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平成22年度税制改正要望について (評価結果に対する意見等)
平成22年度税制改正要望について (評価結果に対する意見等) 平成21年11月26日 金融庁 主要項目 1 金融商品間の損益通算の範囲拡大に向けた必要な税制上の措置・・・・・・・・・・・・・・3 D (1) 金融所得課税の一体化の範囲の拡大 P 2 少額の上場株式等投資のための非課税措置の法制化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 8 生命保険料控除の改組に伴う所要の法制上の措置の実現・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 D (2)個人年金保険料控除の対象に年金積立傷害保険を追加 B 16 非居住者等が受ける振替公社債利子等の非課税制度の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・18 C(一部B) 17 民間国外債等の利子等に係る特例の恒久化等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 D 20 火災保険等に係る異常危険準備金制度の措置の恒久化又は延長 ・・・・・・・・・・・27 D 23 特定目的会社の導管性要件である特定社債の国内50%超募集要件の見直し・・39 (注)各項目の番号は国税のゼロ次査定に準ずる。また、他省庁が主担となっている項目を除く。 (参考) A:認める。(法案の提出等を前提とするものを含む) B:要望内容(要件等)の見直しが適切に出来れば、認められる。 C:要望内容の抜本的見直しができなければ、認められない。 D:認められない。 P:判断を保留するもの。 -:「主要事項」の中で取り上げるもの等。 1 主要項目 2 1 金融商品間の損益通算の範囲拡大に向けた必要な税制上の措置 D (1) 金融所得課税の一体化の範囲の拡大 【要望事項】 ○ 金融商品間(上場株式、公募投資信託、預金、債券、先物取引など)について損益通算の範囲を拡大すること。 ○ 債券の利子と譲渡損失の損益通算を認めるにあたって、現行の債券税制を見直すこと。 損益通算の範囲拡大 は、現行、損益通算が認められている範囲 インカムゲイン キャピタルゲイン 上場株式・公募株式投信 配当(申告分離) 譲渡所得(申告分離) 債券・公社債投信・預金 利子(源泉分離) 非課税 先物取引(取引所取引) 損益通算を拡大 雑(申告分離) ⇒ 金融商品間の損益通算が拡大することで、リスク商品に投資しやすい環境が整備 債券税制の見直し ・ ・ ・ ・ 【適正化案】 債券の利子・譲渡所得を申告分離方式に変更 「譲渡益課税の対象となる公社債の範囲の拡充」 利払日に個人等が保有している場合のみ源泉徴収 についても解消 デフォルト債券の損失は譲渡損失とみなす 償還期間3年以下の割引債について、発行時の源泉徴収を廃止 ⇒ 税による債券市場の歪み(課税玉・非課税玉の分断)が是正され、市場の流通性が改善 特定口座を最大限利用 ⇒ 損益通算において特定口座を最大限利用することで、投資家の事務負担が軽減 十分な準備期間を確保 ⇒23年度の法制化を目指し、施行には少なくとも法制化後1年間の準備期間を確保 特に、債券税制の見直しについては、大規模なシステム対応等が必要となり、本年度に大きな方向性を示す必要 3 債券の複雑な課税関係(現行) 発 利 付 債 割引債に類するもの (低クーポン債、スト リップス債等) 割 引 債 (ゼロクーポン債) 転換社債 行 時 インカムゲイン ― キャピタルゲイン 非 課 税 償還差損益 総合雑所得 源泉分離課税(20%) ※国外で支払われるも のは総合課税 ― 総合譲渡所得 発行時源泉徴収 (18%) 非課税 ※国外発行のものを国 内で譲渡する場合は、 総合譲渡所得 ※外国法人が国外で発 行する場合(国内事 業に帰属する場合を 除く)は免除 ※償還期間が1年以下 のもの(短期公社債 )は免除。ただし、 個人の保有は禁止 ― 源泉分離課税(20%) ※国外で支払われるも のは総合課税 総合雑所得 総合雑所得 ※発行時源泉された部 分(償還金額-発行 金額)については課 税済み 申告分離課税(20%) ※上場転換社債は10% 4 個人投資家から見た現行債券税制の課題 デフォルト債券の損失 発行体の破綻等によるデフォルト債券の損失は、税制上、家事費と扱われ他の金融所得と損益通算ができない。 中途換金時のハンデ価格(課税玉・非課税玉の分断) 個人から証券会社Aに債券を売却した場合、個人の保有していた期間に係る利子(経過利子)については、証 券会社Aが源泉税額相当額(20%)を売却時に差し引きこれを利払日に納付することで個人の課税関係は完了。 しかしながら、利払日前に当該債券を証券会社Bに転売してしまうと本来源泉徴収の必要がない証券会社Aの 保有していた部分まで源泉徴収されてしまう。(実務上、証券会社Aが保有していた期間の情報を証券会社B に引き継げない) このため、当該債券は、利払日まで他の証券会社に転売できないことを前提に売却されるため、市場価格より 低い価格(ハンデ価格)で売買されることとなってしまう。 源泉徴収(20%)対象期間 個人(課税玉) 利払日 源泉徴収免除対象期間 証券会社A ハンデ価格 【ハンデ価格の実例】(国債の買取価格) 個人からの場合・・・・・・・・・99.857円 金融機関からの場合・・・・100.067円 証券会社B 利払日 実際は転売ができない セカンダリ・マーケットでの二重課税 証券会社からセカンダリ・マーケットで個人投資家が債券を購入する場合、当該個人投資家が証券会社に支払 う経過利息部分については証券会社において法人課税される一方、利払日には経過利息を含めた全期間の利息 について源泉税が課されることとなり、二重課税が発生する。 社債の投資家別保有状況 経過利息5 利息10 利払日 元本100 経過利息5が法人課税 個人0.0% 証券会社 個人 利息10が課税(20%) 個人以外 二重課税 5 金融商品間の損益通算の範囲拡大に向けた必要な税制上の措置の検証 合理性 ○我が国個人金融資産(約1,400兆円)は、その過半数が預貯金に集中。個人投 資家の市場参加を促進することは、活力ある金融・資本市場を構築するうえで 重要な施策。 ○我が国の債券市場については、現行の債券税制により市場の流動性が阻害さ れているなどの問題がかねてから指摘されているところ。債券税制の抜本的な 見直しは、市場の拡大にとってなくてはならない措置。 