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stataの学外からの使用法
学外からの Stata 利用法 青木 理音∗ 平成 17 年 10 月 27 日 計量経済学において使用される統計パッケージの Stata は ECC のアカウントを持っている限り1 学外(要す るに自宅)からも使用することができます。GUI(Graphical User Interface) も利用できますので大学で作業する のとほとんど変わりない環境を実現できます。ここではどうやって学外から ECC にアクセスし Stata を使えば いいのかを説明します。 1 Windows 大半の人が自宅で使用していると思われ、かつ設定が比較的難しい Windows 環境2 を中心に扱います。 1.1 Cygwin のインストール まず Windows 上で UNIX の様々なツールを動作させるライブラリと GNU の開発環境からなる Cygwin をイ ンストールします。ECC のサーバーに接続し作業するうえで Cygwin は必須ではありませんが GUI を使用する ために必要になります3 。ECC の Solaris サーバーに接続して Stata を起動しそのスクリーン出力を暗号化しつ つ自宅へと持ってくるため受け取る側にも UNIX 的な環境を作る必要があります。 まず、http://sourceware.org/cygwin/へ行き Install or Upgrade now を選択して Cygwin のインストーラ (setup.exe) をダウンロードします。インストーラは適当なディレクトリ(例えば C:\temp\4 などに入れてか ら実行してください(図 1 参照5 )。 ∗ 公共政策一年 [email protected] からアカウントをもらっていない場合にはアクセスすることができません。ECC の講習会に参加する必要があります。詳しくは ECC のウェブサイト(http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/doc/announce/newuser.html)を参照してください。 2 こちらで確認しているのは Windows 2000, XP のみですが必要なコンポーネントは Windows 95 以降で動作するのでおそらく問題は ないと思います。あとユーザー名が半角英数字でない場合には動作しないので新規に作成してください。 3 Windows 上で動作する X Window 環境であれば Cygwin である必要はありません。ただ Cygwin は他の用途にも使える上、無料な のでここでは Cygwin に絞って説明します(他の X Window System が使える人には説明は必要ないでしょう)。 4 バックスラッシュと円記号は同じ意味です。Cygwin ではバックスラッシュを使いますし円記号を L AT X 上で入力するするのは少し面 E 倒なのでバックスラッシュで統一します。 5 シェルを Windows 標準の explorer から blackbox クローンの bblean に変更しているため一見違う画面に見えますが Windows XP 上でのスクリーンキャプチャーです。 1 ECC 1 AOKI, Rion 図 1: Cygwin インストーラ インストーラは全てのデータを含んでいないためインストール中もインターネットに接続する必要があり ます。途中で質問が出てきますが Install from Internet, C:\cygwin6 ,All Users, Unix/binary, C:\temp, Direct Connection を選択していきます。ダウンロードをするサーバーの選択は日本のサーバーを選ぶのが無難です。最 後にインストールするパッケージを選ぶ必要がありますがここは要注意です。 Stata をグラフィカルに使うためには X11 という項目の Default というところをクリックして Install に変更 します7(図 2 参照)。インストールパッケージの選択にもよりますがかなり時間がかかりますのでしばらくお待 ちください8 。以上で Cygwin とその X Window System のインストールは終了です。 1.2 Putty のインストール 次に ECC のサーバーにログインするために Putty をインストールします。セキュリティ上の理由から SSH に よる暗号化9 を行わなければ外部から ECC にログインすることはできません。 まず、http://www.chiark.greenend.org.uk/%7Esgtatham/putty/download.html へ行き putty.exe をダウン ロードします。これを自分のマシンの C:\program files\putty といったディレクトリを作って収納します。つい でにあとで使うときのためにショートカットを作成してアクセスしやすい場所においておきましょう。インス トールが終了したら Putty を起動します(図 3 参照)。 6 インストール先は変更しないことをお勧めします。パスに空白や日本語が入るものは避けましょう。C:\ もやめておいたほうが無難です。 を使うなら Devel を入れたほうがいいですし C や Fortran を使うなら Mingw をいれましょう。TeX や Emacs のインストールも可能です。 8 自宅の回線が遅い場合には大学でやるのがお勧めです。 9 SSH2 のみの対応なので ttssh を利用できません。 7 他の項目をインストールしてもかまいません。