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学校マネジメント向上プロジェクト
学 校 運 営 改 善 事 例 集
-教員の子どもと向き合う時間の拡充と
指導準備時間等の確保を目指して-
静 岡 県 教 育 委 員 会
平成 22 年4月
はじめに
静岡県教育委員会は、県内公立学校の現況や理想の学校教育具現化委員会の提言等を踏
まえ、平成 21 年3月に「学校運営等の見直し、改善について」を通知しました。この通知
の趣旨は、学校運営の質的な面に考慮しつつ、業務量をスリム化して、教職員の児童生徒
と向き合う時間を確保し、また、教職員が意欲を持って業務に取り組める教育環境を整え
るなど、教育活動をより円滑に推進し、学校教育の一層の充実を図ることにあります。
学校週5日制の導入や県教育委員会からの通知を契機として、各学校においては、継続
して学校運営を見直していただいておりますが、
平成 22 年度からは教員を含めた全教職員
の勤務時間が7時間 45 分となったことや、新学習指導要領の実施に伴い小・中学校での授
業時数が増加することから、さらなる業務量のスリム化が求められています。
また、県内公立学校教職員の「精神疾患による特別休暇・休職者数」は、平成 15 年度
の 132 人から平成 20 年度は 212 人と、この6年間で 1.6 倍に増加しており、教職員のメン
タルヘルスの保持増進が求められています。
さらに、校務の情報化については、業務の効率化、教職員の児童生徒と向き合う時間の拡
充、教育活動の質の向上を図るため、教職員1人1台パソコンの整備が課題となっています。
このような中、県教育委員会は、平成 21 年度、学校マネジメント向上プロジェクトを立
ち上げ、
「学校業務の適正化」
「教職員のメンタルヘルスの増進」
「学校情報化の推進」の3
つの視点について、学校運営の改善を検討してまいりました。
「学校業務の適正化」
「教職
員のメンタルヘルスの増進」については、小・中・高・特別支援学校に研究モデル校とし
ての実践をお願いし、それぞれの学校の実態に応じた学校運営改善に取り組んでいただき
ました。また、
「学校情報化の推進」については、県立の協力校に学校間総合ネットワーク
の仕様の検討をお願いしました。
本実践事例集は、研究モデル校の実践事例や学校人事課が行った調査等で報告された事
例を紹介することで、学校運営の改善を促進するとともに、静岡県学校情報化推進事業の
内容を周知することをねらいとしています。
各学校においては、本事例集の内容を参考に、より一層の「学校運営の見直し、改善」
に取り組んでいただきたいと思います。
静岡県教育委員会教育長
安倍 徹
目
次
はじめに
1 学校マネジメント向上プロジェクトの構想について
…1
2 見直し、改善を進めるに当たって
…3
3 どの学校にも取組をお願いすること
…4
4 学校業務の適正化の取組
…5
(1)各種研究発表会について
…5
(2)校内研修について
…6
(3)校内各種会議・委員会について
…7
(4)校外の研究会、研修会等及び県内外視察への参加について
…8
(5)学校運営の焦点化について
…8
(6)重複業務の一元化について
…9
(7)事務処理の簡素化、教職員間での情報の共有化について
…9
(8)職種間での業務の再配分について
…10
(9)学校間での作業協力について
…10
(10)メリハリのある部活動運営について
…11
(11)他機関、他団体の作品募集等への対応について
…12
(12)その他
…12
5 教職員のメンタルヘルスの増進の取組
…13
(1)メンタルヘルス講習会の開催
…13
(2)教職員にワーク・ライフ・バランスを意識させる取組
…14
(3)人事評価制度の個人面談を活用した教職員のメンタルヘルスケア
…15
(4)構成的グループエンカウンターを活用した職場の人間関係づくり
…16
6 静岡県学校情報化推進事業基本計画(概要報告)
…17
7 研究モデル校・協力校一覧
…20
<参考資料>
学校運営等の見直し、改善について(通知)
…21
1 学校マネジメント向上プロジェクトの構想について
理想の学校教育具現化委員会の提言(平成 20 年 10 月)では、
「理想の学校の姿」として、
「日々の学習活動を通して、
『確かな学力』
が保証される学校」
をはじめとする8つを挙げ、
今後の静岡県の学校教育の目指すべき姿が示されました。(次ページ参照)
また、静岡県の学校教育の現状と課題を踏まえた上で、教員が自らの力量を向上させ、
指導の質を高め、充実させることが大切であり、そのためには、教員の子どもと向き合う
時間の拡充と指導準備時間等の確保が必要と、課題が提起されました。
さらに、それを達成する手法として、
「内発的改善」
「役割分担と応援団」
「検証と投資」
の3つが掲げられました。学校運営改善は、
「内発的改善」の 1 つであり、教育活動をより
円滑に推進し、学校教育の一層の充実を図ることを目的に行うものです。
現在、教職員の勤務が多忙化する中で、教職員が職務に対する意欲を持ち続けることが
難しくなりつつあります。学校教育の充実を図るためには、教職員が意欲を持ち、その持
てる力を十二分に発揮することが重要であり、何よりも、学校教育の核である授業に対し
て、教員が万全の姿勢で臨むことのできる環境を整えることが大切です。
平成 19 年度に行った「学校を取り巻く実態状況調査」では、本県の教職員の 83.2%
(小:87.1%、中:81.9%、高:77.4%、特別支援:82.7%)は、仕事にやりがいを感じてい
る半面、教材研究や授業の準備が十分にできていないと、教員の 39.7%(小:48.9%、
中:43.4%、高:20.0%、特別支援:29.0%)が答えています。
教員の仕事満足度を向上させるためには、児童生徒への指導とそのための準備の時間を
十分に確保し、教員が創意工夫した指導により児童生徒の成長を実感することが大切であ
り、それが「子ども・保護者の満足度の向上」に、ひいては理想の学校教育の実現につな
がると考えます。
学校マネジメント向上プロジェクトでは、理想の学校教育具現化委員会の提言の内容を
参考に、学校運営の改善を「学校業務の適正化」
「教職員のメンタルヘルスの増進」
「学校
情報化の推進」の3つの視点で進めることが大切であると考え、研究モデル校や協力校(20
ページ参照)に検討をお願いしました。
「学校業務の適正化」の取組については、
「学校運営等の見直し、改善」の通知を踏ま
え、県・市町教育委員会や学校に求められる取組の内容を整理しました。
「教職員のメンタ
ルヘルスの増進」の取組については、現在、県教育委員会が行っている事業を予防と職場
