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慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所寄附講座「ツーリズム論」
ツーリズム産業とリスクマネジメント
海外旅行に見る旅行会社のリスクマネジメント
ジェイアイ傷害火災保険株式会社
西山 恒夫
Copyright 2009 (c) JI Accident & Fire Insurance Co., Ltd. All Rights Reserved
危機管理からERMへ
●リスクマネジメントの潮流
・・・COSO ERMキューブ・・・
危機管理、リスク管理
・個別の事象への対応
リスクマネジメント
・認識、予防、対応、再評価
ERM(Enterprise Risk
Management
全社的リスクマネジメント)
・戦略目標を定め、組織全体の
リスクを認識して、相関をはかり
対応策を連携させ、その優先順
位を定めて配分を行う経営活動
●旅行業のリスクマネジメントの基本
●PDCAサイクル
・旅行の販売・実施により発生するかもしれな
いリスクを把握・評価し予防等の対策を講じる
・リスクの
再評価
・規定、
基準改定
・リスクが発生した場合には、お客様の安全を
第一義に、素早く適切に対応する
・企業の信用失墜を最小限に止め、事業継続
に資する
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Action
Plan
PDCAサイクル
はRMもERMも
同じ
・運用状況評価 Check
・洗出、評価
・基本方針、
基準策定
・体制整備
Do
・徹底
・訓練
・運用
2
海外旅行で起きた事件・事故
●楽しい旅先=日常と同じリスクが存在
●違うのは=疲れ、非日常体験・行動、情報の少なさ、風習・習慣・常識
旅行中のリスク
実例等
社
会
事
件
関
係
機
関
個
人
的
事
故
自然災害(台風、大雪、地震、津波、噴火等)
04年スマトラ沖地震・津波、11年NZ地震、東日本大震災
テロ、戦争、紛争
01年米国同時多発テロ、05年ロンドン爆破テロ
騒動、暴動、クーデター
11年エジプト政変
国際問題(反日活動、カントリーリスク)
05年中国・韓国反日運動、10年尖閣諸島問題
ホテルジャック、バスジャック、ハイジャック
00年ギリシャバスジャック
感染症、伝染病
03年SARS、04年インフルエンザ、09年新型インフルエンザ
運輸機関の事故(航空機、列車、バス、船舶、ヘリ
コプター、気球、ケーブルカー・・・)
10年エジプトバス事故、スイス列車事故、米国バス事故
航空機遅延、運行停止、スト、空港閉鎖
10年アイスランド火山噴火による空港閉鎖
ホテル等施設火災
09年韓国釜山射撃場火災
食中毒等
転倒、落下、水難事故等の傷害
窃盗、強盗
日本人だけコレラや食中毒になる場合もある
バスの乗り降り、観光、水泳等の最中に骨折、溺死
ショルダーバッグは建物側に、金品・パスポートは身につける
携行品破損
スーツケースの破損
疾病
軽い風邪から脳梗塞等まで
美術品、工芸品等を破損
損害賠償を要求される
ホテルの風呂やスプリンクラーによる浸水
損害賠償を要求される
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3
海外旅行者数と邦人援護件数(90年代)
(万人)
1,800
1,782
1,700
出国者数
1,670
邦人保護件数
1,600
1,680
17,000
1,636
1,580
1,530
16,000
1,500
1,358
1,400
13,569
1,300
1,200
1,100
1,179
1,100
12,663
1,193
12,432
15,000
14,754
14,000
13,000
12,818
12,000
11,549
1,063
11,000
10,812
10,252
1,000
9,688
10,000
9,637
9,037
900
(件)
18,000
9,000
800
8,000
90年
91年
92年
93年
94年
95年
96年
出典:出国者数(法務省出入国管理統計)、事件・事故件数(外務省邦人保護統計)
97年
98年
99年
00年
20世紀型事件・事故の特徴:事故的、個別的、局所的
(テロ戦争)
(経済状況)
(自然災害)
● 91.01湾岸戦争
● 97.11ルクソール事件
● 93バブル経済崩壊
● 92.08グアム・ハワイ台風
● 93.08グアム大地震
(事
故)
● 97.11金融危機
● 94.01ロサンゼルス大地震
● 95.01阪神淡路大震災
● 94.04中華航空機事故(名古屋空港)
● 99.08トルコ大震災
● 99.09台湾大震災
● 00.11オーストリアケーブルカー事故
● 96.06ガルーダ航空機事故(福岡空港)
(事
件)
Copyright 2009(c) JI Accident & Fire Insurance Co., Ltd.
