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2016年8月号 (PDF形式 47キロバイト)
世田谷区立図書館の子どもの本・新刊紹介 2016年 8月発行(2016年5月発行分) 発行:世田谷区中央図書館 電話3429−1811 タイトル 著者名 (出版社) 分野 出版年 月 だちょうのたまごから、赤ちゃんが生まれそうです。そんな時、お母さんが どこかに行ってしまいました。鳥は生まれて初めて見たものを、お母さんだと 思います。そのたまごの前に、えりまきとかげ、はりねずみ、さるなどたくさ 絵本 んの動物がやってきます。 もし今生まれたら・・・と想像するのが楽しい、ユーモアたっぷりの絵本です。 2016.5 簡単な内容紹介 赤ちゃん なし 幼児 だちょうさんのたまご 谷口國博 文 村上康成 絵 (ひさかたチャイルド) トルーシー・トルトルとトラ ヘレン・スティーヴンズ 作 ふしみみさを 訳 (BL 出版) わたしのこねこ 澤口たまみ 文 あずみ虫 絵 (福音館書店) トルーシーのパパ、トビー・トルトルは大泥棒。ある日、トルーシーを連れ て行った動物園でも、いろいろな物を盗んでは大きな袋に入れていきます。そ れに気付いたトルーシーが、飼育係におしおきをお願いしますが、忙しくて聞 いてもらえません。そこでトレーシーは、盗んだ物を自分で持ち主に返そうと 絵本 しますが、間違えて別の持ち主に返してしまいます。そんなトレーシーの様子 を見ていたトラは、トビーが盗んでいた檻の鍵を見つけ、檻から出て、トビー に襲い掛かります。 主人公のうちにこねこがやってきて、くろという名前をつけました。はじめ は落ち着かなくて様子をうかがっていましたが、少しずつ仲良くなって、主人 公が家に帰ると「ニャアオン」と出迎えてくれるようになりました。ところが ある日、家に帰るとくろがいません。かあさんねこのところに帰ってしまった 絵本 のかと主人公は胸を痛めます。くろはどうしたのでしょうか。 こねこと接する女の子の気持ちをそのまま表現した文と独特な技法を用いた 絵が心に温かいものを残してくれる1冊です。 2016.5 2016.5 小学校低学年 日がさ雨がさくもりがさ 佐藤まどか 作 ひがしちから 絵 (フレーベル館) カワセミとヒバリとヨタカ あべ弘士 作 (小学館) ツトムとでんしゃのカミサマ にしかわおさむ ぶん・え (小峰書店) やさいの花 埴沙萠 写真 嶋田泰子 文 (ポプラ社) おさななじみのマミちゃんとケンカしてしまった未央(みお)は、心の中が どんよりくもり空です。しかも、雨が降りそうな天気なのに、お気に入りのい ちご柄の傘は壊れてしまっています。その時、魔法使いのような傘の修理屋の おじいさんが現れたので、傘の修理をお願いします。修理している間、 「くもり がさ」という青い傘を貸してもらいました。柄のないただの青い傘だったので 未央はがっかりしますが、その「くもりがさ」がケンカ中のマミちゃんと話す きっかけをつくってくれます。 ヒバリは、水に飛び込んで魚を捕まえるのが上手なカワセミを見て、自分の 方が高く飛べるので簡単だと思い水に飛び込みますが、泳げないのでおぼれて しまいます。カワセミに、君は泳げないけれど高く飛べるじゃないかと言われ、 気をよくしたヒバリは空高く飛びます。すると、その下を横一直線に飛んでい くヨタカが現れます。ヨタカは飛びながら虫を上手に捕まえたので、ヒバリも また真似をしてみますが、やはりうまくいかないようです。 鳥の飛び方にも様々な種類があり、得意不得意があることを生き生きとした 絵で表現した絵本です。 日曜日、ツトムとおばさんは、まちまでお出かけしました。たくさん遊んで 疲れた2人は、かえりの電車の中でぐっすり眠ってしまいます。すると、夢の 中で、なつかしい友達に会うことができました。目が覚めると、目の前にオカ ッパあたまの男の子が座っていて、 「なつかしい夢がみられたかい」と言いまし た。その男の子はカミサマだったのです。 この「でんしゃのカミサマ」の他に、ツトムとたのしい友達のおはなしが5 作入っています。 花を咲かせて実をつける「ナス」や「トマト」などの花は畑で見たことがあ るかと思いますが、 「レタス」や「ハクサイ」などは、人が葉を食べてしまうの で、花はめったに見ることができません。 「ゴボウ」は、アザミに良く似た花を 咲かせますし、 「ホウレンソウ」の花には、花びらがありません。 かわいくて不思議なやさいの花が、大きな写真で紹介されています。 