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欧州(イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン)のガス事業と規制緩和

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欧州(イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン)のガス事業と規制緩和
IEEJ:2001年5月掲載
欧州(イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン)のガス事業と規制緩和動向
イギリス
天然ガス事情 一次エネルギー
ドイツ
フランス
スペイン
石油 40.0%
石油 56.3%
石油 38.2%
石油 56.6%
供給量中のシェア 天然ガス 37.1%
天然ガス 21.8%
天然ガス 33.5%
天然ガス 13.4%
天然ガス 11.3%
石炭 24.4%
石炭 7.5%
石炭 5.6%
石炭 17.1%
原子力 11.2% 原子力 13.2%
原子力 0.0%
原子力 40.2%
原子力 12.8%
水力 0.3% (1999)
水力 0.6% (1999)
水力 水力 2.6% (1999)
水力 2.2% (1999)
家庭用 34.9%
家庭用 32.4%
家庭用 30.1%
家庭用 37.0%
家庭用 14.0%
商業用 3.8%
商業用 8.5%
商業用 16.1%
商業用 4.3%
産業用 20.3%
産業用 42.4%
産業用 40.7%
産業用 45.4%
産業用 77.3%
発電用 30.2%
発電用 7.8%
発電用 19.3%
発電用 0.02%
発電用 4.4%
その他 2.5% (1999)
その他 13.6% (1999)
その他 その他 その他 916億m 3 (1999)
801億m3 (1999)
617億m 3 (1999)
377億m 3 (1999)
150億m 3 (1999)
(注1) 石炭 16.1%
需要用途別シェア
(注2) 商業用 12.0%
年間消費量 (注1) (90/99年平均伸び率 6.5%)
産業構造
イタリア
石油 35.4%
生産・輸入 1.4% (1999)
(90/99年平均伸び率 4.1%)
(90/99年平均伸び率 2.9%)
(90/99年平均伸び率 11.9%)
国内生産比率 19.6%
国内生産比率 26.3%
国内生産比率 4.1%
国内生産比率 3.6%
P/L輸入比率
P/L輸入比率
P/L輸入比率
P/L輸入比率
P/L輸入比率
1.4%
0% (1999)
80.4%
LNG輸入比率 0% (1999)
69.5%
LNG輸入比率 4.2% (1999)
生産者 7社 (AGIP(*)が90%を占める)
生産者 EAP(Elfの子会社)等
生産者 1社 (Repsol)
主要輸入国 ロシア、オランダ、ノルウェー
(*) ENI(炭化水素公社)の100%子会社
主要輸入国 ノルウェー、ロシア、アルジェリア、
主要輸入国 アルジェリア、ノルウェー、UAE、
主要輸入国 ノルウェー
主要輸出国 スイス、ベルギー、ハンガリー、
主要輸入国 アルジェリア、ロシア、オランダ リビア、カタール、ナイジェリア、
主要輸出国 アイルランド、ドイツ、オランダ
オーストリア
Canvey Island基地 (所有者 British Gas Plc)
なし
(SNAMが97%を占める)
トリニダード・トバコ
Le Havre基地 (所有者 GdF:現在休止中) Barcelona基地 (所有者 Enagas)
For‐sur‐Mer基地 (所有者 GdF)
Huelva基地 (所有者 Enagas)
※Edison/MobilによりRobigo市沖合に基地建設中
Montoir基地 (所有者 GdF)
Cartagena基地 (所有者 Enagas)
※BG現在イタリア南部に基地建設検討中
※Elfがボルドーに基地建設検討中。
※他に3ヶ所の基地建設計画あり
―
可(RTPA)
輸送事業者 18社 (Ruhrgas,BEB,Wingas,
オランダ
*輸入事業はGdFが独占
Panigaglia基地 (所有者 Snam)
―
(NTPA & RTPA導入予定)
輸送事業者 3社(GdF、GSO、CFM)
輸送事業者 2社 (Enagas、Gas de Euskadi)
Thyssengas等)
輸送導管延長 57,000km
輸送導管延長 30,400km
輸送導管延長 33,744km
輸送導管延長 10,957km
配給導管延長 265,000km
配給導管延長 303,000km
配給導管延長 177,000km
配給導管延長 153,864km
配給導管延長 22,663km
