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January 2007

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January 2007
No.
129
January 2007
■年頭挨拶 理事長、学長、病院長
病院第 2 新館オープン
■学事
平成 19 年度医学部 AO・推薦・編入試験
看護学部設置認可される
新任教授紹介(北村)
第 38 回教育懇談会
□学生のページ
学生の表彰
■学術
第 2 回 KMU 研究推進セミナー
第 40 回日本てんかん学会
第 33 回日本胆道閉鎖症研究会
産学連携セミナー 産学連携の概要と代表事例
■病院
「病院機能評価」の訪問審査終わる
患者用図書コーナー設置
地域がん診療連携拠点病院指定内定
第 12 回地域医療懇談会
平成 18 年度防災講習会・災害訓練
■管理・運営
平成 18 年度本学永年勤続表彰
互助会:第 26 回文化祭
■随想
20 年の勤続に思う
■報告
国立台湾大学腫瘍内科を訪ねて
■同窓会・後援会
第 8 回金沢医科大学北斗会懇親・懇談会
兼六園のろうばい
金沢医科大学報
2
年頭挨拶
きびしい現実を見つめ
さらなる発展を
理事長 小田島 粛 夫
新年、明けましておめでとうございます。皆さんも新たな心で新年を迎えられたことと存じます。
昨年は、病院機能評価の審査、地域がん拠点病院の指名、看護学部の認可、また、第 2 新館も完成し、病院の
増改築も一段落することになりました。平成 12 年 12 月 14 日に病院新館の建設がはじまって以来、大学にとって
は、まさに熱い 7 年間であったと思います。改めてご協力いただいた皆さんにお礼を申し上げます。
昨年を振り返りますと、母親が幼児を、また、息子が年老いた親など、弱いものを虐め、虐待し、さらにはそ
の命を奪う悲惨な事件が多発し、学生時代の性善説や性悪説の議論を思い出しました。結局、人間の本性は悪で
あり、
「礼」によって整え、社会秩序を維持するという、荀子の性悪説に軍配が上がり、60 年振りにこの問題が決
着したと感じております。このような事件の背景には、教育の問題があると思いますが、最近の教育は「知識と
技術の修得とその評価」に重点がおかれ、教育の本来の目的である人格形成が忘れ去られているように思います。
その意味で、私は医学教育を含め、日本の教育は根本から見直す必要があると思っております。
さて、私は昭和 49 年にこの大学に着任いたしましたが、当時の病院長である吉田清三先生は、これまでの大
学付属病院とは違う、
「患者中心の医療」を目標とした、病院を作りたいと考えておられました。建学の精神であ
る「人間性豊かな良医の育成」とこの「患者中心の医療」が、私の医学教育を考える原点になりました。
この大学に勤務して 33 年になりますが、私の視点で、これまでの大学の歩みを振り返り、これからの大学の
課題についても、お話をさせていただきます。独断と偏見についてはお許しいただきたいと思います。
1.豊かな人間性を育む教育について
大学が創設されてからの 15 年間は、大学はまさに混乱期であり、表現に問題はありますが、当時、教育に求
められたのは、国試対策のために少人数を対象とした家庭教師なみの教育でした。しかし、このような教育を通
して、成績不振は能力の問題ではなく、学習の仕方が確立しておらず、そのために学習意欲が著しく低下してい
ることが原因であることが分かりました。国家試験の合格率も向上し、入学志願者も次第に増加し、大学にも余
裕ができたこともあって、建学の精神である「豊かな人間性を育む」教育を含めて、金沢医科大学の教育を考え
ることになりました。
最初に、現代教育の理論的な原点であるペスタロッチの教育原理、明治維新で活躍した多くの人材を育てた松
下村塾や緒方洪庵の適塾、さらには丁稚奉公などを参考に教育技法を検討いたしました。これらの教育技法は「顔
の見える教育、同じ目線での教育」を中心に、いずれも少人数教育を基本としております。この少人数教育は、
「人
間性を育む」ために有用であり、
「知識や技術の正確な修得」にも適していると考えました。実は、これまでの医学
教育でも少人数教育は導入されており、現在の PBL や CCS などの原型になっていることはご存知のとおりです。
昭和 63 年に副学長になった折りに、
「豊かな人間性を育む」教育の具体的な目標について、当時、医学教育振
興財団理事長であった懸田克躬先生にお考えをお尋ね致しました。そして「医者としての Attitude(態度、心構
え)」教育、あるいは「人間としての Manner 」教育を第一に考えるべきであることを教えていただきました。医
者としての心構えや人間としての態度教育を考える上で、最初に、頭に浮かんだのは新渡戸稲造の「武士道」で
した。この武士道では人間としてのマナーの基本として「義、勇、仁…」などを上げておりますが、医師を対象
※本学イントラネット VOD 供覧中
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とする「豊かな人間性」を育む教育の第一歩としては、慈愛と謙遜を基本とし、他人の感情を理解して行動する「礼
儀」を取り上げるべきであると考えました。この「礼儀」は荀子の「礼」に通じ、具体的には「躾」に属するもので、
講義などで教える、あるいは教えられるものではありません。学生がその成長過程で、自然に身につけるもので
あり、昔から「親の(あるいは師の)背中を見て子は育つ」と言われているように、学生に影響力のある親や教員
の行動が極めて重要であると考えました。
このような考えから、教授選考では、研究能力が第一であることには変わりがありませんが、人物考査を重視
し、教授選考に面接を導入することにいたしました。日本では例のない試みであったと思いますが、いずれにし
ても「礼儀」をわきまえない教員は排除すべきであると思っております。
また、学生についても、学力のみではなく素質を重視した、人物本位の選抜を行うべきであると考え、ハーバ
ード大学などの入学試験方式を基に、山下副理事長のご意見もあって、ワシントン大学の入学試験方式などを参
考に、日本に適した AO 入試を検討いたしました。しかし、日本ではクリアすべき問題も多く、非常に難しいの
が現実であると思っております。医学部での AO 入試の導入は本学が最初ですが、最近、AO 入試を導入する医
科大学・医学部も見受けられます。いずれにしても医師として、
「豊かな人間性を育む」教育の鍵を握るのは AO
入試であると思っております。
次に大学の経営を中心とした、制度改革について、基本的な考えについて述べさせていただきます。
2.大学の管理・運営と経営について
1)理事構成について
開学時に不祥事が相次ぎましたが、その回復が遅れた 1 つの原因は、大学の最終意志決定機構である理事会構
成に問題があると考えました。開学時の理事 13 名のうち、教育に関連する理事は学長のみであり、開学 10 年後
の昭和 56 年に、新たに病院長が理事になりましたが、それでも 15 名の理事のうち、教学系の理事が 2 名に過ぎ
ませんでした。その後、歴代理事長の努力によって教学に理解のある理事が増加し、平成 16 年の理事改選では、
大学から選ばれた理事が過半数を超えるようになりました。一般に、学外理事の少ない私立大学が多く、これは
意志決定を迅速に行うためであると思いますが、これからの大学経営を考えれば、問題も多く、さらに検討した
いと思っております。
2)大学における業務分担と責任体制について
古い話になりますが、私がこの大学に着任した昭和 49 年ころ、教授会は医学部教授会規程を作る作業を進め
ており、教授会規程第3条は「教授会は次の事項を審議・決定する」と致しました。しかし、理事会ではこの「決定」
は削除され、現在の教授会規程第3条は「次の事項を審議する」になっており、決定は削除されております。実は、
寄附行為に付随した学校法人金沢医科大学理事会業務委任規則の第 4 条で、教育・研究に関しては学長に、診療
については病院長に、その他の経営に関する財政や人事は理事長に委任することが規定されており、基本的には
教授会規程で「決定」を削除した理事会の判断は正しいと思っております。なお、この規程のように、一般に理
事長、学長や病院長の役割と責任は明確に規定されており、本学に特有のものではありません。しかし、機構の
異なる国立大学と混同し、私立大学における業務や責任分担を誤解している教職員も多く、私立医科大学におい
てはこの規程の趣旨を徹底しなければなりません。
3)学長、病院長のリーダーシップの確立について 大学を取り巻く環境の変化に的確に対応し、教育・研究および診療体制の見直しを進めるためには、学長や病
院長のリーダーシップが必要不可欠であると考え、これまでの教授による学長および病院長の選挙を廃止するこ
とに致しました(平成 16 年度)
。詳しい説明は省略致しますが、規程の上でも、この決定は正しい判断であった
と思っております。
本学が学長選挙を廃止して 1 年後に、学長選挙を廃止した国立大学もあり、最近では、改革が進んでいる国立
大学の多くは、選挙による学長選出を廃止しており、学長選挙制度の廃止は、まさに時の流れであると思ってお
ります。この学長選挙制度の廃止は、大学の制度改革の中でも、最も重要な意味を持っていると考えております。
4 月あるいは 9 月には学部長制度を導入することになりますが、これによって、教授会と学長の役割、その関
係がより鮮明になると思っております。なお、この学部長制度は決して新しい制度ではなく、本学は、開学時に
は学部長制度を採用しておりました。
4)企業としての大学の体質変換について
正直に申しまして、本学は発足以来、あらゆる点で国立大学医学部を模倣した、いわばそのミニチュアであり、
今なお「親方日の丸」的な考えから抜け出すことができず、私立医科大学としての自覚に欠けているように思っ
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ております。一方、国立大学は急速に管理・運営から経営へと体質の変換を進めており、この傾向は優れた業績
を上げている大学ほど、足早であるように思います。
例えば法人化した国立大学は事業を企画するにあたって、あらゆる角度から分析し、一般企業と同じく最終的
には、収支についても厳しくチェックしております。これまでの教育や研究を「錦の御旗」として最優先する考
えは薄れて、収支を重視した、企業そのものに変わりつつあると言っても過言ではありません。今後、私どもも、
この点の意識改革が必要であると思っております。
私個人としては人材を育成する大学は「象牙の塔」であり続ける、あるいは「象牙の塔」でなければならないと
思っておりますが、大学が発展するためには、すべての教職員が、大学を取り巻く環境を認識し、企業意識を持
って努力しなければ、今後の大学の発展はないと思っております。
以上、大学が存在し、運営される基盤については、一応、整理して述べることができたと思っておりますが、
将来に向かって問題がないわけではありません。旧態依然とした講座中心、あるいは講座お任せの教育、研究、
そして診療システムでは多彩な社会の要望に応えることは難しく、抜本的な大学の機構改革が必要であると思っ
ております。
当日、時間の関係でお話しできなかった大学が直面する諸問題について、ここに付記させていただきます。
3.大学の直面する諸問題について
1 )建学の精神と医学教育について: 講座お任せの教育からの脱却など教育の効率化が進めば、国試合格率の
向上は、特に問題はないと思います。今後は金沢医科大学として、人間性豊かな良医を目標とした、特色ある教
育の確立が、大きな課題になると思っております。
2 )研究の活性化について: 将来、医師を目指す学生のために、研究心を育むことが極めて重要であり、教育
の担当者である教授は優れた研究者でなければなりません。また、研究の活性化は、大学としてはもちろん、次
代を背負う若手研究者の育成のために、不可欠であると考えております。
3 )がん治療センターについて: 地域のがん拠点病院に指名され、21 世紀集学的治療センターを中心に、
PET-CT やリニアックなどの高度の診断・治療機器を整備いたしました。社会的責任を果たす意味でも、全学を
上げて、がんの診断や治療に取り組むことが望まれます。
4 )地域医療支援について: 本学の電子カルテシステムを中心に、時空環境学会議の支援を得て、電子カルテ
を基本とした、地域医療支援対策を積極的に進めるべきであると考えております。しかし、医療支援システムの
整備などの問題もあり、現在、理事長室を中心に努力中です。
5 )看護師不足問題・プロジェクト N について: 看護専門学校から看護学部への移行に伴って、深刻な看護師
不足が予測されますが、一方では、全国的な看護師不足が医療上、大きな問題になっております。看護師不足の
問題は、単に宿舎の完備を含む待遇改善などもさることながら、看護師にとって「病院が心から満足できる職場
であるかどうか」という本質的なことが問われているように思います。この問題の解決は容易ではありませんが、
大学としては抜本的な対策が必要であると考え、現在、その組織作りを進めております。
6 )予算制度の効率化について: 平成 17 年度から、予算案の作成にあたっては、部門別の中長期計画および
当年度計画の提出をお願いしております。この方式によって、大学としての重点事業を十分に検討できること、
将来構想の実現に向かって、かなり現実的な計画が可能になりました。
7 )大学のリニューアルについて: 病院別館の増改築が終了すれば、最初に予定していた大学の増改築は終了
しますが、その後の増改築の計画については、現在、検討中です。大学の多くの建物は、建設されてから 35 年
以上経過しており、いずれリニューアルが必要になると思っております。現在、昭和 56 年に改訂された耐震基
準に従って、すべての建物の耐震診断を行い、また、一方では大学を取り巻く活断層の分布についても検討して
おります。耐震補強が必要な建物、あるいは建て替える必要があるものなどの選別を行い、順次、リニューアル
を進める予定ですが、このために大学のグランドデザインを急がなければなりません。大学のグランドデザイン
を明確にした上で、緊急性の高いものから順次、改築あるいは増設など、大学のリニューアルを進めたいと考え
ております。
大学は大きな転換期を迎えており、リーダーはもちろん、教職員は先に述べた大学の管理・運営と経営の実態
を正確に理解し、今後の教育、研究そして診療の改善・改革に取り組むことを心から望んでおります。
皆さんのご協力をお願いし、年頭の挨拶とさせていただきます。
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年頭挨拶
現在の延長線上に将来はない
将来は皆の力で新しく創っていくものだ
学 長 はじめに
皆さん明けましておめでとうございます。ご家族そ
ろって良いお正月を迎えられたことと思います。
昨今の世界情勢はイラク問題、北朝鮮問題と多事多
難でなかなか心も休まりません。
山 本 達
う professionalism を植えつけるかが最も重要である
と考えております。
一昨年、医学教育センターを発足させ、教務の頭脳
として教員の FD や新しいカリキュラムの研究を推進
していただいておりますが、現時点での最大の課題は、
国内では、激しかった小泉政権の改革の荒波、米国
これまでのように教育が講座任せで、大学として授業
一辺倒の政策誘導が終わったかと思えば、安倍新内閣
の正確な実態が把握できない状態から脱して、内容や
が発足し、戦争を全く知らない戦後生まれの初めての
質が十分に保障された最善の教育を学生に提供できる
総理大臣の誕生に国民は新たな期待をしているわけで
大学主導の体制を作ることであり、教員が力を合わせ
すが、当面は保守回帰の機運が徐々に高まっていくの
ることによって、より責任ある教育体制を構築して行
ではないでしょうか。
かねばならないと考えております。
このような社会情勢の大きな変化に加え、医学教育
本学のカリキュラムは教育改革の最先端を走ってお
制度や医療制度改革の嵐の中でありながらも、本学は
り、他に自慢できる立派なものであると考えておりま
皆さんの一層の努力と柔軟で適切な対応のお陰で、経
すので、現時点で大幅な変更は必要ありませんが、 制
営面でも、教育・研究・診療面でも大変順調な歩みを
度は作った時から陳腐化する ということも事実であ
続けているものと確信しております。
ります。PBL 問題等、教員のマンパワー不足も露呈
2007 年の年頭にあたり、教学を中心とした大学の
しており、本学の実態に合わず目的達成に苦しんでい
現状と今後の方針について少し述べさせていただきた
る部分については、少しでも教育効果を高めるべく、
いと思います。
ダイナミックな改変を行っていくべきであろうと考え
1. 教育改革の推進
ております。
幸い本学の教育の外部評価の最たる指標である医師
2. E-Learning への助走
国家試験成績は近年着実に改善されてきており、喜ば
現在、3 月末を目標に、本学の全ての授業の電子シ
しいことでありますが、より良い成果を得るためにこ
ラバス化の作業を進めているところであります。電子
れからも手綱を緩めることなく最大の努力を傾注して
化の目的はたくさんありますが、授業内容が事前にす
行かねばならないと考えております。
べて公開され、常時アクセスが可能になり、教員と学
また、入学生も多くの志願者の中から優秀な人材
生が情報を共有することで、より充実した教育効果が
を 獲 得 す る こ と が で き て お り ま す が、 実 態 は 2006
期待できます。予習、復習が容易になり勉強すべき参
年問題といわれる ゆとり教育 で育った人材であ
考資料も提示されていれば、授業内容について常時学
り、本学が目指す良医の育成のためには、低学年の
生と教員間で双方向の質疑応答ができる体制が構築さ
う ち に い か に 自 立 心 や 自 学 自 習 の 学 習 態 度(adult
れます。学習評価法等についても明示され、より効率
learning theory による)を修得させ、医師になるとい
的な学習ができます。シラバスの内容により、教員の
※本学イントラネット VOD 供覧中
金沢医科大学報
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授業に対する考え方や意欲が評価できることにもなり
る産学共同研究の推進を踏まえ、総合医学研究所を包
ます。さらに、一度電子化しておけば毎年容易に改定
括した全学的な取り組みで、時代に即応した戦略的な
することができ、教員の負担も大幅に軽減される等多
研究体制に再構築し、ますますの活性化を図っていか
くの相乗効果が期待できるものと考えております。
ねばなりません。
また、今年度より念願であった図書館の電子化が数
年の計画で予定されており、図書館情報にも 24 時間
常時アクセスが可能となります。
4. 看護学部の認可 本学の看護専門学校は昭和 48 年医学部に 1 年遅れて
開校し、多くの立派な看護師を育成し、大きな実績を
一方、昨年より本格的に始まった 4 年次の CBT 対
残して参りましたが、最近の医学や看護学の進歩には
策の一環として電子講義室の整備が望まれております
目覚ましいものがあり、最先端の看護知識や技術を習
が、1 学年全員が同時に使用できる端末数を備えた 24
得することは容易ではなくなってきており、また一方
時間開放型の電子講義室が実現できれば、CBT はも
では、若者の大学志向の風潮も強く、現状では優れた
ちろんのこと、情報教育や英語教育など多目的に利用
人材を獲得することが大変困難になってきたことも事
できる上、学生たちが 24 時間いつでも自由に電子シ
実であります。新しい時代に新しい看護を実践できる
ラバスにアクセスでき、予習、復習の環境整備が整う
有能な人材の育成に向けて、4 年制の看護学部が 4 月
のではないかと考えております。
からスタートすることになりました。
このことは、全世界の大学や図書館へのアクセスも
タイミングとしては、病院の看護師不足や、大学に
可能となり、E-learning への準備に一歩も二歩も前
おける看護教育要員の人材不足も重なって、準備当初
進するのではないかと大きな期待をよせているところ
からかなり厳しい状況にありましたが、本学開学 35
です。
年目での 2 学部体制への大きな飛躍であることを考え
3. 新大学院の完成年度、研究の充実
ると、大学の総力を挙げて、どこにも負けない立派な
本学の大学院は昭和 57 年にスタートしており、旧
看護学部に育てていかねばならないと決意しておりま
制度の大学院は基礎医学系 3 分野、臨床医学系 2 分野、
す。
合計 5 専攻分野に分けられた講座主体の組織でした
5. 大学の外部評価の受審
が、最近の医学研究の急速な進歩とパラダイムシフト
昨年は病院の皆様が大変ご苦労されて病院機能評価
にはもはや対応しきれず、全体を横断的研究が可能な
を受審されましたが、引き続き本年は大学が外部評価
生命医科学の 1 専攻にまとめられた新大学院組織に改
を受審することになりす。
組されました。この 3 月で完成年度を終え、昨年 12 月
大学の方は 5 年前に最初の審査を受けておりますの
に、この 4 年間の成果に対する文部科学省のヒアリン
で 1 回目ほどではないと考えておりますが、大変な作
グも無事終了しました。時代に即応した本学独自の大
業量が予想されますので、関係部署の皆さんには是非
学院が完成したと考えております。
とも絶大なご協力をお願いしたいと思います。
このような素晴らしい大学院制度が整えられたわ
このように自分たちの組織の運営と業務遂行に対し
けでありますが、一方で、卒後 2 年間の臨床研修義務
て、厳しい第三者評価を受け、皆さんとともに反省を
化が施行されて専門医志向が強くなり、以前のように
する機会が与えられることは、むしろ今後の本学の一
多くの卒業生が継続して大学院での研究を選択してい
層の飛躍・発展のための絶好の restructure のチャン
た時と、医学部における大学院のあり方が少し変化し
スととらえて、粛々と進めて参りたいと思います。
てきたことも事実であります。従来の考えにとらわれ
6. 教職員の意識改革
ずに、医学生にもっともっと興味深く、多彩な研究テ
昨今のように社会情勢が大きく変化し、大学を囲む
ーマを提示していかねばならないのではないでしょう
環境が急変した現在は、大学に対して情報公開、自立
か。
や社会貢献が強く求められ、また厳しい大学間競争の
本学の研究業績も、国試結果が改善されてきたよう
世界を進んでいかねばならなくなっております。この
に着実に充実してきており、大学全体の研究活性度の
ような環境の変化に柔軟に対応するために、教育や研
指標の 1 つである文部科学省の科学研究費の取得状況
究体制の改革を推進して参りましたが、これを可能に
も、まだまだ満足すべきものではありませんが、本年
する原動力は、やはり長期的な人材の育成であり、短
は前年実績の 40%の増加がみられたことは大変喜ば
期的には現教職員の意識改革が最重要課題であると考
しいことであります。
えております。その一例といってはなんですが、本学
国や社会から大学機関に対する大きな要請事項であ
は他大学に先駆けて敷地内禁煙を決定し、実施して参
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りましたが、禁煙指導を率先していくべき責任のある
て、傍観者(bystander )であってはならず、常に責任
職場でありながら、いまだに完全に守られていない惨
ある行動が求められております。
めな現実があります。大きく変化する社会の要請に対
今年は開学 35 周年になります。皆さんの総力をあ
する本学の責務を果たしていくためには、職員一人ひ
げて金沢医科大学の飛躍・発展のために思う存分活躍
とりが個人の責任においてもっと真摯に考えていかね
されんことを心から期待して年頭の挨拶にさせていた
ばならないと思われます。
だきます。
中でも、教授や教授会はリーダーとして先頭に立っ
て、大学の自立への努力と積極的な大学経営への参画
意識の醸成が求められます。
また、教員の皆さんはどちらかといえば教育より研
究に主力を注ぎたいと考えている方が多いと思われま
すが、 研究は責任、教育は義務 という考え方を念頭
に置き、従来の教員中心の考えから、学生を重視した
行動規範を心がけていただきたいと考えます。病院の
最も重要な stake holder は患者さんである(patientcentered )ように、大学のそれは学生である(studentcentered )ことを十分認識することが大切であります。
授業の取り組み方においても、今までのように 教
員が何を教えた ということは大きな問題ではなく、
学生が何を学んだか ということが大切で outcomebased education の理念に基づく教育の重要性を理解
していただきたいと思います。
時代の推移とともに労働に関する考え方も大きく変
化してきており、フリーターやニートが蔓延する時代
となり、職員の皆様に以前のように帰属意識を強く求
めることは大変困難でありますが、少なくとも大学に
勤務されている限りにおいては、大学の社会的使命・
存在意義(university social responsibility )を達成す
るべく最大限の努力をすることが大学職員としての義
務であり、責任であり、使命であります。
本学の果たすべき社会的使命とは、建学の精神であ
る 良医の育成 、 最先端医療の開発・実践 、 社会へ
の貢献 そのものであります。
言い換えますと、皆さんが職場で働く原点として、
1 )学生(患者)のためになっているだろうか、2 )大学
(病院)のためになっているだろうか、3 )社会のため
になっているだろうかの 3 点にすべての言動が立脚し
ていなければならないと考えます。
おわりに
昨今のように変革の時代には、 今日は昨日の続き
ではない ということを皆さんがしっかりと認識して
日常業務を進めていただきたいと考えております。
現在の延長線上に将来があるわけでなく、将来は
自らの手で新しく作っていくべきものである という
ことを肝に銘ずるべきであり、そのためにも教職員一
人ひとりが常に積極的な参加者(participant )であっ
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年頭挨拶
年頭にあたって
病院長 高島茂樹
新年おめでとうございます。例年にない好天に恵ま
一方、外来については、外来受付時間を短縮し、慢
れたお正月となりましたが、皆さんには新しい気持ち
性期再来患者さまを地域へ逆紹介するとの方針に基づ
で新年を迎えられたことと思います。
き、逆紹介数は増加し、外来患者数が減少しておりま
昨年は、1 月に着工した第 2 新館の新築工事が着々
と進行するなかで、全病院を挙げて病院機能評価受審
す。さらに院外処方の増加も加わって、外来収入は、
昨年度を下回っています。
に向けた自己評価と改善活動が展開され、11 月 15 日
入院収入の増加が、外来収入の減少を上回ったこと
から 17 日にかけて、機能評価に係る訪問審査を受け
から、4 月に実施された診療報酬の大幅な切り下げの
ました。当院にとって初めての総合的な第三者評価で
中で、全体としては前年に比べてプラスになっていま
したが、全部門、全職員の協力で極めてスムーズに審
す。これは、主として入院基本料の 7:1 算定による
査が進行しましたし、全体の講評でも職員の対応につ
ものです。
いては最高のお褒めのことばをいただきました。
今後の課題として、DPC 入院日数の適正化、計画
私たちは、新しい理念と基本方針を掲げて、地域に
的な入退院により、平均在院日数の着実な短縮を引き
根ざした大学病院として、患者さま中心の急性期高度
続き推進していくことは重要ですが、他方では新患数
医療を提供する高機能病院づくりを目標に、中長期計
の増加を図ることが急務で各診療科が毎月 1 人でも多
画と事業計画を定め、それに基づいて 18 年度の病院
くの新規入院患者の増加に心がけるなど、新規入院患
運営に当たってきました。
者の確保に努める必要がありますし、また、逆紹介を
本日は、年頭にあたり、いくつかの重点課題につい
て昨年を振り返り、新年への展望を述べさせていただ
き挨拶に変えたいと思います。
1.平均在院日数の短縮
18 年度上半期の一般病床平均在院日数は 20.5 日(前
年同期 21.7 日)とおおむね順調に短縮されておりま
す。DPC 在院日数の方は、昨年 7、8 月の 2 カ月のデ
新患獲得につなげることも重要です。
2.21 世紀集学的がん治療センターの充実
集学的がん治療センターにおける外来化学療法の件
数は着実に増加しておりますし、昨年秋には地域がん
診療連携拠点病院の候補として県の推薦を受け、1 月
には正式に国の指定を受ける予定です。
がんの集学的医療を推進するため専門各科の連携、
ータで見る限りは 18.86 日(平成 17 年度、18.71 日)で
協力のもと運営委員会および緩和ケア委員会を発足さ
短縮は進んでいません。
せ、院内がん登録、緩和ケア等の取り組みを進めてお
新入院患者数は 17 年度並みでしたので、上期の病
ります。また、がん登録士の養成研修へ診療録管理士
床利用率は 86% から 83% 台に 3% 程度低下し、入院延
を参加させたほか、診療録管理士の養成・増員、がん
べ患者数は減少しております。入院単価は、入院基本
専門看護師の採用確保も実現する見込みです。
料 7:1 算定による DPC 単価のアップ、処置手術単価
今後は、各診療科と化学療法部門、放射線治療部門
の増により大幅(約 6.5% )に延びております。このた
との連携医療を一層拡大するほか、緩和ケア委員会を
