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レーザープロファイラーを用いた レーザープロファイラーを用いた レーザー
レーザープロファイラーを用いた 応用地質学的課題解決のための地形計測の有効性 Effectiveness of measuring terrain surface for solving engineering geological problems using a laser profiler. ○ 亀山聖二(株式会社タナカコンサルタント札幌支店),松塚悟(株式会社タナカコンサルタント) 矢吹信喜(大阪大学),後藤芳彦(室蘭工業大学) N N 写 真 1 活 発 に 噴 煙 を あ げ る 日 和山 図 1、図 2 の 範 囲 N 0 100 200 300m 0 100 200 300m 図 1 登 別 地 獄 谷 周 辺 の 火 山 ・ 火 口 地形 図 2 同 地 区 の 1 m コ ンタ ー 図 北海道の温泉地 登別は 「地獄谷」 をはじめとして今なお活動が活発な地域である (写真1)。 この地域は、 勝井他 1988 (北海道における火山に関する研究報告書第 12 編、 北海道防災会議) により、 形成史、 噴火史がとりまとめられ防災上有効に活用されてきた。 我々の調査では、 LISA3 による 3km×3km の地形調査をまず行った (図1、 2)。 有人ヘリから計測。 図1から、 従来は確認されていなかった新たな噴火口、 その可能性のある凹地形がいくつか発見された。 その規模は最小で径 50m 程度である。 この特徴的な地形は、1m コンター図(図2)では識別しづらいものもあり、 微地形を表現する図1を用いて明らかになった。 また、 これらの微地形だけでなく、 図1中に赤破線で示した ような径 500m の火口地形と思われる地形特徴も発見した。 0 100 300 500m この地図は、国土地理院刊行の 1/25,000 地形図(飛生、登別温泉)を使用しました。 図 3 調 査 地 案 内 図 移動体上の LISA3 と他の測量方法による計測結果の比較 ラジヘリによる計測 以上の火山地形はこれまで報告がなく、 新しい事実である。 今後は、この結果をもとに、火山地質学的な調査(地表踏査、ボーリングなど)による知見を重ね噴火史の解明、 噴出物の堆積範囲や量などを明らかにしていく。 基準点観測(VRS) 現 場 適 応 事 例 1 N N 自動車による計測状況 トータルステーションによる観測 図9 ラジコンヘリコプターでの検証状況 上空 20m、時速 15km で飛行し地上の対象物を計測。 トータルステーション使用の結果と比較。 図 10 車 で の 検 証 状況 時速 20km で地上の対象物を計測。 光波測儀の結果と比較。 比 較 点 位 置 0 15 1-A4 1-A5 30m 図 6 等 高 線 図 ( 1 mコ ンタ ー ) 差 (mm) 23 23 位 置 2-A1 2-A2 2-A4 2-A5 差 (mm) 18 27 13 0 A1 A2 A3 A4 A1 A3 - A2 A3 A4 A5 A3 A5 距離 (m) 光波測距儀 442.041 509.287 591.106 836.717 951.327 1427.822 距離 (m) LISA3 442.041 509.297 591.109 836.728 951.336 1427.832 差 (mm) 0 10 3 11 9 10 N 0 15 30m 現 場 適 応 事 例 2 N 図 4 点 群 デ ー タ 表示 0 20 40m 図 7 段 彩 図 N 0 15 30m 図 11 1 mコ ン ター図 図 5 斜 め 空 中 写 真 有人ヘリから計測。 地質は新第三紀鮮新世の安山岩 ・ 火山角礫岩。 地形計測の場合、 データはノイズや樹木などの影響を 除き表現することができる。 そこから、等高線図、段彩図、鳥瞰図、断面図などさま ざまな加工ができ、 地質調査結果の基図となったり、 設計の基礎情報となった。 0 20 図 12 地 形 断 面 図 有人ヘリから計測。 地質はホルンフェルス。 今回の調査では、 ヘリコプターによる近接計測の結果、 1m メッシュレベルの解析が可能となり、 従来は図示 されることのなかった細かい地形が表現可能となった(図11、12)。 この部分は、道路からの高さが 30m ほどのところにあり、小岩塔状の形状をしている。 従来図ではこの部分は単調な傾斜の斜面として表現されている。(図12中の点線、2004 年計測) 40m 図 8 鳥 瞰 図 今回、この部分が正確に表現された地形図を基礎にして、対策工の設計検討が行われた。 2 0 0 8 .1 0 .3 0 日 本 応 用 地 質 学 会