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愛知県薬事審議会議事録

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愛知県薬事審議会議事録
愛知県薬事審議会
日 時
平成28年2月15日(月)
議事録
1
場 所
愛知県議会議事堂
午後3時から午後4時30分まで
2
1階
ラウンジ
3
出席者
委員総数17名中16名
(出席委員)朝倉委員、安藤委員、池田委員、井本委員、内堀委員、大塚委員、川
口委員、纐纈委員、佐藤委員、戸田委員、中北委員、中野委員、水野
委員、平松委員、村松委員、森委員
〔事務局〕健康福祉部保健医療局長始め11名
(愛知県健康福祉部保健医療局医薬安全課 髙橋課長)
大変お待たせいたしました。ただ今から「愛知県薬事審議会」を開催いたします。
私は医薬安全課長の髙橋と申します。議事が始まるまでの間、進行役を務めさせてい
ただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは始めに、開会に当たりまして、保健医療局長の松本から御挨拶を申し上げ
ます。
(愛知県健康福祉部保健医療局
松本局長)
本日は、年度末の大変お忙しいところ、愛知県薬事審議会に御出席いただき
ありがとうございます。
また、日頃から、本県の健康福祉行政、とりわけ薬事行政につきまして、格
別の御理解と御支援をいただいておりますことを、重ねて厚く御礼申し上げま
す。
この審議会は、県の条例により設置されました知事の諮問機関でございまし
て、愛知県の薬事に関する重要事項について御審議いただく会議でございます。
昨年度は、愛知県の医薬分業推進基本方針の改正につきまして、御審議いた
だき、審議会でいただいた御意見を踏まえ、医薬分業推進基本方針を平成27
年4月に改正させていただきました。
さて、最近の薬事の分野におきましても、「化学及血清療法研究所」、いわゆ
る「化血研」において、国の承認とは異なる方法で血液製剤を製造していたと
して、厚生労働省が110日間もの業務停止命令を出した、という問題が発生
いたしました。
これは、国民・県民の安心・安全を脅かす、大変重大な問題でありまして、
県といたしましてもこうしたことが二度と起こらないよう、監視・指導等に努
めてまいりたいと考えております。
1
また、昨年度の審議会でも御説明いたしましたが、平成27年4月には皆様
の御協力をいただき「あいち健康の森薬草園」が開園いたしました。この薬草
園は、薬草の活用を通じて心とからだの健康づくりに対する意識の向上を図る
ことを目的に整備したものであります。開園以降、さまざまなイベントを開催
しまして来園者の増加に努めているところですが、今後も県民の皆様に愛され
る薬草園を目指し、さらに努力をしてまいります。
さて、本日の審議会では、
「医薬分業の推進」をはじめ、7つの項目につきま
して御説明させていただきますが、皆様方から忌憚のない御意見をいただき、
今後の施策に反映させてまいりたいと存じますので、活発な意見交換をいただ
きますようお願いいたします。
いつも言っておりますが、本日御出席の皆さまの共通の願いというのは、県
民の皆様の健康、安全、安心だと思います、そうした共通の願いに向かってと
もに考えともに行動していくことを切にお願いしまして、開会にあたっての私
のあいさつとさせていただきます。
(医薬安全課 髙橋課長)
次に、出席者の御紹介でございますが、時間の都合がございますので、本日配布し
ております「委員名簿」及び「配席図」により、紹介に代えさせていただきます。
なお、本日御出席の委員のうち、新しく御就任いただいた方を御紹介いたします。
名古屋市健康福祉局参事の 池田功人委員でございます。
愛知県地域婦人団体連絡協議会の 戸田千里委員でございます。
名城大学薬学部長の 平松正行委員でございます。
また、公益社団法人愛知県医師会理事の纐纈委員及び愛知県医薬品卸協同組合理事
長の中北委員におかれましては、少し遅れての出席と御連絡をいただいております。
名古屋市立大学薬学部長の平嶋委員におかれましては、本日は所用により御欠席との
御連絡をいただいております。
この審議会の定足数の確認についてですが、委員数は 17 名であり、定足数は過半数
の9名であります。現在、14名の御出席をいただいておりますので、本日の会議は
有効に成立しております。
続きまして、資料の御確認をお願いいたします。次第の裏面を見ていただきますと、
配布資料一覧がございます。資料の方は、クリップを外していただきますと、資料毎
になっております。資料1の1、2、3、4、資料2の1、2、3、資料3、資料4
資料5、資料6の1、2、3、資料7となっておりますが、過不足等がありましたら
挙手をお願いいたします。
それでは、これから議事に入りたいと思いますが、以降の進行は佐藤会長にお願い
いたします。
(佐藤会長)
会長の佐藤でございます。
皆様の御協力をいただきまして、会議の円滑な運営に努めてまいりたいと考えてお
りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2
では、議題に移る前に、本日の会議の公開・非公開について、事務局から説明して
ください。
(医薬安全課 髙橋課長)
本日の会議は、愛知県薬事審議会運営要綱第3条に基づき全て公開とさせていただ
きたいと思います。
(佐藤会長)
よろしいでしょうか。それでは、本日の会議は全て公開とします。
続きまして、愛知県薬事審議会運営要綱第2条に基づき、議事録に署名いただく委
員を会長が2名指名することとなっております。
朝倉委員と池田委員にお願いしたいと思いますが、お二人ともよろしいでしょうか。
(朝倉委員
池田委員
了承)
(佐藤会長)
それでは、議題に入りたいと思います。始めに、議題(1)
「医薬分業の推進につい
て」、事務局から説明をお願いします。
(医薬安全課 横井課長補佐)
医薬安全課の横井と申します。議題(1)
「医薬分業の推進について」説明させてい
ただきます。資料は「1−1」から「1−4」までございます。順次説明いたします。
資料1−1を御覧ください。
「愛知県医薬分業推進基本方針」の改正について、説明いたします。
「愛知県医薬分業推進基本方針」につきましては、昨年3月に開催しました本審議
会で御承認いただきましたが、その後、今年度、平成27年4月1日付けで改正し、
公表いたしましたので、御報告いたします。
主な改正内容は資料のとおりですが、
「医薬分業の推進目標」につきまして、従来の