有効性 ○金融商品間の損益通算の範囲を拡大することにより、個人の投資家が市場に 参加しやすい環境が整備。 ○債券税制が見直されることにより、市場の流動性が改善。 相当性 ○金融商品から生じる損益をネットで課税することにより、個人投資家にとって簡 素でわかりやすい税制が確立。 6 P 2 少額の上場株式等投資のための非課税措置の法制化 【要望事項】 ○ 上場株式等の配当、譲渡益に対する本則税率(20%)の適用開始時に、少額の上場株式等投資 のための非課税措置を創設すること。 ○ 制度設計にあたっては、不正防止のための番号制度等を利用した適正な口座管理方法や、非課 税口座の設定について要件違反があった場合における源泉徴収の取扱い等に留意するとともに、 投資家の利便性や金融機関の実務にも配慮すること。 少額の上場株式等投資のための非課税措置の創設(案) 1.非課税対象 2.非課税投資額 3.非課税投資総額 4.保有期間 5.口座開設数 6.開設者 7.導入時期 :上場株式等の配当、譲渡益 :毎年、新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可) :500万円(100万円×5年間) :最長10年間、途中売却は自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可) :年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可) :居住者等(20歳以上) :上場株式等の配当、譲渡益に対する20%税率の適用開始時 〈非課税措置のイメージ〉 1年目 非課税期間 2年目 3年目 4年目 5年目 最長10年 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目 11年目 12年目 13年目 14年目 年間1人1口座、 毎年100万円まで 最大5口座、 500万円まで 累積投資可能 7 家計等の金融資産の構成比(日、米、英、独、仏) ○ 我が国個人金融資産に占める株式・投資信託の構成比は、先進諸外国と比して依然として低い 日本(2009年3月末) 米国(2009年3月末) 7.2% 上場株式 3.8% 投信 出資金(非 3.4% 上場株式含 現金・預金 15.7% 24.9% 株式 12.9% む) 2.2% その他 3.9% 債券 3.0% 投信 12.1% 年金・保険 27.9% 現金・預金 55.8% 出資金 17.8% 年金・保険 27.5% その他 3.9% (合計1,409.3兆円) イギリス(2009年3月末) 上場株式 2.1% 現金・預金 33.4% 債券 0.8% その他 4.0% 株式 3.2% 出資金 4.1% 現金・預金 39.4% (合計3.5兆ポンド) 現金・預金 31.3% 10.1% 投信 7.6% 非上場株式等 7.1% 出資金 4.2% 債券 7.3% 債券 1.8% 年金・保険 33.9% 年金・保険 50.2% 上場株式 2.5% 14.4% 投信 11.2% (合計40.3兆ドル) フランス(2009年3月末) ドイツ(2009年3月末) 5.5% 投信 3.4% 非上場株式等 6.1% 出資金 0.04% 債券 10.3% その他 5.5% 年金・保険 40.2% その他 0.9% (合計4.4兆ユーロ) (合計3.4兆ユーロ) (注1) 日本は「家計」をベースとした値。アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスは「家計」+「民間非営利団体」をベースとした数値である。 (注2) 特にイギリスにおいて保有割合が高い「年金・保険」は、企業年金や年金型の生命保険といった私的年金であり、その一定割合は株式等へ投資されている。 (出典) 日本:日本銀行「資金循環統計」、アメリカ:Federal Reserve Board "Flow of Funds Accounts"、イギリス:Office for National Statistics"Financial Balance sheet" ドイツ:Deutsche Bundesbank“Monthly Report May 2009”、フランス:Banque de France“Quarterly financial accounts France" 8 証券税制に関するこれまでの措置は、高所得者層ではなく中所得者層 に属する個人投資家のすそ野の拡大に貢献 株式・株式投資信託(伸び率:2002年→2008年) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% (出所)総務省「家計調査」 94.8% 91.0% 80.8% 67.6% 48.8% 38.3% 全世帯平均 階級別平均年収・・・ <637万円> 階級別平均年齢・・・ <55.5歳> 第Ⅰ階級 <274万円> <62.5歳> 第Ⅱ階級 <409万円> <58.3歳> 第Ⅲ階級 <548万円> <52.7歳> 第Ⅳ階級 <736万円> <51.2歳> 株式・株式投資信託(保有額:2002年→2008年) 暦年 全世帯平均 <637> 第Ⅴ階級 <1,220万円> <52.8歳> (単位:万円) 年間収入5分位階級別 (<>内は階級毎の2008年における平均年収) Ⅱ Ⅲ Ⅳ <409> <548> <736> Ⅰ <274> Ⅴ <1,220> 2002(H14) 102 47 77 78 104 203 2008(H20) 171 65 150 149 188 302 [備考] 2008年(平成20年)平均年収 第Ⅰ階級 274万円、第Ⅱ階級 409万円、第Ⅲ階級 548万円、第Ⅳ階級 736万円、第Ⅴ階級 1,220万円、全世帯平均 637万円 2008年(平成20年)階級別年収区分 第Ⅰ階級:~350万円、第Ⅱ階級:350~471万円、第Ⅲ階級:471~630万円、第Ⅳ階級:630~873万円、第Ⅴ階級:873万円~ (注) 現行税率(10%)は2003年(平成15年)より開始(譲渡益は1月から、配当は4月から)。 二人以上の全世帯(農林漁業世帯を含む)が調査対象。2002年は6,822世帯、2008年は6,406世帯が調査対象。 株式・投資信託の保有額は時価。 9 英国における株式等投資優遇制度 期 間 個人貯蓄口座(注) (ISA; Individual Savings Accounts) 投資対象 預金、株式・債 券、生命保険 1999年~ 非課税 対象 年間拠出 限度額 利子、配当、 キャピタルゲ イン 7,200£ (約107万円) 残高 限度額 投資残高 及び口座数 なし 2,745億£ (約40.6兆円) うち、預金口座 は3,600£ (約53万円) 〔09年9月〕 1,422万口座 〔08年度〕 (注)英国のISAには株式型と預金型がある。 