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佐藤 仁志が『財界さっぽろ』2016年4月号に掲載されました。

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佐藤 仁志が『財界さっぽろ』2016年4月号に掲載されました。
新たな雇用スタイルで
人手不足を解消
ングルマザー、障がい者なども
働けない〟シニアやニート、シ
いという理由で〝働きたいけど
とにかく人材が不足していまし
いは。
れはほとんどの中小・零細企業
──福祉の分野になりますが
に言えることかもしれませんが、 行政がおこなう就労支援との違
営危機を招いてしまいます。こ
佐藤 しっかりとした仕事を
与えられる点
いわゆる〝本業〟を本業のみで
定の社員のみ
でしたが、特
ブリブです。
多くいます。そうした人たちも
た。そんな中で始めたのがジョ
を提供するの
は守ることすらできない〟のが
がいわゆる
ます。例えば、
だと考えてい
重要な労働力として認め、仕事
──御社の主な事業内容を教
えて下さい。
リブの基本理
念です。
──ジョブ
リブを始めた
がこのジョブ
佐藤 当社はスーパーやコン
ビニエンスストア、ドラッグス
事業に、就労支援をおこなうJ
きっかけは。
トアの冷蔵庫、印刷機など重量
o b & L i v e( ジ ョ ブ リ ブ )
物の搬入設置、撤去、移設を主
事業とIT促進事業との3つの
佐藤 市場
の仕事は増加
事業をおこなっています。多角
本音です。本業の繁盛と維持や
てしまい、仕
「属人化」し
化と思われることは心外ですが、 している印象
拡大を考えた時、やはり人材確
増え、その結
員への負担が
事のできる社
保とITは必要不可欠だと考え
今の形になりました。
──ジョブリブという特長的
な就労支援事業をおこなってい
ますが、概要を教えてください。 果やめてしま
佐藤 通常の仕事ですと、フ
うといったこ
ルタイム勤務が基本となります。 とがありまし
ベニア板などの備品の整備。搬
入や搬入の際に必要な、金具や
当社の主事業である重量物の搬
念に賛同してくださった近隣の
います。また、ジョブリブの理
仕事にもジョブリブを活用して
あります。そこから依頼される
各メーカーなどの取引先企業が
ます。
最低賃金と同じ額で雇用してい
仕事を進めています。健常者の
きるか、支援員と相談しながら
め、そこにどうやったら到達で
封筒やカードキーケースの作成
単に言うと内職のようなもので、
なえるようにと始めました。簡
ザーなどが、自宅で仕事をおこ
を離れるのが難しいシングルマ
と短時間で経
しかし、遊びたいとかではなく、 た。そうなる
入にかかわる仕事以外にも、シ
企業などからも仕事の依頼を受
多く、紹介などで働きたいとい
それを見た親から感謝の言葉も
Dを作成し、配布しています。
毎月の仕事の様子を納めたDV
不安に思う人も多かったので、
どんなことをしているのかなど
るのか、仕事ができているのか、
──障がいを持つ親の反応は。
佐藤 障がいを持つ人の家族
の中には本当に仕事に行ってい
注先が増えています。
蓄積され、少しづつ依頼元や発
す。現在では自社マニュアルが
リーし、納品してもらっていま
老人クラブなどに材料をデリバ
い者やシングルマザーの自宅、
作業してもらっています。障が
うなマニュアルを自社でつくり
印刷会社さんも持っていないよ
を奇麗に折ってくださいなどの、
頼んでいたような仕事をシステ
子どもがまだ小さく家
ム化したものです。封筒のここ
うものもあるようですが。
など、従来印刷会社が下請けに
ュレッダーをかける作業や、梱
全国的に広がる過疎化や少子高齢化の問題。北海
道も例外ではない。そんな中、自分たちの住む街や
地域をより良くしようと独自のシステムを構築。そ
れを使用して労働力を確保する北海道共伸特機の佐
藤仁志専務に話を聞いた。
包、清掃などです。また、当社
北海道共伸特機専務
──ジョブリブで受けている
仕事の1つにホームワークとい
母親の介護をしなければならな
佐藤仁志
インタビュー
は中小・零細企業ですが、キャ
リアは 年以上。大手スーパー
佐藤
