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南スーダン平和構築支援 の現状と課題
2015/10/26 南スーダン平和構築支援 の現状と課題 駐南スーダン大使 紀谷昌彦 平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業 募集説明会&シンポジウム 2015年10月16日 於:国連大学エリザベスローズホール はじめに • なぜ,今,南スーダンなのか? • 南スーダンで,何が起きているのか? • 南スーダンで,日本は何をしているのか? • 私たちは,これから何をすべきか? 1 2015/10/26 なぜ,今,南スーダンなのか? 長年の内戦を経て,2005年に南北包括和平合意, 2011年に南スーダン独立 ⇒アフリカの平和実現に大きな影響を与える, 世界で最も新しい国 しかし,2013年末の政治危機で治安悪化, 2015年8月に至り合意署名,実施も難航 ⇒シリアに次ぐ規模の人道危機が継続・拡大, 国際社会の大きな課題に JICA,NGO,国際機関経由の支援に加え, 国連PKOに自衛隊を派遣 ⇒国際社会の平和に日本が貢献するモデルケースに (南スーダンという国) 人口:1191万人 面積:64.4万平方キロ (日本の1.7倍) 一人当り国民所得:940ドル 民族:ディンカ人,ヌエル人, シルク人他 言語:英語(公用語),アラビア語, その他多数 識字率:27% 宗教:キリスト教,伝統宗教 主要産業:原油,農業,畜産業 2 2015/10/26 南スーダンで,何が起きているのか? 政治・治安状況:合意の実施が正念場 IGADプラス調停による合意文書署名(8月17日・26日) 反政府は停戦・治安維持枠組に署名せず,政府は28州創設を表明する中で, 実施日程は遅延,各地で散発的な衝突が継続 国連では,南スーダンに関するハイレベル会合(9月29日), 国連PKO(UNMISS)のマンデートを変更・更新する安保理決議採択(10月9日) 当面の課題は,首都ジュバでの合意実施(特に停戦・治安維持)枠組の立ち上げ 人道・経済状況:困難が継続,政府の対応と国際社会の支援が鍵 合意文書署名後も,人道状況は改善なし(国内避難民165万人,難民63万人 (2013年12月以降),食糧不足460万人) ⇒今後,合意実施に向けて,国内避難民・難民の帰還など更なるニーズが発生 産油量減少,国際原油価格下落⇒外貨準備枯渇,財政悪化, 公定・実勢為替レート乖離が5倍以上に拡大 ⇒経済危機の懸念が増大,政府による経済改革の実施が課題 南スーダンで,日本は何をしているのか? 国連PKO(UNMISS)への自衛隊施設隊・ 司令部要員派遣(約350名) ⇒PKO基盤拡充や南スーダン道路整備などの貢献 と高い士気 JICAによる支援 ⇒インフラ,農業,基礎生活・生計向上,ガバナンス を中心に大きな成果 国連・国際機関と連携した支援(邦人職員18名) ⇒各機関の専門性を活用した目に見える支援 日本のNGOによる支援 ⇒現地NGOとの連携による能力構築,持続性向上 現地ODA-PKOタスクフォースによる連携の確保 ⇒案件形成,内外広報,安全対策 3 2015/10/26 (ODA-PKO連携の例) 河川港防護柵供与式(2015年5月) WFP事務所前道路整備(2015年10月) 私たちは,これから何をすべきか? 国際社会の取組の中で,日本の強みを活かした貢献を推進 インフラ,人材育成,人道から開発への移行,更に・・・ 国連PKOにおける施設活動・能力構築支援,更に・・・ 日本ならではの知見の蓄積と人材の育成 国民の平和への思いと,支援の前線との結びつき 自衛隊の活動と貢献に対する理解と支持 バイ支援とマルチ支援の双方の活用と連携 NGO・市民社会の参画を通じた裾野の拡大 ⇒南スーダンは,日本の平和外交の一つのフロンティア,自らを写す鏡 4 2015/10/26 関心のある人のために • 在南スーダン日本国大使館:ウェブサイト・facebook • JICA南スーダン事務所:ウェブサイト・facebook • UNMISS日本派遣施設隊:facebook • UNMISS:ウェブサイト・facebook • Office of the IGAD Special Envoys for South Sudan:ウェブサイト • 報道:Radio Miraya News,Sudan Tribuneなど 当方連絡先: [email protected] 5