目標値である「60%」から、「全国平均を上回る」という目標に変更するとともに、
「地域格差の解消」という表現を加えております。
また、審議会での意見を受け、基本方針中の「かかりつけ薬局」という表記を「か
かりつけ薬局・薬剤師」という表現に改めております。
次ページ以降に新旧対照表及び改正後の基本方針全文を記載しておりますので、御
確認ください。
資料1−1の説明は以上になります。
続いて、資料1−2を御覧ください。
「医薬分業率の現状」について、説明いたします。
資料は、平成26年度の状況となっております。
資料左上の「全国の状況」を見ていただきますと、全国平均は68.7%のところ、
愛知県は59.9%で全国平均を8.8ポイント下回っており、都道府県別順位では
37位となっております。
医薬分業率の推移の図を見ていただきますと、分業率は毎年着実に伸びております
が、全国平均との差はなかなか縮まっておりません。
3
資料をおめくりいただき、A3の図を御覧ください。
2次医療圏別の医薬分業率を示した図になります。枠内の数字が平成27年3月時
点の分業率でありまして、網掛けが60%以上、白抜きが60%未満となっておりま
す。
西三河南部西と西三河南部東、東三河北部医療圏が60%未満となっており、三河
地域が比較的低い状況が継続しております。
資料を2枚おめくりください。
医療圏別医薬分業率の推移をグラフに表したものになります。各医療圏とも順調に
上昇しておりますが、東三河北部医療圏だけは、ほぼ横ばいとなっております。
資料1−3を御覧ください。
「医薬分業調査結果」でございます。これは昨年度の審議会において、医薬分業の
新たな目標に向けた取組の1つとして実施することを御説明したものでありまして、
とりまとめた調査結果について御報告いたします。
この調査は、県内の主要な病院の医薬分業実施状況を調査するとともに、分業を実
施している病院には医薬分業のメリットとデメリットを、分業を実施していない病院
には、実施しない理由をお尋ねし、今後の医薬分業の推進のための課題及び改善策の
検討を行うことを目的として実施いたしました。
調査対象は、国公立・公的病院や一般病床200床以上の病院など、地域で中核的
な役割を果たしている病院、計74病院を対象とし、平成27年4月に調査を実施し
まして、全病院から回答をいただきました。
まず「医薬分業の実施状況」ですが、医薬分業を実施しており、院外処方箋の方が
院内処方箋よりも多い病院が58病院、78%、実施しているが、院内処方箋の方が
多い病院が11病院、15%、実施していない病院が5病院、7%でした。
多くの病院が医薬分業を実施しておりますが、一部の病院で医薬分業を実施してい
ない実態となっております。
資料右の上側になりますが、分業率の高い病院に対し「医薬分業の悪かった点」を
聞いたところ、「時間外対応をしてくれる薬局がない(少ない)」という意見が最も多
く、次いで「薬局からの疑義照会が多く煩わしい」、「患者から医薬分業による自己負
担増の苦情が多い」、というものでした。
資料右下ですが、医薬分業を実施していない、または実施率の低い病院に対し、そ
の理由をお尋ねしたところ、
「院外の薬局へ行くのは患者にとって二度手間である」で
すとか「院内処方の方が患者負担が少ない」、さらには「院内処方を希望する患者が多
い」という回答が多くございました。
また、個別の意見としまして、
「院外薬局では患者データがない状況で調剤を行うた
め、安全性に不安がある」という意見や、
「カルテを見ずに行う服薬支援に不安を感じ
る」という意見がございました。
さらに、医薬分業を実施している病院でも、実施していない病院でも、医薬分業の
課題として、
「時間外、24時間対応の薬局がない又は少ない」という意見が共通して
ございました。
これらの「医薬分業の悪かった点」や、「医薬分業を実施しない理由」については、
今後さらに検討を行い、こうした課題が解決できるように取り組んでいく必要がある
と考えております。
資料1−4を御覧ください。
4
最後に、医薬分業については、現在国において様々な議論が行われておりまして、
本県における医薬分業の推進にあたってもこうした国の動向を注視していく必要があ
りますので、ここでは国における医薬分業関係の議論の内容について説明させていた
だきます。
これは、1月20日に開催されました「全国厚生労働関係部局長会議」の資料のう
ち、「患者のための薬局ビジョン」に関する資料の抜粋であります。
「患者のための薬局ビジョン」とは、患者本位の医薬分業の実現に向けて、かかり
つけ薬剤師・薬局の今後の姿を明らかにするために、平成27年10月に厚生労働省
が策定、公表した中・長期的なビジョンであります。
その中で、医薬分業に対する厚生労働省の基本的な考え方が示されております。薬
局の薬剤師が専門性を発揮して、患者の服薬情報の一元的・継続的な把握と薬学的管
理・指導を実施することにより、最近問題となっております、多剤・重複投薬の防止
や残薬解消につながり、ひいては患者の薬物療法の安全性・有効性が向上する、とい
うものであります。
その前提となるものが、
「かかりつけ薬剤師・薬局」の存在でありますが、現状は医
療機関の周りにいわゆる「門前薬局」が乱立し、多くの患者が門前薬局で薬を受け取っ
ているため、服薬情報の一元的な把握などの機能が発揮できておらず、患者本位の医
薬分業になっていない、と指摘されております。
次のページを御覧ください。
薬局ビジョンにおいては、
「かかりつけ薬剤師・薬局」が持つべき機能につきまして、
資料中ほどに記載がございますが、
「服薬情報の一元的・継続的把握」
「24時間対応・
在宅対応」「医療機関等との連携」の3つが掲げられております。
更に患者等のニーズに応じて強化・充実すべき機能として、資料の上段にプラス記
号で示されておりますが、
「健康サポート機能」と「高度薬学管理機能」の2つが挙げ
られております。
次のページを御覧ください
こうした「患者のための薬局ビジョン」を実現するため、国が平成28年度当初予
算として要求をしておりますのが、
「患者のための薬局ビジョン推進事業」でありまし
て、平成28年度においては資料の右下に記載がございます4つのテーマごとにモデ
ル事業を実施することとしております。
この事業は都道府県が実施することとされておりまして、本県としましても患者本
位の医薬分業の実現に向け、この事業の実現に向けて検討を進めてまいりたいと考え
ております。
医薬分業の推進についての説明は、以上でございます。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
