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No.107 ジョギングにおける関心事トップ3は「減量方法」「疲労回復

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No.107 ジョギングにおける関心事トップ3は「減量方法」「疲労回復
No.107
東京マラソン直前!食事調整のポイント
ジョギングにおける関心事トップ3は「減量方法」
「疲労回復」
「シューズ選び」
マラソン大会に向けた食事調整は直前に本格化
― ジョギングの栄養補給に関する調査 ―
≪トピックス≫
1
ジョギングを始めたきっかけの上位は「健康維持」「運動不足解消」「ダイエット」
「美容」「ダイエット」など、美意識に男女の差
2
1 回のジョギングで走る距離 ビギナーランナーとベテランランナーに差
3
普段のジョギングでは、約 6 割が走っている最中には「何も飲まない」
☆情報 あ・ら・か・る・と①☆
小島美和子先生に聞く=その 1= ジョギングにおける正しい給水・給食
4
ジョギングにあたっての関心事トップ 3 は「減量方法」「疲労回復」「シューズ選び」
特に女性は「減量方法」を知りたい!?
☆情報 あ・ら・か・る・と②☆
小島美和子先生に聞く=その 2= ジョギング後の疲労回復について
小島美和子先生に聞く=その 3= ジョギングとダイエットについて
5
ハーフマラソン以上の大会への初挑戦は、約 8 割がジョギングを始めて 2 年未満
6
マラソン大会に向けた食事調整、大会直前に本格化!?
☆情報 あ・ら・か・る・と③☆
小島美和子先生に聞く=その 4= マラソン大会初心者必見!
大会に向けた段階別食事調整<前編><後編>
7
レース後の疲労回復に役立った実体験は、「ストレッチ」「入浴」「栄養補給」etc.
☆情報 あ・ら・か・る・と④☆
小島美和子先生に聞く=その 5= 冬場のジョギングのポイント
小島美和子先生に聞く=その 6= 誰でも手軽に食べられる“ランナー飯(めし)”
小島美和子先生に聞く=その 7= ランナーが月曜日も元気に会社に行ける 5 カ条!
2012 年 1 月
マラソンブームが本格化し、全国各地では市民マラソン大会が開催され、東京マラソンも間近に控えています。初めは外見
から入ったランナーも、栄養補給や体調管理など、身体の内面ケアに対する関心を高めているのではないでしょうか。
ミツカンでは、関東圏および近畿圏に住む、週に 1 度以上ジョギングしている 20~50 代の男女 416 名を対象に、「ジョギン
グの栄養補給に関する調査」を実施しました。
その結果、ジョギングを始めたきっかけは「健康維持」「運動不足解消」「ダイエット」など健康を気遣った理由が多数を占め、
ジョギングにおける関心事は「減量方法」や「疲労回復」などが挙げられました。また、マラソン大会に向けた食事調整にお
いては、大切な期間である 1 カ月前~1 週間前での取り組みがあまり見られず、大会直前になってようやく取り組んでいるこ
とが明らかになりました。
そこで、「情報 あ・ら・か・る・と」では、企業の健康教育やランナーの食事指導などを行う有限会社クオリティライフサービス
の代表取締役で、管理栄養士の小島美和子(おしまみわこ)先生による、「マラソン大会出場に向けた食事調整のポイント」
や「給水・給食のポイント」、「ジョギング後の疲労回復」など、ジョギングの栄養補給に関するアドバイスを紹介します。
調査結果のポイント
1
ジョギングを始めたきっかけは、「健康維持のため」(86.3%)、「運動不足を感じて」(65.4%)、「ダイエットのため」
(56.5%)。健康を気遣って始める人が多数。「美容」は男性 6.7%に対して女性 36.5%。
2
1 回のジョギングで走る距離は、ビギナーランナーの 56.5%が「3km 未満」、ベテランランナーは「5km~10km」が 31%。
ジョギング頻度は全体の約 8 割が 1 週間に「1~3 回程度」(81.0%)。
3
ジョギング前後に最もよく飲まれている飲料は「天然水・ミネラルウォーター」(前:47.1%、後 52.9%)。
ジョギング中には約 6 割が「何も飲まない」(57.0%)。
4
ジョギングにおける関心事は「タイムを縮める方法」(14.7%)より、「減量方法」(36.8%)や「疲れを効果的に取る方
法」(35.3%)。「減量方法」は、男性 28.8%に対して、女性は 15.9 ポイント上回る 44.7%。
5
約8割が、ジョギングを始めて2年までの間にハーフマラソン以上のマラソン大会に初挑戦!
