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DG2015-14: キャリーオーバー - Japan Bioanalysis Forum

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DG2015-14: キャリーオーバー - Japan Bioanalysis Forum
DG2015-14
キャリーオーバー
野田 巧1,神波 亜矢子2,栗山 早織3 ,
佐野 友一4 ,牟田口 国則5 ,横山 智教6
http://bioanalysisforum.jp/
Japan Bioanalysis Forum
小野薬品工業株式会社1,田辺三菱製薬株式会社2,日本新薬株式会社3,
積水メディカル株式会社4,株式会社住化分析センター5,テバ製薬株式会社6
7th JBF Symposium, DG2015-14
1
アンケート結果
7th JBF Symposium, DG2015-14
http://bioanalysisforum.jp/
Japan Bioanalysis Forum
2
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
Q1:キャリーオーバーの経験は?
回答数:68件
0.0%
Q2:キャリーオーバーが生じた
時期は?(複数回答可)
ある
回答数:68件
100.0%
0
60
分析法検討時
63
バリデーション試験時
31
サンプル測定時
31
7th JBF Symposium, DG2015-14
http://bioanalysisforum.jp/
ない
3
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
難溶性
46
親水性
19
吸着性
ミセル形成
2
33
ニードル内部
35
高圧バルブ
27
インジェクションループ
35
不明
その他
ニードル外部
34
脂溶性
Q4:キャリーオーバーした箇所
(複数回答可) 回答数:68件
イオンソース部
16
3
18
LC流路
カラムのフリット
11
1
その他:金属との配位結合
17
カラム内部
24
不明
その他
16
5
http://bioanalysisforum.jp/
Q3:キャリーオーバーした化合物の物性
(複数回答可) 回答数:68件
その他:注入ポート(ニードルシール)
オートサンプラ周りとそれ以外の区別のみ
インジェクターポッド
ニードルをぬぐうパーツ(フリット
など
7th JBF Symposium, DG2015-14
4
Japan Bioanalysis Forum
Q5:キャリーオーバー箇所の同定方法
アンケート結果
カラムを外す
洗浄条件の変更(洗浄箇所,洗浄溶媒,洗浄回数,洗浄量)
部品交換(カラム,流路,バルブ,シリンジ)
連続注入→カラムの交換→内部洗浄の追加→高圧バルブの切り替え等を実施し,
箇所を特定する
オートサンプラーを介さずに注入
1つずつ条件を変更し,箇所を特定する
出来るところから検討する
バルブの連続切り替え
消去法で特定
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空打ちの実施
経験から
流路を洗浄
Blank試料の連続注入
7th JBF Symposium, DG2015-14
5
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
Q6:キャリーオーバーの回避方法
洗浄方法の変更
ニードル内部洗浄の追加
洗浄回数を増やす
リンス時間の延長
ループの洗浄
洗浄溶媒の変更
有機溶媒比率を上げる
溶出力の高い溶媒への変更
洗浄溶媒に酸を加える
洗浄溶媒のpHを変える
オートサンプラーの変更
洗浄溶媒にEDTAを加える
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リンスボリュームの増量
同一機種のLCへ変更
LCメーカーの変更
7th JBF Symposium, DG2015-14
6
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
Q6:キャリーオーバーの回避方法
カラム
ODSからHILICへ
サンプル周り
流路切り替えによるカラム洗浄(バックフラッシュ)
注入試料を希釈し,注入量を増やす
注入試料に酸を加える(自浄効果を持たせる)
注入量を減らす
注入試料の有機溶媒比率を変える
注入試料の有機溶媒を変える
Blank試料を注入する
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カラムを変更
注入条件を変更
7th JBF Symposium, DG2015-14
7
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
Q6:キャリーオーバーの回避方法
部品を交換
部品の材質を変更
バルブ切り替えを連続で行う
部品を洗浄する
グラジエント条件の変更 Initialの有機溶媒比率を上げる
1run中に複数回のグラジエントをする
グラジエント条件からアイソクラティック条件へ変更
移動相の変更
7th JBF Symposium, DG2015-14
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部品周り
8
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
Q7:キャリーオーバーを持つ分析法での実検体測定は?