株式型ISAの投資残高の推移 億£ 1,400 1,200 1,000 800 1,165 600 400 704 801 786 2006 2007 2008 551 200 160 263 303 345 2001 2002 2003 468 0 2000 2004 2005 2009 年度 (速報値) (注)1£=148円(2009年10月末)換算。 (出所)英国歳入関税庁ホームページ 10 英国ISA利用者の所得階層別利用状況 ○ 約7割が3万ポンド(約444万円)未満の所得階層。 ○ 所得階層1万ポンド(約148万円)以上2万ポンド(296万円)未満の 利用者が最も多く、 全体の約3割。 (参考)株式型ISAの所得階層別利用状況 100,000£~ 3.7% 50,000~99,999£ 9.0% ~5,000£ 約7割が3万ポンド (約444万円)未満 10.2% 5,000~9,999£ 30,000~49,999£ 13.7% 18.0% 20,000~29,999£ 19.3% 10,000~19,999£ 26.1% (注)1£=148円(2009年10月末)で換算。 (出所)"OECD Tax Policy Studies Encouraging Savings through Tax-Preferred Accounts"(2007) 11 仏・独の少額投資等優遇制度 (2009年7月現在) 項 目 仏国 独国 制度の名称 株式貯蓄プラン (PEA:Plan d´epargne en actions) 貯蓄者概算控除制度 ① 一定の株式運用口座内で再投資される配当及びキャピタ 利子、配当、キャピタル・ゲインに対する所得控除 ル・ゲインは非課税 ② 当該口座が解約された場合、配当及びキャピタル・ゲインに 措置の概要 対し、口座保有期間に応じて以下の税率で課税 ・2年未満売却:34.6%(うち社会保障関連税12.1%) ・2年以上5年未満売却:30.1%(うち社会保障関連税12.1%) ・5年超売却:12.1%(社会保障関連税のみ) 株式等 預金、株式、債券等 限度枠 ○拠出限度 13.2万€(約1,742万円) (夫婦合算課税の場合は26.4万€(約3,485万円)) ○控除限度 年間801€(約11万円) (夫婦合算課税場合は1,602€(約21万円)) その他 ○預入総額 1,180億€(約15.6兆円) [07年9月末] ○口座数 701万口座 [07年9月末] 投資対象 ― (注)円換算レートは、1ユーロ=132円として計算(2009年10月末時点) 12 少額の上場株式等投資のための非課税措置の検証 合理性 ○平成20年度の実績評価において、今後の課題として、本措置の創設が明記さ れており、政策評価体系でも「個人投資家の参加拡大」が明記されている。 ○「貯蓄から投資へ」の流れを促進する観点から、個人投資家の裾野を広げるた め、少額の上場株式等の投資に対して非課税措置を講じるものであり、合理 性がある。 有効性 ○20歳以上の居住者等が、少額の上場株式等投資(100万円を限度)を行う際 に適用される措置であり、適用数が僅少であったり、特定の者に偏ることは想 定されない。 ○また、100万円の上限額及び個人投資家の7割近くが年収500万円未満の者 (日本証券業協会 平成20年「個人投資家の証券投資に関する意識調査」)で あることに鑑みると、本措置は「金持ち優遇」の政策にあたらない。 相当性 ○同様の政策目的に係る補助金等の他の支援措置等は当庁には存在しない。 ○毎年100万円を限度に配当及び譲渡益を非課税としており、一般の個人投資家 の裾野を広げるための措置として的確であり、必要最小限のものである。 13 8 生命保険料控除の改組に伴う所要の法制上の措置の実現 D (2)個人年金保険料控除の対象に年金積立傷害保険を追加 【要望事項】 ○ 現行の生命保険料控除制度を、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料 控除に改組することについて、平成22年度改正において法制上の措置を講ずること。 ○ 個人年金保険料控除の対象に、年金払積立傷害保険(損保年金)を追加すること。 現行制度 現行制度 要望事項 要望事項(新制度の法制上の措置の実現) (新制度の法制上の措置の実現) 制度全体の所得控除限度額 国12万、地方7万 一般生命保険料控除 個人年金保険料控除 (遺族、介護、医療保障) (老後保障) 一般生命保険料控除 介護医療保険料控除 個人年金保険料控除 (遺族保障) (介護・医療保障) (老後保障) ◎ 損保年金を追加 控除額上限 国5万、地方3.5万 控除額上限 国5万、地方3.5万 控除額上限 控除額上限 控除額上限 国4万、地方2.8万 国4万、地方2.8万 国4万、地方2.8万 ※ 本制度は新規契約から対象とする。 14 年金払積立傷害保険(損保年金)の仕組み図 ○損保年金とは、傷害保険に貯蓄機能を持たせた商品であり積立金を年金払いする商品である。 ○生保の年金商品とは、老後保障を目的とする保険商品として同じ機能を有している。 ≪積立保険料を運用する期間≫ ≪ 年 金 払 い を す る 期 間 ≫ 予定利息 積 立 保 険 料 純保険料(積立保険料)の合計 年金 年金 年金 年金 年金 年金 年金 年金 年金 年金 補償 保険料 傷害死亡保険金額 保険料払込期間 保険期間 15 年金払積立傷害保険(損保年金)における税制適格要件の充足状況 損保年金は以下にかかる個人年金保険料控除の適格要件をすべて満たしている。 税制適格要件 1 年金受取人は契約者又は配偶者のいずれかであること 根拠条文 所得税法第76条第4項第1号 保険料払込期間が10年以上かつ定期的に行われていること 2 〃 〃 〃 第2号 年金支払開始日における被保険者の年齢が満60歳以上かつ年金受取期間が10年以上であること 3 〃 〃 〃 第3号 4 年金以外の金銭による支払は、被保険者の死亡又は重度後遺障害に限られること 所得税法施行令第211条第1号イ 被保険者の死亡又は重度後遺障害に係る保険金の額は契約締結日以降の期間又は支払保険料の 5 総額に応じて逓増すること 〃 〃 〃 ロ 6 年金の支払は、年金支払期間を通じて年1回以上、かつ定期的に行われること 〃 〃 〃 ハ 7 年金の一部を一括して支払う旨の定めがないこと 〃 〃 〃 ハ 8 剰余金の分配は年金支払開始日前に行われないこと(又は払込保険料の金額の範囲内であること) 〃 〃 〃 ニ (※)上記はA社の取扱商品をもとに記載したものであり、一部会社には若干の取扱い差異が存在する可能性がある。 