(延長数;2000年1月1日時点)
(延長数;2000年1月1日時点)
(延長数;2000年1月1日時点)
(延長数;2000年1月1日時点)
(延長数;2000年1月1日時点)
RTPA
NTPA
貯蔵設備 8ヶ所 貯蔵設備 39ヶ所 (所有者 地下貯蔵:BG Storage,LNG貯蔵:TLNGS)
最大貯蔵容量 3,459百万m 3 (1998)
Capacity Auction制[NTPA]
配給
RTPA
(NTPA & RTPA導入予定)
RTPA
貯蔵設備 8ヶ所 (所有者 Agip)
貯蔵設備 15ヶ所 (所有者 GdF)
貯蔵設備 2ヶ所 (所有者 Enagas)
最大貯蔵容量 15,100百万m 3 (1998)
最大貯蔵容量 10,200百万m 3 (1998)
最大貯蔵容量 1,000百万m 3 (1998)
(所有者 Rhurgas,BEB,Wingas等)
最大貯蔵容量 18,353百万m 3 (1998)
公共ガス輸送事業者(PGT) 11社 (BGTransco等)
(制度化せず)
RTPA
(制度化しない予定)
RTPA
地域配給事業者 214社
配給会社 774社(1998)
地方配給事業者 18社
配給事業者 19社 (配給及び販売)
*うち15社がGas Naturalグループ傘下
(地方配給事業者への卸供給、発電用・産業用需要
(Italgas Group(*)が家庭用商業用市場の30%を
*GdFのシェア 国内天然ガス輸送量 95%
Meter Reading Company 47社
家への販売)
占める)
産業用 79%
(*) SNAMが41%所有
家庭用 63%
シッパー 58社 (サプライヤーへの卸販売)
輸送事業者(発電用・産業用需要家への販売)
地方配給事業者 516社 (最終需要家への販売)
Comercializador 13社
大口(*)向けサプライヤー 60社
販売
可(RTPA)
輸送事業者 SNAMが導管を所有
輸送導管延長 18,400km
(TPA制度)
(TPA制度)
51.0%
LNG輸入比率 45.4% (1999)
生産者 10社 (BEB、Mobil、Wintershall等)
(注2)
配給
23.9% (1999)
4社で約80%を占める)
公共ガス輸送事業者(PGT) 11社(BGTranscoがほぼ独占)
(注2)
LNG輸入比率 71.9%
生産者 約30社 (Shell、Exxon‐Mobil、BP、BG
(TPA制度)
貯蔵
0.0% (1999)
(90/99年平均伸び率 3.4%)
※現在休止中
輸送
1.5% (1999)
国内生産比率 98.6%
LNG輸入比率 LNG受入基地
2.7% (1999)
(販売事業者;適格需要家への販売)
家庭用向けサプライヤー 26社
(*) 年間ガス消費量 2,500サーム(約5,725m 3)超需要家
(2000年10月時点)
規制緩和
背景
1980年代にサッチャー政権が競争原理導入による市場の自由 従来からガス産業に対する規制は緩やかなものであったが、
化を実施。ガスについてはBritish Gasの独占を崩壊させること 独占的な供給区域を設定するDemarcation Agreementと排他的
が主目的であった。
な導管敷設権を認めるConcession Agreementが競争を阻害す
るものとして批判の対象となっていた。
1992年にENIの民営化が行なわれたが基本的には反自由化路線
で行われた。またEUガス指令が審議されている間はイタリア
政府は保守陣営に属していた。しかし1995年の電力・ガス規
制局の創設以後自由化に向けた速度を加速している。
規制法
ガス法(1995改正)
エネルギー経済法(1935)
法2578号(1925):供給区域内の配給独占権
競争サービス法(1992)
競争制限禁止法(1957:1999年改正)
法 136号(1953):ENI創設
*ガス事業を行うためには、地方自治体から
石油ガス法(1982)
新エネルギー経済法(1998)
法 9号(1991):託送定義
Concessionを取得、特定地域の独占的な供給権を
公正取引法(1972)
法 359号(1992):ENI民営化
得ると共に供給義務が課せられる。
パイプライン法(1962)
法 481号(1995):電力・ガス規制局設立
国王令(1997):TPA制度の導入
法 625号(1996):AGIPによる開発・生産・貯蔵の
炭化水素法(1998)
Competition Act(2000)
(Verbandereinbsrung:業界4団体によるTPA合意書)
Utilities Act 2000(2000)
電力・ガス国有化法(1946)
独占の廃止
Gas Regulation 2000(2000)
規制機関
産業界の規制緩和要望圧力があるものの、政府は供給セキュ
