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ITU-T SG15 第2回会合報告 - ITU-AJ

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ITU-T SG15 第2回会合報告 - ITU-AJ
ITU-T SG15
第2回会合報告
NTT ネットワークサービスシステム研究所
NTT アドバンステクノロジ株式会社 ネットワークテクノロジセンタ
むらかみ
まこと
村上
誠
こんどう
よしひろ
近藤 芳展
さかもと
NTT アクセスサービスシステム研究所
1.はじめに
たい じ
坂本 泰志
2.全体会合の概要
2013-16年会期のITU-T SG15第2回会合は、2014年3月24
参加者数は301名で前回と比較して減少したが、参加国数
日から4月4日の日程で、ジュネーブITU本部で開催された。
は56か国に増加した。日本からの参加者数は38名で中国、
SG15はアクセスからコア網までの光及びメタリック系インフ
米国に次いで3番目である。総寄書数は323件、日本からの
ラ伝送技術全般の課題を扱うStudy Groupであり、光及び
提出寄書数は27件で、共に前回より減少した。関連するTD
メタルアクセス網及びホーム網技術(WP1)
、光伝送網技術
(Temporary Document)は436件であった。
(WP2)
、光伝送網アーキテクチャ(WP3)という三つのワー
今会合では、6件のAAP承認、2件のTAP承認、19件の勧
キングパーティ(WP)体制で標準化検討を行っている。表
告文書案の合意(コンセント)が決定された。IETFとの間
1にSG15を構成する課題名とラポータを示す。
で議論が紛糾していたMPLS-TP標準化に関しては、線形プ
ロテクション勧告G.8131が全会一致で合意され、一応の決
着を得たと言える。
また、G.hnに関わるC&I(Conformance and Interoper-
表1.各課題名とラポータ
課題
Q.1
Q.2
Q.4
Q.15
Q.18
Q.5
Q.6
Q.7
Q.8
Q.16
Q.17
課題名
ラポータ
WP1:アクセス網、ホーム網、スマートグリッドにおける伝送
(議長:Tom Starr、米 AT&T)
(副議長:Hubert Mariotte、仏 Orange)
正)J-M Fromenteau、米 Corning
アクセス網標準化の調整
副)横谷 哲也氏、日 三菱電機
正)FEffenberger、中 Huawei
アクセス網における光システム
副)可児 淳一氏、日 NTT
正)Frank Van Der Putten、ベルギー Alcatel-Lucent
副)Les Brown、中 Huawei
メタリック線によるブロードバンド向けアクセス伝送装置
副)Miguel Peeters、米 Broadcom
副)Massimo Sorbara、米 Ikanos
正)Stefano Galli、米 ASSIA
スマートグリッド向け通信
副)Thierry Lys、仏 ERDF
ブロードバンド向けホームネットワーク用送受信器
正)Les Brown、中 Huawei
WP2:OTN技術
(議長:Francesco Montalti、ベルギー Tyco)
(副議長:Viktor Katok、Ukraine、STPU)
正)中島 和秀氏、日 NTT
光ファイバとケーブルの特性と試験法
副)Ms Paola Regio、伊 TI
正)Peter Stassar、中 Huawei
陸上伝達網における光システムの特性
副)Pete Anslow、米 Ciena
正)Bernd Teichmann、独 Alcatel-Lucent
光部品、サブシステムの特性
副)Alessandro Percelsi、伊 Telecom Italia
正)白木 和之氏、日 NTT
光ファイバ海底ケーブルシステムの特性
副)Omar Ait SAB、仏 Alcatel-Lucent
正)Edoardo Cottino、伊 SIRTI
光基盤設備及びケーブル
副)Osman Gebizlioglu、中 Huawei
正)戸毛 邦弘氏、日 NTT
光ファイバケーブル網の保守・運用
副)Xiong Zhuang、中 YOFC
ITUジャーナル Vol. 44 No. 7(2014, 7)
49
会合報告
表1.各課題名とラポータ(続き)
Q.3
Q.9
Q.10
Q.11
Q.12
Q.13
Q.14
WP3:OTNアーキテクチャ
(議長:Ghani Abbas、英 Ericsson)
(副議長:Malcolm Betts、中 ZTE)
光伝達網の一般的特性
正)大原拓哉氏、日 NTT
正)Tom Huber、独 Coriant
伝達網装置と網の切替/復旧
副)Hna Li、中 China Mobile
正)HvHelvoort、中国 Huawei
伝送網OAM
副)Alessandro D'Alessandro、伊 Telecom Italia
正)Mark LJones、米 Xtera
伝達網の信号構造,インタフェース及びインタワーキング
副)Steve Gorshe、米 PMC-Sierra
伝達網アーキテクチャ
正)Stephen Shew、加 Ciena
正)Jean-LFerrant、仏 Calnexl
網同期及び時刻分配特性
副)Stefano Ruffini、スウェーデン Ericsson
正)HKam Lam、米 Alcatel-Lucent