復帰・再発防止に整理するとともに、学校として想定される取組をまとめました。
「学校情
報化の推進」の取組については、
「学校業務の適正化」を進める上で必要となるICT環境
について、県・市町教育委員会に求められる整備内容をまとめました。
県・市町教育委員会と学校のそれぞれにおいて、このような改善を進めることで、教員
が子どもと向き合う時間の拡充と指導準備時間等の確保ができると考えました。
1
学校マネジメント向上プロジェクトの構想図
理想の学校の姿
●
●
●
●
●
●
●
●
日々の学習活動を通して、
「確かな学力」が保証される学校
安心してのびのびと過ごせる場としての学校
興味・関心が引き出され、活動に主体的に取り組める学校
分かりやすい授業が展開され、つまずきや試行錯誤が当然のこととして受け入れられる学校
すべての活動を通して、発達段階に応じた課題に挑戦し、乗り越えようとすることで、自らを高めることができる学校
子ども同士の好ましい人間関係、教員との信頼関係のもと、集団の一員として、子どもが自分の力を発揮できる学校
家庭や地域と連携をとり、自然体験や社会体験など、子どもに様々な活動の場を提供できる学校
子どもと共に、教員も自らの成長を実感できる学校
教職員の仕事満足度の向上
ES(Employee Satisfaction)
子ども・保護者の学校満足度の向上
CS(Customer Satisfaction)
CSとESを両立させる組織マネジメント
児童生徒に対する指導の質を高め、充実させるための環境整備
-教員の子どもと向き合う時間の拡充と指導準備時間等の確保-
教職員のメンタルヘルスの増進
学校業務の適正化
《県・市町教育委員会の取組》
1 会議・研修会、参加者の精選
(例):県と市町とで重複する研修会の調整
2 校長の裁量権の拡大
(例):承認→届出、報告→報告不要
3 指定研究の在り方の見直し
(例):発表会の廃止、報告書の簡素化
4 調査・照会の削減
(例):調査内容、項目の精査
対象の見直し 悉皆→抽出、毎年→隔年
5 首長部局・各団体からの参加要請の縮減
(例):市町教育委員会、学校を通した募集→公募
6 外部指導者活用の条件整備
(例):部活動外部指導者の予算化
7 公文書等の電子データ化の環境整備
《県・市町教育委員会の取組:予防》
1 「教職員のためのメンタルヘルス・ブック」配布、活用
2 メンタルヘルス研修会の開催
3 相談事業の開催
(1) 教職員健康相談(面接相談)
(2) 教職員健康相談 24(電話相談)
(3) メンタルヘルス相談(面接相談)
《学校の取組》
1 休憩時間の確保、定時退勤日の設定
2 各種会議や打合せの運営・内容の見直し
(例):ネットワークを活用した会議・打合せの縮減
3 評価活動の見直し
(例):効率的で信頼性の高い絶対評価法
4 指導計画・授業準備時間の確保
(例):計画・準備時間の勤務時間内の位置付け
5 学校行事の見直し
(例):行事運営の効率化
6 校内研修の運営の見直し
(例):授業参観回数の縮減
7 部活動指導の見直し
(例):中体連・高体連の約束の遵守、外部指導者の活用
8 事務共同化を基盤とした業務分担の見直し
(例):事務職員の管財業務の拡大
9 学校支援地域本部と連携した業務のアウトソーシング
(例):学校施設設備の管理業務の外部委託
10 文書・様式等の電子データ管理
11 研究発表会、報告書の簡素化
(例):発表会の廃止、研究内容・成果のHP公開
《学校の取組》
1 勤務時間の管理
(例):時間外業務の管理
2 メンタルヘルスの増進の取組
(例)
:休憩時間の確保
:教職員厚生事業の開催
3 教職員の業務負担の把握
(例)
:ストレスチェック
:精神疾患が心配される教職員に対する管理職の観察
4 業務負担の軽減
5 相談窓口の周知と啓発
6 精神疾患の職員への対応及びケア
《県・市町教育委員会の取組:職場復帰・再発防止》
1 精神疾患で休んでいる教員の職場復帰訓練
2 静岡県教職員健康審査会
3 精神疾患による長期特別休暇取得者等支援事業
・県教育委員会保健師による職場復帰に向けた支援
4 メンタルヘルス相談医の配置
・主治医とは別の精神科医の指導助言(困難事例)
学校情報化の推進
1 教職員1人 1 台パソコンの配備、ネットワーク整備
2 グループウェアシステム(個人メール、掲示板、文書の電
子化等)の導入による効率化の検証
3 標準的なシステムの設計
2
2 見直し、改善を進めるに当たって
平成 19 年度に行った「学校を取り巻く実態状況調査」によると、どの校種においても教
職員の多忙化が進行しています。多忙化の要因には、校種、学校を取り巻く環境、学校規
模、教職員の構成等によって違いがあるため、見直す視点や改善方策は異なってきます。
次の図は、研究モデル校において「放課後に教員が子どもと向き合う時間を拡充する」
ことを目標として、日課の見直しに取り組んだ過程を示したものです。
各学校において見直しを進める際にも、目的を明確にして、試行等の中から課題を洗い
出し、改善を進めることが大切です。
また、研究モデル校では、改善のために教職員の組織や業務遂行の仕組みを見直したこ
とに伴い、教職員がそれぞれの業務を行う際に、改善を意識するようになったことも大き
な成果です。学校運営改善に取り組むことにより、教職員の意識をよりよい学校づくりに
つなげるような管理職のリーダーシップの一層の発揮が期待されます。
さらに、学校運営の見直しは、年度替りだけに行うものではありません。課題によって
は、年度の途中であっても積極的に見直すことが大切です。
研究モデル校で行われた改善の進め方の事例
方策の検討
試行の実施
放課後に担任が子
どもと向き合う時
間を拡充する
○日課の変更
・休み時間の短縮
・帰りの会の持ち
方の変更
○成果と課題の検証
・子どもの視点
・教員の視点
・保護者の視点
3
改善の正式実施
目的の設定
3 どの学校にも取組をお願いすること
すべての校種において、次の2項目について取組をお願いします。
◎定時退勤日の設定
◎労働時間の適正な把握(勤務時間管理簿又はタイムカード等)と労働安全衛生管理
定時退勤日については、どの校種においても週 1 日の設定を目標にお願いします。全教
職員で同一日に設定することが理想的ですが、困難な場合には個別に設定する方法も考え
られます。
また、ワーク・ライフ・バランスの改善やメンタルヘルスの増進の観点から、教職員が
自宅等の学校外で業務を行わなくてもよい状況となることが理想です。そのためには、次
のような意識を教職員に育てることや個々の業務を見直すことが必要ではないでしょうか。
《教職員に育てたい意識等》
