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嚥下機能スクリーニングとしての簡易嚥下誘発試験

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嚥下機能スクリーニングとしての簡易嚥下誘発試験
466
日呼吸会誌 37(6)
,1999.
●原
著
嚥下機能スクリーニングとしての簡易嚥下誘発試験
(simple swallowing provocation test)の有用性
寺本 信嗣1)
松瀬
健1)
松井 弘稔1)
大賀栄次郎1)
斎藤恵理香1)
石井 健男1)
富田 哲治1)
長瀬 隆英1)
福地義之助2)
大内 尉義1)
要旨:近年,誤嚥性肺炎の臨床的重要性が明らかになってきたが,嚥下機能をベッドサイドで簡便に評価す
る信頼性の高い方法は示されていない.我々は,嚥下誘発試験(swallowing provocation test ; SPT)を開
発し, 嚥下機能を検討してきたが, SPT は筋電図などの機械装置を必要とし, 必ずしも簡便な検査でない.
そこで,SPT を簡素化し,嚥下誘発の有無に焦点をあて,経鼻細管のみで行える簡易嚥下誘発試験(simple
swallowing provocation test ; SSPT)を考案し,既に臨床的に用いられている水飲みテストと比較した.
誤嚥性肺炎症例の SSPT 異常反応は 18 例中 17 例であったが,水飲みテストは 18 例中 12 例で異常であっ
た.一方,正常対照例では,SSPT 異常反応は 22 例中 1 例であったが,水飲みテストでは 4 例で誤嚥を認
めた.従って,SSPT は水飲みテストと同様に特異度が高く,有用性の高いスクリーニング検査法と考えら
れた.
キーワード:簡易嚥下誘発試験,水飲みテスト,誤嚥,誤嚥性肺炎,嚥下障害
Simple swallowing provocation test,Water intake test,Aspiration,Aspiration pneumonia,
Swallowing disoder
はじめに
近年,急速な高齢化に伴って死亡原因に占める肺炎の
は,SPT をより簡素化し,嚥下誘発の有無に焦点をあ
て,経鼻細管のみで行える(simple swallowing provocation
test ; S-SPT)を考案し,すでに誤嚥のスクリーニ
重要性が増している.特に,誤嚥性肺炎は,症候が非定
ング検査として臨床応用されている水飲み試験20)と比較
型的で診断が困難な一方で予後が不良であり,呼吸器の
検討したので報告する.
実地臨床において重要性が高い.同時に,嚥下機能や上
対象と方法
気道反射に関する研究が進歩し,加齢にともなう上気道
反射の変化や,嚥下障害の病的意義が明らかになってき
1)
∼10)
対象は,平成 8 年 4 月から平成 10 年 9 までの東京大
.高齢者の誤嚥性肺炎では,不顕性誤嚥の重
学医学部附属病院老年病科入院症例で,嚥下誘発試験,
要性が明らかになってきており11)∼13),この不顕性誤嚥や
簡易嚥下誘発試験を施行した 40 症例(Table 1)である.
誤嚥性肺炎のリスクを予知するような検査法が必要と考
誤嚥性肺炎の診断は,明らかな誤嚥の病歴,胸部 X
えられる.しかし,不顕性誤嚥が問題となる症例の多く
線写真上肺炎を示唆する所見が明らかで,血液検査上,
は高齢者であり,患者本人の努力を必要とするものや,
末梢血白血球数 10,000( ml)以上と CRP 陽性所見が
大がかりな検査は実際的ではない.
みられた場合に診断した.ほとんどの症例で喀痰の培養
ている
我々は,嚥下誘発試験(swallowing provocation test ;
SPT)を考案し,その臨床的有用性について検討してき
た15)∼19).SPT は嚥下障害,誤嚥性肺炎リスク症例の早
期診断方法として有用と考えられるが,筋電図,圧トラ
Table 1 Background data on patients with aspiration
pneumonia
(ASP)and control subjects without ASP
ンスデューサー,レスピトレースなどの装置を必要とし,
どこの施設でも簡単に行える検査ではない.そこで我々
〒113―8655 文京区本郷 7―3―1
1)
東京大学老年病学教室
2)
順天堂大学呼吸器内科
(受付日平成 10 年 11 月 9 日)
number
male : female
years of age
Height
(cm)
Weight
(kg)
Patients with ASP
Subjects without ASP
18
10:8
72.5 ± 3.9
160 ± 1.9
52.6 ± 1.4
22
12:10
69.5 ± 2.9
162 ± 1.8
54.1 ± 1.7
Data were presented as mean ± SE.