ただし、仮に一部に税制適格要件を充足しない商品があった場合、全ての要件を満たさなければ、個人年金保険料控除の対象にならないと考えている。 16 個人年金保険料控除の対象に年金払積立傷害保険を追加することの検証 合理性 ○少子高齢化が急速に進展する中、老後保障への国民の自助努力の促進を図 るためにも制度整備が必要。 ○年金払積立傷害保険は、損害保険契約であるため保険料控除の対象とされて いないが、生保が取り扱っている年金保険商品(保険料控除の対象)と同様の 機能を有しており、契約者の視点に立てば、年金払積立傷害保険も保険料控 除の対象とする必要。 有効性 ○保険料控除は、国民生活に深く浸透し、特定の者に偏ることなく広く利用されて いる。 相当性 ○老後保障への国民の自助努力を促進する措置として、より実効性のある代替 的手段はなく、政策手段として的確である。 17 B 16 非居住者等が受ける振替公社債利子等の非課税制度の充実 【要望事項】 ○ 非居住者等が受ける国債・地方債に係る利子の非課税措置について簡素化・拡充を図ること (注)簡素化=非課税措置の適用手続を発行体毎(多数)ではなく振替機関毎(日銀・ほふりのみ)に変更するなど。 拡充=非居住者等の範囲を海外の年金基金が対象となるよう明確化するなど。 ○ 非居住者等が受ける社債等に係る利子についても非課税措置を導入すること 恒久措置とすること 主要国においても恒久措置として導入(英米仏は、1980年代に導入) 。 時限措置では我が国社債市場への投資促進という政策効果は望めない。 非課税手続について抜本的に見直し、事務の簡素化を図ること 現行手続は、実務的に煩雑で多大な負担。 手続の抜本的な見直しがなければ、適用実績は望めない。 C(一部B) 17 民間国外債等の利子等に係る特例の恒久化等 【要望事項】 ○ 民間国外債等の利子等について、非課税措置を恒久化すること (注)現行制度は、平成22年3月末までの租税特別措置。 恒久措置とすること 当該措置の枠組は、昭和49年の導入以来、すでに35年間継続。 スイス発行債の特例(指定民間国外債制度)を存続させること 廃止されると、我が国企業のスイス市場における起債が消滅。 18 我 が 国 公 社 債 の 利 子 課 税 の 概 要 利子 課税(源泉徴収なし) (法人税で課税) ※平成15年度~ 海 公社債市場 国債 地方債 外 利子 非課税 ※平成11年~ 利子 非課税 ※平成19年~ 個人(居住者) 利子 課税(源泉徴収20%) (源泉分離課税) 利子 社債 (我が国企業が 国内で発行) 要望事項① 海外投資家に対する国債・地方債 の利子非課税手続の簡素化 要望事項② 課税(源泉徴収15%) 社債 利子 (民間国外債) 非課税 (我が国企業が海外で発行) (平成10年度~21年度まで) 海外投資家(非居住者、外国法人等) 内 煩雑な手続き (資本金 1億円以上) 国内法人 国 要望事項③ 国外発行の社債(民間国外債)の 利子非課税措置の恒久化 海外投資家に対する国内発行の社債等 の利子非課税措置の導入(恒久化) 19 我が国公社債の非居住者の保有状況 (2009年3月末) 非居住者 7.1% 非居住者 0.2% 国債 非居住者 0.6% 地方債 残高:797.7兆円 社債 残高:66.7兆円 非居住者以外 92.9% 残高:68.1兆円 非居住者以外 99.8% 非居住者以外 99.4% 【アメリカ・社債】 【イギリス・社債】 【ドイツ・社債】 【フランス・社債】 (2009.3末) (2009.3末) (2000.12末) (1999.12末) 非居住者 15.0% 非居住者 27.7% 非居住者 24.1% 非居住者 61.9% 非居住者以外 75.9% (出所)各国当局公表資料等より作成 非居住者以外 38.1% 非居住者以外 72.3% 非居住者以外 85.0% 20 主要国の非居住者の受ける公社債利子の非課税制度 (源泉徴収免除制度) ○ 主要国においては、非居住者の受ける公社債利子については、利子の支払地(源泉地 国)で課税(源泉徴収)せず、非居住者の居住地(居住地国)でのみ課税する方式が導入。 アメリカ イギリス ドイツ フランス 非課税措置(源泉徴収 免除)の対象債券(原則) ポートフォリオ 債券 国債 上場社債 債券全般 債券全般 非課税措置の適用 がない場合の税率 30% 20% 25% 18% ○ 主要国においては、公社債利子の非課税措置は恒久措置(英米仏は、1980年代に導入)。 ○ 主要国においては、非課税手続は簡素。 イギリス・ドイツ・フランスにおいては、口座開設時に非居住者等である旨の本人確認を行うのみで、 特段の申請手続は必要ない。また、アメリカにおいては、QI(適格仲介業者)に本人確認書類を提出する のみ。 →日本の場合、手続書類等を債券の発行体ごとに経由する必要があり事務が膨大 上記各国とも、口座管理機関に税制上の各人別帳簿の作成を義務化している国はない。 →日本だけのローカルルールに対応できない口座管理機関は日本市場に参加できない 21 我が国においても簡素な枠組みを導入しなければ、海外からの投資促進は望めない 改正案(簡素な制度) 現 行(煩雑な制度) 所轄税務署 所轄税務署 非課税適用申告書 非課税適用申告書 所有期間明細書 所有期間明細書 所轄税務署 所轄税務署 非課税適用申告書 非課税適用申告書 所轄税務署 所有期間明細書 債券の発行体 債券の発行体 債券の発行体 債券の発行体 源泉徴収計算データ 承認申請 事務が膨大 振替機関(日銀・ほふり) 承認申請 日本だけの ローカルルール 国内口座管理機関(サブカストディアン) 振替機関(日銀・ほふり) 国内口座管理機関(サブカストディアン) 各人別帳簿作成 海外口座管理機関(グローバルカストディアン) 報告 海外口座管理機関(グローバルカストディアン) 各人別帳簿作成 海外投資家(非居住者等) 海外投資家(非居住者等) 22 民間国外債 発行額及び件数の推移 件数 億円 50,000 600 民間国外債 発行額(外貨建債及び ユーロ円債の合計額) 件数 45,000 569 537 41118 502 481 40,000 43,669 36,051 35,000 500 489 35,129 33323 28922 325 30,000 400 326 318 297 23925 25,000 301 24910 19442 20,000 18644 23296 200 177 15,000 300 267 13625 10,000 100 5,000 0 20 09 年 1~ 9月 20 08 年 20 07 年 20 06 年 20 05 年 20 04 年 20 03 年 20 02 年 20 01 年 20 00 年 19 99 年 19 98 年 0 民間国外債非課税措置の枠組自体は、昭和49年の導入以来、既に35年間も継続。 