め、入院収入は 17 年度を上回っています。
中心にした緩和ケアの実践体制の充実、院内がん登録
※本学イントラネット VOD 供覧中
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支援システムの構築によるがん登録の仕組みの改善、
心電図検査の待ち時間に係る苦情が顕著に減少しまし
がんに関する情報提供機能の拡充など、拠点病院とし
た。
ての機能を向上するための取り組みを、地域医療機関
患者用図書コーナーの設置による待ち時間の苦痛を
との連携協力のもとに、更に強化することにしており
緩和、医療費自動支払機の整備によるサービス改善も
ます。
行われたほか、検査の迅速化を図るため中央検査部検
3.看護師の負担軽減と業務効率化
査室の改修、採血室の集約化、検査室と採血室、新館
一昨年来、看護業務の改善の一環として病棟二交替
勤務の導入や一看護単位一師長制を実現するなど政策
病棟を結ぶリニア搬送設備の延長工事等が実施されま
した。
的に看護部門の業務改善を行ってきました。今年度は
今後の課題としては、診察待ち時間の改善努力が引
引き続き看護業務の改善を重点項目に位置づけて諸施
き続き必要で、特に自家検査が多い一部の診療科に関
策を実行しております。
して、その特性に応じた抜本的な対応が求められます。
格利用はこれからですが、今後勤務割作成、入院基本
6.病院機能評価受審の条件整備と医療安全の維
持確保
料算定にかかる勤務時間計算の省力化などの負担軽減
機能評価対応の施設整備として計画された玄関周り
まず、新看護管理システムの導入を行いました。本
が期待されます。
機能評価への取り組みの中で、看護業務と周辺業務
に関する見直しが進められ、改善が図られました。
薬剤システムの更新が 8 月に完了し、注射薬一本渡
各種掲示サイン、薬剤カウンターの改善、会計呼び出
し表示装置や自動支払機設置、職員ロッカー移転等の
改修がおおむね当初計画どおり実施されました。その
他、血液センター拡張など当初計画外の施設整備が追
しが実現したほか、手術部管理システムの導入も実現
加で実施されています。玄関周りの改修については、
しました。また、薬剤部が目指す病棟ファーマシーの
当初の計画を修正して、回転ドアの移設をほぼ全面改
仕組みは、物理的、人的制約から実現困難な状況でし
修の形で行うことになり、本年度中に正面玄関ロビー
たが、今回導入されたシステムにより、カート基地か
と中央受付の改装が行われる予定です。
らの供給が可能となり、医療安全と看護業務の負荷軽
減の上で、大きな改善と評価されます。
今後の課題として、医療安全と看護業務の一層の改
また、病歴管理システムが構築され、疾病統計の作
成が容易になったほか、血液センターにおける血液管
理の一元化に伴い、血液センターのオーダリングシス
善、省力化のため、バーコードシステムの導入が必須
テム等の更新も行われました。
であると考えます。同システムは平成 19 年度に運用
7.病院第 2 新館建設工事の推進と円滑な移転
すべく、導入準備のためのシステム設計を行い、次年
第 2 新館は予定どおり 12 月 26 日竣工し、外来は年
度の優先重点事業として予算化する予定にしておりま
末に移転が行われ、1 月 4 日から第 2 新館で業務を開
す。
始しました。また、中央放射線部は年末から移転を開
4.医師勤務体制の見直し(当直の軽減)
始し、今後段階的に移転することになっています。
医師の勤務条件の改善に関しては、今年度から時間
第 2 新館は、1 階は画像診断と放射線治療施設を集
外救急患者に係る処置手術手当を設けました。また、
約して整備しております。同施設の新築に伴い、新た
外来診療受付時間の見直しと慢性期再来患者を地域へ
に PET-CT や前立腺小線源治療装置を導入するほか、
帰すことなど一連の外来政策は、限られた医師のマン
リニアックをはじめ血管撮影装置などを更新整備する
パワーを急性期入院医療と高度専門医療に選択的に集
ことにしています。これによって画像診断と放射線治
中することを目的としたものであります。
療の機能が一段と向上するとともに、患者さまの受診
また、当直勤務が大きな負担になっていることに鑑
環境、職員の作業環境が大幅に改善されます。
みて、新年度は、全科 1 名当直制の見直しを行い、関
また、2 階には耳鼻咽喉科、眼科、産科婦人科の外
連する複数診療科の協力による当直制の在り方など医
来を本館から移転しました。診察室、検査室、処置室、
師負担の軽減に向けた施策を検討したいと考えており
待合室等の機能性、快適性に配慮した設計を心がけ、
ます。
患者さまにも満足していただけるものと期待していま
5.外来待ち時間(採血および診察等)の短縮改善
と環境整備
す。
4 月からの採血 8 時開始、8 月からの安静時心電図 8
時開始などにより、待ち時間の改善が行われ、採血、
今後、第 2 新館の稼動に伴い、予測できない運用上
の問題も出てくるかと思いますが、関係部門は適切、
迅速に対応していただきたいと思います。
金沢医科大学報
8.病院別館・本館等の改修整備工事
10
11.急性期疾患別リハビリテーションの条件整備
今年度は、第 2 新館建設工事に平行して、別館改修
本年度からリハビリに係る診療報酬体系が大きく変
の準備段階として、別館施設を本館へ一時退避させる
わり、本年 4 月から理学療法士 1 名、作業療法士 2 名
ための仮設工事が本館の本設改修工事と一体で進めら
を増員して増収を目指しましたが、療法士が行う実施
れています。
単位が一部弾力化されたものの、点数が切り下げられ
今後は、別館の利用形態に関して、主として同施設
たため、増員が増収につながっていません。
で確保する病床機能と病床数について、最近の看護師
また、心大血管リハビリは、特定集中治療室管理加
確保状況、在院日数と病床利用率の状況、特定集中治
算が条件であることと専任の循環器専門医配置が必要
療室加算の施設基準取得と 7:1 看護の維持等を勘案
など施設基準が厳しく、認定を受けるに至っていませ
して、最終確定することにしております。
ん。このため、循環器の患者さまにリハビリを施行し
9.特定集中治療室加算の体制整備
ても収入につながらない状況であります。
ICU および CCU の特定集中治療室加算取得実現を
次年度は、特定集中治療室加算の施設基準を取得し、
重点事業として定めましたが、専任医師の確保のため
心大血管リハビリの施設基準を申請できる条件をクリ
の院内調整が困難で間に合わなかったことに加えて、
アし、同時に専任の循環器専門医を確保するとともに
一般病床において入院基本料 7:1 が成立することが
専用の訓練室を整備する必要があります。
判明したことから、経営的な観点から、本年度は 7:
急性期リハビリの件数は順調に増加しており、療法
1 を実現することにしました。これに伴い一般病床に
士のマンパワーを増員すれば、在院日数の短縮につな
おける看護配置を手厚く、かつ ICU、CCU について
がり、かつ収益に寄与できるので、来年度も可能な限
は来年度の取得を目指して実質的に特定集中治療室の
り療法士を増員したいと考えています。
施設基準に適合する看護配置と運営を確保しつつ、専
また、今年度から試行的に開始した精神科作業療法
任医師の配置調整に取り組むことに方針を変更しまし
について、次年度は専門の作業療法士を採用して本格
た。
実施する予定です。
以上の方針に基づき、ICU、CCU については将来
の施設基準取得を想定して、運営委員会を再編し、医
師の専任体制の構築、入退出基準の見直し、責任体制
の明確化等を協議し、管理運営の適正化を進めてきま
した。
12.医療経費の削減
医療総収入が伸び悩んでいる現状では医療経費の削
減は極めて重要であります。
これまで造影剤について一部ジェネリックを導入し
ましたが、期待したレベルまで切り替えは進んでいま
今後の課題は、次年度、ICU、CCU で特定集中治
せん。また、4 月から医療制度改革に伴う院外調剤の
療室の施設基準を取得することです。そのためには、
ジェネリック選択対応も行われたが、利用者は少ない
看護師の充足を図るとともに、入退出基準を遵守した
状況です。今後の課題としては、ジェネリック薬品に
運用を更に定着させることが肝要です。同時に、関連
関しては安全性など様々な議論が行われていますが、
診療科の協力により開始した専任担当医の当直体制を
患者さまの希望、負担軽減と経営上の観点から、引き
より安定的に運用できるよう努める必要があります
続きジェネリックの導入に努める必要があります。
し、また、病床規模についても慎重に検討したいと考
院外処方のジェネリック選択は、今後件数が増加す
えています。
ることも考えられるところから、院外薬局が調剤した
10.人間ドック体制の整備と再構築
ジェネリック情報を当院の医療情報システムに入力す
人間ドックの将来に関しては、別館の改修整備計画
る効率的なシステムを検討することも必要です。
の中で、検討することにしておりますが、施設的には
また、今年度は手術材料など医療材料等の標準化に
別館の 7 階および8階をドック専用フロアとして日帰
よるコスト削減に積極的に取り組んできましたが、今
りドック、入院ドック(20 床)を展開し、フロアには
後も一層の検討を続けていきたいと思っています。
ドック専用の診察、検査、相談室を併設する方針です。
13.病院機能評価の継続性
同時に、PET-CT 導入に伴い、ドックの健診メニュ
今年度当初から、機能評価に向けた改善点の職員
ーの多様化を図るとともに、予防から完全なアフター
への周知徹底と、改善後の業務運営を軌道に乗せてい
ケアにいたる一貫した医療サービスを提供する会員制
く作業を中心に取組みが行われ、冒頭に申し上げたよ
ドックの再構築を行いたいと考えています。
うに予定どおり 11 月 15 日から 17 日に訪問審査を受審
しました。訪問審査の状況に関しては、講評の内容も
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
11
含めて去る 12 月 6 日に報告会にて説明したとおり、お
は、看護部幹部と師長、主任の皆さんが一体となった
おむね良好な印象を得ておりますが、最終結果は医療
リーダーシップが重要です。また、看護部門とコメデ
機能評価機構がどのように判定するか予断はできませ
ィカル部門の業務分担と連携協力のあり方、医師と看
ん。
護職員の良好な信頼協力関係に基づく病棟運営の確保
また、12 月 11 日には、1 年半あまりにわたり、機能
評価を通して改善に取り組んでいただいた職員の皆さ
なども極めて重要です。
私たちは看護現場におけるそうした努力なり、取り
んとともに慰労会を行い、多数の参加をいただいて、
組みなりを制度的な環境整備や財政的な面で強力に支
互いに労をねぎらいあうことができました。
援したいと考えています。
判定がどうであれ、評価を受審したプロセスが重要
看護師の確保は、目下の急務の課題になっておりま
であり、受審を通して改善に取り組んだことが大きな
す。医師の先生方をはじめ、コメディカル、職員の皆
財産になると考えます。私たち自身が、評価の基準に
さんには病院をあげて一人でも多くの看護師の人材を
照らして、達成できたこと、改善途上のこと、今後改
確保するためのご協力をお願いいたします。
善に取り組む必要がある事項などについて一番自覚し
新しい年を迎えて、18 年度の残りの 3 カ月を、年度
ているはずですので、今後は、改善を後戻りさせず、
当初の目標達成に邁進するとともに、19 年度への抱
未達成の事項の改善に継続して取り組むことによりさ
負と展望をもって、頑張りたいと思います。特に本学
らに前進することが肝要です。
が特定機能病院(急性期疾患高機能病院)であること
機能評価の観点からの改善の結果は、まず、患者さ
を再認識し、地域医療機関との連携のもと、地域に根
まに還元されて患者さまの評価がたかまり、自分たち
ざした大学病院として努力を続けていきたいと考えて
の働く職場に還元されて自らの満足度の向上や仕事に
います。皆さんの一層のご協力、ご支援をお願いしま
対する自信や誇りにつながるものだと思います。
す。
おわりに
皆さんもご存知のように、7:1 看護の新設により、
全国的に激しい看護師の獲得競争が行われています。
当院の看護師募集も大きな影響を受け、例年よりも看
護師確保が困難になっております。患者さまに対し、
急性期入院医療を中心とした良質の医療サービスを提
供するためには、看護師の人材の確保は極めて重要で
す。
本学では、来年度から看護学部がスタートいたしま
す。看護学部の卒業生の当院への定着を促進する対策
が講じられていますが、3 年後には学内から 1 年間看
護師供給が途絶えるという事態が避けられません。
こうした事情も踏まえて、安定した看護師のマンパ
ワーを継続的、計画的に確保することを、今後の最重
要課題と位置づけ、既に看護師確保対策プロジェクト
を立ち上げて対策を検討しております。
私は、病院経営の責任者として、離職者を減らし、
応募者を増やすためには、待遇の改善と魅力ある職場
をつくることが必要と考えています。各種の手当の改
善など経済的なインセンティブや子育てや介護など各
種の就業支援を含む処遇の改善に係る事項は、大学当
局の理解を得て実現したいと思います。
働き甲斐、生きがいに係る職場づくりは、職場にお
けるコミュニケーション、研修体制の改善や勤務管理
の改善など看護職場の内発的、主体的な努力に期待す
るところが大きいといわざるを得ません。その意味で
金沢医科大学報
12
病院第 2 新館オープン
金沢医科大学病院第 2 新館が平成 19 年 1 月 4 日(木)
マルチスライス CT などの高機能画像診断機器や、リ
にオープンした。第 2 新館の建設は、病院第二期整備
ニアック、前立腺密封小線源永久刺入治療支援システ
計画の一環として進められてきたもので、平成 15 年
ムなどの放射線治療機器が順次稼動し、今後の医療体
に竣工した病院新館に続く診療棟となる。
制に大きく貢献するものとして期待されている。
病院第 2 新館は、地下 1 階地上 2 階建ての建物で、
眼科、耳鼻咽喉・頭頚科、産科婦人科の各外来は、
延べ床面積は 7,366.17 ㎡となる。1 階にはこれまで本
H ブロックとして配置され、病院新館と同じように、
館にあった中央放射線部が移転し、2 階には本館に残
医師の予約患者画面と連動した診察表示システムの導
っていた眼科、耳鼻咽喉・頭頚科、産科婦人科の外来
入により、プライバシーに十分配慮した環境となって
が移転した。移転作業は年末年始にかけて行われたが、
いる。特に、産科婦人科については、お産の患者さん
雪による影響もなく順調に進められた。中央放射線部
と婦人科の患者さんへの配慮から、産科と婦人科の診
の移転については大型機器が多いことから、1 月中も
察エリアは別々に配置され、それぞれの診察エリア内
作業が続けられ、機器の設置が終了次第、順次、運用
に待合室が置かれている。
が開始されることになる。
第 2 新館の設置で各建物を結ぶ廊下が増え、院内で
病院新館と別館に隣接して建てられた第 2 新館の稼
戸惑う患者さんも見受けられたが、大きな混乱もなく、
動により、病院内のアクセスが飛躍的に向上し、改善
患者さんからは施設が充実して便利になり、安心して
が望まれていた患者さんの動線が大幅に短縮した。外
診察が受けられるとのご意見をいただいた。病院の第
来部門のほとんどが第 2 新館と病院新館に集約され、
二期整備計画では、今後の 2 年間で病棟の再編、別館
レントゲン撮影等を行う中央放射線部が外来の近くに
の改修、本館の解体(高層階 5 階以上)・整理が予定さ
配置されたことで、検査や治療のための移動距離が短
れており、平成 21 年の完了を目指している。今後も
くなった。
当院の役割を見据えて、安全で快適な医療環境を提供
今回の移転に合わせ、中央放射線部には最新の医療
していくことになる。
機器が導入された。PET-CT システムをはじめ、64 列
1 階:中央放射線部受付
2 階連絡通路
(病院長室管理部門 木村晴夫記)
2 階:眼科、耳鼻咽喉・頭頚科、産科婦人科の受付
2 階耳鼻咽喉・頭頚科外来待合
2 階婦人科外来待合
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金沢医科大学報
13
学 事
医学部
特別推薦入学試験(AO 入試)・推薦入学試験・編入学試験終わる
平成 19 年度
◇特別推薦入学試験(AO 入試)
本学の特別推薦入学試験(AO 入試)は、医師となる者
の倫理性や人間性が一層強く求められる時代にあって、
本学の推薦入学試験制度は、目的意識を持ち個性豊
かで優秀な人材を見い出し、ゆとりを持って学習を進
めてもらうことを目的として、昭和 61 年度入試から実
施されている。
従来の学力を中心とした入学試験では評価が困難であ
今年度は募集人員約 20 名に対して全国から 76 名の出
った学習意欲、使命感などに評価の重点をおいて選考
願があり、欠席者もなく「基礎学力テストB」・「小論
することを主旨として設けられた入試である。建学の
文」
・
「面接」の各試験に取り組んだ。
精神に沿った人間性豊かな活力のある人材を求めるた
めに、平成 13 年度入試から実施されている。
今年度は募集人員約 10 名に対して全国から 141 名の
出願があった。
第 1 次選考は書類選考であり、調査書とともに、本人、
教師、家族などによって書かれた推薦書について選考
が行われ、9 月 28 日(木)に第 1 次選考合格者 32 名が発
表した。
合格者は 22 名で、11 月 24 日(金)午後 5 時に本部棟正
面玄関ならびに本学 HP 上に公表した。
◇編入学試験
平成 19 年度編入学試験は、11 月 19 日(日)、本学で行
われた。
本学の編入学試験制度は医学以外の分野を修学した
者に医学を学ぶ道を開き、すでに履修している教養科
第 2 次選考は、10 月 22 日(日)に本学において「基礎
目の重複履修を省いて効率的に医学の専門教育を実施
学力テスト A 」・「個人面接」・
「グループ面接」が行われ
し、医学の研究および医療の実践に貢献する有為な人
た。また、この 32 名については、試験委員が全国に出
材を育成することを目的として、平成 3 年度入試から実
向き、推薦書を書いた第2推薦者(教師など)から聞き
施されている。
取り調査を実施し選考の参考とした。
第 2 次選考合格者は 10 名で、10 月 26 日(木)午後 5 時
今年度は、募集人員約 5 名に対して 82 名が出願し、
欠席者 9 名を除く 73 名が「英語」・
「小論文」・
「面接」の
に本部棟正面玄関ならびに本学 HP 上に公表した。
各試験に取り組んだ。
◇推薦入学試験
面玄関ならびに本学 HP 上に公表した。
平成 19 年度推薦入学試験は、11 月 12 日(日)、本学で
合格者は 6 名で、11 月 24 日(金)午後 5 時に本部棟正
(入学センター)
行われた。
■一般入学試験 日程は以下のとおり
一般入試は第 1 次試験で学力試験が行われ、その合格者に 2 次試験として面接試験を課して最終判定が行われる。
1. 募集人員: 約 65 名
2. 出願期間: 平成 18 年12 月4 日
(月)から
平成 19 年 1 月9 日(火)まで
3. 試験期日
第 1 次試験: 平成 19 年 1 月 16 日(火)
第 2 次試験: 平成 19 年 1 月 24 日(水)、25 日(木)の
いずれか希望する日
4. 試験科目
第 1 次試験: 外国語(英語)、数学、小論文
選択科目(物理・化学・生物から 2 科目
選択)
第 2 次試験: 面接
5. 試験会場
第 1 次試験: 本 学、 東 京、 大 阪、 名 古 屋、 仙 台、
福岡
第 2 次試験: 本学
6. 合格者発表日
第 1 次試験: 平成 19 年 1 月 19 日(金)午後 1 時
第 2 次試験: 平成 19 年 1 月 30 日(火)午後 1 時
【学事】
金沢医科大学報
14
看護学部設置認可される
設置認可まで
な社会環境の変化の中で、医療・保健・福祉全般に携
看護学部の設置について、平成 18 年 6 月に文部科学
わる看護職者の役割はいよいよ範囲が増大し、かつ高
省に申請し、学内・学外の多くの方々のご協力により、
度の知識や技術を兼ね備えた専門性も求められており
11 月 30 日付けで正式な設置認可書が届きました。こ
ます。
れにより、平成 19 年 4 月から金沢医科大学看護学部看
昭和 48 年 4 月に金沢医科大学附属看護学校(昭和 62
護学科が発足することになり、その準備を進めること
年 12 月専修学校に昇格し、
「金沢医科大学附属看護専
になりました。
門学校」となる)を設立し、心の通った看護のできる
本学の看護教育は、昭和 48 年の看護学校の開校以
看護師を多数輩出してきましたが、看護学部において
来、34 年間にわたって金沢医科大学の理念、目的に
も、この精神を受け継ぎ、幅広い知識、技術、人間性
鑑み、質の高い看護師を育成してきましたが、看護学
を兼ね備えた看護職者の育成を目的としています。
部開設により、看護専門学校は平成 19 年度からの学
さらに、医学部とともに、本学病院と密接な連携を
生募集を停止することとなります。看護学部では、こ
図り、最先端の医療チームの下で実習を行うことによ
れまでの看護専門学校で培ってきた人間性豊かな看護
り、チーム医療の一翼を担う看護職者の育成を目指し
職者の育成の精神を継承し、さらに発展していくよう、
ます。
現在、開設に向けて看護学部開設室において、学生受
看護専門学校の 4 大化構想は、以前から検討されて
入れ等の準備を行っております。
きましたが、このたびの看護学部の開設は、これまで
質の高い看護職者の育成を
参画していただきました諸先生方、また、看護専門学
近年、急速な医学の発展と医療技術の進歩に伴い、
校の歴代の校長先生や各先生方のご努力の賜と思って
医療の専門化や細分化をもたらす一方、少子・高齢化
おります。皆様に感謝申し上げますと同時に、今後と
による社会基盤や疾病構造の変化により、求められる
もご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
医療の概念も大きく変化してきております。このよう
(看護学部設置準備室室長 鈴木孝治記)
平成 19 年度 看護学部一般入学試験要項
平成 19 年 4 月に開設される本学看護学部看護学科の一般入学試験が下記のとおり実施されます。
募集人員 約 30 名
詳細は、入学センターにお問い合わせください。
出願期間 平成 19 年 1 月 22 日(月)∼2 月 14 日(水)
なお、入学試験要項および出願書類は入学センタ
試験期日 平成 19 年 2 月 20 日(火)
試験科目 英語: 英語Ⅰ・英語Ⅱ
ーで無料配布しております。お気軽にお申し込みく
ださい。
数学: 数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A
理科: 3科目から1科目を選択
物理: 物理Ⅰ
化学: 化学Ⅰ
生物: 生物Ⅰ
面接: 個人面接(約 10 分間)
試験会場 本学
合格発表 平成 19 年 2 月 27 日(火)
受 験 料 30,000 円
お問い合わせおよび入試要項請求は下記へ
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1
金沢医科大学入学センター
電話:(代表)076-286-2211(内線 2532 ∼ 2534 )
FAX: 076-286-6279
E-mail: [email protected]
ホームページ: http://www.kanazawa-med.ac.jp/
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
新 任 教 授紹 介
15
表 彰
平成 17 年度
優良教員表彰
平成 17 年度教員評価における優良教員の表彰式が平
きたむら
おさむ
北村 修 教授
法医学
成 18 年 12 月 25 日(月)
、本部棟 2 階会議室で行われた。
山本 達学長から優良教員賞の受賞者一人ひとりに
表彰状が授与され、将来の我が大学を担う人材として、
さらなる活躍を期待している旨の激励がなされた。
(学長室 今村吉克記)
本年 1 月 1 日付けで法医学教授を拝命いたしました。
私は、昭和 63 年長崎大学医学部を卒業し、同大大
学院に進学、東京慈恵会医科大学、徳島大学において
法医学の実務、研究に取り組んできました。
研究においては、剖検例における低酸素性・虚血性
脳障害の研究をはじめ、中枢神経系に重点を置いてい
ます。近年では、覚醒剤等の薬物依存について、ヒト
と動物との両者において研究を行ってきました。免疫
組織化学的手法を用いた剖検脳の研究においては、覚
醒剤の神経毒性についてのメカニズムを探求してきま
した。さらに、米国留学中は、行動薬理学という観点
山本学長から優良教員賞が授与された
から依存性薬物の摂取パターンを解析し、今後の研究
に有用と思われる動物モデルの作成を試みてきまし
平成 17 年度優良教員表彰者
た。
○教育活動部門 8 名
今年より新しい環境で研究、教育および法医学実
堀 有行 医学教育学助教授
務に専心できる機会を与えていただき、改めて身が引
田邉 洋 環境皮膚科学(皮膚科学)助教授
き締まる思いです。特に医学教育においては、法医学
鈴鹿 有子 感覚機能病態学(耳鼻咽喉科学)助教授
を通じて臨床医学を眺めることで、サイエンスに加え
東 伸明 分子細胞形態科学(解剖学)講師
法律、倫理という視点を持てるように取り組んでいき
藤田 拓也 運動機能病態学(整形外科学)講師
たいと考えます。法医実務では、「医療関連死」の解
松井 大 脳脊髄神経治療学(神経内科学)講師
剖による死因究明が制度化される予定ですが、時代の
土島 睦 消化器機能治療学(消化器内科学)助手
推移により要求が拡大しており、このような変化に対
福羅 匡普 消化器機能治療学(消化器内科学)助手
応できる体制作りも大きな責務のひとつと考えていま
○研究活動部門 5 名
す。
三浦 克之 健康増進予防医学(公衆衛生学)助教授
皆様には今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願
い申し上げます。
須貝外喜夫 生理機能制御学(生理学)助教授
倉田 康孝 生理機能制御学(生理学)助教授
金山 景錫 顎口腔機能病態学(口腔科学)講師
【略歴】
1988 年 3 月
長崎大学医学部卒業
1994 年 7 月
長崎大学大学院医学研究科卒業
1994 年 8 月
東京慈恵会医科大学助手
1999 年 4 月
徳島大学医学部助手
2000 年 6 月
徳島大学講師
2002 年 10 月
アメリカ・スクリップス研究所留学
2007 年 1 月
金沢医科大学法医学教授
中橋 毅 高齢医学(老年病学)講師
○診療活動部門 7 名
宮澤 克人 泌尿生殖器治療学(泌尿器科学)助教授
福島 俊洋 血液免疫制御学(血液免疫内科学)助教授
正木 康史 血液免疫制御学(血液免疫内科学)講師
兼氏 歩 運動機能病態学(整形外科学)講師
奥田 鉄人 運動機能病態学(整形外科学)講師
伊藤 順庸 発生発達医学(小児科学)助手
白神 俊祐 脳脊髄神経治療学(脳神経外科学)助手
【学事】
金沢医科大学報
16
平成 18 年度
解剖学実習
ご遺骨返還式
11 月 25 日(土)、本部棟 2 階会議室において、平成
18 年度のご遺骨返還式が、厳粛に開催された。参列
者は、過去にご献体され、平成 18 年度の解剖学実習
および夏季研修に使わせていただいたご遺体のご遺族
をはじめとする約 60 名である。
冒頭、本学の学生を代表して、医学部第 2 学年の安
平井圭一教授からご遺族一人ひとりにご遺骨が手渡された
田絵里子さんがお礼の言葉を述べ、人体の解剖という、
医学生にしか許されない貴重な体験を糧とし、献体に
深いご理解とご協力をいただいた故人並びにご遺族の
皆様方のご厚志に報いるためにも、生命の尊厳、また、
人類愛を知る良き医師として、そのご恩を広く社会に
職員の順で献花が行われた。
その後、平井圭一教授が、ご遺族一人ひとりへご遺
骨を丁重にお返しした。
最後に、篠原治道教授が挨拶し、長い間ご遺体を預
還元すべく、責任と自覚を永久に胸の奥深くに抱き、
からせていただいたことについてご遺族に謝意を述べ
そして決して忘れず、今後一層努力を惜しむことなく、
た。
(教学課 土田壮一記)
生涯、果てしのない良医への道を探求し続ける旨を宣
言した。
続いて、故人を偲び、また、その崇高なご遺志に感
謝し、分子細胞形態科学教授、ご遺族、学生代表、教
を深め、もって、医学教育および歯学教育の充実向上
篤志献体の方々に
に資するものとする」ことであり、生前から天寿会に
文部科学大臣感謝状を伝達
属し、没後に献体をされた方々のご遺族の意思により、
文部科学大臣から贈呈される。
感謝状は、栂教授からご遺族一人ひとりに手渡され
た。
最後に、栂教授から、解剖学実習は医学生にとって、
医学知識の修得のみならず、人格の陶冶の面において
も大きな影響を及ぼすものである旨の挨拶があり、そ
の重要性にご理解とご協力をいただいた故人並びにご
遺族へ、お礼の言葉があった。
なお、今回の贈呈対象者は、次の 9 名の方々であっ
た。
栂 博久教授からご遺族の方々に感謝状が手渡された
11 月 25 日(土)本部棟 2 階会議室 2 において、ご遺
骨返還式に先立ち、教務部副部長栂 博久教授から文
部科学大臣感謝状の伝達が行われた。
この感謝状は、
「献体者に対する感謝状贈呈要項」
(昭和 57 年 8 月 6 日文部大臣裁定)に基づき交付される
ものである。その趣旨は、
「献体に対する社会の理解
(教学課 土田壮一記)
(故)啓塚 敏雄 殿
(故)米光 辰朗 殿
(故)森川 重三 殿
(故)坂下 静枝 殿