・限られた時間で仕事を終わらせるよう自らをマネジメントすること。
・学校外では、積極的にリフレッシュをしようとする意識を持つこと。
・定時に帰る人が気兼ねなく帰ることのできる校内の雰囲気を作ること。
労働時間の適正な把握については、
平成 13 年4月6日付け厚生労働省労働基準局長通知
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」に示され
ています。また、労働安全衛生法の改正(平成 18 年)により、
「長時間労働者への医師に
よる面接指導の実施」が義務付けられたことにより、それぞれの学校において、勤務時間
管理簿等により労働時間の把握を確実に実施することが必要です。
《通知に関する厚生労働省ホームページ》
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0406-6.html
4
4 学校業務の適正化の取組
次の(1)から(12)に示す《改善事例》は、研究モデル校等が実践した参考事例で
す。校種や地域によって違いはあるかと思いますが、見直しの参考にしながら、工夫し
て取り組んでください。
(1)各種研究発表会について
教員が授業を公開したり参観したりする研修は、指導力を向上させる上で有効な研修方
法です。しかし、研究発表会を開催するに当たっての過度な準備や資料作りは、日常の指
導に影響を与え、教員の時間外業務を増やしています。
県教育委員会では、平成 21 年度に県が行う研究指定校を、平成 20 年度の 24 校から4校
に精選しました。
研究発表会を開催する場合は、半日開催を基本とした運営の検討をお願いします。また、
発表会を行わず研究内容等をホームページで公開する方法も考えられます。
《研究発表会の日程例1》
13:00
13:20
受付
13:40
全体
集会
14:00
事前説明
移動
14:50 15:00
公開授業
移動
16:00
全体会
《研究発表会の日程例2:小中学校が指定校の場合》
13:10
小学校会場
受付
12:40
中学校会場
13:40
13:10
受付
14:25 14:40
公開授業
移動
16:00 16:30
全体会Ⅰ
全体会Ⅱ
14:00
小学校
公開授業
へ移動
《改善事例》
○全体会と分科会の在り方を見直し、分科会ごとに指導法や学びに関する具
体的な話し合いの時間を、十分に確保した。
○研究発表会の位置づけを「校内研修のまとめの会」から「公開授業研究会」
に変更したことにより、公開授業を中心に話し合いを持つことができた。
5
(2)校内研修について
授業公開を中心とした校内研修は、実際の授業をもとに研修できることから、指導力の
向上に有効です。ただし、校内研修への取組は、小・中・高・特別支援学校の校種によっ
て状況が大きく異なっています。校種によっては、授業公開前の指導案検討等に多くの時
間を費やしたり、公開授業時間に他の児童生徒が自習となったりする課題があります。そ
れらの課題を克服するために研究モデル校等では、以下のような改善事例に取り組んでい
ます。
《改善事例》
○公開授業は授業を行っていない教員のみが参観するようにして、他の児童生
徒が自習とならないようにした。
○指導案をあらかじめ配布し、机上提案とすることで、全体での事前研修会の
時間を縮減した。
○研究協議を工夫する方法(グループ協議、KJ法、付箋の活用等)を取り入れ
ることで、短時間に多くの教職員の意見をまとめることができた。
○「授業を見合う週間」を設けて、短時間でも教員同士が自由に参観できるよ
うにした。
研究モデル校におけるビデオ研修の事例
※直に授業を参観する研修との併用
◎ 研修の進め方
〈全体研修〉1 本のビデオを全教員で視聴する。
〈学年研修〉各学年部で 1 本ずつビデオを視聴する。
◎ ビデオ研修の視点
○生徒が学んでいた場面はどこか。
(具体的な場面や個人名)
○小グループの使い方は適切であったか。
○ビデオを視聴して自分が学んだこと。
○生徒に対して教師はどのような支援をしたか。
○実物教材等の使い方は適切であったか。 等
《成果》
○ビデオをもとに協議することで、教科に関係なく議論ができる。
○学年研修が同時展開できるので、研修日を効率よく設定できる。
《課題》
○ビデオに映された場面の検討に限られる。
6
(3)校内各種会議・委員会について
職員会議や教科部会、校内委員会は、教職員の共通理解を図り円滑な学校運営を進める
ために大切なものです。一方、会議は児童生徒と向き合う時間や大切な授業の準備時間を
縮めている側面もあります。
県教育委員会としては、いじめ対策委員会、特別支援教育校内委員会、学校保健委員会、
人権教育校内委員会の設置についてお願いしているところでありますが、
各種会議の目的、
定期開催の必要性、開催回数、参加者等について見直し、放課後の教職員の裁量時間を拡
充する必要があります。
《改善事例》
○職員会議と運営委員会(企画委員会)を隔月ごと開催することや複数の校内委員
会を1つの時間枠で順次開催するようにして、放課後の会議数を減らした。
例)生徒指導委員会・いじめ対策委員会、就学指導委員会・特別支援教育校内委員会
○会議資料を前日までに配布して、参加者は一読して参加するようにしたことで、
協議事項に時間がかけられるようになった。
○校内委員会の参加者を見直し、削減することで、他の教職員の放課後の執務時
間を拡大した。
○会議提案の資料は、原則としてA4判1枚とすることで、資料準備時間の短縮
と協議の焦点化ができた。
○校内LANを活用し、会議資料をペーパーレス化することで、会議資料の印刷
時間が削減できた。
研究モデル校における会議設定の事例
時間
月
全体打合せ
※授業のない時間を揃えた会議の設定
火
水
木
全体打合せ
金
学年打合せ
第1校時
第2校時
第3校時
企画・主任者会
就学指導委員会
第4校時
第5校時 生徒指導部会
総合的な学習
部会
研修部会
第6校時
《成果》
○放課後の会議時間を削減することができた。
《課題》
○関係する教職員の授業のない時間を揃えるため、時間割編成が制限される。
7
(4)校外の研究会、研修会等及び県内外視察への参加について
研究会や研修会への参加は、学校運営の改善や指導力の向上等につながる大切な出張で
すが、自校の教育活動との関連や重要性を確認した上での厳選が必要です。
また、小規模校においては、出張が重なることで児童生徒の指導に影響を与えるという
課題があります。
《改善事例》
○自校の研修や運営に直接生かせる研究会や研修会にのみ参加するようにした。
○研修会への参加報告は、資料の回覧や口頭での発表として、報告のための資料
作りの時間を削減した。
