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第17回プログラム - SQUARE - UMIN一般公開ホームページサービス

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第17回プログラム - SQUARE - UMIN一般公開ホームページサービス
第 17 回北海道内視鏡外科研究会の開催にあたって
関係各位
第 17 回北海道内視鏡外科研究会を 6 月 18 日 ( 土 )・19 日 ( 日 ) に函館で開催いたします。
今回は多くの方々にとって遠路函館までお越しいただく必要があるため、日程を 2 日間にして、会場を観光
地スポットの中心に設定し、また地元非会員医師にも公開とすることに致しました。 これによって、全道から
ご参加いただき、十分に学術行事の時間を確保すると共に、地元への還元と、地方開催の楽しみである観光
とリフレッシュを目指しました。 皆様には札幌で行われる例年の研究会と趣が異なることをご寛容いただき、
楽しく有益な学術集会になることを願っております。
折しも開催準備中の 3 月 11 日に東北・北関東が未曾有の大震災に見舞われました。 函館も少なからず影響
があり、函館ベイエリアの開催会場も被災しましたが、研究会ホームページで御案内したとおり函館は復活宣
言を早々と致しました。 しかし、御自身あるいは御身内が被災された方、東北・北関東の広範な被災地に援助
に行かれた方々と送り出した医療施設、ならびに直接・間接的に被災された協賛団体・企業がございます。
このような極めて特殊な状況ではありますが、多くの地元団体や企業からお力添えを賜り、68 もの演題を
様々な分野から頂戴しましたことを厚く御礼申し上げます。シンポジウムは「単孔式内視鏡外科手術の現状と
展望」をテーマとして Keynote lecture と各領域のご発表をいただきます。脚光を浴びている本領域の利点と
課題を見据えて将来展望を議論できればと思います。 ランチョンセミナーでは四谷メディカルキューブの笠間和
典先生をお招きし、
「肥満・糖尿病に対する外科治療」の御講演をいただきます。病的肥満は若年者で増加し
ており、長い人生の間に糖尿病をはじめ、高血圧、膝関節症、睡眠時無呼吸症候群、不妊症や流産、肺塞
栓等々を次々と併発するため、生産的人口の損失かつ医療費の増加を引き起こす社会問題となってきました。
肥満の外科手術に違和感を覚える方が多いと存じますが、本セミナーは外科医のみならず広い領域の皆様に
有益なものになると確信しております。 一般演題の 59 題は領域ごとに一つのセッションにまとめました。
セッションによって演題数の多寡があり 1 時間に及ぶ大きなセッションもございますが、活発な御討論をお願
い申し上げます。
全国の内視鏡外科関連の地方学術集会として有数の歴史を誇る本研究会を、故近藤哲北海道大学腫瘍外
科教授の御指名により函館で開催させていただくことを喜びとし、今回の研究会開催の趣旨にご賛同いただき
ました企業と多くの地元団体の皆様に改めて深謝申し上げます。
2011 年 5 月吉日
第 17 回北海道内視鏡外科研究会 当番世話人
倉内 宣明
市立函館病院消化器病センター消化器外科
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
1
会場のご案内
会場の配置図
研究会会場:函館金森赤レンガ倉庫群 金森ホール
〒 040-0053 北海道函館市末広町 14-12 TEL:0138-23-0338 URL:http://www.hakodate-kanemori.com/hall/
2
❶ 函館空港より
■ タクシー:約 3000 円(約 25 分)
■ シャトルバス(JR 函館駅前まで)400 円(約 20 分 )
❷ JR 函館駅より
■ 徒歩:約 15 分
■ タクシー:約 850 円(5 分)
■ 市電:谷地頭(やちがしら)又はどっく前行き乗車(200 円 約 5 分)
十字街電停下車。(徒歩約 3 分)
❸ 五稜郭地区より
■ タクシー:約 2000 円(15 分)
■ 市電:谷地頭(やちがしら)又はどっく前行き乗車(240 円 約 25 分)
十字街電停下車。(徒歩約 3 分)
❹ 湯の川温泉地区より
■ タクシー 約 3000 円(25 分)
■ 市電:谷地頭(やちがしら)又はどっく前行き乗車(250 円 約 35 分)
十字街電停下車。(徒歩約 3 分)
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
3
参加者各位
■一般参加者へのご案内
1.学会会員の皆様は,本プログラム・抄録集をご持参ください。なお、残部に限りがありますがご希望の方には受付にて一部 1,000 円
で販売いたします。
2.宿泊の斡旋は行っておりませんので、ご自身で手配いただきますようお願いいたします。
3.事前登録はありません。会場入り口で参加受付を行いますので参加証をお受け取り下さい。
● 参加費:1,000 円 ● 受付時間:6 月 18 日(土)11:30 ~ 17:00 / 6 月 19 日(日)7:30 ~ 14:00
4.会期中は必ず参加証を掲示して下さい。受付にストラップと名札ケース を用意いたしますのでご利用下さい。
5.発表後の討論で発言されるときは事前にスタンドマイクの前に並んでください。なお並んでいただいても進行や時間の関係によって
は発言 できないことをご了承ください。
■使用機材について
1.会場で使用するプロジェクターの解像度は XGA(1024 × 768)です。入力信号の解像度が 1,024 ドット× 768 ドットでない場合に予
期せぬレイアウトずれや欠けがおこりますので、ご自身のノートパソコンの外部出力解像度を XGA にしてデータを作成して下さい。
2.会場で用意する接続ケーブルは D-Sub 15ピン形式です(写真1参照)ご持参のノートパソコンに D-Sub 15ピンのメス端子(写真
2参照)があるかご確認ください。一部の小型パソコンや Macintosh では変換コネクターが必要な場合がありますので、必ずご持参
下さい。
3.ノートパソコンからの音声出力に対する準備はしておりません。
4.PC 受付時の試写においてご持参のノートパソコンが正常に動作せず、ご持参のバックアップファイルも会場の PC で動作しなかった
場合、発表を中止いたします。発表者の責任において、PC 動作確認と指定通りのバックアップデータをご持参いただきますようお願
いいたします。
6.会場内での写真撮影は一切禁止します。
7.携帯電話は会場に入る際に電源を切るかマナーモードにして下さい。また、通話する場合は、屋外でお願いいたします。
● D-sub15 接続コネクタ&ケーブル
8.会場は禁煙です。会場内に託児室はありません。ご了承ください。
9.会場専用の駐車場はありません。会場近くに有料駐車場がありますが観光地のため混雑が予想されます。市電,バス,タクシー等の
ご利用をお勧めします。
写真 1)接続ケーブル
■座長へのご案内
1.ご担当セッション開始予定時刻の10分前までに、受付を済ませて開場右前方の「次座長席」にご着席ください。
写真 2)接続コネクター
● SONY VAIO Note C1/SR/GT/U 等の一部機種や、Apple PB G4、Mac Book Pro 等の変換コネクター類
※該当する機種の方は、必ずご持参下さい。
2.セッションごとに進行方法をお任せしますので、座長同士での打ち合わせをお願いします。
3.セッションに設定された時間を厳守して、円滑な進行へのご協力をお願いします。
■発表者へのご案内
1. 発表は液晶プロジェクターを使用したパソコン発表のみとなります。
2. 必ずご自身の発表用ノートパソコン、AC アダプター、発表データを保存した USB メモリーをご持参ください。
3. 発表 1 時間前までに PC 受付を済ませてください。ご持参いただいたノートパソコンと電源を PC 受付でお預かりし、発表後に返却い
たします。(日曜日は朝 7 時 30 分からの受付です)
4. PC 受付で PC 画像の外部出力の確認をします。予めノートパソコンのスクリーンセーバーや省電力などの設定はお切りいただき、
ポップアップウィンドウが発表中に出てこないようお願いします。
5. 液晶プロジェクターとの接続と演台への運搬・設置は係が行います。
6. バックアップデータでの発表の場合,会場の Windows XP,PPT2003,Mediaplayer を用いますので、データは PPT2003,動画は
Mediaplayer,フォントは MSP ゴシックにて保存しご持参ください。
7. 発表画面の切り替えは発表者自身が演台上のノートパソコンで行ってください。
8. レーザーポインターを演台上に用意しておきますのでご利用ください。
9. 1演題の時間は「発表時間7分」( ※印の付いた症例報告は 5 分)、「質疑応答2分」です。交代時間も含まれます。時間を必ず守って
下さい。運営上、発表・質疑を途中で中止する場合もあります。
10.発表予定時刻の 10 分前までに会場左前方の「次演者席」にご着席ください。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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研究会プログラム
18 日(土)
シンポジウム 単孔式内視鏡外科手術の現況と展望
一般演題の発表は 7 分、※は 5 分以内です。
12:25 ― 12:30
開会の挨拶: 当番世話人 市立函館病院 消化器外科 倉内 宣明
12 :30 ― 13:22
一般演題 1.胸部
座長:渡辺 敦
札幌医科大学 第 2 外科 ,
岩代 望
国立病院機構 函館病院 外科
※1.高位縦隔神経原性腫瘍に対し胸腔鏡下に誘発電位を使用した 1 例
市立函館病院 心臓血管 ・ 呼吸器外科
馬渡 徹,ほか
座長:児嶋 哲文 函館中央病院 外科 , 森田 高行 北海道消化器科病院 外科
14. Keynote lecture:Reduced port surgery の挑戦と当院の試み
札幌南三条病院 呼吸器外科
石川 慶大,ほか
勤医協中央病院 外科
松毛 真一,ほか
3.ソフト凝固における肺瘻修復の経験
4.肺切除術中エアリークに対し VIO ソフト凝固システムが有用であった 2 症例
札幌医科大学 第2外科
宮島 正博,ほか
5.12mmSILS port を用いた単孔式気胸手術プロトコールの検討
市立札幌病院 呼吸器外科
三品 泰二郎 ,ほか
16. Dual ports LADG の検討 - 従来法と比較して
17.単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 80 例の検討
19.単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術の現状と展望
20.当科におけるポート数減への工夫(確実な単孔式へ)
22. 単孔式腹腔鏡手術の術者教育
近藤 啓史,ほか
国立病院機構 函館病院 外科 ,
海老原 裕磨 KKR 斗南病院
外科
※7.HATS/HALS 食道切除術を施行し後縦隔経路で再建された胃管癌に対し、HATS 胃管切除を行った 1 例
北海道大学 腫瘍外科
溝田 知子,ほか
※8.Type III 巨大食道裂孔ヘルニアに対する BAT mesh を用いた腹腔鏡下 Toupet fundoplication の経験
市立旭川病院 外科
高野 博信,ほか
9.胸腔鏡下食道切除術における側臥位・腹臥位の使い分け
北海道大学 腫瘍外科 七戸 俊明,ほか
13:45 ― 14:19
一般演題 3.小腸・虫垂
座長:高橋 周作
苫小牧市立病院 内視鏡外科 ,
10.癒着性イレウスに対する腹腔鏡下手術
大野 耕一
NTT 東日本札幌 松井 あや,ほか
※ 11. 虫垂粘液嚢胞腺腫に対する単孔式腹腔鏡下虫垂切除術の経験
北海道がんセンター 消化器外科
12.単孔式腹腔鏡補助下虫垂切除術 ( つり上げ法)の導入
13.腹腔鏡下虫垂切除術の標準化と整容性改善の工夫
休 憩
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
帯広厚生病院 外科
旭川厚生病院 外科
前田 好章,ほか
栁田 尚之,ほか
河島 秀昭,ほか
谷岡 利朗,ほか
小樽掖済会病院 外科
大野 敬祐,ほか
函館五稜郭病院 外科
菅野 将史,ほか
名寄市立総合病院 産婦人科
北村 普逸,ほか
手稲溪仁会病院 外科 中村 文隆,ほか
旭川医科大学 消化器病態外科
星 智和,ほか
16:38 ― 17:32
座長:宮坂 祐司 NTT 東日本札幌病院
23.当院における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の導入
外科 ,
田中 栄一 北海道大学 腫瘍外科
札幌北楡病院外科
土橋誠 一郎,ほか
24.当院における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(ローテーション法)の導入経過
札幌厚生病院 外科
25.急性胆嚢炎に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の成績
清田病院 外科
27.胆嚢摘出に対する単孔式腹腔鏡手術と従来式腹腔鏡手術の比較検討
28.当院における腹腔鏡下胆管切開切石術 164 例の経験
舩越 徹,ほか
山田 秀久,ほか
26.当院における単孔式腹腔鏡手術-安全な導入と手技の定型化を目指して
製鉄記念室蘭病院 外科
川瀬 寛,ほか
函館中央病院 外科
田中 公貴,ほか
済生会小樽病院 外科
木村 雅美,ほか
休 憩
《特別企画―イブニングほろ酔いセッション》
座長:高金 明典 函館五稜郭病院
17:40 ― 18:16
外科 ,
E-1.弊社における内視鏡下手術器具開発の取り組み
鬼原 史 函館協会病院 外科
株式会社八光
E-2.より愛護的な縫合を実現した次世代ステープラーの開発
E-3.オリンパスの医療事業への取り組み
勤医協中央病院 外科
札幌厚生病院 外科
一般演題 4.胆道
13:22 ― 13:45
一般演題 2.食道
加賀 基知三,ほか
KKR 斗南病院 外科 川原田 陽,ほか
21. 大腸癌に対する単孔式腹腔鏡下手術の現状
6.上葉肺癌に対する complete VATS の実際
北海道がんセンター 呼吸器外科
KKR 斗南病院 外科 北城 秀司,ほか
15. 肺 ・ 縦隔疾患に対する one window and punctures method による胸腔鏡手術
北海道大学 腫瘍外科
18.当院における単孔式腹腔鏡下虫垂切除術
2.当科にて経験した術後気管支断端瘻に対する気管支鏡下気管支瘻閉鎖術の経験
座長:大原 正範
14:35 ― 16:35
コヴィディエンジャパン株式会社
オリンパスメディカルシステムズ株式会社
E-4.安全にご使用頂くために ~ Echelon Flex ~
ジョンソン・エンド・ジョンソン㈱
エチコンエンドサージェリージャパン
※このセッションでは飲み物・軽食をご用意します.セッション開始前にお取りになってご着席ください。
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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研究会プログラム
一般演題の発表は 7 分、※は 5 分以内です。
19 日(日)
座長:山下 剛
一般演題 5.肝
8:00 ― 8:43
座長:神山 俊哉
北海道大学 消化器外科・一般外科 ,
舩渡 治
函館五稜郭病院 外科
29.人工腹水を用いた腹腔鏡下肝臓切除術における体腔内潅流装置の開発
KKR 斗南病院 臨床工学部 石田 稔,ほか
※30.転移性肝腫瘍に対して完全腹腔鏡下肝右葉切除を施行した 1 例
31. 肝エキノコックス症に対する腹腔鏡下肝切除術
KKR 斗南病院 外科 海老原 裕麿,ほか
北海道大学 消化器外科・一般外科
32.当院における鏡視下肝切除の導入
33.当科における完全腹腔鏡下肝切除術について
柿坂 達彦,ほか
函館五稜郭病院 外科
舩渡 治,ほか
札幌医科大学 第 1 外科
目黒 誠,ほか
8:45 ― 9:35
一般演題 6.膵脾
座長:向谷 充宏
函館協会病院 外科 ,
田原 宗徳
市立函館病院 消化器外科
※34.膵切離先行による完全腹腔鏡下脾温存膵体尾部切除術を施行した転移性膵腫瘍の 1 例
KKR 斗南病院 外科
35.膵尾側切除例の検討
才川 大介,ほか
手稲溪仁会病院 外科
36.当科における腹腔鏡下膵体尾部切除術の検討
37.腹腔鏡下膵体尾部切除の手術手技と成績
北海道消化器科病院 外科 岡村 圭祐,ほか
北海道大学 腫瘍外科 田中 栄一,ほか
KKR 斗南病院 外科 海老原 裕麿,ほか
39.小開腹を伴う腹腔鏡補助下脾臓摘出術の 2 例
市立札幌病院 外科
武田 圭佐,ほか
休 憩
9:45 ― 10:48
一般演題 7.手術室看護・臨床工学
座長:北城 秀司 KKR 斗南病院
40. 腹腔鏡下手術における気腹ガスフィルターの検討
41.当院の手術室における臨床工学技士の役割
42.当院の内視鏡外科手術に関連した臨床工学技士の業務
外科 ,
瀬川 真澄
函館中央病院 手術科
勤医協中央病院 臨床工学部
済生会小樽病院
佐々木 和也,ほか
旭川医科大学病院 山崎 大輔,ほか
43.内視鏡手術のトラブルシューティングの実際−トラブルのない内視鏡手術を目指して
市立函館病院 手術室
44.内視鏡手術機器 / 器械類のトラブル防止の為の取り組み
原 靖,ほか
釧路赤十字病院
高橋 あゆ子,ほか
熊谷 弘弥,ほか
45. 内視鏡下外科手術の安全な体位確保と維持の方法−体位チェックリストの活用と病棟との連携
KKR 斗南病院 手術室 岩渕 いづみ,ほか
46. 開胸・胸腔鏡手術における体位固定の工夫
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
北見赤十字病院 手術室
近田 真琴,ほか
市立函館病院 婦人科 ,
47.付属器疾患に対する臍部単孔式手術とその変法
北村 晋逸
名寄市立総合病院 産婦人科
市立函館病院 婦人科 西岡 嘉宏,ほか
48.妊娠中の卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術の工夫
旭川医科大学病院 産婦人科 堀川 道晴,ほか
49.当院における単孔式内視鏡手術の現状と展望−単孔式から 2 孔式に移行した症例の検討から
国立病院機構 北海道医療センター 婦人科 大隅 大介,ほか
※50.腹腔鏡下至急全摘術後 4 日目に発生したポートサイトヘルニアの 1 例
市立旭川病院 産婦人科
中田 俊之,ほか
一般演題 9.副腎,尿膜管,鼠径
11:22 ― 11:45
座長:川原田 陽 KKR 斗南病院
※51.単孔式腹腔鏡下副腎摘除術の 1 例
※52.腹腔鏡下手術を行った尿膜管遺残膿瘍の 1 例
外科 ,
高橋 敦
函館五稜郭病院 泌尿器科
札幌北楡病院 腎臓移植外科・泌尿器科
三浦 正義,ほか
王子総合病院 外科
挾間 一明,ほか
53.若年成人女性の鼠径ヘルニアに対する単孔式腹腔鏡下経皮的腹膜外閉鎖法(SILPEC 法)
函館五稜郭病院 外科 中嶋 潤,ほか
休 憩
ランチョンセミナー「肥満・糖尿病に対する外科治療」
12:00 ― 13:00
座長:倉内 宣明 市立函館病院 消化器外科
講師:四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター減量外科部長 笠間 和典先生
鈴木 温,ほか
※38.膵頭部浸潤胃癌に対して腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術を施行した 1 例
8
10:48 ― 11:22
一般演題 8.婦人科
共催:コヴィディエンジャパン株式会社
一般演題 10.トレーニング,ポートの工夫
座長:星 智和
13:05 ― 13:32