(朝倉委員)
医薬分業が進んでいるということですが、比較的愛知県はまだ課題があることから
調査をなされたということで、その内容もよくわかりました。
しかし、その課題を解決するための具体的な取組の御説明がありませんでしたので、
その点について教えていただきたいということと、もう一点、医薬分業のこれからの
5
取組みということで、かかりつけ薬剤師・薬局は非常に大事だと思いますが、薬局が
地域的に範囲を明確にして設置されているのではなく、門前薬局や駅近くの薬局が多
いと思いますが、はたして本当に厚労省が定義しているような地域包括ケアシステム
にしっかり位置づけて、愛知県の中で整備していくということが具体的にイメージで
きないのですが、どのように推進していく予定なのか教えていただきたいです。
(医薬安全課 横井課長補佐)
まず、医薬分業の調査結果を踏まえた今後の取組についてです。
多くの病院で医薬分業を進めていただいておりますが、一部の病院でまだまだ進ん
でいない実態と考えております。
全体的な課題としては、今回お聞かせいただきましたアンケート結果の内容になる
かと思いますが、これは広い意味での課題でありますので、個々の病院で分業が進ん
でいないのは、地域の実情もあり、少し違う課題があろうかと思っております。
そこで、これからは個別に分業を実施していない病院に伺わせていただきまして、
そこでの課題等を聞かせていただき、解決できるところがありましたら一緒に考えて
いくという、個別のアタックを考えています。
次に、かかりつけ薬局の推進ということですが、県の方で開局場所を規定するとい
うこともなかなかできませんので、国の方も考えておりますのが、資料1−4で説明
しました「薬局ビジョンの推進事業」ということで、モデル事業を考えております。
モデル的によい取り組みを進め紹介していくことで、そちらの方に誘導できないかと
いうことを考えております。県の方でも予算要求をしているところですが、来年度に
向けて県の薬剤師会とも相談しながら事業の方を具体化していきたいと考えておりま
す。
(村松委員)
かかりつけ薬剤師の件で御説明させていただきたいと思います。
かかりつけ薬剤師というものは、私たち薬剤師側から「かかりつけ」と言うもので
はありませんので、県民の皆様が選んでいただくもので、私たち薬剤師は選んでいた
だけるように努力をしなければならないということを会員に訴えています。
薬局というよりは、薬剤師を選んでいただきたい。この「かかりつけ薬剤師」とい
う文言も、前回の会議で県の方にお願いをして入れていただいた訳ですが、薬局とい
う箱ではなくて相談をする薬剤師ですので、人と人ですので波長が合う合わないなど
好き嫌いはあるかと思います。処方箋を持っていったり、市販品の購入等で、色々な
薬局に行かれたことがあるかと思いますが、そういった時に、きちんと相談に乗って
いただける薬剤師をかかりつけ薬剤師として、薬の相談をしてほしいというのが、か
かりつけ薬剤師の制度と考えております。ぜひ、県民の皆様に信頼のできる薬剤師を
探し、かかりつけ薬剤師としていただき、医療を受けていただきたいと思います。
(川口委員)
昨年、お薬手帳一元化のことで発言させていただきましたが、患者のための薬局ビ
ジョンの中にはそのことが網羅されていたので、うれしく思いましたし、県民として
安心だなと思いました。モデル事業として、かかりつけ薬剤師・薬局のことがありま
したが、診療報酬の方にも反映されるようになっていますのでかなり進むのではない
かなと思って期待しているところです。しかし、患者の同意を得るという、患者一人
6
に対し一人の薬剤師に限って診療報酬が付くということも聞いておりますので、一人
の薬剤師を選ぶのは非常に重要なことになってくると思います。特に、高齢者は複数
疾患を抱えており、今は、A疾患に関してはA薬局、B疾患に関してはB薬局となっ
ていますので、自分の疾患に関してどの薬剤師さんを選んだらよいのかというのは非
常に難しいですが、このあたりの周知や教育をモデル事業の中に組み込んでいかない
と進まないのかなと思っていますが、いかがでしょうか。
(愛知県健康福祉部保健医療局医薬安全課 横井課長補佐)
モデル事業はただ今検討中のため、具体的なことがお話しできない状態で申し訳あ
りませんが、今いただいた御意見も参考にさせていただき、モデル事業の絞り込みを
行っていきたいと考えております。
(纐纈委員)
モデル事業の1、2、4は非常にいいもので芽があるのかなと思いますが、3の電
子版お薬手帳について、実は日本医師会の情報サービス協議会に土、日と行ってきた
のですが、そこで医療情報の電子化の話がありました。その中で、お薬手帳の話も少
しありましたが、愛知県で実際になんらかの形で動いているところがあるのかお聞き
したいのですが。
(村松委員)
先生は御存じかと思いますが、電子お薬手帳が今回初めて紙媒体のものと同じよう
に扱えるということになったのですが、電子版であればどれでもいいということでは
なくて、今、日本薬剤師会が行っているのが、日本薬剤師会の中にサーバーを置きま
して、そこへ全部のデータを集積して、患者さんから同意をいただいた場合、電子お
薬手帳を持っている患者さんについては、そこへ覗きに行くとその患者さんの全ての
データがわかるというタイプのもののみが、電子版として認定された訳です。
これから、進むと思いますが、現在、一部の業者がやっているものもありますので
そういったものを利用している方もいると思います。
(纐纈委員)
どういう形で進んでいくかよくわからなかったのですが、処方箋も電子媒体で飛ば
して紙媒体はなしにするという話を聞いたもので、現在全てが電子化されてきており、
電子カルテもそうですしレセプトも紙媒体は無くなってきています。今話を聞きいよ
いよ、処方箋もお薬手帳も電子的なところに向かうのかなと、少しは芽があるのかな
という気がしました。もし、全く芽がないようなものであれば、それを育てていくこ
とのどこに予算を注ぎ込むのかがわかりませんでしたので、お聞きしたところでした。
(村松委員)
電子版お薬手帳に100%移行するのはいかがなものかなというのが、薬剤師会と
しての意見です。
例えば、東日本大震災のときには、水をかぶっておりますので、スマホというのは
全てダメになっております。紙媒体というのは一番、確実なツールであり、誰でも見
ることができますので、電子媒体であってもそれをプリントアウトできないといけな
いとなっていますので、紙媒体としてのものは残るのではないかと思います。また、