リティと公共サービスの義務の確保を最優先しており、自由
化には消極的。EUガス指令で定められた期限までに国内ガス
関連法の改正を終えていない。
連邦経済省:エネルギー政策・関連法策定
ライセンスの発行等 州経済局:ガス事業の許可
公正取引庁(OFT):公正取引法に基づく市場監視
国王令(2000)
産業通商省:ガス事業の許認可
産業省・DIGEC:エネルギー政策の策定
市町村:ガス供給の可否、事業者の選定、供給区域
経済大蔵省:料金規制
連邦カルテル庁:競争制限行為の監視
の設定
州カルテル庁:競争制限行為の監視
電力・ガス規制局:料金規制、契約の適正化
競争委員会(Competition Commission):
(Competiton Act 1998により創設。MMCの機能の移管)
独占・寡占に関する監視、OFGEM、OFTからの付託問題
に対する勧告を実施
ガス消費者協議会(GCC):消費者の立場からの政策
提言、苦情調査・処理
1 / 4 ページ
ガス法(1987)
競争促進王令(1999)
法 164号(2000):EUガス指令に沿った自由化開始
電力・ガス供給庁(OFGEM):料金規制、託送規制、
当初は外国資本が国内へ介入する事を防衛する目的とEU主導による
自由化施策に反対するといった理由から政治面、商業面での利害関
係者の意見が一致し、Gas Naturalという民営会社が創設された。し
かし、1997年に公布された炭化水素法をきっかけとして自由化の速
度は増している。
経済省:エネルギー政策の策定、料金規制
国家エネルギー委員会:託送に関する紛争調停
IEEJ:2001年5月掲載
欧州(イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン)のガス事業と規制緩和動向
イギリス
規制緩和の経緯
ドイツ
イタリア
フランス
1998 Demarcation Agreement(供給区域設定契約)、
年間使用量200万サーム(約458万m3)超
Concession Agreement(排他的導管敷設
需要家に対する参入規制緩和
契約)の廃止(*)
電力会社に輸送する場合に限定
1986 BG民営化、規制機関(Ofgas)創設
(*)Demarcation Agreement:
1992 ENI民営化
年間使用量25,000サーム(約5万7千m3)超
ガス事業者間相互で、特定地域におけるガス事業者
財政赤字解消を目的
需要家を自由化
の独占を実質的に承認し、事業者同士が互いに供給
1996 AGIPのポー川流域における開発・生産・貯蔵
1988 MMC勧告(料金表公開、託送情報開示等)
区域へは進入しないことを協定したもの。
独占の廃止
1992 年間使用量2,500サーム(約5,725m 3)超
(*)Concession Agreement:
1999/5 EU指令に基づく国内法整備基準の規定(法144号) 1999/10 EUガス指令受容協議委員会からの報告
需要家に対する参入規制緩和
地方配給事業者が自治体との間で結ぶ契約で、独占
1999/9 Snamの国内市場自由化に対する提言
1995 PGT、サプライヤー、シッパーのライセンスを
料を支払う代わりに特定地域における導管敷設や
1999/11 反トラスト機関の提言
規定(ガス法)
需要家への独占供給権を得るもの。
1999/12 電力・ガス規制局の提言
1996 家庭用ガス市場に対する参入規制緩和開始
1997 BGは、Centrica、BGplcに分割
1946 「電気・ガス国有化法」
(*) 対象は国内生産者がグループ会社および
1996 国王令制定
ガス事業者の国有化によるGdFの設立
託送制度化(消費量120万m 3/日以上の
1985 大口分野(*)の料金を届け出制化
需要家に対し、導管およびLNG基地への
(*) 年間ガス使用量500万kWh(約39万m 3)以上
需要家
・段階的市場開放の規定(2013年から完全自由化)
1999/6 「EU指令に対応する国内法の整備」に関する白書
1999/11 法草案発表
・規制方式による託送
・Concession付与の廃止、ガス事業の許可制
の導入
2000/6 法案採択(継続審議)
1999 Royal Decree(6/1999)
2000/7 GdF、GSO、CFM 託送条件公表
・段階的市場開放の規定改正
(2008年から完全自由化)
2000/4 審議委員会からの答申
2000/3 Ministerial Decree
(Associations Agreement on TPA for Natural Gas) 2000/5 改正法議会にて採択
2000 BGTに対するPC規制一部撤廃(Direct Debit)
アクセスを認める。交渉方式)
1998 炭化水素法制定
1991 プライスキャップ制の導入
2000/2 改正法草案閣議決定