適用金額・件数ともに堅調に推移。我が国企業の重要な資金調達手段として定着。 実質的に同じ内容の措置が20年を超えて存続している。 租税特別措置の見直しの方針に従い、期限の定めのない措置とすべき。 諸外国においては、国外債非課税措置は恒久措置。 23 指定民間国外債の非課税措置の必要性について ○ 指定民間国外債とは、 ①その国の法令等により利子の支払取扱者がその支払を受ける者に関 する情報の開示をすることができない国であって、 ②その開示をすることができないことについて国際的にも容認されている 国(スイス)において発行された民間国外債。 ○ 一定の要件の下で(注)、本人確認制度を伴わない非課税措置が認め られている。 (注) 指定民間国外債の引受人は、非居住者・外国法人のみに当該債券を取得さ せたことの証明書を税務署に提出する必要がある。 ○ 指定民間国外債の残高は、平成21年6月末時点で約1400億円にのぼる。 ○ スイスにおいては、銀行秘密保持法があるために、本人確認制度をそのまま適用する ことは困難。指定民間国外債制度が廃止されると、今後、我が国企業によるスイス市場に おける起債は消滅する恐れ。 ○ 我が国企業の多様な資金調達機会を確保する観点から、当面は存続させることが必要。 ○ 米国においても、スイス発行債については、本人確認制度を伴わない非課税措置が認 められている。 24 非居住者等が受ける振替公社債利子等の非課税制度の検証 合理性 ○当庁の市場強化プランにおいて、 「国際的な市場間競争が一層激化する中、我が国 金融・資本市場が内外の利用者のニーズに応え、その役割を十分に果たしていくた めには、我が国市場の競争力を強化し、その魅力を向上させていくことが喫緊の課 題」と明記しているところであり、同措置の導入は、当該政策目的に資するもの。 ○更に、当庁は、政策評価体系の中で、「多様な資金運用・調達手段の確保に向けた 制度設計」を施策目標として明確に位置づけている。これら政策目的を達成するた めには、主要先進国と同様、時限措置ではなく恒久措置とすることが合理的。 有効性 ○振替社債に広く適用される措置であり、適用数が僅少であることや特定の者に偏る ことは想定されない。 ○現状、非居住者等の我が国社債市場に対する投資はほぼ皆無であるため、本措置 は税収減につながるものではない。 相当性 ○同様の政策目的に係る補助金等の他の支援措置等は当庁には存在しない。 ○非課税化により社債市場に関する国際的イコール・フッティングを確保する必要があ るので、税制改正による手当が妥当であり、政策目的を達成するための政策手段と して適切 ○税収減が想定されないため、必要最小限の特例措置といえる。 25 民間国外債等の利子等に係る特例の検証 合理性 ○当庁は、政策評価体系の中で、「多様な資金運用・調達手段の確保に向けた制度設 計」を施策目標として明確に位置づけている。 ○当該措置の枠組は、昭和49年の導入以来すでに35年間も継続しており、恒久化させ るのが適切。 有効性 ○民間国外債は、年度平均で3.3兆円(平成16年度~20年度)発行されており、残高は 16.7兆円(平成20年度末)。残高ベースでは我が国企業の社債発行残高(84.8兆円) の2割を占める。 ○金融機関、一般企業等、多くの企業が本制度を活用して民外債を発行しており、適 用は特定の者に偏っていない。 ○本措置が廃止されると民外債の発行はなくなるため、廃止と比較した場合の税収減 は生じないと考えられる。税収減が生じない以上、相当金額の発行があることをもっ て有効性が客観的に確認できたといえる。 相当性 ○同様の政策目的に係る補助金等の他の支援措置等は当庁には存在しない。 ○資金調達に関する税制上の国際的イコール・フッティングを確保するための措置であ り、政策目的を達成するための政策手段として適切である。 ○廃止と比較した場合の税収減が想定されないため、必要最小限の特例措置といえる。 26 D 20 火災保険等に係る異常危険準備金制度の措置の恒久化又は延長 【現状】 近年における台風の頻発等により異常危険準備金の多額の取崩しが発生。現在の積立率は、 今後の異常危険災害に備えるための水準に達していない状況にある。 【要望事項】 ○ 巨大災害に対しても確実に保険金を支払う観点から、火災保険等に係る異常危険準備金 制度について、現行制度の措置を恒久化又は延長(※)すること。 ※平成21年度末で措置期限切れ ・積立率 : 正味収入保険料×4%(現行と同じ) 現行制度 現行制度 1年目 10年目 要望事項 要望事項 11年目 (原則) 原則として、10年を 越える部分は取り崩 さなくてはならない 毎年、正味収 入保険料の積 立率4%まで損 金算入 ※租特が平成21年 で期限切れ 1年目 11年目 11年目 10年目 10年目 10年目 9年目 9年目 9年目 8年目 8年目 8年目 7年目 7年目 7年目 6年目 6年目 6年目 5年目 5年目 5年目 4年目 4年目 4年目 3年目 3年目 3年目 2年目 2年目 2年目 1年目 1年目 1年目 措置の恒久化 正味収入 保険料 × 洗替保証率 30%まで 取崩し不要 又は延長 (積立率4%) ※租特において 恒久措置済み 27 最近の地球温暖化、異常気象の状況(1) 平年差(℃) (1)年平均気温の変化 気象庁「気象統計情報」より (2)1時間降雨量50mm以上の発生回数(1,000地点あたり) 354 + 1.5 350 318 + 1.0 300 + 0.5 1.5倍 275 245 250 275 232 229 216 181 179 154 150 159 178 130 107 95 87~97年 76~86年 - 2.0 98~08年 93 平均 50 171 128 100 - 1.5 177 158 152 149 144 104 - 1.0 193 191 200 - 0.5 206 205 205 + 0.0 250 245 244 平均 160回 1980 1982 平均 239回 177回 0 1900年 1910年 1920年 1930年 1940年 1950年 1960年 1970年 1980年 1990年 2000年 2010年 1976 1978 