1 物語 2016.5 絵本 2016.5 物語 2016.5 調べ 学習 2016.5 小学校中学年 ヤマネコとウミネコ 野中柊 作 姫野はやみ 絵 (理論社) のんびり村はおおさわぎ! アンナレーナ・ヘードマン 作 菱木晃子 訳 杉原知子 絵 (徳間書店) 山に住んでいるヤマネコの家族。ある日、子ども達を連れて海を見に行くこ とになりました。 「海にもウミネコがいる」と言うお父さんネコの言葉と、そし て初めて行く“海”という場所にも大喜びでした。海で出会ったウミネコは、 物語 自分たちとはまったく違う姿でしたが、すぐに仲良くなりました。 ヤマネコとウミネコのやりとりが楽しい物語です。 十歳の女の子アッベは母親と豪華客船クルーズで旅行中ですが、船の旅はと ても退屈でたまりません。そこで、去年の夏におじいちゃんとおばあちゃんが 暮らすのんびり村で友達とギネス記録に挑戦した思い出を、母親の携帯電話に 物語 録音することにしました。アッベたちの挑戦は、村の人たちを巻き込んで大騒 ぎになります。 ゆかいな夏の思い出の物語です。 2016.5 2016.5 小学校高学年 夜間中学へようこそ 山本悦子 作 (岩崎書店) ハーネスをはずして −北海道盲導犬協会の 老犬ホームのことー 辻惠子 著 (あすなろ書房) 調べ学習ナビ−テーマの 見つけ方からまとめ方まで −旅行編− 山本紫苑 著 調べ学習ナビ編集室 著 (理論社) 優奈が中学1年生になる4月に、「私も4月から学校だから」とおばあちゃん が言いました。おばあちゃんが行くのは夜間中学です。亡くなったおじいちゃ んを病院に見舞う際に夜間中学の看板を見て3年間も行こうかどうしようか悩 んでいたといいます。実はおばあちゃんはひらがなしか読めず、ずっとおじい ちゃんが代わりに文章を読んでくれていたのです。 なぜ、おばあちゃんがひらがなしか読めずに過ごしてきたのか。どうして中 学校にいきたいと考えたのか。そこには、夜間中学に通う仲間たちの多様な事 情、時代背景がありました。 学ぶということ、ふつうに学べる事の喜びを優奈の心の成長も交えて考えさ せられる本です。 子犬のころから訓練を受け、目の不自由な人に寄り添い続けた盲導犬達。で も、盲導犬として活躍できるのは約10年。その後の犬生をゆったりと過ごし てもらおうと、北海道に老犬ホームができました。他にも、老犬飼育委託ボラ ンティアの家などで余生を送る犬もいます。 盲導犬の育成に力を入れている北海道盲導犬協会と引退犬達の様子が書かれ た本です。 調べ学習の進め方・まとめ方にまだ慣れていない子どもでも楽しく学べる、 調べ学習の入門的な本です。テーマを決める「きっかけ」から、調べ方、まと め方まで、この本に沿って進めていくと、調べ学習のまとめが仕上がるような つくりになっています。また、テレビの番組を真似た旅や仮想の旅行など、読 んでいてわくわくするテーマや内容が盛りだくさんです。 物語 2016.5 ノ ン フ ィ ク シ ョン 2016.4 調べ 学習 2016.5 中・高校生 10代のための 「くじけない心」をつくる本 ボノボとともに −密林の闇をこえて− アポリア ―あしたの風― 中野 有美 著 (大和出版) 健やかに過ごしている人、順風満帆の人も壁が現れるかも知れません。困難 に遭遇するとマイナスの気分になります。その時、自分との向き合い方や相手 調べ との向き合い方、方向転換が鍵になります。そんなうまくいかなくなったとき 学習 に、どう乗り切るかのヒントを紹介している一冊です。 身近な例から、解決方法のヒントが隠されていて、とても参考になります。 2016.5 エリオット・シュレーファー 作 (福音館書店) 夏休みに、ソフィは別れて暮らすママに会うため、コンゴ民主共和国に戻っ て来ました。ママは、野生のボノボ(注)を保護する仕事をしています。ママの 所に向かう途中、ソフィは痩せたボノボの赤ちゃんを保護し、自分で育てる事 になりました。その後、内戦が始まり、人々が殺され、ママと離れ離れになり 物語 ます。ソフィはボノボと共に森に逃げ、様々なつらい経験をします。でも、彼 女はけっしてあきらめず、ボノボとともにママを探し続けます。 (注)ボノボは知性を備えた類人猿です。 2016,5 いとうみく 著 (童心社 中学2年生の一弥が不登校なって3ヶ月、突然の地震と津波に襲われました。 激しい揺れで家は押し潰され、母がいた台所は見る影も無くなっていました。 母を助けようと必死になりますが、津波が押し寄せてきます。見知らぬタクシ ーの運転手片桐に腕をつかまれ母をおいて避難します。一弥は行き場の無い思 物語 いを片桐にぶつけ、殴りかかります。 人との関わりを絶ってきた一弥は、孤立した避難先で少しずつ自分を取り戻 していきます。 2016.5 2