● 98.06W杯チケット不足事件● 98.09NW航空ストライキ● 99~00 Y2K
4
All Rights Reserved
海外旅行者数と邦人援護件数(21世紀)
邦人援護件数は海外旅行者数とは関係なく増加傾向
(万人)
1,800
出国者数
1,700
邦人保護件数
1,600
16,023
17,000
16,963
16,523
15,964
15,955
(件)
18,000
16,364
16,000
1,500
15,000
14,118
1,400
14,364
14,472
1,300
1,200
1,621
1,100
1,683
1,652
14,000
1,740
1,753
13,000
1,729
1,598
1,663
1,544
1,500
1,329
1,000
12,000
11,000
10,000
900
9,000
800
8,000
01年
02年
03年
04年
05年
06年
07年
出典:出国者数(法務省出入国管理統計)、事件・事故件数(外務省邦人保護統計)
08年
09年
10年
11年
21世紀型事件・事故の特徴:グローバル化、視覚化、大型化
(テロ戦争) ● 01.9.11米国同時多発テロ、アフガン侵攻●05.7ロンドン爆破テロ●06.10北朝鮮ミサイル実験
● 02.10バリ島爆破事件 ● 03.3イラク戦争 ● 05.10バリ島同時爆破テロ ● 10.11延坪島砲撃事件
(疫
病)
● 03.04SARS● 04.1鳥インフルエンザ
(経済状況)
(国際問題)
(自然災害)
● 09.4新型インフルエンザ
● 08燃油料金高騰● 08.9リーマンショック
● 05.04中国・韓国反日運動
● 04.12スマトラ沖地震・津波
● 08中国食品事件
●10.04アイスランド火山爆発
(事故事件)
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● 10尖閣諸島問題● 11エジプト政変
●11NZ地震
●11東日本大震災
● 09.11釜山射撃場火災 ● 10.6~10バス・列車事故
5
海外旅行のリスクマップ
(
影響度・
危険度)
高
低
火災
ホテル、施設
法令違反
麻薬
著作権
景表法
独禁法
下請法
少
テロ
インフルエンザ
SARS
コレラ
騒動
暴動
窃盗・強盗
その他
45.0%
国際問題
遺失
4.5%
15.1%
疾病
35.5%
傷害
窃盗、強盗
為替
景気
(頻度)
海外邦人援護統計)
バス、列車、航空機
船舶、ヘリコプター
気球
自然災害
個人情報保護
不適切旅行
環境・人権
交通事故
大型化
食中毒
●海外邦人援護件数の推移(出典:外務省
02年
地震
津波
台風
大雪
噴火
感染症
伝染病 広域化
疾病
携行品破損、紛失
脳梗塞
から
風邪
まで
運行遅延
停止・スト
●保険金支払構成比の推移
治療・救援
02年
転倒
水難
携行品
(出典:ジェイアイ傷害火災)
航空機遅延・手荷物
64.9%
24.6%
5.5%
05年
35.0%
20.3%
39.2%
27.8%
15.8%
58.1%
28.3%
その他
3.0%
7.5%
3.3%
10.3%
5.7%
5.6%
09年
05年
多
50.8%
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09年
45.6%
35.3%
13.4%
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お客様中心のリスクマネジメント
●海外旅行と旅行業界の特徴・背景
商品特性
安全・安心が第一
商品は一期一会
業界特性
他社変更可能(旅行会社は11,000社)
インターネット等の直販増加
規模対応
海外旅行1日平均滞在者数28万人(1,660万人×6.2日/365日)
例:米国テロ時のJTB全世界14,000名、ハワイ6,000名、NYC1,065名
信用を失うと二度とご利用いただけない
●JTBの基本方針
・・・地球規模&CSR的視点・・・
経営理念 地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する