○校外の研究会には、助勤体制が組めなければ参加を取り止めた。
(5)学校運営の焦点化について
学校では、数多くの目標が設定されており、それらを見直し、機能させることで学校運
営に役立てることが大切です。
《改善事例》
○学校経営目標を見直し、項目を削減して、すべての教職員が共有化するとと
もに、学校評価に反映させた。
※研究モデル校の実践を 14 ページで紹介しています。
○重点目標を具体的かつ単年度で達成可能な内容として、一定期間毎に評価反
省を行い、課題に重点的に取り組むようにした。
○学年経営及び学年研修に関する進捗状況を、職員会議の場で確認し、共有す
るようにした。
8
(6)重複業務の一元化について
業務の効率化を図るためには、同じような資料を統一したり、誰が担当するのかを明確
にしたりすることが大切です。
《改善事例》
○複数の分掌にまたがっていた業務内容を再検討し、担当を明確化した。
○学級会計から学年会計への一本化を図った。
○学校訪問等に対応する際の資料は学校要覧等の既存の資料で賄い、新たな資料を
作成しないようにした。
(7)事務処理の簡素化、教職員間での情報の共有化について
県立学校については、平成 22 年度に機器の整備・導入を進め、教育情報データベース、
成績処理、グループウェア、人事給与の構成からなるシステムの運用を予定しています。
市町立の学校では、教員の校務用パソコンの整備率が 80%を超え、学校情報化が着実に進
められています。
文書等を電子データ化するメリットは、蓄積・共有化することで、新たな文書を作成す
る際の時間を短縮したり、清書等に費やす時間を削減したりすることにあります。
それぞれの学校において、学校情報化の環境に違いがありますが、事務処理の効率化の
視点で見直すことが大切です。
《改善事例》
○過去の文書等をサーバーに保管して、それを加除訂正することにより提案の
負担を軽減した。
○通知表を電子データ化することにより清書時間を削減した。
○出席簿を電子データ化して、集計作業時間を削減した。
○ネットワーク掲示板を利用した連絡に切り替え、打合せ時間を短縮した。
○学校が教職員や児童生徒を対象に行う調査の内容や項目を削減した。
○学年会計等の報告回数を削減して年1回とした。
○県内出張(日帰り)の復命を文書から口頭に変更した。
○保護者への連絡(学校・保健・生徒指導・給食だより)を集約して発行した。
9
(8)職種間での業務の再配分について
平成 19 年度に行った「学校を取り巻く実態状況調査」から、どの校種においても副校長・
教頭の勤務時間が長いことや、それぞれの職種において勤務時間に大きな個人差があるこ
とが分かりました。
過度な負担がかかっている教職員の業務分担を見直し、他の教職員へ仕事を配分するこ
とが必要です。また、業務の実施時期について移動できるものがないか検討することも大
切です。
《改善事例》
○文書発送業務の担当者を置き、効率化した。
○地域ボランティアとの渉外業務を行う担当を一元化して、効率化した。
○教員が行う会計業務に対して事務職員が支援を行った。
○学校評価等の項目を簡素化して、集計業務を分担して行うようにした。
(9)学校間での作業協力について
年間指導計画(学年・教科)や評価規準等、各学校には公簿以外にも作成を求められるも
のがいくつかあります。これらを効率的に作成するために、基本部分をいくつかの学校で
分担して作成し、その後に各学校の特徴を反映させて完成させる方法があります。
その他の業務においても、連携・分担することで指導の充実や業務負担の軽減を図るこ
とが必要です。
《改善事例》
○年間指導計画を市内の学校間で分担して作成した。
○学校事務共同化による備品の一括購入を進めた。
○隣接の学校間での備品の共有化を進めた。
○研修会のための報告書等を近隣校の参加者で共同作成するようにした。
○近隣校での授業交流や研修交流を推進した。
○外国語活動(小学校)の授業づくりに中学校英語科教員の支援を受けた。
○近隣の学校間で技能員等が共同で作業できる体制を整えた。
10
(10)メリハリのある部活動運営について
生徒が部活動を通して学ぶものは多く、教育活動として大変意義があります。一方、中
学校・高校においては、部活動指導が教員の時間外業務の主な要因となっています。
部活動を取り巻く環境は、生徒数の減少を背景に様々な課題を抱えており、県教育委員
会では、
「しずおか型部活動検討委員会」を組織し、平成 23 年度中に部活動のあるべき姿
をまとめる予定です。
検討委員会の結論まではしばらく時間がかかりますが、学校としてできる見直し、改善
を進める必要があります。
《改善事例》
○平日に活動なしの日を設定した。
○週休日のどちらか1日は活動なし又は練習時間の制限をした。
○活動計画書を作成して、計画に沿った活動を行うようにした。
○中体連・高体連の申し合わせ事項を確実に守るようにした。
○定期テスト前の活動停止日数を拡大した。
○活動終了後の下校時刻を定め、確実に守るようにした。
○2人顧問体制を推進して、週休日の時間外業務を分散させた。
○外部指導者を積極的に活用するようにした。
研究モデル校における部活動の終了時刻の明示例(中学校)
月
終了
下校
月
9月
終了
下校
月
終了
下校
4月
17:45 ~ 18:00
17:30 ~ 17:45 1月
16:45 ~ 17:00
5月
18:00 ~ 18:15 10月前 17:15 ~ 17:30 2月
17:00 ~ 17:15
6月
18:00 ~ 18:15 10月後 16:45 ~ 17:00 3月
17:15 ~ 17:30
7月
18:00 ~ 18:15
11月
16:30 ~ 16:45
8月
別計画
12月
16:30 ~ 16:45
《成果》
○終了時刻を決めることで、教職員が連携して下校指導をすることができる。
《課題》
○生徒が下校した後に、採点やノート点検等の業務が残っている。
11
(11)他機関、他団体の作品募集等への対応について
児童生徒や教職員の負担が過重にならないように十分検討する必要があります。
《改善事例》
○作品募集では、教育委員会後援のないものは、自由応募とした。
○ポスター等の応募は美術部で対応するようにした。
○応募する対象を必要最低限に絞り込むようにした。
○募集内容を保護者に伝え、自由応募とした。
○他団体が休日に主催する行事は、保護者に引率を依頼した。
○外部から依頼されている活動を見直し、廃止とした。
(12)その他
その他、工夫をした取組について紹介します。
《改善事例》
○勤務時間の短縮を見据え、朝活動を見直した。8時から朝の会を始め児童生
