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bFGF製剤による創傷治癒の最新知見 bFGF製剤による創傷治癒の最新
線維芽細胞では生存シグナル伝達キナーゼ Akt に異なる活 芽細胞ではアポトーシスが誘導される―と考えられた。 第 37 回日本創傷治癒学会 記録集 図 2.bFGF を投与した縫合創では有意に Akt-1 蛋白の発現が減少 bFGF 製剤による創傷治癒の最新知見 性がみられる,②この過程で Akt の活性化が消失した線維 図 1.NF-1 細胞と GF-2 細胞における Akt-1 蛋白の発現量 NF-1 経過時間 48時間目 96時間目 bFGF − − + 対照創 bFGF投与創 GF-2 48時間目 + − + 96時間目 − Akt-1 β-アクチン Akt-1 2007 年 12 月 6 日(木) ・7日(金) 横浜ロイヤルパークホテル (%) 150 β-アクチン (%) (%) 300 300 200 * Akt-1/β-アクチン Akt-1/β-アクチン ―再生医療における治療の展望― + 200 bFGF(basic Fibroblast Growth Factor)製 110 剤(一般名:トラフェルミン,商品名:フィブラス ト ®® スプレー)は,線維芽細胞増殖作用,血管新生 70 作用,肉芽形成促進作用を有する創傷治癒促進剤 であり,褥瘡や難治性潰瘍,熱傷創などに対する 30 100 100 効果が報告され,QOWH(Quality of Wound 0 対照創(n=5) 0 bFGF投与創(n=5) * 0 p<0.05 vs. 対照創 ※画像解析ソフトを用いてバンドの濃度・面積を数値化 ※画像解析ソフトを用いてバンドの濃度・面積を数値化 Healing:創傷治癒の質)向上への寄与が期待され ている。 ここでは,第 37 回日本創傷治癒学会における 基礎・臨床両面の報告から,bFGF 製剤の最新知 見を探るとともに,治療抵抗性末梢動脈疾患 第 37 回日本創傷治癒学会学会賞・研究奨励賞 第 37 回日本創傷治癒学会学会賞 (PAD)に対する再生医療への応用をテーマに開 第 37 回日本創傷治癒学会研究奨励賞 東邦大学病理学講座准教 関西医科大学形成外科学 授の赤坂喜清先生は,今学 講座助教の覚道奈津子先 会において「Basic fibro- 生は,今学会において「ヒ blast growth factor に ト脂肪組織由来幹細胞に よる線維芽細胞アポトー おける FGF-2 の脂肪分 シス誘導の機序」の研究 化に与える影響」の研究 成果により,第 37 回日 本創傷治癒学会学会賞を 成果により,第 37 回日 本創傷治癒学会研究奨励 受賞された。 賞を受賞された。 かれたランチョンセミナーの内容を紹介する。 ランチョンセミナー 1 治療抵抗性末梢動脈疾患(PAD)に対する再生医療を応用した総合的治療戦略 座長:東邦大学病理学講座教授 石井 壽晴先生 演者:日本医科大学大学院器官機能病態内科学分野准教授/日本医科大学付属病院再生医療科部長 宮本 正章先生 主題演題 3-1 「新しい創傷管理(縫合材料含む) 」S3-01 人工真皮と bFGF を用いた爪床欠損の治療 東京医科大学八王子医療センター形成外科教授 主題演題 3-2 菅又 章先生 「新しい創傷管理(縫合材料含む) 」S3-06 新鮮Ⅱ度熱傷創に対する bFGF 製剤初期投与の効果 東京都立広尾病院形成外科 主題演題 4 藤原 修先生 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ) 」S4-04 bFGF 製剤使用による小児深達性Ⅱ度熱傷の瘢痕肥厚化予防 褥瘡・皮膚潰瘍治療剤 カレスサッポロ時計台記念病院形成外科・創傷治癒センター 指定医薬品・処方せん医薬品(注) (注)注意―医師等の処方せんにより使用すること 主題演題 5-2 小浦場 祥夫先生 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ) 」S5-06 ヒト脂肪組織由来幹細胞における FGF-2 の脂肪分化に与える影響 関西医科大学形成外科学講座助教 覚道 奈津子先生 (第 37 回日本創傷治癒学会研究奨励賞 受賞) トラフェルミン(遺伝子組換え)製剤 薬価基準収載 主題演題 6-1 「難治性潰瘍のトピックス」基調講演 難治性潰瘍治療のための分子生物学的戦略と再生治療への展望 札幌医科大学皮膚科准教授 ●効能・効果、用法・用量、禁忌、使用上の 注意等詳細は、添付文書をご参照ください。 主題演題 6-1 (2006年4月作成)06X 2008 年 6 月作成 FGF111-08F-10-MT1 小野 一郎先生 「難治性潰瘍のトピックス」S6-02 Basic fibroblast growth factor による線維芽細胞アポトーシス誘導の機序 東邦大学病理学講座准教授 赤坂 喜清先生 (第 37 回日本創傷治癒学会学会賞 受賞) ランチョンセミナー 1 治療抵抗性末梢動脈疾患(PAD)に対する再生医療を応用した総合的治療戦略 座長 東邦大学病理学講座教授 演者 日本医科大学大学院 器官機能病態内科学分野准教授 日本医科大学付属病院再生医療科部長 石井 壽晴先生 宮本 正章先生 末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD) とは, セラピーメディカル) を設立し,マゴットセラピーシステムの普 くは治療法がないと診断された治療抵抗性 PAD の下肢症例 及を目指している。 64 例中 56 例(87.5 %)において,下肢切断を回避し,自力歩 行による退院が可能となった。そして今後とも,形成外科を 治療戦略の組み合わせと他科との連携により 治療抵抗性 PAD に対する診療体制の構築を これらのストラテジーにより,前医で下肢切断の適応,もし 主題演題 3-1 (TcPO 2)による虚血の評価とともに,感染制御,血流改善, 末梢動脈が狭窄・閉塞し,四肢末梢に循環障害を来した病 創傷治癒促進,疼痛管理,術後管理を治療方針の 5 つの柱 態を指す。重症かつ治療抵抗性の PAD では,下肢大切断 とし,これらを同時に行うことを重視している。 はじめとした他科と連携して,治療抵抗性 PAD 患者に対す る診療体制を整えることが重要であると考える。 1) Shigematsu H et al: Thera Res 13: 4099-4109,1992 「新しい創傷管理(縫合材料含む)」S3-01 人工真皮と bFGF を用いた爪床欠損の治療 残すものの爪の再生は可能であった(図 1) 。 東京医科大学八王子医療センター 形成外科教授 一方,爪母部R奪性損傷例や横切断例といった欠損例に 〔大Ù切断(AKA) もしくは下Ù切断(BKA)〕のみならず心血 治療抵抗性 PAD の治療戦略の 1 つとして,患者の骨髄液 管イベント発症のリスクが高まることが知られている。われ を採取し,骨髄細胞を分離・濃縮して下肢骨格筋に注射す われの施設では,重症かつ治療抵抗性の PAD 患者に対し, る自己骨髄幹細胞移植(BMCI)による血管新生療法がある。 