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企 業 家 業 生 業
企 業 ②事業収益 コスト削減 燃料コスト 平成16年4月から原油価格が世界的に高騰しました。国内軽油価格は20年8月にピークとなる 143円/㍑(インタンク価格)を記録しました。その後、原油価格の急激な低下を受けて、一時 は軽油価格も値下がりしましたが、価格が安定していた15年度(平均64円/㍑)と比べれば、高 家 業 値の状況にあります。 燃料油脂費は営業費用の18%を占める大きな費用です*1。軽油コストの抑制が利益確保の重要 なポイントであることに変わりはありません。 生 業 ◆ 軽油の調達価格を下げる 軽油販売店(SS)によって価格は異なります。このため、できるだけ価格の安いSSを利用する、 SSは1カ所に集中させるなどが考えられる対策です。また保有している車両台数が多ければ、 インタンク(自家給油設備)を設けてローリー買いをすることも対策の1つです。 燃料価格高騰に対して、組合でスタンドを運営し石油販売会社からローリー買いすれば、 一般のスタンドで買うよりもリットル当たり5∼7円程度安く調達できる。組合の共同事業の 場合、近代化基金融資制度や高度化資金融資制度などを活用することで低利で資金を調達で きる。たとえば、S物流事業協同組合の場合、近代化基金融資(利率1.1%、返済期間10年) で1,800万円の資金を確保し、構想から完成までわずか半年で自家スタンド給油事業をオー プンさせている。 参考資料 全ト協「中小トラック運送事業者のための燃料共同購入のすすめ」、平成18年5月 ◆ 燃料消費量を抑える 消費量の削減は大きなコスト削減に結びつきます。このため、アイドリングストップ、急発進・ 急ブレーキの抑止などエコドライブの励行を徹底することがポイントです。最近では、デジタル式 運行記録計(デジタコ)等の I CT(P.23参照)機器によって、ドライバーの急発進・急ブレーキ などの運転特性が自動的に記録、指標化されるため、安全運転指導に役立てる事業者が多くなって います。 効率化・コスト管理の徹底は、全車両へのデジタコの導入から始まった。N商事では、デジ タコによって把握したデータをもとに、①ドライバーの適正な運行管理、②配送の効率化、③ 運行状況の把握による燃料消費・有料道路などの改善指導、④安全運行などの指導を行った。 データはドライバー教育の素材として活用する。デジタコによるデータ管理と日報・請求書作 成ソフトなどを付加することで社員の負担を軽減、運行原価の大幅低減に結びつけている。 参考資料 *1 全ト協「中小トラック運送事業者のための経営改善事例集」、平成17年3月 全ト協「経営分析報告書平成20年度決算版」、平成22年2月 13