ない
ある
51.5%
48.5%
7th JBF Symposium, DG2015-14
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回答数:68件
9
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
Q8:キャリーオーバーを有する分析法における検体測定方法
高濃度検体の後にBlank試料を組み込んだ
定量値に影響を及ぼしたと考えられる試料の再分析を行う
測定毎に洗浄用のブランク試料等を注入する
キャリーオーバーの度合いが一定のため,“ゲタ”として分析を実施する
LLOQをキャリーオーバーの5倍以上のレスポンス濃度に変更する
(LLOQの変更で対応)
キャリーオーバーが生じるが,
LLOQの20%以下であったため測定結果に影響はないと判断した
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高濃度試料注入後,何%キャリーオーバーが生じるか確認しておく
予想濃度が低いサンプルから高いサンプルに並べ替えて測定する
測定バッチ毎にキャリーオーバーの比率を評価し,
連続注入した試料濃度への影響を評価
高濃度と予測される試料については予め希釈を実施する
7th JBF Symposium, DG2015-14
10
Japan Bioanalysis Forum
アンケート結果
いいえ
13.2%
その他
Q10:キャリーオーバーが
生じにくいLCメーカーは?
回答数:68件
回答数:52件
0
5.9%
A社
30
0
W社
4
S社
はい
S社
80.9%
T社
A社
その他
その他:考慮するが,優先順位は高くない
今後考慮する
など
31
8
1
0
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Q9:LC購入時の選択基準に
キャリーオーバー性能は含む?
8
その他:どのメーカーもなくならない
C社,化合物との相性
大きな差はない
など
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11
1.キャリーオーバー箇所の同定
7th JBF Symposium, DG2015-14
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Japan Bioanalysis Forum
12
Japan Bioanalysis Forum
①空打ち
フローチャート(2)へ
②ブランク(複数)注入
操作
原因箇所
③洗浄方法変更
1.箇所の同定
キャリーオーバー改善
キャリーオーバー改善なし
ニードル
ニードルループa
⑥注入量を増やす
と強度が上がる
④高圧バルブ切換
⑤ニードルシール交換
コンタミ(試料)
高圧バルブ
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箇所の同定(1)オートサンプラ
ニードルシール
a:ニードルループ(押込方式)及びニードル内部(ニードル内洗浄がない場合)
7th JBF Symposium, DG2015-14
13
Japan Bioanalysis Forum
箇所の同定(2)オートサンプラ以外
操作
⑬Graa測定において、
待機時間を長くする
と強度が上がる
⑧Graaの傾きをゆるめる
キャリーオーバー改善
キャリーオーバー改善なし
流路b
⑩流路洗浄・パーツ交換
⑦カラムを外す・交換
カラム
原因箇所
コンタミ
(移動相)
a:Gradient
b:配管及びニードルループ(ダイレクト注入方式)
MS
⑪バルブ穴の変更
切換バルブ
カラムフリット
⑨カラム変更により挙動が変化
カラム内部
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①空打ち
フローチャート(1)へ
1.箇所の同定
⑫イオンソース洗浄・交換
イオンソース
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14
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解説(1)
1.箇所の同定
空打(オートサンプラの注入動作なし)によるキャリーオーバーの有無
を確認.改善すればオートサンプラが原因箇所と判断.
2.
ブランク試料を複数調製し,連続注入によりキャリーオーバーが
改善するか確認.
 検出力が高いため,溶媒ではなくブランク試料の使用を推奨.
 ニードルから試料への汚染が懸念されるため,単独試料での実施は
推奨しない.
3.
ニードル内洗浄の追加,洗浄液の変更等.次項(2. 回避法)の記載も参照.
4.
高圧バルブの切換え.
5.
ニードルシールを交換.
6.
ブランク試料の注入量を増やすとCOの強度が上がる場合は,ブランク試
料調製に使用する試薬のコンタミまたは容器成分の溶出が原因と判断.
7th JBF Symposium, DG2015-14
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1.
15
Japan Bioanalysis Forum
解説(2)
7.
カラムを外す,または予備カラムと交換し,ブランク試料を注入.
キャリーオーバーがなくなればカラムが原因と判断.
8.
移動相条件がグラジエントであれば,カラムを付けた状態でグラジエ
ントの傾きをゆるめる,またはアイソクラティックに変更.キャリー
オーバーが改善すれば,カラム先端部での濃縮が原因であり,原因箇
所はカラムフリットと判断.