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 (3)日降水量400mm以上の年間発生回数(1,000地点あたり) 30 28 25 22 2.3倍 20 18 98~08年 17 平均10.6回 15 15 76~86年 11 11 平均4.7回 11 87~97年 平均5.2回 10 8 6 5 5 5 3 3 5 2 2 2 1 4 4 2 5 2 6 7 5 4 5 4 2 1 0 0 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 近年,地球温暖化に伴う気候変動の影響と考えら れる激甚な災害が頻発しており,国連環境計画 (UNEP)及び世界気象機関(WMO)により設立され た「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が平 成19年に発表した第4次評価報告書では,今後,地 球温暖化に伴う気候変動の影響により,熱帯低気圧 (台風及びハリケーン)の強度が増大するとともに, 大雨の頻度も引き続き増加する可能性が高く,洪水 などによる被害が予測されているところである。 平成21年度防災白書より(抜粋) 28 最近の地球温暖化、異常気象の状況(2) 平成21年度防災白書他より 29 近年の主な大規模自然災害の状況と再現期間 (再現期間) 既応最大規模の「台風災害」 既応最大規模の「台風災害」 伊勢湾台風 台風 「再現期間69年」の伊勢湾台風は、災害発生から既に50年が経過 一台風の支払保険金で 一台風の支払保険金で 「史上最高5,679億円」 「史上最高5,679億円」 1959年9月 (S34年) 70 年間 91年台風19号 ◇死者;5,098名 ◇建物全半壊等;833,965棟 ◇浸水;363,611棟 45 1991年9月 (H3年) 69年に1度 年間 ◇死者;62名 ◇建物全半壊等;170,447棟 ◇浸水;22,965棟 76年台風17号・前線 30 年間 45年に1度 史上最多台風10個上陸 台風18号、2004年8月(H16年) ◇死者;47名 ◇建物全半壊等;57,466棟 ◇浸水;10,026棟 1976年9月(S51年) 既往最大規模の「水害」 既往最大規模の「水害」 (利根川が決壊) (利根川が決壊) 合計の支払保険金で 合計の支払保険金で 「史上最高7,448億円」 「史上最高7,448億円」 ◇死者;169名 ◇建物全半壊等;11,193棟 ◇浸水;442,317棟 30年以下に1度 30年以下に1度 カスリーン台風 200 年間 水害 1947年9月 (S22年) 災害発生から62年が経過 ◇死者;1,930名 ◇建物全半壊等;9,298棟 ◇浸水;384,743棟 200年に1度 1947年 1959年 1976年 1991年 2004年 2009年~ 30 平成21年の主な自然災害(除く地震)の発生状況 災害年月日 <参考>台湾を直撃した台風8号災害(モーラコット) 事故の内容 2/20~21 北海道・東北 低気圧に伴う風災・雪害 3/6~3/8 北海道 低気圧に伴う風災・雪害 7/21 山口県豪雨 7/24 九州北部地方豪雨 7/27 群馬県竜巻 8/6~ 台風8号 8/7~8/9 関東地方落雷 8/9~ 台風9号 8/31~9/1 台風11号 ① ・8月8日~9日にかけて、台湾・台風8号が台湾を直撃した。 ・この台風は、同国の近隣で発生した後、6日~9日にかけて 積算雨量は嘉義縣阿里山(南部)で2,726mmと驚異的な 数値に達した。 ・台湾南部における過去50年で最悪の災害と言われる。 ・9月3日現在で、死者613人、行方不明71人、避難被災者 2万4,950人。住家等の損壊被害は不明。 ② (台風8号の進行経路) ①中国・九州北部豪雨 ①中国・九州北部豪雨 ・7月21日に活発な梅雨前線の影響により中国地方で記録的な大雨が発生。 さらに、7月24日には活発な梅雨前線の影響により、九州北部地方で記録的な大雨が発生。 ・これらの豪雨により、9月3日現在で、死者31人、負傷者48人、住家全壊49棟、半壊93棟、一部破損182棟、床上浸水 2,152棟、床下浸水9,285棟などの被害が発生した。 ②台風9号 ②台風9号 ・8月10日の台風9号の影響により、兵庫県を中心に記録的な大雨が発生。 ・この雨により、9月3日時点で死者23名、行方不明3名、全壊192棟、半壊930棟、一部破損28棟、床上浸水1,165棟、 床下浸水4,578棟などの被害が発生した。避難勧告対象は約25,000世帯。 31 近年の自然災害に対する保険金支払状況 2004年 2004年 台風18号など 台風18号など 10個上陸、計7,448億円 10個上陸、計7,448億円 (億円) 12,000 正味支払保険金 1991年 1991年 台風19号 台風19号 5,679億円 5,679億円 無税積立残高 1999年 1999年 台風18号 台風18号 3,147億円 3,147億円 10,000 1998年 1998年 台風7号 台風7号 1,600億円 1,600億円 8,000 6,000 1980年 1980年積立率 積立率 4.5% 4.5%→3. →3.5% 5% 1979年 1979年積立率 積立率 5% 5%→4. →4.5% 5% 2002年 2002年 洗替保証率 洗替保証率 34% 34% → → 32% 32% 1996年 1996年 洗替保証率 洗替保証率 35% 35% → → 34% 34% 4,000 2,000 2003年 2003年 洗替保証率 洗替保証率 32% 32% → → 30% 30% 1984年 1984年積立率 積立率 3% 3%→2% →2% 1982年 1982年積立率 積立率 3.5% 3.5%→3% →3% 1996年 1996年積立率 積立率 2% 2%→3% →3% 2005年 2005年積立率 積立率 3% 3%→4% →4% 89-98年度の平均損害率: 79-88年度の平均損害率: 42.6% 46.2% 99-08年度の平均損害率: 07 08 20 20 05 04 06 20 20 20 03 20 02 20 01 20 00 20 99 19 98 19 97 19 96 19 95 19 94 19 93 19 92 19 91 19 90 19 89 19 88 19 87 19 86 19 85 19 84 19 83 19 81 82 19 19 80 19 19 79 0 (年度) 49.7% 32 異常危険準備金残高の推移 (単位:億円、%) 年度 1977 (昭和52) 1978 ( 53) 