徒の下校時刻を早めるなど、日課を工夫することで、教職員の放課後の執務
時間を確保した。
○保護者の理解を得て、宿題等の提出物の確認方法を簡素化することを進め、
放課後等に行う作業時間を削減した。
○「教材研究の日」を週に 1 回位置付け、時間を確保することで、教材研究を
充実させることができた。
○学校支援地域本部(地域コーディネーター)の活用により、授業ボランティア
の確保等、今まで教職員が行っていた業務が削減された。
○地域の教育振興協会(退職教員の会)による児童生徒の学習や学校行事の支援
を受けることで、教職員の負担が軽減された。
12
5 教職員のメンタルヘルスの増進の取組
次の(1)から(4)に示す取組は、研究モデル校が実践した参考事例です。教職員
のメンタルヘルスの増進について、積極的な取組をお願いします。
(1)メンタルヘルス講習会の開催
公立学校共済組合静岡支部では、職場での健康づくりを支援するため、各学校が開催
する健康づくりに関する講習会等に対し、講師派遣又は費用助成を行っています。
研究モデル校では、この制度を積極的に利用してメンタルヘルス講習会を年2回開催
しました。
モデル校のメンタルヘルス講習会の内容
○講習会1の内容:メンタルヘルスケアについて
自分でできる「セルフケア」を中心に、ストレッチングやツボ押し療法、
認知変容法や自律訓練法など数々のストレス解消法を学んだ。
○講習会2の内容:ヨーガを取り入れた運動
呼吸法・動きを取り入れて、心と身体の緊張を解きほぐす体験をした。
《職員の反応》
○日常生活の中に生かせるストレス解消法を、楽しみながら身に付けること
ができた。
《課題》
○効果的な開催時期を検討する必要がある。
平成 21 年度に、職場での健康づくり支援事業を利用して、ストレス・メンタルヘル
スに関連する講習会等を行った学校は、小学校5校、中学校3校、高等学校3校、特別
支援学校5校です。また、ストレス解消につながる運動関連の講習会等を行った学校は、
小学校 20 校、中学校6校、高等学校 27 校、特別支援学校2校です。
研究モデル校が行ったメンタルヘルス講習会は、教職員の満足度が非常に高いもので
した。教職員の「セルフケア」の力を高めたり、体を動かすことでリラックスした時間
を共有したりするメンタルヘルス増進の取組を、各学校で積極的に進めることが大切で
す。
《職場の健康づくり支援事業の問い合わせ先》
〒420-8601 静岡市葵区追手町 9-6
公立学校共済組合静岡支部(福利課健康管理担当)
電話:054-221-3181
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(2)教職員にワーク・ライフ・バランスを意識させる取組
長時間労働は、学校現場に限ったものでなく日本社会全体の問題となっており、その
弊害を解消するために、ワーク・ライフ・バランスが提唱されるようになりました。そ
のためには、時間を意識した効率的な働き方が大切になります。
研究モデル校では、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けて取組を進めました。
モデル校における管理職の取組
○教職員の意識改革
教職員の中に、
「早く帰ることは仕事への意欲が足りないことの表れ」
という意識があり、それを変えることに取り組んだ。校長として「自分の
やるべきことをきちんとやる。終われば、堂々と帰る。
」ということを教
職員に示した。
○学校運営の焦点化
教職員が行う仕事に対して、スピードと重点化を意識するよう呼び掛け
た。スピードは限られた時間の中で仕事を終わらせることであり、重点化
は優先順位を考え内容により軽重をつけて仕事をすることである。
仕事の優先順位を考えるための基準として、3つの柱をグランドデザイ
ン(教育経営構想図)に明示し、教職員が常に意識できるようにした。
[3つの柱] ○学習指導の充実
○基本的生活習慣の定着
○正しい判断力・実践力の向上
また、この柱に沿って検証を行い、ねらいとする効果が表れているかど
うかについても意識させた。
《職員の反応》
○定時退勤日が定着するとともに、そのほかの日も教職員に早く帰ろうと
いう意識が生まれてきた。
《課題》
○教頭、主幹教諭、教務主任の負担軽減が難しい。
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(3)人事評価制度の個人面談を活用した教職員のメンタルヘルスケア
教職員のメンタルヘルスの状況は、業務遂行に大きな影響を与えます。そこで、研究
モデル校では、人事評価制度の中で年間3回計画をされている個人面談を活用して、
個々の教職員の負担感や悩みについての把握を行い、管理職としての声掛けや学校運営
に生かしました。
人事評価の流れとメンタルヘルスケアの取組
自己評価シート
年
度
当
初
・学校経営目標、グループ目標
・自己評価設定
※自己PR(任意)
職務評価書
・個人データ
年度当初面談(4~6月):全員
年
度
途
中
・進捗状況、修正
仕事や職場、負担感
についての意識調査
教職員個々の仕事に
対する意識や負担感
を考慮した面接
年度中途面談(随時):必要に応じて
教職員の意見に
年
度
末
・自己評価・評価者評価
※学校運営に関する提言(任意)
・自己評価
対する早い対応
・評価者評価
・職務に関連する優れた行動
年度末面談(1~3月):全員
《職員の反応》
○学校運営に対して、積極的な改善提案がされるようになったことから、教職
員の負担感の軽減が図られたと推察できる。
《課題》
○全員と面談するため、時間が限られてしまう。
また、研究モデル校では、学校運営に対して教職員の意見を聞くようにし、出された意
見に対して素早く対応することで、
教職員の仕事に対する意欲を高めることができました。
職場環境の改善や学校運営への参画意識を高めることは、教職員のメンタルヘルスにとっ
て大切なことです。
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(4)構成的グループエンカウンターを活用した職場の人間関係づくり
教職員が忙しくなる中で、悩みを先輩に相談したり、気楽に指導について話し合った
りする時間が持てなくなりつつあります。同僚同士で、話を聞き合える人間関係や職場
の雰囲気は、ストレスの軽減に大きな影響を与えます。
研究モデル校では、
児童生徒の人間関係づくりに取り入れられるようになってきた
「構
成的グループエンカウンター」を教職員にも取り入れました。
モデル校の構成的グループエンカウンターのエクササイズの取組
8月、10 月、11 月の年3回開催
講師:自校職員(上級指導者の資格有)