再生医療を応用した総合的治療戦略を講ずることにより わ れ わ れ の 施 設 に お い て,先 進 医 療 の 承 認 の もとに 86.7 %の症例において下肢切断を回避し,自立歩行による Fontaine Ⅳ度 34 例を含む 38 例(下肢症例のみ)に施行した 今回,われわれは爪床の外傷性欠損に対して人工真皮と い。こうした場合,何らかの皮弁で指腹を再建し,爪床全欠 退院を可能にしたので報告する。 結果,自立歩行で退院しえた有効例は 31 例(88.6 %) ,2 年以 bFGF 製剤を用いて爪の再生を試み,どの程度の欠損まで 損の状態にすることで,良好な爪の再建が可能であると推察 内の患肢大切断は 4 例(11.4 %) ,3 例が他病死であった。 爪の再生が可能であるのかを検討した。また,爪母部での欠 され,この考えに基づき,臨床的治療を行った。 治療抵抗性 PAD に新たな展望を開く bFGF 筋注による血管新生療法 一方で現在,徐放化 bFGF ハイドロゲル筋注による血管新 菅又 章先生 ついても,爪母が残っていれば理論的には爪の再生は可能 である。しかし,爪は爪母から水平方向に再生されるため, 人工真皮を貼付しただけでは良好な爪の再生は期待できな 損であっても爪の再生が可能であるかについても検討した。 爪母部R奪性損傷例に対しては,逆行性指動脈皮弁によ り露出末梢骨の掌側を覆って爪床全欠損の状態にし,末節 生療法の多施設共同臨床研究が進行している。これは,創 人工真皮と bFGF 製剤を用いることで 爪母部欠損例でも爪の再生は可能 骨背側に人工真皮を貼付し,bFGF 製剤を投与することで良 PAD は間歇性跛行,安静時疼痛などの下肢症状を特徴と 傷治癒過程において血管新生・肉芽形成促進作用が報告さ し,臨床分類は主に Fontaine 分類が用いられる。本邦にお れている bFGF 製剤をゼラチンハイドロゲルに添加して徐放 ける 1992 年の報告では,Fontaine Ⅱ度(間歇性跛行)が 化し,対象虚血部位に筋注するもので,いわば注射のみで血 処置としては,まず,爪床欠損部を洗浄したのちに人工真 いても,尺側の神経血管柄付き島状前進皮弁(step-advance 72.0 %を占めたが , 最近ではより重篤なⅢ度 (安静時疼痛) , 管新生を図る治療法である。本治療法と BMCI を比較検討 皮を貼付して周囲を縫合,3 ∼ 5日後にシリコン膜を除去し method)で指腹の軟部組織を再建し,背側に人工真皮を貼 Ⅳ度(潰瘍・壊疽)患者の増加が懸念されている。PAD は虚 した結果,いずれも加療後 4 週間の経過中に有害事象を認 て bFGF 製剤を噴霧後,ワセリン基剤の軟膏を塗布してポリ 血性心疾患,脳梗塞の合併頻度が高く,重症下肢虚血を有 めず,疼痛,6 分間歩行,TcPO 2 なども両群ともに有意な改 エチレンフィルムで覆う閉鎖療法を行い,週 2 ∼ 3 回の頻度 する症例の 5 年生存率は約 40 %と報告されている(図 1)。 善を認めた(図 2)。血中 bFGF はいずれの時点においても で創が閉鎖するまで同様の処置を行った。 したがって,PAD の診療に際しては,局所症状のみにとらわ 検出されなかったことから,本治療法は他臓器への影響が少 こうした処置により,小範囲の爪床欠損であれば爪の変形 ても人工真皮と bFGF 製剤により爪は再生され,爪母部切断 れることなく全身血管病の一部分症として認識し,いわば なく,かつ有効な血管新生療法の 1 つの手段となる可能性が をほとんど生じなかった。爪床の欠損や挫滅の程度が大き 例においても何らかの皮弁で指腹を再建し,病態を爪床全 あると示唆された。 くなるにつれ,爪変形と爪長の短縮が生じやすくなるが,爪 欠損の状態にさせることで人工真皮と bFGF 製剤により良好 床全欠損であっても爪母が温存されていれば爪長の短縮は な爪の再建が可能であった。 図 1.爪床 2/3 を欠損した左母指に人工真皮と bFGF 製剤を使用 図 2.爪母部を切断した右中指に指腹を神経血管柄付き島状前進 皮弁で再建後,人工真皮と bFGF 製剤を使用 1) 「木を見て森を見る」姿勢が求められる。 われわれの施設では,治療抵抗性 PAD 患者に対し,下肢 また,医療用無菌ウジの壊死組織除去・殺菌・肉芽形成促 切断の回避に努め,疼痛を除き,自立歩行で帰宅することを 進作用を臨床応用したマゴットセラピーを 32 例に施行した結 エンドポイントとしてきた。そのためには,足関節/上腕血圧 果,有効率は多剤耐性菌による複合感染例を含め 87.5 %を 比(ABI) ,99mTc-tetrofosmin シンチグラフィ,経皮酸素分圧 示した。われわれはバイオベンチャー企業(株式会社バイオ 図 1.PAD 患者の生存率(TASC Ⅱ) 図 2.TcPO2 による虚血の評価 (%) 100 bFGF 対照群(非PAD) mmHg 80 60 40 重症下肢虚血群 5 間歇性跛行群 10 15(年) 観察期間 53.8±7.4 20 2 初診時 5 日後 2 週後 13.1±15.4 0 投与前 投与 4 週後 投与前 投与 4 週後 3 週後 (Dormandy J: 22th World Congress of the International Union of Angiology, 2006) 4 日後 40 20 0 初診時 p<0.05 31.3±17.9 60 29.0±12.8 40 0 以上のことから,爪母さえ残っていれば爪床全欠損であっ p<0.05 60 20 付し,bFGF 製剤を投与することで良好な爪の再生を認めた (図 2) 。 BMCI mmHg 80 80 生 存 率 好な爪の再生が可能であった。また,爪母部横切断例につ 5 週後 7 週後 4 週後 3 か月後 (Takagi G et al: Abstracts From Scientific Sessions: Circulation 114: II_446-II_447, 2006) 3 ランチョンセミナー 1 治療抵抗性末梢動脈疾患(PAD)に対する再生医療を応用した総合的治療戦略 座長 東邦大学病理学講座教授 演者 日本医科大学大学院 器官機能病態内科学分野准教授 日本医科大学付属病院再生医療科部長 石井 壽晴先生 宮本 正章先生 末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD) とは, セラピーメディカル) を設立し,マゴットセラピーシステムの普 くは治療法がないと診断された治療抵抗性 PAD の下肢症例 及を目指している。 64 例中 56 例(87.5 %)において,下肢切断を回避し,自力歩 行による退院が可能となった。そして今後とも,形成外科を 治療戦略の組み合わせと他科との連携により 治療抵抗性 PAD に対する診療体制の構築を これらのストラテジーにより,前医で下肢切断の適応,もし 主題演題 3-1 (TcPO 2)による虚血の評価とともに,感染制御,血流改善, 末梢動脈が狭窄・閉塞し,四肢末梢に循環障害を来した病 創傷治癒促進,疼痛管理,術後管理を治療方針の 5 つの柱 態を指す。重症かつ治療抵抗性の PAD では,下肢大切断 とし,これらを同時に行うことを重視している。 