旭川医科大学 消化器病態外科 ,
54.単孔式にも応用可能なトレーニングボックスの作製方法
55.当院における E・Z アクセスを使用した単孔式腹腔鏡手術の現状
56.簡便で確実なポートサイト閉鎖法の工夫
加地 苗人
札幌南三条病院 外科
市立函館病院 婦人科
根岸 秀明,ほか
苫小牧市立病院 外科
高橋 周作,ほか
旭川医科大学 消化器病態外科 大原 みずほ,ほか
休 憩
一般演題 11.胃・十二指腸
座長:片岡 昭彦
13:42 ― 14:37
北海道大学 消化器外科・一般外科 ,
橋田 秀明
函館中央病院 外科
57. 挙上空腸固定に巾着縫合を利用した経口 Anvil による食道空腸吻合術の工夫
済生会小樽病院 外科
58.当院における腹腔鏡下胃全摘術の導入
木村 雅美,ほか
JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 外科 村川 力彦,ほか
59.当科での胃 GIST に対する腹腔鏡下手術の試み - 更なる適応拡大と低侵襲性を目指して
北海道大学 消化器外科・一般外科
下國 達志,ほか
60.腹腔鏡 ・ 内視鏡合同手術(LECS) を施行した十二指腸 GIST の1例
札幌医科大学 第1外科 原田 敬介,ほか
※ 61.LADG 術後 11 日目に発症した Petersen s mesenteric defect への内ヘルニアによる絞扼性イレウスの一例
市立札幌病院 外科 大島 隆宏,ほか
※ 62.完全腹腔鏡下に切除した十二指腸 GIST の1例
※ 63. 十二指腸 GIST に対し完全腹腔鏡下に切除再建を施行した 1 例
北海道大学 腫瘍外科
北海道大学 腫瘍外科
寺村 紘一,ほか
楢崎 肇,ほか
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
9
一般演題 12.大腸
14:37 ― 15:18
座長:古畑 智久
札幌医科大学 第1外科 ,
笠島 浩行
NOTE
市立函館病院 消化器外科
※64.胃全摘後の S 状結腸海綿状びまん性血管腫に対し腹腔鏡下に切除再建した1例
函館中央病院 外科
三井 潤,ほか
※65.右側結腸切除における回結腸動静脈牽引手技を応用し中結腸動脈周囲の郭清を先行した腹腔鏡下脾彎曲部横
行結腸切除の経験
JA 北海道厚生連 旭川厚生病院 外科 工藤 岳秋,ほか
66.3トロッカーソロサージェリーによる S 状結腸切除
67.早期大腸癌に対する単孔式腹腔鏡下結腸切除術の経験
68.腹腔鏡下内肛門括約筋切除(ISR) 症例の検討
閉会の挨拶:
第 18 回当番世話人 KKR 斗南病院 外科 佐々木 剛志,ほか
札幌医科大学 第 1 外科
古畑 智久,ほか
北海道消化器科病院 外科
森田 高行,ほか
15:20 ― 15:25
ハリストス正教会
10
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
11
抄録集
2.当科にて経験した術後気管支断端瘻に対する気管支鏡下気管支瘻閉鎖術の経験
札幌南三条病院 呼吸器外科
石川 慶大 , 加藤 達哉 , 新垣 雅人 , 加地 苗人
1.高位縦隔神経原性腫瘍に対し、胸腔鏡下に誘発電位を使用した一例
【背景】術後気管支断端瘻においての治療は基本的に手術が選択されることが多いが、一方では気管支断端瘻部にフィブリン糊
充填といった保存的治療にて改善した症例も報告されており、その効果については気管支瘻の状態・程度によりさまざまであ
る。このたび、我々の施設においても気管支瘻に対する非手術的治療(気管支鏡下気管支瘻閉鎖術)を試みたので報告する。
市立函館病院 心臓血管・呼吸器外科
馬渡 徹 , 新開 翔太 , 佐賀 俊文 , 氏平 功祐 , 大堀 俊介 , 馬場 俊雄 , 森下 清文
胸壁 ・ 縦隔腫瘍の中で神経原生腫瘍は胸部外科領域でしばしば遭遇する疾患である。多くは良性であり、切除が一般的治療
である。今回、我々は腕神経叢と近接していた胸壁腫瘍に対し、術中に誘発電位を使用し、切除判断の一助とした症例を経験し
たので呈示する。
患者は 62 歳男性。約 1 年前の検診にて高位縦隔の腫瘤を指摘され、切除目的に当科紹介受診となった。術前、画像検査にて
良性 ・ 神経原性腫瘍 ( 径約 2cm) が疑われたが、腕神経叢に近接しており、切除により同神経の損傷も危惧された。胸腔鏡下 (1
つの小開創と 2 つの VATS port) に誘発電位の反応をみて更に術中生検を行い、切除を行うかどうか判断することとした。執刀
【対象】当院開院した 2004 年 4 月から 2011 年 4 月までに当科にて肺葉切除以上の手術を施行後に発症した術後気管支瘻に対し
て気管支鏡下気管支瘻閉鎖術を施行した 5 例。年齢 56-80 歳(平均 65.6 歳)全例男性であった。全例原発性肺癌であり、術式は
右下葉切除 3 例、右中下葉切除1例、右肺全摘1例であった。5 例中 3 例に術中に気管支断端に肋間筋弁を縫着していた。
【結果】術後気管支断端瘻が発生したのは術後第 11-35 病日(平均 21.0 病日)であった。気管支鏡下に断端瘻を確認した後、局所
にフィブリン糊(トロンビン液・フィブリン液)を散布した。また、フィブリン糊に加えて試験的にシート状局所コラーゲン止
血剤を追加使用した症例を 3 例経験した。5 例中 4 例は施行後の気管支鏡検査で気管支瘻の改善が確認されたが、瘻孔の比較的
大きな 1 例においては改善なく、ただちに外科的治療(気管支瘻直接縫合・大網充填術)を施行した。
【まとめ】経気管支的気管支瘻閉鎖術は瘻孔が小さく限局している症例においては外科的治療を施行する前段階の一つの手段
として有用である可能性が示唆された。
前に右手の橈骨 ・ 正中 ・ 尺骨領域に電極を装着し、術中に誘発電位にて腫瘤を刺激すると右手の 3 神経領域に電位変化を生じ
た ( 図 )。腫瘤は腕神経叢由来の腫瘍である可能性が高いと判断、切除により右手の運動障害が生じる可能性も考え、迅速診断
にて悪性所見なしという結果も加味して切除は行わず生検のみで終了した。正式病理は neurinoma の診断であった。約 5 年が
経過し、外来で画像上、腫瘍に変化が無いことを確認しながら定期経過観察中である。
胸腔鏡下の誘発電位は簡便であり、神経原性の、特に腕神経由来の腫瘍の切除判断に有用と考えた。
3.ソフト凝固による肺瘻修復の経験
勤医協中央病院 外科
松毛 真一,川原 洋一郎,林 浩三,田尾 嘉浩,中村 祥子,吉田 信,後藤 剛,鎌田 英紀,樫山 基矢 , 石後岡 正弘,河島 秀昭
胸腔鏡下の肺切除の際の肺瘻修復は開胸時と比較して肺瘻部位の同定および縫合が困難で難渋することがある。また高度の気
腫性変化のある症例や区域切除症例では、強い肺瘻が認められ、術後の肺瘻遷延を来たすこともある。そのため fibrin glue の使
用、あるいは stapler の使用が多くなる傾向にあった。当院では 2010 年より肺瘻修復に際しソフト凝固を使用し比較的良好な結
果が得られているのでその利点および使用上の注意等について報告する。
ソフト凝固は電気メスのモードの一つであり、通常の電気メスのモードと異なり、低電圧を保つことにより放電が無い為、Jule
熱による温度上昇による組織を破綻させず、たんぱく凝固変性を起こすことが可能である。また肺動静脈の付近での使用に際
しても比較的安全に使用できると言われている。そのため最近では呼吸器外科領域での使用経験の報告も散見されてきている。
当院では肺切除後に肺切離面で肺瘻を来たしそうな部位にソフト凝固モードでボール電極を用いて全体をなでるようにして凝
固している。その後シーリングテストを施行し肺瘻を確認し、肺瘻が認められれば再度ソフト凝固を施行している。ただし細
気管支瘻と考えられるような肺瘻に関してはソフト凝固に固執せずに縫合を原則としている。症例数が少ない為に以前の症例
との比較は十分には出来ていないが、ソフト凝固導入後は fibrin glue の使用が減っている。また区域切除に際しても電気メス
による切開を積極的に使用し、stapler の使用が減っている。しかし術中肺瘻が消失しても術後に肺瘻が認められたり、自然気
胸の気腫性嚢胞に使用した後の再発も経験しており、ソフト凝固の使用に際しては適応の選択にはまだ注意が必要と考えてい
る。今回ソフト凝固の使用の実際について症例を提示し報告する。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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4.肺切除術中エアリークに対し VIO ソフト凝固システムが有用であった2症例
6.上葉肺癌に対する complete VATS の実際
札幌医科大学 第二外科
北海道がんセンター 呼吸器外科
宮島 正博 , 渡辺 敦 , 上原 麻由子 , 中島 智博 , 小浜 卓朗 , 原田 亮 , 樋上 哲哉
近藤 啓史 , 安達 大史 , 有倉 潤
【背景】術肺癌に対する肺切除後エアリーク(AL)は、少なくない合併症であり、膿胸など重篤な合併症を引き起こしたり、胸腔
当科では平成 4 年に胸腔鏡下肺部分切除術を導入して以来、胸腔鏡手術(VATS)の技術の工夫、向上をかさねて手術適応を
ドレン長期留置、再手術が必要となる症例を増加させる。術後 AL を予防または軽減するために、様々なタイプの手術用器具、
拡大してきた。臨床病期 I 期肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除、肺門縦隔リンパ節郭清手技の確立、全面癒着や高度の分葉不全症
シーラントが開発されてきた。我々は比較的低温で組織のタンパク融合を誘導するソフト凝固に注目し、ソフト凝固による肺
例への適応拡大、そして臨床病期 II 期以上の肺癌に対する胸腔鏡手術の適応拡大などである。一連の VATS の適応拡大におい
瘻閉鎖の有用であった症例を経験したので文献的考察を加え報告する。ソフト凝固は 100 度以下の低温で炭化形成せず、放電
て一貫して開胸手術との同等性、確実性と安全性とを追求し、術式の標準化につとめてきた。切開創を開胸移行も考えて後側
のない凝固モードであり、バイポーラ・モノポーラで使用可能である。今回は、ERBE 社(Germany)の電気メス VIO の単極法、
方切開線上におき定型化。良好な視野を得るためのカメラポート位置決定の手順。安定した視野を得るためのスコープの固定。
ボール電極を用い肺瘻閉鎖した。
完全モニター視で拡大した視野のもとでのいわゆる 顕微鏡的 手術。術野の展開や血管の愛護的な操作の際の助手との共同
(1)65 歳・男性。左上葉肺癌に対し
【症例】術中 AL に対しソフト凝固システム使用により AL の消失をみた2例を供覧する。
胸腔鏡下左上葉切除術を施行。術中葉間剥離面より生じた AL に対しソフト凝固 function 5, 70W を使用。術中に肺瘻の閉鎖
作業などである。今回具体的な場面を提示しながら当科の標準的な VATS 上葉切除リンパ節郭清を供覧し、また最近の手術工
夫なども示したい。
(2)71 歳・男性。右
を確認し胸腔ドレンを留置。術後肺瘻を認めず術後2日目にドレンを抜去。術後 12 日目に自宅退院した。
下葉 S6 肺癌に対し胸腔鏡下左肺 S6 区域切除を施行。区域間切離面は含気非含気境界と V6b,V6c が境界となるよう電メス 70W
で切離した。術中区域間切離面の AL に対しソフト凝固 function 5, 70W を使用。術中に肺瘻の閉鎖を確認し胸腔ドレンを留
置。術後 AL を認めず術後 3 日目にドレンを抜去。術後 10 日目に自宅退院した。
【結語】VIO ソフト凝固システムは胸腔鏡下肺切除術の葉間剥離面、区域切離面等の肺瘻閉鎖に有用であった。
5. 12 mm SILS port を用いた単孔式気胸手術プロトコールの検討
市立札幌病院 呼吸器外科
三品 泰二郎
SILS port を用いた単孔式気胸手術の報告は、近年内視鏡外科学会などで散見される。SILS port は現在 15mm のポートまで挿入
可能となっている。気胸手術では自動縫合器が挿入可能な 12mm のポートがあれば、手術が可能である。今回、12mm SILS port
を用いた気胸手術のプロトコールを検討する。
【手術適応】1. 癒着のない初回気胸 2. 空気漏れの持続症例 3. 術前 CT でブラ 1 ヶ所の症例 4. 術前胸腔造影検査にて air leak
部位が同定された症例 5. 高度肺気腫を伴わない症例 【手術手技】中腋下線に 3cm の皮膚切開のみ。12mm SILS port を挿入。内視鏡は 5mm フレキシブルを使用。手術中 air leak 部位
の確認と、確実なブラ切除を行う。切除ラインの補強にネオベールシートを使用。肺尖にドレーンを 1 本留置。
【検討】2011 年 5-7 月までの 3 ヶ月間に 5 症例集積し、以下の項目を検討する。①通常の 3port VATS による気胸手術と、術後疼
痛スコアの比較。②適切な皮膚切開部位 ③追加ポートを必要とした逸脱症例との比較。④手術手技と手術器具の検討。
7. HATS/HALS 食道切除術を施行し後縦隔経路で再建された胃管癌に対し、 HATS
胃管切除を行った 1 例
北海道大学 腫瘍外科
溝田 知子 , 七戸 俊明 , 加藤 健太郎 , 竹本 法弘 , 早馬 聡 , 鈴木 善法 , 野路 武寛 , 松永 明宏 , 松本 譲 , 土川 貴裕 , 田中 栄一 ,
平野 聡
今回我々は、HATS/HALS( 用手補助下胸腔鏡・腹腔鏡下食道切除術 ) による食道癌術後の胃管癌に対し、再度 HATS( 用手補助
下胸腔鏡手術 ) 下に、胃管切除術を施行し得た一例を経験したので報告する 。
【症例】68 歳男性、11 年前に当科で食道癌に対して HATS/HALS 食道切除術・後縦隔経路胃管再建を施行した。病理結果では
高分化型 SCC、pT3、N1、M0、pStage Ⅲであった。術後補助療法として化学放射線療法 (CRT) を施行している。本年 1 月、体動
時息切れ・頭痛を自覚し近医を受診し、上部消化管内視鏡検査にて胃管小彎側に 3 型病変を認めたため、当科で精査を行った。
CT では食道癌の再発やリンパ節・他臓器転移を認めず、生検では tub2 であった。以上より胃管癌、T3(SS)、N0、H0、P0、M0、
cStage Ⅱ A と診断した。
【術式】HATS 胃管切除 ( 小開胸付加 )、胸壁前有茎回結腸再建、頚部吻合術を行った。上縦隔に CRT の影響による高度な肺癒着
を認め、小開胸を併置した。腫瘍は横隔膜よりやや上方の胃管に認めたが、他臓器浸潤・播種性病変を認めなかった。胃管周囲
の剥離は HATS にて良好な視野を得て行った。食道・胃管吻合部のステープラーラインは気管に癒着しており、頚部から剥離
操作を行った。頸部食道の剥離は比較的容易であった。胸壁前に挙上した有茎回結腸と頚部食道を吻合し、再建に血管吻合を
必要としなかった。手術時間 12 時間 29 分、出血量 1060ml であった。術後 1 病日に抜管し、ICU を退室した。術後 8 病日より経
口摂取を開始し、その後の経過は良好である。病理診断では、胃管癌、por-sig、pT3(SS)、pN1、pStage Ⅱ B であった。
【まとめ】胃管癌の HATS による切除術は、術野展開に優れ、触診が可能であり、低侵襲術式の一つの選択肢となり得ると考え
られた
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8. Type III 巨大食道裂孔ヘルニアに対する BAT mesh を用いた腹腔鏡下 Toupet
fundoplication の経験
市立旭川病院 外科
高野 博信 , 武山 聡 , 福永 亮朗 , 笹村 祐二 , 沼田 昭彦 , 子野日 政昭
9.胸腔鏡下食道切除術における側臥位・腹臥位の使い分け
北海道大学 腫瘍外科
七戸 俊明 , 加藤 健太郎 , 土川 貴裕 , 松永 明宏 , 早馬 聡 , 松本 譲 , 野路 武寛 , 金古 裕之 , 鈴木 善法 , 竹本 法弘 , 寺村 紘一 ,
那須 裕也 , 楢崎 肇 , 岡村 国茂 , 渡邊 佑介 , 溝田 知子 , 田中 栄一 , 平野 聡
腹腔鏡下の食道裂孔ヘルニアの手術の際にヘルニア門が大きいときは direct suture が不可能なこともしばしば経験する。この
現在当科では、すべての胸部食道癌に対して胸腔鏡下食道切除術を施行しているが、上縦隔のリンパ節転移のある症例やサル
場合 mesh を用いての修復を行ってきたが、従来は食道前面からヘルニア門全体に mesh をあて、補修してきた。この方法は食
ベージ手術などの難易度の高い手術には、左側臥位での用手補助下胸腔鏡手術 (Hand-Assisted Thoracoscopic Surgery; HATS) を
道背面から横隔膜脚のあいだの補強がやや弱いイメージがあった。今回 Prolene Hernia System(PHS)mesh をトリミングした
採用し、下部食道癌で上縦隔のリンパ節転移のない症例や腹部食道癌で胸腔内吻合を行う症例に対しては、下縦隔の展開の
mesh を用いて食道全周を覆いながらヘルニア門を tension free で補修でき、有用と思われたので報告する。この mesh はこうも
りに似ていることから BAT mesh と命名した。
症例は 79 才女性、以前より胸痛と食後のもたれ感があり、近医を受診、精査にて食道裂孔ヘルニアを指摘され、当科紹介と
なった。CT では胃のほぼ全体と脾臓、膵尾部、小腸が縦隔内に入りこんでおり、左下葉に無気肺を認めた。内視鏡、食道 pH
monitor 上、GERD は認めなかった。手術は腹腔鏡でおこなった。腹腔内を観察すると、約 7cm の巨大食道裂孔ヘルニアを認
め、術前の診断の如く胃のほぼ全体と脾臓が縦隔内に入りこんでいた。 これを整復し、ヘルニア嚢、食道周囲を剥離し、BAT
mesh で補修し、270°wrapping の Toupet fundoplication をおこなった。術後は経過良好にて術後 14 日に退院した。
本法は食道裂孔を背面から全周性に覆いながら補修できる点で従来の方法より根治度が高くなることが推測される。今回この
方法をビデオにて供覧する。
優れる腹臥位食道癌手術 (Prone) を施行しているので、それぞれの術式をビデオで発表し、利点と問題点を述べる。
【HATS】左側臥位で分離肺換気下に行う。胸腔内操作は、術者が患者背側に立ち右胸壁の 6 つのポート孔で行う。また、助手は
左手を上腹部正中創から胸腔内に挿入し用手的に術野展開を行う。HATS の利点として、特別な工夫なしに用手的に視野展開
ができ、安定した上縦隔郭清が可能であること、T4 を疑う症例などに触診が可能であること、出血時などの緊急時の対応が可
能であることなどが挙げられる。
【Prone】分離肺換気とし CO2 による気胸下に、右胸壁の 4 ないし 5 つのポート孔から操作を行う。胸腔内吻合を行う症例では、
腹部操作を先行し、引き続き Prone で縦隔内の郭清操作を行った後に吻合を行っている。Prone の最大の利点は気管分岐部から
下縦隔の視野展開に優れることにある。とくに食道裂孔周囲の郭清では、側臥位では心嚢・下大静脈の圧迫で循環動態が不安
定となることがあるが、Prone では容易に en bloc な郭清が可能である。
【結語】胸部食道癌症例に対して、側臥位での HATS と腹臥位(Prone)の二つの術式を症例によって適切に使い分けることによ
り、安全性と根治性に優れた胸腔鏡下食道切除術の実施が可能である。
10.癒着性イレウスに対する腹腔鏡下手術
NTT 東日本札幌病院 外科
松井 あや , 宮坂 祐司 , 三浦 巧 , 市之川 一臣 , 小西 和哉
【背景】癒着性イレウスに対する腹腔鏡下手術は、開腹手術と比較し創痛が小さく、再癒着が少ない等の利点があるが、適応の
決定は困難とされる。当科では、腹腔鏡下腸閉塞手術を施行する適応を、①単純性イレウスであり、②術前に腸管の減圧が良好