伝達システムと装置の管理と制御
副)Scott Mansfield、スウェーデン Ericsson
ability)についてのSG11の動向が紹介され、今後とも協調
詳細を以下に示す。
していくことを確認した。BSG(Bridging Standardization
Gap)に関連して、e-learningの促進、途上国からの参加者
を増やす施策を検討することになった。
3.1 課題1(Q.1)アクセス網標準化の調整
アクセス網の概要と作業計画を新規作成した。また、
WP1関連勧告に関わる認証・相互接続試験について、他の
標準化団体の活動状況を反映して関連文書を更新した。
3.第1作業部会(WP1)アクセス網、ホーム網、スマートグリッドにおける伝送
アクセス網全般、ホーム網に加えてスマートグリッド向け
通信を検討しており、五つの課題から構成される。
3.2 課題2(Q.2)アクセス網における光システム
改訂勧告G.984.5(G-PONエンハンスメントバンド)及び
今会合では、AAP承認された勧告が6件、TAP承認された
改正勧告G.988(汎用ONU管理制御インタフェース)が合
勧告が2件、合意された勧告が2件(新規1件、改訂1件)
、再
意された。このほかに、今会合では新規勧告G.989.3
AAPとされた勧告が5件となっている。各課題における審議
(40Gbit/s級PONの伝送コンバージェンス層規定)とG.multi
表2.今会合で承認されたAAP勧告一覧(AAP texts Approved))
勧告番号
種別
G.993.5(2010)
Amd.5
改正
G.999.1(2009)
Amd.1
改正
G.9961
改訂
G.9961(2010)
Amd.2
G.9963(2011)
Cor.1
G.9972(2010)
Cor.1
改正
訂正
訂正
標題
WP1(6件)
Self-FEXT cancellation (vectoring) for use with VDSL2 transceivers
(VDSL2での適用に向けた遠端漏話除去(ベクタリング)
)
Interface between the link layer and the physical layer for digital subscriber line (DSL) transceivers
(Link層/PHY層間インタフェース)
Unified high-speed wire-line based home networking transceivers - Data Link layer
(有線系統合版、高速ホームネットワーク送受信機:データリンク仕様)
Unified high-speed wire-line based home networking transceivers - Data Link layer
(有線系統合版、高速ホームネットワーク送受信機:データリンク仕様)
Multiple-input multiple-output (MIMO) high-speed powerline home networking transceivers
(MIMO版高速PLCホームネットワーク送受信器)
Coexistence mechanism for wireline home networking transceivers
(有線系ホームネットワーク送受信機向け共存仕様)
課題
Q.4
Q.4
Q18
Q18
Q18
Q18
表3.今会合で承認されたTAP勧告一覧(TAP Recommendations Approved)
50
勧告番号
種別
G.9700
新規
G.9901
改訂
標題
WP1(2件)
Fast Access to Subscriber Terminals - Power spectral density specification
(加入者端末への超高速アクセス - PSD規定)
Narrowband OFDM Power Line Communication Transceivers - Power spectral density (PSD)
specification
(ナローバンドOFDM電力線通信送受信器 - PSD規定)
ITUジャーナル Vol. 44 No. 7(2014, 7)
課題
Q.4
Q15
表4.今会合で合意された勧告一覧(Texts Consented)
勧告番号
種別
G.988
改訂1
G.989.1
新規
G.979
G.976
訂正1
改訂
L.93
新規
G.808.1
G.873.1
G.8131/Y.1382
改訂
改訂
改訂
G.798(2012)
改正1
G.8260(2012)
G.8261.1/Y.1361.1
(2012)
G.8263/Y.1363(2012)
G.8264/Y.1364
G.8265.1/Y.1365.1
G.8271.1/Y.1366.1
(2013)
G.8273/Y.1368
G.8273.2/Y.1368.2
G.8275.1/Y.1369.1
G.8051/Y.1345(2013)
改正2
改正1
改正2
改訂
改訂
標題
WP1(2件)
ONU management and control interface specification (OMCI)
(汎用OMCI)
40-Gigabit-capable passive optical networks: General requirements
WP2(3件)
Monitoring system for optical submarine cable systems