(故)大畠みつい 殿
(故)寺嶋 久成 殿
(故)駒井 健二 殿
(故)根布井弘子 殿
(故)前田 信雄 殿
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
第 38 回 教育懇談会
OSCE の現状と将来 ※
17
話から開始された。
まず現行の OSCE は発展途上であり、今後様々な
改良が加えられる可能性があること、また、実施の具
体的方法は各大学でかなり異なることについて言及さ
れた。たとえば、今年度の OSCE では、従来の医療
講師: 北村 聖先生(東京大学医学教育国際協力研
究センター教授
面接、頭頸部診察、胸部診察+バイタルサイン、腹部
診察、神経診察、外科手技 and/or 救急の 6 もしくは 7
日時: 平成 18 年 11 月 24 日(金 17:30 ∼ 18:30
ステーションによる実施であったものを、バイタルサ
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
インを独立させて胸部診察 and/or バイタルサインと
いう最大 8 ステーションの実施要領としたこと、さら
に試験実施に際して and/or の選択を予め学生に知ら
せているか(東大 あるいは当日になって判明するか
(本学 などの違いがあること等である。以下、主要
な話題を紹介する。1 現在課題内容は公表されてい
ないが、各診察について 20 程度の課題がプールされ
れば公開する予定である。2 症例のプレゼンテーシ
ョンの仕方、病歴の記載、心音・呼吸音の聴取、整形
外科的診察、検査データの評価等の能力についても問
う試験を実施する可能性がある。3 模擬患者(SP を
使用した advanced OSCE を実施して臨床推論をきち
講師の北村 聖教授
んと行えるかどうかを評価する可能性がある。4 こ
れらの延長線上に医師国家試験の中で臨床技能試験を
平成 18 年 11 月 24 日(金 医学系 OSCE 実施小委員
取り入れることを視野に入れている。最後に、国外で
会委員長の北村 聖教授をお招きして、第 38 回教育懇
の臨床技能実習には組織的な SP の協力がうまく働い
談会が本学教職員と学生を対象に開催された。冒頭、
ていることを紹介された。
東大国際協力研究センター教授として、破壊されたア
本学では独自の SP 協力体制が組まれており、比較
フガニスタンの医科大学再建へ向けたお仕事を名刺代
的良好な医学教育環境にあるといってよいのではない
わりと称されてご紹介になられ、続いて、参加してい
かと思われた。
た学生に OSCE の半秘密事項も紹介するのでここで
註 OSCE: Objective Structured Clinical Examination
の講演内容は忘れるようにとのユーモアたっぷりのお
(脳脊髄神経治療学 松井 真記
(※本学イントラネットで VOD 供覧中
人物往来
□ Georg Kojda 博士/デュッセルドルフ・ハインリッヒ−ハイネ総合大学総合病院、薬理学・臨床薬理
学教授/東京で開催された「Japan Heart Club 」ならびに「臨床運動生理学研究会」に招かれて来日された
のを機に、本学生体情報薬理学教室を訪問(1999 年 3 月に続いて 2 回目 。NO-cGMP 系の研究成果につい
て意見交換を行った。その後、
「金沢 NO フォーラム」
(11 月 28 日、参加者 25 名 にて「一酸化窒素(NO )に
よる血管保護:その機序、運動の効果そして薬物治療の可能性について」と題した講演を行い、活発な討
論が行われた。/(生体情報薬理学
【学事】
金沢医科大学報
18
学生のページ
学生の表彰
課外活動等の功績を讃えて
平 成 18 年 11 月 28 日( 火 )本 部 棟 2 階 学 長 室 に お い
て、課外活動で優秀な成績を修め、本学課外活動の発
展に功績があったと認められた学生 5 名の表彰が行わ
れた。
受賞者には、金沢医科大学学生表彰規程に基づき、
山本 達学長から表彰状が手渡され、
「医学部の学生と
表彰状を受けて
して勉学に忙しい中、スポーツでがんばることに大変
意義がある。今後も、時間を有効に使い、がんばって
いただきたい。また、このような活動は是非後輩たち
─表彰を受けて─
水泳部 村上
にも伝え、すばらしい人間関係を構築していただきた
克宏(第 4 学年)
い」との激励の言葉が述べられた。
(教学課 山本健司記)
(受賞者)
○水泳部
「部活を通して良い人間関係
を築いてください」。
これは今回の表彰式で学長
兼井彩子(第 5 学年)
先生からいただいたお言葉で
第 58 回西日本医科学生総合体育大会水泳競技部門
す。思い返してみると、この 1
女子 100 メートル平泳ぎ 準優勝
年間の結果は学長先生の言葉ど
村上克宏(第 4 学年)
おり、部活で築いた人間関係によって支えられて得る
第 58 回西日本医科学生総合体育大会水泳競技部門
ことができたものだと思います。今年は4学年という
男子 200 メートル個人メドレー 準優勝(大会新)
こともあり、今まで以上に部活に打ち込んだ1年間で
男子 400 メートル自由形 準優勝(大会新)
した。途中、うまくいかず挫折しそうになったことも
○空手道部
ありました。結果は決して良いとは言えないものでし
小松太一(第 3 学年)
たが、夏の西医体が終わって達成感を味わえたのは、
平成 18 年度北陸武道連合会春季大会
共に練習をしてきた部活のみんな、応援してくださっ
一般男子 準優勝
た顧問の大瀧先生や OB の先輩方、切磋琢磨した他大
久保沙織(第 2 学年)
学の仲間のおかげだったと思います。本当にありがと
平成 18 年度北陸武道連合会春季大会
うございました。これからも部活を通してよい人間関
一般女子 第 3 位
係を築き、いろいろなことを学んでいきたいと思いま
○陸上部
す。
齋藤孝博(第 3 学年)
第 58 回西日本医科学生総合体育大会陸上競技部門
空手道部 久保
沙織(第 2 学年)
男子ハンマー投げ 準優勝
今回は課外活動を認めてい
ただき、そしてこのような表彰
の場を設けていただきありがと
うございます。大きな喜びとと
もに、バックアップしてくださ
った先生方、諸先輩、その他関
係者の皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。
部活という集団の中で行動し、忙しい勉強の合間に
(次頁下段へ)
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金沢医科大学報
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学生のページ
体験報告
金沢医科大学ダウン症児サポート教室
なないろビーンズでの
ボランティア体験で感じたこと
きたこみ
北古味 りか(第 5 学年)
障害を持って生まれてくるということを、私たちは
どのように受け止めているのであろうか。障害を持つ
ということに対して、一生涯背負っていかねばならな
い、かわいそうである、大変であるなどの印象をもた
れている方も少なくないだろう。
平成 15 年から始まり 3 年目を迎えるこのサポート教
ボランティアのメンバー(前列左が筆者)
自由に表現する機会を失い殻に閉じこもってしまうこ
とほど悲しいことがあるだろうか。
室はダウン症の赤ちゃんがなるべく早くから体操、運
持って生まれた障害とは一生抱えていくものなのか
動をすることを手伝うことで発達を助けるという目的
もしれない。しかし、私たちと笑顔で遊んでいた赤ち
のもと、毎月行われている。土曜日に行われるため、
ゃんや兄弟たち、それを笑顔で見守っていたご両親に
普段学校のある兄弟たち、仕事で忙しいお父さんも参
悲哀感や将来への悲観などを感じることはなかった。
加でき、祖父母も含めて家族全員で参加される方が多
もし私たちが医療従事者としてこの赤ちゃんたちとか
い。本院新館 12 階の広々とした開放感にあふれた会
かわっていく機会を得られるならば、私たちに求めら
場が、のびのびと遊べるとのことで、好評である。そ
れていることは 障害を治そうとする ことではない
こには生まれたばかりの新生児から未就学児まで幅広
のかもしれない。その障害と向かい合って生きていく
く参加している。主な目的は体操であるが、体操後も
赤ちゃんたちと、生きるということの素晴しさや喜び、
赤ちゃんの成長に関するいろいろな方の講演や、赤ち
そして障害とは 害 ではなく一つの 個性 でしかな
ゃん同士が遊んでいる中、両親同士の交流などが行わ
いということを、共に学び、楽しみ、見守ることだと、
れている。私たちも、ボランティアでお手伝いという
私はこのサポート教室に参加して痛感した。
よりはむしろ一緒になって遊んでおり、彼らの満面の
笑顔が見たくて毎月参加している面もある。
「障害を
持つ=マイナス」と見なしがちな面もある社会の中、
障害があるという理由だけで本人の行動が制限されて
いることも多い。外に出て皆で集い、自由に遊び、親
が意見を交換し合える場というのは、当事者である赤
ちゃんと家族のために非常に必要とされていると思
う。素晴しい才能や可能性を持っているのに、自分を
(前頁から)
他のことにも集中して取り組む時間を持つことは、将
も、課外活動は大きな役割を果たすと思います。
来に役立つ様々なものを学ぶことができる貴重な機会
私たちの課外活動は、たくさんの皆様のご協力の上
だと思っています。練習を通して得られる友人や先輩
で成り立っています。これからも感謝の気持ちを忘れ
後輩とのつながりは、勉強だけでは決して得ることの
ずに、部活動も学業も精一杯頑張っていきます。
できないものです。将来医師として求められるであろ
う人間同士のコミュニケーション能力を培う場として
【学事/学術】
金沢医科大学報
20
附属看護専門学校
午後は、毎年恒例
第8回
となっている応援合
看護学生スポーツ交流会
戦に加え、障害物競
走、玉入れ、リレー
が行われた。それぞ
平成 18 年 10 月 18 日(水)に、石川県私立看護学校連
れの競技は予想を超
絡会が主催する「看護学生スポーツ交流会」が行われた。
える独創的な内容と
このスポーツ交流会は、石川県内の私立看護学校で学ぶ
なっていた。応援合
1 年生の相互交流を目的に行われ、今年 8 回目となった。
戦は、各校とも自分
本年度の企画・運営担当は七尾看護専門学校で、七尾総
たちの学校やクラス
合市民体育館での開催であった。前年度より加わった金
の特徴を思い思いの
沢看護専門学校と、こまつ看護学校、石川医療技術専門
音楽やダンスの振り
学校、七尾看護専門学校そして本校の 5 校が参加し、交
付けで表現し、審査
流を深めた。
員に存分にアピールするとともに観客も魅了していた。
午前中には各校対抗のソフトバレーボールと、参加校
本校は学生数の多さも強みにして、ダイナミックなフォ
混合での大縄跳びが行われた。ソフトバレーボールには
ーメーションと演技を披露し、応援合戦の成績は 3 位と
各校 2 チームが出場し、本校 A チームはリーグ優勝を成
高評価を得た。総合成績は学生の健闘が実らず遺憾な結
し遂げた。
果であった。
大縄跳びは他校の学生たちとチームを組むことになっ
この交流会にあたって、実行委員を中心にみんなで話
ており、渡されたパズルの小片を合わせて図柄を完成さ
し合いながら応援合戦の練習に取り組み、納得のいくも
せると、チームメンバーが成立するように工夫がなされ
のに仕上げていく中でクラス全体がまとまり、学生たち
ていた。コミュニケーションをとりながらパズルを完成
も達成感を得られたようだった。七尾看護専門学校の 2
させてできあがったチームの絆は強く、優勝したのは制
年生の運営も行き届いており、楽しく有意義な 1 日を過
限時間 3 分間で 36 回を跳んだチームであった。
ごすことができた。 (看護専門学校 1 年担任 東 雅代記)
サブテーマを「終末期患者のアイデンティティ再確
立の援助」として、そのときの関わりから、
「死を目
前にしても自分は自分である」という意識の再確認が
重要であるとの気付きについて書いた。
もと
素(看護専門学校 3 学年) 体位変換や足浴、清拭など私のつたない援助に、そ
の患者さんは疼痛と闘いながらも、
「身をもって学生を
育てる」ことにその貴重な時間を割いてくださり、自
分の力を人に与える役割を再確立されたように感じた。
選考結果を聞いたときはとても嬉しかった。贈呈式
では、癌研究の第一線で活躍されている大学の教授や、
医学・看護の大学院生と並んでの受賞で多少緊張した
が、懇親会では他の看護大学生や専門学校生と情報交
換もし、また、海外研究助成を受けられた保健学科の
教授の貴重な話を聞くことができ、今回の受賞はとて
もよい経験となった。
安田記念医学財団 奨学生に
選ばれて
田中
安田記念医学財団
の奨学生に応募した。
応募要項には課題が
あ り、 テ ー マ は「 癌
の 撲 滅・ 治 療・ 看 護
に対する抱負」とい
う こ と だ っ た。 ど の
ような内容にすれば
よ い の か 迷 っ た が、
臨地実習で癌患者を
受け持たせていただ
いた経験をまとめる
ことにした。何例かの癌患者を受け持たせてもらった
が、なかでも特に印象的だった末期癌で疼痛コントロ
ールが主な治療の患者との関わりについてまとめるこ
とにした。
今回いただいた奨学金は今年 4 月に編入する大学の
入学金にあて、今後は安田記念医学財団奨学生として
さらに知識を深めるために精進していきたいと思って
いる。奨学生に選ばれたのは校長先生、副校長先生の
大きな力の後押しに支えられてのことだ。この場をお
借りして感謝申し上げたい。
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金沢医科大学報
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学 術
金沢医科大学
第2回
KMU 研究推進セミナー
日 時 平成 18 年 12 月 1 日(金)14:30 ∼ 18:00
場 所 病院新館 12 階大会議室
特別講演
分子細胞イメージングを用いた癌研究の未来 ※
松田道行 教授〈京都大学大学院医学研究科病態生物医学〉
技術セミナー
顕微鏡イメージングシステムについて:装置説明と使用の実際
太田隆英 助教授〈総合医学研究所分子腫瘍学研究部門〉
細胞内輸送障害と呼吸器疾患
長内和弘 助教授〈呼吸機能治療学(呼吸器内科学)〉
第 2 回 KMU 研究推進セミナーが 12 月 1 日(金)に学
研究成果が呈示され
内外から 69 名の参加者の下、病院新館 12 階大会議室
た。ここでの内容も
で開催された。本セミナーは本学における研究の活性
細胞内シグナル伝達
化を目指し、研究推進会議が中心となり企画したもの
にかかわるもので、
で、国内トップの研究者による特別講演と、昨年度本
また、臨床的には肺
学に導入されたイメージングシステムの研究への応用
障害との関連性を示
を目的とした技術セミナーの構成とした。特別講演で
唆しており、参加者
は、京都大学大学院教授の松田道行先生に「分子細胞
の興味をひいてい
イメージングを用いた癌研究の未来」と題して講演し
た。
ていただいた。
技術セミナーを主眼とした前半部分における最初
特 別 講 演 は、 松 田
先生の得意とされる
の演者は太田隆英助教授(総合医学研究所)によるも
「分子イメージング」、
ので、
「顕微鏡イメージングシステムについて」のタイ
つまり細胞内で起こ
トルで本学に昨年度導入された、生きた細胞を直接長
っている蛋白分子の
時間撮影できるタイムラプス顕微鏡(Zeiss 社製)およ
活性化、蛋白と蛋白
び立体的に観察画像を得ることができる、共焦点レー
の相互作用を可視化するというテーマで講演が行われ
特別講演の松田道行教授
ザー顕微鏡についての使用の実際と、それを用いた
た。松田先生の語り口は親しみやすく、最初に FRET
研究成果について分かりやすい説明がなされた。ここ
(fluorescence resonance energy transfer )の 原 理 に
での機器説明および研究結果はその後の講演にもつな
ついて説明されたが、大変分かりやすく、ためになる
がる内容であったので大変よい導入部分であった。続
内容であった。次にどのようにして蛋白を標識する
いて臨床側から長内和弘助教授(呼吸機能治療学)に
か(実はそのためには FRET を誘発する蛋白発現ベク
よる「細胞内輸送障害と呼吸器疾患」の講演が行われ、
ター
〈プラスミド〉を試行錯誤して構築するという大
顕微鏡画像のデータを含む「Rab38 」遺伝子に関する
変時間のかかる作業を必要とするものであるが)、に
(※本学イントラネットで VOD 供覧中)
【学術】
金沢医科大学報
22
ついて説明されたが、松田先生は
さらっ と話し、本セミナーの本
題である生きた細胞の中で、それ
らの標識蛋白の挙動、活性化、さ
らには蛋白−蛋白の分子間相互作
用について顕微鏡映像(動画)を
呈示され、分子の情報伝達のダイ
ナミックさを強調された。実際に
細胞増殖因子やその受容体がリン
酸化されて細胞内で動き出すと
技術セミナー: 太田隆英助教授
長内和弘助教授
か、細胞の増殖性、細胞形態変化
を動く映像で示されると、ここで用いる FRET を含
らなる活用につながることを願っている。
めた分子イメージングの方法およびそれによる研究成
セミナー終了後、病院新館 12 階レストランカプリ
果について聞く者の誰もが納得できる。これまでの分
コにて懇親会が行われ、松田先生、山本 達学長、山
子生物学的・生化学的解析から予想されたシグナル伝
田裕一副学長をはじめ多くの方が参加され、分子イメ
達も本イメージング方法によって修正変更せざるを得
ージングの迫力に若干押されながらも研究成果その他
ない、という結果も得られている。ゲノム解析データ
の歓談に盛り上がった。本研究推進セミナー開催にご
を活用しながら、次なるポストゲノム時代における癌
協力いただいた関係者の方々に感謝したい。
治療等での薬剤開発に本方法がつながることを強調さ
なお、都合により出席できなかった方のためにビ
れ、講演を締めくくった。講演後の質疑応答は活発に
デオ配信も準備したのでご活用いただければ幸いであ
行われ、分子イメージング方法への関心の高さが伺わ
る。
(研究推進会議副委員長 竹上 勉記)
れた。本学におけるイメージング顕微鏡システムのさ
中島日出夫 講師(腫瘍治療学)
北國がん基金研究助成を受ける
選定した。
本学からは、研究活動助成部門で腫瘍治療学の中島
日出夫講師の「がん温熱療法の分子機構の解明と効果
的な臨床応用への探索」が選ばれた。
贈呈式は、11 月 21 日(火)午後 3 時から、金沢市の
北國新聞会館で行われ、同研究に 100 万円の助成金が
授与された。
今回の中島講師の研究は、白血病細胞に熱ショック
を与えて DNA マイクロアレイによる網羅的遺伝子発
現の解析を行った結果、10 種類前後の既知の熱ショ
ック関連蛋白質とともに、未知の遺伝子が熱ショック
によって誘導されることを見つけた。この遺伝子はシ
ョウジョウバエからヒトにまで共通に保存されたドメ
インを持つ 132 アミノ酸からなる蛋白質をコードし、
約 80%の相同性をもつ遺伝子とファミリーを形成し
助成金を受ける中島日出夫講師
ていることが判明した。それらは、いずれも癌細胞で
顕著に発現が低下していることから、熱ショックによ
財団法人北國がん研究振興財団は、このほど第 20
って誘導される新規がん抑制遺伝子ファミリーである
回北國がん基金助成として、県内の大学、病院、医療
可能性が高く、今後はこれら遺伝子のがん抑制におけ
関係団体などから推薦、応募があった 24 件の中から、
る機能の解析をさらに進めていくとのことである。
研究活動助成部門 6 件、海外派遣等研修助成部門 1 件、
啓発活動助成部門 1 件、特別表彰部門 2 件の計 10 件を
(研究助成センター事務課 岡山 均記)
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金沢医科大学報
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神経内科などの臨床系各科にとどまらず、神経病理学、
第 40 回
日本てんかん学会
神経生理学、分子生物学などの基礎医学系、さらに心
理学、教育学、社会医学など、多岐にわたっている。
本学会では特別講演として、廣瀬源二郎副会長(本学
会長: 精神神経科学 地引逸亀教授
名誉教授)の推薦で、米国 Oregon Health & Science
期日: 平成 18 年 9 月 28 日(木)
∼29 日(金)
University Epilepsy Center の James J Cerghino 教
会場: 金沢市文化ホール
金沢ニューグランドホテル
授に「てんかんの新しい薬物治療」について、また、
金沢大学名誉教授・松原病院院長の山口成良先生に
「てんかんと視床」と題した講演をしていただいた。
また「てんかんの分子遺伝学的研究」、
「てんかん臨床
日本てんかん学会は、てんかんに関する基礎的お
のトピックス」と題したシンポジウムを開き、これに
よび臨床的研究を発展させ、我が国のてんかんをもつ
は国際交流とくにアジアでのそれを推進するためにア
人々の治療と福祉に貢献することを目的として 1967
ジア・オセアニアてんかん学会(AOEC )から、オース
年に結成されて以来、39 年の長きにわたり、毎年本
トラリアの Melbourne University Epilepsy Research
学術集会を開催している。会員は現在 1,694 名で、関
Centre の Samuel Berkovic 教 授、 マ レ ー シ ア の
係する専門分野は精神神経科、小児科、脳神経外科、
Malaya University の Chong Tin Tan 教授を招聘し、
シンポジストとして参加していただいた。その他、ワ
ークショップとして「てんかんと免疫」、
「てんかんの
診療ガイドライン」、学会前日の 27 日(水)にプレシ
ンポジウムとして「てんかん性精神障害の生物学的研
究」と「第 1 回てんかん学研修セミナー」、学会終了後
の翌日 30 日(土)に「てんかん治療の進歩」と題して市
民公開講座を開いた。
一般演題としては 216 題(口演 141 題、ポスター75
題)が発表され、約 750 人の参加者による活発な討議
の下、盛会のうちに全日程を滞りなく無事終了するこ
とができた。学会は余り金のかからない運営をモット
会場での学会スタッフ
ーにしたが、簡素で中身の濃い学会とのご好評をいた
だいた 。
(精神神経科学 地引逸亀記)
がこの疾患の現状を
第 33 回
示している。当科で
日本胆道閉鎖症研究会
は、35 年前から多く
の胆道閉鎖症患児の
治療に積極的にかか
会長: 臓器機能再建学 伊川廣道教授
わり、最近は治療の
期日: 平成 18 年 12 月 2 日(土)
選択肢として肝臓移
会場: 石川県立音楽堂 邦楽ホール
植も加わった。しか
し、できれば移植を
必要としないですむ
平成 18 年 12 月 2 日(土)金沢医科大学小児外科主催
ように、早期に対処
による日本胆道閉鎖症研究会が開催された。胆道閉鎖
することこそ大切な
症は小児外科疾患のなかで予後不良な疾患として小児
挨拶をする伊川廣道会長
ことである。今回の
外科医の挑戦意欲をかき立て続けている疾患のひとつ
研究会でも、肝臓移
である。そして、日本で行われている肝臓移植のレシ
植にならざるをえなかった本症患児の経過などの演題
ピエントの多くが胆道閉鎖症患児であるという事実
もいくつかみられ、熱のこもった討論が行われた。金
【学術】
金沢医科大学報
24
沢という土地の魅力もさることながら会長の伊川廣道
守る会」の北陸支部の斉藤支部長から胆道閉鎖症研究
教授の胆道閉鎖症にかける長年の思いを感じ全国から
会に対して、研究会への要望と感謝の気持ちを幹事会
の参加者は研究会という規模にしては多い、106 名を
の席でお話いただいた。そして、同会会員 3 名の研究
数えた。
会への出席もいただいた。患者の家族も含む開かれた
演題総数は 34 題で活発な議論が交わされた。特別
研究会として改めて本会の重要さを認識し、実りある
講演は胆道系の研究者として数多くの賞を受賞されて
研究会を終えることができた。また、本来、中身が勝
いる金沢大学形態機能病理学の中沼安二教授にお願い
負の研究会であるが、会場となった県立音楽堂に対す
し、示唆に富む研究結果と胆道閉鎖症の詳細な病理組
る出席者の賛辞の声も同時に聞こえ、金沢らしさも感
織についてお話をいただいた。参加者からの質問に明
じてもらえた研究会となり、やや誇らしい気持ちで会
確に回答していただき、主催者側としても、改めて中
を終えることができた。会の運営に協力してくれたス
沼先生の研究者としての足跡の一端を知ることができ
タッフにも改めて感謝いたします。
多くを学ばさせていただいた。
(臓器機能再建学 小沼邦男記)
さらに今回の研究会には、
「胆道閉鎖症のこどもを
JICA 草の根技術協力事業金沢医科大学担当事業
中国低所得農民層の失明実態究明と
対策のための人材育成
3 年間の事業を終えて報告会開催
責任者、張 勁松 中国医科大学教授、周 静聖 山西省
眼科病院主任、呉 開力 中山大学教授はいずれも本学
眼科学教室に在籍経験のある方たちで、合同チームの
核は金沢医科大学関係者であったことも本事業採択に
際して評価されている。事業の主旨は、1 )眼科医療
を受ける機会に恵まれない低所得農民層の失明実態を
正確に把握し、中国人民の失明・失明治療対策への参
考資料を中国側行政当局、眼科学会に提示すること、
2 )近代的疫学手法を駆使する失明調査の実際を失明
研究・治療を志す中堅眼科医に経験させることで、30
数名の中国人眼科医とともに遼寧省、海南省、山西省
内の 3 地域農村部で 1,500 余名を対象に眼科疾患の実
態調査が行われた。失明の最大原因は白内障であった
が、これ以外の失明、低視力原因疾患の実態も把握さ
れた。本事業は 2008 年より新たに日本外務省草の根
中国医大から小田島粛夫事業責任者に対して感謝状
事業として佐々木名誉教授の指導下に遼寧省内で展開
されることになっている。
本学担当の JICA 草の根技術協力事業、 中国低所得
(総医研・環境原性視覚病態研究部門 佐々木一之記)
農民層の失明実態究明と対策のための人材育成 の報
告会が 100 名を超える参加者のもと、平成 18 年 12 月
8 日(金)
、ホテル日航金沢で開催された。本事業は小
田島粛夫理事長を総責任者に事業費 5,000 万円、事業
期間 3 年の予定で 2004 年 1 月から開始されたものであ
る。佐々木一之名誉教授(本学・中国医科大学名誉教
授)をプロジェクトマネージャー、佐々木 洋教授をサ
ブマネージャー、小島正美講師を日中共同作業調整責
任者とする感覚機能病態学(眼科学)、社会環境保健
医学(衛生学)、総合医学研究所環境原性視覚病態研
究部門の研究チームが、趙 群 中国医科大学学長を中
国側パートナー責任者とする中国人眼科医チームとの
協力の下、本事業を行った。中国側実務担当の正・副
事業関係者の紹介
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
25
大学院医学研究セミナー
細胞のリサイクルシステム、オート
ファジーのメカニズムと機能
免疫学的妊娠継続機構の一断面
講 師 大隅良典先生(岡崎国立共同研究機構基礎
講 師 田中忠夫先生(東京慈恵会医科大学産
生物学研究所分子細胞生物学研究部門教授)
−習慣流産からのアプローチ−
婦人科学教授)
日 時 平成 18 年 10 月 20 日(金)18:00 ∼ 19:30
日 時 平成 18 年 10 月 27 日(金)18:00∼19:30
場 所 基礎研究棟 3 階セミナー室 D2・D3
場 所 病院本館 4 階 C41 講義室
担 当 ゲノム医科学 伊達孝保教授
担 当 生殖周産期医学 牧野田 知教授
〔講師略歴〕
大隅先生は、昭和 42 年に東京大学
教養学部基礎科学科を卒業後、米国
ロックフェラー大学研究員、東京大
学助教授を経て、平成 8 年より岡崎
国立共同研究機構基礎生物学研究所
教授として活躍されている。本年度
は学士院賞を受賞されるなど、その
功績は多大である。
〔セミナーの内容〕
蛋白質の合成は遺伝子発現という
点で極めて重要視され、これまで大
規模に研究が行われてきたが、その一方、蛋白質の分解につ
いては長い間その生理的意義についてほとんど注目されてこ
なかった。しかし近年、ユビキチン・プロテアソームシステ
ム(2004 年ノーベル化学賞受賞)および本講演内容であるオ
ートファジーの発見により、蛋白質の分解が合成と同様に生
理的に非常に重要であることが明らかになってきた。そこで、
先生にはオートファジー研究の先駆者としての立場から、こ
れまでの研究成果と今後の展望についてお話していただい
た。主な内容は以下のとおりである。
まず、先生がオートファジーを研究されるきっかけとなっ
た、酵母のオートファジーについて概説された。先生の研究
は酵母の液胞(ヒトではリソソームに相当)の生理機能解析
からスタートし、液胞内プロテアーゼを欠失した変異株を飢
餓状態にした時、液胞内に小さな顆粒が蓄積することを見出
した。さらに電子顕微鏡による観察により、この顆粒にリボ
ソームやミトコンドリアなど細胞質成分が含まれていること
が明らかになり、この現象が液胞内で細胞質成分が分解され
る、オートファジーであることを発見した。次に、酵母での
オートファジーに関与する遺伝子の同定を行い、これまでに
少なくとも 17 個の遺伝子がオートファジーに不可欠である
ことを明らかにし、atg 遺伝子(autophagy )と名付けた。こ
れらの atg 遺伝子変異株の解析から、atg 遺伝子の生理的役
割として、飢餓状態における蛋白質のリサイクルに必要で