《エクササイズの一例》
「私は、私が好きです。なぜならば…」
1 日ごろあまり交流のない4~6人の小グループを作る。
2 順番に、
「私は、私が好きです。なぜならば…」に続けて自分の良い面を発表
する。
(言えないで間が空いても必ず待つ。思いつかないときは、欠点の逆を言う。
)
3 グループで感想を述べ合い、シェアリングをする。
※ エクササイズへの参加は、無理強いをせず見学も認めた。
《職員の反応》
○人を肯定的に見合うことや教職員の気持ちが楽になる効果が見られ、好評であ
った。
《課題》
○専門性を有するエクササイズの講師を確保するのが難しい。
○効果的な開催時期を検討する必要がある。
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6 静岡県学校情報化推進事業基本計画(概要報告)
(1)事業目的
教員の授業準備時間や生徒への指導時間を確保し、授業の質の向上や生徒に対する指
導の充実など教育の質の向上を図るため、県立学校の教職員に1人1台のパソコンを整
備し、教育総合ネットワークシステムの構築等の環境整備を行う。
(2)事業内容
ア ネットワークシステムの概要
(ア) 校務用コンピュータ
・すべての県立学校に校務用コンピュータ約 8,000 台を配備する。校長、副校長、
教頭、教諭、養護教諭、実習助手、定数内講師、行政職員等が対象である。
・形状はノート型とし、セキュリティ対策としてハードディスクの暗号化を行い、
盗難時の情報漏洩を防止する。
・視覚等の障害を持つ教職員には、必要なソフトウェアや周辺機器を導入する。
(イ) ネットワークの方式
原則として民間のデータセンターに各種サーバを集中し、システムの一元的な管
理を行う。なお、学校の回線状況等により、センター方式と学校サーバ方式を併用
する。
(ウ) プリンタ
原則としてレーザープリンタを各校に数台導入する予定である。
(エ) 成績処理システム
すべての県立学校に原則として同一のパッケージソフトウェアを導入する。なお、
全日制、定時制、単位制、総合学科等の校種に応じた必要な機能を有するものを導
入する予定である。
区 分
主な機能
学籍管理
生徒個人情報管理、生徒異動簿
受講管理
時間割管理、受講登録、受講指導表
出欠管理
科目・生徒別出欠、日単位出欠、出欠入力チェック
成績管理
考査成績、評点登録、成績入力チェック、単位認定
保健管理
健康診断、保健室利用状況、身体・運動能力測定
進路指導
進路希望、カウンセリングシート、進学・就職結果、調査書
帳票作成
指導要録、調査書、成績通知書、各種証明書等、各種統計帳票
(オ) 文書作成、表計算等
ワープロ、表計算、プレゼンテーション機能を持つソフトウェアを導入する予定
である。
(カ) グループウェア
すべての校務用コンピュータに文書共有や電子メール、教育情報データベース、
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人事給与・旅費等が利用できるグループウェアを導入する。また、災害時等での事
業継続や、小・中学校、市立高校等での教育情報データベース利用を図るため、セ
キュリティが確保されたインターネット経由での一部機能が利用可能となる見込
みである。
(別紙「グループウェア提供予定機能一覧」参照)
(キ) 校内 LAN 工事
執務室でのパソコンの利用を可能とするため、各机に LAN ケーブルと電源を敷設
する。また、成績処理や文書共有等のシステム化・セキュリティ向上のため、校内
LAN を仮想的に教職員用と生徒用に分離する。なお、有線の LAN 配線が困難である
と判断される場合は、セキュリティ対策を施した上で無線 LAN の導入を検討する。
イ その他
(ア) インターネット利用及びセキュリティ
データセンター経由でインターネットに接続し、生徒用と教職員用で階層的なフ
ィルタリングを実施する。
(イ) S-net(静岡県学校間情報ネットワークシステム)既存機能
現在 S-net が提供する学校ホームページや電子メール、避難者情報ソフトウェア
等について同等の機能を提供する予定である。
(ウ) 運用支援体制
既設の校内 LAN ヘルプデスクを統合一元化し、ネットワークやパソコン等の障害
対応のヘルプデスクを新設する。また、ネットワーク機器の無償交換対応機器への
更新等により学校の負担軽減を図る。
(エ) 研修
システム導入に併せて、各校に操作研修を実施するほか、教務担当者等を対象に
成績処理について集合研修を実施する予定である。また、新任管理職研修や新規採
用者研修において ICT 関連の研修を組み込むことを検討する。
(オ) 既存パソコンの活用
1人1台パソコンの導入により、
校務に利用している既存パソコンは、
進路指導、
視聴覚授業、特別教室、課外活動等の教育用(特別活動等)として活用する。
(3)今後のスケジュール
内 容
H21
H22
H23
基本計画策定、
工事設計・LAN 工事
入札
策定・設計
設計・工事
校務用パソコン配備
入札
成績管理ソフト
導入
運用開始
段階的に運用開始
教育情報 DB
入札
文書共有、人事給与
導入
導入
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(別紙)
グループウェア提供予定機能一覧
一般
保護者
小中
市高
人 事
給 与
旅 費
主な機能
校外
情 報
共 有
名 称
利用者・場所等
校内
区 分
導入
時期
教育情報
全体で教材や指導案等を共有
C
○ ○ ○ ○ - -
文書共有
校内での文書共有
A
○ - - - - -
外部アクセス文書
インターネット経由で作業する場
C
○ ○ - - - -
県立学校常用資料
全体で共有すべき情報
A
○ - - - - -
県立学校掲示板
校内での情報伝達に使う掲示板
A
○ - - - - -
電子会議
校長会や各種研究会の意見交換等
B
○ - ○ - - -
避難者情報
災害時の学校避難者リスト
C
○ ○ ○ ○ △ △
総務事務の手引き
事例に応じた各種手続きの支援
B
○ - - - - -
給与支給明細書
源泉徴収票等の電子提供
給与支給明細書の電子受領
受領印のボタン化
B
○ ○ - - - -
休暇申請
年休や特別休暇、職専免申請決裁
D
○ - - - - -
時間外
時間外の命令、集計、給与データ化
B
○ - - - - -
日額等特殊勤務手当
特勤実績管理、集計、給与データ化
B
○ - - - - -
出勤簿
時間外勤務登録、出勤簿出力等
B
○ - - - - -
出張伺・復命
出張命令、予定共有、復命書作成
B
○ - - - - -
予 約