9.
予備カラムとの交換でキャリーオーバーの挙動が変化すれば,カラム
内部への吸着が原因と判断.
10. 移動相の有機溶媒比率を上げて一定時間流す等,流路洗浄を実施.条
件については次項(2. 回避法)も参照.キャリーオーバーが改善すれば流
路への吸着が原因と判断.より詳細に原因箇所を特定するためには,
一箇所ずつパーツを交換してCOを確認.グラジエント条件ではカラム
手前,アイソクラティック条件ではカラム後の配管に吸着することが
多い.流路洗浄を行わず,直接パーツ交換を実施することも可能.
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1.箇所の同定
16
Japan Bioanalysis Forum
解説(3)
1.箇所の同定
12. イオンソースを洗浄,または互換性のある他の機器のイオンソースと
交換し,キャリーオーバーへの影響を確認.
13. グラジエント条件において,測定待機時間を長くすることでキャリー
オーバーの強度が上がる場合,移動相へのコンタミが原因であると
判断.
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11. MSの切替バルブの穴を変更,
またはバルブを切替えてバルブ内部を洗浄.
17
2.キャリーオーバーの回避法
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18
Japan Bioanalysis Forum
Case1:分析法構築時の対策
<推奨順>
分析時間に
与える影響が小さい
対応しやすい
他試験に影響を
及ぼす可能性がある
ニードル
インジェクター
①洗浄液の変更*1
①移動相の変更*2
②洗浄プログラムの変更
③注入試料の工夫
④部品交換
流路,MS,
カラム
切り替えバルブ
①溶離条件の変更
②追い出し条件の最適化
洗浄プログラムの設定
③カラム変更
①移動相の変更
②分析後ライン洗浄
プログラムの追加
③部品交換
④注入試料を工夫
*1 ニードル
*2 バルブ,ループ,ニードルシールなど
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オートサンプラ
2.回避法
 分析法構築時は期間の許す限り徹底的にフローチャートで同定し,
同定した箇所に対して対策を実施.
 部品交換は,同一構成のシステムでキャリーオーバーの有無を確認後に
実施することを推奨.
7th JBF Symposium, DG2015-14
19
Japan Bioanalysis Forum
Case2:バリデーション・検体測定時に 2.回避法
キャリーオーバーが発生した場合の対策
解決しない場合,次の対処法を実施する.
ニードル
インジェクター
洗浄液の変更
カラム
洗浄プログラム
の変更
追い出し条件の最適化
洗浄プログラムの設定
流路
キャリーオーバー
を抱えたまま続行
MS
切り替え
バルブを外す
(or 切替なし)
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機器関連の影響である可能性が高い.
同一構成のシステムでキャリーオーバー有無を確認後に部品を交換する.
洗浄プログラムの変更
キャリーオーバーに不安を抱えた分析法(15~20%未満)であり,
基準を超えてきた場合,実施する項目を限定する.
7th JBF Symposium, DG2015-14
20
Japan Bioanalysis Forum
推奨法:キャリーオーバー対策
オートサンプラ インジェクター(1)
2.回避法
(オートサンプラ)
①ニードル洗浄液の変更フローチャート
キャリーオーバーが発生
洗浄液の溶出力を高くする
金属素材への吸着を抑制する
EDTAやカウンターイオンを
添加
脂溶性高い:
アセトニトリル/2-プロパノールの組成を上げる
水溶性高い:
水の組成を上げる
特異的なpkaがある
酸あるいは塩基を加える
10%まで目安にDMSOを加える
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物性が不明なケースも考慮し,
水/メタノール/アセトニトリル/2-プロパノール(1/1/1/1)
をベースとする
脂溶性高い:
さらにアセトニトリル/2-プロパノールの比率を上げる,
2-プロパノールの比率を上げる
水溶性高い:
さらに水の組成を上げる
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21
Japan Bioanalysis Forum
2.回避法
2.回避法
(オートサンプラ)
洗浄液の系統
DG推奨組成
洗浄液構成例(DG内経験)
複数液混合系
水:MeOH:MeCN:IPA
(1:1:1:1)
比率 1:5:5:1, 0:5:5:1, 0:7:3:0,etc.