Meadow 2 AOKI, Rion 図 2: パッケージ選択 図 3: Putty 3 AOKI, Rion 図 4: Stata Session-Host Name に sx101.ecc.u-tokyo.ac.jp10 、Connection-Data-Login Detail-Auto login に ECC のアカ ウント名11 、Connection-SSH-X11-X11 forwarding の Enable X11 forwarding にチェックをいれて X Display location に 127.0.0.1:0.0 を指定します。最後に Session に戻り Saved Sessions の欄に適当な名前をいれて Save ボタンを押し設定を保存します(別にしなくても毎回やればいいですが)。以上で Putty の設定は終了です。 1.3 ECC への接続と Stata の起動 準備が整ったので Stata の起動に移ります。まず ECC からスクリーン出力を受け取って Windows 上で表示 するため Cygwin-X を起動しておく必要があります。Cygwin Bash Shell から startx で起動できます。デフォル トのセッティングでは同時に xterm がひとつ立ち上がりますがこれを消すと Cygwin-X 自体が落ちるのでほっ ておいてください。Cygwin-X を起動したら Putty を起動します。Session で先ほど保存した設定をロードして Open を押し接続してください。RSA2 key fingerprint については yes を選択します。パスワードを聞かれるの で ECC のパスワードを入力してください。ECC のシステムにログインできたはずです。xstata &12 と入力すれ ば Stata がたちあがりそのスクリーン出力は Putty の Portforwarding 機能により暗号化され自分のマシンに送 られそれを Cygwin-X が Windows 上で表示してくれます。 以上で Stata の起動まで終了しましたが簡単に使用上の注意について述べます。Stata を自分のマシンで起動 したかのように見えますがあくまで大学のマシンで起動して画面だけが送信されている状態です。そのためデー 10 外部から利用できる Solaris サーバーは sx101 から sx104 までなのでどれを使っても同じです。 zz58077。 12 & はなくても問題ありません。ただコンソールのほうにコントロールが戻りませんので作業中ファイルの移動などが行えなくなります。 11 例えば 4 AOKI, Rion タファイルなどを開く場合にも大学のサーバー上のファイルしか開くことはできません。大学で作業している ファイルを使う場合には便利ですが自分で用意したデータを使う場合にはやはり SSH で暗号化されている sftp, scp などを利用して大学のアカウントに転送する必要があります。Windows 上で使えるソフトでは Winscp が有 名です13 。当然ながらグラフの出力などをレポートに埋め込みたい場合には eps ファイルなどを自分のマシンに 転送することになります。 2 Mac OS 次に Mac OS における Stata の利用方法を説明します14 。Mac からのアクセスでは特にインストールするもの はありません15 。Terminal を起動して、ユーザー名が zz58077 なら ssh -l zz58077 sx101.ecc.u-tokyo.ac.jp -2 -X と入力すると Portforward が有効になった状態でログインできます。ECC に入ったら xstata & で起動します。 ファイルの転送はターミナル上で sftp を手打ちで利用してもいいですし、大学の iMac にも入っている Fugu16 な どグラフィカルなツールを利用することもできます。 3 その他 当然ですが Linux などからもアクセスできます。X Window System と OpenSSH があれば方法は Mac OS の 場合と全く同じです17 。自分で Linux などを利用している方には説明の必要はないでしょう。Windows でうま く設定ができない場合に CD 一枚から起動できる Linux である Knoppix を利用することもできます。Knoppix の CD を雑誌付録のものを使うか自分で iso イメージをダウンロードして焼くなりして用意し18 それをドライブ にいれてマシンを再起動すれば Knoppix が立ち上がります。ターミナルから Mac OS 同様に作業を行うことが できます。データは ECC に残しておけば問題ないですしローカルで必要な場合には USB メモリを利用できま す。以上で学外から19 大学の Stata を利用する方法の説明を終了します。不明な点があれば直接どうぞ。 13 http://winscp.net/から入手できます。起動して接続先サーバー、アカウント名、パスワードを入力し sftp を選択して接続するだけで 通常の ftp ソフト同様の使用感です。 14 ここでの Mac OS は 10 以降に限定します。テスト環境は 10.3 及び 10.4 が入った Powerbook と Mac mini です。 15 もし X11 がインストールされていない場合にはシステムディスクから X11 をインストールしてください。 16 http://rsug.itd.umich.edu/software/fugu/で入手可能。 17 ファイル転送には gftp が便利です(KDE は知りません) 。 18 http://unit.aist.go.jp/itri/knoppix/を参照してください。 19 正確には学外限定ではなく自分のラップトップを大学にもってきてそこで Stata を使うというようなことも全く同じ手順で可能です。 5