6
マラソン大会 1 カ月前~1 週間前に、積極的に摂取する食物は「特にない」が 1 位(59.1%)も、大会直前には 5 割が
「炭水化物」を積極摂取。
7
【自由回答から】マラソン大会経験者の実体験により、レース後の疲労回復法として役立ったことは、主に「ストレッ
チ」「栄養補給」「入浴」「マッサージ」。
◇
◇
◇
◇
調査テーマ:ジョギングの栄養補給に関する調査
調査対象:週に 1 度以上ジョギングをする 20~50 代の男女
調査エリア:関東圏、近畿圏(在住)
有効回答数: 416 票
年齢層
関東圏
居住地
近畿圏
20 代
30 代
40 代
50 代
合計
男性
26
26
26
26
104
女性
26
26
26
26
104
男性
26
26
26
26
104
女性
26
26
26
26
104
104
104
104
104
416
計
◇ 調査方法: WEB 調査
◇ 調査時期: 2011 年 12 月
2
調 査 結 果
1
ジョギングを始めたきっかけの上位は「健康維持」「運動不足解消」「ダイエット」
ジョギングを始めたきっかけを聞いたところ、「健康維持のため」がトップで86.3%、2位「運動不足を感じて」
(65.4%)、3位「ダイエットのため」(56.5%)と続き、健康を気遣ってジョギングを始めている人が多数を占める結
果となりました。一方で、「流行っているので」、「有名選手、芸能人ランナーに影響を受けたため」というミーハー
感覚で始めた人は、それぞれ4.1%、2.4%と尐数だったことから、多くの人が何らかの目的意識を持ったうえで
ジョギングを始めていることがうかがえます。
また、「美容のため」は女性が36.5%だったのに対して男性は6.7%、「ダイエットのため」は女性が63.0%で男性
が50.0%など、男女の美意識の差が表れた結果となりました。
「ジョギングを始めたきっかけ」(MA)(%)N=416
100
86.3 88.5 84.1
全体
75
65.4 63.9 66.8
56.5
50.0
38.7 42.8
34.6
36.5
21.6
6.7
25
健
康
維
持
の
た
め
運
動
不
足
を
感
じ
て
女性
63.0
50
0
男性
ス
ト
レ
ス
解
消
・
リ
フ
レ
ッ
シ
ュ
の
た
め
ダ
イ
エ
ッ
ト
の
た
め
15.4 16.3 14.4
美
容
の
た
め
13.0
13.7 14.4
マ
ラ
ソ
ン
大
会
に
出
た
い
と
思
っ
た
か
ら
も
と
も
と
走
る
こ
と
が
好
き
だ
っ
た
か
ら
9.1
10.1
8.2
健
康
診
断
結
果
を
受
け
て
7.5 5.3 9.6
4.3 4.3 4.3
4.1 2.4 5.8
そ
の
他
流
行
っ
て
い
る
の
で
知
人
に
勧
め
ら
れ
て
2.4 2.4 2.4
有
名
選
手
、
芸
受能
け人
た
たラ
めン
ナ
ー
に
影
響
を
2 【1回のジョギングで走る距離に、ビギナーとベテランで差
ジョギング歴半年未満のランナーは「3km未満」が約6割
1 回のジョギングで走る距離を聞いたところ、約 4 割の人が「3km~5km 未満」(38.9%)と回答し、トップとなりました
が、ジョギング歴別にみると、ジョギング歴半年未満のビギナーランナーの過半数が「3km 未満」(56.5%)と回答し
たのに対し、ジョギング歴 5 年以上のベテランランナーは 10.6%でした。逆に、「5km~10km 未満」と回答したビギナ
ーランナーは、わずか 10.1%で、ベテランランナー(31.0%)との差が大きく出ました。