お客様へ 私たちは、地球を舞台に自然、文化、歴史とのふれあいや人々の交流を創造し、
の約束 お客様に感動と喜びを提供します(25年前:ご出発の安心感、お帰りの満足感)
●KNT企業理念
●NTA経営理念
●H.I.S.企業理念
KNTは世界中の人々の出会いと
感動を創造し、笑顔あふれる社
会の実現にチャレンジしていきま
す
日本旅行は、あふれる感性とみな
ぎる情熱を持って、魅力ある旅の
創造とあたたかいサービスに努
め、お客様に愛され、未来を拓くア
クティブカンパニーを目指し、豊か
な生活と文化の向上に貢献します
ツーリズムを通じて、世界の人々
の見識を高め、 国籍、人種、文
化、宗教などを超え、世界平和・
相互理解の促進に貢献する
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(出典:各社HP)
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旅行会社の安全管理
旅行会社の安全管理
旅行者の自己責任
法令上の責任
社会の期待の高まり
に出来る限りの対応
長年にわたる
様々な事例・判決
●旅行業約款(募集型・受注型企画旅行)
●安全配慮義務
判決で明示された義務
約款に規定された旅行会社の債務
・旅程管理債務・・旅行者の安全かつ円滑な
旅行の実施を確保する努力
・旅程保証債務
(後述)
・特別補償債務
・安全性を配慮した企画
・安全情報の提供
・安全を重視した旅行の実施
・緊急時の対応
●リスクマネジメント(海外安全基準の考えに基づいた対応)
回避
リスクそのものを避ける
・危険情報「渡航の是非検討」地域への旅行は一旦中止。
安全を確認後再開。
・情報の収集とお客様への配布
発生の可能性を少なくす
・安全教育の実施(AGTセミナー)、
低減・予防
る
・安全性の高い施設、交通機関の利用、無理のない日程
共有・移転 損失を他に置き換える
受容
リスクを受入れる
・保険への加入(保険加入、自家保険は企業判断)
・日常的リスクを前提とした体制整備、注意喚起
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旅行を中止するとき(回避)
●新型肺炎SARS
●エジプト反政府デモ
03年4月3日8時30分
2日
世界保健機関の渡航延期勧告発出
3日8時 香港、中国広東省への旅行中止決定
全支店に連絡
(危険情報発出は当日午後)
5月26日 危険情報の引き下げに伴い旅行再開
11年1月29日
26日
大規模デモ発生、外務省注意喚起
29日未明 通信社から夜間外出禁止令受信
同日
エジプト滞在者把握、対応協議
「渡航延期」発出、旅行中止決定
2月3日までに滞在者800名全員帰国
●危険情報:当該国・地域の安全対策の目安。2002年4月制定、判断は自己責任
レベル
退避を勧告します
意味
現地に滞在している全ての邦人に対して当該国(地域)から、安全な国
(地域)へ避難(日本への帰国も含む)を勧告するもの
JTBの対応
企画旅行は中止
渡航の延期をおす 当該国への渡航は、延期するようすすめるもの。また現地に滞在してい
企画旅行は中止
すめします
る邦人に対しては退避の可能性の検討や準備を促すもの
渡航の是非を検討 当該国(地域)への渡航に関し、渡航の是非を含めた検討を真剣に行い、原則一旦中止。安全を
してください
渡航する場合には、十分な安全措置を講じることをすすめるもの
確認後、企画旅行再開
十分注意してくだ
さい
当該国(地域)への渡航、滞在にあたって特別な注意が必要であること 安全を確認し、企画旅行
を示し、危険を避けるようにすすめるもの
を実施
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リスクの低減に向けた対応
●ヨーロッパ
36
●米国・カナダ
34
●ハワイ 6
●韓国 5 ●日本
●中国 8
820
●ミクロネシア
7
●アジア
19
●JTB拠点数(国内820拠点、海外120拠点)
●オセアニア
7
海 外 安 全 基 準
運送、ガイド等の安全管理基準を制定。