2000 Verbanderereinbarung
1998 家庭用ガス市場完全自由化(5月)
1991 限定的な(*)託送制度の導入
スペイン
1982 託送制度導入(石油・ガス法)
・TPA料金改正(平均15%値下げ)
2000/6 改正国内法発効(法164号)
2000/6 Royal Decree(6/2000)
・段階的市場開放の規定改正
(2003年から完全自由化)
2000/8 Ministerial Decree
・TPA料金改正(平均8%値下げ)
事業規制
・各事業者は、PGT、サプライヤー、シッパーの
・大口・小口の区分基準は特になし
ライセンスを取得する必要があり
・Gas Inputの制限
・供給義務は、小口需要家のみ(GdFのみ)
・Gas Natural社所有の導管と競合する新規の導管
(一企業が国内消費量75%以上の
・大口需要家は届出で供給が可能
の敷設を禁止(2005年まで)
・PGTは、サプライヤー、シッパーとの兼業禁止
ガスを国内輸送網に送出できない。)
・Gas Salesの制限
・原料供給源を分散化するため、1国からの輸入量
・ガス事業者の資格要件:公的資本が30%以上
(一企業が国内消費量50%以上のガスを販売できない。)
(本規制は新法制定時に廃止予定)
を総輸入量の60%以下とする。
・35日間分の備蓄義務
・Gas Salesの制限
・2002年1月1日までに、輸送部門と販売部門の別会社化
(2003年以降一企業が70%以上の国内シェア占めること
は不可。)
・Comercializadorは規制事業(再ガス化、輸送、貯蔵、
配給)との兼業禁止
供給区域
輸送
・PGTライセンスを取得する必要あり。
・Demarcation Agreement(供給区域設定契約)、
・法的独占権、国とのConcession契約の締結等はなかった
・現在は安定供給の観点から、輸送導管の所有権は「国」。 ・「輸送事業」は国から事業認可を受ける必要あり。
・基本的にBG Transcoの輸送導管に接続
Concession Agreement(排他的導管敷設契約)
が、Snamの独占状況(シェア96%)
・GdF等輸送事業者と国との間で事業委託契約を締結・運用 ・高圧P/L及びLNG受入基地建設に関しては政府からの
の廃止。(⇒供給区域の撤廃)
・近年Edison Gas等の新規参入者により輸送導管敷設が
・新法制定時には本制度を廃止予定。
Authorizationが必要。
行われている。
(供給区域あり)
配給
は禁止。 (供給区域維持)
・PGTライセンスを取得する必要あり。
・Concession Agreementは1998年新エネルギー経済法
・これまでは配給事業者と自治体間の供給契約である
・基本的にBG Transcoの輸送導管に接続
で廃止されたが、既存契約は最高20年間有効とされて
Concession契約(平均29年契約)で運用(供給区域設定) ・配給事業者と自治体間で事業委託契約であるConcession
・2005年まではConcession制度により運用(地域独占)。
いる。(⇒実際には依然独占状況)
・法164号の制定により、今後は最高契約期間は12年間。
・2005年以降Authorizationにより運用。
(供給区域あり)
販売
・2005年まではEnagas所有の導管と競合する新規導管敷設
(供給区域なし)
(供給区域なし;但し猶予期間あり)
・国から各自治体に配給権付与。
・「配給事業」は国から事業認可を受ける必要あり。
契約が結ばれている。
(配給網の建設・維持管理については供給区域維持) ・法改正後においても配給事業(配給網の建設・維持管理) (供給区域維持)
・供給区域はない。
・2003年以降全需要家が適格需要家となり、Supplierにより は独占事業として維持していく予定。
・Supplier of last resort(最終供給保障)の概念あり。
自由に販売事業が展開される。
(Supply Lisenceには、ある需要家にガス販売している
・「販売事業」については2003年以降全需要家が適格需要家
となり、Comercializadorにより自由に販売事業が展開される。
(供給区域撤廃予定)
(供給区域維持)
(供給区域撤廃予定)
Supplierが倒産した場合、Ofgemはその需要家に販売
するSupplierを命ずることができる。)
供給義務
・詳細な規定あり。
・事業者の低圧供給における供給条件及び
ex. 高齢者に対する供給義務等。
・Concessionを与えられた地域内の供給義務。
家庭用料金の公表義務。 ・新規・既存顧客の安全管理義務
・フランスでは供給義務に関してユニバーサル・サービス
・Authorization制度では①供給確保の義務、②供給網
までの義務はない。
拡大の義務、③供給を確保する為の備蓄義務が規定。
・その条件及び料金により、いかなる需要家に対しても