また、1 週間のうちにジョギングを行う頻度は、経験を問わず約 8 割の人が「1~3 回程度」(81.0%)と回答しました。
「1 回のジョギングで走る距離」(SA)(%)N=416
「1 週間のジョギング頻度」(SA)(%)N=416
26.7
全体
8.4
0.7
0.2
半年未満
半年以上~1年未満
0.0
0.0
3年以上~5年未満
5年以上
0.0
0.0
0
半年未満
3km未満
34.2
39.5
50.7
30.3
3km~5km未満
48.0
24.5
10.1
0.0
半年以上~1年未満
11.7
60.2
1年以上~3年未満
10.6
16.8
25
31.0
8.3
16.7
28.3
41.6
45.1
5年以上
10.6
50
6回以上
36.7
38.3
3年以上~5年未満
20km以上
4回~5回程度
11.2
15km~20km未満
35.0
2回~3回程度
24.5
10km~15km未満
4.1
23.3
25.0
1回
53.9
15.8
0.0
5km~10km未満
20.4
7.1
3.3
1.7
50.2
13.9
39.1
56.5
33.3
22.4
2.6
1.3
0.0
1年以上~3年未満
全体
5.0
10.1
0.0
0.0
0.0
30.8
38.9
25.0
75
0
15.9
25
※本調査では、ジョギング歴半年未満を「ビギナーランナー」、5年以上を「ベテランランナー」と定義。
3
50
75
ジョギングの前後によく飲む飲料は「天然水・ミネラルウォーター」
(前:47.1%、後:52.9%)ジョギング中には「何も飲まない」が約6割
3
ジョギング前・ジョギング中・ジョギング後に、それぞれよく飲む飲料について聞いたところ、ジョギング前・後は、
1位「天然水・ミネラルウォーター」(ジョギング前47.1%・ジョギング後52.9%)、2位「スポーツドリンク・機能性飲
料」(ジョギング前26.7%・ジョギング後49.5%)だったのに対し、ジョギング中の1位は「飲み物は飲まない」
(57.0%)で、約6割の人がジョギング中に水分補給を行っていないことが分かりました。これは、ジョギング歴や
走行距離別に見ても大きな差がありませんでした。
「ジョギングの前・中・後によく飲む飲料」(MA)(%)N=416
ジョギングの前
ジョギング中
ジョギングの後
75
75
75
57.0
47.1
50
50
26.7
22.6
25
15.6
5.0
天
然
水
・
ミ
ネ
ラ
ル
ウ
ォ
ー
タ
ー
野
菜
ジ
ュ
ー
ス
・
果
汁
入
り
飲
料
24.3
ア
ル
コ
ー
ル
飲
料
飲
み
物
は
飲
ま
な
い
21.2
25
1.0
そ
の
他
飲
料
49.5
25.2
0.7
0
ス
ポ
ー
ツ
ド
リ
ン
ク
・
機
能
性
飲
料
25
52.9
50
0.2
9.4
3.4
0
4.1
3.4
0
天
然
水
・
ミ
ネ
ラ
ル
ウ
ォ
ー
タ
ー
ス
ポ
ー
ツ
ド
リ
ン
ク
・
機
能
性
飲
料
野
菜
ジ
ュ
ー
ス
・
果
汁
入
り
飲
料
ア
ル
コ
ー
ル
飲
料
そ
の
他
飲
料
飲
み
物
は
飲
ま
な
い
天
然
水
・
ミ
ネ
ラ
ル
ウ
ォ
ー
タ
ー
ス
ポ
ー
ツ
ド
リ
ン
ク
・
機
能
性
飲
料
野
菜
ジ
ュ
ー
ス
・
果
汁
入
り
飲
料
ア
ル
コ
ー
ル
飲
料
そ
の
他
飲
料
飲
み
物
は
飲
ま
な
い
☆ 情報 あ・ら・か・る・と ① ☆
◆小島美和子先生に聞く =その1=