さらに,
0.1%~1%ギ酸あるいは酢酸含有
0.1%~0.28%アンモニア含有
10%ジメチルスルホキシド含有
1溶媒系
100%MeOH,100%MeCN
50%MeOH,50%MeCN
有機溶媒割合:10%~100%
酸添加量:上限1%
(ギ酸・酢酸・トリフルオロ酢酸)
塩基添加量:上限0.3%
(アンモニア)
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ニードル洗浄液の実例
MeOH:メタノール
MeCN:アセトニトリル
IPA:イソプロパノール(2-プロパノール)
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22
Japan Bioanalysis Forum
2.回避法
2.回避法
(オートサンプラ)
 有機溶媒比,pH変更
 疎水相互作用による吸着の場合,有機溶媒による
洗浄及び酸・塩基の添加が有効.ニードルシール
や高圧バルブロータなどの樹脂製部品の洗浄に
効果的
 イオン性,配位性相互作用による吸着が考えられ
る場合,EDTAやカウンターイオンの添加が有効.
サンプルループなどの金属製部品への吸着防止に
効果的
7th JBF Symposium, DG2015-14
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推奨法:キャリーオーバー対策
オートサンプラ インジェクター(2)
②移動相の変更
23
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推奨法:キャリーオーバー対策
オートサンプラ インジェクター(3)
2.回避法
2.回避法
(オートサンプラ)
ニードル
 液量,回数,時間を変更する
 洗浄方式,動作タイミングも検討する
 ニードル内洗浄が有効な場合がある
バルブ,ループ,ニードルシール
 測定毎に洗浄液を注入
 ニードル内洗浄を実施する
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③洗浄プログラムの変更
24
Japan Bioanalysis Forum
A社Software制御下での洗浄プログラムの実例
2.回避法
(オートサンプラ)
W社製オートサンプラ
項目名
実例
設定範囲
項目名
実例
設定範囲
Rinsing Volume
200 uL
1 to 2000 uL
(500 uLシリンジ)
Weak wash
Volume
600 uL
2000 uL程度まで
(シリンジ容量依存)
Rinse Dip Time
0 sec
0 to 60 sec
600 uL
Rinse Mode
Before and after aspiration
洗浄なし、
注入前、
注入後、
注入前後
Strong wash
Volume
2000 uL程度まで
(シリンジ容量依存)
空打の方法
LCメーカー純性ソフトウェアの使用で可能性有
Rinsing speed
35 uL/sec
1 to 35 uL/sec
空打の方法
Batch fileにおいて、Injection volumeを”-1”にする.
①Inlet MethodからAutosamplerを選択
②Advanced内の”No injection”をチェック
特徴:ニードル内外の洗浄に溶媒の使い分けが可能
特徴:ユーザー側で洗浄時期や洗浄液への浸す時間の選択が可能
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S社製オートサンプラ
空打の方法(その他)
① Tune and calibrate モードのManual tuning内でAcquisition Methodを開く
② Manual tuning画面上のStartボタンを押すと注入せずにScan開始
(Startの代わりにAcquireボタンを押すと、データ取得も可能)
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Japan Bioanalysis Forum
逆相モードにおける各溶媒の特徴
注
(オートサンプラ)
溶出力
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水
メタノール
DMSO
アセトニトリル
アセトン
エタノール
2―プロパノール
THF
極性
2.回避法
2.回避法
溶出力は対象の化合物の性質で変動する
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Japan Bioanalysis Forum
推奨法:キャリーオーバー対策
オートサンプラ インジェクター(4)
2.回避法
2.回避法
(オートサンプラ)
 有機溶媒比や溶媒の種類変更
 測定試料を希釈して注入量増加
(注入する測定対象の絶対量で調節)
 ニードル内で析出が考えられる場合,
移動相より溶出力の弱い試料溶媒に変更
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④注入試料を工夫
 金属吸着が考えられる場合は高濃度サンプル
の事前注入が有効な場合がある
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Japan Bioanalysis Forum
推奨法:キャリーオーバー対策
オートサンプラ インジェクター(5)
2.回避法
2.回避法
(オートサンプラ)
⑤部品交換(インジェクター部品の素材変更)
 ポリエーテルエーテルケトン樹脂
 疎水性サンプルの吸着が生じにくい上,全pH域で使用できる特長
Vespel
 全芳香族ポリイミド樹脂
 耐磨耗性能が高く,ローターシールの材料として多くの6方バルブに採用
 疎水性サンプルが吸着しやすい上,高pH域において耐薬品性に劣る
Delrin
 ポリアセタール樹脂
 pH域において耐薬品性の問題は生じない.