に行え、③全身状態が気腹に耐えられる、④術前にある程度責任病変の部位が予測できるものとしている。
手術ビデオを供覧するとともに、腹腔鏡下手術の適応・治療成績を検討した。
【対象・方法】2006 年 1 月から 2010 年 12 月までに施行した 75 症例の腸閉塞手術を対象とした。23 例が腹腔鏡下に手術を行い、
このうち 8 例が開腹移行となった。術前に癒着性イレウスと診断した症例を、開腹群・腹腔鏡群・開腹移行群の 3 群に分け、手
術時間・経口開始までの期間・術後在院日数・腸閉塞再発の有無を比較した。また各群における既往手術・癒着形式・術前造
影所見の内訳を検討した。
【結果】腹腔鏡群は開腹移行群と比較し有意に手術時間、経口開始までの期間の短縮を認めた。術後在院日数は、腹腔鏡群で最
も短く(中央値 10 日、4-26 日)、開腹移行群、開腹群との比較で有意差を認めた。既往手術として、腹腔鏡群では上腹部手術が、
開腹群では下腹部手術が多い傾向にあった。また癒着形式では、腹腔鏡群に腸管 - 創の癒着が、開腹群では腸管 - 腸管の癒着が
多い傾向を認めた。術前造影所見では、開腹移行群・開腹群で、腸管同士の複雑な癒着によると考えられる、腸管が折り重なっ
て描出される所見を多く認めた。観察期間7ヶ月(1-55 ヶ月)において腹腔鏡下手術後の癒着性腸閉塞の再発は認めなかった。
【結語】癒着性腸閉塞に対する腹腔鏡手術は、低侵襲かつ安全に施行しうるばかりでなく、術後在院日数の短縮につながる可能
性が示唆された。適応を満たす症例については、腹腔鏡でのアプローチを積極的に試みて良いと考えられた。
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11.虫垂粘液嚢胞腺腫に対する、単孔式腹腔鏡下虫垂切除術の経験
13.腹腔鏡下虫垂切除術の標準化と整容性改善の工夫
北海道がんセンター 消化器外科
勤医協中央病院 外科
前田 好章 , 篠原 敏樹 , 濱口 純 , 二川 憲昭 , 濱田 朋倫
河島 秀昭 , 樫山 基矢 , 石後岡 正弘 , 吉田 信 , 松毛 真一 , 川原 洋一郎 , 林 浩三 , 後藤 剛 , 鎌田 英紀 , 中村 祥子,山川 智士 ,
道井 洋
虫垂粘液嚢胞腺腫に対する、単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した 1 例を経験したので報告する。症例は 79 歳、男性。1 年間
急性虫垂炎は、基本的急性疾患であり第一線病院では鏡視下手術の技量によらず研修医からベテランまでが対応できることが
にわたる間欠的下腹部痛にて当院へ紹介された。CT にて虫垂の軽度腫脹、壁肥厚が指摘された。FDG-PET 検査ではわずかな
望ましい。当院では 2000 年より腹腔鏡下虫垂切除術を本格導入し、2010 年までに 423 例に対し施行してきた。現在では急性虫
FDG 集積は認めるものの、陰性と判断された。血液検査所見では、炎症反応、腫瘍マーカーの上昇等は認めなかった。慢性虫垂
垂炎に対する標準術式として臨床工学士の立ち会いのもと腹腔鏡下に施行している。今回当院における標準術式を提示する。
炎、虫垂粘液嚢腫、等を疑い、単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。臍からの SILS ポート (COVIDIEN) によるアクセスとし、
方法は、術者2名。臍部に storz 社 12mm ポートを挿入し気腹。右上腹部と左下腹部に CONMED 社 core-entree5mm ポートを挿
虫垂の把持は間膜のみとし愛護的に行い、穿孔等をおこさないよう細心の注意をはらって遂行した。間膜の処理は LCS にて行
入。虫垂間膜は、ソノサージを使用して処理し虫垂根部を endo-GIA Ⅱで切離している。切離した虫垂は 12mm のポートに収容
い、虫垂根部は盲腸壁を一部合併切除する部位でリニアステープル(Echeron 60 blue; Ethicon)にて切離した。病理検査では虫
しポートごと体外に摘出する。12mm ポートに収容できない場合は、エンドパウチに収納して摘出している。十分洗浄したの
垂粘液嚢腫で borderline malignant であった。術後経過は良好で 7 病日に退院した。単孔式腹腔鏡下虫垂切除術は臍からの創を
ちドレーンは穿孔性・膿瘍形成症例で留置している。虫垂根部の処理は、炎症の程度と術者の技量によっては自動縫合器のほ
しかしながら、
虫垂粘液嚢胞病変については、
悪性病変でなくとも、
用いればほぼ scar-less の手術となり患者の満足度は大変高い。
か体内結紮法やエンドループを使い別けている。整容性の向上には、近年、単孔式手術の導入も報告されているが、整容性改善
穿孔した場合に腹膜偽粘液腫等を惹起する可能性があり、
単孔式腹腔鏡下虫垂切除術の適応に否定的な意見も多い。術中穿孔さ
の一つの工夫としてポートの位置を変更してみた。臍の縦切開創の皮下を剥離し 5mm ポートを臍部から挿入する方法である。
せないよう十分に注意を払う必要がある。
手術困難時にはポート追加、開腹移行等を躊躇なく行うことが重要である。
右上腹部の創が無くなり従来のポート位置と同等の操作角を得ながら、整容性を高めることができ安価で有用と思われた。
12.単孔式腹腔鏡補助下虫垂切除術 ( つり上げ法 ) の導入
14. Keynote letcure
JA 北海道厚生連 旭川厚生病院 外科
栁田 尚之 , 中野 詩朗 , 稲垣 光裕 , 赤羽 弘充 , 芝木 泰一郎 , 正村 裕紀 , 床中 達也 , 工藤 岳秋 , 折茂 達也 , 及川 太 , 相山 健
【目的】急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術は 2008 年の診療報酬点数改訂で従来の 18000 点から 8210 点へと大幅に引き下
げられたため、本術式導入をためらわせる一因になっている (2010.3.5 改正で 11470 点に上がった )。しかし、創が小さくきれい、
創痛が少ない、創感染が少ないなどの長所を考えれば、患者本位の医療を目指す以上、導入を考慮しないわけにはいかない。だ
からといって、いくら患者本位と言っても、教科書通りの方法で、器械をふんだんに使ったのでは採算的に見合わない。そこ
で、腹腔鏡下手術の利点を最大限生かしつつ、必ずしも最新の ( 高額な ) 器械を使わないで ( 従来ある器械を用いて )、腹腔鏡下
虫垂切除を行う方法を考案 ・ 工夫した。
【対象】①小児、若年成人で出来るだけやせ型。②カタル性、化膿性の症例。③ CT 上、虫垂根部、末端の位置が同定できる。膿
瘍形成がない。④上記条件を満たした上で、十分な病状説明を行って承諾が得られたもの、を対象とした。
【適応除外基準】① BMI30 超の肥満。② CT 計測上皮下脂肪厚 5cm 超③ CT 上明らかな膿瘍形成のあるもの④高齢者⑤同意の得
られない患者
【手術手順】全身麻酔下。仰臥位。右上肢は外転位、左上肢は体側固定。頭低位をとるので、頭部 ・ 体幹を確実に固定する。臍を
縦に 2.5 ∼ 3cm 切開し、wound protector を装着する。L 字型吊り上げ鉤で創部を右腸骨棘方向に挙上。flexible scope ( φ 5mm)
で腹腔内を観察しながら、無傷把持鉗子で盲腸を把持し、たぐり寄せて虫垂根部を見いだし、虫垂間膜を把持する。超音波凝固
切開装置で虫垂間膜を処理。必要なら盲腸外側の生理的あるいは炎症性癒着を切離する。 虫垂を臍創から創外に引き出し、後
は通常の開腹虫切と同様に虫垂を切除する。
【結果】平成 22 年 6 月から現在まで 4 例を経験した。全例女性。平均年齢 21 歳 (13~34 歳 )。平均手術時間 47.5 分 (30~65 分 )。
出血量少量。術後合併症はなく、第 2 あるいは 3 病日に退院。臍部術創は術後 1~2 週でほとんど目立たなくなり整容上満足のい
くものであった。症例を供覧したい。
Reduced port surgery の挑戦と当院の試み
斗南病院 消化器病センター 外科
北城 秀司 , 奥芝 俊一 , 川原田 陽 , 川田 将也 , 海老原 裕磨 , 佐々木 剛志 , 小野田貴信 , 才川 大介 , サシイーム パウデル ,
加藤 紘之
1991 年虫垂切除に始まった一般外科における単孔式手術は安全性への不安から普及にはいたらなかった。しかしながら、腹腔
鏡手技、手術器具の進歩とともに整容性の向上に対する関心が高まり 2007 年より胆のう摘出術を中心に単孔式手術が普及し
始めた。現在は、トロッカー数の減数と共に鉗子の細径化により様々な臓器において整容性の向上が試みられている。
当院においても 2008 年単孔式胆のう摘出術に導入した。導入当初は、胆のう摘出術を中心にこの手術手技の特殊性を解析し、
様々なアクセス方法を試みた。手術手技に関しては、鉗子の操作において左右の動きの制限があることより前後・上下の動き
を中心に組み立てることで鉗子間の干渉を防ぐことが出来るようになった。
アクセス方法としては、①臍に 1.5 ∼ 2.5cm の皮切を加え腹壁に複数のトロッカーもしくは直接鉗子穿刺する Multiple trocar 法
と② 2.5 ∼ 3.0cm の単創孔に多チャンネルの専用ポートもしくはゴム手袋を挿入する Multi-channel port 法の 2 方法を試みた。
①は、ポート間距離を広く取れることより従来の手術に近い感覚で導入可能であるが導入当初は空気漏れなどを経験した。②
は、ポート挿入が容易であることと空気漏れの心配がない点では①より有利であるがポート間距離が近いため湾曲鉗子などを
要するため操作に慣れる必要があった。胆のう摘出術 100 例の経験し、また細径鉗子を導入しつつ適応臓器を次第に拡大した。
現在は、胃においては SMT における胃部分切除、早期がんにおける廓清を伴った幽門側胃切除に導入した。大腸においては虫
垂炎をはじめとして、早期がんでは盲腸から直腸 Rb までに導入した。鼠径ヘルニアにおいても TAPP, TEPP それぞれにおいて
導入した。術後においては整容性、疼痛の点で患者の満足度が高かった。
今回は、胆のう、胃、大腸、鼠径ヘルニアに対しトロッカー数の減数と細径鉗子を導入し整容性の改善を試みたので、その導入
の経験と手技の工夫を報告する。
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15.肺・縦隔疾患に対する one window and punctures method による胸腔鏡手術
17.単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 80 例の検討
北海道大学大学院 腫瘍外科学
小樽掖済会病院外科 , 札幌医科大学第一外科 *
加賀 基知三 , 樋田 泰浩 , 長谷 龍之介 , 大高 和人 , 武藤 潤 , 中田 玲子 , 高坂 琢磨 , 和田 秀之 , 平野 聡
大野 敬祐 , 佐々木 一晃 , 柴田 稔人 , 河野 剛 , 石井 雅之 , 今村 将史 *, 木村 康利 *, 平田公一 *
【はじめに】肺・縦隔疾患に対するわれわれの標準的なアプローチは、2 つの access thracotomy からなる二窓法(TWM)による
胸腔鏡手術(VATS)である。より単純な手術に限って 2-3cm の最小限の皮膚切開と穿刺によって胸腔内に達することができる
【背景と目的】単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 (TANKO-LC) は、従来法 (LC) と比較し、整容性で優れるものの、手術手技の質と安全
性、適応範囲や医療コストなどにおいて問題の指摘もある。LC と同等の安全性を確保しながら TANKO-LC を遂行するために
3mm 細径光学視管による one window and punctures method(1WP) でおこなっている。本法の適応の妥当性、有用性と限界を検
討する。
【対象】2005 ∼ 2010 年に 118 例の 1WP による VATS をおこなった。17 例の生検を除く 101 例の内訳は、肺良性疾患 25 例、原発
性肺癌 22 例、転移性肺腫瘍 24 例、自然気胸 21 例、縦隔疾患 7 例、その他 2 例である。肺疾患 72 例の術式は 70 例の部分切除と 2
例の肺葉切除(小児の CCAM)である。原発性肺癌の 8 例は、診断後に TWM あるいは開胸により根治手術がなされ、他のもの
は縮小手術として部分切除で終えた。
【方法】暫定的な手術適応として病巣が 1 か所、一方向からのアプローチから切除が可能、癒着剥離が軽度やリンパ節郭清の必
要がないものとし、手術中の判断で TWM あるいは開胸に移行した。
【結果】転換した症例は 10 例(TWM8 例、開胸 2 例)で、その理由は高度癒着が 4 例、出血 1 例、肥満 1 例、視野確保不良 2 例で
あった。出血した 1 例は TWM で制御が可能で開胸手術にはいたらなかった。術後合併症は、遷延する気瘻 1 例と術後出血 1 例
であった。
【考察】3mm 光学視管用のトロッカーは経皮的穿刺が可能で傷跡が最小限である。狭い肋間での可動域が大きい半面、視野が
狭く暗い。1 つ access thoracotomy からの操作は一方向に限られ、視野の確保や助手操作ができないために適応が限定される。
【結論】適応を限れば肺・縦隔疾患に対して最小限の皮膚切開による VATS ができる。
定型化してきたポイントを提示し、当院で経験した 80 例について検討した。
【手術手技】臍部単一創から複数ポートを挿入するマルチポート法を採用し症例を積み重ねた。通常のストレート鉗子を用い、
LC と同様の手術手技により胆嚢管・胆嚢動脈の処理、胆嚢床剥離をすすめる。切除胆嚢の回収には 1st ポート挿入部より専用
デバイスを直接挿入する。
【対象と方法】2009 年 6 月から当院にて施行した TANKO-LC 80 例と、炎症が同程度の直近に施行した LC 20 例を対象として、
患者背景、周術期因子、血液検査所見を retrospective に検討した。また、当院看護師を対象に、自らが胆石症となった際、希望
する術式についてアンケート調査を行った。
【結果】患者背景に差はなく、手術時間は TANKO-LC で有意に長かったが、症例集積により短縮した。術中出血量、術中・後合
併症、血液データの推移に差を認めなかった。しかし、TANKO-LC 群では、皮膚埋没縫合により早期退院希望患者が増え、術
後在院日数が短縮した。アンケート調査では、自ら受ける手術には TANKO-LC を希望する結果であった。
【まとめ】当院での TANKO-LC は、LC とできる限り同じ手術手技にすることにより定型化が可能であった。TANKO-LC は、手
術手技の性質上、整容性以外の周術期因子において LC より優れた成績を求めることは難しいが、同等の安全性を確保可能で
あることから「on-demand」の術式として今後も広く普及するものと考えられた。
16. Dual Ports LADG の検討 ─従来法と比較して─
18.当院における単孔式腹腔鏡下虫垂切除術
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 外科
函館五稜郭病院 外科
谷岡 利朗 , 川村 秀樹 , 高橋 昌宏 , 舩越 徹 , 横田 健太郎 , 久慈 麻里子 , 渡会 博志 , 山上 英樹 , 秦 庸壮 , 益子 博幸 , 石津 寛之 ,
岡田 邦明 , 安達 武彦
菅野 将史 , 入野田 崇 , 舩渡 治 , 秋山 有史 , 板橋 英教 , 中嶋 潤 , 早川 善郎 , 目黒 英二 , 小林 慎 , 高金 明典
【目的】当院では 2009 年 12 月より臍部ポートにもう 1 つポートを追加し、2 ポートでの腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 ( 以下 DP-
LADG) を行っている。DP-LADG が認容される術式となり得るか検討するために、従来の腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 ( 以下
C-LADG) と比較した。
【方法】DP-LADG の胃癌への適応は cStageIA と定めた。2009 年 12 月から 2010 年 12 月までに行われた DP-LADG 20 症例と 2008
年 10 月から 2009 年 11 月までに cStageIA に行われた C-LADG 24 症例を比較した。年齢、性別、BMI に両群の差を認めなかった。
臍部ポートには SILSTM ポートを使用し、各鉗子孔は 5mm × 3 を基本に逆三角形に配置している。自動縫合器を使用する時は
12mm に差し替えている。カメラは 5mm のフレキシブルスコープを使用し、SILSTM ポート尾側の鉗子孔より挿入している。
右側腹部に 12mm ポートを追加し、2 ポート 4 鉗子 1 カメラで手術を行っている。再建は Roux-en-Y で行い、Y 脚は臍部の創よ
り作成している。胃空腸吻合は自動縫合器を用いて腹腔鏡下に行っている。
【結果】平均手術時間は C-LADG(197.5 分 ) と比べ DP-LADG(250.5 分 ) で有意に長かった (p=0.001)。しかし DP-LADG 最後の 5
当院では 2009 年 9 月より腹腔鏡虫垂切除に単孔式手術を取り入れており、適応として穿孔、膿瘍形成のない虫垂炎と診断され
た症例を対象としている。方法は臍部を 2cm 縦切開し 5mm ポート 3 本を挿入し気腹下に虫垂間膜を処理し虫垂切除する「気腹
法」と、若年者や小柄な成人女性に対し臍切開創に筋鉤を挿入し腹壁を吊り上げ、腹腔鏡と把持鉗子を用い虫垂を腹腔外に引
き出し切除する「吊り上げ法」の 2 つを行っている。同期間内で虫垂炎 81 例中 79 例が腹腔鏡下手術で施行し、そのうち単孔式
が 40 例であった。それぞれ気腹法 17 例、吊り上げ法 23 例施行したので導入後の手術経験から有用性と問題点について検討し
た。平均手術時間は気腹法 63.6 分、吊り上げ法 44.5 分。合併症は気腹法 3 例、吊り上げ法 1 例に SSI( 切開部深創 ) を認めた。単
孔式腹腔鏡手術の利点としては術後傷痕が残らず美容面で優れている点があげられる。従来の 3 孔式の腹腔鏡下虫垂切除術に
比べ鉗子の自由度が制限されるという意見もあるが、方法の工夫により炎症の比較的強い症例でも 3 孔式同様安全に行う事が
出来た。特に吊り上げ法は、虫垂を腹腔外に引き出すため腹腔内操作での鉗子が干渉し合う事もなく、腹腔内のスペースが狭い
小児などの小柄な症例において有用な方法と考えられる。
症例の平均手術時間 (209 分 ) では有意差は認めなかった。DP-LADG と C-LADG とを比べると術中の出血量 (43.5ml:119.0ml)、
郭清リンパ節個数 (43.5 個 :42.9 個 )、開腹移行率 (0%:0%)、術後合併症 (0 例 :0 例 )、術後入院日数 (15.3 日 :16.5 日 ) は両群で有意
差を認めなかった。DP-LADG で 1 ポート追加した症例を1例認めたが、これは腹部大動脈瘤術後癒着の症例であった。
【結論】DP-LADG は認容される手術手技となりうる可能性がある。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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19.単孔式腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術( TAPP, TEPP)の現状と展望
21.大腸癌に対する単孔式腹腔鏡下手術の現状
斗南病院 外科
手稲渓仁会病院 外科
川原田 陽 , 小野田 貴信 , サシム パウデル , 才川 大介 , 佐々 木剛志 , 海老原 裕磨 , 川田 将也 , 北城 秀司 , 大久保 哲之 , 奥芝 俊一 ,
加藤 紘之