ジョギングにおける正しい給水・給食
快適に走るために大切なことは、体内の糖分と水分を保つことです。そのためには、正しい栄養補給が重要です。
ジョギングにおける給水・給食で特に大切なのは、糖分の体への吸収スピードが食物によって異なることを考慮し
ながら、適切なタイミングで適切な食物を摂取することです。糖分はジョギングのエネルギー源として欠かせないも
のですが、体内に貯蔵できる量はわずかです。したがって、前回の食事から 5 時間以上経って走る場合は、補給す
る必要があります。ジョギングの 2 時間以上前であれば、ごはんなどゆっくり吸収されるものを、1 時間程度しかない
時はバナナやゼリー飲料などを、直前なら糖分を含む飲料で補給しましょう。
水は一気に吸収されるものではないので、走る人は日ごろから、こまめに水分をとることを意識しましょう。ジョギン
グ中は、どのくらいの時間を走るかがポイントになります。30 分程度のジョギングであれば、直前の水分補給で間
に合いますが、それ以上走る時にはこまめな給水を心掛けましょう。また、1 時間以上走る場合は、水分だけではな
く、スポーツドリンクなどでの糖分やミネラル類の補給も必要です。
ジョギング後は、疲労した体をいち早く回復させるために、糖分とたんぱく質を素早くかつ、普段より多めに摂取す
る必要があります。摂取の際には、栄養素もさることながら、摂取する順序も大事で、まずは糖分を補給し、その
後、たんぱく質を摂取するとより効率的です。先にたんぱく質を摂取してエネルギー源に使われてしまうと、筋肉の
回復に充てられなくなってしまうからです。また、糖分は、お酢と一緒に摂るとエネルギー源となるグリコーゲンの蓄
積を早めることができるため、お酢と組み合わせて摂取することをオススメします。
4
ジョギングを行うにあたって教えてほしいことトップ3
1位「減量方法」、2位「疲れを取る方法」、3位「シューズ選び」
ジョギングを行うにあたり、教えてほしいことを聞いたところ、1位「減量方法」(36.8%)、2位「ジョギング後の疲れを
効果的に取る方法」(35.3%)、3位「シューズの選び方」(34.9%)で、「タイムを縮める方法」(14.7%)など、速く走る
ことへの関心を上回る結果となりました。
また、「減量方法」を教えてほしいことに挙げたのは、男性が28.8%だったのに対して女性が44.7%と、女性が男性
を15.9ポイント上回りました。
4
「ジョギングを行うにあたり教えてほしいこと」(MA)(%)N=416
75
全体
50
44.7
36.8
28.8
35.3 33.7 37.0
40.4
34.9
29.3
33.4 35.1 31.7
25
27.9
19.2
男性
女性
36.5
20.7 18.3 23.1
15.6
20.2
11.1
14.7
17.3
12.0
12.3 12.0 12.5
1.9 1.9 1.9
0
減
量
方
法
ジ
ョ
ギ
的ン
にグ
取後
るの
方疲
法れ
を
効
果
ス
タ
ミ
ナ
が
つ
く
方
法
シ
ュ
ー
ズ
の
選
び
方
続
け
る
た
め
の
コ
ツ
特
に
な
い
エ
リ
ア
・
コ
ー
ス
の
選
び
方
タ
イ
ム
を
縮
め
る
方
法
大
会
に
向
け
た
調
整
そ
の
他
また、ジョギングを行う際に困っていることを聞いたところ、「時間が取れない」が36.1%でトップとなり、以下、「エリ
ア・コース選び」(29.8%)、「今後も続けられるか不安になる」(24.8%)と続きました。
「ジョギングを行う際に困っていること」(MA)(%)N=416
時間が取れない
36.1