 疎水性サンプルの吸着が生じにくい
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PEEK
島津社の資料より
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Japan Bioanalysis Forum
推奨法:キャリーオーバー対策
カラム(1)
2.回避法
(カラム)
 GradientからIsocraticに変更
 Gradient勾配の変更
 有機溶媒比変更
 有機溶媒の種類変更
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①溶離条件の変更
 移動相に酸添加
7th JBF Symposium, DG2015-14
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Japan Bioanalysis Forum
推奨法:キャリーオーバー対策
カラム(2)
2.回避法
(カラム)
 複数回Gradient
 高流速洗浄
 カラムスイッチング法
7th JBF Symposium, DG2015-14
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②追い出し条件の最適化,洗浄プログラムの設定
30
Japan Bioanalysis Forum
洗浄プログラムの実例
(カラム)
追い出し条件の最適化
<複数回Gradient>
Mobile phase B (%)
10
10
90
90
10
10
90
90
10
10
<高流速洗浄>
Time
(min)
0
0.5
2
3
3.5
5
5.5
5.6
7
Flow rate
(mL/min)
0.3
10
10
90
90
90
90
90
10
10
Flow rate
(mL/min)
0.3
0.3
0.3
0.3
0.6
0.6
0.3
0.3
0.3
Analyte
Intensity
Intensity
Analyte
Mobile phase B (%)
I.S.
time
流速(mL/min)
移動相B (%)
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Time
(min)
0
0.5
2
3
3.1
3.5
3.6
4.5
4.6
6
2.回避法
I.S.
time
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流速(mL/min)
移動相B (%)
31
Japan Bioanalysis Forum
洗浄プログラムの実例
Pump A
Pump B
<カラムスイッチング法>
Auto
sampler
2.回避法
(カラム)
MS
Pump C
(Waste)
Step 1:
試料注入~LC分離
Column
Pump A:0.1%ギ酸
Pump B:メタノール
Pump C:アセトニトリル
Pump A
Pump B
Auto
sampler
MS
LC分離用
カラム洗浄用
http://bioanalysisforum.jp/
Switching
valve
Switching
valve
Pump C
(Waste)
Step 2:
送液方向を反転させカラムを洗浄
Column
カラム洗浄液はA,Bとは異なる性質のも
ので,より溶出力の高い溶媒を選択
7th JBF Symposium, DG2015-14
32
Japan Bioanalysis Forum
洗浄プログラムの実例
<カラムスイッチング法>
2.回避法
(カラム)
A社Software制御下でのS社LCシステムのプログラム設定例
Pump C:アイソクラティックモード
Pump設定画面
②Pump B(有機溶媒)リッチな
条件で流路を洗浄
①4minまでPump AとBによるグラジエント分析
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Pump A,B:グラジエントモード
③カラムの洗浄:スイッチングバルブを切り替
えてPump Cの移動相をカラムに流入させる
タイムプログラム設定画面
7th JBF Symposium, DG2015-14
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Japan Bioanalysis Forum
推奨法:キャリーオーバー対策
カラム(3)
2.回避法
(カラム)
 新品,メーカー,充填剤,洗浄(使用後)
 プレカラム交換(あるいは着けない)
 カラム本体やフリットの素材変更
(メタルフリーカラムも有効)
④注入試料変更
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③カラム変更
 酸添加による自浄洗浄
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34
Japan Bioanalysis Forum
2.回避法
(流路・MS・切替バルブ)
推奨法:キャリーオーバー対策
流路,MSイオンソース,切り替えバルブ


高割合の有機溶媒を通液
測定終了後,別溶媒の通液
②部品交換・部品洗浄

配管,キャピラリー,シール(バルブ)の交換・洗浄
③ローター素材の変更(切り替えバルブ)

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①分析後のライン洗浄プログラムの追加
他試験への影響を考慮して変更する
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35
3.キャリーオーバーを有する
分析法を用いた検体測定方法
7th JBF Symposium, DG2015-14
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Japan Bioanalysis Forum
36
Japan Bioanalysis Forum
フローチャート
3.検体測定
バリデーション時の
LLOQの20%以下
実測定
(条件変更なし)
LLOQの20%以下
問題なし
LLOQの20%超
・ ブランク試料注入回数評価
・ 濃度差基準評価
LLOQの20%超
LLOQ変更
実測定において濃度差が
基準以内
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キャリーオーバー
基準以上
問題なし
7th JBF Symposium, DG2015-14
再分析
37
Japan Bioanalysis Forum
3.検体測定
分析法バリデーションで
キャリーオーバーの影響を評価する(1)
分析法バリデーションとしての基準は満たしているため,
検体測定結果に影響はないと判断して問題ない.