中村 文隆 , 石井 生 , 南野 佳英 , 嶋口 万友 , 岡田 尚也 , 今村 清隆 , 高田 実 , 中村 透 , 加藤 弘明 , 鈴木 温 , 安保 義恭 , 成田 吉明 ,
岸田 明博 , 樫村 暢一
当科の鼠径ヘルニアの治療方針は、原則としてヘルニア嚢の大きな症例、病悩期間の長い症例には腹腔内アプローチ(TAPP)
、
【目的】大腸癌に対する単孔式腹腔鏡下手術の適応、手術手技、短期手術成績を報告
ヘルニア嚢の小さな症例や女性の鼠径ヘルニアでは腹膜外腔アプローチ (TEPP) を選択している。今回 TEPP、TAPP の双方に
【適応 , 手技】2010 年3月より、早期癌から導入し適応は徐々に拡大され、現在は、症例を撰びながら進行癌に対しても行って
単孔式手術を導入したので、その手技と成績について報告する。TEPP は PDB バルーンにより、大部分の剥離が行えるので、鉗
子による剥離操作が少なく、さら腹膜の縫合などの複雑な操作が不要であるため、単孔式手術に適していると考えられた。現
在までに計 18 例の TEPP を単孔式で行った。当初の 2 例はトロッカーを腹壁に直接穿刺して行ったが、16 例は SILS PORTR を
用いておこなった。鉗子は従来法と同じ鉗子を用いた。SILS PORTR は鉗子間距離が狭いが、TEPP は前後方向の鉗子操作が多
いため十分使用可能であり、さらに air 漏れがないこと、メッシュを挿入する際の 5mm トロッカーから 12mm トロッカーへの
変換が容易であることから TEPP に有用であると考えられた。全例とも大きな合併症なく行うことが可能であった。TAPP への
単孔式手術の導入にあたっては、3 本のトロッカーをそれぞれ十分な距離をとり、腹壁に直接穿刺して行うことによって、通常
いる。右側大腸はイレウス、巨大腫瘍を除いた SS,N1, まで。S 状結腸は腫瘍の大きさが約 1/2 周程度までの SS,N0 まで。
【手技】臍部に SILS port 挿入 . フレキシブルスコープを使用し、手術器具は従来型のストレート型の鉗子器具と LCS を用い、パ
ラレル法、内側アプローチで行っている。右側では 、他の補助器具は使わず、S 状結腸切除においては、視野展開のため症例に
より、血管テープを用い腸管、IMA 茎部の牽引を施行している。
【結果】回盲部切除 19 例、右結腸切除 8 例、右半結腸切除3例、S 状結腸切除 7 例、高位前方切除 1 例の計 38 例に施行。1例にお
いて、腹腔内の癒着あり、5mm ポート 1 本の追加が必要であった。廓清:D2:10 例 ,D3:28 例。手術時間 :110 ∼ 262 分 ( 平均 179.4
の TAPP とほぼ同じ器具と操作で手術を遂行することが可能であった。鉗子は前後方向の操作を意識して行い、腹膜閉鎖は弱
分 )、出血量:少量∼ 155cc( 平均 30.9.cc), 廓清リンパ節個数平均 15.6 個。術中偶発症なし。術後合併症はライン感染による敗血
弯の縫合針で連続縫合する手技が有用であった。現在までに 11 例の TAPP を単孔式でおこなった。合併症として 1 例に術後血
症:1例、創感染:1例、術後在院期間:5 ∼ 12 日(平均 7.6 日)
腫を来したが保存的に治癒した。術後の疼痛緩和として、麻酔覚醒前に手術室で腹横筋膜面ブロック(TAP ブロック)を行って
いる。
【結語】単孔式手術は腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術において TEPP、TAPP 双方に導入が可能である。その症例と術式の選択、
トロッカー挿入法の工夫、および単孔手術操作の習熟により、一般化した手技になりうると考えられた。
【考察、結語】単孔は multi port の従来型の腹腔鏡下手術に比べ、術野展開や鉗子操作の可動域に制限があり手技的な工夫が必
要。内側アプローチでの術野展開においては、鉗子の先端ではなく、鉗子の枝全体を利用し空間を確保。また、ポート直下の視
野展開では、鉗子は剥離層に対してほぼ垂直になり、剥離層が深くなりやすいことを認識しながら剥離することが必要。鉗子
操作に関しては、剥離操作の方向は左右の操作方向ではなく、鉗子の干渉が少ないポートの長軸方向で上下の操作を主体に行
うことが肝要である。撰ばれた症例においては、単孔式大腸切除術は、従来の腹腔鏡手術同様に安全に施行可能である。
20.当科におけるポート数減への工夫(確実な単孔式へ)
22.教育機関における単孔式腹腔鏡手術の術者教育
名寄市立総合病院 産婦人科
旭川医科大学 消化器外科・一般外科
北村 晋逸 , 山下 亜希子 , 野澤 明美 , 高橋 知昭
星 智和 , 長谷川 公治 , 大原 みずほ , 小原 啓 , 古郡 茉里子 , 谷 誓良 , 岡山 大志 , 千里 直之 , 海老澤 良昭 , 河野 透 , 古川 博之
当院では 2009 年 12 月より単孔式腹腔鏡下手術を開始、2011 年 3 月までに 40 症例に行った。当初は SILS ポート法で開始、現在
はマルチポート法を主体としている。制限の多い単孔式手術における、当院の試みと工夫を発表する。
1)従来法よりポート数を減らす:操作ポートを 3 から 2 へ減らす取り組み、
2)膣回収:膣ポートを挿入、摘出補助及び回収経路とする、
3)付属器の吊り上げ支持:腹壁からの針糸による吊り上げ補助、などを行った。
現在は付属器疾患が主な適応であるが、今後は子宮疾患への適応拡大を考えている。
【はじめに】単孔式腹腔鏡下手術は整容性に優れた手術として適応が拡大しており、当科においても胆嚢摘出術と虫垂切除術に
対して導入した。単孔手術は手技的に経験を要し難易度が高いと考え、一般の多孔手術からトロッカーを減少させての移行が
術者として導入しやすいと考えている。症例数が限定されている教育機関での単孔手術の導入と取り組みについて報告する。
【単孔式手術の適応と術者について】両疾患とも炎症が軽度なものを単孔手術の適応として、現在は術者2人が担当している。
教育、トレーニングの観点からは炎症が中等度なものを多孔にて若手術者中心に行い、高度炎症症例は単孔担当の術者が多孔
で対応している。単孔手術への若手術者の担当は、腹腔鏡手術の十分な経験後に、単孔のドライラボ、必要に応じてアニマルラ
ボでの研修後に移行予定である。
【単孔式手術症例】これまでに胆嚢摘出15例、虫垂切除6例に施行した。虫垂切除の1例で手袋法、その他の16症例は SILS
ポート ® を使用、本年度より EZ アクセス ® を胆嚢摘出4例に使用した。EZ アクセスの使用により、トロッカー間の距離を長く
とることができ、若手術者の単孔手術導入に有用と思われた。
【今後の術者教育】症例数が少ないが、まず腹腔鏡手術を多孔にて経験させることを優先している。EZ アクセスの使用で、パラ
レル法が可能な虫垂切除を術者の導入として考えており、その後に胆嚢摘出へと経験することが、教育機関での導入として良
いと考えている。
【まとめ】炎症の程度により胆嚢摘出・虫垂切除も手術手技の難度は大きく異なり、手技の標準化が難しい。症例数が限られる
中での単孔でない腹腔鏡下手術、そして単孔手術へと研修、教育をすることが求められ、炎症の比較的軽度な症例を3孔、2孔
などからトロッカーを減少する方法で、EZ アクセスを使用しての虫垂切除から術者の導入が良いと考えられる。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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23.当院における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の導入
25.急性胆嚢炎に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の成績
札幌北楡病院 外科
医療法人清田病院 外科
土橋 誠一郎 , 谷 安弘 , 後藤 順一 , 三浦 正義 , 飯田 潤一 , 堀江 卓 , 坂田 博美 , 小野寺 一彦 , 古井 秀典 , 玉置 透 , 久木田 和丘 ,
目黒 順一 , 米川 元樹
山田 秀久 , 矢野 智之
【目的】臍部単一創で行う単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 (SILS-LC) は、整容性にすぐれ、各施設において導入が高まってきている。
一方で手術の難易度や安全性などに問題があるとも言われている。当院では 2010 年12月から SILS-LC を導入したので報告する。
【対象】2010 年 12 月から 2011 年 4 月までに SILS-LC 6 例、SILS(+1 ポート )-LC 3 例を施行し、従来法の 4 ポート腹腔鏡下胆嚢摘
出術 (LC)13 例と比較した。
【方法】SILS-LC では、臍部 3cm の縦切開創より SILS ポートを挿入し、腹腔鏡を 5mm フレキシブル使用の際は 5mm のポート 3
本を使用し、左手把持鉗子はロティキュレイター把持鉗子、その他は通常鉗子を使用。助手用把持鉗子は SILS ポートと臍部創
との間から挿入した。SILS(+1 ポート )-LC では腹腔鏡は 10mm フレキシブルを使用し、12mm ポート 1 本と 5mm ポート 2 本を
使用、さらに心窩部から 5mm ポート 1 本を追加した。[ 結果 ] 手術時間は SILS-LC が 96 ± 23 分 (65-120 分 )、SILS(+1 ポート )-LC
が 142 ± 37 分 (155-170 分 )、LC が 84 ± 24 分 (50-120 分 ) であった。術後在院日数はそれぞれ 3.7 日、4.3 日、5.1 日であった。術中・
術後合併症は認められなかった。[ 考察 ]SILS-LC 第 1 症例目では鉗子操作に多少の煩わしさを感じ、手術時間は長くなったが安
全に施行できた。その後の症例では手術時間は短縮した。腹腔鏡 10mm フレキシブルを使用した SILS+1 ポート 3 症例は、胆嚢
炎の所見が比較的強い症例であったため手術時間は延長した。
【目的】近年、より低侵襲性、整容性を追求した単孔式腹腔鏡手術が注目を集めており、短期間に胆嚢をはじめ多くの疾患に導
入が進んでいる。当院では 2009 年 10 月から単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 single incision Laparoscopic Cholecystectomy(siLC) を導
入し、現在は胆石胆嚢炎全例に単孔式を第一選択としている。今回、胆嚢炎症例の治療成績について検討する。
【方法】胆嚢炎に対しては 72-96 時間以内の発症であれば緊急手術を行うが、発症時期や全身状態などから待機的とした場合は
適宜抗生剤投与、胆嚢穿刺、ドレナージ等を施行。手術は臍を縦に 2.5cm 切開し単孔式専用 port を挿入。5mm flexible scope、従
来型鉗子、フック型電気メス、超音波凝固切開装置を使用。吊り上げ必要時は Mini Loop Retractor II や 5mm port を追加使用。
【結果】 '09/10 から '11/3 までに施行した siLC78 例中、中等症以上の急性胆嚢炎 17 例。緊急手術 5 例、抗生剤や PTGBD/A 等によ
る待機手術 12 例。男性 7 例、女性 10 例、年齢 41 − 83 歳、BMI19.7-28.7。平均手術時間は緊急例で 133.6 分 (84 − 231)、待機例で
138.6 分 (68-230) であった。術後 / 総在院日数は緊急例 8.2/10.2 日、待機例 5.8/25.5 日であった。緊急例で開腹移行 1 例。合併症
なし。炎症が高度な例ほど手術時間が大幅に延長しており、術前の十分な鎮炎化とより一層の技術の向上が必要である。一方、
術後在院日数には差がなく高度炎症例においても安全性に問題が無いと考えられた。
【結語】急性胆嚢炎に対しても単孔式腹腔鏡手術は安全に施行可能である。
【まとめ】SILS ポートを用いた単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は、整容性に優れ、患者の満足度も高く安全に施行できる術式であっ
た。症例を積み重ねることで、従来法 LC 同様に難易の高い症例への適応拡大が可能であると考えられた。
24.当院における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(ローテーション法)の導入経過
26.当院における単孔式腹腔鏡手術∼安全な導入と手技の定型化を目指して∼
JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 外科
製鉄記念室蘭病院 外科
舩越 徹 , 川村 秀樹 , 谷岡 利弘 , 渡会 博志 , 山上 英樹 , 清水 佐知子 , 小林 慎吾 , 横田 健太郎 , 久慈 真理子 , 田中 浩一 , 秦 庸壮 ,
益子 博幸 , 石津 寛之 , 岡田 邦明 , 安達 武彦 , 高橋 昌宏
川瀬 寛 , 高橋 瑞奈 , 本間 直健 , 高橋 亮 , 長 靖 , 仙丸 直人
【背景】近年、整容性の利点から単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SPLC)が急速に普及している。しかしその手技は従来の腹腔鏡手
術と比較して難易度が高く、十分な修練が必要である。当院では、腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)において 2009 年 6 月からローテー
ション法を用いた SPLC を導入している。
【対象・方法】2009 年 6 月∼ 2011 年 3 月に当科で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した症例のうち、炎症が高度でなく上腹部開腹歴
のない症例で技術認定医が参加した 55 例に SPLC を施行した。ポートは SILS port を用いた。第 7 肋間よりミニループリトラク
【はじめに】当院では 2009 年 9 月より単孔式腹腔鏡手術を導入し、2011 年 3 月までに 43 例(胆嚢 32 例、虫垂 3 例、大腸 8 例)に
施行した。導入当初と比較し、現在までに適応症例やデバイス、手技に若干の変遷が見られ、より安全な手技の定型化を目指し
ている。今回は、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術手技、成績についてビデオを供覧しながら報告する。
【手技】臍に 2cm の縦切開を加え、First ポートは穿刺法で挿入し気腹圧は 8mmHg とする。Mulch トロッカー法で計 3 本のポー
トを使用する。Scope は 5mm の軟性鏡を用い、胆嚢把持用にミニループリトラクターⅡを右肋弓下に挿入し、胆嚢を挙上す
ターⅡを挿入し、胆嚢底部の把持・展開に用いた。ローテーション法について解説するとともに、当科の手術成績について報
る。把持と剥離はロティキュレーター鉗子とフック型電気メスを用い、クロス法とハイブリッド法を随時併用する。胆嚢動脈
告する。
は LCS で切離し、胆嚢管はクリッピング後に切離し、剥離した胆嚢は最後に臍部のポート挿入孔2箇所を連続させて摘出する。
【ローテーション法】臍部ポートから挿入した 3 本の instrument を操作する際に交差させず、
(半)時計回りにねじるように広げ
ることで 3 本それぞれが広い操作領域を確保できる運用法である。SPLC の場合には半時計回りが適している。
【成績】年齢は 55.9 ± 11 歳(33-78 歳)、男性:11 例、女性:45 例、BMI は 23.2 ± 3.3(17.0-30.2)、疾患は胆石症 39 例、胆石症
+胆嚢腺筋腫症 11 例、胆石性胆嚢炎 4 例、早期胆嚢癌 1 例。手術時間は 89.09 ± 30.3 分(40-195 分)であった。術中出血の 1 例
で 3 port、高度炎症・胆嚢管処理困難の 2 例で 1 port の追加を要したが、開腹移行はなかった。施行者は計 6 名で、平均手術時
間は研修医:88.9 分、中堅:79.4 分、技術認定医:75.2 分、術中合併症の頻度に差は認めなかった。術後は、2 例に創感染を認めた。
トロッカー挿入部の欠損部は 2-0 強々弯針で閉創し、皮下埋没縫合する。
【結果】症例は無症候性胆石症 7 例、胆嚢ポリープ 4 例、慢性胆嚢炎 21 例で、手術時間は平均 90 分(41-137 分)、合併症は創感染
が 1 例のみ、術後入院期間は 4.4 日(3-6 日)であった。
【結語】単孔式手術は、整容性に優れているのは明らかである。手技としては、現存の技術の応用で十分施行可能であるが、操
作の困難性はある程度避けられないため、手技の向上による安全性の確立が重要である。
【結論】SPLC は適切な指導のもとであれば安全に施行できた。SPLC をスムーズに導入するにあたり、
ローテーション法が有用で
あった。
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27.胆嚢摘出に対する単孔式腹腔鏡手術と従来式腹腔鏡手術の比較検討
29.人工腹水を用いた腹腔鏡下肝臓切除術における体腔内灌流装置の開発
社会福祉法人函館厚生院
KKR 斗南病院 臨床工学部 , KKR 斗南病院 外科 *, 千葉大学大学院 工学研究科人工システム科学専攻 **
函館中央病院
田中 公貴 , 児嶋 哲文 , 平口 悦郎 , 橋田 秀明 , 吉岡 達也 , 三井 潤 , 高野 博信
【目的】胆石症に対する胆嚢摘出手術において単孔式腹腔鏡手術を導入する施設が近年増加している。2007 年 7 月以降は当科
でも単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を第一選択として行ってきたため、導入後の治療成績について導入前の従来式腹腔鏡手術(4
ポートでの胆嚢摘出術)と比較検討をしたので報告する。
【対象】2010 年 7 月から 2011 年 3 月までに行った主に SILS ポートを挿入して単孔式で開始した腹腔鏡下胆嚢摘出した症例を単
、それ以前の 2010 年 4 月から 2010 年 7 月までに行った4ポートで腹腔鏡下胆嚢摘出した症例を従来式群(n=25)
孔式群(n=26)
と定義した。2010 年 7 月以降の症例で、術前より高度炎症が予想される症例、胆嚢癌の可能性を否定できない症例、開腹術の既
往があり癒着が予想される症例、研修医が術者の症例では単孔式腹腔鏡手術を選択しなかった。これらの症例は 2011 年 3 月ま
での期間に 19 例認めた。単孔式群における使用ポートの内訳は SILS ポートのみ:6 例、SILS ポート +3mm ポート:17 例、SILS
ポート +2 ポート:2 例、Glove 法:1 例であった。
【検討項目】背景因子である年齢、性別、Body Mass Index、経皮的胆嚢ドレナージの有無、内視鏡的乳頭切開・採石術既往の有
無について検討した。また、治療成績として手術時間、出血量、硬膜外麻酔カテーテルの留置期間、術後入院期間、術後ドレー
ン留置率、創感染の発生率について統計的解析を行った。
【結果】背景因子では性別に二群間でばらつきを認めた以外は有意差を認めなかった。また、治療成績に関してすべての項目で
二群間に有意差を認めなかった。
【結語】単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術は従来式腹腔鏡下胆嚢摘出術と比較して有意な手術時間増加、合併症の増加は認めなかっ
た。整容性の面から単項式腹腔鏡下胆嚢摘出術は十分にメリットがあると考えられる。
【目的】近年、低侵襲手術としての内視鏡手術は、機器の開発 • 改良や手術手技の向上などと共に肝臓切除術おいても同様に腹
腔鏡下にて行う施設が増加してきている。しかし肝臓はきわめて血流に富んだ臓器であるために安全な肝臓切離するためには