エリア・コース選び
29.8
今後も続けられるか不安になる
24.8
特にない
19.0
スタミナがつかない
16.6
ジョギング後の疲れが取れにくい
15.9
足に合うシューズが見つからない
14.9
最適なウェアがない
12.3
タイムが縮まらない
10.3
故障しやすい
10.3
その他
4.1
0
25
50
☆ 情報 あ・ら・か・る・と ② ☆
◆小島美和子先生に聞く =その2=
ジョギング後の疲労回復について
ジョギング後の疲労回復には、走った後に、糖分とたんぱく質を「糖分」→「たんぱく質」の順で速やかに摂取すると
いった適切な栄養補給(=その1=参照)が大切な一方で、疲れを引きずってしまう人は、普段の食生活を改善する
必要があるかもしれません。
最近では、お菓子やカップ麺などを食事代わりにする人も多く、エネルギー量は足りているものの必要な栄養素が
足りていない人が多い傾向にあります。走ることでエネルギーだけでなく、色々な栄養素を消耗するので、日常生活
をギリギリ維持できる栄養状態でジョギングを始めてしまうと、当然疲れやすくなってしまいます。普段からバランス
のとれた食事を心掛け、体内の栄養レベルを上げることで疲れにくい体をつくっていくことがいちばんの近道といえ
ます。
また、走る時には自分のコンディションを把握することも重要です。必ず走る前の体調確認を習慣化しましょう。あま
りよくないと感じる時は、10 分程度走って様子を見るとよいでしょう。寝不足や二日酔い、残業が続いている時は無
理して走るのは絶対にやめましょう。大会当日も無理はやめましょう。無理して走っても回復に時間がかかり、その
後数カ月走れないという状況を招くこともあります。
疲労をコントロールできるようになることがステップアップの条件でもあるのです。
◆小島美和子先生に聞く =その3=
ジョギングとダイエットについて
ダイエットを目的にジョギングをする人は、早朝に走るのが効果的です。朝日を浴び、運動することで体温が上昇し、
基礎代謝を 1 日中高い状態に保つことができ、これが消費カロリーのアップに繋がるためです。
また近年、“炭水化物抜きダイエット”を実践する女性が増えていますが、これはグリコーゲンが水分とともに蓄えら
れる性質があるために、炭水化物の量を減らせば体重が落ちるというものであり、単なる水分の増減にすぎませ
ん。炭水化物は運動する際に必要なエネルギー源なので、目先の体重を気にして摂取を控えるのではなく、しっかり
摂って、しっかり運動することが、ダイエットの近道と言えます。
5
5
約8割が、ジョギングを始めて2年までの間に、ハーフマラソン以上の距離の
マラソン大会に初チャレンジ
ハーフマラソン以上の距離のマラソン大会に出場した経験がある人を対象に、ハーフマラソン以上の大会に出場し
たのはジョギングを始めてからいつ頃の時期だったかを聞いたところ、「半年~1 年未満」がトップで 29.1%、以下、
「2 年以上」(21.0%)、「1 年~1 年半未満」(17.7%)、「1 年半~2 年未満」「半年未満」(ともに 16.1%)と続きました。
つまり、「2 年以上」(21.0%)を除いた約 8 割の人が、ジョギングを始めて 2 年未満でハーフマラソン以上の距離の
大会に初挑戦していることになります。
「ハーフマラソン以上の大会に初出場した時期」
(SA)(%)N=62
半年未満
16.1
半年~1年未満
29.1
1年~1年半未満
17.7
1年半~2年未満
16.1
2年以上
21.0
0
6
25
50
マラソン大会に向けた食事調整、大会直前に本格化!?