はじめとした他科と連携して,治療抵抗性 PAD 患者に対す る診療体制を整えることが重要であると考える。 1) Shigematsu H et al: Thera Res 13: 4099-4109,1992 「新しい創傷管理(縫合材料含む)」S3-01 人工真皮と bFGF を用いた爪床欠損の治療 残すものの爪の再生は可能であった(図 1) 。 東京医科大学八王子医療センター 形成外科教授 一方,爪母部R奪性損傷例や横切断例といった欠損例に 〔大Ù切断(AKA) もしくは下Ù切断(BKA)〕のみならず心血 治療抵抗性 PAD の治療戦略の 1 つとして,患者の骨髄液 管イベント発症のリスクが高まることが知られている。われ を採取し,骨髄細胞を分離・濃縮して下肢骨格筋に注射す われの施設では,重症かつ治療抵抗性の PAD 患者に対し, る自己骨髄幹細胞移植(BMCI)による血管新生療法がある。 再生医療を応用した総合的治療戦略を講ずることにより わ れ わ れ の 施 設 に お い て,先 進 医 療 の 承 認 の もとに 86.7 %の症例において下肢切断を回避し,自立歩行による Fontaine Ⅳ度 34 例を含む 38 例(下肢症例のみ)に施行した 今回,われわれは爪床の外傷性欠損に対して人工真皮と い。こうした場合,何らかの皮弁で指腹を再建し,爪床全欠 退院を可能にしたので報告する。 結果,自立歩行で退院しえた有効例は 31 例(88.6 %) ,2 年以 bFGF 製剤を用いて爪の再生を試み,どの程度の欠損まで 損の状態にすることで,良好な爪の再建が可能であると推察 内の患肢大切断は 4 例(11.4 %) ,3 例が他病死であった。 爪の再生が可能であるのかを検討した。また,爪母部での欠 され,この考えに基づき,臨床的治療を行った。 治療抵抗性 PAD に新たな展望を開く bFGF 筋注による血管新生療法 一方で現在,徐放化 bFGF ハイドロゲル筋注による血管新 菅又 章先生 ついても,爪母が残っていれば理論的には爪の再生は可能 である。しかし,爪は爪母から水平方向に再生されるため, 人工真皮を貼付しただけでは良好な爪の再生は期待できな 損であっても爪の再生が可能であるかについても検討した。 爪母部R奪性損傷例に対しては,逆行性指動脈皮弁によ り露出末梢骨の掌側を覆って爪床全欠損の状態にし,末節 生療法の多施設共同臨床研究が進行している。これは,創 人工真皮と bFGF 製剤を用いることで 爪母部欠損例でも爪の再生は可能 骨背側に人工真皮を貼付し,bFGF 製剤を投与することで良 PAD は間歇性跛行,安静時疼痛などの下肢症状を特徴と 傷治癒過程において血管新生・肉芽形成促進作用が報告さ し,臨床分類は主に Fontaine 分類が用いられる。本邦にお れている bFGF 製剤をゼラチンハイドロゲルに添加して徐放 ける 1992 年の報告では,Fontaine Ⅱ度(間歇性跛行)が 化し,対象虚血部位に筋注するもので,いわば注射のみで血 処置としては,まず,爪床欠損部を洗浄したのちに人工真 いても,尺側の神経血管柄付き島状前進皮弁(step-advance 72.0 %を占めたが , 最近ではより重篤なⅢ度 (安静時疼痛) , 管新生を図る治療法である。本治療法と BMCI を比較検討 皮を貼付して周囲を縫合,3 ∼ 5日後にシリコン膜を除去し method)で指腹の軟部組織を再建し,背側に人工真皮を貼 Ⅳ度(潰瘍・壊疽)患者の増加が懸念されている。PAD は虚 した結果,いずれも加療後 4 週間の経過中に有害事象を認 て bFGF 製剤を噴霧後,ワセリン基剤の軟膏を塗布してポリ 血性心疾患,脳梗塞の合併頻度が高く,重症下肢虚血を有 めず,疼痛,6 分間歩行,TcPO 2 なども両群ともに有意な改 エチレンフィルムで覆う閉鎖療法を行い,週 2 ∼ 3 回の頻度 する症例の 5 年生存率は約 40 %と報告されている(図 1)。 善を認めた(図 2)。血中 bFGF はいずれの時点においても で創が閉鎖するまで同様の処置を行った。 したがって,PAD の診療に際しては,局所症状のみにとらわ 検出されなかったことから,本治療法は他臓器への影響が少 こうした処置により,小範囲の爪床欠損であれば爪の変形 ても人工真皮と bFGF 製剤により爪は再生され,爪母部切断 れることなく全身血管病の一部分症として認識し,いわば なく,かつ有効な血管新生療法の 1 つの手段となる可能性が をほとんど生じなかった。爪床の欠損や挫滅の程度が大き 例においても何らかの皮弁で指腹を再建し,病態を爪床全 あると示唆された。 くなるにつれ,爪変形と爪長の短縮が生じやすくなるが,爪 欠損の状態にさせることで人工真皮と bFGF 製剤により良好 床全欠損であっても爪母が温存されていれば爪長の短縮は な爪の再建が可能であった。 図 1.爪床 2/3 を欠損した左母指に人工真皮と bFGF 製剤を使用 図 2.爪母部を切断した右中指に指腹を神経血管柄付き島状前進 皮弁で再建後,人工真皮と bFGF 製剤を使用 1) 「木を見て森を見る」姿勢が求められる。 われわれの施設では,治療抵抗性 PAD 患者に対し,下肢 また,医療用無菌ウジの壊死組織除去・殺菌・肉芽形成促 切断の回避に努め,疼痛を除き,自立歩行で帰宅することを 進作用を臨床応用したマゴットセラピーを 32 例に施行した結 エンドポイントとしてきた。そのためには,足関節/上腕血圧 果,有効率は多剤耐性菌による複合感染例を含め 87.5 %を 比(ABI) ,99mTc-tetrofosmin シンチグラフィ,経皮酸素分圧 示した。われわれはバイオベンチャー企業(株式会社バイオ 図 1.PAD 患者の生存率(TASC Ⅱ) 図 2.TcPO2 による虚血の評価 (%) 100 bFGF 対照群(非PAD) mmHg 80 60 40 重症下肢虚血群 5 間歇性跛行群 10 15(年) 観察期間 53.8±7.4 20 2 初診時 5 日後 2 週後 13.1±15.4 0 投与前 投与 4 週後 投与前 投与 4 週後 3 週後 (Dormandy J: 22th World Congress of the International Union of Angiology, 2006) 4 日後 40 20 0 初診時 p<0.05 31.3±17.9 60 29.0±12.8 40 0 以上のことから,爪母さえ残っていれば爪床全欠損であっ p<0.05 60 20 付し,bFGF 製剤を投与することで良好な爪の再生を認めた (図 2) 。 BMCI mmHg 80 80 生 存 率 好な爪の再生が可能であった。また,爪母部横切断例につ 5 週後 7 週後 4 週後 3 か月後 (Takagi G et al: Abstracts From Scientific Sessions: Circulation 114: II_446-II_447, 2006) 3 主題演題 3-2 「新しい創傷管理(縫合材料含む) 」S3-06 また,bFGF は幹細胞の未分化状態の維持・増殖に最も重 新鮮Ⅱ度熱傷創に対する bFGF 製剤初期投与の効果 東京都立広尾病院形成外科 藤原 修先生 東京都立広尾病院形成外科医長 副島 一孝 先生 東京女子医科大学形成外科主任教授 野] 幹弘 先生 われわれは,新鮮Ⅱ度熱傷創の受傷早期深度判定の補助 ® マイクロスコープ(Hi-Scope ) を用いている。