・今後、Domestic Supplierと産業用Supplierの統合が考え
供給を行なう義務。
・国土整備と言う観点からGdFは基本的に平等にガスを
られており、その際に家庭用需要家への販売時の義務
が追加される予定。
配給することとされている。
(・但し経済的な理由(一般料金ではコスト回収が出来ない
・但し、採算性に合わないと判断した場合はGdFは供給を
こと等)から需要家に対し供給を拒否することは可能。)
料金規制
《大口(2,500サーム/年以上;5,725m3/年以上)》
・規制なし、料金は非公開
《家庭用 》
《大口(20万m3/年超)》
《大口(500万KWh;約39万m3/年以上 》
《大口(自由化市場)》
・交渉により決定、料金は非公開
・SNAMとイタリア産業連盟、中小企業連盟との交渉
・届出制(交渉料金)、料金は非公開
・当事者間の交渉による料金設定
・需要家が不当価格に対する申し立てを行った場合、
で設定
カルテル庁が規制を実施
・フォーミュラは公表され、消費量のカテゴリー別に
《小口 》
《産業用(非自由化市場)》
全需要家に適用される。
・プライスキャップ制、料金表は公開
・規制料金
・CentircaはOFGEMからプライス・キャップ規制を
拒否できる。
《産業・発電用 》
受けるが、他のサプライヤーは規制なし。
《家庭用 》
・料金は、重油、LPG価格にリンク
・全てのサプライヤーは料金表公開義務を持つ。
・カルテル庁による事後規制のみ。
・電力会社、配給会社向け料金は、当事者間の交渉
《プライスキャップ制 》
・ガス料金値上げの場合、同規模事業者の料金との比較
によって設定される。
・原料費の変動は、全額需要家にパススルー
・契約形態は供給中断可能契約とファーム契約の2種類
《プライスキャップ制 》
及びコスト面からの審査が行なわれる。
・電力・ガス規制局による規制はなく、交渉上紛争が生じ
・原則として春秋の年2回改定
・計算式は毎月見直し、その後官報にて公表。
・原料費のパススルーおよび1.5%のマージンが
・ガス料金の値上げを行ない不当な利益を上げた場合変更
た場合に調整を行う。
・フォーミュラ
認められている。
命令及び罰金(最高売上の10%)が課される。
・フォーミュラ
・料金表は公表する義務がある。
Pt = {1+(RPIt-4)/100}*Pt-1 + 1.015*(Gt+Tt+St)
+ 調整項目
・基本料金+契約数量×70.1×係数(2種類の
P = M + C × (I - G/2)
他燃料を考慮したもの)
《家庭用・商業用》
《小口 》
M:import cost × 1.12
・規制料金
・電力・ガス規制局による規制料金
C:non gas cost
・①原料費の平均価格+②輸送コスト+③低圧の配給
・料金表は公開
Pt:t年度におけるサームあたり上限価格
・2003年以降は自由価格となり、電力・ガス規制局は
RPIt:t年度と前年度の小売物価指数変化率
監督のみとなる。
Gt:原料費、Tt:輸送費、St:貯蔵費
I :inflation rate
G:gain of efficiency rate [G > 3.2%]
・算定方式は同一であるが、算出値は上限値。
・G:生産性向上率は3年に1度見直し。
・2000年4月からCentricaのDirect Debit需要家
コストが加算され算出される。
・複数2部料金制
・改定の際には官報にて公表。
・経済省では2003年以降も本規制を継続する予定。
(銀行振り込み)を規制対象外とした。
・2000年4月からCentricaは基本料金を廃止
(2段階制従量料金)
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IEEJ:2001年5月掲載
欧州(イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン)のガス事業と規制緩和動向
イギリス
部門別収支
ドイツ
・輸送部門と販売部門のOwnership Unbundlingを実施。
・現在法律上規定はなされていないが、今後会計分離に
関する条項を規定する予定(Accounts Unbundling)。
・Centricaは区分経理を行い、OFGEMに報告
イタリア
・部門別企業分離(輸送、販売部門)(Legal Unbundling)
フランス
スペイン
・輸送部門と販売部門の会計分離予定
・輸送部門と販売部門の企業分離(Legal Unbundling)
(Accounts Unbundling)。
・法164号にて2002年1月1日までに輸送・配給・貯蔵・
・1998年炭化水素法により輸送部門(再ガス化、貯蔵、輸送、
・上流P/L会社は輸送部門とその他の部門の会計分離
・(TPA条件を発表する際、Ruhrgas等は会計分離実施を
販売部門の別会社化を実施することを規定。