マラソン大会出場に向けた食事調整として、レース 1 カ月前~1 週間前、レース 1 週間前~前日夜までに、積極的
に摂取する機会や量を増やす食物および、減らす食物をそれぞれ聞いたところ、いずれも 1 位は「特にない」(下図
①59.1%、②70.8%、③44.8%、④59.1%)でした。
「摂取を増やす食物、減らす食物」(MA)(%)N=154
①レース1カ月前~1週間前に増やす食物
特にない
野菜や果物などのビタミン
肉や魚などのたんぱく質
海藻類などのミネラル
米・パンなどの炭水化物
脂身などの脂質
その他
②レース1カ月前~1週間前に減らす食物
特にない
脂身などの脂質
米・パンなどの炭水化物
肉や魚などのたんぱく質
その他
海藻類などのミネラル
野菜や果物などのビタミン
59.1
27.9
24.7
21.4
20.8
7.8
4.5
0
25
50
75
特にない
脂身などの脂質
米・パンなどの炭水化物
肉や魚などのたんぱく質
その他
野菜や果物などのビタミン
海藻類などのミネラル
2.6
2.6
25
50
25
50
75
④レース1週間前~前日夜までに減らす食物
44.8
38.3
31.8
24.7
18.2
0
9.7
3.2
3.9
0.0
0.0
0
③レース1週間前~前日夜までに増やす食物
特にない
米・パンなどの炭水化物
野菜や果物などのビタミン
肉や魚などのたんぱく質
海藻類などのミネラル
脂身などの脂質
その他
70.8
20.1
59.1
31.2
8.4
7.8
5.2
0.6
0.0
0
75
6
25
50
75
しかし、レース当日の朝~レーススタートまでに積極的に摂取する食物および、積極的に摂取しないと決めている
食物をそれぞれ聞いたところ、積極的に摂取する食物の 1 位は「米・パンなどの炭水化物」(50.0%)、2 位「野菜や
果物などのビタミン」(35.1%)、3 位「肉や魚などのたんぱく質」(25.3%)で、積極的に摂取しないと決めている食物
では「脂身などの脂質」が 43.5%(2 位)と 4 割程度を占める結果となり、食事調整は大会直前になってようやく本格
化するものの、事前の調整にはあまり気を配っていない様子がうかがえました。
「摂取を増やす食物、減らす食物」(MA)(%)N=154
レース当日の朝~スタートまでに
レース当日の朝~スタートまでに
積極的に摂取する食物
摂取しないと決めている食物
米・パンなどの炭水化物
特にない
50.0
野菜や果物などのビタミン
脂身などの脂質
35.1
肉や魚などのたんぱく質
海藻類などのミネラル
24.0
米・パンなどの炭水化物
特にない
24.0
その他
7.1
脂身などの脂質
25
50
10.4
9.1
7.1
野菜や果物などのビタミン
1.9
海藻類などのミネラル
1.3
2.6
0
43.5
肉や魚などのたんぱく質
25.3
その他
46.8
75
0
25
50
75
☆ 情報 あ・ら・か・る・と ③ ☆
◆小島美和子先生に聞く =その4=
マラソン大会初心者必見!大会に向けた段階別食事調整<前編>
調査結果によると、マラソン大会に向けた食事調整は直前になって取り組む人が多いようですが、実はそれだけで
はなく、事前から段階的に調整していくことが大事です。ここでは大会 1 カ月前から前日までの食事調整のポイント
を段階別に紹介します。
【大会 1 カ月前~1 週間前】
大会の 1 カ月くらい前から時間をかけて炭水化物(穀類)やたんぱく質をしっかり摂取するような生活を定着させる期
間に充ててください。普段の基本的な食事の内容が重要になるので、おやつやアルコールは食事に影響を与えな
い(食事代わりにしない)程度に楽しむようにしましょう。
【大会 1 週間前~前日】
プロやベテランのランナーはグルコースローディング(グリコーゲンを通常より多く体に蓄積するための運動調節・栄
養摂取法)を取り入れますが、これはしっかりトレーニングを積んだ人でなければ効果が見込めない上に、炭水化物
を多く摂取することによる体重増加で、走りにくくなることもあるので大会初心者の人にはあまりオススメできませ