Hi-Scope 所見 鍋物にて受傷した 3 歳女児, 熱湯にて受傷した 2 歳男児に, に脱分化させる作用があることが知られている 3)。さらに,I ち,pin prick test が陰性で Hi-Scope® 所見が Type 3 の症例と 与した結果,治癒まで1か月前後を要したにもかかわらず,6 型コラーゲン存在下にケラチノサイトの遊走を刺激する, した。水疱を除去し,受傷後 48 時間以内に bFGF 製剤を 5 か月後にはほとんどの DDB 領域が肥厚性瘢痕化することは bFGF の上皮化促進作用 4),強力な血管新生因子としての作 回噴霧後に白色ワセリン塗布,シリコンガーゼで保護した なかった(図 1) 。熱湯にて受傷し,他院に 1 週間外来通院し 用,過剰な肉芽形成を抑制する作用などが指摘されている。 bFGF 製剤投与群 10 例と,bFGF 製剤を用いずに処置した対 たのち,当院にて bFGF 製剤を投与した 2 歳女児についても, 照群 10 例において,これらの処置を上皮化まで連日施行し, DDB 領域に軽い色素沈着を残すのみで肥厚性瘢痕はほぼ した種々の機序を介した QOWH の向上が期待できると考え 上皮化までの日数を比較検討した。その結果,上皮化に要 抑制された(図 2) 。 られる。 最近の基礎研究から,小児 DDB に bFGF 製剤を早期使用 1) あり,bFGF 製剤投与により上皮化までの日数が有意( p < することによって,肥厚性瘢痕が著明に抑制される背景を示 2) 0.05)に短縮された(図 2) 。 唆する報告として,切創の真皮内に bFGF を注射すると, 3) 障害によって真皮表層が虚血に陥ることで完成するとされて 剰な肉芽形成が抑制され,瘢痕化を抑えた治癒を促進する 図 1.3 歳女児熱傷例に bFGF 製剤を投与 図 2.2 歳女児熱傷例に bFGF 製剤を投与 2001 Sogabe Y et al: Wound Repair Regen 14: 457-462,2006 1) Type 4(凝固変性)に分類している (図 1) 。 れは凍結保存同種培養表皮移植を行った採皮創において, 受傷日 受傷 1 週間後 滲出液中に bFGF のみが有意に増加することを認めている。 が高いが,培養表皮移植術により浅達性Ⅱ度熱傷(SDB)同 このことは新鮮Ⅱ度熱傷創において bFGF 製剤が有効であ 様に治癒に導くことができる。しかし,培養表皮移植術を実 る可能性を示唆している。 施できる施設は限られているため,こうした症例に対する 今回,Ⅱ度 Type 3 熱傷創の上皮化に要した日数は bFGF 製 受傷 6 か月後 剤投与群で 16.2日と凍結保存同種培養表皮術の平均 7.2日に 受傷 6 か月後 は及ばないものの,従来治療の 22.4日に対し有意に治癒期間 図 1.Hi-Scope® 所見と上皮化日数 Maltseva O et al: Invest Ophthalmol Vis Sci 42: 2490-2495, 4) 早期治癒または瘢痕防止につながると考えられる。われわ 対象は受傷後 48 時間以内に受診したⅡ度熱傷創患者のう Xu RH et al: Nat Methods 2: 185-190,2005 bFGF に誘導される線維芽細胞のアポトーシスにより創の過 管血流あり) ,Type 3(真皮毛細血管攣縮もしくは血流停滞) , bFGF 製剤投与により従来治療に比べて 上皮化までの日数が有意に短縮 Akasaka Y et al: J Pathol 203: 710-720,2004 Jackson らによれば,DDB は真皮毛細血管の攣縮,血流 いるため ,虚血が可逆的な段階で治療介入することにより, bFGF 製剤の受傷後早期投与の効果を検討した。 Ⅱ度熱傷創に対する早期からの bFGF 製剤の投与は,こう した平均日数は,bFGF 製剤投与群 16.2日,対照群 22.4日で により,創面を Type 1(真皮乳頭残存) ,Type 2(真皮毛細血 Type 3 症例は深達性Ⅱ度熱傷(DDB)に移行する可能性 要な因子であること 2),分化した筋線維芽細胞を線維芽細胞 いずれも軟膏療法と併用して受傷翌日から bFGF 製剤を投 手段として,創面の拡大像をリアルタイムに観察できるビデオ ® という報告がある 1)。 QOWH の向上を期待できる bFGF 製剤 が短縮した。以上のことから,培養表皮移植術を施行できない 施設においては bFGF 製剤の投与は有用であると考えられた。 Jackson DM: J Trauma 9: 839-862,1969 1) 図 2.上皮化に要した日数 (日) p<0.05 mean±S.D. 20 Type 1:真皮乳頭残存 5.3±1.5日 Type 3:血管攣縮 血流停滞 22.4±7.2日 Type 2:真皮毛細血管血流(+) 10.0±1.2日 Type 4:凝固変性 36.5±7.8日 (mean ±S.D.) 日 数 10 16.2±4.1 bFGF製剤投与群 (n=10) 22.4±7.2 bFGF製剤非投与群 (n=10) (磯野伸雄ほか: Hi-Scope を用いた熱傷深度判定法: 熱傷 24: 11-18, 1998) 主題演題 4 主題演題 5-2 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ)」S5-06 ヒト脂肪組織由来幹細胞における FGF-2 の脂肪分化に与える影響 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ)」S4-04 bFGF 製剤使用による小児深達性Ⅱ度熱傷の瘢痕肥厚化予防 増殖と脂肪分化に与える影響について検討した。 関西医科大学形成外科学講座助教 覚道 奈津子先生 瘢痕抑制作用と上皮化促進作用が確認されており,創傷治 カレスサッポロ時計台記念病院形成外科・ 創傷治癒センター 小浦場 祥夫先生 bFGF 製剤は,DDB に対する早期投与において,肥厚性 4 (第 37 回日本創傷治癒学会研究奨励賞 受賞) ASCs を DMEM 培地で 7日間増殖させ(増殖期) ,その後 癒の質(QOWH)の向上の可能性が注目されている。今回は, 小児における体幹・上肢の比較的広範囲のⅡ度熱傷で,受 bFGF は ASCs の増殖と脂肪分化に関与 われわれは,多分化能を有する間葉系幹細胞である脂肪 1) 14 日間脂肪分化培地にて培養し(脂肪分化期) ,期間別の 傷早期から bFGF 製剤を投与した 3 症例の経過を供覧すると 由来幹細胞(ASCs)に着目して組織再生を試みている 。今 bFGF(10ng/mL)添加,無添加によって分類した(Group ともに,最近の bFGF に関する報告を参考に,QOWH の向 回,線維芽細胞や骨髄由来間葉系幹細胞などに影響を与え 1:増殖期・脂肪分化期ともに bFGF 無添加,Group 2:増殖 上の機序についても若干の考察を加えたい。 