提携会社との契約徹底。安全を配慮した日程
品 質 ・ 信 頼
信頼感に満ちた高品質商品の提供。シートベルト着用バス、
航空会社、宿泊施設等の使用基準を策定し品質確保
ネ ッ ト ワ ー ク 海外120拠点、信頼のおけるオペレーターでの補完
情報収集・提供
外務省、リスクコンサル会社のリスク情報の収集、写真等
で現地情報を提供
社 員 ・ 添 乗 員 旅行先を熟知した添乗員、社員約25,000名
コ ン プ ラ イ ア ン ス 不適切な旅行の中止(実弾射撃ツアーは98年に自粛)
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契約上の旅行会社の債務
●企画旅行
●手配旅行
・募集型と受注型
・サービスと代金を定めた計画を作成し実施する
・いわゆるパッケージツアー(安全配慮義務)
・旅行者の委託により、旅行者のために代理、媒
介、取次
・いわゆる航空券、乗車券、宿泊の手配
●特別補償(多くは保険に加入する)
●損害賠償(多くは保険に加入する)
・旅行会社の責任の有無を問わない
・企画旅行参加中にその生命、身体、手荷物に被った損害
・あらかじめ定める額の補償金及び見舞金を支払う
・旅行会社と手配会社が、故意又は過
失により損害を与え法律上の賠償責
任を負った場合
・その損害を賠償する
特別補償
旅程保証
損害賠償
企画
○
○
○
手配
×
×
○
●旅程保証(保険に加入しない)
・企画旅行で、契約内容に重要な変更が生じた場合
・旅行代金に一定の率を乗じた額以上の変更補償金を支払う
●特別補償の額、率
死亡
補償金
後遺障害
補償金
●旅程保証の変更補償金(1件あたり
入院
見舞金
通院
見舞金
の率、総額の上限はおおむね15%)
入場予定観光地や運送・宿泊機関の変更等
出発前 出発後
1.0%
2.0%
海外
2,500万円 3~100% 4~40万円 2~10万円 旅行開始日又は旅行終了日の変更
1.5%
3.0%
国内
1,500万円 3~100% 2~20万円
2.5%
5.0%
1~5万円 ツアータイトル中に記載のあった事柄の変更
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海外旅行保険(リスクの移転)
●30人に1人が保険事故(2010年度保険金支払)
(データ出典:ジェイアイ傷害火災)
●海外旅行保険給付項目
治療・救
援者費用
・疾病やケガ等の治療費用 ・入院時の家族の
渡航費用 ・医療通訳費用 ・医療搬送費用
携行品
・スーツケースや携行品の盗難、破損
旅行事故
緊急費用
・搭乗便の出発遅延、委託手荷物不着事故で
発生した費用(宿泊代等)
●都市別医療事情
●2010年度保険項目支払件数
その他
5.5%
旅行事
故緊急
費用
18.3%
治療
救援
45.6%
携行品
35.2%
・受信する医療機関や治療内容によって治療費は大きく異なる。
・「医療はビジネスであり、サービス業である」
データ出典:ジェイアイ傷害火災
・医療機関に対して治療費の支払い能力の証明が必要
・海外での治療費も健康保険の利用は可能だが、①本人立替え、②医療基準の違いで全額戻らない
ホノルル
上海
パリ
日本
救急車料金
①公営 ②民営
初診料
盲腸手術の
治療費
骨折時の治療費
①48,700~64,900円+走
行加算1,100円/マイル
①4,500円
②無
16,200円
総費用 2,560,000円
入院日数
2日
①無料
②9,300円+走行加算
9,800円
①総費用 112,500円
②入院日数
7日
46,600円
Copyright 2009(c) JI Accident & Fire Insurance Co., Ltd. All Rights Reserved
37,500円
①公営:無料
②無
16,200~24,400円
①総費用 860,500円
②入院日数
3日
50,300円
2,700円
①総費用 400,000円
②入院日数4~7日
15,000円
データ出典:ジェイアイ傷害火災HP
12
Jiデスクとキャッシュレス提携病院