ん。初心者の人は、炭水化物を 3 食きちんと摂取し、おやつもバナナやパンなどの炭水化物にする程度で良いでし
ょう。それから、走っている時以外でも水分をこまめに補給する習慣をつけておくことも大事なポイントです。
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◆小島美和子先生に聞く =その4=
マラソン大会初心者必見!大会に向けた段階別食事調整<後編>
前編の内容を実践するのが難しいからといって悲観することはありません。ここからは、当日の朝からでも間に合う
食事調整のポイントを紹介します。
【当日朝~スタート前】
フルマラソンを 3 時間くらいで走る人は、スタート 3 時間前までに食事を済ませておきます。炭水化物を中心に摂取
していくことになりますが、レース前は緊張などで食欲がなくなりがちなので、コンディションに合わせて普段から食
べ慣れたものを無理せず摂るのが良いでしょう。無理をしたり、慣れないものを食べたりすると、逆に体調を崩して
しまいます。食事に関しても、当日をイメージして事前にトレーニング(シミュレーション)することが重要です。
5 時間以上で走る人は、ゴール時間から逆算して 7 時間くらい前を目安に食事をとり、可能であれば直前にもバナ
ナなどを食べると良いのですが、難しい場合は無理をせず、あとはレース中のこまめな補給を心掛けましょう。
【レース中】
フルマラソンを 3 時間くらいで走る人であれば、水分のみの補給でも大丈夫です。ミネラルウォーターなどの水に加
え、糖分の入ったスポーツドリンクなどを、その時の状況に合わせて摂るのが良いでしょう。その際、カロリーや糖
質を抑えた機能性飲料は充分な栄養補給にならないので、注意が必要です。
5 時間以上で走る人は給食も必要です。ただし、走りながら食べるのは想像以上に難しいので、事前に試しておくと良
いかもしれません。また、一度に食べると胃腸への負担がかかるため、こまめに尐量ずつ食べるのがポイントです。
【レース後】
レース後は、速やかに栄養を補給する必要があります。「糖質」、「たんぱく質」、糖分の吸収を早める「お酢」、この
3 つが理想の組み合わせです。これらをどのように摂取するかは、例えば体が食べ物を受け付けない場合、まずは
飲み物で摂り、その後、胃腸の回復度合いを考慮しながら食事で補うなど、その時の体の状態に合わせることが重
要です。また、アルコールの大量摂取はビタミンを消耗し、疲れが残る原因にもなるので、いつもより控えめにしまし
ょう。
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実体験として、レース後の疲労回復に役立ったこと
多数派は「ストレッチ」「栄養補給」「入浴」など
レース後の疲労回復のために実施していることや、役立ったことを自由回答で聞いたところ、「ストレッチ」「給水・給
食などの栄養補給」「入浴」「マッサージ」などの回答が多数を占めたことに加え、「睡眠」「クールダウン」も一定数
の回答がありました。
この他、尐数派の中には「体調によって練習メニューを調整するなどの柔軟な対応」や「規則正しい生活を心掛け
る」といった回答もみられました。
「レース後の疲労回復のために実施していること、役立ったこと」の主な回答(自由回答)
※下段は延べ回答者数
栄養・水分補給
ストレッチ
(給水・給食に関す
る回答の合計)
入浴
マッサージ
睡眠
クールダウン
46 人
35 人
32 人
23 人
17 人
11 人
8
☆ 情報 あ・ら・か・る・と ④ ☆
◆小島美和子先生に聞く =その5=
冬場のジョギングのポイント
冬場のジョギングは、寒さ対策が重要です。冬は血行も悪くなるので、ウェアなどの工夫も必要ですが、水分補給
にも注意が必要です。夏ほど汗をかいた実感はありませんが、必ず水分は補給しましょう。ただし、冷たいものを飲
むと体が冷えきってしまうので、ジョギングの前後、例えば飲み物を購入する際にも温かいものを選ぶなど、体温よ
り冷たいものを飲むのは避けた方が良いでしょう。冷え性の問題を抱える女性などは、食事に温野菜を取り入れる