術中の脈管把握が必要となる。我々が考案した方式では人工腹水を用いることにより、リアルタイムに超音波検査を行うこと
が可能となり、確実な病変ならびに脈管の把握と正確な切離ラインを決めることが可能である。しかし思わぬ出血にて術野が
確保できなくなる可能性がある。そこで今回術野確保のために体腔内の人工腹水灌流装置の開発を目的とした。
【材料および方法】定量送液ポンプを用いて人工腹水を送排水できる灌流環境を構築し、送水側には送水圧力、灌流流量を測定
し、排水側には陰圧検知器を装着した。ランドレース大ヨークシャ(体重 41kg)を全身麻酔下にて腹腔鏡用ポートを挿入し、
二酸化炭素にて気腹後約 1.5L を人工腹水として生理食塩水と置換した(気層と液層の状態)
。そこで 1.腹腔鏡用エコーにて肝
臓の観察。2.腹腔鏡用エコーにて観察しながら肝臓切除。3.血管切開後にエネルギーデバイスにて止血の確認を行った。
【結果】腹腔鏡用エコーによる観察では、肝臓に非接触の状態でも生理食塩水が介在となり、観察が可能であった。さらに肝
臓切除では腹腔鏡用エコーを併用することにより脈管の確認をリアルタイムにて行うことが可能であった(送水圧力 0 ∼
230mmHg、灌流流量 0 ∼ 1.9L/min)。また血管切開後の止血では灌流流量を上げることにより安全な視野の確保が可能であっ
た(最大送水圧力 300mmHg、最大灌流流量 2.3L/min)
。
【結語】今後、この人工腹水を用いた腹腔鏡下肝臓切除術が一般的になった場合には術中体外式や体腔内からの超音波検査を行
うことによりナビゲーション手術が可能となり、安全で確実な肝切除術が可能と考えられる。
28.当院における腹腔鏡下胆管切開切石術 164 例の経験
30.転移性肝腫瘍に対して完全腹腔鏡下肝右葉切除を施行した1例
北海道済生会小樽病院 外科 , 札幌医科大学第一 外科 *
KKR 斗南病院 外科
木村 雅美 , 長谷川 格 , 檜垣 長斗 , 小川 宰司 , 大島 秀紀 *, 平田 公一 *
海老原 裕磨 , サシーム パウデル , 才川 大介 , 小野田 貴信 , 佐々木 剛志 , 川原田 陽 , 北城 秀司 , 奥芝 俊一 , 加藤 紘之
当院では 1993 年 10 月に腹腔鏡下胆管切開切石術(以下、LCBDE)を導入し、本年 3 月末までに 164 例(男:女 =77:87、平均
手術時間 196.5 分)に施行してきた。LCBDE は Vater 乳頭機能を温存する優れた治療法であるが、理想的と言われる反面、全国
的には定着していない。当院では、徐々に手技を定型化し、切石の工夫を積み重ねることにより、標準術式として定着している。
胆管切開部の処置については、導入初期には T-tube 留置を、その後は体外結紮器による結節一期的閉鎖術に C-tube 挿入を中心
に行った。
1998 年から連続縫合による一期的閉鎖術を採用し、結石遺残のリスクが高い症例には T-tube 法を行うが、それ以外では連続
一期的閉鎖術を基本としてきた。連続一期的閉鎖が施行された 120 例のうち 108 例では、胆道ドレナージを付加せず、その平均
手術時間は 178 分と短縮された。しかし最終的な手術時間の長短は、併存する胆嚢炎の程度や切石の困難さに依存していると
考えられた。術後の結石遺残・再発は計 11 例(6.7%)である。うち遺残可能性症例に対して T-tube 法を選択した 6 例では、全
例で後日 T-tube 瘻孔から結石を回収した。また再発と考えられた 5 例では、経乳頭的切石などが施行された。術後胆汁漏は 7 例
で経験したが、うち 5 例は保存的に消退している。
一般的に胆管結石の処理には経乳頭的アプローチが内科で行われる場合が多いのが現状である。しかし、胃切除術後など再
建法によっては、内視鏡の到達困難症例も存在し、その際に腹腔鏡下手術が選択されることは、より理想的である。当院におけ
る LCBDE の手術成績と、最近行った腹腔鏡下胃全摘術後の胆石・胆管結石症例を提示する。
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石田 稔 , 海老原 裕磨 *, 齊藤 高志 , 佐々木 剛志 , 才川 大介 *, 奥芝 俊一 *, 加藤 紘之 *, 五十嵐 辰男 **
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
【はじめに】近年、新規抗がん剤の普及などにより、集学治療の一環として大腸癌肝転移に対する外科治療の重要性が高まって
きている。化学療法を継続する患者には低侵襲手術が望まれ、腹腔鏡下肝切除術は一つの方向性であると考えられる。今回、大
腸癌肝転移症例に対し、化学療法施行後に腹腔鏡下大腸切除ならびに腹腔鏡下肝右葉切除術を施行した1例を経験したので報
告する。
【症例】60 歳代の女性。糖尿病にて近医通院中に肝機能障害が認められ精査の結果、S 状結腸癌多発肝転移、肺転移の診断にて
当院腫瘍内科紹介。4 月より FOLFIRI+Avastin のレジメンにて化学療法開始。S 状結腸癌、肝転移は PR、肺転移は CR であり、平
成 22 年 11 月腹腔鏡補助下に S 状結腸切除術を施行。同年 12 月に完全腹腔鏡下肝右葉切除+ S2 部分切除術を施行した。
【手術】開脚左半側臥位、5 ポートにて施行。肝門処理を先行し、右肝動脈、右門脈枝の処理を行った後、肝切除を施行。右胆管
は、肝切除の途中にやや肝側にて肝実質ごと切離した。臍部ポート創を開大し、標本を摘出した。
【成績】手術時間 346 分出血量 150g。術後経過良好にて術後第 10 日目に退院となり、術後第 14 日目より化学療法を再開した。
【結語】大腸癌肝転移症例において、化学療法を継続する患者には大腸手術はもとより肝切除術においても早期化学療法の再開
という点において腹腔鏡手術は有用であると考えられる。また、手技の習熟により完全腹腔鏡手術による肝切除も可能と考え
られる。
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
27
31.肝エキノコックス症に対する腹腔鏡下肝切除術
33.当科における完全腹腔鏡下肝切除術について
北海道大学大学院医学研究科 消化器外科・一般外科
札幌医科大学 第一外科
柿坂 達彦 , 神山 俊哉 , 中西 一彰 , 横尾 英樹 , 蒲池 浩文 , 敦賀 陽介
目黒 誠 , 水口 徹 , 川本雅樹 , 中村幸雄 , 太田盛道 , 今村将史 , 沖田憲司 , 西舘敏彦 , 信岡隆幸 , 木村康利 , 古畑智久 , 平田公一
【背景】肝エキノコックス症は経口摂取された多包条虫の虫卵が小腸内で幼虫となり、経門脈的に肝に到達して発症する。治療
は手術治療が第一選択であり、病巣を完全切除することで良好な予後が期待できる (Kawamura N, et al. J Am Coll Surg 2011)。
近年の腹腔鏡下肝切除術の普及に伴い、肝エキノコックス症に対して腹腔鏡下手術を導入した。
【症例】当科では 2001 年 6 月に腹腔鏡下肝切除術を導入し、2011 年 4 月までに 43 例の腹腔鏡下肝切除術を行った。そのうち、肝
、性別は男性 1 例、女性 4 例。
エキノコックス症に対しては 5 例に腹腔鏡下肝切除術を施行した。年齢は平均 58 歳(42 ∼ 76 歳)
病巣は平均 49.6 ± 30mm(25 ∼ 100mm)であった。術式は腹腔鏡補助下肝左葉切除術 2 例、腹腔鏡補助下肝外側区切除術 1 例、
腹腔鏡補助下肝部分切除術 1 例、腹腔鏡下肝部分切除術 1 例。肝実質切離は超音波凝固切開装置を用いた。最近の症例では VIO
system によるソフト凝固電気メスを併用した。全症例とも断端陰性で病巣の完全切除が可能であった。手術時間 平均 195 ± 85
分(128 ∼ 319 分)、出血量 平均 171 ± 229ml(10 ∼ 545ml)で、他の疾患に対する腹腔鏡下肝切除術と優位差は認めなかった。
保存的に軽快した。術後、全症例とも肝エキノコックス症の再発を認めていない。
合併症は胆汁漏 1 例、門脈血栓 1 例を認めたが、
【考察】肝エキノコックス症に対して腹腔鏡下肝切除術を施行し、病巣の完全切除を行うことができた。肝エキノコックス症は、
癌とは異なり基本的に良性疾患であるので、より低侵襲な術式を模索すべきであり、サイズが大きくない場合、腹腔鏡下肝切
除術のよい適応であると考える。
32.当院における鏡視下肝切除の導入
【背景】腹腔鏡下肝切除の保険収載に伴って症例が増加傾向にあり更なる適応拡大に向けより安全確実な手術手技が求められ
ている。
【目的】完全腹腔鏡下肝切除症例について腫瘍局在、腫瘍径、背景肝、手術時間、出血量などから適応拡大に向けて現状
を把握しより安全確実な手術手技を目指して問題点を検討する。
【対象と方法】2005 年 1 月から 2010 年 12 月までに施行した肝
切除症例は 333 例でそのうち開腹下に 258 例、腹腔鏡(補助)下に 75 例が施行された。この 75 例中、完全腹腔鏡下に施行された
症例は 15 例であった。さらに、2008 年 6 月から 2010 年 5 月までの 6 例を前期群、2010 年 6 月から 2010 年 12 月までの 9 例を後期
群として比較検討を行った。
【手術手技】左半側臥位で体位固定し手術開始。手術台ローテーションで術中に適宜左側臥位にし
ている。5 ないし 6 ポートにて施行し標本の取り出しは主に臍ポートを延長して施行。MCT 前凝固、DS+CUSA、クリッピング、
腫瘍深部の肝静脈枝処理には自動縫合を施行した。後期群では BiClamp シーリングを導入し施行した。
【結果】前期群(n=6)
:
後期群(n=9)との比較検討で年齢性別に有意差なし。腫瘍局在は前期群で S2-6 腫瘍であったが、後期群では S4/8、S6/7、S8 な
どの上区域症例も存在した。自動縫合器使用頻度は 3/6(50%):3/9(33%) であった。平均腫瘍径 12.5 ± 4.6:34.7 ± 17.9 と後期
群で有意に大きく (p<0.05)、平均手術時間も 174.3 ± 52.8:327.3 ± 104.0 と後期群で有意に長かったが (p<0.01)、平均出血量
35.8 ± 35.6:175.6 ± 190.5 と後期群で多かったが有意差を認めなかった。後期群における腫瘍近傍の径 8-10mm の肝静脈と腫
瘍との平均距離は 28.0 ± 14.7 mm であった。
【結語】肝 S7/8 上区域や腫瘍径が 30mm を超えるものでも表在性で腫瘍近傍の主
要肝静脈から 30 mm ほどの距離があれば出血コントロールでき安全に適応拡大可能と思われた。実際の最新のビデオ供覧にて
問題提起させていただく。
34.膵切離先行による完全腹腔鏡下脾温存膵体尾部切除術を施行した転移性膵腫瘍の
1例
函館五稜郭病院 外科
舩渡 治 , 菅野 将史 , 板橋 英教 , 中嶋 潤 , 小川 雅彰 , 早川 善郎 , 目黒 英二 , 小林 慎 , 高金 明典
斗南病院 外科
才川 大介 , 海老原 裕磨 , サシーム パウデル , 小野田 貴信 , 佐々木 剛志 , 川田 将也 , 川原田 陽 , 北城 秀司 , 奥芝 俊一 , 加藤 紘之
【目的】2010 年 4 月から腹腔鏡下肝切除(外側区域切除、部分切除)が保険収載され、今後多くの施設で施行されることが予想さ
れる。腹腔鏡下肝切除は開腹手術と比較して明らかに体壁の破壊が少なく、患者の肉体的負担を軽減する術式と考える。今回、
肝病変に対する腹腔鏡下肝切除やラジオ波焼灼術 (RFA) を検討した。
【対象・適応】完全鏡視下肝部分切除 17 例(うち深部の腫瘍に対し RFA 併用 2 例)
、腹腔鏡下肝外側区域切除 2 例の合計 19 例を
対象とした。適応は肝表層または外側区域に病変が存在し、外側区およびS 6 の辺縁や突出型の病変は直径 5cm 以下、突出型
でない肝表層の病変は 3cm 以下とした。
【手術方法】肝切離は基本的に VIO system(Biclump) と超音波凝固切開装置を使用している。全周性に RFA による precoagulation
を行い出血防止をしている。特に腫瘍深部を確実に凝固することにより、再発防止にも有効と思われる。
【結果】平均手術時間は 210.1 分(86-456)、平均出血量は 258.9 ml(3 ∼ 2,210)、術後平均在院日数は 10.4 日(5-27)であった。疾
患は肝細胞癌(HCC)11 例、転移性肝腫瘍 8 例であった。このうち大腸癌の同時性肝転移 3 例に対し腹腔鏡補助下大腸切除を同
時に施行した。切離困難な症例は、S 78 の背側付近の腫瘍や S6 のやや深部位置の切離ラインが複雑で直線にならない腫瘍で
あった。
【結語】腹腔鏡下肝切除は低侵襲で、安全性が確保できれば患者のメリットが大きい術式と思われる。切離ラインが複雑で直線
とならない腫瘍は最初から小開腹併用手術もしくはハンドアシスト手術を考慮するか、手術開始後でも積極的にハイブリット
症例は 71 歳の女性でH6年に右腎細胞癌にて右腎臓摘出術を施行し、その後肺転移、肝円索転移に対し追加切除が行われた。
定期フォローのCTにて膵体部に造影効果の強い腫瘤性病変を認め腎癌膵転移と診断され当科紹介となり、上記に対し腹腔鏡
下脾温存膵体尾部切除の方針となった。手術ではまず脾動脈をテーピングし、次に門脈前面でのトンネリングを行い自動縫合
器にて膵実質を先行切離した後に膵体尾部の受動を行った。脾動静脈及び短胃動脈、左胃体網動脈は温存し膵体尾部のみ切除
摘出した。手術時間は 4 時間 48 分、出血量は 50ml であり、膵液漏等の合併症もなく術後 19 日目に退院となった。
腹腔鏡下膵体尾部切除術(Lap-DP)は、本邦でも囊胞性腫瘍や神経内分泌腫瘍といった良性腫瘍や低悪性度腫瘍に対して広く
施行されるようになった。さらに最近では Lap-DP はデバイスの進歩や、腹腔鏡特有の手術アプローチの普及により、手術創の
整容性のみならず気腹環境における手術の低侵襲化や拡大視効果がもたらす繊細な手術手技により、開腹手術に対して多くの
優位性を有する手術手技であることが認識されつつある。
また近年では脾臓摘出に伴う感染関連合併症や、血小板増加といった問題点に対して可及的に脾臓を温存する報告が増加し
ている。Lap-DP では基本的な適応に脾温存術式との共通部分が多いことより、今後さらなる低侵襲性を追求して腹腔鏡下脾温
存膵体尾部切除術が普及していくものと考えられた。
に移行すべきと思われる。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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35.膵尾側切除例の検討
37.腹腔鏡下膵体尾部切除の手術手技と成績
手稲溪仁会病院 外科
北海道大学 腫瘍外科
鈴木 温 , 安保 義恭 , 中村 文隆 , 南野 佳英 , 嶋口 万友 , 岡田 尚也 , 今村 清隆 , 中村 透 , 高田 実 , 加藤 弘明 , 成田 吉明 ,
岸田 明博 , 樫村 暢一 , 松波 己
田中 栄一 , 七戸 俊明 , 加藤 健太郎 , 土川 貴裕 , 松本 譲 , 鈴木 善法 , 竹本 法弘 , 野路 武寛 , 松永 明宏 , 早馬 聡 , 寺村 紘一 ,
那須 裕也 , 楢崎 肇 , 岡村 国茂 , 平野 聡
当科では腹腔鏡下尾側膵切除術(以下 LDP)の先進医療申請を行い、症例を経験している。そのなかでも膵頚部で膵切離を行
う際、膵切離、血管処理が問題になる。空間確保やアプローチ方向の工夫を行っているので報告する。
手術用 X 線ガーゼは臓器圧排や血液吸収に用いる。腸管をガーゼで圧排し手術用スペースを確保する。膵脾剥離で脾外側や
膵背側にたまった血液をガーゼで吸収し、良好な術野を得ている。また膵上縁から脾動脈を全周性に剥離・クリッピングし、
【対象】当科にて施行した腹腔鏡下膵(体)尾部切除 13 例。男性 4 例女性 9 例、年齢中央値 54 歳(33-75)。対象疾患は膵内分泌腫
瘍(NET)非機能性 5 例、機能性(インスリノーマ)3 例、IPMN2 例、MCN2 例、SPN1 例。
【方法】施行術式は脾温存 1 例、脾合併切除 12 例、うち 1 例に左副腎合併切除を併施した。HALS 併用例は 5 例で 5 センチ以上の
原発巣であった 4 例と術中出血の対処に行った 1 例。
血流遮断を先行する。膵下縁を剥離しトンネリングを行う。できるだけ膵下縁を広く剥離し視野を良くしたうえで、脾静脈の
【術式の要点】開脚仰臥位、臍(上)部をカメラポートとして 5 ポート(体尾部切除)4 ポート(尾部切除)で行っている。膵頚部
上腸間膜静脈合流部 (SV-SMV) を確認する。同様に膵上縁、総肝動脈周囲も剥離し、トンネリングの際に動脈を損傷しないよう
でトンネリングを行う際には膵の下縁を広く切開し、膵の背面を広く剥離する。その後、総肝動脈を神経叢ごと膵実質に沿っ
にする。ガーゼを用い胃や肝外側区を確実に圧排して十分な空間を作り、膵実質切離は linear stapler の先端を十分に確認しな
て剥離してテーピングすると容易にトンネリングができ膵切離も良視野で行える。膵切離は自動縫合器(EchelonTM)の緑また
がら行う。SV-SMV 合流部で SV を剥離し、linear stapler で切離する。尾側膵・脾は内側アプローチにより後腹膜から授動する。
はゴールドカートリッジを使用し、10 分程度かけてゆっくり圧挫している。膵切離は脾臓の遊離脱転より先に行っている。特
最後に脾動脈を確実にクリッピングし切離する。
に脾動静脈の処理は根部付近での処理が必要な場合、膵切離を先行したほうが良視野を確保できる。
当科では 2008 年から LDP を8例に施行してきた。男性2例、女性6例、年齢中央値 48 歳 (25 - 76)、疾患は MCN 3例、IPMN
、出血量中央値 150ml(0-1100)
、術後立位歩行は中央値術後1日目、食事再開は中央値
【結果】手術時間中央値 271 分(147-464)
2例、その他3例であった。手術時間中央値 290 分 (187 – 333)、出血量中央値 250 ml (0 - 511)、合併症は膵液瘻 Grade B 2例を
術後 2 日目であった。morbidity は 38%(膵液瘻(Grade B)3、創感染 2、脾静脈血栓 1、麻痺性イレウス 1、重複あり)であった。
認めた。術後在院期間は、8 日中央値 (8 - 34) であった。
切除例全例で断端陰性の手術となった。最終診断は NET3 例、IPMN1 例、SPN1 例の計 5 例が悪性の病理診断であった。NET の
2 例に肝転移再発を認めたが、平均観察期間 35 ヶ月で現在全例生存中である。
【結語】膵の低悪性度病変に対する腹腔鏡下膵切除は体壁に対する侵襲は少なく局所制御も良好で安全に施行しうる。膵液瘻対
策は依然として課題といえる。
36.当科における腹腔鏡下膵体尾部切除術の検討
38.膵頭部浸潤胃癌に対して腹腔鏡下膵頭十二指腸切除を施行した1例
北海道消化器科病院 外科
KKR 斗南病院
岡村 圭祐,森田 高行,藤田 美芳,市村 龍之助,福島 正之,中山 智英,阿部 紘丈
海老原 裕磨 , サシーム パウデル , 才川 大介 , 小野田 貴信 , 佐々木 剛志 , 川原田 陽 , 北城 秀司 , 奥芝 俊一 , 加藤 紘之
【はじめに】腹腔鏡下膵切除術は手術機器と手術手技の発達により徐々に導入されてきている。
【目的】当院で行っている腹腔鏡
下膵体尾部切除術について、手技の変遷や膵切離の器械について検討した。
【症例提示】40 歳女性。膵体部 30mm 大の Mucinous
cystic neoplasm (MCN) と診断し、腹腔鏡下膵体尾部切除術施行した。5ポートを挿入。脾動脈を切離。膵体部を後腹膜から遊
離。総肝動脈をテーピングした後、吸収性組織補強材シート付きリニアステープラー(Duet TRS COVIDIEN 社)用いて膵臓
を切離した。切除臓器はバックに回収し、下腹部に置いた横切開創より体外へ摘出した。手術時間 5 時間 20 分。出血量 65ml。