ただし,基準付近であるため,検体測定時,検量線のULOQ測定後に
ブランク試料を測定するなどし,測定バッチ毎にキャリーオーバーを
評価することを推奨する.
7th JBF Symposium, DG2015-14
http://bioanalysisforum.jp/
Case1:キャリーオーバーは生じるが、LLOQの15~20%以下
38
Japan Bioanalysis Forum
検体測定時に
キャリーオーバーが生じた場合...
3.検体測定
ガイドラインでは,実試料測定の際に検量線用標準試料のLLOQまたはULOQが
基準を満たさなかった場合,他に3種類のQC濃度を含む場合に限り,それらの
次の濃度をLLOQまたはULOQに再設定し,定量を行うことを認めている.
計画書に明記することで,キャリーオーバーにおいても同様の措置をとり,
キャリーオーバーの基準を満たすLLOQに変更し,検量線を作成する.
http://bioanalysisforum.jp/
 LLOQを変更し,キャリーオーバーのピークをLLOQの20%以下にする.
例) 検量線範囲(1-1000ng/mL),QC(3,200,750ng/mL)において,キャリーオーバーが基準を超えた場合
→ LLOQを1ng/mLから2ng/mLに変更することで,キャリーオーバーは25.0%から12.5%となり基準を満たす.
Carry over
1ng/mL
2ng/mL
変更前
Response
250
1000
2000
%
25.0%
12.5%
変更後
1
10
100
1000
,
Caliburation
QC
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LLOQを変更し,
キャリーオーバーを
基準内に
39
Japan Bioanalysis Forum
3.検体測定
分析法バリデーションで
キャリーオーバーの影響を評価する(2)
Case2:キャリーオーバーが、LLOQの20%以上
バリデーションでULOQ測定後にブランク試料を繰り返し測定し,キャリー
オーバーがLLOQの20%以下となる回数を確認,報告書に記載する.
検体測定時においては,高濃度であると予測される試料の測定後には規定回
数ブランクを注入し,次サンプル測定前にキャリーオーバーの影響がLLOQの
20%以下となることを確認する.
レポート化
ブランク測定
ULOQ測定
100
http://bioanalysisforum.jp/
 キャリーオーバーの影響がなくなるブランク注入回数を評価
100
100
100
3回目で基準内
0
0
0
0
0
0
0
0
7th JBF Symposium, DG2015-14
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Japan Bioanalysis Forum
3.検体測定
分析法バリデーションで
キャリーオーバーの影響を評価する(3)
例) 検量線範囲1~1000ng/mLの分析法において,LLOQの30%のキャリーオーバーが認められた場合
キャ リーオーバーとしてULOQの0.03%(1000ng/mL×0.03%=0.3ng/mL)が次の測定に影響を及ぼすこ
ととなる.
このキャリーオーバーがガイドラインの基準以下(LLOQの20%以下)となる濃度は,1.5ng/mLであり,
この時のサンプル間の濃度差は約667倍(1000ng/mL÷1.5ng/mL≒666.66・・・)となる.
次サンプルとの濃度差が667倍以下の場合,キャリーオーバーが次サンプルの測定結果に影響を及
ぼしていないと判断する.
→バリデーション報告書にキャリーオーバーが影響を及ぼさないサンプル間の濃度差を明確に
記載する.また,検体測定の計画書においても,影響を及ぼさない濃度差について記載する.
Sample
Number
Quantitative
Value ( ng/mL)
123
1000
456
2.00
500倍→Safe !!