7
電子処方箋についても私どもは積極的な賛成はしておりません。
(纐纈委員)
ただ、電子媒体については、クラウドで色々とやりますので、実際に医療機関では、
胸の写真から心電図から何から何まで全部電子化され紙媒体は無くなってきている現
状なものですから、実際には紙に打ち出すことはなくなるのかなという気もしており
ます。
(佐藤会長)
今回御報告いただいた内容は前回の審議会での御意見を踏まえまして、調査をいた
だいたものでございます。結果をざっとだけでも見ていただければ、すぐにお分かり
かと思いますが、分業調査結果のところですが、良かった点として一番数字が多いの
が⑤の薬剤師の病棟での業務が増えチーム医療が進んだという点、その次の⑥に挙
がっております薬剤師の病棟での業務が増え医師や看護師の負担軽減につながったと
いう点があげられております。トータルで申し上げますと医療の充実が図られたとい
うような言い方をしてもよいのかと感じられます。
一方、悪かった点としまして、④の「時間外対応する薬局がない、あるいは少ない。」
という点が課題になってきますでしょうし、③の薬局からの疑義照会が多く煩わしい
とこの辺りは、薬局側の開局の時間帯の問題と、病院側の理解の届かないところとい
いますか負担が増えてしまっているところが突出して感じているのかというように思
われます。
ただ、②の患者の自己負担額の増について苦情が多いというところですが、トータ
ルとしての医療の質が上がっているという点を、より県民の皆さまには御理解いただ
く、そのための適切なPR等も御検討いただくといったことが、今後課題になってく
るのではないかと感じた次第です。
いずれにいたしましても、前回お話しさせていただきましたワンストップの利便性
とダブルチェックの安全性の向上と、この両者の関係でいささか難しいところはあり
ますけれども、両者を上手く調和させながら県民の健康の向上につなげていってもら
いたいと思います。よろしくお願いいたします。
続いて、議題(2)「後発医薬品採用リストについて」、事務局から説明してくださ
い。
(医薬安全課 横井課長補佐)
「議題(2)後発医薬品採用リストについて」、説明させていただきます。資料は「2
−1」から「2−3」までございます。順次説明いたします。
資料2−1を御覧ください。後発医薬品につきましては、国は医療費の適正化の観
点から、その使用を強力に推進しておりまして、平成25年4月に厚生労働省が策定
した「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」に基づき、様々な取組
が進められております。ロードマップにおいては、後発医薬品の数量シェア目標を平
成29年度末までに60%以上としておりまして、その進捗状況としましては、資料
のグラフにありますように着実に上昇し、平成25年9月時点で46.9%となって
おります。
そうした状況の中、国は平成27年6月に数量シェアの目標を更に引き上げました。
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具体的には、資料の上に書いてありますが、平成29年央に70%以上とし、更に
平成30年度から平成32年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上にする、
という非常に高い目標といたしました。この目標達成に向けた本県の取組として、こ
のたび「後発医薬品採用リスト」を作成、公表いたしましたので、説明させていただ
きます。
資料2−2を御覧ください。この後発医薬品採用リストにつきましては、昨年12
月25日に開催しました「愛知県後発医薬品適正使用協議会」において検討のうえ、
作成、公表したものでございます。
まず「1 目的」でございますが、後発医薬品の使用促進のため、これから後発医
薬品を導入あるいは拡充しようとする医療機関や薬局が、後発医薬品を選択する際の
参考としていただけるように、県内の公立・公的病院等で採用している後発医薬品採
用リストを作成、公表するものであります。こうしたリストの作成は、本県としては
初めての試みでありますが、全国ではすでに20都道府県で実施されておりまして、
厚生労働省からもその作成が推奨されております。
「3 対象病院」ですが、公立・公
的病院のほか、地域医療支援病院や一般病床300床以上の病院など、県内の主要な
病院のうち、リスト提供に御協力いただいた52病院となっております。
「5 集計方
法」ですが、各後発医薬品について、採用している病院数を医療圏ごとにエクセルの
表形式で集計いたしました。
また、協力いただいた病院名については公表しておりますが、リストにおいては医
療圏ごとに採用病院数のみを集計して記載する形式としております。
なお、尾張中部医療圏については対象病院が1病院しかないため、名古屋医療圏に
含めて集計いたしました。
資料2−3を御覧ください。これが県のホームページに掲載しているリストとなっ
ております。なお、公表は「愛知県後発医薬品適正使用協議会」名で行っております。
1枚おめくりください。協力病院名について掲載しております。先ほど説明しまし
たとおり、52病院に協力いただきました。
更に1枚おめくりください。リスト本体になります。リストは「内用薬」「注射薬」
「外用薬」に分けて作成しておりまして、内用薬で33ページ、注射薬で27ページ、
外用薬で13ページ分となっております。
このリストは、県のホームページにエクセルの表形式でアップし、ダウンロードで
きるようにしてありまして、利用者は各自データをダウンロードし、自分の使いやす
いように加工していただくことを想定しております。なお、このリストは県保健所を
通じて各医療圏の保健医療福祉推進会議にも情報提供いたしております。
後発医薬品採用リストについての説明は、以上でございます。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
(纐纈委員)
12月に愛知県の後発医薬品の協議会がありまして、その際にも見せていただき、
県の医師会の理事会でも見てもらったのですが、医師会としては、開業医としては、
非常に役に立つだろうという話をしておりましたが、実は、ここに薬価も入れたらい
いのではないかと、薬価も非常にバラつきがありますが、値段というのも非常に参考
9
になりますので、ここに入れていただけるとありがたいという話がありました。以上
です。
(森委員)
弁護士でして、医療の事は素人ですが、個人的な経験をもとにお尋ねしたいのです