管 理
会議室予約
校内の会議室予約
A
○ - - - - -
備品貸出
校内の備品予約
A
○ - - - - -
H P
学校 HP 管理
学校ホームページ作成、公開
B
○ △ △ △ △ △
学校メール
学校代表アドレス、公文書送受信等
A
○ - - - - -
個人メール
個人単位のアドレス
A
○ - - - - -
アドレス帳
個人のアドレス帳
A
○ - - - - -
SDO コンテンツの参照
A
○ - - - - -
ヘルプデスク申請管理
ヘルプデスクへの依頼事項
A
○ - - - - -
パソコン Q&A
パソコンで困ったときの相談場所
A
○ - - - - -
メール
要領・要綱
参 照
資 料
教職員録
教委人事異動
教委掲示板
文書事務の手引き
ユーザ
支 援
・機能提供時期
A システム導入初期(学校端末展開時)
B システム導入完了時(学校端末展開完了時)
C S-net 機能切り替え時期(リース終了時期)
D 休暇申請導入(検討中)
・利用者・利用場所等
○:利用可能
△:一部機能が利用可能
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7 研究モデル校・協力校一覧
富士市立富士第一小学校
学校業務の適正化研究モデル校
富士市立吉原第一中学校
県立袋井高等学校
県立浜松特別支援学校
焼津市立豊田小学校
教職員のメンタルヘルスの増進
研究モデル校
焼津市立豊田中学校
県立藤枝西高等学校
県立西部特別支援学校
県立大井川高等学校
学校情報化の推進協力校
県立島田商業高等学校
県立磐田南高等学校
県立沼津特別支援学校
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〈参考資料〉
写
※これは平成 21 年3月 19 日付で
各学校に通知されたものです
学校運営等の見直し、改善について
静岡県教育委員会教育長
1 趣旨
学校運営等の見直し、改善を行うことにより、質的な面に考慮しつつ、業務量をスリ
ム化して、教職員の児童生徒と向き合う時間を確保し、また、教職員が意欲を持って業
務に取り組める教育環境を整えるなど、教育活動をより円滑に推進し、学校教育の一層
の充実を図る。
2 基本方針
県・市町(学校組合)教育委員会は自らが業務を見直し、改善に取り組む。
また、学校においては校長のリーダーシップにより、全教職員の参画の下、教育活動
にかかわるすべての業務を見直す。
なお、見直しに当たっては次の項目を基本に据え、必要のない業務は廃止し、また、
業務の焦点化を図るなど、積極的に見直しを行い、改善に取り組む。
(1) すべての業務の効果、必要性などについて見直しを行い、業務の質と量、優先順位
等を考慮して統合、縮小、廃止等を行う。
(2) 教育委員会、学校、教職員が、それぞれの業務の見直しを行い、改善を積極的に行
う。
(3) 処務規程等に基づく的確な処理を目指すとともに、事務処理のマニュアル化、電算
化等により合理化、能率化、簡素化を図る。
3 具体的方策
(1) 県教育委員会及び市町(学校組合)教育委員会における見直し、改善
ア 県及び市町教育委員会が共通して行う見直し、改善
(ア) 主催事業の厳選や会議・会合、参加人員の見直しなどを行い、学校の負担を軽
減する。特に、各学校一人の参加を義務付けている各種研修会、講習会等の事業
については、その必要性も含めて重点的に見直すとともに、教職員が専門職とし
ての資質の向上を図る上で必要な研修については、質的な充実に努める。
(イ) 学校管理規則等について、教育委員会の判断により処理する事務と学校の判断
により処理する事務との区分について見直しを行い、学校の裁量を拡大する方向
で規則等の改正を行う。
(ウ) 校務分掌組織、業務処理手順等、運営全般について見直しを行うとともに、コ
ンピュータによる情報管理、
情報活用により効果的な学校運営の実現を支援する。
(エ) 各教育委員会の主催事業のうち、県教育委員会及び市町教育委員会で重複する
事業(調査、研修等)については、教育委員会間で調整を行い、学校の負担を軽減
する。
(オ) 県及び市町教育委員の指定研究は、必要最小限にとどめるとともに、発表会の
持ち方や研究報告書の簡素化について指導する。
(カ) 研修会や会議・会合等への参加に伴う事前及び事後のレポートは、原則として
21
取りやめることとし、提出を求める場合は、必要最小限にとどめる。
(キ) 各種の提出書類を見直し、様式の統一を進め、提出範囲、記載事項等を必要最
小限にとどめる。
(ク) 管理主事、指導主事等の学校訪問の際、学校に求める学習指導案等の提出は必
要最小限とする。
(ケ) 事務処理の簡略化が規則等で認められている事項については、処理を簡略化す
るなど、効率化を図るとともに、学校への指導を行う。
(コ) 国、首長部局、教育研究団体、教育関係団体等が行う研究指定、調査研究、研
修、作品募集等の事業や行事への参加要請については、学校の負担を軽減する方
向で主催者と調整する。
a 知事部局・市町長部局への依頼事項
(a) 児童生徒及び教職員を対象とする各種の会議・会合、諸行事、コンクール
の募集及びその表彰式等については、極力削減し、授業に影響を及ぼさない
よう配慮するとともに、学校を通しての募集は極力行わないようにして、教
職員、児童生徒の負担を軽減する。
また、研究指定、調査依頼や資料作成委員等の委嘱についても、極力見直
しを行い、学校の負担を軽減する。特に各種の委員については、教職員を退
職した方に依頼するなどし、教職員への委嘱は最小限とする。
(b) やむを得ず、各種の会合、諸行事、コンクールの募集とその表彰式等を開
催する場合や研究指定、調査依頼、資料作成委員等の委嘱をする場合は、次
の点に配慮する。
・事前協議
県又は市町教育委員会と事前に協議する。
・授業への影響
会議・会合等の開催は、可能な限り授業終了後(15 時以降)とする。
・平日開催
児童生徒や教職員のゆとりの時間を確保するため、土曜日、日曜日及び
休日の会議・会合は行わない。
・拘束時間、旅費
全県から児童生徒や教職員の出席を求める場合は、
特別の場合を除いて、
東部・中部・西部の 3 地区で開催するなど、出席に要する時間の短縮を図
る。
なお、旅費や交通費については主催者負担とする。
・表彰場所
児童生徒に対するコンクールなどの表彰は、主催者が学校に出向いて行
うか、校長に伝達を依頼するなど、できるだけ学校内で実施する。
b 教育研究団体、教育関係団体への依頼事項
(a) 組織
教職員がかかわる各種団体の組織については、情報化の進展をはじめとす
る社会状況の急激な変化や教職員数の減少などを踏まえ、校種、地域の実情