Sample
Number
Quantitative
Value ( ng/mL)
789
2000
000
2.00
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 キャリーオーバーが影響を及ぼさない基準を報告書で
明確に記載する.
1000倍→再分析
41
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検体測定時に測定結果が
検量線上限を超えてしまった場合...
3.検体測定
次サンプルとの濃度差がキャリーオーバーが
影響を及ぼさない基準を上回っていないか?
上回っていない
上回っている
影響を及ぼす程度の
キャリーオーバーが測定結果に影響を
キャリーオーバーはない
及ぼしている可能性があるため再分析
ただし,検量線上限を超え,検出の飽和が著しい場合においては,定量値が過小
評価されている可能性があり,正確な濃度差の評価が困難であるため,次サンプ
ルの再分析を実施することを推奨する.
再分析の結果,定量値に影響がない場合には,初回測定値を採用する.
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✓ 濃度差を確認することで,次サンプルの測定結果の妥当性を評価する.
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3.検体測定
検体測定時に測定順序等を工夫する
静脈注射による検体やあらかじめ体内動態の予測が可能な検体に
ついては低濃度→高濃度の順になるように測定を行う.
検量線測定直後のQC試料の測定においては高濃度側より測定を実
施(QCH→QCM→QCL)し,検体試料の測定を行う.
 高濃度と予想される検体については,あらかじめ検体の
希釈を行って測定する.
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 キャリーオーバーの影響が小さくなるように測定時の
検体の順番を考慮する.
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3.検体測定
キャリーオーバーを有する分析法を用いた
検体測定方法
 キャリーオーバーが回避できない分析法においては,
バリデーション報告書,検体測定計画書またはSOP等に
キャリーオーバーの影響が及ぼされた測定結果を
どのように取り扱うか,またはどのように検体測定を実施
するかを明確に記載し,一定の手順に従って処理すること
が重要である.
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 バリデーション実施時に基準を満たした分析法においても,
検体測定時には,測定バッチ毎にキャリーオーバーを評価
することを推奨する.
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4.キャリーオーバーの
検討期間・内容
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Japan Bioanalysis Forum
分析ステージごとの
キャリーオーバーの検討内容
キャリーオーバー
発生
Ex. 1
バリ試験
検体測定
キャリーオーバー
発生
事前に懸念がなかった場合
事前に懸念があった場合
Ex. 2
箇所の同定,対策を実施
部品交換を実施
回避できない場合,
ハンドリング方法を検討
回避できない場合,
回避法case2を参照
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分析法構築
4.検討期間・内容
Ex. 3
 回避法case2を参照に対策
 キャリーオーバーを
抱えたまま実施
バリデーション試験以降の対策
(メソッド変更等)はパーシャ
ルバリデーション(PV)が必要
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4.検討期間・内容
分析ステージごとの
キャリーオーバーの検討内容(詳細)と期間
Ex. 2
EX. 3
• 原因箇所の究明
• 原因箇所究明,部品交換
• 原因箇所の究明
• 原因箇所への対策の実施
• 改善しない場合,EX. 3へ.
• 原因箇所への対策の実施
• 部品交換の実施は,原則推
奨しない*
*:同一機種を持っている場合で
機種変更によってキャリーオー
バーが軽減される場合に部品交換
を実施
その後のリスクを考慮して,
分析法構築時にはキャリーオー
バーの原因箇所の究明や対策
(回避法case1を参照)を詳細に
(1週間程度)実施することを
推奨
この場合,分析法検討時の
LC環境が特殊だった
可能性大**
**:分析法構築時には新旧のカラ
ムでの検討,LC機種を変更しての
検討の実施を推奨
回避法case1では大掛かりなPVが必
要となる場合があり,case2を推奨
• 回避できた場合,変更項目に
応じたPVを実施
• 回避できなかった場合,その
対応をレポート化し,検体測
定を実施
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Ex. 1
実質検討できる期間は1週間弱.原因箇所の究明に1~2日程度要し,キャリー
オーバー対策後のPVの実施を考慮すると,対策を実施できる期間は1~2日.
そのため,回避法case2(スライド20)に示したように検討項目を絞った.検
討してもキャリーオーバーが回避できない場合は,前項(3.検体測定)を参照.
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