嚥下機能の簡易スクリーニング検査
検査が行われていたが,起因菌の検出は特に診断基準に
含めなかった.
簡易嚥下誘発試験は,ベッドサイドで,検査者二人で
行った.午前中に患者の覚醒中で意識のはっきりしてい
る時間に検査を施行した.患者を仰臥位にし,5 分間安
静にしたのち,経鼻的にアトム栄養カテーテル 5 Fr(外
径 1.7 mm,長さ 40 cm)を約 14∼16 cm 挿入し,カテー
テルの先端が中咽頭にあることをライトをつかって場所
を視肉眼的に確認した16)∼19).カテーテルの末端に常温の
467
Table 2 Evaluation of the water swallowing test
Subjects were given 10 ml of water and asked to drink from
a cup without interruption.
Profiles
1.Drink water without cough or the presence of a postswallow wet-hoarse voice.
2.Drink water with interruption, but without cough or the
presence of a post-swallow wet-hoarse voice.
3.Drink water with cough or the presence of a postswallow wet-hoarse voice.
4.Difficult to drink water due to coughing and dysphagia.
蒸留水を 0.4 ml を注入し, 嚥下反射の有無を確認した.
一人の検者が,患者の呼気終末に併せて,蒸留水を注入
Table 3
し,もう一人の検者が嚥下の有無を視覚的に確認した.
また同時に蒸留水注入のタイミングと併せて嚥下が生じ
ASP
(+)
(−)
Total
の間隔をおいて 3 回繰り返し,二人の検者が判定した反
normal
abnormal
1
17
19
3
20
20
応が 2 回以上一致した場合に被験者の成績とした.嚥下
Total
18
22
40
ASP
(+)
(−)
Total
normal
abnormal
4
14
15
7
19
21
Total
18
22
40
るまでの時間をストップウオッチで測定した.3 分以上
S-SPT
開始までの時間は 3 回のうちの短い時間 2 回の成績を平
均した.当科でのこれまでの,嚥下誘発試験の正常範囲
が,1.7±0.7(mean±SD)で あ る こ と よ り16)∼19),平 均
値 2 SD を考慮して,嚥下が 3 秒以内に誘発されたもの
を正常とし,3 秒以上を要したもの,または嚥下反応が
みられなかったものを異常とした.今回,試験を施行し
た最初に 10 については,再現性の検討を行った.午前
中のほぼ同じ時間に試験を施行したところ,嚥下の反応
時間については,変動は 20% 以内であった.嚥下誘発
WST
ASP : aspiration pneumona
S-SPT : simple swallowing provocation test
WST : water swallowing test
normal : normal response
abnormal : abnormal response
の有無に関しては関しては完全に一致していた.
水飲みテストは窪田ら20)の方法に従い,S-SPT と同じ
成
日にベッドサイドで,検査者二人で行った.但し,S-SPT
績
と水飲み試験の施行間隔は 30 分以上間隔をあけておこ
今回の対象症例の中で誤嚥性肺炎の診断基準をみたす
なった.検査者が限られているため,検査の評価にバイ
症例は 18 例認められた.基礎疾患は,脳梗塞 8 例,脳
アスがかからないように,テストの順序は無作為に行っ
出血 2 例,筋疾患 2 例,糖尿病 4 例,睡眠時無呼吸症候
た.患者を座位にし,5 分間安静にしたのち,常温の水
群 2 例であった.
10 ml を患者の健手に手渡し,「いつもと同じように水
誤嚥性肺炎症例(ASP(+)群)は,平均年齢 72.5±
を飲んでください」と飲水を促し,水を飲み終わるまで
3.9 歳,誤嚥性肺炎のない群(ASP(−)群)は,平均
の時間,プロフィール,エピソードを測定観察した.判
年齢 69.5±2.9 歳であった.ASP(+)群は S-SPT で 18
定基準を Table 2 に示した.今回は,対象が比較的高齢
例中 17 例で異常を示した(Table 3)
.ASP(−)群の
であることを考慮してプロフィール 1,
2 は正常とし,プ
症例は,22 例中 19 例で中咽頭への 0.4 ml の蒸留水刺激
ロフィール 1 で 10 秒以内のものも正常とした.検査は
による S-SPT にて嚥下運動が誘発された.S-SPT の正
3 分以上の間隔をおいて 3 回繰り返し,二人の検者が判
常反応と異常反応によって誤嚥性肺炎の診断との一致率
定した反応が 2 回以上一致した場合に被験者の成績とし
を感度,特異度で検討すると感度 94.4%,特異度 86.4%
た.