が、友人の医師2名とお話をする機会があり、ちょうどそこでジェネリックの話題に
なりました。それぞれ病院は違いますが、愛知県内の大病院に勤務している医師です
が、2人ともジェネリックには消極的な意見で「何が入っているかわからない、薬の
主成分は決まっているが、薬はそれだけではない、カプセルであったり、コーティン
グ剤であったり、接着剤のようなものであったり、どこの国で作ったかわからないも
のが入っていたりと、安全性が決して担保されていない」ということ2人が口をそろ
えて言っていたので、私もびっくりしたということがありました。
ですから、情報提供という意味で、成分としては間違いないでしょうが、薬として
どれだけ安全性が担保されているのかという点について、現時点で情報提供がされて
いるのか、今後どのように行っていくのかということを教えていただきたいと思いま
す。
(医薬安全課 髙橋課長)
薬につきましては承認制度でして、国が1つ1つ承認していくわけです。ですから、
ジェネリックはたくさんあるといっても、それらは全て個々に国の機関によって、成
分一つ一つについて確認をしておりますので、安全性に問題があるということはない
と思っております。
ただ、原材料において、日本国内だけではできないものがたくさんあります。東南
アジアから入ってくるものもありますし、ヨーロッパから入ってくるものもあります
ので、不安がおありになるのもわからなくもないですが、それについても国の方で全
て把握しております。現在ですと、国際的な整合性を図るということで、国の方も海
外の製造所まで行って調査をしております。それぞれ国相互でも同様のことを行って
おりますので、その点も心配ないと思っております。
(村松委員)
賦形剤など、色々なことが言われるわけですが、もちろん中国からのものもありま
すが、原材料については、厚労省が全て検査をして、OKとなったものだけが、使用
されます。
例えば、先発の医薬品で内服の錠剤だけで発売されたが、高齢者でも飲みやすいよ
う、飲みやすさを改善するために、OD錠、口の中でスッーと溶ける剤形に変えると
いうことがよくあります。この場合、賦形剤は最初の錠剤とOD錠ではまるっきり違
うわけですが、それにより、効果が変わったという報告例は、一度も聞いたことがあ
りません。そういった内容についての検査も国立衛研でやっておりますので、それは
杞憂ではないかと思います。
また、ジェネリックのメーカーでも大手の先発メーカーと同じぐらいの規模の工場
を持っているところがあります。中には、とんでもないところもあり、100%とは
言い切れませんが、大部分のものは大丈夫であり、あまり変なところのものは使わな
いでいただきたいと思っております。
10
(医薬安全課 髙橋課長)
行政の立場から言わせていただきますと、変なところはないと思っております。全
て監視業務の中で、工場の中も確認しておりますので大丈夫と思っております。ただ、
先ほどからありますように個々に成分を見ていくとそれぞれ違うものは使われていま
すし、作っている工場が違うということもありますから、患者によって合う合わない
やアレルギーの問題などが出てくることは確かです。そこは、我々もしっかり皆様方
に説明できるようにしていかなくてはならないですし、皆様方にも御理解して使って
いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(安藤委員)
愛知県消費者協会で勉強会をさせていただいて、ジェネリックの安全性に関する勉
強会もよく参加させていただきますが、帰りになると、普通の主婦は「でもやっぱり
心配だよね」と帰っているので、国の方も県の方も医療費が抑えられるなどPRをしっ
かりと、根気よく、続けていってもらいたいです。私も、そのようなところにできる
限り出席させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(中野委員)
私は、大学病院に長く勤めておりまして、その際は、ジェネリックはまだこれから
という時代でしたが、その時に一番問題になっていたことが、生物学的同等性という
きちっとした整合性がとれているかどうかでしたが、中には成分が光で分解するとか、
湿度が高くて分解するとか、もともとの薬剤の性質が保たれていないことで効果がで
ないということはありましたが、今のところ賦形剤でアレルギーが出る以外はほとん
ど先発と変わらないです。
私は、現在薬局におりますが、そこについては理解していただくよう努めておりま
す。
(平松委員)
どこまでやられているかは、わからないのですが、消費者が心配する原因は、先発
品とジェネリックの効果の出方のデータが確認できないからではないでしょうか。
例えば、薬剤師会や医師会では、病院や薬局で同じ成分の薬を使って、どの程度の
効果があるのか、ある程度分かっていると思いますので、個々の薬で、その後発医薬
品がどの程度、先発品と生物学的同等性が担保されているのか、効果はどうか、薬価
の違いはどうかなど、全部が一覧で見られるようなデータベースを作って、誰でも見
られるような形にすれば、患者さんに、効果が同じかどうか、後発医薬品を選択する
情報を提供できるのではないでしょうか。多くの方が、印象で話をされている感じが
しますし、賦形剤の特徴によっては、同じ成分が入っていても薬の効き方が違うとい
うこともありますので、その辺りを見えるような形にしてあげるのが良いのではない
でしょうか。
行政が主導で、薬剤師会とか大学などが協力するというのが良いのかなと考えてい
ます。
(村松委員)
データの件については、今回予算がつきましたので、ブルーブックという後発医薬
品の品質情報集が作られます。
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(森委員)
今のお話を伺ってよくわかりましたが、最初に申し上げたのが愛知県を代表する
最先端の病院で働いている医師2名ですので、偏っているわけでなく現場にいる医師
の代表的な意見であったり、または偏った意見で実態を知らないでそのような発言を
されているのであれば、それ自体に問題があるのではないかと思います。まずは、現
場で処方する医師に対する情報提供が大切であり、その上で消費者に理解をしていた
だくことが重要ではないかと思います。
ジェネリックを推進していくのであれば、現場の医師によく理解していただき、私
たちに分かるようなレベルで説明をしていただく必要があるのかなと思っております。
(村松委員)
後発品の効果についてですが、薬が治験においてダブルブラインド試験(2重盲検
