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亜硝酸リチウム圧入工法による鉄筋腐食抑制効果に関する

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亜硝酸リチウム圧入工法による鉄筋腐食抑制効果に関する
亜硝酸リチウム圧入工法による鉄筋腐食抑制効果に関する環境条件の検討
李春鶴*1 江良和徳*2
*1
宮崎大学
工学教育研究部社会環境システム工学科(〒889-2192 宮崎市学園木花台西 1-1)
*2
極東興和(株)営業本部補修技術課(〒732-0052 広島市東区光町 2-6-31)
図-3 示すように、相対湿度が 60%より小さい曝露環
境においては材齢の増加に伴い、自然電位が貴の傾向に
なっていることが確認できる。しかしながら、相対湿度
が 80%程度の曝露環境では、材齢の増加に伴い自然電位
は貴な電位に変化し、相対湿度が 90%になってからやっ
と卑な電位に転じていることが確認できる。
これは、図-4 示すように、周囲環境から供給される
水分量、あるいは周辺環境へ逸散される水分量と密接な
関係があることが明らかになった。
4. まとめ
予め塩分を混入した供試体において、異なる湿度によ
る水分供給が腐食反応の抑制に影響を及ぼすことが確認
できるものの、本研究の範囲内では、湿度の高い相対湿
度が 80%程度の曝露環境でも亜硝酸リチウムの鉄筋腐
食抑制効果があることが明らかになった。
謝 辞:
本実験の遂行にあたり、コンクリートメンテナンス協
会にご協力頂いた。厚くお礼申し上げる。
参考文献:
1) 一般社団法人コンクリートメンテナンス協会:コン
クリート構造物の維持管理、pp.37-38(2014)
2) ASTM C 876-99:Standard test method for half cell
70
30
Φ13
鉄筋
70
250
単位:mm
250
図‐1 供試体の形状寸法
自然電位(Cu/CuSO4/mV)
0
90%以上の確率で腐食しない領域
-100
計測範囲
-200
湛水養生期間
不確定領域
-300
-400
90%以上の確率で
腐食する領域
-500
220
240
260
280
300
320
材齢(days)
図‐2 圧入前の自然電位
0
90%以上の確率で腐食しない領域
自然電位(Cu/CuSO4/mV)
供試体は打込み後、200ml ずつ 4 回湛水養生を行い、
自然電位を-350mV まで下げて(図-2)鉄筋腐食を促進
2)
させた後、供試体に亜硝酸リチウムを圧入させ、
NO2-/Cl-=1.0 に調整した。その後、相対湿度が 40%程度、
60%程度、80%程度の環境に 2 体ずつ曝露させた。
3. 実験結果および考察
250
110
70
100
相対湿度40%環境
相対湿度60%環境
-100
-200
不確定領域
-300
相対湿度90%環境
相対湿度80%環境
-400
-500
300
90%以上の確率で腐食する領域
320
340
360
380
400
420
440
材齢(days)
図‐3 圧入後の自然電位変化
100.2
相対湿度80%環境
供試体の質量変化 (%)
1. はじめに
鉄筋の腐食は、鉄筋コンクリート(RC)部材の劣化の
代表的な劣化形態の一つである。RC 部材の鉄筋の腐食
について、塩害や中性化などにより、鉄筋の不動態皮膜
が破壊されるのがその主要因になるが、反応物としての
水分や酸素の供給も不可欠である。
本研究は、亜硝酸リチウムを圧入 1)したコンクリート
の腐食抑制効果に関する相対湿度の及ぼす影響を検討す
る。
2. 実験概要
図-1 に示すように供試体の形状寸法を示す。供試体
の配合は、設計基準強度が 24N/mm2 の早強ポルトランド
セメントを用いたコンクリートで、練混ぜの際、予め
8.24kg/m3 の塩分をコンクリートに添加した
相対湿度90%環境
100.0
99.8
99.6
99.4
320
相対湿度60%環境
相対湿度40%環境
340
360
380
400
420
440
材齢(days)
図‐4 圧入後の供試体の質量変化
potentials of reinforcing steel in concrete,Annual book of
ASTM standards,Vol.03.02,pp.11-16(1999)
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