であった(Fig. 1)
.嚥下反応異常のうち,嚥下反応が生
測定値は,平均値±標準誤差で示した.統計学的検討
じなかったものは 8 例で,嚥下反射までの時間が 3 秒以
は,StatView 4.0(Abacus concept)を用いて,吸入前
上を要したものが 9 例であった.嚥下反応までの時間は
後の変化については paired t test で検討し,個々の測定
正常群で 1.4±0.5 秒,嚥下が認められた異常群で 4.1±1.2
値相互の相関関係については単相関分析を行い,p<0.05
秒であった(Fig. 2)
.
をもって有意差とした.
一方,飲水試験では,ASP(+)群は,18 例中 14 例
で異常を示した.ASP(−)群の症例は,22 例中 15 例
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日呼吸会誌
37(6)
,1999.
リーニングする検査法の普及は必ずしも十分ではない.
本邦では,古くから水飲み試験が導入され一部の施設で
行われてきた20)23).我々は,従来より,嚥下障害の検出
方法として,嚥下誘発試験(SPT)を行っており,その
有用性を報告してきた15)∼19).しかし,SPT は,差圧ト
ランスジューサー,筋電図,レスピトレース,ポリグラ
フなどを必要とし,ベッドサイドで簡単に行える検査で
Fig. 1 Sensitivity and specificity of simple swallowing
provocation test(S-SPT)and water swallowing test
(WST)for the detection of aspiration pneumonia
(ASP)
はない.そこで,今回,あらゆる装置を除き,小児用の
栄養細管のみで経鼻的に蒸留水を注入して嚥下反応をみ
る簡易嚥下誘発試験(simple swallowing provocation
test ; S-SPT)を考案し,誤嚥性肺炎患者と正常対象者
について検査を行い,水飲み試験の成績と比較した.
S-SPT では,ASP(+)群は 1 例を除き異常反応を
示し,ASP(−)群では,3 例で異常反応を示した.誤
嚥性肺炎の診断との一致率を感度,特異度で検討すると,
感度 94.4%,特異度 86.4% であった.一方,水飲み試
験では,ASP(+)群で,異常を示したのは 18 例中 14
例あったが,ASP(−)群でも異常反応を示した者が 7
例あった.飲水試験の結果と誤嚥性肺炎の診断との一致
率を感度,特異度で検討すると,感度 77.8%,特異度 68.1
%であった.したがって,水飲み試験は感度は,比較的
良好だが,特異度に劣る傾向がみられた.方法は,必ず
しも同一ではないが,DePippo らは,脳梗塞後の患者
Fig. 2 Latent time(LT)for swallowing after bolus injection of 0.4 ml of distilled water at the suprapharynx
in ASP patients and control subjects
では,水飲み試験は嚥下造影(Videofluorography)で
検出される誤嚥と比較すると感度 76%,特異度 59% と
報告してしている23).これに比べ,S-SPT は,感度,特
異度とも水飲み試験より高く,スクリーニング検査法と
して有用な可能性が示唆された.
で正常反応を示した(Table 3)
.飲水試験の正常反応と
しかし,水飲み試験は,飲水量について日本では 10
異常反応によって誤嚥性肺炎の診断との一致率を感度,
ml から 30 ml の比較的少量であるのに対し,米国では 3
特異度で検討すると感度 77.8%,特異度 68.1% であっ
オンス(約 90 ml)が用いられており23)∼27),必ずしも方
た(Fig. 1)
.
法や評価法が一定ではないため,今回の成績をもって S-
考
SPT のほうが水飲みテストより有用とは結論できない.
察
但し,水飲み試験を行うためには,少なくとも片方は本
高齢者では,呼吸器疾患の頻度が高く,特に,嚥下性
人の手が麻痺していないこと,基本的にベットアップか
肺炎のような加齢に伴う気道防御反射の機能低下によっ
座位が保持できることなどが必要で,寝たきりの高齢患
て生ずる特殊な肺炎を含めて,重症化することが多い.
者のすべてに行えるわけでない.また,水飲みテストは
全年齢層での死因統計にみる肺炎の死亡率は,4 位であ
被験者の協力を必要とするのに対し,S-SPT は,被験
るが,老年者の死亡原因としては最も重要なものの一つ
者自身の努力,協力は原則として必要としない.