・会計分離及びChinese Walls(部門間の情報遮断)に関
配給)と販売部門の別会社化を実施することを規定。
・BG StorageとTLNGSは貯蔵部門とその他の部門の
発表している。)
・最終需要家数10万戸未満の配給事業者にあっては
する条項が規定される予定。
・再ガス化・貯蔵・輸送・配給事業については会計分離を行う
会計分離
2003年1月1日までに実施することを規定。
ことを規定。
・法164号の制定によりSnamは2001年中に販売部門を
・2000年5月、GdFは社内組織を輸送部門及び販売部門等
親会社であるEniへ移行させ、輸送専門会社になる予定
に組織分離。
・本法の施行に伴いGas Naturalでは1999年組織改変を実施
(輸送:Snam、貯蔵:Agip、配給:Italgas、販売:Eni)
し、輸送部門と販売部門を別会社化している。
EUガス指令に対応した ・1998年5月 完全自由化
・国内法整備は遅延の見通し
Ⅰ.2000年6月21日∼ (市場開放率96%) ・国内法整備は遅延の見通し
・2000年6月 Royal Decreeにより開放計画 5年前倒し 自由化範囲
・1998年エネルギー経済法により、Demarcation
①ガス火力発電事業者(コ・ジェネ事業者含む)
・法草案では以下の予定
Ⅰ.2000年∼ (市場開放率72%)
②年間消費量20万m 3以上の最終需要家
Ⅰ.2000年8月10日∼ (市場開放率20%)
①年間消費量300万m 3以上の最終需要家
により、理論上はいかなる事業者もあらゆる需要家に供
③国産事業者
①年間消費量2,500万m 3以上の最終需要家
②発電事業者
給が可能となり、また需要家側から見れば、あらゆる事
④卸事業者及び配給事業者
②発電事業者
③コ・ジェネ事業者
・(1982年以来続けられてきた段階的な市場開放が1998
年5月に終了し、市場全体の自由化が完了している。)
AgreementとConcession Agreementが廃止されたこと
業者が選択可能となった。
③配給事業者
Ⅱ.2003年1月1日∼ 完全自由化
・但し、TPA条件、会計分離等未整備な部分が多い。
(市場開放率100%)
Ⅱ.2002年1月1日∼ (市場開放率90%)
Ⅱ.2003年8月10日∼ (市場開放率28%)
①年間消費量100万m 3以上の最終需要家
3
①年間消費量1,500万m 以上の最終需要家
Ⅲ.2003年1月1日∼ 完全自由化(市場開放率100%)
Ⅲ.2008年8月10日∼ (市場開放率33%)
①年間消費量500万m3以上の最終需要家
TPA制度
RTPA
・Regulated TPA 及びNegotiated TPA採用
or/and
・Regulated TPA (輸送網・配給網)
NTPA
・Negociated TPA(貯蔵設備)
契約期間
・契約期間はEntry-Exit制で行われている為、
・Negociated TPA採用
・Regulated TPAを採用。
・BG TrnscoはTPA料金表を公開。
・Regulated TPAを採用。
・料金表で対応できないTPAサービスについてNegotiated
TPAで対応予定。
・標準契約期間として1年間。
・標準契約期間として1年間(暫定)。
Entryは1日∼6ヶ月、Exitは1年間である。
料金表
・Regulated TPA及びNegotiated TPAを採用予定。
・GdF公表のTPA条件では契約期間は最低1年間と
・標準契約期間として2年間とし、最低1年間とされている。
されている。
・TPA料金表は公開されている。
・TPA料金表は公開される予定。
・GdF、CFM、GSOの国内輸送事業者は自主的にTPA
・料金表は公開。
条件を設定し、料金表についても公表している。
Balancing
・Daily Balancing
・Hourly Balancing
・Daily Balancing
・未定
・Daily Balancing
TPA
・ファーム輸送サービス及び
・ファーム輸送サービスのみ。
・ファーム輸送サービスのみ。
・GdFではファーム輸送サービスのみ。
・ファーム輸送サービスのみ。
・VVでは拒否要件は規定されていない。
・拒否要件についてはNetwork Codeで規定される予定。
・未定
①供給設備に余剰能力がない場合
サービス
供給中断可能輸送サービスがある。
BG Trnascoの拒否要件
拒否要件
①ガスの品質が仕様に適合しない場合
②TPAにより供給義務を脅かす恐れのある場合
②シッパー間でガス取り引きが折り合わない場合
③互恵主義条項のない国に所在する企業の場合
③料金支払い能力に疑義がある場合
④Take or Pay契約を経済的、財政的に困難にする場合
④メンテナンス等により供給が不可能な場合
・PGTはOFGEM発行のライセンス取得義務が課せられる。