あることを示した。これら atg 遺伝子産物(Atg 蛋白質)の関
与する主要な機構として、Atg12p-Atg5p システム、および
Atg8p システムの分子機構について説明された。
次に、哺乳動物のオートファジーについて概説された。酵
母で見付かった atg 遺伝子のほとんどはヒトを含めた哺乳動
物に見出され、オートファジーが生物一般に広く存在する機
構であることが示唆された。atg5 遺伝子、LC3(Atg8p ホモ
ログ)遺伝子のノックアウトマウスを作製、解析したところ、
確かに哺乳動物においても、オートファジーが起こることが
明らかになった。
最後に、臨床との関連について今後の展望をお話しされた。
現在、哺乳動物におけるオートファジーの研究は組織レベル
へと進んでおり、将来オートファジーと病気との関連が明ら
かになるかもしれない。先生のお話は、広範囲にわたり、示
唆に富む有意義な講演であった。
(ゲノム医科学 伊達孝保記)
〔セミナーの内容〕
10 月 27 日、東京慈恵会医科大
学産婦人科学教授 田中忠夫先生
をお招きし、
「免疫学的妊娠維持
機構の一断面 −習慣流産からの
アプローチ−」と題して講演をし
ていただいた。
受精卵は、同種移植片であり
通常は拒絶されるものであるが、
なぜ妊娠は 10 カ月もの間拒絶さ
れないのか? また、腫瘍も免疫からのがれ成長して
いる。この免疫の仕組みについて講演された。
まず、妊娠の仕組みを排卵・受精・着床と順を追っ
てわかりやすく説明していただき、生殖と免疫は密接
な関係にあることを示された。
不育症(習慣流産)の原因は多岐にわたり、子宮奇
形、感染、内分泌疾患、染色体異常、血液凝固能異
常、免疫学的異常などがある。母体は、妊娠極初期よ
り胎児移植抗原を認識し、母子間のサイトカインネ
ットワークが複雑に関与し絨毛、脱落膜に影響を及ぼ
し妊娠が維持されている。また、IDO(Indoleamine
2,3-dioxygenase )による免疫抑制作用が関与している
可能性がある。免疫異常による不育症では、抗 HLA
抗体、NK 細胞活性、遮断抗体などの関与が報告され
検査が行われている。しかし、検査では異常の見られ
ない原因不明の流産も多く認められている。この中で、
免疫性不妊症と診断された症例に対し、免疫療法(夫
リンパ球療法)が行われており、その結果抗 HLA 抗
体を多く誘導できた症例では妊娠維持ができた。また、
流産症例では IDO 発現が低く、動物実験などの結果、
妊娠維持に IDO が重要な役割をしていることを示さ
れた。IDO は局所におけるトリプトファンを抑制し、
T cell の増殖を抑え、絨毛トロホブラストへの攻撃を
抑え、妊娠維持に働いている可能性を示唆した。婦人
科悪性腫瘍についてもふれ、卵巣癌においてステー
ジが高いほど IDO の発現が低いとの結果を示された。
最近の知見および最新の研究結果についてお話しされ
た。大変興味深い講演であり、今後の臨床、研究に大
変有意義な講演であった。
(生殖周産期医学 富澤英樹記)
【学術】
金沢医科大学報
26
大学院医学研究セミナー
糖鎖結合蛋白ガレクチン 9 の多
様性:基礎から臨床応用まで
疼痛治療へのアプローチ
講 師 山内清明先生(香川大学医学部細胞制
御医学教授)
日 時 平成 18 年 11 月 2 日(木)18:00 ∼ 19:30
場 所 病院本館 4 階 C41 講義室
担 当 脳脊髄神経治療学 飯塚秀明教授
脳脊髄神経治療学 松井 真教授
講 師 山崎光章先生(富山大学医学部麻酔科
〔講師略歴〕
山内清明先生は昭和 55 年に神
戸大学医学部を卒業後、京都大学
医学部附属病院外科で研修を受
け、学位を取得された翌年の平成
4 年から約 4 年間米国 FDA へ留学
された。帰国後、京都大学附属病
院において消化器外科助手に着任
され、平成 11 年には香川医科大
学第 2 外科講師、平成 14 年から香
川大学医学部細胞制御医学講座の教授を務められてい
る。平成 12 年には大学関連ベンチャー企業であるガル
ファーマを設立し、乳腺外科医としての立場から、腫
瘍の転移阻止因子などの研究に携わって来られた。
〔セミナーの内容〕
ガ レ ク チ ン 9 は 糖 鎖 結 合 蛋 白 の 一 つ で あ り、 当 初
eotaxin と同等かそれ以上の好酸球遊走活性を持つ物
質として発見された。この物質は 2 つのサブユニット
が互いに tandem 型に結合しているが、この結合は容
易に分解されて生物活性を失う。Exosome という非古
典的な経路で産生細胞から分泌され、比較的多くの糖
鎖を認識して結合し、細胞間情報伝達物質として作用
する。免疫担当細胞、呼吸器系、消化器系などの組織
に発現が多い。ガレクチン 9 は不安定な物質であるが、
tandem 型に改変を加えて安定化ガレクチン 9 を製造す
ることに成功した。この物質を用いて現在までに判明
した生物活性としては、好酸球遊走の他、活性化 T 細
胞のアポトーシス誘導、癌細胞のアポトーシス誘導、
細胞接着因子としての作用などが挙げられる。後 2 者
は抗腫瘍効果として注目され、腫瘍を移植したマウス
にガレクチン 9 を投与すると明らかな生存率の上昇を
認めることから重要な研究テーマの一つである。一方、
この物質を投与されたマウスでは、Foxp3 陽性の免疫
制御性 T 細胞の増加が認められ、実際に関節リウマチ
モデルにおいて劇的とも言える治療効果を示した。炎
症性サイトカインを産生する Th1 リンパ球表面に存在
する Tim-3 にガレクチン9が結合してアポトーシスを
誘導している可能性があり、将来の膠原病治療薬とし
て有望である。
(脳脊髄神経治療学 松井 真記)
学教授)
日 時 平成 18 年 11 月 20 日(月)18:30∼20:00
場 所 病院新館 12 階特別会議室
担 当 侵襲制御学 土田英昭教授
〔講師紹介〕
山崎先生は富山医科薬科大学
(現・富山大学)のご出身で、麻
酔科領域では血管平滑筋の研究
者として知られ、また、臨床で
は集中治療分野で活躍されてい
た。教授に就任されてからは専
門分野を疼痛治療に鞍替えし、
現在はペインクリニシヤンとし
て疼痛治療にあたるとともに、実験動物を用いた基礎
研究にも精力的に取り組まれ、慢性疼痛の機序の解明
や効果的な治療法の模索に努力されている。
〔セミナーの内容〕
慢性疼痛患者では 1 次、2 次ニューロンレベルでの
エファプス、発芽、central sensitization などといっ
た変化が複雑に絡み合って疼痛の原因となっており、
したがって治療においても急性痛とは異なるアプロー
チが必要であることが示唆された。これに伴う抑うつ
状態や不安にはδオピオイド受容体や GABA 受容体
の機能低下、Astrocyte の増強などが関与しており、
免疫能も低下するとのことであった。臨床的な治療方
法としては、オピオイド、消炎鎮痛剤、抗うつ剤など
の薬物療法について、それぞれの作用機序に触れなが
ら詳細に解説された。特にドラッグチャレンジテスト
は、作用機序の異なる様々な薬剤を投与して効果を調
べるというもので、個々の患者に最適な治療薬を選択
する方法として近年普及してきたものである。後半は
動物実験による豊富なデータを示された。主なテーマ
は、疼痛と不安との関係の解明である。これを動物実
験でどう研究するのかは興味のあるところであった
が、明暗試験や高架式十字迷路試験を駆使し、ラット
の「不安」を見事に評価されているのには新鮮な驚き
を感じた。実際にベンゾジアゼピン系の薬剤を投与す
ると慢性疼痛モデルラットの「不安」が減少するそう
である。講演終了後には多くの質問やデスカッション
が行われ、治療の難しい慢性疼痛への関心の高さが表
れた。
(侵襲制御学 土田英昭記)
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
産学連携
27
今回のサミットは、イノベーション創出に向けた産
学官の役割と連携の新たな展開をテーマに、企業、大
第6回
産学官連携サミットに出席
学、研究機関、国・地方自治体のトップ約 1 千名が出
席して開催され、本学から伊達孝保研究推進会議委員
日時: 平成 18 年 11 月 20 日(月)
14:00∼17:20
長が出席した。
場所: 赤坂プリンスホテル
政府では、2025 年までを視野に入れた長期の戦略
指針「イノベーション 25 」を策定することとしており、
本サミットは、内閣府、総務省、文部科学省、経済
産業省、日本経済団体連合会、日本学術会議が主催し
て、毎年この時期に開催されている。政府、学界およ
び産業界を挙げて取り組んでいる 21 世紀の我が国の
立国の理念である「科学技術創造立国」の施策の一層
の推進をはかるため、産学官連携の推進を担うトップ
が一堂に会する機会を設け、直接に対話・交流し、そ
の結果を施策へ反映するとともに、大学や企業の活動
平成 19 年 2 月末までに長期戦略指針の全体像を有識者
の英知を結集して策定して、5∼6 月までに戦略的ロ
ードマップを分野別にまとめるとのことであった。詳
細は、下記ホームページに掲載されているのでご覧い
ただきたい。
(研究推進会議委員長 伊達孝保記)
〔第 3 回イノベーション25 戦略会議ホームページ〕
http://www.kantei.go.jp/jp/innovation/dai3/index.html
http://www.kantei.go.jp/jp/innovation/dai3/siryou3-3.pdf
に具体的に生かしていくことを目的としている。
産学連携
ても産学連携の基本的な枠組みや問題点、方向性を考
える機会を持ってもらうという趣旨で開催されたもの
産学連携セミナー
産学連携の概要と代表事例
である。講師には、大和証券グループのシンクタンク
※
である、㈱大和総研の新規産業調査本部長・鈴江栄二
氏および同社産学連携調査部主任研究員・岡村公司氏
のお二人にお願いした。
講師: 鈴江栄二氏( ㈱大和総研新規産業調査本部長)
約 1 時間半にわたる講演の前半では、日本における
岡村公司氏( 〃 産学連携調査部主任研究員)
大学法人の産学連携の概要や組織、事業戦略等につい
日時: 平成 18 年 11 月 22 日(水)13:30 ∼ 15:00
て先行事例の分析が行われた。また、私立医科系大学
場所: 本部棟会議室
の活動状況についても紹介があった。後半には、大学
発ベンチャーの日米の現況、国の政策および起業と経
営に関する考え方や方向性について説明と助言があっ
た。
セミナーには山下・竹越両副理事長、山本学長のほ
か教職員、研究者等約 30 名の参加があった。産学連
携や大学発ベンチャーは、今研究者の間で最も関心の
高いテーマのひとつであり、講演終了後も本学研究者
との間で熱心な質疑応答があった。
日本では、大学が有する技術を積極的に実用化し、
起業化しようとする動きは、欧米に比べ歴史が浅く、
極めて小規模である。本学を含む国内の多くの大学が、
質疑応答に答える講師の鈴江、岡村両講師
いまから産学連携の体制づくりを始めるという段階に
ある。もとより研究成果の実用化には時間がかかり、
平成 18 年 11 月 22 日(水)
、午後 1 時 30 分から本部棟
施設設備や人材の利用等大学の支援が不可欠である。
会議室において「産学連携の概要と代表事例」をテー
この講演を聴き、本学の研究活性化および研究者と大
マに産学連携セミナーが行われた。
学の互いに利益となるような支援体制が是非とも必要
このセミナーは、大学法人における産学連携、特に、
大学から企業への技術移転や大学発ベンチャー起業等
が、近年活発に行われているところから、本学におい
と思われた。
(理事長室 大野木辰也記)
(※本学イントラネットで VOD 供覧中)
【学術】
金沢医科大学報
28
産学連携
平成 18 年度
中部・近畿地区大学等知的財産
連絡会議に出席
日時: 平成 18 年 12 月 4 日(月) 14:00∼17:20
場所: 国立大学法人富山大学(五福キャンパス)
、
黒田講堂
本会議は、特許庁等の機関と中部・近畿地区の知的
会議風景
実施許諾(ライセンス)するしかない。
財産管理アドバイザー派遣先大学およびその近隣の大
大学における産学連携の実施収入については、直ぐ
学等の知的財産部門スタッフが一堂に会して、各大学
に収入があがらないので、長期的な視点で技術移転活
における知的財産管理体制の構築、知的財産管理の充
動を継続することが必要である。
実のため意見交換を図ることを目的として開催され、
経営戦略においては、三位一体(事業戦略⇔知的財
今回で 4 回目(1 回:福井大学、2 回:三重大学、3 回:
産戦略⇔研究開発戦略)が大事である。その他、特許
京都工芸繊維大学)である。
情報を活用することも重要である。
会議は、富山大学知的財産本部知的財産マネージ
知的財産計画 2006 では、国際的な特許出願を支援
ャーの金田佳己氏の司会で進められ、はじめに、富山
する、特許・論文情報統合検索システムを整備する。
大学理事・知的財産本部本部長の倉石 泰氏、引き続
2 主な事例報告
き特許庁総務部技術調査課大学等支援室長の荒巻慎哉
静岡県立大学は、小規模大学(公立)の知的財産戦
氏から開催の挨拶と本連絡会議の趣旨説明がなされた
略として大学管理で柔軟な活用を考えている。産学連
後、講演、発表・事例報告があった。
携の学内組織は発明委員会(月 2 回開催)
、産学連携推
1 大学における知的財産戦略について
進委員会(年 3 回程度開催)、事務局経営課がある。知
大学の知的財産活動は、2005 年ベースで特許出願
的財産は大学管理だが、出願前に企業、教員へ譲渡す
件数は 7,000 件を超え、特許率は 60%に達している。
る等迅速・柔軟な活用を行っている。また、経費抑制
今後の政府方針は、 出願件数重視から、質を重視し
と一定のサービス運用が可能な人材・組織を目指して
た本格的な知的財産戦略 を求めており、そのための
いる。
知的財産管理の改善・充実がより一層必要である。
富山大学の知的財産整備状況は、知的財産ポリシー
大学における知的財産戦略の目的は、①研究成果の
等関係規程の制定、共同研究・受託研究の契約書式ひ
社会還元、②研究推進(共同研究)
、③研究成果の発展・
な型、データベースの作成(3 キャンパス統一形式・
深化、④教育面での効果、⑤特許収入が挙げられる。
データ一元管理)、講演会 およびセミナー、知的財産
特許等の活用方法については、大学は企業と異なり、
自己実施できないため、譲渡(産業財産権の移転)か
産学連携
第 22 回
北陸 STC サロンに参加
(北陸産業界技術シーズ発表会)
本部 HP の開設等、積極的に行われている。
(研究助成センター事務課 上田正博記)
員に入会した。また、北陸 STC サロンには、北陸三
県の各種企業等との交流・ネットワーク形成の機会と
なることから今回から参加することとなった。
今回、石川県立大学を会場に、テーマを「エコ & ラ
イフケア」として開催され、参加者は、北陸 STC の法
日時: 平成 18 年 12 月 8 日(金) 13:00∼17:20
人、個人会員(北陸 3 県の経済界、研究支援機関等)を
場所: 石川県立大学(石川郡野々市町)
中心に約 150 名であった。
技術シーズ・ニーズ・アイディアの発表会では、総
本学は、平成 18 年 11 月に北陸 STC 事業部の増田浩
合医学研究所先進医療研究部門の友杉直久教授が「み
子コーディネーターの紹介で北陸 STC(* 1 )法人会
らい型ヘルスケア・システムの提案−プロテオミクス
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
29
り、本学も参画する方向で検討することとなった。
* 1 北陸 STC
北陸スーパー・テクノ・コンソーシアムの略。北陸経
済連合会が主催する北陸 STC は、北陸三県の県境を越え
た産官学の連携を促し、会員から提案されたシーズ・ニ
ーズ・アイディアへの事業化に対する支援と既存産業の
高度化・複合化に対する支援を行うことにより、新技術・
新産業の創出を図り、北陸地域経済の活性化・繁栄を目
技術シーズ・ニーズ・アイディアの発表会
指しています。
* 2 北陸ものづくり創生プロジェクト
技術の応用−」と題した発表を行った。発表会後の講
北陸地域(富山県、石川県および福井県)では、製薬、
評では、北陸 STC 事業部ゼネラルコーディネーター
繊維および発酵食品等のバイオテクノロジー関連産業、
の吉田博幸氏がこの研究内容を賞賛していた。
産業・建設機械等の一般機械、電気電子部品製造等の電
展示コーナーでは、本学からは研究シーズと看護学
気機械など特徴ある機械関連産業の集積が存在します。
部のパネルを展示したほか、研究シーズ一覧、大学概
北陸ものづくり創生プロジェクトは、北陸地域の多様で
要、看護学部リーフレット、入試要項等を配布し本学
特色のある既存産業集積を最大限活用し、バイオ分野、
の PR を行った。
高度精密加工分野、新素材分野等において、
「高度なもの
また、交流会では、経済産業省中部経済産業局から、
産学官連携コーディネーター北陸分科会議および北陸
ものづくり創生プロジェクト(* 2 )への参画要請があ
産学連携
づくり産業クラスター」の形成を目指すプロジェクトで
す。
(北陸ものづくり創生プロジェクト HP から抜粋)
(研究助成センター事務課 上田正博記)
事業であり、
「企業・大学等からなる連携体」の代表
者(コア企業)に対して補助金が交付されるものです。
平成 18 年度石川県産業創出支援機構の
「産学・産業間連携新豊かさ創造実用
化プロジェクト推進事業」に採択
㈱エムシープロット・バイオテクノロジー代表取締役
友杉 直久
今回、プロテオミクス技術を用いた「涙でのシェーグ
レン症候群の診断」や「鉄代謝制御因子ヘプシジンの
測定系の開発」など、ここ 2、3 年の大学での研究成果
が評価され、それを企業として製品化する事業が支援
されることになりました。
われわれは、プロテオミクス技術を駆使して健康状
態を血液中の蛋白質の変化で捉え、疾患の早期発見に
このたび、平成 18 年度石川県産業創出支援機構の
つなげる研究を目指していますが、今回の支援事業で
「産学・産業間連携新豊かさ創造実用化プロジェクト
は、1 )血液から大腸癌、胃癌、膵臓癌、白血病をス
推進事業」に、弊社から応募しましたテーマ 「 疾患診
クリーニングする研究(パターン診断)、2 )血液から
断マーカー(蛋白質 / ペプチド)の探索・同定と診断キ
貧血症、放射線障害などの骨髄機能障害を診断する研
ット化 」 が採択されるという栄誉にあずかり、昨年 12
究、3 )涙からシェ−グレン症候群の進行レベルを診
月 22 日県庁で行われた交付式に出席して参りました。
断する研究(疾患マーカー診断)を、臨床に応用でき
これもひとえに、大学発ベンチャー設立にご理解をい
る形にして個別対応型ヘルスケア事業に展開させ、ま
ただき、また研究に対して惜しみない援助をいただい
た疾患診断 ELISA キットやペーパークロマトテスト
た小田島粛夫理事長、山本 達学長はじめ、金沢医科
の開発を 2 年計画で行う予定でおります。
大学の皆様のお陰と感謝いたしております。
「新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」は、
谷本正憲県知事から「病気の早期発見の先導役の事
業になることを期待する」と激励のお言葉をいただき、
これまで 「 産学・産業間で取り組んできた共同研究開
その責任の大きさに身の引き締まる思いでおります。
発等の成果 」 として得られた「技術や特許など」を活
与えられた課題は大きく、その解決のためには金沢医
用し、
「試作品の製作や製品の販売等のために必要と
科大学と連携した共同研究が是非とも必要であり、今
なる研究開発(評価試験、改良等)」を支援するための
後のご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。
金沢医科大学報
30
病 院
日本医療機能評価機構(財)
「病院機能評価」の訪問審査終わる
平成 18 年 11 月 15 日(水)から 17 日(金)の 3 日間に
わたり、
(財)日本医療機能評価機構のサーベイヤー
(調査員)8 名による訪問審査が実施されました。すで
に 8 月には、評価機構に当院の「病院機能現況調査票」
を提出、書面審査が開始されており、今回の訪問審査
は調査票に基づく実地調査で、この 2 段階調査での審
査結果を踏まえて、評価機構の評価部会、特別審査委
員会、評価委員会の 3 つの審査会で審議がなされ、そ
の結果が受審病院に通知されることになります。
平成 16 年 10 月に病院内に機能評価受審準備委員会
が発足してから、足かけ 2 年の歳月をかけてようやく
訪問審査の日を迎えたことになります。病院全体とし
て実質的に動きだしたのは、平成 17 年 4 月にプロジェ
クトとして病院機能評価受審推進室が発足し、院内に
受審プロジェクト委員会が設置されたころからです。
5 月から新バージョン(Version 5 )の機能評価項目に
沿った自己点検・評価作業を実施して病院職員のモ
チベーションを高めていくきっかけとし、課題・問題
点の抽出と改善目標の設定を行って改善作業を開始し
ました。評価項目の解説意図に沿って客観的な視点か
ら綿密かつ厳しく改善目標の達成度合いをチェックす
る作業が続きました。特に平成 17 年 6 月からは、院内
にサーベイヤーチームを結成し、評価領域を分担して
繰り返し模擬訪問審査を行って次々と改善事項を指摘
し、この作業は訪問審査日の前日まで行われました。
2∼3 カ月前からは職員の自覚による改善意欲も頂点
に達し、現場にはほどよい緊張感が漂い、改善すべき
課題についての共通した認識が生まれるようになって
いました。
訪問審査初日にリーダーサーベイヤーの方から、
「訪
問審査は立ち入り調査ではなく、職員の方が今日まで
時間をかけて一体となって苦労されながら改善を重ね
てきたその成果を見せていただき、我々の知見が少し
でもお役に立つことがあれば助言させていただいて、
質の高い医療の一層の充実・向上に役立てていただ
きたい」旨の挨拶がなされて審査作業が開始されまし
た。最終日のリーダーサーベイヤーの方からの全体講
評では 2、3 点の項目についてさらなる整備充実が指摘
された以外、特段の指摘事項は見当たらず、リップサ
ービスなのかどうか定かではありませんが、むしろ今
後への期待感が多かったように思われました。現時点
で、部署訪問における質疑応答の纏めができていませ
サーベイヤーによる全体講評
んが、各部署ではいくつかの指摘事項が散見され、ま
た、返答に詰まるような場面もあったようです。サー
ベイヤーチームの合意が機構への報告書にどのように
盛り込まれたか知る由もありませんが、受審結果は順
当にいけば 3 カ月後の平成 19 年 2 月中旬から 3 月初旬に
知らされることになります。しかし、これですべてが
終了したわけではありません。サーベイヤーの質問に
薄氷を踏む思いで答えた一幕が幾度もあったことを今
一度思い出して、その時を振り返ってほしいと思いま
す。いま一番大切なことは、全職員が時間と労力とお
金をかけて行ってきた数々の改善を、今後も維持・充
実させ発展させていかなければならないことです。
「医療の受け手である患者のニーズを踏まえつつ、
質の高い医療を効率的に提供していくため、組織体と
しての医療機関の機能の一層の充実・向上を図ってい
く」ため、病院機能評価の受審はまさにその絶好の機
会であり、真の成果は今後の病院職員の一人ひとりの
手中にあるといっても過言ではないと思います。今回
の機能評価受審をお手伝いさせていただいた一人とし
て、この機会に、当院が提供する医療の質を管理する
常設のセクションが設置され、常時、クオリティ管理
が行われていくことを望んでいます。
最後に、自発的な業務改善への意欲を最後まで維
持・継続していただくため、病院職員の各位には、特
に、後半の 3 カ月間、ハードな模擬審査スケジュール
や厳しい指示を行ってきましたが、あらゆる場面で鋭
意努力し、協力していただいたことに厚くお礼を申し
上げます。また、今回の受審プロジェクトに絶大なる
ご支援を賜りました小田島理事長をはじめ大学当局の
関係職員の皆様に心から感謝申し上げます。
(病院機能評価受審推進室 中農理博記)
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
31
血液センターの拡張
その歩みと今後の展望
このたび、長らくの希望であった血液センターの中
比、アルブミン/赤血球 MAP 比が一定の基準を満た
央臨床検査部(中検)からの独立が、2006 年 11 月の病
していれば輸血管理料の請求が認められるということ
院機能評価受審を機に認められ、場所の拡張も成りま
です。幸いに当院では輸血管理料請求可能要件のなか
した。
の FFP/MAP 比が平成 12、13、14、15、16、17 年に
当院の血液センター
(輸血部)は 1974 年 8 月長田和
おいて各々0.98、0.76、0.55、0.66、0.60、0.46 と平成 13
巳部長(臨床病理学助教授)のもと金沢医科大学輸血
年以降 0.8 以下をクリアしていたこと、平成 17 年の年
部として発足ました。1977 年 1 月、名称を金沢医科大
間のアルブミン/MAP 比が 2.0 以下をクリアしていた
学病院血液センターと改称し、新たに滝口智夫血液免
ため、輸血管理料 I が請求可能となった場合の試算を
疫内科学助教授(現在血液免疫内科学名誉教授)が部
行い、この結果を病院に提示しました。
長に任命(併任)されました。1993 年 1 月より廣瀬優
病院機能評価受審に向けての輸血業務の一元化の人
子血液免疫内科学助教授(現血液免疫内科学教授)が
的、場所的な問題について、病院管理課、中央臨床検
部長に任命され現在に至っています。
査部、医療情報部、看護部との協議を重ね、現在の新
開院当初から血液センターは手術部と隣接し、中
館 3 階の血液センター内に輸血検査部門をつくり、血
検とは離れていました。この位置関係は現在の新館が
液センター内にあった自己血採血、成分採血場所を移
建てられた時も血液センターと手術部の隣接が優先さ
転するという案が出されました。自己血採血、成分採
れ、血液センターは新館 3 階に中検は本館 2 階に残っ
血の場所としては新館 3 階の ICU 前の待合ホールのあ
たため、中検との距離はさらに遠い状態にありました。
きスペースが候補に上がり、病院の承諾を待って自己
このため輸血検査は中検に、時間外の血液払い出しを
血採血室、成分採血室を新設、移転しました。
当直看護師長に依頼していたという特殊な状態が続い
ていました。
中検から輸血検査部門を血液センターへ移すにあた
り、中検の臨床検査技師 2 名も血液センターへ移籍し
2006 年 11 月に病院機能評価に向けて不適切と指摘
てもらい、現在は血液センター所属技師 4 名が 24 時間
された当直看護師長の血液払い出し、輸血業務などの
体制ですべての輸血検査、払い出し業務を行っていま
見直しのもと輸血業務一元化を前提として人的、場所
す。また、アルブミンも血液センターで管理し輸血管
的改変を行う必要が生じました。
理料の請求を開始する予定です。
2006 年 4 月から診療報酬改定で厳しい算定条件をク
血液センターの一元化により血液型検査と交差適合
リアすれば輸血管理料が認められることとなりまし
試験が血液センター内で輸血オーダーが出るとすぐに
た。輸血業務が血液センターにおいて一元管理とな
行えるようになり、時間外、土曜、日曜、祝日も 24
り、血液製剤と血漿分画製剤のうちアルブミンも血液
時間体制で迅速に対応できるようになりました。また、
センターで管理され、かつアルブミン/赤血球 MAP
病棟、外来への血液製剤の搬送も血液センター技師 4
自己血採血
成分採血
【病院】
金沢医科大学報
名と技能員 1 名で行っています。
32
血液製剤の放射線照射が必要となり、1997 年 6 月、X
自己血輸血も滝口智夫前部長時代から行っていま
線照射装置(日立 MBR-1520A-TA )が設置され、血液
す。現在新設された自己血採血室には採血専用椅子 2
センター技師が赤血球製剤、血小板製剤の放射線照射
台が設置され、いつでも快適な環境で自己血採血が行
を行っています。
える状態です。自己血輸血に関しては自己血専用の冷
蔵庫がありますが、感染症症例の自己血専用冷蔵庫の
設置が課題として残っています。
また、血液製剤の使用記録の 20 年間保管が義務化
されていて PC 管理と伝票保管をしています。
毎日の冷蔵庫温度の管理、血液製剤の発注という
輸血部門は日本輸血学会が 2006 年 6 月から日本輸
日々の業務に加え、日々進歩する輸血医学の水準を保
血細胞治療学会と名称が変更され、北陸支部もこれに
っていくための勉強会、学会発表・出席も必要です。
ならい 2006 年 11 月から日本輸血細胞治療学会北陸支
現在、血液センター所属の臨床検査技師4名と技能
部と変更し、輸血検査、血液製剤の管理のみでなく細
員1名は、
輸血検査以外に上記の業務を行っていますが、
胞治療を行う部門となっています。当血液センターも
4名の臨床検査技師のみでは365日の24時間体制の維
COBE SPECTRA、Haemonetics Multi を有し、末梢
持は困難でせっかく一元化が成った血液センターを維
血造血幹細胞採取を行い、造血器腫瘍やその他の悪性
持発展させていくためにも、早急の臨床検査技師の増
腫瘍に対する治療に協力しています。末梢血造血幹細
員が必要であることをご理解いただきたいと思います。
胞採取の部屋も拡張され、清潔で快適な空間で細胞採
血液センターの輸血業務一元化に向けてご協力いただ
取が行われるようになっています。
きました関係各所に深く感謝いたします。