る増殖因子とされている FGF-2(bFGF)が,ASCs における 期のみに bFGF を添加,Group 3:脂肪分化期のみに bFGF 5 主題演題 3-2 「新しい創傷管理(縫合材料含む) 」S3-06 また,bFGF は幹細胞の未分化状態の維持・増殖に最も重 新鮮Ⅱ度熱傷創に対する bFGF 製剤初期投与の効果 東京都立広尾病院形成外科 藤原 修先生 東京都立広尾病院形成外科医長 副島 一孝 先生 東京女子医科大学形成外科主任教授 野] 幹弘 先生 われわれは,新鮮Ⅱ度熱傷創の受傷早期深度判定の補助 ® マイクロスコープ(Hi-Scope ) を用いている。Hi-Scope 所見 鍋物にて受傷した 3 歳女児, 熱湯にて受傷した 2 歳男児に, に脱分化させる作用があることが知られている 3)。さらに,I ち,pin prick test が陰性で Hi-Scope® 所見が Type 3 の症例と 与した結果,治癒まで1か月前後を要したにもかかわらず,6 型コラーゲン存在下にケラチノサイトの遊走を刺激する, した。水疱を除去し,受傷後 48 時間以内に bFGF 製剤を 5 か月後にはほとんどの DDB 領域が肥厚性瘢痕化することは bFGF の上皮化促進作用 4),強力な血管新生因子としての作 回噴霧後に白色ワセリン塗布,シリコンガーゼで保護した なかった(図 1) 。熱湯にて受傷し,他院に 1 週間外来通院し 用,過剰な肉芽形成を抑制する作用などが指摘されている。 bFGF 製剤投与群 10 例と,bFGF 製剤を用いずに処置した対 たのち,当院にて bFGF 製剤を投与した 2 歳女児についても, 照群 10 例において,これらの処置を上皮化まで連日施行し, DDB 領域に軽い色素沈着を残すのみで肥厚性瘢痕はほぼ した種々の機序を介した QOWH の向上が期待できると考え 上皮化までの日数を比較検討した。その結果,上皮化に要 抑制された(図 2) 。 られる。 最近の基礎研究から,小児 DDB に bFGF 製剤を早期使用 1) あり,bFGF 製剤投与により上皮化までの日数が有意( p < することによって,肥厚性瘢痕が著明に抑制される背景を示 2) 0.05)に短縮された(図 2) 。 唆する報告として,切創の真皮内に bFGF を注射すると, 3) 障害によって真皮表層が虚血に陥ることで完成するとされて 剰な肉芽形成が抑制され,瘢痕化を抑えた治癒を促進する 図 1.3 歳女児熱傷例に bFGF 製剤を投与 図 2.2 歳女児熱傷例に bFGF 製剤を投与 2001 Sogabe Y et al: Wound Repair Regen 14: 457-462,2006 1) Type 4(凝固変性)に分類している (図 1) 。 れは凍結保存同種培養表皮移植を行った採皮創において, 受傷日 受傷 1 週間後 滲出液中に bFGF のみが有意に増加することを認めている。 が高いが,培養表皮移植術により浅達性Ⅱ度熱傷(SDB)同 このことは新鮮Ⅱ度熱傷創において bFGF 製剤が有効であ 様に治癒に導くことができる。しかし,培養表皮移植術を実 る可能性を示唆している。 施できる施設は限られているため,こうした症例に対する 今回,Ⅱ度 Type 3 熱傷創の上皮化に要した日数は bFGF 製 受傷 6 か月後 剤投与群で 16.2日と凍結保存同種培養表皮術の平均 7.2日に 受傷 6 か月後 は及ばないものの,従来治療の 22.4日に対し有意に治癒期間 図 1.Hi-Scope® 所見と上皮化日数 Maltseva O et al: Invest Ophthalmol Vis Sci 42: 2490-2495, 4) 早期治癒または瘢痕防止につながると考えられる。われわ 対象は受傷後 48 時間以内に受診したⅡ度熱傷創患者のう Xu RH et al: Nat Methods 2: 185-190,2005 bFGF に誘導される線維芽細胞のアポトーシスにより創の過 管血流あり) ,Type 3(真皮毛細血管攣縮もしくは血流停滞) , bFGF 製剤投与により従来治療に比べて 上皮化までの日数が有意に短縮 Akasaka Y et al: J Pathol 203: 710-720,2004 Jackson らによれば,DDB は真皮毛細血管の攣縮,血流 いるため ,虚血が可逆的な段階で治療介入することにより, bFGF 製剤の受傷後早期投与の効果を検討した。 Ⅱ度熱傷創に対する早期からの bFGF 製剤の投与は,こう した平均日数は,bFGF 製剤投与群 16.2日,対照群 22.4日で により,創面を Type 1(真皮乳頭残存) ,Type 2(真皮毛細血 Type 3 症例は深達性Ⅱ度熱傷(DDB)に移行する可能性 要な因子であること 2),分化した筋線維芽細胞を線維芽細胞 いずれも軟膏療法と併用して受傷翌日から bFGF 製剤を投 手段として,創面の拡大像をリアルタイムに観察できるビデオ ® という報告がある 1)。 QOWH の向上を期待できる bFGF 製剤 が短縮した。以上のことから,培養表皮移植術を施行できない 施設においては bFGF 製剤の投与は有用であると考えられた。 Jackson DM: J Trauma 9: 839-862,1969 1) 図 2.上皮化に要した日数 (日) p<0.05 mean±S.D. 20 Type 1:真皮乳頭残存 5.3±1.5日 Type 3:血管攣縮 血流停滞 22.4±7.2日 Type 2:真皮毛細血管血流(+) 10.0±1.2日 Type 4:凝固変性 36.5±7.8日 (mean ±S.D.) 日 数 10 16.2±4.1 bFGF製剤投与群 (n=10) 22.4±7.2 bFGF製剤非投与群 (n=10) (磯野伸雄ほか: Hi-Scope を用いた熱傷深度判定法: 熱傷 24: 11-18, 1998) 主題演題 4 主題演題 5-2 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ)」S5-06 ヒト脂肪組織由来幹細胞における FGF-2 の脂肪分化に与える影響 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ)」S4-04 bFGF 製剤使用による小児深達性Ⅱ度熱傷の瘢痕肥厚化予防 増殖と脂肪分化に与える影響について検討した。 関西医科大学形成外科学講座助教 覚道 奈津子先生 瘢痕抑制作用と上皮化促進作用が確認されており,創傷治 カレスサッポロ時計台記念病院形成外科・ 創傷治癒センター 小浦場 祥夫先生 bFGF 製剤は,DDB に対する早期投与において,肥厚性 4 (第 37 回日本創傷治癒学会研究奨励賞 受賞) ASCs を DMEM 培地で 7日間増殖させ(増殖期) ,その後 癒の質(QOWH)の向上の可能性が注目されている。今回は, 小児における体幹・上肢の比較的広範囲のⅡ度熱傷で,受 bFGF は ASCs の増殖と脂肪分化に関与 われわれは,多分化能を有する間葉系幹細胞である脂肪 1) 14 日間脂肪分化培地にて培養し(脂肪分化期) ,期間別の 傷早期から bFGF 製剤を投与した 3 症例の経過を供覧すると 由来幹細胞(ASCs)に着目して組織再生を試みている 。