●Jiデスク・・・現地主義、日本語主義の海外55都市のJiデスクと東京24時間センター
・トラブル時の相談受付(電話、来店)
・パスポート等の盗難、紛失時の手続のご案内
・医師、病院の案内予約、病院等への支払保証
・ご家族への連絡
・救援者の渡航、ホテルの手配、移送機関の手配
・通訳の手配・・・etc
●Jiキャッスレス提携病院
・自由診療がキャッシュレスで受けられる300カ所以上の提携病院
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体制整備(リスクの受容への対応)
●グループ本社の体制整備
●規定、基準、マニュアル等の整備と訓練
内部統制委員会
・海外事故対策マニュアル
事故・事件への対応経験を基にした対応マニュアル
・広報危機管理マニュアル
・安否確認システム(高度化が必要)
・地震対策マニュアル
震度6以上の地震予知情報発出の場合の修学旅行
やパッケージツアーの取扱方、対策本部設置基準等
・新型インフルエンザ対応ガイドライン
・鳥インフルエンザ対応ガイドライン
・お客様の旅券取扱ルール
・外国籍の子供の海外修学旅行・研修旅行Q&A
・高山病対策、食中毒対策・・・・・etc
委員長:社長
・グループの内部統制システム全体を統括
・重要な方針の決定と各社への示達
リスク対策本部
本部長:社長
・震度6以上の地震の発生等
・お客様及び経営に大きなリスクが発生したとき
・お客様及び社員・家族等の安全確保、対応
事故対策本部
本部長:担当役員
・重大な国内・海外事故、IT事故にそれぞれ設置対応
・レベル1(重大事故、災害発生)~レベル3(死亡事故)
に応じ、お客様、留守宅、マスコミ等への対応
●対策本部の例
情報
収集
情報
発信
外部
対応
お客様
対応
留守宅
日常的な訓練&リスク情報の収集・対応
本部長
保険
宿泊等
手配
関係
省庁
マスコミ
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対策
策定
・現地、販売会社、商品企画会社に
それぞれ設置、お客様との直接対応
お客様
・マスコミ、省庁対応は本社一本化
14
対応事例(9.11米国同時多発テロ)
米国テロ発生
旅行者対応
01年9月11日21時45分
・1,065名全員の安否確認
・留守宅への連絡
・宿泊、帰国便手配
・空港お出迎え等
TV
今後はインター
ネット、SNS等
海外担当情報キャッチ
22時05分
マスコミ
社員・家族
15分頃から3件
携帯受信
広報室長職場復帰
情報収集&緊急連絡
22時30分
TV、通信社
情報
役員、関係者に
連絡
対策本部設置
22時50分
マスコミ対応
・全ての取材に対応
・問合せには必ず回答
・正確な情報を提供
支店のお客様対応
・支店開店前に方針決定
・9月中取消料不収受
・方面別旅行取扱い決定
●主な決定・指示事項
・方針・・・滞在者安全確保最優先
・滞在者リスト作成、安否確認
・旅行催行、取消料取扱(国内含)
Check&Actionに生かす
・宣伝広告中止・・・etc
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●対応のポイント
スピード、スピード、スピード!!
お客様中心、お客様が先!!
①初期対応
・最初は大きく構える
・何はともあれ、お客様確認
・新しい通信手段を使う
(95年阪神大震災・・携帯、01年テロ・・
メール、11年大震災・・FB、Twitter)
②マスコミ対応
・丁寧に、親切に
・憶測を入れず事実のみ
・絶対嘘をつかない
・個人情報の取扱いは慎重に
③対策本部
・指示命令系統の一元化
・現場は基本方針に添い臨機応変に
・対応経緯を記録する(同じ事件事故は、
2度とない。ただし改善の要素はある) 15
風評被害と需要喚起
●日本人の思考・行動形態
●マスコミの反応
・被災地に旅行(遊び)に行くのは失礼
・周りから、危ないから行かなくてもと言われ
・旅行は不要不急?
・自粛は止めたいと思っても行動は・・・
・ニュース、情報番組で同映像を何度も放映
・日本人中心、他国の反応や行動は少ない
・状況説明中心、回復したら報道なし
・マスコミが風評被害と言う??
