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The Word Today
No. 961 カイン
ダグ・シュレーダー牧師
私は、日曜学校で教えられる物語を時々読みます。これらの物語は、聖書の
歴史上の物語を簡単に要約して、子どもたちが教訓を学ぶことができるように
してあります。これらの有名な聖書の物語は、詳しく読めば、とても深い意味
があり、私たちに非常に深い真理を教えてくれます。
そのような物語の一つが、聖書で最初に人を殺す話です。カインという男が
犯した殺人で、彼は自分の兄弟のアベルを殺してしまうのです。その話を読み
ましょう。
人は、その妻エバを知った。彼女はみごもってカインを産み、「私は、主
によってひとりの男子を得た」と言った。彼女は、それからまた、弟アベル
を産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。ある
時期になって、カインは、地の作物から主へのささげ物を持って来たが、ア
ベルもまた彼の羊の初子の中から、それも最上のものを持って来た。主はア
ベルとそのささげ物とに目を留められた。だが、カインとそのささげ物には
目を留められなかった。それで、カインはひどく怒り、顔を伏せた。そこで、
主は、カインに仰せられた。「なぜ、あなたは憤っているのか。なぜ、顔を
伏せているのか。あなたが正しく行ったのであれば、受け入れられる。ただ
し、あなたが正しく行っていないのなら、罪は戸口で待ち伏せして、あなた
を恋い慕っている。だが、あなたは、それを治めるべきである。」しかし、
カインは弟アベルに話しかけた。
「野に行こうではないか。」そして、ふたり
が野にいたとき、カインは弟アベルに襲いかかり、彼を殺した。主はカイン
に、
「あなたの弟アベルは、どこにいるのか」と問われた。カインは答えた。
「知りません。私は、自分の弟の番人なのでしょうか。」
主とカインとの間にこの会話が交わされた後、主は、弟を殺したことでカイ
ンを責めます。けれども、主は、カインに出会う者が彼を殺すことのないよう
に、一つの印を与えられました。主はカインの命を助けられました。しかし、
カインは、地上をさまよい歩くさすらい人になるという、とても重い重荷を負
うことになりました。多くの試練や困難に遭うことになったのです。
この話を読んで、最初に気づくのは、カインは高慢な人だったことです。彼
は神を敬っていませんでした。神は大切だと思っているかのようなふりはした
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でしょう。カインについて多くのことはわかりませんが、一つわかっているこ
とは、彼は神につまらないものをささげたということです。良い贈り物をささ
げて、神に敬意を表すことをしませんでした。どうしてそれがわかるのでしょ
うか?カインの贈り物については、創世記 4 章 3 節に、
「カインは、地の作物か
ら主へのささげ物を持って来た」と書かれています。それとは対照的に、彼の
弟のアベルは、彼の羊の初子の中から、最良のものをささげた、ということが
記されています。これは大きな違いです。カインが、大きいものや最良のもの
を自分のために取っておいたことは明らかです。彼は形ばかりの贈り物をささ
げ、それですませようとしました。アベルは、心から、惜しむことなく、神に
ささげました。アベルは主である神を愛し、神を敬い、神にとても意味のある
贈り物をしました。
今日においても、この違いは現実に存在しています。神のことをあまり心に
留めない人たちがいます。彼らは神に残り物を投げ与えます。献金について、
りんごを例えに用いた、おもしろいパンフレットを見たことがあります。それ
には、
「神に残り物をささげる人になってはいけません」と書かれていて、りん
ごを食べた残り、つまりりんごの芯が描かれていました。みずみずしいりんご
の果肉を全部自分が取り、神には残りの芯だけをささげればよいと思っている
人たちがいます。それは神を蔑視することです。神に対する敵意にも等しいも
のです。これは神の友がなすべきことではありません。
当然、神はカインを喜ばれず、それをカインに知らせました。これは興味深
いことです。神はカインにはっきりと、それを知らせました。それで、カイン
はどうしたでしょうか?悔い改めるのではなく、自分の弟アベルに怒りを燃や
しました。非常に罪深い憎しみと怒りです。これはとても興味深いと思います。
人は、ほかの人が神に祝福されていると思うと、その人に対して嫉妬心を抱い