放射線未照射血液輸血による輸血後 GVHD(移植片
(血液センター部長 廣瀬優子記)
対宿主病)が問題となって輸血後 GVHD の予防のため
病院新館 1 階に
患者用図書コーナー設置
図書コーナーでは、従来のまほろば文庫や教職員
からの寄贈により、医学書から小説、児童書、マン
ガ本まで、様々な図書を配架している。また、図書
のほか、
「医学情報の検索」用としてインターネット
用パソコンを 2 台設置した。病気についての知識や
平成 18 年 11 月 1 日、新館 1 階吹き抜けフロアーに、 正確な医学・医療情報を調べることができるように
患者サービスの一環として、患者さんが、診察の待
ち時間を利用してくつろいで過ごせるよう患者用図
書コーナーを設置した。
設置にあたっては、吹き抜けフロアーの特徴を活
かし、オープンスペースで広々と使い、利用者が入
りやすいように配慮した。
なっている。
今後は、ボランティアを加えた運営などにより貸
し出し業務を行うなど、患者さんの要望におこたえ
できるよう充実を図りたい。
(病院長室 干場良広記)
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
33
診療費自動支払機、会計番号表示システム 導入
平成 18 年 10 月 25 日(水)より、
「診療費自動支払機」と「会計番号表示システ
ム」を導入した会計業務を開始した。
会計番号表示システムは、請求書ができた時点で患者さんの名前をお呼び
する従来の方法から、表示盤に番号を表示することによりお知らせするよう
にしたものである。これにより、マイクによる呼び出し放送をやめ、患者さ
んのプライバシーの保護と静かな待合いロビーの実現が可能となった。
また、診療費自動支払機(3 台)については、従来の有人窓口に加え支払窓
口が増えたことにより、ピーク時の混雑が分散され、同時に支払いまでの待
ち時間が短縮された。患者さんからは、会計が早くなったと好評を得ている。
デビットカードやクレジットカードの利用も可能となり、高額となる入院費
の支払いが便利になった。自動支払機は、土・日・祝日を問わず午前 9 時か
ら午後 5 時まで稼働している。但し、現金での取り扱いは、平日の午前 9 時か
ら午後 4 時までとなっている。
(診療支援課 組村勝行記)
大型自動回転ドア 病院本館入口に設置
平成 18 年 12 月 1 日、病院本館正面入口で自動回転ドアの運用を
開始した。これは、病院本館改修工事に伴い病院新館に設置されて
いた自動回転ドアを病院本館に移設したもので、一連の玄関ホール
リニューアルの一環として行われたものである。
自動回転ドアは遮断性・気密性に優れており、本学病院のような
寒地の病院の待合室付近の利用では、患者さまにあたる冷気の吹込み
を防ぐことができ、待合環境の向上につながるものと期待している。
なお、この自動回転ドアの安全性については十分な配慮が行われ
ている。また、自動回転ドアは遮断性が高いことから人の出入りによる室内温度の変動を最小限に抑えることが
でき、その結果冷暖房効率が高まるので、本学の省エネルギー推進委員会が推進する省エネルギーの効果も期待
できる。
(管理課 疋田 勉記)
リニア搬送システム 増設
平成 18 年 11 月 27 日、山下公一副理事長、高島茂樹病院長の臨席
のもと、大学、病院の関係者によりリニア搬送システムの増設・
運用開始の式典が催された。式にあたり病院長から、
「このシステ
ムにより、看護領域は検体搬送業務の軽減により看護本来の仕事
に専念でき、また、中央臨床検査部は迅速な検査体制が整備される。
病院の理念である安全で質の高い医療の提供に貢献できる施設整
備ができると確信します」との挨拶があった。その後、野島孝之中
央臨床検査部長の案内で、搬送設備に関連する検査室、採血室(1F )、
中央臨床検査部に設置された 2 基の搬送ステーション
制御監視室(BF )等の見学が行われた。
今回の増設工事では、新館完成時に館内に網羅された搬送設備を本館 2 階の中央臨床検査部に延長し、新館と
本館の検体搬送機能を融合することにあり、このような設備は北陸地区の病院にはない革新的な設備である。こ
の搬送コンテナは容量 45 × 35 × 20cm、重量 15 キログラムまでの物品を、毎秒 2∼3m の速度で各ステーション
間をコンピューター制御のもと搬送する。
(中央臨床検査部 百成富男記)
【病院】
金沢医科大学報
34
地域がん診療連携拠点病院
指定内定
このたび、金沢医科大学病院は、厚生労働大臣によ
る「地域がん診療連携拠点病院」に指定されることに
なりました。
ります。
がん登録の精度向上について
本院は、従来から石川県が実施する地域がん登録事
これにより、石川県では石川県済生会金沢病院に加
業へ積極的に参加・協力して、トップクラスの登録件
えて、新たに本院と県立中央病院、国立病院機構金沢
数を維持してきておりますが、地域がん連携拠点病院
医療センター、小松市民病院の 4 施設が「地域がん診
の指定に伴い、昨年来、厚労省の方式に準拠した院内
療連携拠点病院」に、金沢大学附属病院が「都道府県が
がん登録を推進するとともに、精度の高いがん登録を
ん診療連携拠点病院」に指定されることになります。
効率的に実施するための電子カルテシステムと連携す
これまで、胃がん、子宮がんをはじめ多くの悪性
腫瘍の治療成績は確実に向上してきましたが、現在も
年間 30 万人が、がんで亡くなり、がんは依然として
緊急に取り組まなければならない最も重要な疾患であ
るところから、わが国では、昭和 59 年から「対がん 10
カ年総合戦略」が推進され、平成 16 年度からは「第 3
次対がん 10 カ年総合戦略」が展開されています。
「がん医療の均てん化」について
る登録支援システムを開発中です。
その他の整備について
昨年には、がんに関するセカンドオピニオン外来や
相談窓口を開設したほか、長い歴史を持つ緩和ケア研
究会を基盤にして全病院規模で組織的に患者さんの苦
痛緩和に取り組む「緩和ケアチーム」を立ち上げ、今
年は緩和ケア病床を整備する予定です。
このたび、竣工オープンした病院第 2 新館の画像診
当該総合戦略においては、従来の外科療法に加え
断センターおよび放射線治療センターには、PET-CT
て、薬物療法や放射線治療などがん医療の急速な進歩
をはじめ、リニアック、I-125 前立腺がん密封小線源
に伴って顕在化してきた、がん医療の病院間格差、地
治療装置などの最新鋭の設備を導入し、ハード的な面
域格差の問題を解消し、全国民が等しく質の高いがん
からも、がんの早期診断や放射線治療の機能アップを
医療を受けられる「がん医療の均てん化」を目標に掲
図りました。
げられました。この、
「がん医療の均てん化」を達成す
「地域がん診療連携拠点病院」の指定を機に、本院
るための制度の一つが「地域がん診療連携拠点病院」
が地域のモデルとなる集学的がん医療の実践に努める
です。この制度は、二次医療圏に 1 カ所を目安として
とともに、将来の地域がん医療の担う人材の育成とと
都道府県知事が推薦する医療機関に対して厚生労働大
もに、地域の医療機関にも最新のがん診療情報を発信
臣が「地域がん診療連携拠点病院」を指定するもので、
し、相互研鑽と病診連携、病病連携を推進し、地域に
指定された拠点病院は、地域の医療機関と連携して質
おける患者さん本位のがん医療の向上に貢献すること
の高いがん医療を提供する制度です。
が期待されています。
(病院長室 浅野進一郎記)
集学的がん治療センター
本院は、これまで高度な医療を提供する大学病院と
して特定機能病院の指定を受け、様々な種類のがん疾
患に対して高度の医療を提供してきましたが、近年の
がん医療に対する社会的ニーズに対応してがん医療の
一層の充実を図るため、平成 17 年 10 月に「集学的が
ん治療センター」を設置し、手術療法、放射線治療、
抗がん剤治療などの専門領域の技術と知恵を結集し
て、患者さんに最良の治療、すなわち集学的ながん治
療を提供する体制を作り上げました。関連診療科が連
携・協力してがん治療にあたる集学的がん治療センタ
ーは北陸地区では初めての施設として注目を集めてお
集学的がん治療センター 外来通院化学療法室
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
「膠原病支援ネットワーク」
発足
35
なったこと、同じ悩みをもつ仲間と知り会えたことな
ど、患者様にとって「膠原病支援ネットワーク」が力
強い支えになったことをお聞きしました。
年々診断技術や治療法が向上し、膠原病も「原因不
明の難病」の時代から「治療治癒可能な病気」の時代へ
リウマチ膠原病は免疫
と変わってきました。しかし、医療がいくら進歩して
の異常のために多くの臓器
も、社会や地域が膠原病について理解し支援していか
に多彩な症状が出る病気で
なければ、そして患者様が安心して生活できなければ
す。 我 が 国 に は 80 万 人 の
真の医療の進歩とは言えないと思います。その意味で
リウマチ患者様と数十万人
も、
「膠原病支援ネットワーク」が北陸地方の膠原病患
の膠原病患者様がおられま
者様にとって、暗闇の不安を和らげる「灯台」のよう
す。しかし、その原因はま
な存在になれることを夢見ています。
だ解明されておらず、多く
パンフレットの表紙は、
「患者∼医療∼行政∼企業」
の患者様が不安な日々を過
の 4 者が協力して膠原病患者様を支援していることを
ご さ れ て い ま す。 診 療 側
の問題として、関東以外の
イメージしています。 (血液免疫制御学 梅原久範記)
梅原久範教授
地域にはリウマチ膠原病を
専門とする病院や医師が多くないということがありま
す。特に富山、石川、福井の北陸 3 県にはリウマチ膠
原病の専門医や専門施設が少ないのが現状です。その
ような状況の中、北陸 3 県の医師と医師、医療機関と
行政とが密接に連携を取り、リウマチ膠原病患者様を
総合的に支援しようと「膠原病支援ネットワーク」が
設立されました。
この会は、富山、石川、福井の北陸 3 県の膠原病患
者様を中心に、医療関係者や福祉行政担当部署のボラ
ンティアの方々(サポーターと呼びます)により運営
されています。会の運営には多額の費用がかかります
が、患者様のためになればと多くの製薬企業にも好意
的に支援していただいています。平成 18 年 11 月 12 日
に金沢都ホテルで発足会が開催され、北陸 3 県の患者
膠原病支援ネットワークパンフレット
様に加え、診療に携わる医師、保健行政関係者、大学
関係者など百数十名の出席がありました。3 県の患者
〈連絡先〉
様代表の挨拶に始まり、
「膠原病の症状と診断」と「膠
膠原病支援ネットワーク事務局
原病の治療と注意点」についての講演が行われまし
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1
た。その後、
「一般膠原病」
、
「リウマチ」
、
「若年膠原病、
金沢医科大学血液免疫制御学部門内
妊娠出産」の 3 部門に分かれ、患者様からの質問に 12
TEL: 076-286-2211(内線 3538 )
名の医師がお答えする「ネットワーク相談室」が開か
FAX: 076-286-9290
れました。出席された患者様から、良い勉強の機会に
E-mail: [email protected]
【病院】
第 12 回
金沢医科大学報
36
地域医療懇談会
第 12 回地域医療懇談会が、平成 18 年 11 月 18 日(土)
金沢ニューグランドホテルにおいて開催された。
この懇談会は、本学病院が地域の開業医の先生方と
の連携を深め、それぞれの機能に応じて患者さんの紹
介・逆紹介の推進を図り、地域と密着した特定機能病
院として、その使命と責任を果たしつつ、より一層地
域医療の発展・充実に貢献することを目的として毎年
高 永煥教授による特別講演
開催されている。懇談会には、石川県内の医院の院長、
猛夫集学的がん治療センター助手から、それぞれの部
本学出身の開業医の先生など過去最高の 51 医療機関
門についてこの 1 年間の歩みと将来展望についての報
より 55 名が出席され、本学からは高島病院長をはじ
告と紹介がなされた。
め、副院長と各科診療科長・医局長等が出席し、医療
連携の推進などについて意見交換を行った。
次に、放射線科の利波教授から、第 2 新館建設に伴
い導入予定の放射線診断・治療機器の概要について、
高島病院長の挨拶に引き続き、小児科の高 永煥教
特に治療機器である高精度外部放射線治療装置および
授による「キャリーオーバーする小児疾患」と題した
前立腺がん小線源治療装置の紹介を中心とした報告が
特別講演会が行われた。専門である小児心臓疾患の治
なされた。
療を中心として、最近の小児科医不足の現状に至るま
で、興味深いテーマの講演がなされた。
引き続き懇談会に入り、はじめに浅野病院長室長か
ら本院の現況報告として、患者紹介・逆紹介状況およ
また、予め各医療機関からお寄せいただいた当院に
対するご意見、ご要望事項についての回答、当日席上
での要望事項についての回答が高島病院長、松本副院
長および浅野室長からなされた。
び医療連携の取り組みなどについての報告があった。
懇談会終了後の懇親会では、和やかな雰囲気の中
続いて、21 世紀集学的医療センターについて松井
で参加者同士活発な意見交換が行われ盛会裡に終了し
忍センター長、早瀬 満健康管理センター講師、島崎
平成 18 年度
石川県民大学校健康管理講座 閉講
た。
(地域医療連携事務課 坂尾光一記)
方々の熱意に敬服するばかりである。
「健康管理講座」は、7 月 1 日から開講され、10 月 7
日の生活習慣病センターの木越教授による「メタボリ
ックシンドロームの予防と治療」と題した講演を最後
に閉講した。17 年目を迎えた今年度は、58 名の申し
込みがあり、毎回 40 名ほどが受講された。年齢別では、
60 歳代、70 歳代の方の出席が多く、約 8 割を占めた。
今後も本講座を毎年楽しみにしている受講生の方
が、少しでも健康作りのための知識を身に付けられる
よう、新しい企画も盛り込みながら地域に開かれた医
療機関として活動していきたい。(管理課 島 幸枝記)
18 年度アンケート結果
修了証書を授与される受講生
「健康管理講座」の閉講式が、10 月 7 日(土)の午後 4
時より行われた。6 回の講義のうち 5 回以上出席され
た受講生 28 名に修了証書が授与された。健康管理講
座を担当する施設としては、大変喜ばしく、受講生の
科目について
理解度
講師について
運営について
(単位 %)
良かった
普 通
良くなかった
71.0
61.3
83.9
61.3
29.0
38.7
16.1
38.7
0
0
0
0
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
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療の基本的ルール、医療保険の仕組み、保険診療の禁
平成 18 年度
止事項等について指導および解説が行われた。
第 2 回、第 3 回
第 3 回(外科系)の講習会は、11 月 2 日(木)午後 3 時
から新館 12 階大会議室において、臨床研修管理委員
保険診療講習会
会の佐久間 勉教授(呼吸機能治療学)の司会により行
われた。はじめに松井 忍副院長の挨拶があり、本講
病院全職員を対象として 9 月 13 日(水)開催された
習会の意義についての説明があった。その後、石川県
第 1 回保険診療講習会に引き続き、一年次研修医およ
医師会の加藤日出治理事、大平政樹理事を講師として、
び保険担当医・保険事務担当者等を対象とした保険診
今回の医療制度改正の概要、リハビリ改正のポイント、
療講習会が、石川県医師会の協力のもと、第 2 回(内
最近の保険診療での注意点等について指導および解説
科系)
、第 3 回(外科系)と分けて次のとおり開催され
が行われた。
た。
平成 16 年度から、保険診療講習会を年 2 回以上実施
第 2 回(内科系)の講習会は、10 月 19 日(木)午後 3
することが必要となり、急激な医療環境の変化への対
時から病院本館 4 階会議室において、臨床研修管理委
応が求められている。当講習会が開催されたことによ
員会の栂 博久教授(呼吸機能治療学)の司会により行
り、保険診療等の基礎的な知識を習得し、今後の保険
われた。はじめに、高島茂樹病院長の挨拶があり、本
診療に大いに役立つものと期待される。
講習会の意義についての説明があった。その後、石川
(職員課 上端雅則記)
県医師会の津田功雄理事、魚谷浩平理事から、保険診
第 2 回講習会 講師の石川県医師会 津田功雄理事(左)、魚谷浩平理事
社団法人日本私立医科大学協会
第 57 回
病院事務長会議総会
第 57 回病院事務長会議総会が本学病院浅野進一郎
病院長室長を世話役に、平成 18 年 10 月 26 日(木)
、27
日(金)、ホテル日航金沢において、日本私立医科大
学協会所属の各事務長計 65 名(私立医科大学協会事務
局 2 名含む)の出席のもとに開催された。この病院事
務長会議総会は、各病院が当番校となり毎年 2 回定期
的に開催されている。
当日の病院事務長会議総会は、黒田 稔運営委員長
(順天堂大学医学部附属順天堂医院事務部長)の司会
で議事進行がなされ、各種研究会報告では各委員から
活発な質疑応答があり、
会議総会は盛会裡に終了した。
翌日は、希望者によるゴルフコンペおよび県内視察
も実施され親睦を深めた。
(管理課 米田正明記)
【議題】
1 新任者・初参加者・病院名変更について
2 前回議事録確認
3 東西ブロック報告
・第 75 回東日本ブロック会
・第 69 回西日本ブロック会
4 協会会務報告
5 各種研究会報告
(1 )医療事務研究会
(2 )栄養研究会
(3 )病院庶務研究会
(4 )用度業務研究会
(5 )施設環境管理研究会
6 報告事項
(1 )病室に関する調査
(2 )特別療養環境の提供にかかわる調査
(3 )平成 17 年度医療材料購入実績調査
7 情報交換
【病院】
金沢医科大学報
21 世紀集学的医療センター
第 3 回 集学的医療セミナー
膵癌化学療法セミナー:
膵癌治療ガイドラインと TS-1 の
位置付け
38
6 月に福岡で開催される第 38 回日本膵臓学会大会会長
である。
講演では、まず、膵癌の高危険群として最近船越先
生のグループが見いだしたアルコール代謝酵素遺伝子
多型と喫煙の関係を示され、
「飲酒で顔が赤くなる人
がタバコを吸うと膵癌になる危険性が高くなる」と分
かりやすく説明された。次に日本膵臓学会から 2006
年に発刊された「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイド
ライン」に沿って述べられた。現在膵癌発症のピーク
講師: 船越顕博先生(国立病院機構九州がんセンタ
ー消化器内科医長)
年齢は 70 歳前後で、診断時に切除可能な例は 20%未
満であり、早期診断法の確立が急務となっている。治
日時: 平成 18 年 12 月 1 日(金)18:00 ∼ 19:00
療では転移のある膵癌の化学療法として塩酸ゲムシタ
場所: 病院新館 12 階特別会議室
ビン(ジェムザール ®、以下 GEM と略)が現在も第一
選択であり、2001 年の同薬剤の登場によって明らか
講師の船越顕博先生
平成 18 年 12 月 1 日(金)午
に膵癌の生存期間が延長した。その後 GEM に併用し
後6時より、国立病院機構
て上乗せ効果が証明された薬剤は、エルロチニブ(タ
九州がんセンター消化器内
ルセバ ® )とカペシタビン(ゼローダ ® )であり、2006
科医長の船越顕博先生をお
年 8 月に膵癌に保険適応となった S-1(ティーエスワン
招きして、最難治癌の代表
® )も GEM との併用により、治療効果判定において有
である膵癌の化学療法の最
効(PR )と不変(SD )を合わせて約 80%の症例で腫瘍
近の進歩についてご講演い
増殖を制御できることが示された。現在 600 例を対象
ただいた。船越先生は愛媛
に GEM・S-1・GEM+S1 の 3 群 を 比 較 す る 国 内 臨 床
県今治市生まれで、昭和 45
試験や、1000 例を対象にした術後補助化学療法とし
年九州大学医学部卒業後、
ての GEM と 5-FU+ ロイコボリンの 2 群比較試験が世
昭和 55 年から 2 年間米国ミシ
界的に進行しているので、これらの試験結果が出れば、
ガン大学に留学され、九州大学第三内科講師を経て、
GEM や S1 の使用方法についての指針が作成されるで
昭和 63 年に現職に就任された。船越先生は平成 19 年
あろうとまとめられた。
第 15回金沢医科大学病院クリニカルパス大会
甲状腺腫瘍の
ストラテジーとロジスティクスにおける
クリニカルパスの役割
(腫瘍治療学 元雄良治記)
以上により、①癌の根治、②機能温存、③創部の
美容的問題を含めたバランスの取れた医療が求められ
る。そこで①を甲状腺癌駆逐の医療として「ストラテ
ジー
(戦術、戦略)
」に、②と③を患者満足度や治療自
体の効果を高めたり、結果として治療の選択肢の充
実化に寄与される医療として「ロジスティクス(兵站、
後方支援)」に当てはめて、この両面からクリニカル
日時: 平成 18 年 11 月 30 日(木)17:30 ∼
場所: 病院本館 C41 講義室
パスを検討した。医事課からは包括医療の入院日数短
縮が要因で本年は出来高点数と比較して DPC 算出点
数が下回ったことを報告した。看護部からはバリアン
甲状腺癌のほとんどを占める乳頭癌は頻度が多く、
ス検討の結果、パス導入漏れが多く、医師の指示、外
自覚症状に乏しい。中年女性に多く、予後が良い反面、
来病棟間での連携の必要性を指摘した。また、創部管
まれだが高齢者で長期放置すると未分化転化する危険
理の継続が困難なテープかぶれに対する使用物品の紹
もある。反回神経麻痺等による嗄声の可能性や創部肥
介等も行った。薬剤部からは院内感染症対策委員会の
厚性瘢痕、ケロイドなど審美的問題もある。また、甲
指導による抗生剤の種類や投与日数の改善、再発回避
状腺や副甲状腺の過剰切除は生涯甲状腺ホルモンやカ
のための術後 TSH 抑制療法が骨粗鬆症を悪化させる
ルシウム、ビタミンD剤の補充加療が必要となる。
危険性があり定期的な骨密度検査が必要であること、
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
39
続困難となり、代替検査として検査部を介さずに手術
場で行うことができる術中迅速尿中リン濃度検査の可
能性について現在検討を行っていることも報告した。
リハビリテーションセンターからは術後反回神経麻痺
がなくても声の異常を訴える患者が少なくないことが
報告された。これは術後創部に負担をかけまいと運動
量が低下し、頚部や肩の筋緊張が高まり硬起性発声が
生じているためで、リハビリテーション加療の必要性
が指摘された。
以上より各医療従事者それぞれが患者の満足度まで
考えてチーム医療に参画し、ストラテジーのみではな
予防的ビタミン D 服用に有用性があること、一方漫然
くロジスティクスも考慮したクリニカルパスを作成す
とした長期服用による腎不全発症の危険性等について
る必要があると考えられた。
(感覚機能病態学・耳鼻咽喉科学 下出祐造記)
報告した。本院では 3 年前から昨年まで術中迅速検査
で副甲状腺機能(iPTH )を測定してきたが本年より継
臨床遺伝専門医制度研修施設
伝医療を実行するとともに、各医療機関において発
生することが予想される遺伝子に関係した問題の解
に認定
決を担う能力が期待されています。このため、次の
21 世紀集学的医療センター遺伝子医療センター長
臨床遺伝専門医制度研修施設指導医
発生発達医学(小児科学)助教授 柿沼
医療に関するコンサルテーションに応じ、適切な遺
宏明
5 点が必須となります。研修後に認定試験に合格し
て、初めて臨床遺伝専門医になることができます。
(1 )研修施設において、3 年以上研修を行うこと
(2 )継続して 3 年以上、日本人類遺伝学会あるい
平成 17 年 10 月に金
沢医科大学病院 21 世
紀集学的医療センタ
ーに遺伝子医療セン
ターが開設され、1 年
間 が 経 過 し ま し た。
この間に行われた遺
伝カウンセリングな
は日本遺伝カウンセリング学会の会員であるこ
と
(3 )遺伝医学に関係した学術活動(論文発表、学
会発表等)を行っていること
(4 )臨床遺伝専門医到達目標に記載されている能
力を有すること
(5 )基本的領域の学会などの専門医(認定医)であ
ること
どの遺伝医療と、勉
遺伝診療には、遺伝学的検査の際の遺伝カウンセ
強会やセミナー開催
リングも含まれます。遺伝病の診断ばかりでなく、
などの研修活動が認
あらゆる診療科で、遺伝学的検査の有用性が検討さ
められ、金沢医科大学病院は、平成 18 年 10 月 18 日
れていると聞きます。人々が、これら遺伝学的検査
付けで臨床遺伝専門医制度委員会より第 61 号臨床
を上手に利用するためには、臨床遺伝専門医の存在
遺伝専門医制度研修施設に認定されました。今まで、 は欠かせません。各診療科の専門医を持つ医師が臨
北陸地区には、研修施設はありませんでしたので、 床遺伝専門医を目指すときには、金沢医科大学遺伝
臨床遺伝専門医を目指す医師にとっては朗報となり
子医療センターで研修することが可能です。臨床遺
ます。
伝専門医研修への応募をお待ちしています。
臨床遺伝専門医には、すべての診療科からの遺伝
【病院】
金沢医科大学報
平成 18 年度
40
はもとより、地震・火災による直接的災害の抑制およ
び二次災害の防止を訓練の中で確実に行えるようにす
る必要がある。
災害訓練は、前日に防災講習会、消火器訓練等が行
われ、訓練は時間内訓練(第 1 次・第 2 次)と時間外訓
練の 3 回に分けて実施され、後日、反省会も開催され
た。時間内第 2 次訓練では、内灘町消防署も参加した
消火訓練が実施され、新館の一部防火扉等を稼働し、
消火栓からの放水を実施した。
訓練内容は以下のとおり。
10月30日(月) 13 : 30∼16 :00
防災講習会 /128 名参加
最初に、本学総括防火管理者の荒田局次長から、職
員に防火に対する注意事項・協力要請が述べられ、内
灘町消防本部の中川正春予防課長補佐から「災害時に
おける心構え」をテーマに、地震発生時の行動、火災
中川正春課長補佐(内灘町消防本部予防課)
発生時における初期消火・避難誘導などの心構えにつ
いて講演が行われた。
10 月 30 日(月)
・31 日(火)
、内灘町消防署の協力を
次に、設備課沢田課長代理から、病院新館を中心に
得て大学と病院の防災講習会および合同災害訓練が実
防災設備等の説明があった。引き続き、石丸ハートセ
施された。
ンター師長をはじめ看護部担当師長から、災害時の早
消防法第 8 条では、病院、デパート等の多数の者が
出入りする施設は特に厳しい防火管理体制が義務づけ
期行動および病棟に配置されている防災用品の使用方
法などの説明があった。
られ、なかでも病院、老人福祉施設等は身体的弱者を
このあと、大学グランド等において、実際に油に点
収容する施設として、災害が発生した場合に人命危険
火し、消火する消火器取扱訓練および起震車を使った
度が高いとの理由から特定防火対象物として指定され
地震体験訓練が実施され、各訓練に取り組んだ。
ている。本学病院では例年春に新入職員オリエンテー
ションの一環として防火講習会を、秋には職員全体の
10月31日(火) 14 : 00、15 :00、19 : 00
実地訓練を実施している。
①時間内災害訓練(第 1 次訓練) 14:00∼/612 名参加
病院内では常時約 800 名の患者さんが入院している
地震後に火災が発生したとの想定で、新館・本館・
が、そのうち単独歩行が可能な患者さんは約 200 名と
別館の各階ごとに出火場所を設定し、身体防御、通報
ほぼ全体の 4 分の 1 であり、また、日中の外来では 1
連絡、初期消火、模擬患者の避難誘導などの訓練を実
日に約 1,200 名の患者さんをはじめ、お見舞いや付き
施し、新館 1 階防災センター前に設置された災害対策
添いの方、テナント業者、そして職員など、実に多く
本部への避難状況、被害状況等の報告を全館一斉に実
の方が院内にいるということを考えると、改めて災害
施した。
訓練の重要性が認識される。また、災害時の人命優先
②時間内災害訓練(第 2 次訓練) 15:00∼/40 名参加
実際さながらの訓練風景
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
41
新館 7 階西ダイニングで地震にともない火災が発生
事前訓練、役割分担、器具取扱等について今後も励ん
したとの想定で、実際に発煙筒を点火して行った。煙
でいただきたい。今回の訓練については大声で火災発
のなか排煙装置、防火扉・防火シャッターを稼働させ、
生を伝えていたなど「おおむね良好であった」との講
初期消火の後、病院、大学から自衛消防隊の出動によ
評をいただいた。
る消火訓練、模擬患者の避難誘導など各部署が連携し
第 2 次訓練を行った新館 7 階では、実際に発煙し、
ての訓練を実施した。また、通報訓練により内灘町消
防火扉等を作動したため、視界の悪さや、排煙口、タ
防署から消防車が出動し、消防隊が実際に放水消火訓
オル(マスク)の必要性が実感され、防火扉等閉鎖時
練を行う病院・大学および内灘町消防署と連携しての
の通行方法が再確認された。また、西ダイニング非常
総合災害訓練を実施した。
口から内灘町消防署消防隊による連結送水栓からの放
③時間外災害訓練 19:00∼ /59 名参加
水後に、病院・大学自衛消防隊の消火班(職員)によ
新館 10 階西ダイニングで火災が発生したとの想定
で、夜間など職員の手薄な時間帯における災害発生時
の通報連絡、非常呼集、避難誘導、初期消火などの訓