【対象】当院で腹腔鏡下(補助下)膵体尾部切除術を施行した 9 例のう
術後ドレーンを 4 日目に抜去。術後 14 日目に退院した。
ち、尾側膵と横行結腸が強固に癒着していたため開腹術へ移行した 1 例を除く 8 例。男性:女性= 3:5。病理学的診断の内訳は
MCN4 例、IPMN2 例、その他 2 例。いずれもリニアステープラーを用いて膵臓を切離した。
【結果とまとめ】当手術導入初期に
は、小開腹を置いた後に尾側膵および脾臓を体外へ引出し膵臓を切離する腹腔鏡補助下膵体尾部切除術を施行していたが、現
在は、腹腔鏡下に膵臓を切離し体外へ摘出している。腹腔鏡補助下での手術では創の位置は上腹部に限定されてしまうが、腹
腔鏡下膵切離では創の自由度があり整容面で優れていると思われた。 1 例でドレーン抜去まで術後 29 日間を要した。その他は
全例術後 10 日目までにドレーン抜去可能であった。術後出血の合併症は経験していない。
【はじめに】腹腔鏡下手術の手技の向上や機器の開発に伴い、様々な癌に対する適応拡大や術式の多様化が進んできた。特に最
近、技術的に難易度が高いとされている膵頭十二指腸切除術に対する腹腔鏡手術の報告が散見されるようになってきた。今回、
膵頭部浸潤胃癌に対して胃空腸バイパス後に腹腔鏡下膵頭十二指腸切除 (Lap-PD) を施行した1例を経験したので報告する。
【症例】50 歳代男性。平成 22 年 3 月頃より食後の嘔吐を自覚し、当院消化器内科受診。上部内視鏡検査にて幽門閉塞を認めた。
生検では Group V の診断は得られなかった。抗潰瘍剤など投与するも改善なく、5 月に審査腹腔鏡を施行。腹膜播種などの所見
は認めなかったが、腹腔洗浄細胞診は陽性であった。また、膵浸潤も認められ根治切除不可能と考え、腹腔鏡下に胃空腸バイパ
ス術 Stomach-partitioning-gastrojejunostomy(SPGJ-RouxY 再建)を施行した。その後、平成 22 年 10 月 TS1+CDDP3 コース施行
後に審査腹腔鏡を行うも細胞診陽性。再度、平成 23 年 1 月 TS1+CDDP3 コース施行後に審査腹腔鏡を行ったところ術中細胞診
陰性。そのまま Lap-PD を行った。
【手術】開脚仰臥位、5 ポートにて施行。胃切離を先行させ GDA を切離。門脈トンネリング後に mesenteric アプローチにて空腸
起始部の授動を行った。空腸を SMA 右側に引き抜いた後、SMA 右縁に沿って膵神経叢を切離した。腹腔鏡にて Y 脚を作り直し
た後、上腹部正中切開にて小開腹。胆管空腸ならびに膵空腸吻合を行った。手術時間 421 分、出血量 640g。術後創感染が認めら
れたが、膵液瘻など認めずに術後第 30 病日に退院となった。
【結語】Lap-PD の難易度は高いと考えられるが、術野展開や手順について検討を行うことによって標準化可能な術式と考えら
れる。
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39.小開腹を伴う腹腔鏡補助下脾臓摘出術の 2 例
41.当院の手術室における臨床工学技士の役割
市立札幌病院 外科
北海道済生会小樽病院 臨床工学室 , 泌尿器科 *, 外科 **
武田 圭佐 , 大島 隆宏 , 深作 慶友 , 奥田 耕司 , 三澤 一仁 , 上坂 貴洋 , 西澤 竜矢 , 菊池 一公 , 大川 由美 , 佐野 秀一
佐々木 和也 , 笹山 貴司 , 横道 宏幸 , 奥嶋 一允 , 吉田 昌也 , 今野 義大 , 安達 秀樹 *, 長谷川 格 **, 木村 雅美 **, 檜垣 長斗 **,
小川 宰司 **
【背景】腹腔鏡下脾臓摘出術は、適応症例数が限られている一方で合併症の可能性が高いため、全国的に見ても他の腹腔内手術
に比べて実施件数がなかなか増えていないのが現状である。我々の施設でも LADG や LAC の症例数が徐々に増加してきてい
るが、脾摘に関しては二の足を踏んできた。
【目的】腹腔鏡下脾臓摘出術を安全に導入するために、前段階として左季肋下に小開腹をおいた腹腔鏡補助下脾臓摘出術を施行
した。
【対象】ITP の 2 例。
【方法】左季肋下に 4-5cm の小開腹をおくが、手術の手順は手術書に記載されている腹腔鏡下脾臓摘出術にほぼ準じて行った。
近年、医療技術の発展は多岐に渡り、より複雑化・高度化している。特に手術室は内視鏡などの画像装置をはじめとした麻
酔器・モニター・電気メスなど複数の機器を同時に使用する特殊な現場である。その中で機器情報の収集や管理の重要性は日々
増しつつある。そこで当院では、診療部・看護部の要請もあり平成 22 年 7 月 1 日から手術室に専任臨床工学技士1名が配属さ
れ、医療機器の操作や保守点検業務を行っている。ここに現行業務と今後の課題を報告する。
主な業務内容は、医療機器の術前・術中・術後の日常点検、医療機器トラブル時の対処、医療機器の選定・運用・廃棄まで
を企画、消耗品や在庫の管理、手術データの管理、手術設備の安全・効率化、そして看護師を対象とした医療機器の安全な使用
腹腔鏡補助下に短胃動静脈の処理を行い、脾臓を外側から剥離脱転。最終的には自動縫合器で脾動静脈を一括切離して、小開
方法の勉強会やマニュアル作成である。内視鏡外科では、内視鏡架台またはサブモニターの設置・術中移動、術前動作点検、C
腹創から摘出した。
CU・光源装置・録画装置の設定、医療電源の確保・分配、記録映像の録画・確認、気腹器の操作、炭酸ガスの残量計算・確認、
【結果】手術時間は 110 分と 55 分、出血量は 12g と少量で、開腹手術と遜色なく脾臓摘出術を行えた。
画像トラブル時の対処、異常時の内視鏡・ライトガイドケーブルの点検を行っている。
【まとめ】小開腹創は HALS に比べて創が小さく手は入らないが、直視下に脾門部を見ながら脾動脈の結紮を行うことができ、
現在、日中を中心に管理業務をこなしている。しかし緊急手術や臨床工学技士不在時の対応など、
いまだに手術室の需要があ
脾門部での不測の出血に対応することが可能である。また、脾腫が軽度であれば脾臓を破砕しなくても創部から摘出でき、脾
る。今後の課題として、手術室勤務の増員、緊急手術の対応、または知識の均一化を主としたローテーション体制の構築などを
腫瘍などにも応用できるというメリットもある。本方法から開始すれば、腹腔鏡下脾臓摘出術の経験のない施設でも比較的安
検討している。
全に導入できると考えられた。
40.腹腔鏡下手術における気腹ガスフィルターの検討
42.当院の内視鏡外科手術に関連した臨床工学技士の業務
勤医協中央病院 臨床工学部 , 勤医協中央病院 外科 *
旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門 , 手術部 *
原 靖 , 河島 秀昭 *, 松毛 眞一 *, 石後岡 正弘 *, 樫山 基矢 *, 吉田 信 *
山崎 大輔 , 山口 紗季 , 佐藤 孝彦 , 浜瀬 美希 , 下斗米 諒 , 天内 雅人 , 本吉 宣也 , 南谷 克明 , 成田 孝行 , 宗万 孝次 , 与坂 定義 ,
平田 哲 *
腹腔鏡下手術は医療用二酸化炭素を気腹装置を用いて清潔野である腹腔内へ送り込むが、このガスにはバクテリア、細菌、
金属等の微粒子が含まれているといわれている。
このことをうけ当院では、気腹装置と送気チューブの間にフィルターを装着し、より安全な二酸化炭素を腹腔内に送気とし
てきたが、フィルター交換の頻度やタイミングに明確なものがなく、一週間に一度、または汚染が目視や使用状況から考えら
れた場合に交換するといったことにとどまっている。安全な内視鏡手術を施行する上で気腹ガスフィルターを使用することが
必要不可欠であると考えるが、腹腔内にバクテリアや細菌、微粒子の侵入を防ぐためや気腹装置の内部汚染を防止するための
フィルターが使用環境によっては、腹腔内に感染源となるものを送気している可能性があるのではと考え、実際腹腔鏡下手術
で使用したフィルターを培養した。その結果を参考に、またその他いろいろな面からフィルターの使用環境について検討した
ので報告する。
【はじめに】当院の内視鏡外科手術の件数は 2010 年では約 740 件であり全手術に対して 12%であった。診療科は、産婦人科、胸
部外科、消化器外科など多岐にわたる。当院の臨床工学技士は 10 名であるがそのうち 2 名が手術室担当となり、内視鏡外科手
術にも対応している。業務内容は装置の設置、接続などの臨床業務と保守点検業務である。今回は、これらの業務について報告
する。
【臨床業務】手術室 2 部屋は内視鏡対応であり,他の部屋では技士が使用する内視鏡カートを設置する。カメラは 3 メーカのも
のを使用し、あらかじめ看護師が作成するカメラ予定表で準備する。機器の配置に関しては、術式別のマニュアルを作成する
ことによって、技士間での情報の共有を図っている。手術時のカメラ、光源装置、気腹装置の接続は技士が行うが、夜間緊急時
など技士がその場にいない時は看護師が接続することもあり、明確な業務分担はしていない。
【保守点検業務】内視鏡手術に併用される機器は超音波メス、電気メスなどでこれらについては臨床でのトラブル対応と保守
点検業務を行っている。超音波メスでは清潔野での組立てが原因であるトラブルがしばしば発生しているが、簡易組み立てマ
ニュアルなどの情報も提供している。また、超音波メスはハンドピースが再使用部品であり、使用後の点検により、性能の確認
と交換の判断を行っている。
【当院の課題】当院では装置のメーカが統一されておらず、光源装置や、気腹装置、カメラコントロール装置の取扱方法がメー
カによって若干異なること、また、診療科によって録画方式が違うことが、看護師による機器の対応を難しくしている。円滑に
手術を行うためには、誰でも使用可能なシステムとすることが必要ではないかと考える。また、内視鏡外科手術の手技や関連
した装置など、今後も進歩すると予想されるが、臨床工学技士は、最新の技術に追従して行くことが必要であると考える。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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43.内視鏡手術のトラブルシューティングの実際∼トラブルのない内視鏡手術を目
指して∼
45.内視鏡下外科手術の安全な体位確保と維持の方法∼体位チェックリストの活用と
病棟との連携∼
市立函館病院 手術室
KKR 札幌医療センター斗南病院 手術室
高橋 あゆ子 , 加藤 由紀子 , 三好 力 , 笹川 裕樹 , 齋藤 あづさ , 秋場 結衣 , 森 加代子
岩渕 いづみ , 斉藤 知子 , 清水 美砂 , 小野 富貴子
【背景】当院の内視鏡下手術は 2010 年度の 3086 件のうち消化器外科 229 件、婦人科 112 件、呼吸器外科 50 件であった。今後も
医療の進歩とともに内視鏡下手術は増加していくと考えられる。手術室看護師としては患者様に安全な看護を提供できるよう
に、各症例に知識・技術の向上を目指して日々研鑽していく必要がある。しかし器械を多く使用する内視鏡下手術では機器類
のトラブルも多く、そのたびに医師・看護師はストレスを感じ、看護師の中では内視鏡下手術に苦手意識をもっている人がい
るのが実情である。
【目的】看護師の内視鏡外科手術に対する苦手意識を克服するために、トラブルシューティング方法について表示し、統一した
対応ができるように取り組んでいるので現状を報告する。
【方法】当院の手術室スタッフに内視鏡手術でのトラブルについてのアンケートを実施し、それを基に起こりやすいトラブルに
対応できるよう対処法をマニュアル化し表示した。これを用いて新人や勤務交代者(= 手術室未経験看護師)の評価ならびに以
前からの手術室勤務者の評価を確認することにした。
【結果】現在まだ試行中であるが、マニュアル化したことによる利点として一貫した対応が出来るようになってきた。しかし手
術室未経験看護師にとってその場で即座に対応できないことも少なくなかった。また医師も勤務交替したところではマニュア
ル通りでは不十分なこともあった。
【まとめ】トラブルシューティングのマニュアル化による効果はありそうだが、マニュアルの更なる進化とともにこれを理解済
みでないと現場での対応はむずかしく、経験者の指導はやはり不可欠である。さらに検討して報告する。
全身麻酔下の患者の体位確保・維持は患者の反応を確認できないため確実性に乏しく、術中は覆布の下になり観察が不十分
な状況のなか、様々な弊害を回避するためにどの施設においても方法や技術の工夫に余念がないであろう。
当院では年間 2000 件余りの手術件数のうち、全身麻酔下手術は約 1700 件、そのうちの 3 割が内視鏡下手術である。この内視
鏡下手術に必要不可欠なのが術式別に異なる体位確保と維持である。その保持には、術者の視野を妨げる腸管を移動させるた
めの術中ローテーションや、長時間の同一体位を余儀なくされる状況を強いられる。
2004 年から本格的に内視鏡下手術を導入してきた当院では、患者の安全性の確保のため術式別体位固定法マニュアルを通
し、看護師の経験や技術の差を補ってきた。そこで術中維持に焦点をあて、患者の個別性をアセスメントし術中観察ポイント
をピックアップ、定期的な間隔でチェックしていく体位チェックリストを作成した。
全身麻酔下での患者は反応ができず無防備である。術者・麻酔医としての役割があり、我々看護師は患者の代弁者となれる
よう個々の患者情報を管理し、看護援助につなげる役割がある。ひとつの手術チームとしてそれぞれの役割を遂行しながら、
お互いを補い恊働してこそ、長時間のアクロバッティングな体位から患者を守ることができる。原則かつアセスメントに沿っ
た確実な体位固定、術中の良肢位の保持、定期的チェックによるトラブルや不具合の早期発見・改善が可能な体位チェックリ
ストを作成したことで、より患者の安全・安心を保証できる成果につながった。
さらに、チェックリスト作成から1年余りが経過し、現在は病棟での WOC 管理の褥瘡ケアプランシートとコラボレーショ
ンすることにより、病棟での術前から手術室での術前・中・後、そして病棟へと、1枚のシートでひとりの患者を複数部署に
て同一目線で関わることができるようになった。この連携を含め紹介する。
44.内視鏡手術機器/器械類のトラブル防止の為の取り組み
46.開胸・胸腔鏡手術における体位固定の工夫
釧路赤十字病院
北見赤十字病院 手術室 , 外科
熊谷 弘弥 , 中西 沙希子 , 岩館 直 , 福井 寛之 , 神保 和哉 , 鍋島 豊 , 齊藤 貴浩 , 山田 憲幸 , 倉重 諭史 , 尾嶋 博幸
近田 真琴 , 北上 英彦 , 野田 有香 , 重成 好恵 , 菊地 健司 , 村上 慶洋 , 新関 浩人 , 神藤 章子 , 池田 淳一
【はじめに】当院の内視鏡手術は年々増加傾向にあり、使用する内視鏡の機器 / 器械類のトラブル件数も増加傾向にある。その
近年、体位固定に使用する備品や除圧用具の多くが改良され、手術体位に関連する安全性は高まりつつある。しかし、手術術式
中で手術を安全かつ迅速に進めるためには、機器 / 器械類の適切な使用方法、確実な点検等を手術室スタッフ間で共有する必
によっては長時間の同一体位や非生理的体位を強いることもあり、皮膚障害が散見されるのが現状である。
要があると考えた。そこで誰が見ても内容が理解できるようなやさしいマニュアル作り、統一した点検内容の確立、ヒューマ
当院では 2010 年に側臥位における 80 件の開胸・胸腔鏡手術が行われた。そのうち 26 例(32.5%)が下側になる胸部側面や上前
ンエラーを防止できるようなシステム作りなど、さまざまな取り組みを行ってきたので報告する。
【取り組み内容】使用マニュアルは文字を少なく画像を中心に作成し、一目で理解できるように作成した。またそのマニュアル
腸骨棘に発赤を認め、さらに 2 例(2.5%)が胸部側面に皮膚剥離を認めた。
発赤のみの場合は、帰室時もしくは手術翌日には完全に消失していたが、皮膚剥離を認めた 2 例は、翌日以降も経過観察が必要
を機器に付属しておく事で使用の際にはいつでも見られるような環境を作った。点検については、点検マニュアルを作成し、
となった。そこで今回、この皮膚障害を生じた経緯をふまえ、予防策についての検討を行った。皮膚剥離を認めた 2 例はいずれ
点検の統一化を計った。ヒューマンエラーについては、フールプルーフのシステムを利用したエラーを起こさせないような環
も 4 時間を越える手術時間であったが、体位固定には、低反発マットレスと陰圧式固定具・体側支持器を使用しており、体圧
境作りや、視覚的強化によるエラー防止を行った。
的には 30mmHg 前後であるため、固定方法には問題はないと考え、摩擦からの保護を目的として、下側になる胸部側面に 25cm
【結果】これらの取り組みにより、看護師を含めたスタッフが機器 / 器械類の通常使用において問題なく運用できるようになっ
程度に切った創傷ドレッシング剤を 2 枚貼付し、さらに背抜きを十分に行うこととした。結果、15 例の手術が行われそのうち 4
た。また点検内容が充実したことで機器 / 器械類の故障等が術前に発見できることが多くなった。今後も継続して充実を図っ
時間を越える手術が 5 例あったが、皮膚剥離は生じていない。コスト面から考えても、一症例につき 200 円程度での予防策とな
ていくことで更なるレベルアップすることが出来ると考える。
るため、比較的安価で有用な方法であると考え、今後も継続していくこととした。手術中は、一度体位を固定した後は手術が終
【今後の課題】機器 / 器械類の突発的な故障、トラブル時の対応にスタッフによる差が出てしまう。これは経験年数、状況判断
等が要因として挙げられるが、トラブル情報を共有できるシステム作りや勉強会を実施していくことで、この「差」を埋めてい
了するまで解除をすることは不可能に近い。そのため手術体位の固定時に安全で安楽な手術体位であるかを確認することが重
要となってくる。これらをふまえ、今後も医師・看護師と協力しあい、体位固定に関する検討を続けていきたいと考える。
く必要がある。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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47.腹腔鏡下子宮全摘出術後、4日目に発生したポートサイトヘルニアの一例
49.当院における単孔式内視鏡手術の現状と展望 ∼単孔式から 2 孔式に移行した症
例の検討から∼
市立旭川病院 産婦人科
中田 俊之 , 林 博章 , 北 香
腹腔鏡下手術は産婦人科領域においても、標準的に行われる手術方法となってきている。開腹手術に比べ手術侵襲が小さく、
入院期間も短縮され、とくに美容面においてもすぐれていることから今後もますます普及していくことが推測される。しか
しながら、手術症例数の増加にともない、その特有の合併症も多岐にわたり報告されている。今回、我々は腹腔鏡下子宮全
摘出術後4日目に、10 mmポート孔に発生したポートサイトヘルニアを経験したので文献的考察を加えて報告する。症例は
70 歳女性、不正性器出血を主訴に検診センター受診、子宮体部細胞診陽性にて当院紹介され、初診。子宮腔内全面掻爬にて
Endometrioid adenocarcinoma, Grade1。MRI 検査にて明らかな筋層浸潤なし、子宮体癌 Stage1a 疑いとなる。入院後、手術(腹腔
鏡下子宮全摘出術、両側付属器摘出術、骨盤リンパ節廓清術)施行。手術時間 3 時間 50 分、出血量 80ml、輸血なし。
術後経過は術後 1 日目に排ガスあり、術後3日目に排ガス・排便あるも、夜間に嘔吐複数回出現、術後4日目 症状継続した
ため腹部単純写撮影したところ、二ボーを認め、腹部エコーにて左ポート部位直下に腸管像を認め、腹腔内との連続性も認め
られた、腹部 CT にて左側腹部小腸腹壁ヘルニアを確認、それと連続して遠位側小腸の拡張を認めた。ポートサイトヘルニアの
診断にて緊急手術施行。臍下部より再度スコープ用のトラカールを設置。左 10 mmポート挿入部位に嵌頓した小腸を認めた。