試験)を行うように、不安感を持って後発品という頭で飲んだ場合に、効かないとい
うことが往々にしてあります。
大病院の医師が患者からこの後発品は効かないと言われた際に、血中濃度の測定ま
でやられていたのかどうか、ほとんどが患者からの要望で「この薬は効かないから、
前の薬に変えて」と言われると、これはやはりダメなんだなというイメージを抱いて
いる先生が多いと感じております。
(纐纈委員)
勤務医のことについて言われておりましたが、私も長いこと大学病院で勤務医を経
験しましたが、やはり勤務医の時代はほとんどジェネリックの話はされないです。先
発品のことしか話がされないですので、それしか頭に染み込んでいないのです。ただ、
病院の経営の中では、かなりジェネリックに変えているので、先生の認識違いで先発
と思っているものが実はジェネリックということはあると思います。
もともと私は薬剤師ですが、病院でジェネリックを選ぶ際にはかなり慎重になって
います。先ほどはコスト面ばかりお話ししていましたが、1つの先発に対して、20
から30のジェネリックがありますが、その中から1から2種類程度を病院の薬剤師
の先生がかなり努力して選んでおりますので、そこは信頼しています。今回のような
リストは我々にとっても大変ありがたく、データが充実すれば各医療機関の状況に
よって、後発薬を選ぶ参考になると思います。
(中野委員)
大学病院の時は、ジェネリックを一つ扱うにしてもメーカーをきちっと見て選びま
した。理由としては、たくさんあるメーカーの中には、流通が滞るところがあるのと、
5年毎に医薬品は薬効の再評価がありますが、その際に、なくなるものもありますの
で、注意して選ぶようにしていました。
町の診療所では、大学病院で使用しているジェネリックを調べている先生も見えま
すが、ジェネリックをメーカー名で指定してくるところもあります。大病院にいるM
Rさんの中でジェネリックメーカーのMRさんはほとんどおりませんので、大病院に
いるMRさんを信頼されて話を進めると、ジェネリックは全然ダメという判断に繋が
りかねないですので、その点については気を付けた方がよいと思っております。
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(佐藤会長)
いずれにしましても、ジェネリックも医薬品としては国の承認を受けきわめて安全
なものということが大前提であろうかと思います。特許との関係で安価になる点とし
て、製薬のプロセスに関係する部分はあるのかもしれませんが、先ほど中野委員から
ありましたとおり、5年ごとの再評価を受けていることを考えますと、安全性と共に
薬効も間違いないということが、伺ったところでは、言えようかと思います。
その意味では、医療費の削減等に向けて、こういったリスト作成共々、いわば誤解
を解くようなPRの方法をいかに行っていくかというところが今後の課題として大き
くなってくるのかと思います。
私としては、後発医薬品の「後発」という言葉がどうも偽物めいて響いているのか
なと、そのようなイメージが影響しているのかという気もしています。
この辺りは、国の方針も含めまして、今後の課題として御検討いただきたいと思い
ます。
続いて、議題(3)「緊急医薬品の配備について」、事務局から説明してください。
(医薬安全課 横井課長補佐)
「議題(3)緊急医薬品の配備について」、説明させていただきます。
資料3を御覧ください。
まず「1 緊急医薬品(抗毒素)について」ですが、緊急医薬品、具体的には「ま
むし」や「ボツリヌス」などの国有ワクチンにつきましては、医薬品卸業者を通じて
の入手が困難であり、治療に緊急を要するため、県が一括で購入し、県内の主要病院
に保管をしていただいておりまして、患者発生時に迅速に供給できる体制を整備して
おります。
「2」の、現在、本県において配備している緊急医薬品は資料のとおりでございま
して、まむし抗毒素、ガスえそ抗毒素、ボツリヌス抗毒素、ジフテリア抗毒素の4種
類を配備しております。
「3」の、県内の配備場所につきましては、県庁医薬安全課の他、国立病院機構の
名古屋医療センターには4種類全て、名古屋第一赤十字病院始め県内6病院にはまむ
し抗毒素を配備しております。
「4 緊急医薬品配備体制の見直しについて」ですが、緊急医薬品のうち「まむし
抗毒素」につきまして、見直しを予定しております。
まず、「(1)当面の対応」ですが、配備場所のうち半田市立半田病院から、まむし
抗毒素の保管を取りやめたい旨の申し出があったこと、あいち小児保健医療センター
から、2月から救急体制を強化するにあたり、まむし抗毒素の保管を行いたい、とい
う申し出があったことから、知多半島地域における配備先を変更いたしました。
次に「(2)将来的な対応」ですが、まむし抗毒素については、現状では医薬品卸業
者からの購入が可能となっており、緊急時でも安定的に供給が可能と考えられますの
で、県の備蓄対象医薬品から除外したいと考えております。
ただし、現在すでに配備しているまむし抗毒素については、使用期限が切れるまで
は配備を継続し、期限が終了したものから順次配備体制を縮小していきたいと考えて
おります。
なお、全国の状況を調査しましたところ、現時点で約半数の都道府県において、県
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としてまむし抗毒素は配備していない状況でございました。
緊急医薬品の配備についての説明は、以上でございます。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
(中野委員)
破傷風は、どのようになっていますか。
(医薬安全課 横井課長補佐)
現在は、県の方で備蓄はしておりません。
(中野委員)
普通に手に入るのでしょうか。
(医薬安全課 横井課長補佐)
特に問題ないと伺っております。
(佐藤会長)
よろしいでしょうか。
続いて、議題(4)「あいち健康の森薬草園の開園状況について」、事務局から説明
してください。
(医薬安全課 稲熊課長補佐)
医薬安全課の稲熊と申します。
「あいち健康の森薬草園の開園状況について」御説明いたします。
お手元の資料4と緑色の健康の森薬草園のリーフレットを御覧ください。
昨年度の本審議会で御報告させていただきましたとおり、大府市にある「あいち健
康の森公園」内に平成22年度に基本設計、24年度から整備を始め、26年度に整
備完了し、昨年、平成27年4月28日に「あいち健康の森薬草園」を開園いたしま
した。
この薬草園は約3ヘクタールの広さがあり、約150種類の薬木、薬草を栽培展示