練を実施した。
11月6日(月) 15 : 00∼16 : 10
災害訓練反省会 /30 名参加
内灘町消防署から本田警防課長をお招きし、訓練を
視察しての感想・注意事項などの講評の後、訓練参加
る消火用散水栓から実際に放水を行う消火訓練も実施
された。
今回初めて、近隣の一般住民の方にも災害講習会や
新館外来での避難訓練に模擬患者として参加、災害対
策本部において本部の連絡や内灘消防隊の到着の状況
等について見学していただいた。
近年、地震・気象等による災害が多くみられ、参加
者からは真剣に訓練にとりくむ姿勢がみられ、充実し
た災害訓練となった。
フロアごとに反省点、今後の課題等が述べられ、災害
災害対策については、訓練や災害ニュースの後など
に備えた訓練内容の充実、防災設備・用具の数量や使
は十分意識しているが、徐々に薄れていくため、日ご
用方法、役割分担の再検討などについて活発な意見交
ろから心がけて再確認し、各部署でも防災器具・施設
換がなされた。
の場所、点検、使用方法および避難経路の確認や非常
防災講習会では、消火器取扱訓練に加え、内灘町
消防本部の協力で起震車による地震体験訓練も実施さ
れ、充実した実技訓練となった。
災害訓練において、新館完成後 4 回目となる新館病
連絡網について確立しておくことが大切である。
今後も、より多くの職員が参加するよう実践的な訓
練により、災害対策の意識を継続していくべきと考え
ている。
棟での訓練では、消火用具の場所や避難経路の場所は
確認されていたが、避難用具の使用については手間取
るところも見られた。
今回、看護単位の変更等により、本部へ報告する「避
難確認報告書」
、
「被害状況報告書」等の報告部署が増
えたため、部署間で報告時間にバラつきが見られ、本
部では提出確認作業が混雑し、報告書の記載漏れなど
十分な内容確認までできなかったが、全体的に訓練は
順調に行われた。
本田警防課長からは、初期消火の重要性が述べられ、
災害対策本部
(管理課 坂元仁志記)
【病院】
金沢医科大学報
***
42
看護部から発信 ***
演奏し全員で歌った。患者様からは楽しかったとの
感想が聞かれ、患者・医師・看護師がみんなで一
つの音楽を完成させるという感動と充足感も得ら
−音楽療法研究会も協力して−
れ、楽しい一時が過ごせたのではないかと思った。
第二部はクラシック同好会の総勢 17 名による演
奏へとバトンタッチされ、
「The Christmas Song 」
、
ふれあいたいむは、①入院患者・家族の気分転
、
「マルコとジーナのテーマ」、
換、②地域住民にボランティア活動を通して病院 「いざ起きて戦人よ」
「オー・ホリー・ナイ
を身近に感じてもらう機会としたいという目的で、 「Eine kleine Nachtmusik 」、
ト」
、
「ジングルベル」
、
「きよしこのよる」をピアノ、
毎月 1 回第 2 土曜日に、新館 1 階ロビーにて行われ
バイオリン、フルート、サキソフォンなどで繰り
ており、12 月は音楽療法研究会が担当させてもら
広げられた。
っている。
音楽療法研究会は平成 9 年に、
「音楽療法につい
今年は、第一部を音楽療法研究会、第二部を本
ての学習を深め、視野を広げ、患者・家族・職員の
学クラシック同好会というダブルキャストで 12 月
ストレス緩和に役立てる」という目的で発足した。
9 日に開催した。
病院の中に生の音楽が流れる時間が、患者様や
第一部では富山県の声楽家酒井里香さんが「モー
そのご家族が唯一リラックスできるひとときとし
ツァルトのオペラ」
、
「冬景色」
、
「七つの子」
、
「ふる
て活用されていくよう、研究会会員一同努力して
さと」
、
「星に願いを」を歌い、次に、当院職員の家
いきたいと考えている。
族の瀬戸彩子さんが金大大学院の浦本真知子さん
この活動には地元音楽家のご協力や本学・本学
の伴奏で「お菓子と娘」
、
「荒野の果てに」
、
「ジング
病院関係者の力添えがあってこそ成り立っている。
ルベル」
、
「聖夜」を歌った。新館 1 階ホールいっぱ
今後とも、ご理解とご支援を賜りたい。
いに優雅な歌声が流れて、患者様はその歌声にう
(音楽療法研究会・看護部 田渕順子記)
っとりと聴き入った。次に音楽療法研究会メンバ
ー に よ る「 聖 夜 」
のハンドベルの演
奏へと続いた。
「ハ
ンドベルは一曲の
みだったので淋し
かった」との嬉し
い声が聞かれ来年
度は曲を増やした
い と 思 っ て い る。
次にトーンチャイ
ムを用いて患者参
加 型 で「 聖 夜 」を
土曜ふれあいたいむ
声楽家 酒井里香さん(富山県)
音楽療法研究会メンバーによるハンドベル演奏「聖夜」
浦本真知子さん(金大大学院)の伴奏で歌う瀬戸彩子さん
本学クラシック同好会による演奏
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金沢医科大学報
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研修医の頁
定し、初期・後期臨床研修を語る懇親会が、平成 18
懇親会
年 10 月 20 日(金)午後 5 時 30 分から新館 12 階レストラ
初期・後期臨床研修 を語る
ンで開催され、当病院の医師、研修医および本学学生
合わせて約 80 人が参加した。
飯塚秀明臨床研修管理委員長の司会のもとプログラ
ムが進行し、病院長の挨拶、斎藤人志臨床研修センタ
ー部長の当院初期臨床研修における特徴の説明があっ
た。その後、現場の声として、初期臨床研修の体験談
を金子聖司研修医、後期研修の体験談を安井綾子医員
がユーモアを交えながら語った。
今回の目玉である後期臨床研修への勧誘は、当院
17 の診療科からの参加のもと、熱気あふれる中で行
われ、教授や指導医がプロジェクターを使い分かりや
すく行った。
説明をする斎藤人志臨床研修センター部長
医学生が関心を持つのは初期臨床研修であるが、こ
れからは後期臨床研修先を見据えて初期臨床研修先を
研修制度が変わり、平成 18 年度から初期臨床研修
選択する傾向が高くなると思われるので、今回の合同
を修了した一期生が後期研修を開始し、医師の未来に
臨床研修の説明と懇親会は時宜にかなって有意義であ
対して研修医や医学生は、期待や不安が募っているに
り、また、研修医にとっても 17 科が一堂に会しての
違いない。また、指導をする先生方も、今までの徒弟
入局説明は各科の特徴が鮮明となり、貴重な機会とな
制度だけでは対応仕切れない時代に入っていることを
った。
認識している。
今回参加した研修医、医学生が友人、知人を誘って、
このように医療を取り巻く環境のターニングポイン
トを迎え、高島茂樹病院長の要望により、 これから
当院の初期臨床研修および後期臨床研修で活躍してく
れることを切に願っている。
の病院研修 について素直に気楽に話し合える場を設
(臨床研修センター 山田克己記)
臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会)
平成 18 年 11 月 15 日(水)の午後 5 時から病院本館 4 階 C41
講義室において、第 15 回臨床病理検討会(CPC )が下記の症
例をもとに行われた。
症例 1 巨大骨盤内腫瘤の一例 36 歳 女
病理提示
画像解説
司会者
副司会者
富澤英樹
長田ひろみ
梶 幸子
谷口 充
佐久間勉
市川さおり
第 16 回 臨床病理検討会
日 時
第 15 回 CPC
臨床提示
〈予 告〉
生殖周産期医学(産科婦人科学)助手
臨床研修センター研修医
病態診断医学(臨床病理学)助手
放射線診断治療学(放射線医学)講師
呼吸機能治療学(呼吸器外科)教授
臨床研修センター研修医 レクチャー:「胸水の生成と吸収」 田中 良 臨床研修センター医員
場 所
平成 19 年 1 月 17 日(水)
午後 5 時 30 分から
病院本館 4 階 C41 講義室
第 16 回 CPC は、1 月 17 日( 水 )午 後 5 時
から病院本館 4 階 C41 講義室で行われる。
研修医には出席が義務づけられているが、
それ以外の先生方、学生諸君にも広く開か
れているので、奮ってご出席いただきたい。
(病態診断医学 黒瀬 望記)
金沢医科大学報
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管理・運営
表 彰
平成 18 年度
本学職員永年勤続表彰
平成 18 年度本学教職員の永年勤続(20 年)表彰式が
11 月 29 日(水)午後 3 時 30 分から小田島粛夫理事長、
山本 達学長、高島茂樹病院長、山下公一副理事長、
竹越 襄副理事長、東田紀彦理事の出席のもと、病院
新館 12 階大会議室において行われた。
理事長から代表の竹上教授に表彰状と記念品が贈られる
今年度の被表彰者は 35 名であり、表彰式では、小
田島理事長から受賞者代表の竹上 勉教授(分子腫瘍学
今年度の受賞者は以下のとおり(敬称略)。
研究部門)に表彰状と記念品が贈呈された。つづいて
竹上 勉
石﨑 昌夫
濱中 豊
中川 喜雄
沢本あゆみ
吉野 直美
実法 千恵
香谷 泉
北野 春樹
理事長から本学の歴史を振り返りながら、本学発展に
永年の貢献をされた被表彰者に対するねぎらいとお祝
いの言葉があった。
出席者全員で記念撮影の後、会場を移し懇談会が催
された。表彰された方々はそれぞれに本学に奉職した
20 年間を振り返りながら、なごやかに歓談の時を過
ごした。
(人事厚生課 大戸和雄記)
東 光太郎
高田 久
上田 正博
出嶋 信
保志場順子
金谷 和美
中村智恵美
篠原 令子
浅井美紀子
飯塚 秀明
土島 秀次
亀井 淳平
林 美代子
山本 香代
竹中美千穂
太田 泰代
真下 栄子
元林 厚子
田中 達朗
釘抜 康明
岡本 真一
福井加奈子
山下 修
大河 正美
石川 明美
桝田 良次
表 彰
平成 18 年度 医学教育等関係業務功労者
文部科学大臣表彰
油木 田鶴子(看護補助員)さんに
平成 18 年度医学教育等関係業務功労者に対する文
部科学大臣表彰が、平成 18 年 11 月 29 日(水)東京都港
区のホテルフラシオン青山において行われた。表彰式
では、池坊文部科学副大臣の挨拶と大橋全国医学部長
病院長会議会長の祝辞があり、池坊文部科学副大臣か
ら表彰状と記念品が授与された。この表彰は、国公私
補助員として入職し、その後 27 年余にわたり、病棟
立大学における医学または歯学に関する教育、研究若
および外来部門で勤務に精励され、現在に至っている。
しくは患者診療等にかかる補助的業務に関し、顕著な
今回受賞に至ったのは、長年の優秀な勤務実績のみ
功労のあった人に対して与えられるもので、今年度は
ならず、温厚で誠実な人柄と若いスタッフの模範とな
全国で 91 名が対象とされ、本学では油木田鶴子さん
る勤務態度が評価されたものである。
で 15 人目の受賞となる。
受賞した油木さんは昭和 54 年1月に看護部の看護
(職員課 上端雅則記)
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
学内の省エネルギーに向けて
省エネルギー推進委員会発足
45
沢医科大学エネルギー管理規程」を定め、山下公一副
理事長を委員長とする「省エネ推進委員会」が発足し
ました。
第 1 回の委員会が 11 月 2 日に開催され、これまで取
り組んできた省エネ対策、今後の中長期計画、本学の
エネルギー使用状況について、設備課から説明があ
省エネ法に関する法令
り、今後の省エネの取り組みについて協議がなされま
地球温暖化対策として、平成 17 年 2 月に京都議定書
した。いろいろ意見が出された中から、①冬季の啓発
が発効され、我が国は温室効果ガス総排出量について
活動として学内通知(家庭の省エネも含む)に省エネ
「2008 年から 2012 年」における平均の排出量を、1990
効果表と点検表を添付する、②各部署の室内の照明お
年比で 6%削減する約束をしています。日本の場合、
よび暖冷房スイッチのところに「省エネシール」を貼
排出する温室効果ガスの約 90%がエネルギー起源の
って啓発と励行に努めるの 2 項目について実施するこ
二酸化炭素であり、この目標を達成するためには、省
とになりました。
エネルギー
(省エネ)対策の徹底と化石燃料への依存
度の低減が必要です。
この「省エネシール」を学内の各部課 ( 科 ) のスイッ
チの場所に貼布しますので、ご協力ください
石川県でも地球温暖化対策として、平成 16 年 4 月
に「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」を施行し、
平成 17 年 3 月に策定した「石川環境総合計画」におい
て、温室効果ガス削減を 2010 年までに 2001 年比で約
7.8%の二酸化炭素の排出抑制を目標としています。
平成 14 年 6 月の「エネルギーの使用の合理化に関す
る法律」
(省エネ法)の改正で定期報告書や中長期計画
の提出を義務付けられる第一種エネルギー管理指定工
場* 1 の対象に、学校、病院、文化施設を含む全業種
が指定されました。さらに、平成 17 年 8 月の改正で、
所管官庁の現地調査
エネルギー管理指定工場について熱と電気の区分を廃
「省エネ法」に基づく、所管官庁の文部科学省と経
止し、熱と電気を合算した使用量が一定規模以上* 2
済産業省資源エネルギー庁による現地調査が 12 月 5 日
の事業場も指定されることになり、対象範囲が拡大さ
に実施されました。その結果、本学の省エネに関する
れました。
啓発活動、省エネ対策の実施状況、新設(増改築)の
この省エネ法では、エネルギー消費原単位(エネル
建物および設備にも省エネ対策が施されているなど高
ギー使用量/建物床面積)を中長期にみて年平均 1%
い評価を受けましたが、今後も学内全般にわたり省エ
以上低減することを目標にしていくことが求められて
ネを推進するよう総評がありました。
います。
本学は、平成 15 年から省エネ法で第一種エネルギ
ー管理指定工場に指定され、毎年、定期報告書と中長
昨今は、原油価格の高騰で燃料消費額が大幅に増加
しています。今後も、職員一人ひとりが省エネに対す
る取り組みを徹底されるようご協力を願います。
期計画書を所管官庁の文部科学省と経済産業省に提出
(設備課 恩道正博記)
しています。その中で、エネルギー消費原単位を年 1
%削減するために、省エネ推進の啓発活動、既存設備
の省エネ化や新設(増改築)における省エネ対策に取
り組んでいるところです。
省エネ推進委員会の発足
省エネを効果的に推進するには組織的な取り組みが
必要であり、全学的な活動を行うためにも、トップマ
ネジメントによる明確な省エネ方針と強力な意識改革
が必要となることから省エネ法に基づき、本学におけ
るエネルギー使用の合理化を適正かつ有効に実施し、
本学の省エネを積極的に進めることを目的として「金
* 1 平成 14 年 6 月の省エネ法改正で第一種エネルギ
ー管理指定工場を全業種に拡大し、年間エネルギー
使用量が熱は原油換算で 3,000kℓ、電気は 1,200 万
kWh 以上が新たに指定された。
* 2 平成 17 年8月の省エネ法改正で、熱と電気の区
分を廃止し、熱と電気を合算した使用量が原油換算
で第一種エネルギー管理指定工場が 3,000kℓ以上、
第二種エネルギー管理指定工場が 1,500kℓ以上とな
った。
【管理・運営】
金沢医科大学報
46
謹んでご逝去をお悔やみ申し上げます。
理事長室課長代理
野村 敦子さん ご逝去
理事長室課長代理 野村敦子さんには、平成 18 年
12 月 27 日、病気のため逝去されました。享年 49 歳
でした。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
〔経歴〕昭和 50 年 4 月 金沢医科大学病院総務課に採用。
平成 4 年 6 月 主任に昇任。平成 12 年 10 月 課長代理に
昇任。平成 18 年度私立学校教職員教育功労者知事表彰。
弔 辞
あっちゃん、もう幾度お呼びしてもあのすてき
な笑顔を私たちに見せてくれないのですね。
今、こうしてあなたのご霊前に立っていると、
明るい声で返事をしてくれるような気さえしてき
ます。
去年 2 月 突然 あっちゃんから「私 大変な病気し
てね…」との電話を受け取り それからはあっちゃ
んの体を心配する日が続きました。手術をうけら
れ 治療中にお母様のお葬式 そして仕事への復帰 大
好きなゴルフには何度かいきましたね。病人がし
ているゴルフとは思えない、いきいきとしたプレ
イをされ 一回りしてから天気と体の状態がよけれ
ば「もうハーフしようか!」いつまでもこの日が
続けばいいと思いました。
今年の夏、私も手術をすることとなり、入院中
には二人で花火を見ながら病人同士で励ましあい
治ったら 温泉も行こう! ハワイへゴルフにもいこ
う! 旅行の計画をしていたのに、もうそれもかな
わなくなってしまいました。どうして、生きるこ
とに希望のあったあっちゃんだけ助からないのか
残念です。本当に今も信じられない思いでいっぱ
いです。
亡くなる五日前まで病室から仕事に行かれてい
ました。今でも大学に行けば役員室の受付には、
あっちゃんの笑顔が待っている気がしてなりませ
ん。 四九歳の若さで 一人で旅立ってしまわれたあ
っちゃん。あなたとの思い出は、一生消えること
なく私たちの胸に生き続けていくでしょう。
どうか、安らかにお眠りください。
平成十八年十二月三十日
友人代表 地域医療連携事務課 奈良崎友子
月に職員課長に昇任されました。
謹厳実直で何事にも人一倍熱心な人柄は、医師
や看護師さんをはじめ多くの人々から信頼されて
職員課課長
いました。それ故に職員から職場や家庭での相談
井上 善博さん ご逝去
を受ける機会も多かったのですが、職員課長とい
う立場だけでなく我が事のように親身になって問
題解決に取り組んでいました。最近では看護師さ
病院長室職員課課長 井上善博さんには、平成 19
んの離職防止と採用の促進に力を注ぎ、二交替制
年 1 月 1 日、病気のため逝去されました。享年 49 歳
勤務の導入や処遇改善、看護師募集活動の業務に
でした。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
邁進していました。
〔経歴〕昭和 55 年 4 月 金沢医科大学経理課に採用。昭
9 月下旬に入院してからも仕事のことが頭から離
和 59 年 6 月 主任に昇任。平成 11 年 4 月 課長代理に昇
れなかったようで、パソコンを病室に持ち込んで
任。平成 16 年 4 月 課長に昇任。
メールや申請書類の確認をしていました。一時期
は体調の良い日もあり、早く退院して仕事に就き
追 悼
井上課長は、昭和 55 年に京都産業大学経営学部
を卒業後、同年 4 月に本学に就職され経理課に配
属されました。その後、昭和 59 年 6 月に経理課主任、
平成 11 年 4 月に病院管理課課長代理、平成 16 年 4
たいとの強い思いがあったのですが、懸命な加療
の甲斐なく、志半ばにして帰らぬ人となられ、誠
に悔やまれます。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
病院長室管理部門副部長 木村晴夫
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
47
互 助 会
第 26 回
ဦ‫ݛ‬੥
恒例の互助会文化祭が、11 月 30 日(木)から 12 月 6
日(水)までの 7 日間にわたって開催された。新館の改
装などのため作品の展示場所を昨年と若干変更したも
のの、病院新館 1 階ロビーでの開催ができたため、昨
年同様に職員だけでなく診療後の患者さんや見舞で訪
れた来院者の方々の目を楽しませてくれた。また、今
回の文化祭に出展された方は 48 名(個人 46 名および 2
団体)で職員 34 名、職員家族・患者が 14 名(2 団体含
む)となり、出展作品は 71 点となった。
12 月 6 日(水)の文化祭最終日には小田島理事長、
山本学長、高島病院長の出席のもと表彰式が行われ、
理事長賞、学長賞、病院長賞、優秀賞、特別賞の入賞
者に表彰状と記念品が贈呈された。表彰の対象となっ
た作品以外にも「秀作」、
「労作」が多々あり、賞の選考
にあたった文化実行委員や実行委員会が委嘱した専門
委員を悩ませた。また、出展される作品のレベルが年々
上がってきているが、まだまだ職員の参加者が少ない
ように感じられる。今後は、より多くの職員が気楽に
参加できる文化祭にしていければと思っている。
(人事厚生課 大戸和雄記)
理事長賞受賞の斉藤久美子さん
理事長賞:斉藤久美子さんの短歌
入賞者の皆さんは次のとおり。
理事長賞 斉藤久美子(薬剤部)
短歌
学長賞 浜江紀美代(看護部)
生け花
病院長賞 竹内 勝平(患者)
絵葉書
優秀賞 米田和可子(フォトセンター)
写真
山田 美幸(看護部)
書
舘 由貴・八田理恵子(呼吸器内科)手工芸
中嶋美由喜(看護部)
書
荒木きみ枝(看護部)
生け花
米沢 久子(看護部)
生け花
小林 利架(看護部)
生け花
特別賞 柴田 朋子(患者)
写真
西田 洋子(患者)
絵画
本館 6 階入院患者 手工芸
学長賞:浜江紀美代さんの生け花
病院長賞:竹内勝平(患者)さんの絵葉書
【管理・運営/随想】
金沢医科大学報
互助会文化実行委員会・看護部まほろば会 共催
文化講演会
48
行われた。この講演会は互助会の文化実行委員会と看
護部まほろば会の共催で行われたもので、130 名余り
のまほろば会会員と互助会会員が参加した。
講演は、宮川氏の闘病体験を基にしたユーモアのあ
テーマ
る話に会場は笑いに包まれながらも、闘病生活中は夫
講師: 宮川花子氏(吉本興業所属)
それにより困難な状況を克服していった話であり、講
「愛を見つけて」
である大助氏、母親や娘さんなどの家族に支えられ、
演を聞いた全ての人が、
「何か」を得ることのできた講
平成 18 年 10 月 28 日(土)に病院本館 4 階講義室にお
演会であった。
(人事厚生課 大戸和雄記)
いて、人気漫才師の宮川花子氏を迎えて文化講演会が
笑いに包まれた会場
講師の宮川花子氏
総合医学研究所年報
前座を務めた さゆみひかり
の二人
第17巻(2006) 発行
このたび、総合医学研究所年報の第 17 巻が発行され、既に皆様の目に触れら
れているかと思います。今回の年報は装いを新たにしており、判サイズを大き
くし、表紙デザインを変更しました。黄緑色から青色を基調とした表紙デザイ
ンは所内募集したもので、プロの助力を得てよりスマートな体裁となっていま
す。デザイン原案者である石垣靖人講師の言によれば「総合医学研究所の位置と
研究におけるロジックの積み重ねを表現した」ということであり、それはまさに
今の研究所の置かれている状況を示すものと考えられます。研究所発足時から
掲げている、臨床につながる研究を基本とする姿勢は今後も維持すべき点では
ありますが、その上に遺伝子解析データを基にした研究の推進をはじめ、ヒト
ゲノム解読完了を受けてオーダーメイド医療の未来に向けてさらなる発信をし
ていくことが今の各研究分野そして本学研究所にも求められていると思われま
す。年報(第 17 巻)発行を機に表紙だけでなく、中味を変革していくことが求め
られていることを真摯に考え、次号では新たな視点を加味し、少しでも前進し
たより光る研究成果を示したいと願っております。ご意見をいただければ幸い
です。
(研究所紀要編集委員会委員長 竹上 勉記)
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
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随 想
20 年の勤続に思う
た。
来し方を振り返って
これまでの 20 年を見ますと、最初が暗かった分(冬
総合医学研究所
分子腫瘍学研究部門教授 竹上
勉
の空に関しましてはこの暗さがお酒を飲むにはいいの
だ、と金沢 2 年目から思っていましたが)
、その後の
多くの方々からの励まし、刺激をいただいたことは気
来 し 方 を 振 り 返 っ て み る に、
持ちを明るくさせ、大変嬉しく思うことです。感謝致
あっと言う間に 20 年が過ぎた感
します。金沢医大における役割も研究、教育さらに橋
が し ま す。1986 年 1 月 に 東 京 都
渡し役等々と増している現在、新たなる気持ちで向か
神経科学研究所から本学(研究
う所存です。よろしくお願い致します。
所:当時は熱帯医学研究所)に着
任したのですが、最初から冬の
嵐にみまわれ、列車が敦賀で止
放射線診断治療学教授 東
光太郎
まったり、雪が「下」から降るの
にも出会い、
「暗いなー」という空を見上げ、少々ため
このたびは、20 年の勤続に際
息も出、さらには冬の雷にも驚かされました。金沢の
し過分なご高配を賜り厚くお礼
冬、初体験での雷の音はまるで「洗礼」を受けたよう
申し上げます。
なものでした。
振り返りますと大変短く感じ
しかし、春の訪れと共に空の明るさも増し、小生の
ますが、1979 年に金沢医科大学
小さな研究室も次第に試薬、細胞培養器具等も揃い、
を卒業後、山本 達教授(現学長)、
ウイルス研究もできるようになり、少しづつ軌道にの
宮 村 利 雄 教 授、 興 村 哲 郎 教 授、
ってきました。現在まで続いている研究材料はフラビ
浜田重雄助教授、西木雅裕助教
ウイルスですが、その一つの日本脳炎ウイルスを用い
授、利波久雄先生のご指導で放射線科にお世話にな
た試験管内ウイルス RNA 合成系の確立、新分離ウイ
りました。その後 1990 年に山本教授のご配慮で米国
ルス株(石川株)の全長ゲノム配列解析あるいは C 型
ミシガン大学に留学させていただき、幸運にも FDG
肝炎ウイルスの蛋白 NS3 発現ベクターの構築とその
PET の第一人者 Wahl 先生と出会うことができまし
発現による細胞形質転換能の発見等の成果を得ること
た。
もできました。 研究を一緒にやってくれた仲間には日本人の他に、
帰国後、金沢循環器病院にサイクロトロンと PET
が導入され、北国がん基金研究助成のご援助で 1994
インドネシア、中国、チリ、フィリピンなどの外国か
年から肺癌患者の FDG PET 検査をスタートしまし
らの助っ人が、数えて見ますと 10 人を超す数となり
た。このころ同僚の大口 学先生と呼吸器内科学の南
ました。宗教、文化は異なっていても言葉さえ通じれ
部静洋先生が中心となり肺癌カンファランスが発足
ば互いに理解し合えるものだということもあらためて
し、また、病理学の上田善道教授がご着任され、肺癌
勉強することができました。それは中国姉妹校等の国
研究の大きな原動力となりました。上田教授は肺癌の
際協力が継続された本学の学術振興計画のおかげでも
増殖能を免疫組織化学染色法で測定し、これをもと
あります。また、医学英語、生命の科学、微生物関連
に FDG PET で測定した肺癌の糖代謝と増殖能の関係
等で医学教育にも携わることができまして、楽しんで
を調べることができました。また、病理学の勝田省吾
学生と接することができたことは喜びであります。さ
教授のご配慮で、実験室の機材や消耗品を自由に使
らに毎年の夏には白山にも登ることができたこと、時
わせていただきました。肺癌の DNA flow cytometry
に学生たちと登ることができたことは二重の喜びでし
は泌尿器科の池田龍介先生と総合医学研究所の村上
【随想】
金沢医科大学報
50
学先生に、肺癌組織の処理は生化学の長尾嘉信助教
が、診療、教育、研究に努力を惜しまず頑張るつもり
授に、肺癌の臨床研究は呼吸器外科佐久間 勉教授、
ですので皆様方の引き続きのご指導ご鞭撻をよろしく
佐川元保教授、呼吸器内科学栂 博久教授にご指導
お願いいたします。
いただきました。現在は Real-time RT-PCR や DNA
microarray による肺癌遺伝子群の解析を総合医学研
究所の竹上 勉教授と石垣靖人講師にご指導いただい
健康管理センター講師 釘抜
康明
ております。また、山本教授、利波教授には、終始研
究助成のご高配をいただきました。さらに、研究助成
このたび、勤続 20 年を表彰い
センター事務課のみなさまにも終始多大なご協力をい
ただき、支えてくれた家族や周
ただきました。このように、この 20 年間に多くの先
囲の皆様に本当に感謝いたしま
生方にご指導いただき、心から感謝いたしております。
す。私自身もこれほど長く勤務
本当にありがとうことございました。
するとは思ってもおりませんで
した。ひとえに働く環境を良く
して下さった周囲の方々による
泌尿生殖器治療学助教授 田中
達朗
ものと考えております。
本来、私は協調性などなく、自分のやりたいことだ
昭和 57 年に金沢医科大学を卒
けをするような性格でした。医科大に勤め、まず自分
業し 24 年が過ぎました。最初の
の力のなさを知り、先輩方、同僚の温かい目があって
4 年は大学院でしたので今年勤続
の今日と思っております。しかし、20 年といいまし
20 年となります。振り返ると大
ても医学の進歩は著しいものがありました。診断・治
学入学から 30 年間この内灘の地
療においては遺伝子レベルにさえ及ぶようになり、医
で生活していたことになります。
療機器も工学系の知識が必要となるようなものまで出
福井の田舎から出てきた当時は
現しています。でも、実際私たち医療に携わる人間が
福井独特のイントネーションが
一番変化を感じるのは、インフォームドコンセントな
取れず(現在もそのまま残っていますが)気後れする
どの人間に対する考え方ではないかと、私自身は考え
こともありましたが、たくさんの恩師、友人に支えら
ています。この中にはチーム医療を含め、人と人との
れ最近は気にすることもなくなりました。
関係、これが近年特に医療現場で変化したのではない
泌尿器科医になった当時は金沢医科大学病院が北陸
でしょうか?