今 bFGF(10ng/mL)添加,無添加によって分類した(Group ともに,最近の bFGF に関する報告を参考に,QOWH の向 回,線維芽細胞や骨髄由来間葉系幹細胞などに影響を与え 1:増殖期・脂肪分化期ともに bFGF 無添加,Group 2:増殖 上の機序についても若干の考察を加えたい。 る増殖因子とされている FGF-2(bFGF)が,ASCs における 期のみに bFGF を添加,Group 3:脂肪分化期のみに bFGF 5 を添加,Group 4:増殖期・脂肪分化期ともに bFGF 添加)。 GPDH 活性測定,脂肪分化マーカー(PPAR ,C/EBP, な潰瘍の場合は移植後 2 週目に mesh skin graft による over Wnt-3(細胞間シグナル遺伝子)を発現させたうえでラットに MTT Assay による増殖作用の検討では,増殖期において GLUT4) 発現測定にて検討した。Oil red O 染色では Group2, grafting を行う (図 1)。われわれの検討によれば,糖尿病や 移植したところ,胎生期と同様に毛N脂腺系が発生すること 膠原病,血管障害に続発する下Ù潰瘍に対しては,被覆材 が明らかになった(図 2) 。本研究は幹細胞を使用しなくても では,増殖期に bFGF を添加した Group 2,4 で細胞増殖が 4 の脂肪分化が促進し,GPDH 活性は Group2,4 において促 進,PPAR,GLUT4 は,Group1 に比べ Group2 でより多く発 に加えて bFGF 製剤の併用を積極的に考慮すべきとする結 morphogen 刺激と制御などにより皮膚付属器の形成が可能 促進していた。また,脂肪分化度については Oil red O 染色, 現していた(図 1) 。 果を得ている。これにより,迅速な創の閉鎖のみならず,治 であることを示した点で画期的であり,将来の創傷治療の概 図 1.脂肪分化期(14 日目)における GPDH 活性と,PPARγ, GLUT4 の発現 脂肪分化の誘導および脂肪分化特異的遺伝子の発現は, PPAR と C/EBP の発現維持によって引き起こされること 癒後の瘢痕化を軽減し,創の収縮をも制御できる可能性が 念を大きく変えうると考えている。今後の皮膚再生治療につ bFGF 添加群の細胞増殖が促進しており,脂肪分化期 14日目 (U/mg protein) 1200 * * 1000 いては,コストとベネフィットを含めて十分に検討を行い,臨 取り組んでいる。従来,毛N脂腺系は胎生期に作り出され, 化誘導を行わなくても,bFGF 添加により ASCs の PPAR 発 その後は再生しないとされてきた。しかし,コラーゲンスポン 現が促進していた。なお,C/EBP の発現促進は認められな ジに bFGF を添加し,遺伝子導入で BMP-2(骨形成因子) , かった。 800 GPDH活性 ある。 が知られている。そこで,増殖期の bFGF 添加群,無添加群 における PPAR ・C/EBP の発現を調べたところ,脂肪分 以上の結果より,bFGF は ASCs の増殖のみならず脂肪分 また,われわれは皮膚組織再生についての新たな試みに 図 1.bFGF 製剤と人工真皮の併用により治療した下Ù潰瘍 床応用に向けた努力を継続して,将来の難治性潰瘍治療に 貢献したい。 図 2.bFGF を添加した BMP-2 + Wnt-3 遺伝子治療により再生 した毛嚢脂腺系組織(治療後 16 週目) 化も促進することが示唆された(図 2)。ASCs の再生医療応 600 用において,脂肪分化誘導の前に bFGF を用いることにより 400 効率的に脂肪分化が行われる可能性が考えられる。 1) 治療前 Kakudo N et al: J Biomed Mater Res A 84: 191-197,2008 壊死組織除去 200 図 2.増殖期 bFGF 添加群における脂肪分化度 0 対照群 Group 1 Group 2 12 Group 3 Group 4 (* p<0.05) 160 脂肪分化期(14日間) 脂肪分化 対照群 − Group 1 + 2 週後 140 10 300μm Group 2 120 8 GLUT4発現 PPARγ発現 増殖期( 7日間) 6 4 100 +++ bFGF Group 3 bFGF + bFGF ++ 4 か月後 80 60 Group 4 bFGF 主題演題 6-1 「難治性潰瘍のトピックス」S6-02 40 2 基礎媒体(DMEM, 10% FBS, 1 % 抗生物質/抗真菌薬) 20 0 0 対照群 Group 1 Group 2 対照群 Group 1 Group 2 (Kakudo N et al: Biochem Biophys Res Commun 359: 239-244, 2007) Basic fibroblast growth factor による線維芽細胞アポトーシス誘導の機序 誘発媒体(DMEM, 10% FBS 0.5mM BMX, 1μM デキサメタゾン, 10μM インスリン, 200μM インドメタシン, 1 % 抗生物質/ 1 % 抗真菌薬) (TGF)-1 で培養し,その後 bFGF のみを添加した結果,GF- (Kakudo N et al: Biochem Biophys Res Commun 359: 239-244, 2007 より作図) 東邦大学病理学講座准教授 主題演題 6-1 赤坂 喜清先生 「難治性潰瘍のトピックス」基調講演 (第 37 回日本創傷治癒学会学会賞 受賞) 難治性潰瘍治療のための分子生物学的戦略と再生治療への展望 2,3 において 48 時間目と96 時間目caspase-3 の活性化による アポトーシスの増加が確認された。このことから,bFGF は肉 芽組織由来の線維芽細胞に対し,強いアポトーシス誘導能を 有することが示唆された。アポトーシスは JNK などを介した細 正常創傷治癒過程における線維芽細胞のアポトーシスの 胞死シグナルによって誘導される一方,Akt,ERK などを介し 機序を解明することは,肥厚性瘢痕の病態ならびに抑制の た生存シグナルの積極的な関与により抑制される。そこで, 機序を解明するうえできわめて重要と考えられている。われ Akt 蛋白の発現性を上述の実験系において解析した結果, われはこれまでに bFGF 投与創における筋線維芽細胞のア bFGF 添加後,NF-1 では Akt-1 蛋白発現が増加していたが, 難治性潰瘍の背景には,加齢や基礎疾患,低栄養,炎症 ポトーシス増加と創収縮の抑制を報告してきたが,今回は GF-2 においてはその発現が減少していた (図 1) 。 性サイトカインの過剰産生,細胞増殖因子・サイトカインの減 bFGF の直接的なアポトーシス誘導能を in vitro,in vivo で解 近年,創傷治癒の分子生物学的側面が明らかになるととも 少などが存在し,正常な創傷治癒機構が破綻した病態と考 析した。 に,細胞増殖因子製剤が使用できるようになった。細胞増殖 えられる。