・2000年12月21日までに電力・ガス規制局により
・75,000サーム(約17万m 3)超需要家:
Network Code制定予定。
その他
PGT以外の事業者も輸送可能
・75,000サーム(約17万m 3)以下需要家:
以上離れた場所へ輸送可能、25ヤード以内は託送
対象設備:①高圧輸送ネットワーク
料金に比べ平均23%の値下げとなっている。
②地域輸送ネットワーク
・2001年1月1日までに新TPA料金体系が経済省により決定
(輸送・貯蔵・LNG設備別料金)。
③配給ネットワーク
され移行する予定。
④ガス・グリッドへの接続点
いるTPA料金で運用。
⑤LNG受入基地
・GdF公表TPA料金(距離方式)
・正式なTPA料金が制定されるまでは過去に公表されて
義務あり
・2000年3月及び6月にTPA料金が一部改正され、以前の
・TPA料金についても電力・ガス規制局が設定
PGTのみ輸送可能、他のPGTの導管から25ヤード
・2000年7月 GdFは独自のTPA条件を発表
(metering points/off-take points)
TPA料金
・PGTは、詳細な料金情報をOFGEMに提出
・料金表の届出義務はない。
・暫定TPA料金は、SNAMとUP(石油ガス生産組合)、
・TranscoはOFGEMからプライスキャップ規制を受ける。
・料金設定の考え方は下記のとおり
AMI(石油ガス精製組合)との合意によるもの(1994年)。①高圧輸送ネットワーク:
・託送料金の考え方は下記のとおり。
・Transcoは託送料金表を公表
①LDC料金:従量料金+キャパシティ料金(均一料金)
・託送料金の構成は下記のとおり
TCE(entry capacity)+TCAP(transport capacity)
(2000年12月31日まで)
②州内輸送料金:システムサービス料金(*)+
①National Transmission System (NTS)料金
②Local Distribution Zones (LDZ)料金
キャパシティ料金(均一料金)
(*)導管システムの運用に必要な費用
単価×契約LNG気化容量+単価×月間気化量
① 輸送能力比例料金+口径別距離比例料金(*)
(*) 口径の4つのカテゴリー別に1km当たり輸送
*ピーク日負荷比例のキャパシティ料金、輸送量
③遠距離輸送料金:システムサービス料金+
単価が設定されており、これに輸送距離を乗じて
比例のコモディティ料金から構成
キャパシティ料金(口径・距離に応じた料金)
算定
③Customer Charges
・上記による算定値は上限価格であり、さらに国際的
② ①の値に基準年に対する労務費・卸売物価指数
な託送料金が比較考量される。
の変化率を乗じて調整
*25,000サーム/年超の場合、ピーク日負荷
②地域輸送ネットワーク:
③託送料金:
TCAR(entry capacity)+TQAR(volume charge)
単価×契約ガス輸送容量+単価×輸送量
×距離+係数×ガス利用量
③配給ネットワーク
④貯蔵料金:契約貯蔵容量×単価
TFAD(fixed charge)+TCAD(capacity charge)
+TQAD(Volume charge) ・2000年3月及び6月に一部改正⇒平均23%値下げ
比例のコモディティ料金とデータログメーター数
比例料金から構成
①基本料金:単価×ガス利用量
+TQAP(Volume charge) ②LNG気化の利用料金:
・2001年1月1日までに新TPA料金体系に移行。
・2001年1月1日から新算定方式へ移行。
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④LNG受入基地:当事者間の交渉により決定
IEEJ:2001年5月掲載
欧州(イギリス・ドイツ・イタリア・フランス・スペイン)のガス事業と規制緩和動向
イギリス
紛争調停機関
ドイツ
Ofgem
Kartellamt
(Office of Gas and Electricity Markets;電力・ガス市場監督庁)(カルテル庁)
イタリア
フランス
スペイン
AEEG
CREG
(Autorita per l'energia elettrica e il gas;電力・ガス規制局)
(Commission for the Regulation of Electricity and Gas;
(予定)
National Energy Commission
(国家エネルギー委員会)
電力・ガス規制委員会)
(予定)
供給セキュリティ
・BG Transcoは冬期における需給ギャップに対処可能な
①輸入源の多様化
①35日間分の備蓄義務
ように万一に備え貯蔵設備に “Top-up”なガスを貯蔵して ガスの供給義務を履行を充足する為に備蓄に関する規