再度、同部位を開腹、用手的に嵌頓した小腸を腹腔内へ愛護的に環納した。そのまま30分程度観察し、血行が回復し色調も正
常に変化したことを確認し、再度ポート部位を閉腹。臍下部も同様に閉腹し、終了した。再手術後経過は術後1日目に排ガスあ
独立行政法人国立病院機構 北海道医療センター 婦人科
大隅 大介 , 河井 紀一郎 , 齋藤 裕司
単孔式内視鏡手術は外科系各領域で急速に進歩し、良性疾患はもとより悪性疾患にまで適応の拡大が行われている。当院に
おいては 2010/3/1 新病院へ移行後より、現在までに婦人科単孔式内視鏡手術を約 60 例施行した。従来法とは鉗子の操作環境が
異なる単孔式の導入にあたっては、子宮付属器症例を中心にある程度の症例選択を行ったが、一方で子宮摘出や重症子宮内膜
症症例などにも積極的に取り組んできた。
今回われわれは当科で経験した単孔式手術症例を手術時間や出血量、合併症頻度などの観点から従来法症例と比較検討した
のでこれを報告する。
また単孔式を試みたが種々の理由により補助的に 1port を追加する 2 孔式に移行した症例を供覧し、単孔式の適応や限界に
ついて検討した結果を示す。現在では鉗子干渉の改善や手術操作性の向上を目的として単孔式手術と従来法を結ぶ線上に新し
い 2 孔式手術の導入を検討しており、これについても実際の手術動画を供覧し解説する。
単孔式手術は今後各分野において確実に普及していくと考えられるが、人口約 190 万人の札幌市においてもいまだ患者の周
知度が高いとはいえない。このような現状を考慮すると、安全性や手術操作性・術者のストレスなどから完全な単孔式だけで
今後さらに症例を増やしていく予定である。
はなく Reduced Port Surgery としての 2 孔式手術を行うことにも意義があると考え、
り、術後2日目に排ガス・排便あり、術後7日目に経過良好にて退院となる。
48.妊娠中の卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下手術の工夫
50.附属器疾患に対する臍部単孔式手術とその変法
旭川医科大学 産婦人科学講座
市立函館病院 産婦人科
堀川 道晴 , 中西 研太郎 , 大石 由利子 , 吉澤 明希子 , 佐藤 恒 , 西野 共子 , 千石 一雄
西岡 嘉宏 , 根岸 秀明 , 山下 剛
【はじめに】妊娠合併卵巣腫瘍に対し腹腔鏡手術を用いることは開腹手術に対してより低侵襲であり妊娠の継続に対しての安
【目的】臍部単孔式手術が婦人科領域でも急速に普及しつつあり、当院でも 2009 年 10 月より本術式を導入している。美容上の
全性もより高いものと考えられる。妊娠中の卵巣腫瘍に対する手術は術前に悪性を疑う症例以外は基本的に吊り上げ式腹腔鏡
メリットは疑う余地は無いが、ポートや鉗子同士の干渉により従来法より可動範囲が制限されるのも事実である。当科では附
手術を行っており、今回、我々の施設で行っている手術法について報告する。
属器疾患に対し従来 3 孔式で行っていたが、臍部単孔式・2 孔式・臍部以外の単孔式など、症例によって port-reduction を試み
【施術】硬膜外、腰椎麻酔下に砕石位にて開始する。臍中に 10mm の切開を入れ、腹腔内組み立て式吊り上げ鈎セット(瑞穂医
科工業)を用いて腹壁を挙上し 5mm のフレキシブルスコープを挿入したのち、腫瘍側の臍棘線中点に 15-20 mmの切開を入れ、
切開創の保護を目的としてラッププロテクターミニミニ(八光)を挿入、補助が必要な場合には反対側に 5mm のトロカーを挿
ているのでその現況を報告する。
【方法】2009 年 10 月∼ 2011 年 2 月までに附属器疾患に対して port-reduction を試みた 39 例を対象とし、手術術式・手術時間・
出血量・合併症・在院日数について検討した。
入して手術を行う。子宮の背側やダグラス窩にはまり込んだ腫瘍はできるだけ子宮に力をかけないようにしながら鉗子で引っ
【結果】実施手術は附属器切除 20 例、附属器腫瘍核出術 14 例、卵管切除術 3 例、ドリリング 1 例、診断的手術 1 例であった。臍部
張り上げたり、サンドバルーンで穿刺し、内容を吸引したのち体外摘出している。子宮収縮抑制剤は術後 1 日目まで塩酸リト
単孔式で完遂したものは 33 例で、2 孔式 4 例、通常法へ変更したものが 1 例、臍周囲の癒着により下腹部へ SILS Port を挿入し
ドリンを静脈路で投与し、その後は内服に変更している。
た症例が 1 例であった。平均手術時間は 86.1 分、出血量は 33.4g。平均在院日数は 4.2 日であった。臍部の感染を 4 症例で認め抗
【終わりに】現在、妊娠中の気腹法による腹腔鏡下手術の安全性が報告されているが、吊り上げ式腹腔鏡手術はCO2濃度、腹
腔内圧上昇、全身麻酔薬の心配が無く、技術的にもより簡便に行えることより有用であると考えられる。
生剤により治療したが、その他重篤な合併症は認めなかった。
【考察】臍部単孔式手術は附属器疾患に対し比較的安全に導入可能と思われた。ただし 2 孔式で手術の操作性はかなり高まるこ
とや、臍部以外での単孔式手術により開腹手術を回避できた症例も経験しており、状況によっては臍部単孔式に拘泥しすぎな
い port-reduction が有用と思われた。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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51.単孔式腹腔鏡下副腎摘除術の 1 例
札幌北楡病院 腎臓移植外科・泌尿器科 , 外科 *, 腎臓内科 **
三浦 正義 , 土橋 誠一郎 *, 伊藤 洋輔 **
症例は 51 歳女性。28 歳時からの高血圧を有していたが今回整形外科的治療目的に精査中に低カリウム血症を指摘されて当院
内科に紹介となった。内分泌学的精査、静脈サンプリング、画像検査により原発性アルドステロン症と診断された。CT では左
副腎に直径 3cm の腫瘍を認め、手術目的に当科に転科となった。手術は単孔式腹腔鏡下手術とした。右側臥位ジャックナイフ
体位とし、肋骨弓下前腋窩線上に 2.5cm の皮切をおいた。筋膜中央に 5mm ポートを設置して気腹し、さらに同皮切内の筋膜に
5mm ポートを 2 本追加した。腹腔内操作は通常の 3 ポート手術と同様に行い、下行結腸、脾、膵を十分授動し、副腎中心静脈を
5mm 金属クリップをかけて切断した後副腎周囲を剥離して摘出した。ドレーンは留置せず閉創した。手術時間 1 時間 50 分、出
血量は少量であった。術後回復は速やかで特に合併症はなく、血圧コントロールの後第 8 病日に退院した。クリッピングの際
に角度がやや鋭角になること以外は術中ほとんど鉗子の干渉もなく、本疾患に対する左副腎摘除においては優れた術式である
と考えられた。
53.若年成人女性の鼠径ヘルニアに対する単孔式腹腔鏡下経皮的腹膜外閉鎖法
( SILPEC 法)
函館五稜郭病院 外科 , 岩手医科大学外科学講座 *
中嶋 潤 , 水野 大 *, 舩渡 治 , 入野田 崇 , 板橋 英教 , 菅野 将史 , 小林 慎 , 高金 明典 , 若林 剛 *
【背景と目的】20 ∼ 30 歳前半の若年者では横筋筋膜の脆弱に起因する鼠径ヘルニアは少ないと考えられ、人工補強剤を用い
て腹壁補強を行うことには疑問が残る。嵩原らが開発した腹腔鏡下経皮的腹膜外閉鎖法(LPEC 法)は整容性に優れ、対側内鼠
径輪の観察が可能という利点を有する。我々は 2009 年 8 月に小児鼠径ヘルニアに対して単孔式腹腔鏡下経皮的腹膜外閉鎖法
(SILPEC 法)を導入、その後、若年成人女性にも適応を拡大した。若年成人女性に対する本法の成績を報告する。
【手術手技】約 1.5cm の臍下部単一創から semiopen method でアクセスニードルを挿入して気腹を行い、5mm フレキシブルス
コープと 2mm 鉗子を挿入して手術をおこなう。内鼠径輪の縫縮手技は LPEC 法に準じ、非吸収糸と LPEC 針を用いて行った。
【結果】本法への同意を得た 4 例(19-36 歳)の成人女性外鼠径ヘルニアに対して SILPEC 法を施行。片側手術時間 10 ∼ 20 分で、
合併症はなく、いずれも手術翌日に退院した。術後 19-7 か月が経過して再発は認めていない。本法による腹膜外剥離範囲は狭
く、もし再発しても再手術の妨げにはならないと考える。
【結語】長期成績の検討は必要であるが、SILPEC 法は若年成人女性外鼠径ヘルニアの第一選択になり得ると考える。
52.腹腔鏡下手術を行なった尿膜管遺残膿瘍の 1 例
54.単孔式にも応用可能なトレーニングボックスの作成方法
王子総合病院 外科
市立函館病院 婦人科
狭間 一明 , 岩井 和浩 , 浅野 賢道 , 飯村 泰昭 , 佐藤 暢人 , 京極 典憲
根岸 秀明 , 西岡 嘉宏 , 山下 剛
尿膜管遺残膿瘍については、炎症の再発が高頻度で観察されることから、外科的切除が望ましいとされており、近年は腹腔鏡
一般に腹腔鏡下手術は、低侵襲性や整容性、すみやかな術後回復等の利点から近年急速に普及している。またそれに伴う関連
下切除の報告も散見される。われわれの経験例を報告し、若干の文献的考察を加える。
【症例】29 歳 , 男性 . 臍部の痛みを主訴に近医受診、約 2 週の保存的加療にても軽快せず紹介受診となった。受診時現症では臍部
器機の進歩もめざましいものがあり、そのため腹腔鏡下での手術手技を習得するためには、器機を十分に使いこなすことが求
められている。
に発赤と淡黄色膿性浸出液の排出があり、腹部超音波では皮下膿瘍を伴う臍炎ないし尿膜管残膿瘍を疑った。臍下部に切開処
腹腔鏡下手術ではほとんどの鉗子操作をビデオモニター下の視野で行うため、開腹手術での立体的な視野から平面的な視野に
置を行い、抗生剤の点滴投与を継続することで消炎傾向となり、自発痛は低下した。腹部 CT によって尿膜管遺残とそれに連続
なり奥行きの感覚が消失するために鉗子の操作が困難になる。さらに hand-eye coordination の喪失により鉗子操作の精度も低
する尿膜管遺残膿瘍と確定診断し、尿膜管切除術を行った。手術は仰臥位、左下腹部の 3 ポート法で開始した。腹腔鏡による観
下する。従って円滑な手術を行い、合併症のリスクを可能な限り減らすためには、実際の手術施行に先立ち、安全かつ確実な手
察では下腹部正中に膀胱に伸びる索状物が観察され、大網の癒着が観察された。臍部近傍では膿瘍形成を疑わせる膨大部を認
技をトレーニングにより会得する必要があり、腹腔鏡下での鉗子操作をマスターすることが必要不可欠なものとなる。
めた。超音波凝固切開装置を使用して尿膜管を剥離し、膀胱側の断端処理にはエンドループを使用した。切除部の腹膜処理は
しかしながら腹腔鏡下手術に対する市販の専用トレーニングボックスは高価なものであり、また TANKO など現在行われてい
行なわなかったが術後の癒着防止のため、同部にセプラフィルムの細切片を留置した。術後合併症なく経過し、術翌日より経
る手術に対応しきれておらず、トレーニングという点において現状のものでは不満が残る。
口摂食開始、術後 4 病日で自宅退院となった。病理組織像では膿瘍形成を認めるのみで悪性像は観察されなかった。
このため 30cm 四方のアクリルボックスを使用し、ドリルにて約3 cm の穴を 4 カ所あけポート挿入部とした、トレーニング
尿膜管遺残では再発性の膿瘍や膿瘍破裂、反復する炎症による尿膜管癌の発生の危険性があり早期の摘出が望ましい。尿膜管
ボックスを自作した。この 4 カ所のポートをそれぞれ使うことにより腹腔鏡下手術での標準法である Conventional 法に加
遺残に対する腹腔鏡手術は低侵襲性や美容面での利点がある一方で経費の増大が推察され今後の検討を要すると思われた。
え、婦人科領域でも広まりつつある TANKO の両方の術式での練習が可能になった。今回我々は、Dual-Purpose Cubic Acrylic
Box(DUCA-BOX) の作成法および使用法について紹介する。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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55.当院における E・ Z アクセスを使用した単孔式腹腔鏡手術の現状
苫小牧市立病院 外科 , 内視鏡外科 *
高橋 周作 *, 小柳 要 , 花本 尊之 , 廣瀬 邦弘 , 佐治 裕
単孔式腹腔鏡手術は優れた整容性から近年施行する施設が増えているが、その難易度は患者の体型に非常に左右され、さら
に鉗子の相互干渉から独特の視野展開・組織緊張のかけ方が要求されるため、鏡視下手術経験の浅い術者にはやはりハードル
の高い手術と思われる。単孔式腹腔鏡手術のアプローチ法としては、マルチトロッカー法・マルチポートデバイスを使用した
方法があるが、気密性・簡便性・調節性に優れていることが重要である。
当科では 2009 年より主にマルチポートデバイスを使用した単孔式腹腔鏡手術を導入してきたが、近年装着の簡便性と体型
に左右されない鉗子操作性の維持を目的に E・Z アクセスも使用している。これは創部の小切開創に留置したラッププロテク
ターに装着させることで気密性を保つシリコーンゴム製の脱着可能な半透明性・円盤状デバイスである。利点として
1)比較的安価である。
2)小切開創の長さを体型などにあわせて調節できる。
3)同デバイスに直接トロッカーを刺入するので、デバイス上なら容易に任意の位置に 3 − 4 本のトロッカーを配置できるた
め鉗子間距離を調節できる。
4)半透明のディスクであるので、術中にも刺入したトロッカーと鉗子の位置関係が容易に視認できる。などが挙げられる
と思われる。
当科ではこれまでに胆嚢摘出術、大腸切除術、虫垂切除術などの約 30 例に施行し、当院に赴任した経験の浅い術者でも初期
から従来の腹腔鏡手術に近い感覚での手術が可能と思われる。本デバイスは、単孔式手術を特定の術者に限定されずに適応を
57.挙上空腸固定に巾着縫合を利用した、経口 Anvil(OrVil)による食道空腸吻合
術の工夫
北海道済生会小樽病院 外科 , 札幌医科大学第一 外科 *
木村 雅美 , 長谷川 格 , 檜垣 長斗 , 小川 宰司 , 大島 秀紀 *, 平田 公一 * 腹腔鏡下胃全摘術における Roux-en-Y 再建法の食道 - 空腸吻合法に関しては、種々のバリエーションが報告されているが、
当院では 2009 年より経口 Anvil(OrVil)を用いた器械吻合を選択している。
2009 年 7 月の Orvil 使用開始から 2011 年 3 月までに、10 例(63 才∼ 85 才、平均 74.2 才)に行った。胆摘後症例を除き、全例で
胆嚢摘出術を付加しており、手術時間は 288 分∼ 459 分(平均 353 分)であった。術後の吻合部狭窄および通過障害の経験は無
く、概ね術後 3 日で経腸栄養剤などを開始、7 日目から食事開始となっている。
OrVil を用いて DST を行う際、EEA を挿入した挙上空腸を血管テープで固定するのが一般的と思われる。当初、我々も血管
テープを用いてきたが、①吻合時に腸管の挟み込みが無いか目視が不能、② 25 サイズでは比較的問題が発生しないが、21 サイ
ズでは血管テープがスリップして固定が不十分となる、といった不都合が生じていた。また血管テープの固定がスリップする
ことを危惧するあまり、強く結紮しすぎると挙上腸管の血行障害を発症する可能性があり、注意を要する。
そこで従来、我々が開腹術で行ってきた手技に準じて、挙上空腸断端に巾着縫合を用いることで、この問題を解決した。EEA
本体を空腸断端より挿入した後、巾着縫合糸を蝶結びして腸管に固定する。腹腔内に誘導し、通常の通り DST を行うが、腸管
の挟み込みが無いように尾側腸管を展開して視認しつつ行う。Fire が終了し EEA の抜去する前に蝶結びを弛め、EEA が抜けた
ら糸を牽引し腸管を閉鎖する。そのまま糸で牽引した状態で、Linear staple を用い切離閉鎖することで、腹腔内の汚染のリスク
低減にも役立っていると思われる。最近の 3 例で行った実際の手技を供覧する。
広げていく意味でも知っておくべきデバイスのひとつと思われる。実際の映像なども供覧し利点・注意点など発表する。
56.簡便で確実なポートサイト閉鎖法の工夫
58.当院における腹腔鏡下胃全摘術の導入
旭川医科大学 外科学講座消化器病態外科学分野
JA 北海道厚生連帯広厚生病院 外科
大原 みずほ , 星 智和 , 長谷川 公治 , 小原 啓 , 古郡 茉里子 , 谷 誓良 , 岡山 大志 , 千里 直之 , 海老澤 良昭 , 河野 透 , 古川 博之
村川 力彦 , 鈴木 善法 , 猪子 和穂 , 山村 喜之 , 黒田 晶 , 鯉沼 潤吉 , 大竹 節之 , 大野 耕一 , 藤森 勝 , 関下 芳明
【はじめに】腹腔鏡下手術の適応拡大に伴い、症例数が増加する一方、腹腔鏡手術に特有の合併症も散見される。ポートサイト
消化器癌に対する腹腔鏡下手術の適応はどんどん広がっており、胃癌に対しても、幽門側胃切除術は多くの病院で適応と
ヘルニアは稀であるが、再手術を要する腹腔鏡特有の合併症として報告されている。ポートサイトは創が小さいため確実な閉
なっている。しかし、胃全摘術に関しては吻合に関する難易度の高さから導入が遅れているのが現状である。当院では 2010 年
鎖が困難であり、簡便な方法を考案した。
より腹腔鏡下胃全摘術を本格導入したので、その手技と成績を報告する。
【使用機材】18G サーフロー1本、2-0 バイクリル2本。
対象は 2010 年 4 月より腹腔鏡下胃全摘術を行った胃癌 15 例。男性 12 例、女性 3 例。術者は内視鏡外科学会技術認定医 2 名が
【閉鎖手技】1) ポートサイトの皮切を、ポートから両側に 1mm ずつ延長する。2) 延長した皮切部の皮下組織から 18G サーフロー
担当した。郭清は D1+ が 1 例、D2-#10 が 11 例、D2 が 3 例であった。脾摘は行っていない。食道空腸吻合はデルタ吻合が 1 例、
で穿刺し、腹壁を確実に貫いて腹腔内でポートサイトの 5 ∼ 10mm 外側に出す。3) サーフロー内筒を抜去し、外筒から 2-0 バイ
経口アンビル orvil を用いた端側吻合が 8 例、overlap 法が 6 例であった。手術時間は平均 5 時間 57 分 (4 時間 55 分∼ 7 時間 55 分)、
クリルを腹腔内へ送り込む。4) 他のポートより入れた鉗子でバイクリルを把持する。5) 閉鎖するポートから鉗子で腹腔内のバ
出血量は平均 87 gであった。術後在院日数は平均 15 日、中央値 9 日であった。合併症は十二指腸断端縫合不全が 1 例、自動縫
イクリルを把持、体外へ引き出し、サーフロー外筒を抜去する。6) 同様の手順で、ポートサイトの対側から穿刺し、2-0 バイク
合器断端からの術後出血を 1 例認めた。中期的には Petersen's defect による内ヘルニアを 1 例経験したが、腹腔鏡下に整復した。
リルを閉鎖するポートサイトから体外へ引き出す。7) ポートサイトから出た2本のバイクリルを結紮する。8) ポートサイトの
腹腔鏡下胃全摘術は手術時間が長い傾向にあったが、導入初期としては許容できるものと考えられた。
両脇のバイクリルを引くと、結紮点は腹腔内に入る。9) 腹腔内から観察をしながらポートを引き抜き、同時に皮下組織から出
ているバイクリルを結紮する。
【結果】10mm 以上のポートに対して上記の縫合を行っており、縫合結紮した後には気腹ガスの漏出なく、確実に縫合される。
閉鎖に必要とする時間は1分程である。
【まとめ】ポートサイトヘルニアを防止するにはポートサイトの確実な閉鎖が必要であり、特別な器具を要しない我々の方法は
簡便で有用な閉鎖法である。
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2011 The 17th meeting of Hokkaido Endoscopic Surgery.