たり、嫌ったりするのです。神との正しい関係にあり、にこやかに接している
人に対して、憎しみを示す人がいます。クリスチャンはこのようなことがある
と知っておくべきです。良い行いをし、神が祝福しておられるという以外に、
何の理由もないのに、憎む人がいることを、クリスチャンは覚悟しておかなけ
ればなりません。
カインとアベルのことを例に挙げ、このことを記している、興味深い箇所が
あります。ヨハネの手紙第一 3 章です。
互いに愛し合うべきであるということは、あなたがたが初めから聞いてい
る教えです。カインのようであってはいけません。彼は悪い者から出た者で、
兄弟を殺しました。なぜ兄弟を殺したのでしょう。自分の行いは悪く、兄弟
の行いは正しかったからです。兄弟たち。世があなたがたを憎んでも、驚い
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てはいけません。私たちは、自分が死からいのちに移ったことを知っていま
す。それは、兄弟を愛しているからです。愛さない者は、死のうちにとどま
っているのです。兄弟を憎む者はみな、人殺しです。いうまでもなく、だれ
でも人を殺す者のうちに、永遠のいのちがとどまっていることはないのです。
アフリカでは、過去数年の間に、殺されるクリスチャンの数が非常に増えて
いるという統計を、つい最近見ました。自分の宗教の名によって、ほかの人を
殺す人の内には、命はなく、神の愛はありません。神や神の愛を知っていると
あなたがどれほど主張しても、あなたの動機がほかの人に対する憎しみや怒り
であるなら、あなたはサタンの陣営に属しています。神の姿に似せて造られた
ほかの人を殺したり、滅ぼしたりしようとしている人たちの仲間です。クリス
チャンの信仰の土台は、イエス・キリストです。キリストは仲間を憎むのでは
なく、愛することを求めます。カインの例から、人はどれほどたやすく憎しみ
や怒りにとらわれてしまうかがわかります。
大量殺人を犯す人、極悪非道の人は、生まれた時から心が歪んでいるのだと
か、遺伝的に問題があるのだというように、多くの人は考えがちです。ところ
が、悲しいことですが、すべての人の中に悪や腐敗があるのです。ですから、
憎しみをつのらせ、悔い改めることがなければ、状況次第で、誰でも極悪人に
なって、人を殺す可能性があります。これは悲しい真実です。人間は、
「すばら
しい、ほとんど完全な被造物」、ではありません。私たちは、罪に満ちた、堕落
した被造物です。ですから、ほかの人に対するちょっとした嫉妬心や怒りや憤
りは、日々悔い改めなければ、私たちの内でガンのように広がり、憎しみや怒
りは増大します。主イエスのもとに来て、あなたの敵をも愛するようになるこ
とが大事です。これは容易ではなく、難しいことです。世は私たちを憎みます。
私たちが世を実際よりも悪く見せようとしているかのように思うからです。し
かし、私たちは世を悪く見せようとしているのではありません。私たちは神を
愛して、神の御心に従おうとしているだけです。
あなたは、怒りや不満に満ちており、いつも怒りを爆発させる人ですか。誰
かがあなたの車の前に割り込んだからといって、あなたが激怒するとしたら、
それは、あなたの中に、強い怒りや不満や憤りがくすぶっているからです。あ
なたはそれを手放す必要があります。神のもとへ行き、怒りや悪意を手放す必
要があります。心の平安や満足を得てください。そのとき、神に対する本当の
愛や、仲間に対する優しさを示すことができるようになります。
世界は、戦争や殺人や怒りによって勝ち取ることはできません。そのような
ことは人間である自分自身を傷つけるだけです。私たちはキリストの教えに従
い、敵でさえも愛さなければなりません。カインの大きな失敗を思い出してく
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ださい。彼は、弟を殺すことで自分が有利になると思いました。人を殺す人の
内に命はありません。イエス・キリストを通して、イエスの赦しを通してのみ、
憎しみと怒りの支配から自由になることができます。
イエス・キリストのもとに来て、平安を得てください。あなたを突き動かし
ている不満や怒りから解放されてください。主である神のもとに来て、あなた
の魂に平安を見いだしてください。本当に神を愛し、神の似姿に造られた仲間
を愛するようになってください。
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