など、消化の良いものを温かくして食べるようにして冷えを防ぐことも重要です。
それから、栄養状態が悪いと走った後に風邪をひきやすくなるので、風邪やインフルエンザが流行るこの時期は特
に注意が必要です。普段からたんぱく質をしっかり摂るよう心掛けましょう。
◆小島美和子先生に聞く =その6=
誰でも手軽に食べられる“ランナー飯(めし)”
【朝食】
・「納豆ごはん」「卵かけごはん」
朝は炭水化物が枯渇状態のため、摂取しないと体温が上がりませんし、たんぱく質はエネルギーに変える際に熱
を発するので、この 2 つの栄養素は朝食に欠かせません。また、脂質の比率が高いと体温の上昇を抑えてしまうの
で、パンよりごはんが好ましいです。これらを鑑みると、「納豆ごはん」と「卵かけごはん」は、炭水化物とたんぱく質
を効率よく摂取できる優れものなのです。
【夕食(レース後)】
・「鍋」「お酢ドリンク」
レース後は内臓が弱っているため、その日の夕食は胃腸に負担のかからないものが好ましく、焼き肉やかつ丼な
ど脂質の多いものは控えた方が良いでしょう。炭水化物は食べやすいものでかまいませんが、パスタは調理にオイ
ルを多く使用するので、あまりオススメできません。「鍋」は、魚や鶏肉などのたんぱく質や野菜が効率よく摂れ、〆
のうどんやおじやなどで炭水化物もとれるという点で優れています。寄せ鍋や水炊きをぽん酢で食べるようなあっさ
り味の鍋なら、レース後食欲がなくても食べられるのではないでしょうか。
また、レース直後に食べ物がのどを通らないような時には「お酢ドリンク」がオススメです。
◆小島美和子先生に聞く =その7=
ランナーが月曜日も元気に会社に行ける五カ条!
マラソン大会のほとんどは、日曜日に開催されるため、サラリーマンや OL の参加者の多くは、次の日に仕事があり
ます。そこで、レース後にできるだけ疲労を残さず、月曜日も元気に出勤するために取り組みたい五カ条を、以下に
紹介します。
ランナーが月曜日も元気に会社に行ける五カ条
第一条、 バランスのとれた食事を心掛けるべし!
⇒その心は…普段から疲れにくい体をつくっておくことが、疲労回復へのいちばんの近道です。
第二条、マラソン大会当日は、朝食に「納豆ごはん」、レース直後に「お酢ドリンク」、夕食に「鍋」を食すべし!
⇒その心は…「納豆ごはん」はご飯の糖分と納豆の良質なたんぱく質を、「お酢ドリンク」は体へのグリコー
ゲンの吸収を助けるお酢との組み合わせで糖分を、「鍋」は具材でたんぱく質、〆のおじやで炭水化物
と、それぞれのタイミングで適切な栄養素を効率的に摂取できます。
第三条、 レース後は、「炭水化物」「たんぱく質」「酢」の組み合わせで速やかに栄養補給するべし!
⇒その心は…走った後に必要となる炭水化物とたんぱく質、エネルギー源となるグリコーゲンの蓄積を早め
るお酢、この 3 つの組み合わせが、エネルギーが枯渇した体をいち早く回復させます。
第四条、 「炭水化物」→「たんぱく質」の順に摂取するべし!
⇒その心は…糖分を先に補給することで、たんぱく質を効率的に筋肉の回復へ充てることができます。
第五条、 「クールダウン」「ストレッチ」「マッサージ」などレース後の体のケアを怠らざるべし!
⇒その心は…適切な栄養補給に加え、適度な運動やマッサージなど体のケアが疲労回復に役立ちます。
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小島美和子先生プロフィール
小島美和子(おしまみわこ)
有限会社クオリティライフサービス 代表取締役
管理栄養士、健康運動指導士、女子栄養大学卒
食生活改善プログラム・コンテンツの開発、食教育サービスやヘルシーメニューの企画開発を行い、
食の現場で QOL を高めるサービスをデザインする。また、各種研修会での講師や専門テキストの執筆
活動を行い、TV、ラジオ、雑誌・書籍等でも活躍中。
毎年マラソン大会などへの参加をとおして、モットーである「健康を表現する管理栄養士」を体現中!
ランニング初心者から実業団選手まで、食事の大切さを伝授している。
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