しているとともに、薬草に関する各種イベントを開催しております。薬草園の管理運
営は、昨年度、公募により決定した「愛知県薬剤師会・日誠グループ」が指定管理者
となって実施しております。
次のページを御覧ください。
4月28日に開催した開園式典では、大村知事をお迎えして、来賓として愛知県議
会伊藤副議長を始め、地元市町及び近隣関係機関、薬業関係団体など46名の方を来
賓として迎え、開催いたしました。式典では、テープカットのほか、来賓の方による
記念植樹及び地元小学生による記念植栽を行いました。また、開園日翌日の4月29
日から5月10日のゴールデンウィーク期間中には、薬草に関する講演会や体験型イ
ベントを開催いたしました。
次のページを御覧ください。
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開園後は、定期的に薬草に関するイベントを開催しており、その中でも7月と8月
の「虫除けスプレー作り」や9月の「カレー粉作り体験」は特に人気がございました。
次のページを御覧ください。
開園以降の来園者数についてですが、12月末で 24,654 名の方にご来園いただき、
当初目標としていた年間 22,500 人を達成することができました。来園者数の月別推移
からは、夏休み期間中の7、8月の来園者数が少なくなっていることが分かります。
この傾向は薬草園のある「あいち健康の森公園」においても同様な傾向がありますが、
薬草園においてはより顕著に現れております。
県といたしましては、今後も指定管理者と緊密に連携し、薬草園の設置目的である
県民が薬草を活用した県民の健康づくりの推進を図ってまいりたいと考えております。
説明は以上になります。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
ないようですので、続いて、報告事項(5)
「麻薬及び向精神薬取締法の一部改正に
ついて」、事務局から説明してください。
(医薬安全課 佐藤課長補佐)
医薬安全課の佐藤と申します。
資料5を御覧ください。
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に
関する法律(第5次地方分権一括法)が平成27年6月26日に公布され、これに伴
いまして、麻薬及び向精神薬取締法の一部が改正されまして、平成28年4月1日か
ら施行されますので報告します。
主な改正内容は2点になります。
一つ目は、麻薬取扱者免許の有効期間が最長2年から最長3年となるものです。
麻薬取扱者とは、製造、輸入、卸売、医療機関での施用、薬局での処方せんに基づ
く調剤による小売(譲り渡し)、大学等研究機関での研究を含めた麻薬を取り扱う者を
指し、合わせて11種類の免許が規定されています。
このうち、都道府県では、卸売、医療機関での施用及び管理、薬局での処方せんに
基づく調剤による小売、大学等研究機関での研究等の5種類の免許の許可権者となっ
ています。今回の改正で、これら免許の有効期間が1年間延長されて最長3年になる
ものです。なお、
「最長」3年となるのは、枠で囲ってある中の改正の部分にあります
とおり、免許の有効期間が免許の日からその日の属する年の翌々年の12月31日ま
でとなっているためです。例を挙げて説明しますと、1月1日に免許を取得しますと
免許期間は3年となりますが、半年後の7月1日ですと2年6か月となります。
二つ目は、麻薬小売業者間譲渡許可にかかる事務・権限の国から都道府県への委譲
です。まず、麻薬小売業者間譲渡許可について説明します。麻薬小売業者は薬局が申
請することにより取得できる免許で、原則、同一県内の麻薬卸売業者以外から麻薬を
譲り受けることはできません。また、譲渡しは麻薬処方せんにより患者のみとされて
います。しかし、医療用麻薬の適正使用の推進及び疼痛緩和を目的とする在宅医療推
進のため、平成19年9月の省令改正により麻薬小売業者間における麻薬譲渡許可制
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度が創設されました。この許可を取得すると、自らの在庫不足により調剤することが
できない場合に限りますが、共同して許可を取得した他の薬局から必要な麻薬を譲り
受けることができます。
次に、改正内容ですが、現在、麻薬小売業者間譲渡許可に係る申請書及び届出書は
厚生労働省の出先機関である東海北陸厚生局麻薬取締部で受付・審査した後に許可書
を発行していますが、平成28年4月1日からは都道府県に事務及び権限が委譲され
ます。また、許可の有効期間は現在、最長1年ですが、麻薬取扱者免許と同じく最長
3年に延長されます。
今回の法改正によりまして、麻薬小売業者間譲渡許可の取得を促進させまして、医
療用麻薬を活用したがん患者等に対する在宅緩和ケア体制が充実することが期待され
ています。
報告は以上です。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
(纐纈委員)
免許の更新は3年ということですが、1年毎の麻薬使用量の報告義務は変わりませ
んか。
(医薬安全課 佐藤課長補佐)
麻薬使用量の報告義務については、変わっておりません。
(平松委員)
4月1日以降に変わるということで、今年の1月1日の人は2年間という認識でよ
ろしいでしょうか。
(医薬安全課 佐藤課長補佐)
おっしゃるとおりです。
(佐藤会長)
他にありますでしょうか。
ないようですので、続いて、報告事項(6)
「麻薬の管理に関する注意喚起等につい
て」事務局から説明してください。
(医薬安全課 佐藤課長補佐)
資料6−1を御覧ください。
麻薬等の管理に関する注意喚起について報告します。麻薬の事故届についてですが、
麻薬取扱者が、その管理する麻薬が滅失、盗取、所在不明その他の事故が生じた際に、
当該麻薬の品名、数量及び事故の状況等をすみやかに都道府県知事へ届出するもので
す。
表1を御覧ください。これは、麻薬事故届の届出件数を平成26年度から過去5年
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間記載しましたが、届出件数は年々増加しており、特に平成25年度は前年度よりも
100件以上増加しています。
表2を御覧ください。麻薬事故届の免許種類別届出件数を示しましたが、麻薬取扱
者の中でも、医療機関で麻薬を管理・施用する、麻薬管理者、施用者からの届出がほ
とんどを占めています。
表3−1を御覧ください。事由別の内訳を示したものですが、滅失として破損や流