こうした場合,単に創を湿潤環境に保つのみでは 因子である bFGF 製剤と被覆材を併用することで,短期間で 不十分であり,全身状態の改善に加えて創傷治癒を促進す 良好な肉芽や創底を形成し,比較的大きな創であっても閉 る薬剤の投与が効果的である。 札幌医科大学皮膚科准教授 小野 一郎先生 難治性潰瘍治療の到達点と将来展望 解析したところ,NF-1 では経時的にリン酸化が認められるの に対し,GF-2 では消失していた。なお,bFGF 添加後の ERK bFGF によるアポトーシスに Akt が関与 については NF-1,GF-2 のいずれにおいてもリン酸化が認め られた。この結果を受けて,実際のラット縫合創において検 鎖・治癒が可能である。今回は難治性潰瘍に対する分子生 具体的には,壊死組織を除去して創部に bFGF 製剤を噴 物学的戦略について述べるとともに,われわれが手がけた遺 霧したのち,bFGF 製剤を噴霧した人工真皮を貼付固定し, 3,4) ,正常皮膚から2 種類の線維芽細胞(NF-1,2) を樹立し 伝子導入による皮膚再生治療の試みについても報告する。 以後は同様の治療を完全に上皮化するまで継続する。大き た 。これらの 線 維 芽 細 胞をトランスフォーミング 増 殖 因 子 6 bFGF 添加後の Akt の活性化について,リン酸化を指標に ラット縫合創の肉芽組織から4 種類の線維芽細胞(GF-1,2, 討したところ,bFGF 投与創では対照に比較して有意に Akt-1 蛋白の発現が減少していた(図 2) 。 以上の結果から,① TGF-1 で処理し,bFGF を投与した 7 を添加,Group 4:増殖期・脂肪分化期ともに bFGF 添加)。 GPDH 活性測定,脂肪分化マーカー(PPAR ,C/EBP, な潰瘍の場合は移植後 2 週目に mesh skin graft による over Wnt-3(細胞間シグナル遺伝子)を発現させたうえでラットに MTT Assay による増殖作用の検討では,増殖期において GLUT4) 発現測定にて検討した。Oil red O 染色では Group2, grafting を行う (図 1)。われわれの検討によれば,糖尿病や 移植したところ,胎生期と同様に毛N脂腺系が発生すること 膠原病,血管障害に続発する下Ù潰瘍に対しては,被覆材 が明らかになった(図 2) 。本研究は幹細胞を使用しなくても では,増殖期に bFGF を添加した Group 2,4 で細胞増殖が 4 の脂肪分化が促進し,GPDH 活性は Group2,4 において促 進,PPAR,GLUT4 は,Group1 に比べ Group2 でより多く発 に加えて bFGF 製剤の併用を積極的に考慮すべきとする結 morphogen 刺激と制御などにより皮膚付属器の形成が可能 促進していた。また,脂肪分化度については Oil red O 染色, 現していた(図 1) 。 果を得ている。これにより,迅速な創の閉鎖のみならず,治 であることを示した点で画期的であり,将来の創傷治療の概 図 1.脂肪分化期(14 日目)における GPDH 活性と,PPARγ, GLUT4 の発現 脂肪分化の誘導および脂肪分化特異的遺伝子の発現は, PPAR と C/EBP の発現維持によって引き起こされること 癒後の瘢痕化を軽減し,創の収縮をも制御できる可能性が 念を大きく変えうると考えている。今後の皮膚再生治療につ bFGF 添加群の細胞増殖が促進しており,脂肪分化期 14日目 (U/mg protein) 1200 * * 1000 いては,コストとベネフィットを含めて十分に検討を行い,臨 取り組んでいる。従来,毛N脂腺系は胎生期に作り出され, 化誘導を行わなくても,bFGF 添加により ASCs の PPAR 発 その後は再生しないとされてきた。しかし,コラーゲンスポン 現が促進していた。なお,C/EBP の発現促進は認められな ジに bFGF を添加し,遺伝子導入で BMP-2(骨形成因子) , かった。 800 GPDH活性 ある。 が知られている。そこで,増殖期の bFGF 添加群,無添加群 における PPAR ・C/EBP の発現を調べたところ,脂肪分 以上の結果より,bFGF は ASCs の増殖のみならず脂肪分 また,われわれは皮膚組織再生についての新たな試みに 図 1.bFGF 製剤と人工真皮の併用により治療した下Ù潰瘍 床応用に向けた努力を継続して,将来の難治性潰瘍治療に 貢献したい。 図 2.bFGF を添加した BMP-2 + Wnt-3 遺伝子治療により再生 した毛嚢脂腺系組織(治療後 16 週目) 化も促進することが示唆された(図 2)。ASCs の再生医療応 600 用において,脂肪分化誘導の前に bFGF を用いることにより 400 効率的に脂肪分化が行われる可能性が考えられる。 1) 治療前 Kakudo N et al: J Biomed Mater Res A 84: 191-197,2008 壊死組織除去 200 図 2.増殖期 bFGF 添加群における脂肪分化度 0 対照群 Group 1 Group 2 12 Group 3 Group 4 (* p<0.05) 160 脂肪分化期(14日間) 脂肪分化 対照群 − Group 1 + 2 週後 140 10 300μm Group 2 120 8 GLUT4発現 PPARγ発現 増殖期( 7日間) 6 4 100 +++ bFGF Group 3 bFGF + bFGF ++ 4 か月後 80 60 Group 4 bFGF 主題演題 6-1 「難治性潰瘍のトピックス」S6-02 40 2 基礎媒体(DMEM, 10% FBS, 1 % 抗生物質/抗真菌薬) 20 0 0 対照群 Group 1 Group 2 対照群 Group 1 Group 2 (Kakudo N et al: Biochem Biophys Res Commun 359: 239-244, 2007) Basic fibroblast growth factor による線維芽細胞アポトーシス誘導の機序 誘発媒体(DMEM, 10% FBS 0.5mM BMX, 1μM デキサメタゾン, 10μM インスリン, 200μM インドメタシン, 1 % 抗生物質/ 1 % 抗真菌薬) (TGF)-1 で培養し,その後 bFGF のみを添加した結果,GF- (Kakudo N et al: Biochem Biophys Res Commun 359: 239-244, 2007 より作図) 東邦大学病理学講座准教授 主題演題 6-1 赤坂 喜清先生 「難治性潰瘍のトピックス」基調講演 (第 37 回日本創傷治癒学会学会賞 受賞) 難治性潰瘍治療のための分子生物学的戦略と再生治療への展望 2,3 において 48 時間目と96 時間目caspase-3 の活性化による アポトーシスの増加が確認された。このことから,bFGF は肉 芽組織由来の線維芽細胞に対し,強いアポトーシス誘導能を 有することが示唆された。アポトーシスは JNK などを介した細 正常創傷治癒過程における線維芽細胞のアポトーシスの 胞死シグナルによって誘導される一方,Akt,ERK などを介し 機序を解明することは,肥厚性瘢痕の病態ならびに抑制の た生存シグナルの積極的な関与により抑制される。そこで, 機序を解明するうえできわめて重要と考えられている。