の中でほとんど唯一腎移植を行っていた病院でしたの
本学においても、垣根を越えたカンファランスなど
で、北陸 3 県はもちろん京都の一部からも患者様が集
も多くあるように聞いておりますし、実際、院の内外
まり、月に 2 例程度定期的に腎移植手術を行っていま
を問わず誰でも参加可能な CPC なども運営されてい
した。亡くなられた方からの腎提供があれば北陸 3 県
ます。また、医療過誤の問題にしてもチームとして取
のどこにでも駆けつけて泊り込むこともありました。
り組み、未然に防ぐようにしたいものと思っておりま
私にとっては手術手技の向上や知識の蓄積にかけがえ
す。
のないものでした。元気に退院された方や不幸にも腎
このほか、老人医療などについては、もちろん病気
臓が拒絶され透析に戻られた方々も明るく声をかけて
を治せればそれに越したことはないのですが、病気と
くださったことで、反対に勇気をいただいたことが走
いかに上手に付き合っていける指導ができるかが、こ
馬灯のようによみがえります。腎移植治療に関しては
れからの医療現場に必要ではないかと考えています。
まだまだ改善の余地があり、今後も成績向上に向け研
最後になりますが、これからも金沢医科大学の一ス
鑽努力するつもりです。
泌尿器科に入局し多くの先輩方に指導していただ
きました。津川名誉教授、鈴木現教授をはじめ医局員
の皆さんには医学的なご指導や人生の指南まで公私に
わたり温かく接していただき、まがりなりにも泌尿器
科医としてここまでやってこれたことに感謝しており
ます。この場をお借りしてお礼申し上げます。人員不
足が顕著となり大学を取り巻く環境は悪化しています
タッフとして一生懸命努力し、本学に恥じない医療人
として働くため、皆様方のご指導をよろしくお願いい
たします。
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
51
ています。また、開設記念式典(H18.10.1 )には、森
走り続けて 20 年
喜朗元首相、北村代議士、谷本県知事、梅田県医師会
21 世紀集学的医療センター事務課課長
長、小泉金沢大学病院長はじめ、関係各位にご臨席を
濱中 豊
賜り盛大に開催し成功裏に無事終えることができたこ
とも良き思い出であります。
ご 縁 あ り ま し て、1985 年 7 月
終わりになりますが、金沢医科大学が今後ますます
金沢医科大学に入職し、あっと
発展していくためには、大学に人が集まることが極め
いう間の 20 年間が過ぎ去りまし
て大切であると感じます。そのためには仕事の多さや
た。私が勤めた部署を振り返っ
困難さ、お金の多少の格差などに比べて 勝る何か
てみると、①広報室(役員秘書
があることが重要です。皆さんは、金沢医科大学に勤
室、当時課長:松田悦二課長)、
務していて良かったと言えますか。金沢医科大学が好
②総務課、③教務課、④教学課、
きだという気持ちを持てますか。今の自分は次の時代
⑤ TA サポート課、⑥出版課、⑦
を繋ぐ役回りの一人として、 勝る何か を作り上げる
人事厚生課、⑧学長室(事務室)、⑨企画調査室、⑩
ために、
「スタッフ全員への感謝」と「笑顔で応える態
学長室(事務室)、⑪病院長室(事務室)、⑫ 21 世紀集
度」を大事にしたいと思っています。
学的医療センター事務課(現在)であったと思います。
一つの部署には、平均 1.7 年という短いスパンでの勤
務ではありましたが、担当課長はじめ課員の方々から
研究助成センター事務課課長 上田
正博
いろいろなことを学ばせていただき、今の自分がある
のは、多くの人たちのお陰であることに気づかされま
大学卒業後、医療関係で自分
す。時に意見の食い違いや対立のようなものがあった
にできる社会に役立つ仕事をと
り、若さ故に傲慢で生意気な点もあったことは、退職
志し、製薬会社で 4 年間営業を
された先輩方から昔話として聞くこともあり、今更な
経 験 し ま し た。 そ し て 20 年 前、
がら、自分の未熟さを感じています。
知人の薦めもあり、縁あって 26
さて、各部署での思い出を紹介します。教務課時代
歳の年に本学にお世話になるこ
は、医師国家試験の合格率向上のために特定試験(卒
とになりました。約一週間の研
業延期生のみの試験も含め 21 回)作成に明け暮れ、退
修後、病院の「医事課」に配属さ
学寸前の学生に涙して励ましたことが多々ありまし
れたのですが、その当時は手書きレセプトから電算化
た。TA サポート課時代は故村上理事長のそばで新オ
への変換作業の真っ只中! 何も分からない状況下で
ペレーティングシステム Windows を初めてさわらせ
勤務 1 日目から言われるままに残業! それも深夜を
ていただき各種ソフトを利用する機会も与えていただ
とおり越し帰宅したのは翌朝 5 時でした。これは大変
きました。
なところに入ってしまった。この先大丈夫かなと不安
学長室(事務室)では、大学院開設準備に関わり大
学院を一専攻に改編し、生命医科学専攻(当時として
でいっぱい。それでも何とか多くの先輩方に優しく、
は画期的なことであると評価されたそうです。準備委
間勤務させていただきました。
時には厳しく指導していただき、病院職員として 4 年
員長:勝田省吾教授)を設置した作業はおおよそ半年
平成 3 年 8 月に「研究助成課」という聞き慣れない課
間のかぎられた期間の中で進められ、よく働いたと自
分なりに感心しています*(もうこんな仕事はできな
に配置換え。それも仕事の内容は、科研(※)
。カケ
いかもしれませんが)。現在
ンの仕事が一変、
「とにかくワープロとデータベース
の 部 署 に あ っ て は、21 世 紀
。また、それまでの大所帯の「医
桐 を覚えなさい!」
4
4
4
4
4
4
ンって何? そんな状況でそれまでの端末入力がメイ
4
・
集学的医療センター(集学的
事課」とは違い課長以下全員で 3 名。掃除、雑用等な
がん治療センター、生活習慣
んでもしなくてはなりません。それから約 12 年、組
病 セ ン タ ー の 新 設:21 世 紀
織改正で名称が「大学院・学術交流課」、
「ハイテクリ
集学的医療センター松井 忍
サーチセンター事務課」、
「研究助成課」、
「研究支援課」
と変遷したのですが、仕事内容はずっと科研をメイン
教授)の開設に向け多方面の
方々に支援をいただき何とか
形づくることができほっとし
*大学院生命医科学専攻
イメージの原型をデザイ
ンしました。
とする研究助成業務でした。
平成 16 年 4 月に組織改正で研究助成業務は「総合医
【随想】
金沢医科大学報
52
学研究所事務課」に統合されました。それと同時に従
最後に、これまで職場環境には恵まれノビノビと仕
来から希望していた病院勤務「管理課」に配置換えに
事をさせていただいており、指導してくださった諸先
なりました。しかし、その年の 10 月に外部資金導入の
輩方、同僚、後輩、そして家族、皆さんの力を借りて
拡充を目標に「研究助成センター事務課」が設置され、
勤続 20 年を迎えることができましたことを、心から
再び研究助成にかかわる業務につくことになり現在に
感謝し、お礼を申し上げます。
至っています。
「管理課」には半年間しか在籍しません
でしたが、その時の経験が今とても役立っています。
この 20 年間無事に仕事ができたのもこれまで支え
管理課主任 岡本
真一
ていただいた方々のおかげと感謝しております。これ
からも研究をサポートできる仕事に誇りをもち、本学
の社会貢献に役立つよう頑張りますのでさらなるご支
勤続 20 年を表彰していただき
ありがとうございました。
私が今日まで大過なく勤務で
援をよろしくお願い申し上げます。
※科研・・・科学研究費補助金の略。日本の代表的な
きたのは、通勤に約 1 時間かけ、
外勤が多かった前の会社と違い、
競争的研究資金。
周りの環境だけでなく、上司を
はじめ、諸先輩、そして私を支
施設整備計画課課長代理 亀井
淳平
えてくださった方々に巡り合え
たからであり、時には挫折感を味わい、時には達成感
昭和 58 年、大学卒業後、金沢
に浸りながら、時には息切れしそうになりながら、多
の建築設備会社に就職をし、現
くの方々にご指導いただいたことに感謝すると共にお
場監督をしておりましたが、そ
礼を申し上げます。
の後ご縁があり金沢医科大学に
お世話になることになりました。
最初は、病歴センター(現医療情報課)に配属にな
りました。当時はまだ紙カルテ全盛期で、患者さまの
最初の勤務場所は設備課でし
受付順を守るために、1 分でも早く電動自動棚からカ
た。ここでは前職の経験が大き
ルテを取り出し各外来へ送付したこと、また、アリバ
く役立ちましたが、設備規模の
イ情報のあるカルテが、見つからない場合に躍起にな
あまりの大きさに圧倒され、奉職後は空調・給排水・
って探し回ったことを昨日のことのように覚えていま
電気など設備関連の国家資格を取得するのに躍起にな
す(カルテがないと診療できないケースがあり、結果、
っていたことを思い出します。
患者を待たせることがあった)。
平成 2 年、病院管理課へ配置換えとなり病院の施設
次に、医事業務課(現診療支援課)
、管理課、理事
管理、申請・届出関係、予算管理等の業務につきまし
長室、病院長室を渡り歩き、現在の管理課で勤務して
た。管理課は病院の総務的な立場上、病院のあらゆる
おります。20 年間で 5 回の異動は多いか少ないかは分
情報が集まってくるため、必然的に病院全体を見る目
かりませんが、大半は病院での業務に携わっています。
が養われ、そしてここでの約 8 年間で今の私が形成さ
病院機能評価受審も終了し、次は、第二新館の開館、
れたように感じます。
「できる限り病院内を駆け巡り
別館・本館の改修工事となり、関連業務が増えつつあ
現場の声を聞く」それが上司からの指導であり自分の
ります。設備投資は増大する一方で、病床数の減少、
モットーでした。おかげさまで、いまだに病院内には
看護師不足、外来診療の包括化による病院収入の減少
気軽に会話を交わせる方々が大勢いて、現在、施設整
が予想されます。厳しい状況ではありますが、病院職
備計画課に席を置き各部署との交渉事が多い私にとっ
員として微力ながら努力して頑張っていきたいと思い
て大きな財産となっています。
ます。
平成 9 年、病院増改築準備室に配置替えとなり、病
最後に、人には、得意、不得意があるように、いろ
院新館を筆頭に大型施設の建設に携わることになりま
いろな個性があり、職場でも同じように、いろいろな
した。そして今は病院第二新館、本館の大改修、看護
人とかかわって切磋琢磨しながら成長していきます。
学部棟などの建設監理に汗をかいておりますが、自分
そういう意味では、まだまだ未熟ではありますが、今
の仕事の結果が形となって目に見える喜びをヒシヒシ
後ともご指導の程よろしくお願いいたします。
と感じており、その建物がある限り、この気持ちは変
わらないだろうと思っております。
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
入学センター主任 中川
喜雄
53
能登出身の私にとって、金沢医科大学病院は能登海浜
道路から見えるほんの一部の建物しか知らなかったの
このたび、永年勤続(20 年)の
です。医者を育てる大学、または病院、私に勤まる仕
表彰をいただき、誠にありがとう
事なのかと不安でいっぱいでした。その後出産、仕事
ございます。月日の流れの早さ
も家庭も日々平穏な毎日を送っていた時、突然の身体
を実感するとともに、家族や職
の不調。もう仕事は無理なのではと退職を考えた時期
場の皆様に支えられ、今日の自
もありました。しかし現在では幸いにも仕事に復帰が
分があることを感謝いたします。
できました。たくさんの周りの人たちが支えてくれた
20 年勤続のうち、医学部の教
おかげだと感謝の気持ちでいっぱいです。
務事務を 14 年間担当いたしまし
まだまだ勉強不足で学ぶべきことが多くあります
た。主に 6 年生を担当していましたが、教務は面白い
が、今後も健康に留意し、大学の発展のため微力なが
もので、学生の若さに接していると自分も若いという
ら頑張っていきたいと思います。
錯覚に陥ってしまいます。つい最近まで自分はまだま
だ若いと思っていましたが、あっという間に白髪が目
立ち始め、体型にいたっては今話題のメタボリック症
学長室事務員 福井
加奈子
候群と言われても仕方がないまでになり、絶対健康診
断までに痩せようと気にしつつも、おいしいお酒とお
このたびは、勤続 20 年の表彰
つまみを楽しみに仕事に励む今日このごろです。今回
をいただき、ありがとうござい
の永年勤続表彰に際し、20 年の月日の重さをあらた
ました。表彰式の案内をいただ
めて痛感いたしました。
いた時は、えっ? もう 20 年!?
現在、入学センターで入試業務を行っておりますが、
そんなに年をとってしまったん
学生募集は営業であり、大学の事務組織内では特殊な
だ・・・!という気持ちから、表彰
業務だと感じます。受験生、ご父母や高等学校の進路
式に出席するのは何となく気が
担当教諭に「金沢医科大学」をいかに宣伝し、受験生
進みませんでした。
をできる限り多く確保することが最大の任務です。学
ところが、周りの人たちから「おめでとう!」と言
生募集の成果は受験生の人数として明確に現れるた
われ、20 年を振り返ってみることにしました。すると、
め、年度ごとに一喜一憂しています。
上司や先輩、同僚、友だち、家族の顔が次から次へと
このたび、看護学部の平成 19 年 4 月開設が認められ
浮かんできて、私の胸はすぐに感謝の気持ちでいっぱ
ましたが、開設準備段階からの学生募集の成果がこれ
いになりました。今まで、こんなにもたくさんの人に
から受験生という実数で現れることに対して多少の不
支えられて、続けることができたということにやっと
安を感じつつも、4 月には笑っていられるようこれか
気づきました。本当にありがとうございました。
これまで、建築課、教学課、庶務課、企画調査室、
らも日々努力していきます。
研究助成センター事務課、学長室などの部署を経験し
ましたが、それぞれの部署で、いろんな方にお世話に
臓器機能再建学(小児外科学)事務員
林
美代子
なりました。就職したころは、あまりに大学の構内
が広くて迷子になって(方向音痴も災いして)しまい、
今は退職されていませんが、竹井さんという年配の方
このたびは 20 年勤続表彰をい
ただき、ありがとうございまし
が、汗だくになって私を探してくれました。
このような感じで、ほんとうに皆さんに温かく支え
た。 昭 和 60 年 7 月 に 採 用 さ れ、
ていただき、楽しく毎日を過ごしていましたが、私に
医事課、大学、医局へと仕事内
も、もう辞めようかと思った時期がありました。しか
容が全く異なったところへの異
し、次の就職先を探しながら、あれこれ考えているう
動は、私にとって大学を知るう
ちに、自分に問題があることに気づきました。それか
えで大変貴重な経験となりまし
らは、
「仕事に対する姿勢を改め、言うべきことは言
た。
う」ことを心がけるようにしました。時間はかかりま
思えば 20 年前、初めて医科大を真正面から見た時
「うわー大きい、病院はホテルみたい」と思いました。
したが、少しずつ、自分の気持ちが楽になっていき、
笑顔も戻ってきました。
【随想】
金沢医科大学報
今日まで 20 年、いろんなことがありましたが、楽
しいことも辛いことも含め、すべての経験は私にとっ
て必要なことでした。その「とき」は、それが必要な
ことだとはわからなかったのですが・・・。
54
うるさく叱ってばかりいてはいけない! と反省する
ばかりです。
これからは、患者様にも子供たちにも大きな心で接
していけることを毎日の目標として頑張り、今まで以
現在、私は学長室で看護学部の設置準備や教学関係
の仕事をしています。初めてのことばかりで、いろん
上に病院職員として恥ずかしくないよう努力していき
たいと思いますので、よろしくお願いいたします。
な汗(冷や汗が多い)をかいていますが、尊敬できる
上司に囲まれ、また、大学の歴史に残る仕事に携わら
せていただき、心から感謝しております。そして、お
栄養部栄養課主任 山本
香代
忙しい中、表彰式のお世話をしていただきました関係
このたび、勤続 20 年表彰の式
の方々にお礼を申し上げます。
これからも 20 年勤続を一つの節目として、日々の
に出席させていただき、
「えっ!
業務にまじめに精一杯取り組んでいきたいと思ってお
もうそんなに長い間この金沢医科
ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
大学病院で栄養士をしていたの
か。あっという間だったな」とい
う心境でした。初めは調乳作業や
診療支援課事務員 沢本
あゆみ
厨房での調理、盛り付け等、その
後管理栄養士資格を取得し、保育園や看護学校の給食
私が社会人として医療関係に
業務に携わり、臨床での栄養指導、学会の発表など、
進みたいと思ったのは、私がま
一段一段階段を登るような感じでした。特にここ数年
だ小学生のころ、祖父がこの金
は、病院の移転や機能評価など多忙の毎日でした。大
沢医科大学病院に何年もの間、
きな組織の中のほんの小さな歯車にすぎず、歯車にも
入退院を繰返しており、おじい
なっていないかもしれないと感じる時期さえもありま
ちゃんっ子だった私は、祖父の
した。最近では、十分な栄養は治療にとっても有効で
入院中、毎週のようにお見舞い
あり重要視されるようになり、管理栄養士としての役
に通っていました。そして中学
割も大きく変遷してきました。しかしいくら栄養価の
生になったころ、将来は病院関係で仕事がしたいと思
高い食事を提供しても患者さんに、
「医科大の食事はお
うようになっていました。医療事務系の学校を卒業し、
いしい。毎回の食事が楽しみだ」と思っていただかな
この金沢医科大学病院に就職できたことは、ひとつ夢
ければ意味がありません。患者さんの生の声を聞き、
がかなったのかもしれません。そして外科系の受付に
毎日毎日が勉強だということを日々感じ、一歩一歩の
配属され、初めのころは仕事の手順も専門用語も分か
努力の毎日を送っています。20 年たって思うことは、
らず、先輩方に何度も同じことを聞きながら、毎日や
自分一人でここまで来られたわけではないということ
っと仕事をこなしていたように思います。忙しいと余
です。大きな壁にぶち当たった時も後輩が下から持ち
裕もなくなり、今思うときっとキビシイ顔で仕事をし
上げてくれ、上司が上からひっぱり上げてくれ、その
ていたのではないでしょうか。外科系と言えばケガの
ほか様々な方のご指導、ご協力があったからこそ、ま
患者様も来られるので、血を見ることに慣れていない
た、家族の協力がなければ乗り越えられなかったこと
私は、ただオロオロするばかりでした。しかし、今で
を痛感し忘れてはならないということです。
は見た目と同じ、ドッシリと構えられるようになりま
また、常日ごろから自分に言い聞かせていることが
した。自分自身でもオドロキです。まだまだ若作りの
3 つあります。それはどんな患者さんでも自分の家族
つもりでしたが、そう言えば昔は気にならなかったシ
だったらどうするだろうかということを念頭におくこ
ミやシワも気になり始めて早何年になるだろう。脂肪
と。人の声に耳を傾けるということ。今、自分にでき
にいたっては今流行のメタボリックシンドロームとほ
ることを目標として諦めないことです。この執筆を機
ぼお友達。綾小路きみまろさんの笑いも分かる中高年
会に改めて初心に帰ることができたように思えます。
の仲間入りです。私生活でもこの 20 年は、恋愛・結
最後に一言。
「私はきれいな海が一望できるこの病
婚・出産と経験し、母となり、日々成長していく息子
院が大好きです」。金沢医科大学の皆々様に心から感
(8歳)と娘(5歳)を見ていると、親として負けずに
謝するとともに、これからもご指導のほどよろしくお
成長(体ではなく心ですよ)していかなければ、毎日
願いいたします。ありがとうございます。
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
中央放射線部技師 山下
修
55
男女雇用機会均等法の施行を受
けて女性の社会進出に追い風が
科学技術は秒進分歩の恐ろし
吹いている時代でもありました。
いスピードで発達しますが、人
4 月の全体オリエンが終わった
間そのものの進歩はきわめてゆ
後、看護師の象徴である白衣が
っくりしています。その証拠に
着られることを信じてユニフォ
2000 年以上も前の釈迦やキリス
ームと配属先を捜したのに、手
トの教えが今なお役にたつのを
術部では緑色と聞かされ、夢破
みても、人間の本質は今も昔も
れショックに打ちひしがれていたことが懐かしく思え
それほど変わりがないことが良くわかります。
ます。
中国の古いことばに「士は己を知るもののために死
あれからもう 20 年がたち、同じ職場でずっと勤務
す」という凄い金言があります。これは士(サムライ)
できたことを考えると、あの時の配属はよかったのか
は、自分を知ってくれる者のためには生命を投げ出し
なと最近思えるようになってきました。
ても闘うという意味であります。
「己を知る」とはその
人の存在価値を認めることで、もっと具体的にいえば、
これからも頑張っていく所存です。皆様のご指導ご
鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
長所・美点・可能性を認めることであります。これを
現代風に言い直すと「サラリーマン(部下)は自分の存
在価値を認めてくれるリーダー(上司)のためにやる
栄養部調理課調理補助員 元林
厚子
気を出す」となりましょうか。つまり、リーダーシッ
プとはメンバーの長所を見出し、伸ばし、育てること
この金沢医科大学病院の栄養
に他ならないこととなります。そうすれば、大いにや
部に就職し、食器の洗浄、野菜
る気を出してチームワークは良くなり、業績(レベル)
の下処理、盛り付け、配膳など
は向上することになります。
給食業務に携わり、気がつくと
私は 20 年前、この自分を見出してくれた素晴らし
はや 20 年が過ぎておりました。
い上司と巡り会いました。また、その後も一緒に切磋
当初、盛り付け担当になった時
琢磨できる同僚たちと出会いました。深く感謝の意を
に、調理師の方や先輩方に、
「料
表すとともに、自分自身の僥倖に感動を覚えます。今
理は見た目も大事。盛り付けは
年は、勤続 20 周年の節目の年であると同時に、病院
きれいに!」と何度も教えられました。毎日が緊張の
機能評価受審と中央放射線部の ISO の受審および部
連続でした。ようやく仕事にも慣れてきたころ、分粥
門の移転と大イベントが目白押しでしたが、これらに
食の担当に代わりました。ここでは流動や 3 分菜、5
伴い、自分自身と自身が携わってきた仕事を見直すこ
分菜食と柔らかい形態に調理するため、魚や肉料理な
とができるよい機会となりました。病院の中での中央
どを細かく刻んだり、煮物用の芋や野菜類を裏ごし器
放射線部の役割を考え、伝統を保ちつつ、変革をして
でこす、という手間のかかる作業でした。二人ペアに
いくことの大変さを身をもって実感しましたが、今は
なって作業をしていたので、二人三脚で配膳時間に遅
充実感ともなっております。最後になりましたが、こ
れないよう必死でした。毎日がとても忙しく時間に追
れまで私にかかわっていただいたすべての皆様に心よ
われていましたが、仕事自体はとても楽しかったよう
り感謝いたしますとともに、今後も変わらぬご指導・
に思えます。給食に携わる者の一人として充実してお
ご鞭撻をお願いいたします。
りました。その後、保育園児の食事や赤ちゃんのミル
クの調乳業務も経験し、厨房業務では本当に数多くの
ことを学ばせていただきました。この金沢医科大学病
看護部看護師(中央手術部)
篠原
令子
院の調理課でよかった、と心から感じております。皆
様に支えられ、元気に仕事ができますことに深く感謝
今回 20 年勤務できたという話を聞かされて、内灘
で過ごした年月に自分自身驚いています。
振り返ると私が社会人になった 1986 年は、バブル
景気の真っただ中で日本中が狂喜乱舞していた年でし
た。社会党では土井たか子氏が女性初の党首になり、
いたしております。20 年勤続表彰、ありがとうござ
います。
金沢医科大学報
56
報 告
国立台湾大学腫瘍内科 を訪ねて
自他共に認める台湾最高の医療機関である。病院全体
では 2,000 床、1 日外来患者 8,000 人と多く、早朝より
夕方まで患者が絶えない。腫瘍内科に関しては、助手
腫瘍治療学教授 元雄
良治
以上のスタッフが 10 人、それ以外の医員・研修医・
大学院生が 10 人在籍し、病棟 100 床、外来点滴用ベッ
ド 40 床、外来化学療法 1 日平均 150 人とのことで、私
への案内中にも徐先生に若い研修医が質問しに来てい
た。外来化学療法は、採血・血管確保は看護師が行い、
抗がん剤の調剤は薬剤部で無菌的に行い治療室へ運
び、医師は患者の診察と治療のプラニング、外来化学
療法中の安全確保・監督を主としている。診察は毎日
9 人の外来担当医が出ている。外来点滴室ではスペー
スを節約するために約 10 人の患者が車椅子を用いて、
輪になって点滴を受けていた。ときには待合室のソフ
ァーで点滴を受けることもあるという。このような外
来の状況と、採血が中央採血室なのでがん患者には
台湾大学の腫瘍内科医と筆者(右)
不便であり、現在「がんセンター」構想が進んでおり、
キャンパス内にがん診療専用の建物が建設される予定
平成 18 年 11 月 10 日から 14 日まで台湾(中華民国)
・
である。台湾ではこれまで外科系医師が化学療法も行
台北市で行われた国際内科学会において、
「抗がん剤
ってきたが、近年腫瘍内科が充実し、化学療法を腫瘍
塩酸ゲムシタビンのアポトーシス誘導作用の分子機
内科医に依頼する外科系医師が増えている。国立台湾
構」について発表した。その学会期間中に国立台湾大
大学では患者数が多く診療で手一杯のため、研究に手
学附属病院腫瘍内科の徐 志宏先生と知り合いになり、
が回らず、若い医師の研究意欲を削いでいるので、今
病院を案内していただいた。
後日本の腫瘍内科医と交流を深めたいとのことであっ
国立台湾大学附属病院は約 110 年前に日本が大理石
・
た。 蒋 介石(中正)紀念堂 に掲げられている「倫理」
を多く使って建設した建物を基本的に使用しており、
「科学」
「民主」は、
・
「医療倫理」と「科学的根拠」に立脚
病棟では建物ごとに緑の空間を中間に配した快適な構
した「患者中心の医療」を推進せよとの天啓と思われ、
造になっている。患者にとっての「最後の砦」として
感慨深かった。
国立台湾大学附属病院正面で
外来点滴室で化学療法を受けている患者さん
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
57
図書館
新着図書の紹介( 2006.7 ∼ 9 )
書名/発行所/刊年/分類の順で記載
学生用指定図書
(和書)
有機化学の基礎(生命科学のための有機化学 :1 )/東京大
学出版会/2004/437
有機化学(大学への橋渡し)
/化学同人/2006/437
生命科学/羊土社/2006/460
スポーツ医科学/杏林書院/1999/QT261
生化学ガイドブック 改訂第 3 版増補/南江堂/2006/QU4
標準病理学 第 3 版(Standard textbook )/医学書院/2006
/QZ4
国民衛生の動向 2006 年(厚生の指標臨時増刊)/厚生統
計協会/2006/WA900
論文を正しく読み書くためのやさしい統計学/診断と治
療社/2006/WA950
検査結果の読み方、考え方(基礎臨床技能シリーズ :3 )/
メジカルビュー社/2006/WB100
整形外科プライマリケア(NEW MOOK 整形外科 :17 )/
金原出版/2005/WE100
骨・軟部腫瘍(NEW MOOK 整形外科 :18 )/金原出版/
2005/WE100
糖尿病食事療法のための食品交換表 第 6 版/日本糖尿病
協会/2002/WK818
一般教養図書
(和書)
好きになる生物学 : 12 カ月の楽しいエピソード/講談社
/2001/460
基礎医学図書
(洋書)
TNM classification of malignant tumours 6th ed/
J.Wiley/2002/QZ15
TNM supplement:a commentary on uniform use 3rd ed
/Wiley-Liss/2003/QZ15
(和書)
精神医療の静かな革命 : 向精神薬の光と影(精神科医から
のメッセージ)/勉誠出版/2006/QV77.2
新臨床腫瘍学 : がん薬物療法専門医のために/南江堂/
2006/QZ200
臨床医学図書
(洋書)
Joslin's diabetes mellitus 14th ed/LWW/2005/
WK810
A physician's diary of the atomic bombing and its
aftermath/Nagasaki Assosiation for Hibakusha's
Medical Care/2002/WN610
(和書)
保健・医療のための研究法入門 : 発想から発表まで/協
同医書出版社/2001/W18
保健医療職のための質的研究入門/医学書院/2003/
W18
内科学 I/医学書院/2006/WB115
内科学 II/医学書院/2006/WB115
内科研修マニュアル 改訂第 2 版/南江堂/2006/WB115
講義録運動器学/メジカルビュー社/2006/WE100
図解呼吸器内科学テキスト/中外医学社/2006/WF100
肺癌診療マニュアル/中外医学社/2006/WF658
弁膜症 , 心膜疾患 , 心内膜炎(新目でみる循環器病シリー
ズ :12 )/メジカルビュー社/2006/WG100
冠危険因子(新目でみる循環器病シリーズ :18 )/メジカ
ルビュー社/2006/WG100
画 像 で 心 臓 を 診 る : CT・MRI・ 核 医 学 を 中 心 に し て
(新・心臓病診療プラクティス :8 )/文光堂/2006/
WG100
よくわかる臨床心臓電気生理/中外医学社/2006/WG202
造血器腫瘍治療 : これは困ったぞ , どうしよう !/中外医
学社/2006/WH525
標準消化器病学(Standard textbook )/医学書院/2003
/WI100
図解消化器内科学テキスト/中外医学社/2006/WI100
画像所見のよみ方と鑑別診断 : 胆・膵/医学書院/2006
/WI141
セロトニン欠乏脳 : キレる脳・鬱の脳をきたえ直す(生活
人新書 :093 )/日本放送出版協会/2003/WL102
高次脳機能障害 : その概念と画像診断/中外医学社/
2006/WL300
子宮体癌治療ガイドライン 2006 年版/金原出版/2006/
WP460
実践デジタルマンモグラフィ : 基礎から診断まで/中山
書店/2006/WP815
撮影の基本と診断の基礎(手にとるようにわかるマンモ
グラフィ:1 )
/ベクトル・コア/2002/WP815
再発乳癌診療ハンドブック/中外医学社/2006/WP870
症候・症状 , 診断 , 検査(皮膚科診療のコツと落とし穴 :1 )
/中山書店/2006/WR100
疾患 I( 皮膚科診療のコツと落とし穴 :2-3 )/中山書店/
2006/WR100
疾患 II(皮膚科診療のコツと落とし穴 :2-3 )/中山書店/
2006/WR100
脳内汚染/文藝春秋/2005/WS350
喉頭・咽頭疾患(耳鼻咽喉科・頭頚部外科診療のコツと
落とし穴 :3 )/中山書店/2006/WV100
眼科専門医セルフアセスメント : 第 1 − 17 回眼科専門医
認定試験全問題収録 第 2 版/文光堂/2006/WW18
コンタクトレンズ眼障害 : ひと目でわかるトラブルシュ
ーティング/中山書店/2006/WW355
精神疾患 第 2 版(看護のための最新医学講座 : 第 12 巻)/
中山書店/2006/WY150
学生支援センター・生活支援室関係図書
(和書)
心理学 20 講 : 心のトピックス 15 つき/北大路書房/1991
/140
人間行動の心理学/北大路書房/1990/14018
感情と心理学 : 発達・生理・認知・社会・臨床の接点と
新展開/北大路書房/2002 141.6
若者の感性とリスク : ベネフィットからリスクを考える
/北大路書房/2003/141.8
家族システムの心理学 :〈境界膜〉の視点から家族を理解
する/北大路書房/1992/146.8
人間関係の心理と臨床/北大路書房/1995/361.5
インターネットにおける行動と心理 : バーチャルと現実
のはざまで/北大路書房/2004/361.5
常識の社会心理 :「あたりまえ」は本当にあたりまえか/
北大路書房/2002/361.5
人間関係の心理学ハンディブック/北大路書房/1991/
361.5
自分さがしの青年心理学/北大路書房/2000/371.47
大学基礎講座 : 充実した大学生活をおくるために 改増版
/北大路書房/2006/377.15
金沢医科大学報
58
資 料
理事会
第 185 回 平成 18 年 11 月 27 日
議案
1 金沢医科大学学則の一部改正について
2 金沢医科大学大学院学則の一部改正について
3 学校法人金沢医科大学職員就業規則の一部改正について
4 金沢医科大学部局長任用規則の一部改正について
5 金沢医科大学看護学部の奨学金制度について
報告事項
1 内灘町との包括連携協力に関する協定について
2 大学の課題について
規程の改正・制定・廃止
学校法人金沢医科大学エネルギー管理規程
(平成 18 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学学則
(平成 18 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学附属看護専門学校学則施行細則
(平成 18 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院電子カルテ情報貸出規程
(平成 18 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学病院診療録管理規程 (平成 18 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学病院診療情報管理委員会規程
(平成 18 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院診療録貸出規程 (平成 18 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院保険指導委員会規程
(平成 18 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院医療事故調査委員会規程