Test methods applicable to optical fibre submarine cable systems
Optical fibre cable maintenance support, monitoring and testing systems for optical fibre
trunk networks
WP3(14件)
Generic Protection Switching - Linear Trail and Subnetwork Protection
Optical Transport Network (OTN) : Linear protection
MPLS-TP linear protection
Characteristics of optical transport network hierarchy equipment functional blocks:
Amendment 1
Definitions and terminology for synchronization in packet networks: Amendment 2
Packet Delay Variation Network Limits applicable to Packet Based Methods (Frequency
Synchronization) : Amendment 1
Timing characteristics of packet-based equipment clocks: Amendment 2
Distribution of timing information through packet networks
Precision time protocol telecom profile for frequency synchronization
課題
Q.2
Q.2
Q.8
Q.8
Q.17
Q.9
Q.9
Q.9
Q.11
Q.13
Q.13
Q.13
Q.13
Q.13
改正1
Network limits for time synchronization in Packet networks: Amendment 1
Q.13
訂正1
新規
新規
改正1
Framework of phase and time clocks
Timing characteristics of telecom boundary clocks
Precision time protocol telecom profile for time/phase synchronization
Management aspects of the Ethernet Transport (ET) capable network element: Amendment 1
Q.13
Q.13
Q.13
Q.14
表5.今会合で再AAPとされた勧告一覧 (Re-initiation of the AAP approval process)
勧告番号
G.989.2
G.994.1(2012)
Amd.4
G.9701
G.9962
G.9979
種別
標題
WP1(5件)
40-Gigabit-capable passive optical networks: Physical Media Dependent layer specifications
新規
(NG-PON2の物理層規定)
Handshake procedures for digital subscriber line transceivers: Amd.4 - Additional codepoints
改正4 for the support of G.fast
(DSL送受信機のためのハンドシェーク手順:Amd.4 G.fast向けコードポイント)
Fast Access to Subscriber Terminals (G.fast) - Physical layer specification
新規
(加入者端末への超高速アクセス - 物理層規定)
Unified high-speed wire-line based home networking transceivers - Control Plane
改訂
(有線系統合版、高速ホームネットワーク送受信器:制御プレーン仕様)
Implementation of the generic mechanism to include applicable ITU-T Recommendations into
IEEE 1905.1a 2014 Standard
新規
(関連するITU-T標準をIEEE 1905.1a(2014)に盛り込むために必要となる汎用的な方式に関す
る規定)
(多波長PONの一般的アーキテクチャとプロトコル)の合意
が予定されていたものの、完成度が十分でないため延期する
課題
Q.2
Q.4
Q.4
Q.18
Q.18
3.3 課題4(Q.4)メタリック線によるブロードバンド向け
アクセス伝送装置
ことになった。また、新規勧告G.989.2(40Gbit/s級PONの
新規勧告G.9700(G.fast-psd)をTAP承認したほか、改正
物理層規定)のLCコメントに対する解決に向けた議論が進
勧 告 G.993.5 Amd.5(G.vector)及 び改 正 勧 告 G.999.1
められた。引き続き、LCコメントに対応したドラフトの作成
Amd.1(G.int)をSGでのAAP承認とした。一方、同じくSG
を進め、再度AAPにかけること(2nd Last Call)が合意され