・新エネルギー経済法では第17条では「経済省は30日間 ①非EU加盟国からの輸入に関してはMICAの認可要。
②EU加盟国からの輸入に関してはMICAの届け出のみ。
②天然ガス事業者に年次ガス調達計画の提出義務付け
②一国からの輸入量60%以下
おく義務がある。
③年間輸入量の10%の貯蔵容量の確保義務。
③計画外の天然ガス輸入計画の禁止
定を公布すること」とされている。
・貯蔵設備のCapacity Auctionに当っては貯蔵容量の50
③Magrebパイプラインにより輸入されるアルジェリア産ガス
(予定) のうち75%は非適格需要家向け、25%は発電事業者
%は5年間契約、残りの50%は1年間契約とされている。
ガス市場への影響等
等適格需要家向け(輸入依存度偏重の防止)。
《大口 》
・新エネルギー法、VVの制定により、市場に競争が導入
・販売部門と輸送部門の企業分離及びConseccionの
・フランスでは国内天然ガス需要の95%を輸入に依存し
・新規参入者(Comercializador)とガス事業者との競争を
・Centricaのシェアの推移
されたが、ガス事業の場合は供給側が限られている為、
再入札・契約期間短縮により、LDC事業者数は減少。
ており、今後の市場自由化に伴い安定供給を如何に実現
通じて料金水準が低下することが期待されている。
急激な値崩れは起きないと見られている。
するかが大きな命題となっている。
・新しいガス流通の仕組み
37% → 22%
・電力業界ではガス業界よりも早く規制緩和が実施され
・国内法制定遅延の理由
②Comercializadorが輸入ガスを調達し、託送により
22% → 12%
需要家の獲得競争が起こったが、実際に需要家が事業
①EU電力指令に沿った国内法制定が遅れたこと。
需要家に販売
・産業用の料金は、1994年から1998年にかけて、
者を変更した例は少ない(ベルリンでは事業者を変更
②現政権が左派政権であり、自由化に反対の立場で
③ComercializadorがGas Natural社から卸供給を受け、
40%程度低下
した割合は2∼3%程度)。
ある為。
託送により需要家に販売
(1997)
Large Firm ( >25,000サーム)
(1999)
21% → 9%
Small Firm ( >2,500サーム)
Interruptible
①適格需要家が輸入ガスを託送により直接調達
・しかし電力料金は20%程度下がっている。
《家庭用 》
・GdFの今後の戦略
・1999年12月、Cepsaが国内初のTPA利用者となる
・Centricaのシェアは、73% (1999)
・2000年8月、Enronがドイツ・ガス事業者Rhurgasと
①自由化市場向けにスポット市場を活用。
(適格需要家としてアルジェリアLNGを輸入)。
・Centrica以外のサプライヤーは、Centricaよりも
TPA契約。Enronはドイツ南部地域の需要家へ供給
②国内シェアの減少分を欧州内の大口需要家獲得
・2000年3月、BP AmocoがComercializadorとして
Dual Fuelにおいては安い料金を提示
予定。
によって補う。
Gas NaturalとTPA契約締結。
・Dual Fuel Offerによる割引やスーパーマーケット、
③上流部門への参入(2005年時点で全販売量のうち
・2000年3月時点、25社のTPA申込みあり。
クレジット会社等との業務提携を実施する
15%を自社生産ガスに)。
サプライヤーが出現
・Royal Decree(6/2000)によりいかなる企業も一社で
・ガス取引多様化に伴うTrader出現の可能性
《自由化に対するGCCの評価》
Enagasの株式を35%以上所有できないことを規定 。
(2001年中に公開予定)⇒競争条件整備の一環。
○プラス面
・ガス価格の値下げ効果
・電力・ガス同時にサービス提供するEnergy Marketの誕生
・附帯提供サービスの充実
(ガス・電力料金がAir Milesサービスに加算される等)
・Supplierの事業効率化意識の向上
○マイナス面
・Supplierによる提供サービスの低下
・Supplier変更時手続きの際の各種問題
・NTSへのCapacity Auctions導入により末端価格の
低下傾向に歯止め。
・当初予想されていた程競争導入が
価格低下を招いていない。
・Pre-Payment需要家は市場自由化の恩恵を享受して
いない(BGTよりも安価な価格を提示しているSupplierは
3社程度)。
(注1)BP Amoco Statistical Review of World Energy 1999
(注2) Eurogas Annual Report 1999
※お問合せ先: [email protected]
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