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散 歩 道

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散 歩 道
散
歩
道
Column
28
衆が帰ろうとしたそのときに、マホメッ
情報技術という新しい技術によって、こ
トは「諸君!私は山に向かって3度呼び
れまでの常識が覆されつつある今日。あ
かけた。だが、山は動かない。この上は
ちらこちらで、奇跡を起こす絶好のチャ
私が山に向かって歩くよりほかない。
」
ンスということでもあろう。
そういってマホメットは山に向かってす
ところが、だ。あれもよし、これもよ
たすたと歩きはじめたという。―これが
しという多神教であるがゆえに、主体性
奇跡です、と氏はいう。仏教学者である
という一つの軸を保つことが得てして苦
抹香臭くなくリズム感が伴うひろさちや
氏は、これを材料に相対世界の「隻手の
手というオマケも背負ってしまうのが日
の本はわりあい好きだ。今でも印象強く
音声」を説くのだが、これを材料に私は
本人。自らの主体性を、常識を生み出す
残っているのが、マホメットの奇跡とい
奇跡と常識に思いを巡らす。
集団に委ねてしまいがち。本来、多神教
仏教信者というわけでもないけれど、
う逸話。
山と自分の距離に焦点を当てて眺めれ
は柔軟な思考を強みに持つのに、それで
マホメットといえば、イスラム教の開
ば、山が動こうが自分が動こうが結果は
はせっかく多くの奇跡を生み出すチャン
祖のこと。そのマホメットがあるとき民
同じ。けれども、
「近くに移す」と聞い
スを生かすことも難しい。
衆にむかって某月某日、自分は奇跡を起
たとき、凡夫には山に足でも生えて近づ
そうした迷える日本人に、氏は「狂い
こす。
「遠くにある山を近くに移す」と
いてくるのではないか、という思いこみ
のすすめ」という書を世に送ってよこし
いったのだそうだ。当日、奇跡を見よう
が生まれてしまう。その思いこみは単な
た。狂うとは、すなわち常識から一歩離
と集まった多くの民衆の前で、マホメッ
る手段の一つにすぎないのだが、思いこ
れることをいう。一歩離れて観る癖が、
トは山に向かって「おーい山よ、こちら
みに足を取られてしまうと結果に至れな
自ずと主体性を培うというわけだ。ドキ
にこい」と呼びかける。山は動かない。
くなってしまう。常識とはそんなものだ
ドキするほど手厳しいが、それをサラッ
また一度呼びかける。それでも山は動か
ろう。してみると、奇跡とは、視点をず
といいのけてくれる文体が小気味よく感
ない。また呼びかける。でも山はいっこ
らして物事をながめることで生じてくる
じる。
うに動こうとしない。期待のはずれた民
ような気がする。であるとするならば、
(玄)
●公有水面埋立免許認可実績(平成19年4月1日∼平成19年6月30日)
港 名
地区名
出願人
面積(m2)
敦賀港
若狭湾沿岸敦賀港海岸鞠山・赤崎地区海岸赤崎
福井県
34,906.55
用 途
護岸用地、緑地用地
●発刊案内
平成19年度改訂版(8月末発行予定)
「港湾関係補助金等交付規則実施要領」
申
込
方
法
発行/社団法人日本港湾協会
●定価 会 員 4,500円(消費税5%込)
非会員 4,500円(消費税5%込)
不明な点につきましては下記にご連絡下さい。
●お問い合わせ先
社団法人 日本港湾協会
〒107-0052
東京都港区赤坂3丁目3番5号 国際山王ビル8階
TEL:03-5549-9575
FAX :03-5549-9576
●書籍の予約は、当協会のホームページより
お願い致します。
ホームページアドレス
http://www.phaj.or.jp/
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52 「港湾」2007・8
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