承認が予定されていたG.fast関連の新規勧告G.9701(G.fast-
た。
phy)及び改正勧告G.994.1 Amd.4(G.hs)についてはすべ
てのLCコメント解決ができなかったことを受け、今会合での
承認を取りやめ再度AAPプロセスにかけること(2nd Last
ITUジャーナル Vol. 44 No. 7(2014, 7)
51
会合報告
Call)とされた。また、今会合での合意を目指していた
4.2 課題6(Q.6)陸上伝達網における光システムの特性
G.9701(G.fast-phy)Amd.1とG.998.4(G.inp)Amd.4につ
G.698.2(単一チャネルインタフェースを有する光増幅
いては、次回12月会合での合意を目指すことが確認された。
DWDMアプリケーション)における100Gb/sシングルチャネ
ルDWDMインタフェースなどが主な議論内容であり、
3.4 課題15(Q.15)スマートグリッド向け通信
改訂勧告G.9901(G.nbplc-psd)をTAP承認したほか、
Spectral excursionやError vector magnitudeの規定につい
て継続議論となった。Metro用DWDMに関するG.metroに
nb-plc関連勧告群G.9901∼G.9904が整備されたことを踏ま
ついては、スコープ及びtable of contentsについて合意し、新
え、G.9955(G.nbplc-phy)及びG.9956(G.nbplc-dll)勧告
しく勧告化を進めることがSG15において承認された。
を削除することが合意された。また、6LoWPANに関連した
スマートホーム向け通信フレームワークを検討する新規勧告
G.shp6の標準化作業が本格的に動き始めた。
4.3 課題7(Q.7)光部品、サブシステムの特性
現場付コネクタに関するL.fmcの新規勧告作成に向けた検
討開始がSG15において承認された。L.36(光コネクタ)に
3.5 課題18(Q.18)ブロードバンド向けホームネットワー
ク用伝送装置
関しては、コネクタ端面汚れの規定に関するAppendix文章
は合意されたが、追加の改訂提案がなされたため、合意は延
改訂勧告G.9961(G.hn-dll)、改正勧告G.9961(G.hn-
期された。G.671(光部品とサブシステムの伝達特性)につ
dll)Amd.2、訂正勧告G.9963(G.hn-mimo)Cor.1、及び
いては、G.694.1(DWDM周波数グリッド)に記載の
訂正勧告G.9972(G.cx)Cor.1の四つがSGでのAAP承認とさ
Flexible gridに関わる項目を盛り込むことは合意されたが、
れた。一方、同じくSG承認を予定していた改訂勧告G.9962
内容については継続審議となった。
(G.hn-mgmt)及び新規勧告G.9979(1905.1 Ext)について
は他のSDOとの連携を踏まえる必要があるため、今会合での
4.4 課題8(Q.8)光ファイバ海底ケーブルシステムの特性
SG承認は行わず、再度AAPプロセスにかけること(2nd Last
G.976(光海底システムの試験法)へ振動・衝撃試験を
Call)とされた。また、新規PJとしてG.hnドメイン内での信
追加する改訂勧告、G.979(光海底システムのモニタシステ
頼性の高い認証方式を検討開始することが合意された。
ム)の誤記訂正が合意された。G.975.1(Super-FEC)、
G.977(光増幅中継海底システム)
、G.973(無中継海底シ
ステム)
、G.973.1(無中継DWDM海底システム)
、G.972
4.第2作業部会(WP2)OTN技術
WP2では、光伝達網における物理層のインタフェースと伝
(海底システムに関する用語)の改訂についても議論が行わ
れたが合意には至らず、継続審議となった。
送特性から、屋外設備の設計、保守、運用に関する技術を
所掌する。今会合では計6課題による審議が行われ、合意
(Consent)された勧告が3件(新規1件、改訂1件、訂正1
件)である。各課題における審議詳細を以下に示す。
4.5 課題16(Q.16)光基盤設備及びケーブル
マイクロダクト敷設、FTTdp向け屋外設備について、議論
が進展し新規勧告作成に向けた検討開始及び質問状回覧等
の合意がなされた。光ケーブル関連文書改訂については、次
4.1 課題5(Q.5)光ファイバ及びケーブルの特性と試験方
法
G.652(単一モードファイバ)
、G.654(カットオフシフト
ファイバ)
、G.657(低曲げ損失シングルモードファイバ)
、及
会合で合意される見通しとなった。発展途上国向け光ケーブ
ル敷設、ID管理機能具備のnode element、マイクロケーブ
ル、L.60(光メタル複合ケーブル)については継続審議とな
った。
びG.650.2(PMD及び非線形パラメータ試験法)の改訂につ
いて議論が行われたが合意には至らず、それぞれ継続審議を
行うことが合意された。また、ファイバ・ケーブルの信頼性
4.6 課題17(Q.17)光ファイバケーブル網の保守・運用
日本提案の新規勧告L.omtl(中継光線路監視システム)
に関する補助文書について、スコープ及びtable of contents
が合意された他、光線路保守一般に関する既勧告L.25(光
について合意し、新しく補助文書化を進めることがSG15に
ケーブルの保守運用)に関して、日本提案の改訂草案が合
おいて承認された。
意され、次会合で合意を目指すこととなった。またL.53(光
52