・・安全確認・・
・・安心醸成・・
自分の目で、体で直接確
かめ、自信を持って案内
日本人の感性に合った現
地対応、情報提供
被災地と旅行者のため
(海外の反応は?)
●大事件後の日本人海外旅行者数前年比
30%
20%
10%
0%
-10%
-20%
-30%
-40%
-50%
-60%
01年米国同時テロ
-9.1%
-12.4%
03年SARS
-23.3%
-20.6%
-27.5%
-39.2%
-43.8%
-42.0%
発生月
1ヵ月後
-12.9% -11.0%-12.1%
-17.4% -20.5%
-25.9%
11年東日本大震災
-9.5%
-8.9%
-12.7%
-6.4%
-7.7%
-9.8%
-17.3%
-31.5%
現地情報を正しく伝達
マスコミ取材も設定
(出典:法務省出入国管理統計を基に作成)
09年新型インフルエンザ
-12.8%
-9.0%
・・情報提供・・
・・需要喚起・・
23.5%
1.2%
-5.7%
-4.7%
-6.7%
-14.8%
0.7%
-4.7%
-6.8%
4.4%
0.7%
-11.0%
・・テロ直後の中国人、韓国人・・
-22.4%
今ほど安全な時期は無い。しかも安く行け
る。日本人が少なく歓迎される。
-46.8%
-55.6%
2ヵ月後
3ヵ月後
4ヵ月後
5ヵ月後
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6ヵ月後
7ヵ月後
8ヵ月後
9ヵ月後
10ヵ月後 11ヵ月後 12ヵ月後
16
日本人旅行者の個人化
●パッケージツアー形態(出典:JTBレポート「海外旅行実態調査」)
00年
53.5
43.1
3.4
05年
51.8
46.6
1.6
09年
46.7
フルパッケージ
51.4
フリープラン
1.9
不明他
50.8
05年
49.0
09年
49.3
パッケージツアー
34.0
40.3
42.6
手配旅行
不明他
・旅程管理が難しい
・自由行動中のリスクは増加し多様化する
・確認時間・手間が増加する・・・etc
・多様な連絡手法(デスク、レンタル携帯)
・適切な情報提供
●手配旅行の増加
●旅行形態(出典:JTBレポート「海外旅行実態調査」)
00年
●フリープラン型の増加
15.2
10.6
8.0
・行動、宿泊先の把握が難しい
・情報取得は旅行者自ら
・リスク環境が旅行先により違う(認識必要)
・手配債務完了、重大事故時の対応は課題
・自己責任原則の確立(保険加入)
●個人旅行、手配旅行に求められること
・「外務省海外安全ホームページ」を確認 http://www.pubanzen.mofa.go.jp/
(海外旅行保険のおすすめ)
予期できないトラブルに備え、海外旅行保険には必ず加入しておくことをおすすめします。
・感染症関係は、厚生労働省「海外渡航者のための感染症情報」HPも要参照
・大事件の場合は自宅等に必ず連絡をする。旅行会社の現地事務所にも連絡する
・クレジットカード、国際銀行カードを必ず携帯
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経営課題とリスクマネジメント(ERMへ)
●インバウンドへの対応
・旅行業法適用外
・災害や事故時の対応
・品質確保とリスク対応
・言葉、習慣等
●地域活性化事業への対応
・リスクマネジメントの視点
・安心院農家民泊の例
「安全安心な国・日本」の確立とアピール
●ツーリズムの有用性を確立し周知
●経営にリスクマネジメントを生かす
国内発想からグローバル発想へ
●経営のグローバル化への対応
●新たなリスクへの対応
・拠点もお客様も多国籍の時代
・国際情勢、疫病等に敏感に反応
・所在地の法律、習慣、考え方
・情報収集とネットワークの強化
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最後に・・・
何と言っても景観は財産です
イザベラ・バードが
見た日本は、まるで
庭園のようであった
・・・ご清聴ありがとうございました・・・
今、街中でよく見かける光景ですが・・・
・・・景観5悪・・・
サラ金
外食
英会話
カラオケ
ディスカウント(紳士
服、家電・・etc)
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