(平成 18 年 8 月 1 日改正)
金沢医科大学病院特別管理廃棄物委員会規程
(平成 18 年 8 月 1 日制定)
廃棄物及び再利用・資源化物の適正処理に関する管理規程
(平成 18 年 8 月 1 日改正)
大学特別管理廃棄物管理要項
(平成 18 年 8 月 1 日改正)
病院特別管理廃棄物管理要項
(平成 18 年 8 月 1 日改正)
病院感染性廃棄物処理計画基準 (平成 18 年 8 月 1 日改正)
学校法人金沢医科大学職員就業規則
(平成 18 年 12 月 1 日改正)
医学部教授会
第 760 回 平成 18 年 10 月 12 日(木)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 759 回)議事録確認について
2 法医学教授候補者の選考について
3 その他
〈報告〉
1 辞職について
2 出向先変更について
3 外国出張について
4 非常勤講師派遣について
5 その他
教学関連議題
1 平成 18 年度学年末教務日程について
平成 18 年度第 6 学年第 2・3 回標準試験受験資格に
ついて
3 平成 18 年度第 4 学年「診断学」実施スケジュールに
ついて
4 平成 19 年度学年暦(教務日程)について
5 その他
報告事項
1 科学研究費補助金の申請並びに採択向上の協力につ
いて
2 その他
第 761 回 平成 18 年 10 月 26 日(木)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 760 回)議事録確認について
2 その他
〈報告〉
1 外国出張について
2 非常勤講師委嘱について
3 休職について
4 その他
教学関連議題
1 平成 19 年度特別推薦入学試験(AO 入試)第 2 次選考
合格者の決定について
2 平成 18 年度卒業判定委員について
3 いしかわシティカレッジ特別聴講学生の受入れにつ
いて
4 学生の表彰について
5 その他
報告事項
1 第 12 回地域医療懇談会の開催について
2 金沢医科大学における電子ジャーナルの導入計画に
ついて
3 その他
第 762 回 平成 18 年 11 月 9 日(木)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 761 回)議事録確認について
2 「金沢医科大学学則」の一部改正について
3 その他
〈報告〉
1 外国出張について
2 非常勤講師委嘱について
3 国内研修について
4 その他
教学関連議題
1 平成 18 年度第 4 学年「臨床演習」授業計画について
2 共用試験医学系 CBT2007 実施要領について
3 平成 19 年度第 5 学年臨床実習実施要領について
4 その他
報告事項
1 平成 19 年度入学試験(推薦・編入)出願状況について
2 平成 19 年度第 6 学年選択必修科目実施要領について
3 教務部からの報告について
4 大和総研・産学連携セミナーの開催について
5 第 2 回 KMU 研究推進セミナーの開催について
6 その他
第 763 回 平成 18 年 11 月 24 日(金)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 762 回)議事録確認について
2 姉妹校プロジェクト研究員の受入について
3 外国人短期研究員の受入について
4 姉妹校プロジェクト研究員の研究期間延長について
5 その他
〈報告〉
2
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
助教授候補者について
辞職について
外国出張について
非常勤講師委嘱について
併任について
その他
教学関連議題
1 平成 19 年度推薦入学試験合格者の決定について
2 平成 19 年度編入学試験合格者の決定について
3 その他
報告事項
1 平成 19 年度科学研究費補助金の応募状況について
2 その他
1
2
3
4
5
6
4
59
外国人大学院生の募集について
第 356 回 平成 18 年 11 月 24 日(金)
議題
1
2
3
前回(第 355 回)議事録確認について
平成 19 年度大学院第1次募集選抜試験合否判定に
ついて
平成 19 年度大学院第2次募集選抜試験の日程等に
ついて
総合医学研究所教授会
第 206 回 平成 18 年 11 月 22 日(水)
大学院医学研究科教授会
第 354 回 平成 18 年 10 月 12 日(木)
議題
前回(第 353 回)議事録確認について
第 34 回論文博士外国語試験合否判定について
平成 18 年度ティーチング・アシスタントの採用に
ついて
第 355 回 平成 18 年 10 月 26 日(木)
議題
1 前回(第 354 回)議事録確認について
2 学位論文本審査委員の選出について
3 金沢医科大学大学院学則の一部改正について
1
2
3
議題
1 前回(第 205 回)議事録の確認について
2 その他
(1 )外国出張について
報告
1 市民公開セミナーの開催方法について
2 平成 14 年度採択の HRC プロジェクト研究について
3 次回教授会の開催日について
4 その他
(1 )平成 18 年度版総医研点検評価報告書の作成について
(2 )平成 18 年度研究設備整備計画の緊急募集結果につ
いて
第 129 号/ 2007.1
金沢医科大学報
61
同窓会・後援会
その後、山本 達学長の乾杯のご発声でにぎやかに懇
第8回
親の宴が始まった。
金沢医科大学北斗会
懇親懇談会
最初のアトラクションは、内灘で活躍している和
太鼓のグループ「鼓月」の勇ましい演奏が披露された。
この後、嬉しいニュースとして、今年の秋の叙勲で飛
田 明中央放射線部副部長が「瑞宝双光章」を授章され
たことが報告された。北斗会、中央放射線部からお祝
いとして、それぞれ大きな花束が贈られた。飛田副部
長から授章の挨拶をいただき、満場の大きな拍手で祝
福された。
次に用意したアトラクションは、昨年に引続きよさ
こいソーランで、内灘町の「うちなだ愉快な仲間たち」
の皆さんが、元気な踊りを披露した。
宴も終盤に差し掛かり、奥名会長と NICU 主任の中
越看護師のご協力を得て、最後のアトラクション電子
ビンゴが行われた。奥名会長が器械を操作し、にぎや
かな電子音とともに表示された数字を司会の中越さん
奥名洋明会長の挨拶
が読み上げると、会場から大きな歓声が上っていた。
平成 18 年 11 月 28 日(火)午後 7 時から、第 8 回北斗
2 時間を楽しく過ごし、今回の懇親懇談会世話人会
会懇親懇談会が金沢市内の「金沢都ホテル」にて開催
を代表し、浜本千穂子さんから閉会の挨拶があり、会
され、130 名を超える多くの会員が参加した。
員の方々は、それぞれ来年の再会を約束して懇親懇談
最初に 、 奥名洋明会長から開会の挨拶があり、続い
会を終了した。
(教育研究事業推進室 堀 愉記)
て、竹越 襄副理事長が来賓を代表して挨拶された。
お祝いの花束を受ける飛田 明副部長
和太鼓のグループ「鼓月」による演奏
ビンゴで盛り上がる会場
「うちなだ愉快な仲間たち」によるよさこいソーラン
【資料】
62
金沢医科大学
KMUnet からのお知らせ
金沢医科大学統合情報ネットワーク
イントラネットで
講演会、セミナー、勉強会の
Video on Demand 視聴
学報 121 号、126 号に掲載したコンテンツに、その後視聴可能となったコンテンツを追加して全コンテンツ一覧
を掲載しました。
視聴するには本学ホームページを開いて、
〔ライブ・VOD〕をクリックしてください。2006 年以降のものは
Windows Media Player、それ以前のものは Real Player で視聴が可能です。学外からの視聴はできません。
なお、オンライン視聴ではなく、ビデオテープや DVD を用いて画質の良い状態で供覧されたい場合は、情報管
理課(山瀬、内線 2233 または中嶋、内線 3144)までご連絡ください。
(情報管理課 徳田治樹記)
演題名(開催期日、演者名、敬称略)
視聴時間
● 病院機能評価訪問審査実施に係る職員報告会(2006.12.6)
内 容 病院機能評価訪問審査実施に係る報告について(飯塚秀明)
58 分 12 秒
● 第 2 回 KMU 研究推進セミナー(2006.12.1)
講 演 分子細胞イメージングを用いた癌研究の未来(松田道行)
73 分 05 秒
● 第 38 回教育懇談会(2006.11.24)
講 演 OSCE の現状と将来(北村 聖)
77 分 23 秒
● 金沢医科大学 産学連携セミナー(2006.11.22)
講 演 産学連携の概要と代表事例(鈴江栄二、岡村公司)
90 分 58 秒
● 臨床における倫理に関する講演会(2006.10.26)
講 演 臨床における倫理的問題の検討方法(安田幸雄)
66 分 44 秒
● 病院機能評価に係る訪問審査当日の対応に関する職員説明会(2006.10.10 ∼ 2006.10.13)
内 容 病院機能評価に係る訪問審査当日の対応について(飯塚秀明 )
61 分 43 秒
● 院内感染防止に関する教育講演会(2006.10.3)
講 演 院内感染アウトブレイクへの対応について−感染疫学の解析を用いて−(高橋 孝) 70 分 39 秒
● 金沢医科大学病院パス大会
第 15 回 甲状腺腫瘍のストラテジーとロジスティクスにおけるパスの役割について(2006.11.30) 50 分 58 秒
第 14 回 帯状疱疹治療パスの検証(2006.9.27)
44 分 37 秒
下肢静脈瘤手術クリニカルパス
第 13 回 ペースメーカー植え込みパス(2006.7.27)
54 分 35 秒
人工股関節置換術パス
● 臨床における倫理に関する講演会(2006.9.14)
講 演 日常の臨床における倫理的課題(安田幸雄)
67 分 37 秒
● 平成 18 年度保険講習会(2006.9.13)
内 容 保険診療の理解のために(大熊博幸、政浦 敦)
64 分 01 秒
● 第 37 回教育懇談会講演(2006.9.1)
講 演 変革を迫られる医学教育−医学部・医科大学の教員が知っておくべきこと−(齋藤宣彦)84 分 37 秒
● 病院機能評価に係る模擬審査結果講評と質疑応答(2006.8.22)
内 容 病院機能評価模擬審査結果講評と質疑応答(外部サーベイヤー)
84 分 39 秒
● 接遇・患者の権利研修セミナー(2006.8.10)
講 演 患者が望む医療とは(辻本好子)
94 分 49 秒
● 個人情報保護に関する講演会(2006.8.2)
講 演 医療における倫理と個人情報保護法への対応(田中和美)
107 分 34 秒
● 安全管理体制確保のための職員研修会(2006.7.12)
講 演 医療安全対策の基本(工藤 純)
67 分 57 秒
● 第 1 回 KMU 研究推進セミナー講演(2006.6.20)
講 演 ゲノム情報と医療への応用(油谷浩幸)
82 分 24 秒
● 第 36 回教育懇談会講演(2006.6.9)
講 演 アドバンスト OSCE について−米国とカナダの流れ−(伴信太郎)
70 分 46 秒
● 脳死下からの臓器提供シミュレーション(2006.3.24)
120 分 52 秒
● 金沢医科大学病院パス大会
第 12 回 白内障クリニカルパス(2006.3.22)
53 分 11 秒
第 11 回 日帰り手術クリニカルパス(2006.2.3)
40 分 08 秒
第 10 回 小児気管支喘息のクリニカルパス∼現状と今後の課題∼(2005.10.19)
44 分 49 秒
第 9 回 腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術の現状と課題(2005.8.10)
49 分 08 秒
第 129 号/ 2007.1
KMUnet からのお知らせ
63
金沢医科大学
金沢医科大学統合情報ネットワーク
演題名(開催期日、演者名、敬称略)
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第 8 回 前立腺癌の診断と治療におけるパスの導入(2005.5.26)
第 7 回 糖尿病教育部分パス∼誰でも使える教育パス∼(2005.2.24)
金沢医科大学病院接遇研修セミナー(2006.1.17)
講 演 医療サービス・患者満足向上のための上手な接遇対応(高橋啓子)
裁判員制度の説明会(2005.12.12)
内 容 裁判員制度の意義や裁判員の役割について(馬緤利郎、谷岡賀美)
病院の理念および基本方針等の説明会(2005.11.10)
内 容 病院の理念と基本方針等について(高島茂樹)
病院機能評価に係る職員研修会(2005.9.1)
講 演 医療現場における諸課題について(田中和美)
病院機能評価受審に係る職員研修会(2005.8.24 ∼ 2005.8.26)
内 容 病院機能評価各領域の目標設定と概説(八尋敏雄、他)
病院機能評価受審推進会議第1次自己評価点検最終報告会(2005.8.18 ∼ 2005.8.19)
第1グループ報告(浅野進一郎)
第2グループ報告(伊藤 透)
第3グループ報告(組村勝行)
第4グループ報告(小坂健夫)
第5グループ報告(森本茂人)
第6グループ報告(木村晴夫)
第7グループ報告(渡辺健一郎)
第8グループ報告(山口昌夫)
院内感染防止に関する教育講演会(2005.8.3)
講 演 院内における結核患者の発見と対策(小林勝義)
医療安全に関する職員研修会(2005.7.21)
講 演 個人情報保護法施行後の新病院情報システムについて(堀 有行)
金沢医科大学医学会 30 周年記念式典・記念講演(2005.7.16)
講 演 個性と連携:金沢大学医学系研究科の目指すところ(山本 博)
病院安全管理体制確保のための職員研修会(2005.6.24)
講 演 医療訴訟における医療機関と患者のコミュニケーションの問題(佐藤 哲)
病院機能評価受審の概要に関する講演会(2005.5.13)
講 演 病院機能評価受審に向けた取り組み(八尋敏雄)
個人情報保護法に関する講演会(2005.3.29)
講 演 個人情報保護法施行への留意点と医療について(佐古俊晴)
第 31 回教育懇談会(2005.3.11)
講 演 医学教育の動向と今後の展望(石野利和)
安全管理体制確保のための職員研修会(2005.1.28)
講 演 実例に学ぶクレーム対応(兵田純子)
金沢医科大学病院パス大会
第 2 回 心臓カテーテル検査(2004.6.10) 第 3 回 幽門側胃切除術(2004.7.14) 第 4 回 非ホジキンリンパ腫に対する CHOP 療法 /R-CHOP 療法(2004.9.9)
第 5 回 脳血管拡張術・ステント留置術 ∼パス作成過程∼(2004.10.21) 第 6 回 口蓋裂手術パス ∼パスを使って楽をしよう∼(2004.12.21) 院内感染防止に関する教育講演会(2004.7.30)
講 演 石川県における結核の現状と課題について(高橋昌克) 病院安全管理の体制確保のための職員研修会(2004.6.25)
講 演 医療機関における安全管理活動の実際とクレーム対応の基本(村田 勝) 第 30 回教育懇談会(2004.4.23)
講 演 大学教育における OSCE の重要性について(伴 信太郎) 病院安全管理の体制確保のための職員研修会(2004.2.5)
講 演 医療事故から学ぶ教訓と医療安全活動の課題(山本雅司) 金沢医科大学創立 30 周年記念講演(2004.1.5)
講 演 安全で質の高い医療を(迫田朋子) 第 30 回金沢医科大学神経科学セミナー「神経眼科学の基礎と臨床」(2003.8.23-24)
講演 1 Primary position upbeat nystagmus の病態生理と責任病巣(廣瀬源二郎) 講演 2 Neurology of Eye Movement Disorders(Director Michael G. Halmagyi) 講演 3 Alterations in the appearance of the retinal peripapillary nerve Àber layer in neurologic
disease(William F. Hoyt)
講演 4 Gaze palsies(James A. Sharpe)
講演 5 Neurology of Vertigo(Michael G. Halmagyi) 視聴時間
53 分 11 秒
61 分 57 秒
111 分 17 秒
103 分 07 秒
13 分 10 秒
111 分 00 秒
1003 分 14 秒
26 分 20 秒
14 分 10 秒
28 分 43 秒
43 分 45 秒
36 分 37 秒
32 分 24 秒
19 分 13 秒
15 分 16 秒
85 分 24 秒
49 分 06 秒
72 分 06 秒
77 分 17 秒
79 分 18 秒
100 分 53 秒
82 分 19 秒
66 分 43 秒
53 分 14 秒
64 分 47 秒
59 分 23 秒
51 分 57 秒
55 分 01 秒
64 分 07 秒
65 分 33 秒
60 分 40 秒
73 分 03 秒
44 分 48 秒
61 分 06 秒
70 分 19 秒
35 分 45 秒
72 分 51 秒
89 分 00 秒
【資料】
64
金沢医科大学
KMUnet からのお知らせ
金沢医科大学統合情報ネットワーク
演題名(開催期日、演者名、敬称略)
講演 6 Diplopia: Diagnosis and Investigation(James A. Sharpe) 講演 7 Ten contemporary neuro-ophthalmic vignettes for neurologists(William F. Hoyt)
● 病院安全管理の体制確保のための職員研修会(2003.6.27)
講 演 事例から学ぶリスクマネジメント(北川明人) ● 第 29 回金沢医科大学神経科学セミナー「神経機能の再生・回復」(2002.8.23-24)
講演 1 末梢神経欠損に対する新しい治療−延長法、端側縫合法−(池田和夫) 講演 2 筋ジストロフィーに対する再生医療(武田伸一) 講演 3 人口内耳による聴覚機能回復(久保 武)
講演 4 神経移植治療の現況(板倉 徹)
講演 5 神経幹細胞及び ES 細胞の脳神経移植への応用(西野仁雄) 講演 6 遺伝子導入によるパーキンソン病の治療(藤本健一) 講演 7 腰部神経根障害の基礎及び臨床(高橋啓介)
講演 8 脳血管障害における神経機能回復と再発予防(山田和雄)
● 病院安全管理の体制確保のための職員研修会(2002.6.13)
講 演 パイロット達のリスクマネジメント(平野博之) ● 金沢医科大学病院 第 2 回公開パネルディスカッション(2002.4.20)
基調講演 クリティカルパス 実施と評価 パネルディスカッション 1. 討 論 2. 総合患者情報システムに連動した CP の実施と評価 3. 金沢医科大学病院 12 階病棟における CP 導入の軌跡 4. 電子カルテを利用した CP の評価
5. 事務サイドからの CP への期待 ● 金沢医科大学 総合医学研究所 春季セミナー「最新のがん対策」(2002.3.3) 講 演 増えてる大腸がんから身を守る(棟方昭博) ● 特別講演会(2002.2.28) 講 演 医療における電子カルテの意義(開原成允) ● 病院安全管理の体制確保のための職員研修会(2002.1.11)
講 演 リスクマネージメントの実践(三宅祥三) ● 金沢医科大学ハイテクリサーチセンター公開シンポジウム「がんと遺伝子疾患」(2001.10.13)
講演 1 多倍体化細胞形質転換の制がん医療への応用 講演 2 遺伝子導入法による細胞癌化の分子機構の解明および癌の遺伝子治療への応用
講演 3 先天性代謝異常症の診断支援を目的とした全自動 GC/MS 装置の開発 講演 4 神経親和性ウイルスと脳腫瘍 講演 5 転換期にあるがん医療 ● 第 28 回金沢医科大学神経科学セミナー「脳幹・脊髄の神経学」(2001.8.24-25)
講演 1 アジア型多発性硬化症と西洋型多発性硬化症との差異(吉良潤一) 講演 2 多発性硬化症の脳幹・脊髄病変の症候と画像(田代邦雄)
講演 3 Theiler's Murine Encephalomyelitis Virus-Induced Demyelinating Disease:
Relationship with Multiple Sclerosis( Raymond P. Roos) 講演 4 動物モデルを用いた多発性硬化症の治療法の開発(朝倉邦彦) 講演 5 脊椎変性疾患の診断と治療の update(花北順哉) 講演 6 脊髄神経細胞の生存活性と軸索再生(馬場久敏) 講演 7 脳幹病変に伴うめまいの神経耳科学的鑑別(小松崎 篤)
講演 8 Theiler's Murine Encephalomyelitis Virus-Induced Neuronal disease: New Perspective
on Amyotrophic Lateral Sclerosis and Neurodegeneration(Raymond P. Roos) ● 金沢医科大学 総合医学研究所 春季セミナー 「突然死から身をまもる」(2001.3.11)
講 演 心臓病とのつきあいかた医者まかせではダメです(平盛勝彦) ● 金沢医科大学病院 公開パネルディスカッション(2001.2.10)
基調講演 パス法の可能性と限界(郡司篤晃) パネルディスカッション「クリティカルパス(CP)の可能性と限界」
1. 医療経済における CP 2. CP 実践病院から 3. 医師からみた CP 4. 看護婦の立場から 5. 人間ドックにおける CP 6. コメディカルからみた CP 7. 経営工学からみた CP 討 論
視聴時間
69 分 44 秒
33 分 25 秒
84 分 45 秒
62 分 00 秒
72 分 30 秒
67 分 08 秒
68 分 30 秒
72 分 16 秒
60 分 34 秒
60 分 49 秒
68 分 27 秒
72 分 24 秒
50 分 50 秒
67 分 37 秒
16 分 25 秒
11 分 19 秒
6 分 20 秒
9 分 55 秒
72 分 00 秒
58 分 13 秒
56 分 02 秒
20 分 35 秒
25 分 28 秒
25 分 06 秒
45 分 27 秒
78 分 38 秒
72 分 43 秒
71 分 50 秒
85 分 50 秒
65 分 52 秒
71 分 33 秒
62 分 09 秒
73 分 21 秒
88 分 28 秒
41 分 02 秒
63 分 49 秒
22 分 39 秒
13 分 58 秒
9 分 39 秒
5 分 46 秒
5 分 32 秒
10 分 20 秒
10 分 31 秒
44 分 23 秒
第 129 号/ 2007.1
65
金沢医科大学報
金沢医科大学学術振興基金募金について
金沢医科大学学術振興基金募集趣意書
本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医を育成する
こと、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを建学の精神として掲
げて着実に歩み続けてまいりました。
大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆様充分に
ご承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くすとともに、基礎・
臨床医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と研究の推進に日夜努力いた
しております。
教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒業生が誕生
して以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。
研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など医療の先
端的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯医学・基礎医学・
共同研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台においても躍進を続けており、欧
米の一流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなどを通じて国際レベルの学術環境の整
備にも意を尽くしております。
診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教育のみな
らず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの医療サービスを提
供することにも十分な配慮をしてまいりました。
また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の医科大学
の中ではトップクラスの実績を持っております。
しかしながら、この様な積極的な教育、学術及び医療活動を維持継続していくためには巨額の資金が必要で、学納金、
国庫補助金、附属病院の医療収入などの収入だけでは健全な経営は不可能であり、教育、研究、診療活動を萎縮させる恐
れがあります。
このために、本学では文部科学省の許可を得て学術振興基金の募集を行っており、広く本学教職員、卒業生、学生の父
兄をはじめ、民間企業、篤志家の多くの皆様のご支援をお願い申し上げる次第であります。
日進月歩の医学の進歩に即応した最新の教育、研究及び診療環境を維持するにとどまらず、未来に向けてさらなる貢献
と飛躍を目指して、全学を挙げて努力いたし、社会的使命を果たし得たいと念願しております。
本趣旨にご理解、ご賛同を頂き、ご協力を賜りますれば誠に幸甚に存じます。
学校法人金沢医科大学 理事長 小田島 粛夫
募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。
1. 目 的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医
療の充実のため活用させていただきます。
2. 目標額: 10 億円
3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、
一般有志者並びに医学研究機関及び医療関係企
業・団体等
4. 学術振興基金へのご寄付は、「特定公益増進法人寄
付金(個人のご寄付)」及び「受配者指定寄付金(法
人のご寄付)
」による所得税、法人税の優遇措置を
受けることが出来ます。
5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業推
進室あてにご請求ください。折り返し、手続方法、
税務に関することなどについてご説明いたします。
TEL 076-286-2211 内線 2720 ∼ 2724
FAX 076-286-8214
金沢医科大学学術振興基金への寄付者ご芳名(過去 1 年間の分、敬称略)
湊 浩志(石川県)
新井 三郎(北海道)
小嶋昭次郎(岐阜県)
板垣 和夫(東京都)
花田 紘一(福岡県)
中島 哲夫(石川県)
丸文通商 ㈱(石川県)
池田 正(富山県)
織田 清(京都府)
佐々木真一(京都府)
岡田 温(京都府)
石坂 龍典(富山県)
石坂 裕子(富山県)
鈴木 比佐(大阪府)
大島 譲二(埼玉県)
辻 外幸(富山県)
鈴鹿 正剛(奈良県)
武藤 敏徳(東京都)
医療法人社団 沖野会(石川県)三治 秀哉(石川県)
小西 秀男(富山県)
小西 啓子(富山県)
高
貞就(新潟県)
糸田川誠也(徳島県)
医療法人社団 ほしの医院(新潟県)
牧 生夫(岡山県)
佐々本 博(兵庫県)
加藤 裕(愛知県)
大西 林吉(兵庫県)
大
一郎(京都府)
大山 充徳(群馬県)
太田 潤(大阪府)
松永 清美(山口県)
市川 義男(高知県)
澤田 光夫(石川県)
篠沢 隆雄(埼玉県)
㈲ 八田物産(石川県)
㈱ アクト(石川県)
水野 學(静岡県)
第 129 号/ 2007.1
66
金沢医科大学報
学報 129 号全目次
年頭挨拶
理事長 ………………………………………… 2
学 長 ………………………………………… 5
病院長 ………………………………………… 8
病院第 2 新館オープン ………………………………………12
■学事
平成 19 年度医学部特別推薦入学試験(AO 入試)・推薦
入学試験・編入学試験終わる ……………………………13
看護学部設置認可される……………………………………14
平成 19 年度看護学部一般入学試験要項 …………………14
新任教授紹介(北村) ………………………………………15
平成 17 年度優良教員表彰 …………………………………15
平成 18 年度解剖学実習 ご遺骨返還式 ……………………16
篤志献体の方々に文部科学大臣感謝状を伝達 …………16
第 38 回教育懇談会(北村) …………………………………17
□学生のページ
学生の表彰 課外活動等の功績を讃えて …………………18
なないろビーンズでのボランティア体験で感じたこと………19
□附属看護専門学校
第 8 回看護学生スポーツ交流会 ……………………………20
安田記念医学財団奨学生に選ばれて………………………20
■学術
第 2 回 KMU 研究推進セミナー ……………………………21
中島日出夫講師 北國がん基金研究助成を受ける ………22
第 40 回日本てんかん学会 …………………………………23
第 33 回日本胆道閉鎖症研究会 ……………………………23
JICA 中国低所得農民層の失明実態究明と対策のための
人材育成……………………………………………………24
大学院医学研究セミナー
(大隅、田中、山内、山崎) ……25
第 6 回産学官連携サミットに出席 …………………………27
産学連携セミナー 産学連携の概要と代表事例 …………27
平成 18 年度中部・近畿地区大学等知的財産連絡会議
に出席………………………………………………………28
第 22 回北陸 STC サロンに参加 ……………………………28
平成 18 年度石川県産業創出支援機構の「産学・産業間連携
新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」に採択 ……29
■病院
「病院機能評価」の訪問審査終わる ………………………30
血液センターの拡張−その歩みと今後の展望−…………31
病院新館 1 階に患者用図書コーナー設置 …………………32
診療費自動支払機、会計番号表示システム導入…………33
大型自動回転ドア病院本館入口に設置……………………33
リニア搬送システム増設……………………………………33
地域がん連携拠点病院指定内定……………………………34
「膠原病支援ネットワーク」発足 …………………………35
第 12 回地域医療懇談会 ……………………………………36
平成 18 年度石川県民大学校健康管理講座閉講 …………36
平成 18 年度第 2 回、第 3 回保険診療講習会 ………………37
日本私立医科大学協会第 57 回病院事務長会議総会 ……37
21 世紀集学的医療センター第 3 回集学的医療セミナー ……38
第 15 回病院クリニカルパス大会 …………………………38
臨床遺伝専門医制度研修施設に認定………………………39
平成 18 年度防災講習会・災害訓練 ………………………40
土曜ふれあいたいむ…………………………………………42
□研修医の頁
懇親会 初期・後期臨床研修を語る…………………………43
臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会) ……………43
■管理・運営
平成 18 年度本学職員永年勤続表彰 ………………………44
平成 18 年度医学教育等関係業務功労者
文部科学大臣表彰…………………………………………44
省エネルギー推進委員会発足………………………………45
訃報……………………………………………………………46
互助会:第 26 回文化祭 ……………………………………47
文化講演会:愛を見つけて…………………………………48
総合医学研究所年報 第 17 巻(2006 )発行 …………………48
■随想
20 年の勤続に思う(竹上ほか)……………………………49
■報告
国立台湾大学腫瘍内科を訪ねて(元雄) …………………56
■図書館
新着図書の紹介 ……………………………………………57
■資料
理事会…………………………………………………………58
規程の改正・制定・廃止………………………………………58
教授会 ………………………………………………………58
人事……………………………………………………………59
■同窓会・後援会
第 8 回金沢医科大学北斗会 懇親・懇談会…………………61
□ KMU net からのお知らせ:Video on Demand 視聴 ………62
■人物往来
Georg Kojda 博士 ……………………………………………17
□金沢医科大学学術振興基金 募金 ………………………65
表紙写真
金沢医科大学報 第 129 号
兼六園のろうばい
平成 19 年 1 月 15 日発行
中谷 渉
真冬のまだ花の気配が見られない梅林に、黄色の蝋
細工のような花をつける「素心蝋梅」が咲き、見る人
の心を和ませている。中国原産と聞くが、冬空にひと
り咲く可憐な花に「蝋梅」という名前は芸がなく気の
毒ではないか。唐梅(からうめ、とうばい)という名
もある。
発行者
金沢医科大学理事長 小田島 粛 夫
編 集
金沢医科大学概要・学報編集委員会
山下公一
米倉秀人
原 亮
鈴鹿有子
坂井輝夫
高田昌美
笠間孝一
丸谷 良
中川美枝子
蝋梅や枝疎なる時雨空 芥川龍之介
(あくたがわ・りゅうのすけ:1892 ∼ 1927、小説家。東京都出身。
俳号、我鬼。東京帝国大学文学部英文学科卒業。在学中の 1914
年に菊池寛らと同人誌『新思潮』
(第三次)を刊行。1915 年代表作
『羅生門』を『帝国文学』に発表、夏目漱石門下に入る。1916 年に
第四次『新思潮』を発刊、創刊号に掲載された『鼻』が漱石に絶賛
される。作品の多くは短編で、
『地獄変』など、
『宇治拾遺物語』な
どの古典から題材をとったものが多い。
『杜子春』など童話も書く。
のちに、芥川の業績を記念して芥川賞が設けられる。)
國府克己
元雄良治
相野田紀子
辻口徹子
木村晴夫
中谷 渉
森 茂樹
中嶋秀夫
平井圭一
佐久間勉
太田隆英
大石勝昭
小平俊行
野沢幸雄
松本順治
森 秀男
発行所
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