ITUジャーナル Vol. 44 No. 7(2014, 7)
アクセス網の保守基準)改訂では、OTDRリフレクタを用い
置勧告G.8121.xに関する検討が進められた。
た分岐線路の保守方法が日本・中国を中心に活発に議論さ
れ、継続議論となった。
5.4 課題11(Q.11)伝達網の信号構造、インタフェース及
びインタワーキング
Beyond 100G OTNの収容方式・フレーム形式に関して
5.第3作業部会(WP3)OTNアーキテクチャ
種々の提案があり、詳細規定は確定できないまま今後の検討
WP3は主として伝送網の論理層を検討しており、七つの
課題一覧文書を作成するにとどまっている。またG.798
課題で構成されている。今会合でも各国から200件を超える
(Characteristics of optical transport network hierarchy
寄書が提出され、AAP承認された勧告が1件、合意
equipment functional blocks)の改正を合意した。
(Consent)された勧告が14件(新規2件、改訂5件、改正6
件、訂正1件)
、同意された文書が1件である。Ethernetや
5.5 課題12(Q.12)伝達網アーキテクチャ
MPLS-TP等のパケット網技術、100Gb/s超OTN、Transport
伝送網へのSoftware Defined Network(SDN)適用に関
SDN、パケット網における同期等の議論が行われた。各課題
するアーキテクチャの議論が活発化しており、集中制御型ア
における審議詳細は以下に示す。
ーキテクチャに関する新規勧告G.asdtn(Architecture for
SDN control of Transport Networks)の作成を決定、勧告
5.1 課題3(Q.3)光伝達網の一般的特性
化に向けて今後議論を継続することになった。
光伝送網の標準化を効率的に進めるための調整と標準化
作業プランの更新、各種技術勧告において共通に参照でき
5.6 課題13(Q.13)網同期と時刻配信の品質
る用語勧告の作成を行った。MPLS-TP用語勧告G.8101は
パケット網での周波数同期勧告(G.826x)と時刻位相同
IETF RFC7087の用語を反映させた版を次回本会合で合意
期勧告(G.827x)を中心に議論を進めた。今会合では、
する予定である。
G.8273.2(バウンダリーとスレーブのクロック同期特性)と
OTN標準化計画はIEEE802.1やMEF等の審議状況を反
G.8275.1(時刻位相同期のためのPrecision time protocol
映した更新版を作製した。また、OTN合同会合を実施し、
telecom profile)がそれぞれ新規勧告として合意された。ま
IEEE802.3標準化状況、Beyond 100GやOTN網同期等の議
た、G.8260(パケット網同期の用語定義)改正、G.8261.1
論状況の情報共有を図った。
(パケット遅延量変動限界Packet delay variation network
limits applicable to packet based methods - frequency syn-
5.2 課題9(Q.9)伝達装置及びネットワークの切替え/復旧
chronization)改正、G.8263(パケット網同期装置特性)改
プロテクションに関する一般的特性とEthernet、MPLS-
正、G.8264(パケット網時刻情報配布)改訂、G.8265.1
TP、OTN等の個別技術を対象とする勧告の議論を行った。
(周波数同期のためのPrecision time protocol telecom pro-
今会合ではG.808.1(一般的線形プロテクション)改訂、
file)改訂、G.8271.1(パケット網時刻同期限界)改正、
G.873.1(OTN線形プロテクション)改訂、G.8131(MPLS-
G.8273(時刻位相同期クロックフレームワーク)訂正等、
TP線形プロテクション)改訂を合意し、新規勧告案である
多くの関連標準化が進んだ。
G.otnsmp(OTN共有メッシュプロテクション)
、G.mdsp
(プロテクションのドメイン間相互接続)に関する検討を進
めた。
5.7 課題14(Q.14)伝送システム及び装置の管理と制御
伝送網の装置管理と制御に関して議論した。今回は主に
G.7712(Data communication network)
、G.7714(ASON
5.3 課題10(Q.10)伝送網向けOAM
Discovery)
、時刻位相同期網、Ethernet装置管理に関する
Ethernet及びMPLS-TP等を対象にサービス、インフェー
寄書提案について審議が行われた。また、G.8051/ Y.1345
ス、OAMメカニズム、装置規定に関する議論を行った。
(Management aspects of the Ethernet transport capable
G.8112(MPLS-TPインタフェース)改正が同意されるとと
network element)改正が合意された。
もに、Ethernetにおけるサービス規定文書、OAM機能の拡
張、性能測定のガイダンス文書及び、MPLS-TPにおける装
ITUジャーナル Vol. 44 No. 7(2014, 7)
53
会合報告
遅延していたMPLS-TP標準化は、今会合で一応の決着を得
6.おわりに
たと言えるが、G.8131(2007版)との関係や詳細仕様の記
SG15はITU-T最大のSGとして、多数の提出寄書と関連文
