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関節リウマチの新規マーカー

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関節リウマチの新規マーカー
関節リウマチの新規マーカー
氏名 河野 誠司・中町 祐司
所属 医学部附属病院 検査部
1.研究の概要とキーワード
関節リウマチの新規マーカーを提供する。本発明の関節リウマチマーカーは、関節リウ
マチ特異的に発現の増減が認められるマイクロRNA(miRNA)です。関節リウマチ滑膜細
胞に特異的に減少しているmiRNAは発現量が減少することにより関節リウマチの滑膜細胞
の増殖や炎症を増強し、関節リウマチの病態を促進しています。
2.他の研究との相違点・新規な点
関節リウマチは、多発性関節痛を主症状とする、原因が特定されていない炎症性疾患で
す。関節リウマチでは滑膜への炎症性細胞の浸潤、滑膜細胞の増殖、重層化と血管新生を
伴い、病態が進行していきます。特に、滑膜細胞の異常増殖や活性化は、リウマチの主病
変です。しかしながら、滑膜細胞のこのような機能過剰の原因は未だ十分解明されておら
ず、滑膜細胞の異常増殖を抑制することが関節リウマチの治療において極めて重要です。
miRNAは近年発見された新たな分子でありこのような関節リウマチへの病態に関与してい
ると考えられていますが、関節リウマチの治療・診断への応用は他にはまだ見られず先駆
的です。
3.内容
図1 miRNAの生合成
図3 本発明miRNAは炎症性関
連蛋白の発現を抑制します
図2 本発明miRNAは関節リウマチ滑膜細胞
の増殖を抑制します
図4 本発明miRNAはラット関節炎モデルで関節炎
を抑制します
4.研究の適用分野
関節リウマチの新たな治療や診断
氏名
所属
河野 誠司
医学部附属病院 検査部
◇研究歴
1989-1993
1996-2000
2000-2003
2003-
神戸大学大学院にて未分化白血病の遺伝子再構成
ならびに遺伝再構成関連遺伝子RAGの発現の研究。
カリフルニア大学ロサンゼルス校にてがん抑制遺伝子
p73や骨髄系転写因子C/EBPaならびにeの白血病・
MDSにおける変異について研究。
神戸大学臨床検査・免疫学講座にて酸化ストレスと
自己免疫疾患との関連について研究。
神戸大学病院検査部にて、引きつづき酸化ストレスと自己免疫疾患との関連
について研究するとともに、免疫トレランス誘導受容体PD-1の自己免疫性疾患
への関与について研究。さらに、関節リウマチ特異マイクロRNAの単離と病態
解析・治療応用に関する研究を開始し、現在に至る。
◇専門分野
臨床免疫学、臨床検査医学、血液診断学
◇代表的な研究論文
・ Kasagi S, Kawano S, Okazaki T, Honjo T, Morinobu A, Hatachi S, Shimatani K, Tanaka Y, Minato
N, and Kumagai S. Anti-PD-1 antibody reduces CD4+PD-1+ T cells and relieves the lupus-like
nephritis of NZB/W F1 mice1. J Immunol. 2010; 184(5):2337-47.
・ Nakamachi Y, Kawano S, Takenokuchi M, Nishimura K, Sakai Y, Chin T, Saura R, Kurosaka M,
and Kumagai S. miR-124a is a key regulator of proliferation and MCP1 secretion in fibroblast like
synoviocytes from patients with rheumatoid arthritis. Arthritis & Rheumatism. 2009;60(5):1294304.
・ Nobuhara Y, Kawano S, Kageyama G, Sugiyama D, Saegusa J, and Kumagai S. Is SS-A/Ro52 a
hydrogen peroxide-sensitive signaling molecule? Antioxidants & Redox Signaling. 2007;9: 385-91.
・ Saegusa J, Kawano S, Koshiba M, Hayashi N, Kosaka H, Funasaka Y, and Kumagai S. Oxidative
stress mediates cell surface expression of SS-A/Ro antigen on keratinocytes. Free Rad Biol Med.
2002;32: 1006-16.
・ Kawano S, Gombart AF, Hoffmann W,Takeuchi S, Krug U, Kwok SH, Larsen J, Asou H, Miller CW,
Hoelzer D, and Koeffler HP. Mutations in the gene encoding the transcription factor C/EBPa in
myelodysplastic syndromes and acute myeloid leukemias. Blood 2002;99: 1332-40.
・ Kubota T, Kawano S, Chih DY, Hisatake Y, Chumakov AM, Taguchi H, and Koeffler HP.
Representational difference analysis using myeloid cells from C/EBP epsilon deletional mice.
Blood. 2000;96: 3953-7.
・ Kawano S, Miller CW, Gombart AF, Bartram CR, Matsuo Y, Asou H, Sakashita A, Said J, Tatsumi
E, and Koeffler HP. Loss of p73 gene expression in leukemias/lymphomas due to
hypermethylation. Blood. 1999;94: 1113-20.
・ Yoneda N, Tatsumi E, Kawano S, Matsuo Y, Minowada J, and Yamaguchi N. Human
recombination activating gene-1 in leukemia/lymphoma cells: expression depends on stage of
lymphoid differentiation defined by phenotype and genotype. Blood. 1993;82: 207-16.
◇発明名称と特許出願番号
・関節リウマチ関連マイクロRNA
河野誠司、中町祐司
(特願2008-174072、PCT/JP2009/053157) JSTより国際特許出願。
◇興味のある共同研究分野
マイクロRNAの自己免疫疾患への診断や治療への応用を目指しています。この分野へ
の意欲や興味のある企業との共同研究を期待しています。
連絡先:神戸大学 連携創造本部 TEL:078-803-5945 FAX:078-803-5947
E-mail:[email protected] URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/
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