さとう・ひとし/1969 年札幌市生まれ。2003 年北海道共伸特機に入社。08 年に専務就
任。
同社は、
佐藤氏の父・正志氏が84 年に冷蔵庫や印刷機などの重機の搬入・設置会社
として創業。働きたいのに働けないシニアや、シングルマザー、障がい者などを積極的
に雇用し、
14 年4 月から始めたジョブリブでは、多くの障がい者が働いている。
32
2016.4 月号
財界さっぽろ http://www.zaikaisapporo.co.jp
33
独特の雇用スタ
イルとIT技術で
地方を活性化
けています。
今月はここまで、来月はここ
までなど個人に合った目標を決
やコンビニ、ドラッグストア、
30
1 万人以上を集めたアジア最大のクラウ
ドのイベントでスピーチをおこなった
でスピーカーとして登壇しまし
o u r T o k y o 2 0 1 5」
esforce World T
のクラウドのイベント「Sal
──昨年 月に東京・両国国
技館でおこなわれたアジア最大
チベーションが上がっているよ
早くできた、頑張ろうなど、モ
がいを感じ、この仕事はもっと
ます。それにより労働者はやり
上がったかを知ることでができ
事で会社にどのくらいの利益が
考えています。そこでは、人手
──今後の展望は?
佐藤 廃校を労働者のコミュ
ニケーションの場とする計画を
いと考えています。
ることで業績を伸ばしていきた
栄型ビジネスモデルについてお
う障がい者も増えました。また、 であり、地方で完結する顧客繁
では北海道こそクラウドが必要
れたんだと思います。スピーチ
ゃくちゃ言うなとおもしろがら
をしたりと、地方の企業がむち
佐藤 セールスフォースをカ
スタマイズする際、無理な注文
た。その経緯を教えて下さい。
スマートフォンからでも社内と
リティー化され、必要な情報を
ータ管理した工事実績はセキュ
こなえるようになりました。デ
るはずだ〟などの予測提案がお
うだったから、ここではこうな
により〝この現場では数年前こ
などを蓄積してきました。これ
また、 年ほど前から機器を
搬入した先の店舗の図面データ
うです。
元気になり北海道の経済はもっ
生かすことができれば、地域が
いきたい。眠っていた労働力を
ど働けない〟人をサポートして
や市などと連携し〝働きたいけ
となってやるのではなく、地域
当社のような小さな会社が中心
分配し提供していきたい。また、
の仕事など能力にあわせ仕事を
の足りない会社から仕事を受け
トへの参加の誘いを受けること
な企業から、いろいろなイベン
さらに、個人的なことですが、
ジョブリブを始めて、さまざま
とよくなると考えています。
す。
同じデータを即座に使用できま
細分化し、できる人はさらに上
当社の取り組みを聞き仕事を提
話させていただきました。
蓄積したデータを
ITで有効活用 供してくれることもあるので本
当にありがたいです。
──多くの労働力を管理する
のは大変だと思いますが。
佐藤 東京に何度も足を運び
セールスフォースというクラウ
ドウエアをカスタマイズし社内
けされ、どんな仕事をしている
はなく、その元で働く人も紐付
者をサポートする支援員だけで
て可視化し、自分が関わった仕
費を含めた経費、利益なども全
それぞれの仕事の受注額や人件
じておこなっています。また、
佐藤 仕事の依頼や状況報告
なども全てこの社内サイトを通
りました。今後は有効に活用す
によりビックデータは身近にな
しました。蓄積を強化したこと
るようになっていきたい。
一緒にできると思っていただけ
に連絡すれば何か面白いことが
佐藤 ITを活用することで、 られないことです。そのような
出会いを生かし、佐藤のところ
トレーサビリティが格段に向上
が増えました。今まででは考え
か一目でわかるようになってい
──現在ではコンビニやスー
パーなどへの重機搬入のシェア
──本業ではどのようにIT
は道内の約 %誇っていますが。
を活用しているのでしょうか。
やはりIT活用がカギですか。
ます。
サイトを構築しました。障がい
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2016.4 月号
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