述等については今後の課題となった。次回のSG15会合は、
書の議論が行われたが、2週間の会期でも十分でないため、
2014年11月24日から12月5日まで、ジュネーブで開催される
20件近くの中間会合が予定されている。議論の紛糾により
予定である。
表6.今会合で同意された文書一覧(Texts agreed)
勧告番号
―
―
―
―
G.Sup.42
TPLS Guide
標題
WP1(4件)
―
Version 22 of the ANT Standards Overview
―
Version 20 of the ANT Standards Work Plan
―
HNT Standards Overview and Work Plan - Draft
―
Smart Grid Standards Overview and Work Plan
WP2(2件)
補足文書 Supplement 42 to ITU-T G-series Recommendation
Guide on the use of ITU-T L-series Recommendations related to optical technologies for the
Outside Plant
WP3(1件)
G.8112/Y.1371
(2012)Amd.1
種別
付録
Interfaces for the MPLS Transport Profile (MPLS-TP) layer network: Amendment 1
課題
Q.1
Q.1
Q.1
Q.15
WP2
WP2
Q.10
表7.今会合で削除提案された文書一覧(Recommendations proposed for deletion)
勧告番号
種別
G.9955
―
G.9956
―
標題
WP1(2件)
Narrowband OFDM Power Line Communication transceivers - Physical layer specification
(supersede by G.9901-4)
(ナローバンドOFDM電力線通信送受信器 - PHY規定)
Narrowband OFDM Power Line Communication transceivers - Data Link layer specification
(supersede by G.9901-4)
(ナローバンドOFDM電力線通信送受信器 - DLL規定)
課題
Q.15
Q.15
表8.次回SG会合までに予定されている中間会合
課題
SG15本会合
Q.2
Q.2
Q.4
Q.4
Q.4
Q.4
Q.18
Q.18
期日
2014/11/24-12/5
2014/6/23-26
2014/9/10-12
2014/6/2-6
2014/7/21-25
2014/8/25-29
2014/10/13-17
2014/7/27-29
2014/10(未定)
開催場所
Geneva、Switzerland
Denver、USA
Santa Clara、USA
Antwerp、Belgium
Geneva、Switzerland
Red Bank、USA
Shenzhen、China
Barcelona、Spain
未定
Q.6
2014/8/25-29
Suzhou、China
Q.9
Q.10
Q.11
Q.6&11&12
Q.12&14
2014/9/1-5
2014/9/1-5
2014/8/25-29
2014/8/27
2014/7/7-11
Shanghai、China
Shanghai、China
Suzhou、China
Suzhou、China
Stuttgart、Germany
Q.13
2014/6/2-6
Sunnyvale、USA
Q.13
2014/9/15-19
Tel-Aviv、Israel
Q.14
2014/9/1-5
Shanghai、China
54
ITUジャーナル Vol. 44 No. 7(2014, 7)
議 論 内 容
第3回全体会合
Q.2全般
Q.2全般
DSL and G.fast
G.fast
DSL and G.fast
G.fast
Q.18全般
Q.18全般
Q.698.2、G.metro関連、G.680、693、697、698.3、959.1、G.Sup39の改定関連、
及びその他Q6関連
G.mdsp、G.odusmp、光レイヤプロテクション、G.8131状態遷移表
G.8011、8013、8021、8121関連
G.709、B100G、CPRI Mapping、G.798、G.7041関連
OTN用語、B100G関連
Q.12全般(SDN優先)
、Q.14 SDN、ASON、DCN関連
transport of phase and time in the G.827x series、G.8273.x、G.8271.1、G.8275、
G.8275.1
transport of frequency in the G.826x series
Progress on Partial timing support
Transparent Clock and remaining aspects on full timing support;OTN timing
装置管理 (G.7710、G.gim、G.874、G.874.1、G.8151、G.8152、G.8051、G.8052)
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