等 ・国内外におけるオリンピック・パラリンピック・ムーブメントの推進 ・国際競技大会の戦略的な招致、国際競技団体における役員、 ポストの獲得支援 ・スポーツ・文化・ワールド・フォーラムの成功 ・アンチ・ドーピングの推進 等 ・関係省庁との連携等による、新たなスポーツ環境整備の推進 ・「地域スポーツコミッション」への支援等による、各地のスポーツイベント の創出・誘致 ・プロスポーツ団体のマーケティング機能等の強化支援 等 5 スポーツによる地域振興 スポーツには人を動かす「力」がある! (「感動」、「爽快」、「充実」、・・時には「悔しさ」) その「力」を活かして地方を元気に!! しかし、成功している地域がある一方、 まだ「力」を眠らせたままの地域も・・・ それが、スポーツを核とした 地域振興!!! スポーツの「力」が まだまだ出し切れていない。 地域振興のためにスポーツ庁が目指すもの ⇒「体育」から「スポーツ」へ! ⇒スポーツだけから「スポーツ+α」、「スポーツ× α 」へ ! ⇒スポーツは「お金がかかるもの」から「お金を生むもの」へ! スポーツによる地域振興事例 6 スポーツツーリズム スポーツの参加や観戦を目的とした旅行や、 地域資源とスポーツを融合した観光の取組 地域のスポーツ大会 マラソン大会等を、地域内外から参加者を 呼び込む起爆剤として活用 スポーツと地域資源を掛け合わせ 地域活性化を実現 ©PhotoYuzuru SUNADA 大会誘致 国内外の大規模なスポーツ大会開催を誘致 合宿・キャンプ誘致 スポーツ合宿やキャンプを、地元に誘致 7 スポーツによる地域振興事例 【広島県 尾道市・愛媛県 今治市】 スポーツツーリズム サイクリストの聖地「しまなみ海道」 《写真提供》愛媛県 瀬戸内に浮かぶ島々をつなぐ、美しい景観を活かした約70kmのサイクリングコースには、 年間約20万人の自転車旅行者が来訪。海外での人気も高く、世界中からサイクリストが訪れる。 8 スポーツによる地域振興事例 地域でのスポーツ大会開催 【三重県 熊野市】 世界遺産の地・熊野がマリンスポーツ開発に挑戦 《写真提供》熊野市 波穏やかな新鹿湾の環境を活かし、シーカヤックやスタンドアップパドルサーフィンなど、 マリンスポーツ大会の開催や、レンタル体制の整備・講習会開催などで初心者層も取り込む。 9 スポーツによる地域振興事例 合宿・キャンプ誘致 【北海道 網走市】 ラグビー合宿の誘致で地域活性化 《写真提供》網走市 夏でも冷涼な合宿に最適な環境を活かし、日本一の芝と称賛される良好なグラウンドを整備。 ラグビーだけで年間約15チームが訪れ、オホーツク地域観光の誘引も図り、経済効果は毎年5億円以上。 (※経済効果額は市の試算による。ラグビー以外の合宿も含む) 10 スポーツによる地域振興事例 大会の誘致 【埼玉県 さいたま市】 ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム ©PhotoYuzuru SUNADA ©PhotoYuzuru SUNADA ©PhotoYuzuru SUNADA ©Saitama city 世界最高峰のサイクルロードレース「ツール・ド・フランス」の名を冠した世界中からスーパースターが集結する 自転車競技イベントをさいたま新都心周辺で開催。2015年度は約9.3万人の観客と約25億円の経済効果を得た。 11 スポーツ庁の取組①:地域スポーツコミッションへの活動支援 地方自治体、スポーツ団体・企業(スポーツ産業、観光産業)等が一体となり、「する」「観る」 「支える(育てる)」スポーツや、スポーツを観光資源としたツーリズム等による地域活性化に 取り組む組織「地域スポーツコミッション」が行う新たなスポーツイベントの開催、誘致等の 活動に対して支援を行うことにより、スポーツ振興、スポーツを核とした地域活性化の促進を図る。 平成27年度採択地域 (8地域) スポーツ庁の取組②:後援 12 スポーツ大会・イベントなど、スポーツ振興に寄与する行事・活動を後援しています。 ■後援の基準 ①地方公共団体、一般社団・財団法人、報道機関等行事主催者として 適切と認められるもの ②連続して3回以上過去に開催実績がある行事 ③全国的な規模の行事 スポーツ庁発足後の後援事例 ○2016アジアロードレース選手権シリーズ日本大会(一般社団法人日本モーターサイクルスポーツ協会) ○オックスファム・トレイルウォーカー東北2016(特定非営利活動法人オックスファム・ジャパン) ○スポーツ鬼ごっこ全国大会in八王子(一般社団法人鬼ごっこ協会) ○セミナー「スポーツを活用した地域創生」(早稲田大学スポーツビジネス研究所) ○スポーツツーリズム・コンベンションin岐阜(一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構) ○地方創生フォーラム(一般社団法人地域活性化センター) ○シンポジウム「スポーツが創る!地域の理想の未来像」(公益財団法人笹川スポーツ財団) ○平成27年度スポーツコミッションセミナー(一般財団法人日本スポーツコミッション) スポーツ庁の取組③:他の組織との連携 13 他の省庁との連携(国交省、外務省、経産省、厚労省、農水省) ○国土交通省(スポーツツーリズム等について連携) ○外務省(海外への情報発信について連携) ○経済産業省(スポーツ産業の発展について連携) ○厚生労働省(スポーツを通じた健康増進への取組で連携) ○農林水産省(スポーツと食とのコラボレーションの取組について連携) 企業との連携 アスリートのキャリアを活かして地域振興に取り組む企業と連携していきます。また、企業と 連携し、IT、ICT等の先端技術を「する」スポーツ、「見る」スポーツ、「支える」スポーツ にどうやって活かすか、どうやって結びつけるか検討をしていきます。 在京大使館との連携 外国人に日本でスポーツをもっと広く楽しんでもらうよう 取組んでいきます。在京大使館との関係強化を図っており、 2月3日、在京大使館を招待したレセプションを行い都道 府県が作成したキャンプ、大会、レジャースポーツ用の運動 施設等に関する資料(英語)を提供しました。来賓からは 高い関心が示されました。 14 スポーツ庁の取組④:【新規取組】観光庁・文化庁との連携 文化庁及び観光庁は平成25年11月に包括的連携協定を締結し、連携を強化 昨年10月にスポーツ庁が発足したことを受け、スポーツ・文化・観光の3つの連携に発展さ せることにより、新たな地域ブランドや日本ブランドを創出し、観光振興・地域振興を推進 平成28年3月7日に、スポーツ庁、文化庁及び観光庁の包括的連携協定を締結 【協定署名式:平成28年3月7日・旧岩崎邸庭園】 観光 スポーツ資源、文化資源を活用した 観光振興の推進 スポーツ 文化 ⇒訪日観光客の増加、国内観光の活性化を図り、 日本・地域経済の活性化につなげる 15 おわりに スポーツ庁は、スポーツを通じて国民が生涯にわたり心身ともに健康 で文化的な生活を営むことができる社会の実現を目指し、 全力で取り組んでまいります。 平成28年3月8日 スポーツ庁長官 鈴木 大地