したがっ
である.従来,誤嚥性肺炎は,嫌気性菌を含む混合感染
て,S-SPT は寝たきりの高齢者にも施行できる点で応
が多いとされてきたが,最近の検討では,黄色ブドウ球
用範囲の対象が広い検査法と考えられる.
菌,肺炎捍菌など市中肺炎と同様の菌が原因菌として重
21)
22)
今回の検討では,老年病科入院症例が対象であるため,
.し
基礎疾患を有するものが多く,誤嚥性肺炎を発症した症
たがって,明らかな誤嚥の症状がない不顕性誤嚥や口腔
例は脳血管疾患症例が多かった.しかし,高齢者脳血管
内常在菌の誤嚥も重要であると考えられる.
疾患症例であっても嚥下反応が正常で誤嚥性肺炎を生じ
要であることが次第に明らかになってきている
すでに誤嚥性肺炎患者の嚥下反射異常については,多
ない症例もみられ,必ずしも,高齢の脳血管疾患患者の
くの報告があるが,多くの誤嚥性肺炎患者予備軍をスク
すべてが嚥下障害を示す訳ではない.したがって,S-SPT
嚥下機能の簡易スクリーニング検査
のようなベッドサイドで簡単に行える検査法を用いるこ
とで,より詳細な情報を得られる嚥下誘発試験(SPT)
469
reflex in patients with aspiration pneumonia [letter].
Lancet 1990 ; 335 : 1228.
や嚥下造影(Videofluorography)を行うか否か,経口
13)Kikuchi R, Watabe N, Konno T, et al : High inci-
摂取を始めるか否かなどの判定に生かせるものと考えら
dence of silent aspiration in elderly patients with
れる.また,今回の検討で,40 例中 8 例では,S-SPT
community-acquired pneumonia. Am J Respir Crit
と水のみ試験の成績が一致しなかった.このような症例
では,嚥下造影などを行ってより精密な嚥下機能障害を
評価すべきと考えられる.
なお,S-SPT 後の発熱症例は一例もなく,安全性も
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14)Matsuse T, Oka T, Kida K, et al : Importance of diffuse aspiration bronchiolitis caused by chronic occult aspiration in the elderly. Chest 1996 ; 110 :
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確認された.したがって,S-SPT は高齢者の幅広い層
15)Fukuchi Y, Matsuse T, Nagase T, et al : Clinical sig-
に有用な嚥下障害のスクリーニングになる可能性がある
nificance of swallowing provocation test. Am Rev
と考え報告した.
Respir Dis 1990 ; 141 : A 220.
文
16)須藤英一,福地義之助,寺本信嗣,他:嚥下誘発テ
献
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470
日呼吸会誌
37(6)
,1999.
Abstract
The Simple Swallowing Provocation Test as a Means of Screening for Swallowing
Disorders : a Comparison with the Water Swallowing Test
Shinji Teramoto1), Takeshi Matsuse1), Hirotoshi Matsui1), Eijiro Ohga1),
Erika Saitoh1), Takeo Ishii1), Tetsuji Tomita1), Takahide Nagase1),
Yoshinosuke Fukuchi2)and Yasuyoshi Ouchi1)
1)
Department of Geriatric Medicine, Tokyo University Hospital,
7―3―1 Hongo Bunkyo-ku, Tokyo Japan, 113―8655
2)
Department of Respiratory Medicine, Juntendo University,
2―1―1 Hongo Bunkyo-ku, Tokyo Japan, 113―0033
The sensitivity and specificity of the simple swallowing provocation test(S-SPT)were evaluated in a group
of patients who were being examined for aspiration pneumonia(ASP)
(ASP group ; 72.5±3.9 years old)and in a
group of age-matched control subjects(CTRL group ; 69.5±2.9 years old)
. The S-SPT was evaluated in terms of
the swallowing response and latent time(LT)for swallowing after a bolus injection of 0.4 ml of distilled water at
the suprapharynx. Responses to the S-SPT were classified as normal or abnormal, dependent on induction of the
swallowing reflex within 3 seconds after bolus injection. The sensitivity and specificity of the S-SPT in detecting
ASP were calculated. Of the 40 patients in the ASP group, 18 were given a diagnosis of ASP on the basis of clinical
findings and laboratory examinations. The sensitivity and specificity of the S-SPT were 94.4% and 86.4%, respectively, compared to 77.8% and 68.1%, respectively, for the water swallowing test. Because the S-SPT can be performed without any need for special patient effort or cooperation, it should be effective in diagnosing ASP in a
wide variety of patients, including those who are bedridden.
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