出がありますが、特に流出が増加しています。これは、麻薬業務所数の増加、新たな
麻薬製剤の流通による麻薬使用量の増加等が原因と考えられます。
また、麻薬事故の中には、所在不明事故も例年のように発生しています。原因を調
査すると、多くは麻薬を取り扱う職員の不注意や手順を守らない等でありました。
そして、その他では、誤廃棄と廃棄違反が増加しています。
裏面の表3−2をご覧ください。誤廃棄と廃棄違反について詳細を確認しますと、
誤廃棄では医療従事者が、施用後に残った麻薬の廃棄方法を誤認して廃棄してしまう
事例が多数を占めました。一方、廃棄違反では、事前に麻薬廃棄届を提出して、県職
員の立会いの下で廃棄しなければならない場合に、医療機関側で廃棄してしまう事例
が多数であり、麻薬取扱者への注意喚起が必要と考えられました。
そこで、資料6−2のとおり麻薬の管理等に関する注意事項を取りまとめたチラシ
を作成しました。内容は、注意①では麻薬等事故の増加状況を、注意②では麻薬及び
向精神薬取締法違反として、事例1では廃棄違反について、事例2では麻薬診療所が
法人化する際の麻薬管理者等の手続き違反について、事例3では麻薬を譲り受ける際
に発行する麻薬譲受証の取扱い違反について注意喚起しています。
また、資料6−3では、今後は在宅医療が推進され、患者の自宅での連続注入器等
を用いた麻薬の施用が増加すると予想されるため、在宅医療における麻薬の管理等に
ついて取りまとめました。
そして、資料6−1から6−3については、昨年9月9日付けで「麻薬の管理に関
する注意喚起について」として公益社団法人愛知県医師会、一般社団法人愛知県病院
協会及び一般社団法人愛知県病院薬剤師会へ通知し、会員への周知を依頼しました。
更に、麻薬取扱者に対しては、昨年の10月及び11月の間に都道府県知事へ提出が
義務付けられている年間麻薬譲渡・譲受届出書の受付時に麻薬業務所の担当者へ資料
6−2のチラシを配付して注意喚起を実施しました。
今後も、麻薬が適正に管理されるよう麻薬取扱者へ注意喚起を継続していく予定で
あります。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
ないようですので、続いて、報告事項(7)
「骨髄バンクドナー登録者増に向けた取
り組みについて」、事務局から説明してください。
(医薬安全課 佐藤課長補佐)
資料7を御覧ください。
骨髄バンクドナー登録者増に向けた取り組みについて報告します。
白血病や再生不良性貧血等の治療法として骨髄・末梢血幹細胞移植が行われています
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が、患者と白血球の型(HLA 型)が一致するドナーからの提供が必要となります。HLA
型の一致する確率は兄弟姉妹では4人に1人、非血縁者では数百から数万人に1人と
非常にまれなため、現在でも移植を受けられない患者が年間2,000人以上います。
このため、広く一般の方々に対して善意の骨髄・末梢血幹細胞の提供を呼びかける骨
髄バンク事業が実施されています。
骨髄バンクドナー登録は、骨髄移植等を希望する患者のために、非血縁者で健康な
方の HLA データをあらかじめ調べて登録することで、愛知県赤十字血液センターの献
血ルーム等や県保健所、政令市及び中核市が実施する献血に併行した特別登録会等に
おいて登録することができます。
1の「骨髄バンクドナー新規登録者数の推移について」です。愛知県においては、
愛知県地域保健医療計画において毎年度1,300名を目標として新規登録者の確保
に努めています。しかし、表1の最近10年間の骨髄バンクドナー新規登録者数の推
移を見ていただきますと分かりますように、特に最近5年間においては目標を大きく
下回っており、新規登録者の増加への取組が必要とされました。
そこで、2の「骨髄バンクドナー新規登録者数の増加に係る対策について」ですが、
3項目の対策を実施しました。
一つ目は献血ルームでの取組で、平成27年1月から認定特定非営利活動法人あい
ち骨髄バンクを支援する会が、毎週日曜日に名古屋駅のタワーズ20献血ルームにお
いて啓発活動を実施しています。
二つ目は県保健所、政令市及び中核市が開催する特別登録会における取り組みで、
開催数の増加及び新規会場の開拓を実施しました。
三つ目は、啓発資材の工夫に係る取り組みで、お手元にお配りしておりますポケッ
トティッシュを御覧ください。はさんでおりますリーフレットは地元アイドルグルー
プの OS☆U の画像を無償で提供を受け使用し、三つ折りにすると OS☆U の画像が前面
に出るようにデザインしてポケットティッシュに入れて配付しました。
これらの対策を実施することにより、表2のとおり、4月から12月までの9か月
間において昨年同時期と比較して、愛知センターと記載してある献血ルームでは、
221名増加、特別登録受付では104名増加で、合計325名増加して814名と
なり、大きな成果を上げることができました。
3の「今後の対応について」ですが、愛知県赤十字血液センター、認定特定非営利
活動法人あいち骨髄バンクを支援する会等の関係団体と連携・協力しながら対策を継
続し、一人でも多くの新規登録者の確保に努めたいと考えています。
(佐藤会長)
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問はございませんか。
以上で、本日の議題は全て終了いたしました。せっかくこうした場に皆様にお集ま
りいただきましたので、残りの時間を意見交換に充てたいと思います。県の薬事行政
につきまして、御意見、御質問等がございましたら、どのような内容でも結構ですの
でぜひ御発言いただきたいと思います。
ございませんでしょうか。
それでは、意見交換はこれまでとさせていただきます。
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最後に、事務局から何かありますか。
(医薬安全課 髙橋課長)
本日の会議録につきましては、会議冒頭で会長が指名されましたお二人の署名者に
御署名をいただく前に、発言者の方にテープから起こしました発言内容を御確認して
いただくことにしておりますので、事務局から依頼がありましたら御協力いただきま
すようよろしくお願いします。
以上でございます。
(佐藤会長)
それでは、本日の薬事審議会はこれで終了いたします。
ありがとうございました。
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