1979 ( 54) 1980 ( 55) 1981 ( 56) 1982 ( 57) 1983 ( 58) 1984 ( 59) 1985 ( 60) 1986 ( 61) 1987 ( 62) 1988 ( 63) 1989 (平成元) 1990 ( 2) 1991 ( 3) 1992 ( 4) 1993 ( 5) 1994 ( 6) 1995 ( 7) 1996 ( 8) 1997 ( 9) 1998 ( 10) 1999 ( 11) 2000 ( 12) 2001 ( 13) 2002 ( 14) 2003 ( 15) 2004 ( 16) 2005 ( 17) 2006 ( 18) 2007 ( 19) 2008 ( 20) (注1) (注2) (注3) (注4) (注5) 正味収入 保険料 7,389 8,836 10,013 10,498 10,513 10,814 10,932 11,354 11,647 11,154 11,440 12,146 13,328 14,273 14,728 14,858 14,949 15,756 16,263 17,466 17,809 16,938 16,550 16,263 16,112 16,407 16,889 17,043 17,712 18,168 18,079 17,924 異常危険準備金残高 正味支払 取崩額 保険金 (無税積立分) (無税積立分)(1) 2,553 - 3,207 (43.4%) 3,021 3 3,533 (40.0%) 3,646 - 3,771 (37.7%) 4,049 - 3,824 (36.4%) 4,322 - 3,974 (37.8%) 4,945 75 4,022 (37.2%) 4,880 18 4,024 (36.8%) 5,204 44 3,922 (34.5%) 5,663 135 3,818 (32.8%) 5,012 20 3,736 (33.5%) 4,743 17 3,829 (33.5%) 4,631 1 4,042 (33.3%) 5,243 13 4,288 (32.2%) 6,286 17 4,539 (31.8%) 10,165 2,739 2,088 (14.2%) 7,310 148 2,222 (15.0%) 7,535 249 2,210 (14.8%) 6,485 - 2,519 (16.0%) 6,340 0 2,836 (17.4%) 7,249 25 3,349 (19.2%) 7,230 31 3,832 (21.5%) 8,354 274 3,985 (23.5%) 8,605 467 3,857 (23.3%) 7,648 43 3,954 (24.3%) 7,967 625 3,515 (21.8%) 7,389 107 3,540 (21.6%) 7,283 32 3,665 (21.7%) 11,584 2,542 1,612 (9.5%) 8,672 143 2,165 (12.2%) 9,291 221 2,627 (14.5%) 8,344 22 3,295 (18.2%) 8,282 21 3,864 (21.6%) 異常危険準備金残高 (有税積立分)(2) 475 (6.4%) 617 (7.0%) 726 (7.3%) 952 (9.1%) 1,104 (10.5%) 1,234 (11.4%) 1,457 (13.3%) 1,673 (14.7%) 1,893 (16.3%) 2,170 (19.5%) 2,290 (20.0%) 2,350 (19.3%) 2,397 (18.0%) 2,426 (17.0%) 2,289 (15.5%) 2,499 (16.8%) 2,813 (18.8%) 3,144 (20.0%) 3,507 (21.6%) 3,841 (22.0%) 4,144 (23.3%) 4,401 (26.0%) 7,195 (43.5%) 7,745 (47.6%) 7,851 (48.7%) 8,532 (52.0%) 9,359 (55.4%) 9,834 (57.7%) 10,819 (61.1%) 11,477 (63.2%) 12,243 (67.7%) 12,868 (71.8%) 「火災グループ」とは、火災・積荷・運送・風水害・動産総合・建設工事・賠償責任の各保険をいう。 風水害・動産総合・建設工事・賠償責任の各保険は、1978(昭和53)年度から火災グループに組み入れられた。 残高欄のカッコ内の比率は正味収入保険料に対する割合である。 2001(平成13)年度は、大成火災社分を除く。 数値・比率等は原則として表上の計算に基づいて算出している。 異常危険準備金残高 積立目標額 目標達成率 (合計)(1)+(2) 3,682 (49.8%) 4,150 (47.0%) 4,497 (44.9%) 4,776 (45.5%) 5,078 (48.3%) 5,256 (48.6%) 5,481 (50.1%) 5,595 (49.3%) 5,711 (49.0%) 5,906 (52.9%) 6,119 (53.5%) 6,392 (52.6%) 6,685 (50.2%) 6,965 (48.8%) 4,377 (29.7%) 4,721 (31.8%) 5,023 (33.6%) 5,663 (35.9%) 6,343 (39.0%) 7,190 (41.2%) 7,976 (44.8%) 8,386 (49.5%) 11,052 (66.8%) 11,699 (71.9%) 11,366 (70.5%) 12,072 (73.6%) 13,024 (77.1%) 11,446 (67.2%) 12,984 (73.3%) 14,104 (77.6%) 15,538 (85.9%) 29,093 57.5% 16,732 (93.3%) 33 無税残高率の推移予測 ○ 複雑・巨大化する異常自然災害に備えて、必要な無税残高を積み立てるには、現在恒久化されてい る無税積立率2%では現在の無税積立残高を維持できないことが懸念される。本来であれば毎期5%程 度が必要であるが、現在の無税残高を確保できる最低限の水準として、「無税積立率4%」を要望する。 (%) 無税残高率 今後10年間のシミュレーション 40 無税積立率「 無税積立率「5%」 5%」の場合 の場合 90年以前の残高率 35%前後 30 無税積立率 無税積立率「4%」 「4%」の場合 の場合 現在の残高率 20 21.6% 10 無税積立率 「2%」の場合 の場合 無税積立率「2%」 0 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 <前提>①直近10年間の各年度保険金支払額を今後10年間の各年度にそれぞれ適用。 ②過去30年間の損害率上昇傾向が今後も同様に続くと想定。 ※無税残高率:無税積立残高/正味収入保険料 2009 2011 2013 2015 2017 (年度) 34 異常危険準備金積立率および洗替保証率の変遷 火 災 ・ 積 荷 ・ 運 送 風 水 害 ・ 動 産 総 合 建 設 工 事 ・ 賠 償 責 任 改 正 年 次 昭 和 28(1953)年 適 用 率 法 人 税 法 10% 10% 昭 和 32(1957)年 昭 和 40(1965)年 昭 和 51(1976)年 昭 和 53(1978)年 昭 和 55(1980)年 租 税 特 別 措 置 法 ( 本 則 ) ( 措 置 ) 適 用 率 租 税 特 別 措 置 法 ( 本 則 ) ( 措 置 ) 50% 7% 7% 5% 5% 4% 4% 2% 2% 2% 35% 35% 3% 3% 34% 34% 32% 32% 平 成 16(2004)年 30% 平 成 17(2005)年 平 成 19(2007)年 法 人 税 法 50% 7% 平 成 8(1996)年 平 成 14(2002)年 洗 替 保 証 率 積 立 率 2% 4% 30% 4% 35 異常危険準備金の税制上の性格 • • • • 損害保険契約は、一定の保険期間内に特定の損害が生じた場合に保険 金を支払うことを約する契約であって、損害保険会社は、この契約の対価 として保険料を収入するとともに、保険金の支払と経費の支弁に充てるの であるが、事業の性格上毎年同じように損害が発生するものではないから、 その収支はどうしても跛行的になる。 損害事故の発生は、偶然的に跛行的に非常に変動するものであり、単に 収支残だけの準備では、2年間引き続いて大きな損害が発生したときは、 たちまちその支払に窮することとなる。 そこで、通常の危険率を超える損害に備えるため準備金を積み立てること により、その異常な災害にも耐えうるよう準備しているのである。 このような点からすれば、この種の準備金は、偶然損失に備える準備金で あってむしろ利益の平準化のための準備金の性格をもつもののようでもあ るが、損害保険事業そのものが本来偶発的性格をもつものであるから、企 業としてはこのような準備金も必要であることは、容易に首肯できるところ であろう。 出典:DHCコンメンタール法人税法(武田昌輔 編著、第一法規) 36 諸 外 国 の 自 然 災 害 に 係 る 準 備 金 制 度 イギリス 正味収入保険料×3% 損算算入ルール 監督上の積立 ルール 取崩しルール ドイツ 実損害額<予定損害額の場合に、保 険金支払に充てられなかった保険料 の額。 フランス プール拠出保険料(元受保険料の6% ~12%)にかかる収支差額(保険料- 保険金)の75%以内。 同上 同上 同上 正味発生損害額※1>正味既経過 保険料※2計×72.5%の場合に、上 回っている分だけ取崩す。 実損害額>予定損害額の場合に取崩 す。 収支差額がマイナスとなった場合、古い 年度に積立てた残高から取崩す。 ※10年洗替制度あり ※1:当期正味支払保険金+当期 未支払備金-前期末支払備金 ※2:当期正味収入保険料+前期 未経過保険料-当期末未経過保 険料 37 火災保険等に係る異常危険準備金制度の検証 合理性 ○異常危険準備金制度は、保険業法等によりその積立てが義務付けられている。 現在の準備金額は、大規模自然災害時において円滑な保険金支払いが確保で きる水準を大幅に下回っており、早急な積立が必要。 有効性 ○本制度は対象となる保険契約を取扱うすべての損害保険会社が利用している。 相当性 ○法律上の義務付けと税制上の措置による財源確保があって初めて十分な準備 金の積立てが可能。 ○本準備金は異常災害発生時に取り崩され益金に算入されること等、その政策 目的を達成するための政策手段として的確であり、必要最小限の特例措置と なっている。 38 D 23 特定目的会社の導管性要件である特定社債の国内50%超募集要件の見直し 【現状】 ○ 特定目的会社の導管性要件(配当を損金算入するための要件)の1つに、特定社債につ いて国内投資家からの募集が50%超であることが規定。 ○ 当該要件は、海外からの我が国債券市場への投資を制限するもの。 【要望事項】 ○ 海外からの我が国債券市場への投資を促進させる観点から、特定社債に係る国内募集 50%超要件を廃止すること。 (注)海外からの我が国債券市場の投資を促進する観点から、「非居住者が受取る振替公社債利子等の非課税制 度の充実」の要望については、「B」判定。 証券化市場 特定目的会社 取得 特定資産 (不動産等) 優先出資 特定出資 現行、国内募集50%超要件が規定 海外投資家 特定社債 【金融庁の要望】 国内募集50%超要件を廃 止することを要望 【適正化案】 特定出資についても国内 募集50%超要件等を導入 ① 海外からの我が国債券市場への投資を制限する「特定社債の国内募集要件」を廃止すること。 ② 「適正化案」については、既存の特定目的会社に影響を与えないよう経過措置を設けること。 39 不動産証券化の実績の推移 件数 資産額(10億円) 10,000 1,800 Jリート 1,582 1,642 1,600 特定目的会社 不動産特定共同事業 8,000 1,523 その他 1,400 件数 1,200 1,119 6,000 1,919 1,342 620 4,000 1,000 3,411 800 1,312 470 253 874 400 274 2,000 600 1,104 496 122 343 200 269 39 161 74 0 9 H9 年度 26 H10 年度 H11 年度 0 H12 年度 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 H19 年度 H20 年度 出典:国土交通省「不動産の証券化実態調査」 40 特定目的会社の導管性要件である特定社債の国内50%超募集要件の見直しの検証 合理性 ○特定目的会社は、資産の流動化(証券化)を行う制度を確立し、国民経済の健全 な発展に資することを目的に、「資産の流動化に関する法律」において規定。 有効性 ○金融危機の影響を受け、大手外資系証券会社が国内の証券化市場から相次 いで撤退。証券化市場を通じた資金調達が極めて困難な現状。 ○海外からの我が国債券市場への投資を促進する観点から、海外からの投資を 制限している当該要件を廃止することが必要。 相当性 ○海外機関投資家からの廃止要望も強く、我が国の資金調達の円滑化の観点か らも的確な手段。 41