を十分把握の上、整理統合を検討する。
22
(b) 総会、研究大会、研修部会等
・会議・会合の整理・統合等
研究会や役員会及び研究部会等の諸会合を整理統合するとともに、資料
配布での会合の省略、電話やファクシミリの活用等により回数を削減する
など、より一層の厳選を図る。
・隔年開催等
研究大会があることにより、日常活動が発表のための研究になっている
側面もあるので、隔年開催にするなどの工夫改善を行うとともに、日常活
動の在り方を見直すことにより簡素化を図る。
・視察研修
慣例や前年踏襲で行われている研修視察は、目的、内容等を再検討し、
廃止する方向で見直す。
(c) 各種大会等
児童生徒を対象とする各種大会等については、主催者が中心となって極力
削減する方向で検討を行い、児童生徒及び教職員の負担の軽減をする。
特に、慣例で行われている親睦、交流を目的としている大会については、
その必要性を再検討する。
(d) 学校への依頼事項の厳選
・教職員への依頼
役員の委嘱、
調査依頼、
副読本等の資料作成委員の委嘱などについては、
極力見直しを行い、教職員を退職した方に依頼するなどし、教職員の負担
を軽減する。
・配布・取りまとめ等の依頼
児童生徒へのチラシの配布、注文の取りまとめ等については、極力学校
に負担をかけないように留意する。
・取りまとめの依頼
大学の同窓会等の私的な事項については、学校に取りまとめを依頼しな
いで、それぞれの組織で対応する。
イ 県教育委員会が行う見直し、改善
(ア) 手持資料等を利用した事務処理に努め、市町、学校への調査、照会は必要最小
限にとどめる。
(イ) 学校経営書、学校要覧の在り方を検討し、掲載内容を必要最小限にとどめ、ペ
ージを削減する方向で指導する。
ウ 市町教育委員会が行う見直し、改善
(ア) 学校開放、家庭教育学級等の社会教育事業における教職員の役割を明確にし、
過度の負担とならないように配慮する。
(イ) 就学時健康診断などの業務について、学校の果たすべき役割を明確にし、学校
の負担を軽減する方向で検討する。
(2) 学校における見直し、改善
ア 校内・校外の諸会合の厳選
(ア) 各種研究発表会
23
教職員の負担が過重になること、児童生徒と向き合う時間が確保できないこと
がないように、研究発表会の持ち方や研究報告書の簡素化などに努める。
(イ) 校内研修
校内研修計画を立案するに当たって、実施回数、時間、作成資料等の見直しを
行い、自習等は必要最小限にとどめるなど、教職員の児童生徒と向き合う時間の
確保に努める。
(ウ) 校内各種会議・各種委員会
職員会議、学年会、職員打ち合わせ等の各種会議、各種委員会等については、
会議目的を明確にし、会議内容の重複を避けるとともに、あいさつの省略、資料
の事前配布並びに予定黒板、印刷物を利用した伝達などにより、会議回数、会議
時間の削減に努める。
また、会議への出席者についても見直しを行い、必要最小限にとどめる。
(エ) 校外の研究会、研修会等への参加及び県内外視察への参加
学校運営、教育活動との関連を考慮する中で、参加する範囲、参加人員の厳選
を行うとともに、同一地区内の学校等で行われる研究会への儀礼的な参加は原則
として廃止する。
また、県内外視察などについては、その必要性、緊急性等を再確認し極力見直
し、他の要件を含めて出張の厳選を行う。
イ 業務の廃止、簡素化
(ア) 学校運営の焦点化
学校経営目標、学校経営方針等を見直し、学校運営の焦点化を図る。
(イ) 重複業務の一元化
同様の資料を複数の担当が作成するなど、作業の重複について検討し、重複が
ある場合には、事務処理の一元化を図る。
(ウ) 事務処理の簡素化
学校内のすべての業務を対象として、処理の簡素化についての検討を行う。規
則等で認められているものについては、規則等の範囲内でこれを活用し、事務処
理の簡素化を図る。
(エ) 教職員間での情報の共有化
職員会議の提案文書、行事等の実施要項、提出文書様式等を電子データで共同
サーバー等において管理し、教職員が活用できるようにするなど、事務処理の効
率化に努める。
(オ) 職種間での業務の再配分
校長、准校長、副校長、教頭、主幹教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、事務職
員、栄養職員、給食員、用務員等の役割分担を明確にし、職種間で業務の再配分
を行うことにより、事務処理の効率化を図る。
なお、再配分に当たっては、特定の職種に過重な負担がかからないように配慮
する。具体的には、業務量調査において自校の主たる従事者が県、地区の主たる
従事者と異なっている業務については、校内での役割分担について調整する。
(カ) 学校間での作業協力
各学校でそれぞれ作成している各種資料のうち、複数の学校が協力して作成す
24
ることにより効率化が期待できるものについては、
共同作成する方向で検討する。
ウ メリハリのある部活動運営
(ア) 活動時間
部活動指導・運営においては、生徒の健康や成長、教職員の健康や教材研究の
時間などを踏まえた上で、活動内容、活動日数、活動時間等を設定し効率よく活
動すること。
なお、その際に各地域や団体等の申し合わせ事項を遵守し、休日等に部活動の
休止日を設定する。
(イ) 外部人材
地域の人材等外部指導者による指導を積極的に活用するなど、指導の充実を図
る。
(ウ) 指導及び活動の充実
地域や学校規模の事情等により、単独では部活動運営が困難な場合は、複数校
が集まった合同部活動を行うなどして、指導や活動の充実を図る。
エ 他機関、他団体に関するもの
(ア) 各種コンクール等
作文、標語、ポスター等の応募、各種コンクールへの参加等については、その
教育的意義を十分検討するとともに、日常の学習の成果とかかわらせるなど児童
生徒への負担が過重にならないように厳選に努める。
(イ) 行事・大会等への参加
他機関、他団体等が主催する行事や各種大会等への参加要請については、児童
生徒を中心に据えた教育的見地から検討し、極力厳選を図るとともに、参加する
場合についても、児童生徒や教職員の負担とならないよう十分配慮する。
(ウ) 研究・調査、資料作成委員の委嘱
他機関、他団体から研究指定、調査依頼、副読本等の資料作成委員の委嘱など
については、学校や地域の実態を踏まえ、教職員や児童生徒の負担が過重になら
ないよう十分検討し、各学校で主体的に対応する。
オ その他
上記アからエ以外の内容に加え、
各学校において定時退勤日を設定するなどして、
勤務時間外の業務縮減に努めること。
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