われ Akt 蛋白の発現性を上述の実験系において解析した結果, われはこれまでに bFGF 投与創における筋線維芽細胞のア bFGF 添加後,NF-1 では Akt-1 蛋白発現が増加していたが, 難治性潰瘍の背景には,加齢や基礎疾患,低栄養,炎症 ポトーシス増加と創収縮の抑制を報告してきたが,今回は GF-2 においてはその発現が減少していた (図 1) 。 性サイトカインの過剰産生,細胞増殖因子・サイトカインの減 bFGF の直接的なアポトーシス誘導能を in vitro,in vivo で解 近年,創傷治癒の分子生物学的側面が明らかになるととも 少などが存在し,正常な創傷治癒機構が破綻した病態と考 析した。 に,細胞増殖因子製剤が使用できるようになった。細胞増殖 えられる。こうした場合,単に創を湿潤環境に保つのみでは 因子である bFGF 製剤と被覆材を併用することで,短期間で 不十分であり,全身状態の改善に加えて創傷治癒を促進す 良好な肉芽や創底を形成し,比較的大きな創であっても閉 る薬剤の投与が効果的である。 札幌医科大学皮膚科准教授 小野 一郎先生 難治性潰瘍治療の到達点と将来展望 解析したところ,NF-1 では経時的にリン酸化が認められるの に対し,GF-2 では消失していた。なお,bFGF 添加後の ERK bFGF によるアポトーシスに Akt が関与 については NF-1,GF-2 のいずれにおいてもリン酸化が認め られた。この結果を受けて,実際のラット縫合創において検 鎖・治癒が可能である。今回は難治性潰瘍に対する分子生 具体的には,壊死組織を除去して創部に bFGF 製剤を噴 物学的戦略について述べるとともに,われわれが手がけた遺 霧したのち,bFGF 製剤を噴霧した人工真皮を貼付固定し, 3,4) ,正常皮膚から2 種類の線維芽細胞(NF-1,2) を樹立し 伝子導入による皮膚再生治療の試みについても報告する。 以後は同様の治療を完全に上皮化するまで継続する。大き た 。これらの 線 維 芽 細 胞をトランスフォーミング 増 殖 因 子 6 bFGF 添加後の Akt の活性化について,リン酸化を指標に ラット縫合創の肉芽組織から4 種類の線維芽細胞(GF-1,2, 討したところ,bFGF 投与創では対照に比較して有意に Akt-1 蛋白の発現が減少していた(図 2) 。 以上の結果から,① TGF-1 で処理し,bFGF を投与した 7 線維芽細胞では生存シグナル伝達キナーゼ Akt に異なる活 芽細胞ではアポトーシスが誘導される―と考えられた。 第 37 回日本創傷治癒学会 記録集 図 2.bFGF を投与した縫合創では有意に Akt-1 蛋白の発現が減少 bFGF 製剤による創傷治癒の最新知見 性がみられる,②この過程で Akt の活性化が消失した線維 図 1.NF-1 細胞と GF-2 細胞における Akt-1 蛋白の発現量 NF-1 経過時間 48時間目 96時間目 bFGF − − + 対照創 bFGF投与創 GF-2 48時間目 + − + 96時間目 − Akt-1 β-アクチン Akt-1 2007 年 12 月 6 日(木) ・7日(金) 横浜ロイヤルパークホテル (%) 150 β-アクチン (%) (%) 300 300 200 * Akt-1/β-アクチン Akt-1/β-アクチン ―再生医療における治療の展望― + 200 bFGF(basic Fibroblast Growth Factor)製 110 剤(一般名:トラフェルミン,商品名:フィブラス ト ®® スプレー)は,線維芽細胞増殖作用,血管新生 70 作用,肉芽形成促進作用を有する創傷治癒促進剤 であり,褥瘡や難治性潰瘍,熱傷創などに対する 30 100 100 効果が報告され,QOWH(Quality of Wound 0 対照創(n=5) 0 bFGF投与創(n=5) * 0 p<0.05 vs. 対照創 ※画像解析ソフトを用いてバンドの濃度・面積を数値化 ※画像解析ソフトを用いてバンドの濃度・面積を数値化 Healing:創傷治癒の質)向上への寄与が期待され ている。 ここでは,第 37 回日本創傷治癒学会における 基礎・臨床両面の報告から,bFGF 製剤の最新知 見を探るとともに,治療抵抗性末梢動脈疾患 第 37 回日本創傷治癒学会学会賞・研究奨励賞 第 37 回日本創傷治癒学会学会賞 (PAD)に対する再生医療への応用をテーマに開 第 37 回日本創傷治癒学会研究奨励賞 東邦大学病理学講座准教 関西医科大学形成外科学 授の赤坂喜清先生は,今学 講座助教の覚道奈津子先 会において「Basic fibro- 生は,今学会において「ヒ blast growth factor に ト脂肪組織由来幹細胞に よる線維芽細胞アポトー おける FGF-2 の脂肪分 シス誘導の機序」の研究 化に与える影響」の研究 成果により,第 37 回日 本創傷治癒学会学会賞を 成果により,第 37 回日 本創傷治癒学会研究奨励 受賞された。 賞を受賞された。 かれたランチョンセミナーの内容を紹介する。 ランチョンセミナー 1 治療抵抗性末梢動脈疾患(PAD)に対する再生医療を応用した総合的治療戦略 座長:東邦大学病理学講座教授 石井 壽晴先生 演者:日本医科大学大学院器官機能病態内科学分野准教授/日本医科大学付属病院再生医療科部長 宮本 正章先生 主題演題 3-1 「新しい創傷管理(縫合材料含む) 」S3-01 人工真皮と bFGF を用いた爪床欠損の治療 東京医科大学八王子医療センター形成外科教授 主題演題 3-2 菅又 章先生 「新しい創傷管理(縫合材料含む) 」S3-06 新鮮Ⅱ度熱傷創に対する bFGF 製剤初期投与の効果 東京都立広尾病院形成外科 主題演題 4 藤原 修先生 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ) 」S4-04 bFGF 製剤使用による小児深達性Ⅱ度熱傷の瘢痕肥厚化予防 褥瘡・皮膚潰瘍治療剤 カレスサッポロ時計台記念病院形成外科・創傷治癒センター 指定医薬品・処方せん医薬品(注) (注)注意―医師等の処方せんにより使用すること 主題演題 5-2 小浦場 祥夫先生 「再生医療の Update(Stem cell・分子生物学的アプローチ) 」S5-06 ヒト脂肪組織由来幹細胞における FGF-2 の脂肪分化に与える影響 関西医科大学形成外科学講座助教 覚道 奈津子先生 (第 37 回日本創傷治癒学会研究奨励賞 受賞) トラフェルミン(遺伝子組換え)製剤 薬価基準収載 主題演題 6-1 「難治性潰瘍のトピックス」基調講演 難治性潰瘍治療のための分子生物学的戦略と再生治療への展望 札幌医科大学皮膚科准教授 ●効能・効果、用法・用量、禁忌、使用上の 注意等詳細は、添付文書をご参照ください。 主題演題 6-1 (2006年4月作成)06X 2008 年 6 月作成 FGF111-08F-10-MT1 小野 一郎先生 「難治性潰瘍のトピックス」S6-02 Basic fibroblast growth factor による線維芽細胞アポトーシス誘導の機序 東邦大学病理学講座准教授 赤坂 喜清先生 (第 37 回日本創傷治癒学会学会賞 受賞)