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59.当科での胃 GIST に対する腹腔鏡下手術の試み−更なる適応拡大と低侵襲性を
目指して−
61. LADG 術後 11 日目に発症した Petersen's mesenteric defect への内ヘルニ
アによる絞扼性イレウスの一例
北海道大学 消化器外科・一般外科学
市立札幌病院 外科
下國 達志 , 本間 重紀 , 崎浜 秀康 , 高橋 典彦 , 片岡 昭彦 , 神山 俊哉
大島 隆宏 , 深作 慶友 , 奥田 耕司 , 三澤 一仁 , 上坂 貴洋 , 西澤 竜矢 , 菊池 一公 , 武田 圭佐 , 大川 由美 , 佐野 秀一
【背景】胃 GIST に対する外科治療は、偽被膜を損傷することなく切除断端を確保する局所切除が第一選択であり、腹腔鏡下手
術の良い適応である。近年の腹腔鏡手術器具の発達、術中胃内視鏡でのサポート等により、ガイドライン上推奨されていない
5cm 超の病変に対する安全確実な腹腔鏡下手術、更にはより低侵襲で整容性の高い単孔式腹腔鏡下手術が施行可能となってき
ている。当科で経験した 2 症例を報告する。
【症例 1】50 代男性。
(術前診断)穹隆部大弯、径 7cm の管外発育型 GIST。
(手術所見・手技)5 ポートで手術開始。大網を切離し、
網嚢腔を開放。短胃動静脈下部を切離。体上部から穹隆部大弯後壁にかけて胃壁外に突出する腫瘍で、腫瘍頭側への展開は困
難であった。食道前壁から左壁を露出し脾上極に到達、短胃動静脈上部は頭側から切離。腫瘍が完全に腹側へ持ち上がること
を確認し、自動縫合器で胃壁を挟み胃内視鏡検査を同時に施行。胃内視鏡で内部を確認しながら 4 回に分け胃切離を施行。
(術
後経過)第 4 病日に経口摂取を開始し第 10 病日に退院。
【症例 2】60 代女性。
(術前診断)体上部小弯、径 3cm の管外発育型 GIST。
(手術所見・手技)臍に単孔式用ポートを挿入。左上腹
部からループリトラクターを食道裂孔まで挿入し、肝外側区を挙上。小網を切開し腫瘍周囲の血管を切離。腫瘍根部にループ
リトラクターかけ腹側へ挙上し、自動縫合器を用いて胃部分切除を施行。
(術後経過)硬膜外麻酔、NSAIDs 等の鎮痛薬は一切
必要としなかった。翌日から経口摂取を開始し第 8 病日に退院。
【まとめ】長期成績に関しては今後経過観察を要するが、胃 GIST において、5cm 超病変に対する腹腔鏡下手術、また単孔式腹腔
鏡下手術は、適応を十分に検討することで安全に施行することが可能であり、
今後積極的に進めていくべき手技と考えられる。
R-Y 再建術で挙上空腸間膜と横行結腸間膜との間を Petersen's mesenteric defect ( 以下、Petersen's defect) と呼ぶこともあるが、
今回、術後 11 日目に発症した Petersen's defect への内ヘルニアにより絞扼性イレウスを発症した一例を経験したので、文献的
考察とともに報告する。
症例は 57 歳男性。胃体部後壁の早期胃癌と胆石症に対して、腹腔鏡下に幽門側胃切除・結腸前 R-Y 再建術と胆摘術を施行し
た。術直後の経過は極めて良好であった。10POD 朝に上腹部痛があったがすぐに軽快しその後も食事摂取できていた。11POD
深夜に突然の上腹部および背部痛が出現。上腹部に強い圧痛と軽度の反跳痛と認めた。CT にて、whirl sign と腸間膜脂肪織の
濃度上昇、SMV 途絶と末梢側のうっ滞の所見を認めた。内ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断し、緊急開腹手術となった。
発症から執刀までの時間は 3 時間 10 分であった。
手術所見では、Petersen's defect を右側から左側に向かって、Y脚以下の上部空腸が入り込んでいた ( 写真 )。嵌頓腸管は、さ
らに、SMA&V pedicle 前面を左側から右側に回り込んでおり、SMA&V pedicle は、末梢側に向かって時計回りに 360°捻れてい
た。嵌頓腸管の色調は、はじめ暗赤色であったが、整復後は改善したため、腸切除を回避できた。
60.腹腔鏡・内視鏡合同手術 (LECS) を施行した十二指腸 GIST の 1 例
札幌医科大学 第 1 外科
原田 敬介 , 信岡 隆幸 , 斎藤 慶太 , 橋本 亜紀 , 三浦 亮 , 木村 康利 , 水口 徹 , 古畑 智久 , 平田 公一
【はじめに】近年、胃内発育型の胃粘膜下腫瘍に対する新しい術式として腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除 (LECS) の報告が散見
される。腹腔鏡単独での手術と比較して、過剰な胃粘膜の切除や術後の変形を回避可能であることや、胃食道移行部や幽門輪
近傍の腫瘍に対しても施行可能であることなどの利点を有している。今回、内腔発育型の十二指腸 GIST に対して LECS を施行
した 1 例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
【症例】症例は 50 歳の男性、某年吐下血を主訴に近医受診。内視鏡検査にて十二指腸上十二指腸角に位置する 2cm 大の粘膜下
腫瘍と腫瘍からの出血を認めた。更なる加療目的に当院紹介入院となった。当院での内視鏡検査時に腫瘍に対する生検にて、
紡錘形細胞が索状増殖する病変を認め、免疫染色で c-kit(+)、CD34(p+)、S-100(-)、α -SMA(p+) を呈し十二指腸 GIST の診断と
なった。出血コントロールを確認後、LECS を施行した。内視鏡にて約 1/2 周の全層切開を行った後、腹腔鏡下に腫瘍を確認、腹
腔内に反転させマーキングに沿って腫瘍を切除した。術後経過は良好で第 2 病日に胃管抜去、飲水開始。第 3 病日上部消化管造
影を行い、縫合不全、狭窄のないことを確認後、食事を開始。第 9 病日合併症の発症なく退院となった。
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62.完全腹腔鏡下に切除した十二指腸 GIST の 1 例
64.胃全摘後の S 状結腸海綿状びまん性血管腫に対し腹腔鏡下に切除再建した一例
北海道大学 腫瘍外科
函館厚生院函館中央病院 外科
寺村 紘一 , 七戸 俊明 , 竹本 法弘 , 早馬 聡 , 鈴木 善法 , 野路 武寛 , 松永 明宏 , 加藤 健太郎 , 松本 譲 , 土川 貴裕 , 田中 栄一 , 平野 聡
三井 潤 , 児嶋 哲文 , 平口 悦郎 , 橋田 秀明 , 吉岡 達也 , 田中 公貴
【はじめに】十二指腸 GIST に対する手術はその局在により術式が多彩となるが、臓器機能の温存を目的として腹腔鏡手術
症例は 63 歳、男性。平成 20 年に胃癌・下部食道浸潤にて左開胸開腹下に胃全摘、脾摘、ρ Roux-en-Y 再建の既往がある。術後、
を適応とする例が増えてきている。今回われわれは、十二指腸 GIST に対し腹腔鏡下で安全に切除しえたのでその手術手技を
他院にて経過観察中だったが、平成 22 年 12 月、貧血の進行、便潜血強陽性を認め、当院内科紹介された。CT 上は以前より左側
供覧する。
結腸から直腸間膜にかけて low density area を多数認めており、lymphangiomatosis と診断されていた。上部消化管内視鏡検査上
【症例】43 歳、女性。健診の腹部超音波検査で腹腔内腫瘤を指摘され当院を受診した。CT で十二指腸下行脚前面に 27x15mm の
は特に異常を認めず、下部消化管内視鏡検査にて S 状結腸から直腸 Ra にかけて青色で軟らかい粘膜下腫瘍が多数存在し、微小
辺縁明瞭で内部濃度均一な充実性腫瘤を認めた。上部消化管内視鏡検査では異常所見を認めなかったが、超音波内視鏡検査で
出血を認めた。以上より S 状結腸海綿状びまん性血管腫が疑われ、出血コントロール目的に当科再紹介となった。手術は腹腔鏡
は十二指腸下行脚に、筋層と連続し壁外に発育する腫瘍を認めた。悪性を示唆する所見は認めず、低悪性度の十二指腸 GIST を
下に下行結腸から直腸 Ra にかけて切除した。前回手術の影響により、左横隔膜に横行結腸脾弯曲部が強固に癒着しており、胃
疑った。十二指腸下行脚の前壁に壁外性に発育する GIST の診断で腹腔鏡手術を適応とした。
全摘後の再建小腸のトラブルが予測されたため、下行結腸と直腸断端を直接吻合するのを断念した。回盲弁から約 20㎝の部位
【手術】臍部と左右上腹部にポートを配置し 5 ポートで開始した。腹腔内を観察すると腫瘍は十二指腸前面に存在し容易に視認
の小腸を約 35㎝間置した。現在のところ、経過は良好である。
できた。十二指腸を授動した後、腫瘍に加えて腫瘍基部の十二指腸を全層切除した。十二指腸壁の欠損は約 1/4 周となった。欠
損部の修復は、はじめにラプラタイを用いて粘膜層を連続縫合し、続けて漿膜筋層を体内結紮で結節縫合を行った。手術時間
は 3 時間 35 分、出血量は少量であった。術後 1 日目に水分、3 日目に食事を開始し、経過良好で 8 日目に退院となった。腫瘍の
病理組織学的所見は、25x20mm の紡錘形細胞の増殖を認める腫瘍で、免疫染色では KIT(+)、α -SMA(-)、desmin(-)、S-100(-)
であり、核分裂像を認めないことから低悪性度の GIST と診断した。
【結語】十二指腸 GIST に対する腹腔鏡下手術は、腫瘍の大きさと局在によっては安全に施行可能な術式と考えられた。
63.十二指腸 GIST に対し完全腹腔鏡下に切除、再建を施行した 1 例
65.右側結腸切除における回結腸動静脈牽引手技を応用し中結腸動脈周囲の郭清を
先行した腹腔鏡下脾弯曲部横行結腸切除の経験
北海道大学 腫瘍外科
楢崎 肇 , 七戸 俊明 , 岡村 国重 , 寺村 紘一 , 那須 裕也 , 渡邊 祐介 , 竹本 法弘 , 野路 武寛 , 早馬 聡 , 松永 明宏 , 金古 裕之 ,
鈴木 善法 , 加藤 健太郎 , 松本 譲 , 土川 貴裕 , 田中 栄一 , 平野 聡
【背景】GIST は消化管に発生する最も頻度の高い間質性腫瘍であるが、十二指腸原発 GIST はそのうち 3-5% と稀である。発生
部位により組織学的悪性度は若干異なるものの切除可能であれば切除が治療の第一選択であり、肉眼的 R0 手術が施行できれ
ば可能な限り臓器温存のできる術式を選択した方がよいとされている。近年、十二指腸 GIST に対する腹腔鏡手術や臓器温存の
ための十二指腸部分切除など、より低侵襲な手術の報告が増えてきている。
【目的】十二指腸 GIST に対し腹腔鏡下十二指腸部分切除、体腔内十二指腸空腸吻合を施行した症例の、実際の手術手技を紹介
する。
【材料と方法】症例は 45 歳男性。右前胸部に増大傾向のある腫瘤を自覚し近医を受診。精査加療目的に当科紹介。多発する皮
膚腫瘍、カフェオレ斑などから von Recklinghausen 病と診断された。また、CT で十二指腸 4th portion に 30mm 大の腫瘍を認め
た。右前胸部の腫瘍は針生検では間質系悪性腫瘍(sarcoma 疑い)と診断され腫瘍摘出術を施行した。また十二指腸腫瘍は内視
鏡下生検にて GIST と診断され、腹腔鏡下十二指腸部分切除、体腔内十二指腸空腸吻合術を施行した。吻合は、幽門側胃切除術
Billroth Ⅰ法再建における残胃と十二指腸のデルタ吻合(機能的端々吻合)に準じ、リニアステープラを用い完全鏡視下の手技
で行った。
【結果】手術時間 3 時間 34 分、出血量 25ml であった。術後経過は良好で、術後 1 日目より飲水開始し、術後 3 日目より食事を開始。
術後合併症を認めず、直腸ポリープに対し内視鏡下ポリペクトミーを施行した後、術後 10 日目に退院した。
【結論】十二指腸は後腹膜に固定された臓器であり小開腹をしても腹壁より上に持ち上げることは不可能である。部分切除後の
再建には体腔内吻合を施行することにより不必要な開腹を避けることができる。十二指腸 GIST に対するより低侵襲な手術と
して、腹腔鏡下十二指腸部分切除、体腔内十二指腸空腸吻合は優れた術式である。
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JA 北海道厚生連 旭川厚生病院 外科 , 地域医療科
工藤 岳秋 , 中野 詩朗 , 稲垣 光裕 , 赤羽 弘充 , 柳田 尚之 , 正村 裕紀 , 庄中 達也 , 折茂 達也 , 及川 太 , 相山 健 , 芝木 泰一郎
【はじめに】脾弯曲部の大腸癌に対する手術は通常左側結腸の内側アプローチから開始し脾弯曲部を脱転した後に中結腸動脈
の処理を行うという順序で行われることが多い。右側結腸切除の際の回結腸動静脈牽引手技を利用して中結腸動脈の分岐を確
認し血管処理を行い、内側アプローチは行わずに切除し得た脾弯曲部横行結腸癌の症例を供覧する。
【体位、ポート、モニタ】ヘッドギア、体側支持器、レビテーターを用いた大腿水平砕石位で頭低位・頭高位のいずれにも対応
できるよう準備。ポートは臍部、右上腹部、左下腹部に 12mm、右下腹部・左上腹部に 5mm の計 5 本で開始。脾弯曲部の授動時
は心窩部に 5mm ポートを追加した。モニタは患者頭側の左右に配置。
【手順】①術者は患者左側、助手は右側に立ちスコープは左下腹部ポートから挿入。頭低位、左下ローテーション下に、助手に
回結腸動静脈の bundle を牽引させ Surgical trunk の走行を確認。中結腸動脈分岐部の腹膜を切開して #223、222-lt を郭清し左枝
を切離。②術者は患者右側に、助手は脚間に移動し右下ローテーションとし、スコープは右上腹部から挿入。中結腸動脈左枝断
端から十二指腸空腸脚までの横行結腸間膜を切開して膵前面を透見し、ガーゼを留置した。③頭高位として網嚢を中央から左
側に向かって開放した後、脾結腸靱帯と左横隔結腸靱帯を切離し横行結腸間膜を頭側から膵下縁まで剥離した。ガーゼが膵下
縁の指標となった。④左腎前筋膜を露出した後、下行結腸外側の剥離を行い脾弯曲部の脱転が完了。⑤結腸の可動性を確認し、
心窩部ポートを左側に延長した肋弓下切開で小開腹し、腹腔外で切除して三角吻合で再建した。
【考察】中結腸動脈左枝の処理は患者右側からでも可能と思われるが、脾弯曲部の腫瘍は症例が少なく不慣れな視野となるた
め、当初は結腸右半切除術に準じて左側に立つ方が容易と思われる。腫瘍が脾弯曲部の頂点や下行結腸に局在する場合は左結
腸動脈処理・内側アプローチを先行する必要がある。
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66.3トロッカーソロサージェリーによる S 状結腸切除
68.腹腔鏡下内肛門括約筋切徐( ISR) 症例の検討
KKR 斗南病院 外科
北海道消化器科病院 外科
佐々木 剛志 , 北城 秀司 , サシーム パウデル , 才川 大介 , 小野田 貴信 , 海老原 裕磨 , 川田 将也 , 川原田 陽 , 大久保 哲之 ,
奥芝 俊一 , 加藤 紘之
森田 高行 , 藤田 美芳 , 岡村 圭祐 , 市村 龍之助 , 福島 正之 , 中山 智英 , 阿部 紘丈
当院では 2004 年の腹腔鏡下結腸切除導入時より、3 トロッカーソロサージェリー法による結腸切除術を施行してきた。導入
後 6 年以上が経過し昨年まとめた手術成績でも、結腸直腸切除症例で 5 年生存率が stage II で 90%、stage III で 70% であり根治
性に対する問題も払拭された。体位変換、臓器重力、膜や脈管の緊張を利用した視野展開やカウンタートラクション不足を補
うエネルギーデバイス使用や鈍的剥離を特徴とし、助手に頼らないスピーディーな手術進行が利点であると考えている。
また本研究会でも話題の中心となっている単孔式大腸手術導入の際にもソロサージェリーによる経験の蓄積が非常に有益で
あった。
今回我々はソロサージェリーで定型化が得られている腹腔鏡下右半切除、左半切除、S 状結腸切除、高位前方切除のうち、S
状結腸切除の手術ビデオを供覧し、単孔式手術との類似性についても紹介したい。
【はじめに】下部直腸から肛門管にかかる悪性腫瘍に対し、内肛門括約筋切徐(ISR)にて肛門温存が可能となってきた。われわ
れは 20 例の ISR を経験し、そのうち 9 例に対し、腹腔鏡下 ISR を施行した。その手技の変遷を紹介し、治療成績を検討した。
【適応】腹腔鏡下 ISR の適応は深達度 MP までで、N0 症例とした。[ 手術手技 ] ポートは原則的に 5 ポートで行い、骨盤底の視野
展開不良の場合には恥骨上に 5mm ポートを追加した。結腸 J パウチ再建を行う場合は小開腹創をおき、ストレート再建の場合
は完全鏡視下手術とした。小開腹創の部位は当初は恥骨上としていたが、現在は臍部創を用いている。全例に一時的回腸スト
マを作成した。ストマ閉鎖の際は、皮膚は purse − string closure とし、創痕が残らないようにしている。
【成績】男性 3 例、女性 6 例。年齢は 48 − 73 歳。Partial ISR 5 例、subtotal ISR 1 例、total ISR 3 例。手術時間 340 分− 490 分。出血
量はいずれも少量。これまでに 8 例にストマ閉鎖を行い、3 ヵ月後 6 例、6 ヵ月後 2 例であった。術後合併症として完全腸管脱を
1 例に認め、直腸固定術を行った。再発は 1 例に局所再発を認め、直腸切断術を施行した。肛門機能は全例で良好に維持されて
いる。
【まとめ】腹腔鏡下 ISR は、適応は限定されるが、骨盤底操作は良好な視野の元で精細な操作が可能であり、この手術を安全に
施行する上で重要なオプションであると考えられた。
67.早期大腸癌に対する単孔式腹腔鏡下結腸切除術の経験
札幌医科大学 第一外科
古畑 智久 , 沖田 憲司 , 西舘 敏彦 , 山口 洋志 , 伊東竜哉 , 平田 公一
【目的】早期大腸癌に対して、より整容性に優れるといわれる単孔式腹腔鏡下結腸切除術を経験したので報告する。
【対象】2009 年 10 月から 2011 年 3 月に単孔式腹腔鏡下結腸切除術を施行した 14 例。その適応は、占居部位 C、A、S の Stage0、1
としている。
【方法】ポートを臍部とその上下約 1cm の部位に挿入した。カメラ用ポートは径 12mm、長さ 150mm、操作用ポートは径 5mm、
長さ 75mm の製品を使用した。腸管の授動は、内側アプローチで行い、リンパ節郭清は D2 とした。腸管の授動と血管処理を腹
腔鏡下に行った後に、臍部の 3 つのポート挿入部を連続させ、約 35mm の開腹創とした。この開腹創から授動された腸管を体
外に誘導し、腸管の切除・吻合を行った。
【結果】平均手術時間は 176 分、平均出血量は 28.8ml であった。縫合不全、創感染など合併症を認めなかった。14 例中 1 例は、腹
腔鏡下操作が困難であり、通常の 4 ポート手術へとコンバートして行った。単孔式手術では、カメラ用ポートと操作用ポート
が干渉しあうことが懸念されるが、75mm と 150mm のポートを使用することによって、干渉を最小限に抑えることができた。
また、操作用ポートを挿入する際は、腹壁を斜めに貫き、鉗子間距離をできるだけ長くとれるように留意し、通常の手術で用い
ているストレート型の鉗子のみで手術操作を行っている。
【結語】単孔式腹腔鏡下結腸切除術は、症例を選択することにより早期大腸癌の適応となるものと考えられる。
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ご協賛いただいた団体・企業一覧 (五十音順)
NOTE
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コヴィディエンジャパン株式会社
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アストラゼネカ株式会社
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ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
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函病一族会
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ヤンセンファーマ株式会社
函館市医師会
函館市外科会
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ガデリウス株式会社
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広告掲載
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株式会社エスアールエル
株式会社エスイーシー
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コヴィディエンジャパン株式会社
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ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
日本ストライカー株式会社
メドライン・インターナショナル・ジャパン株式会社
株式会社八光
ビー・ブラウンエースクラップ株式会社
株式会社プロシード
小野薬品工業株式会社
オリンパスメディカルシステムズ株式会社
物品提供
科研製薬株式会社
協和醗酵キリン株式会社
コヴィディエンジャパン株式会社
第 17 回北海道内視鏡外科研究会 プログラム・抄録
2011 年 5 月 30 日発行
編集・発行
倉内宣明 第 17 回北海道内視鏡外科研究会当番世話人
〒 041- 8680 北海道函館市港町 1-10 -1 市立函館病院消化器病センター消化器外科
TEL 0138 - 43 -2000
FAX 0138 - 43 - 4426
装丁 サクセンカイギ社
〒 041- 0054 北海道函館市元町 21-10
URL: http://sakusenkaigi.jp
印刷
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〒 040 - 0061 北海道函館市海岸町 8 番 11 号
函館山ロープウェイ
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