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資料:経済概況
インド経済概況 在インド日本国大使館 2011年4月 1 インド経済 - 概観 ●人口と国土 ★人口約12.1億人(国勢調査2011)(世界第2位) ★国土面積3,287万平方キロメートル(露を除くヨーロッパとほぼ同じ);28州、7中央政府直轄地に分かれる。 ○豊富な労働力:20歳未満の人口割合:42.8% ○米国を中心とする在外インド人数:約3千万人(在米インド人約225万人、在アフリカ50カ国インド人約240万人) 在日インド人登録者数は22,858人(2009年12月現在) ●アジア第3位のGDP(中国、日本に次ぐ) 2009年:1兆2,961億ドル、ASEANの9割 (世銀) ●インド政府の目標は2桁成長(2005~07年度は9%台) 高い成長率を背景に、第2次シン政権発足後2011年1月までの21か月間に42人の首脳が訪印(毎月平均2人) 州GDP額ランキング(2008年度、人口は2001年) (兆ルピー,%) 年度 実質GDP* 成長率 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010p 7.019 7.378 7.813 8.380 8.996 9.701 10.166 10.827 11.484 18.648 19.729 20.477 22.260 29.676 32.491 35.646 38.935 41.625 44.937 48.792 1.3 5.1 5.9 7.3 7.3 7.8 4.8 6.5 6.1 4.4 5.8 3.8 8.5 7.5 9.5 9.7 9.2 6.8 8.0 8.6 実質経済成長率の推移(1991-2009年度) 順位 インドの実質GDP成長率 10 8 6 4 2 0 (%) 1 2 3 4 5 マハーラーシュトラ州 ウッタル・プラデーシュ州 アーンドラ・プラデーシュ州 グジャラート州 タミル・ナードゥ州 全国GDPに 占める割合 13.7% 8.0% 7.6% 7.1% 7.1% 人口 (千人) 96,879 166,198 76,210 80,176 62,406 (出典)州GDP:印統計局(CSO)、人口:Economic Survey2010-2011より作成。 州別1人当たり所得ランキング(2008年度、人口は2001年) 順位 (出典)印中央統計局(CSO)資料より作成。 州 1 2 3 4 5 州/連邦直轄地 チャンディーガル連邦直轄地 ゴア州* デリー準州 プドゥチェリー連邦直轄地 ハリヤナ州 全国平均 一人当たり 所得(Rs.) 119,240 105,582 88,421 84,625 68,914 37,490 人口 (千人) 901 1,348 13,851 974 21,145 - 2 (出典)印統計局、Economic Survey2010-2011より作成。所得額は現在価格に よるもの。 *は2007年度の数値。 成長するインド経済 ●インド経済成長を支える内需と投資 国内消費と投資がインド経済の成長を牽引 GDPの産業別内訳の推移(2000-2009年度、%) 年度 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 ●貯蓄率と投資率の高さ(対GDP比) ★貯蓄率:2000年度:23.7%→09年度:33.7% ★投資率:2000年度:24.3%→09年度:36.5% ●サービス業がインド経済を牽引(IT,通信の例) 農業・農 鉱工業 (うち製造 サービス (うち金融 合計 ★インドのサービス業部門の強み 業関連 業) 他サービ ①IT・IT活用サービス分野のGDP貢献 ス業) 1998年:1.2% → 2009年6.2% 23.9 25.8 15.3 50.3 13.0 100.0 ②力強い通信分野の成長 24.0 25.0 14.8 51.0 13.2 100.0 携帯加入者数は月間約1700-2000万台伸び 21.4 25.8 15.2 52.7 13.7 100.0 ●中間層の拡大 21.7 25.6 15.0 52.7 13.4 100.0 20.2 26.2 15.1 53.6 13.5 100.0 所得別人口比率の推移(1985-2001年度) 19.5 26.4 15.1 54.1 13.8 100.0 18.5 26.7 15.3 54.8 14.3 100.0 16.4 28.8 16.2 54.8 16.4 100.0 15.7 28.0 15.6 56.4 16.9 100.0 14.6 28.5 16.1 56.9 17.2 100.0 産業別成長率の推移(2001-09年度、%) 低所得層年収:44,999 Rs以下,下位中間所得層年収:45,000-90,000Rs 中位中所得層年収:90,001-135,000Rs,上位中所得層年収:135,001-180,000Rs, 高所得層年収:180,001Rs以上 (出典)NCAER, Indian Market Demographics Report 2002, do., The Great Indian Middle Class, 2004 中間所得層の階層別人口(2005年) (出典) 印中央統計局資料より作成。 (注)製造業に「建設」含む。「サービス」には「商業・ホテル・通信」、「金融・不動産・ビジネスサービス」、 「コミュニティ・個人・社会サービス」を含む。 一日当たり所得 2- 4 ドル 4-10 ドル 10-20 ドル 計 人口(割合) 2億2,400万人(20.45%) 4,500万人(4.90%) 500万人(0.45%) 2億7,400万人(25.05%) (出典)”Key Indicators for Asia and the Pacific 2010” 2010年8月 3 最近のインド゙経済のパフォーマンス BSE SENSEX指数(2010年5月~2011年4月) ●経済成長率:2008年度は6.8%、2009年度は8.0%、2010年度は 8.6%(予測値)、2011年度は9.0%(予測値)。 ★シン首相は、2010年度は約8.5%の成長率、2011年度は9% 成長に達すると発言。 ★2010年度第1四半期・第2四半期はともに+8.9%、第3四半 期は+8.2%の成長を達成。 ●インドの金融機関は国内中心で、またインド経済は輸出依存度が 低い(対GDP比20.6%)。 ★国際金融危機後、実体経済面では米欧の需要低下により輸 出減少の影響(2008年10月から13か月連続で前年同月比減 少となったが、2009年11月よりプラスに転じた)。 ●2010年度のモンスーン降雨量は平年並み、農業部門の成長率は 昨年比5.4%増と予測(農業省)。 ●2011年度予算にて、経済成長と財政再建のバランスを図る。イン フラ整備・農村部対策を含む地方・貧困対策にも引き続き重点。 ★歳出総額は12.5兆ルピー超。財政赤字は対GDP比4.6%ま で抑える(2011年度当初予算見積ベース)。 ●インフレ抑制が現下の課題。インド準備銀行(RBI)は金融引締策 として、2010年3月以降8回(3/19,4/20, 7/2, 7/27, 9/16, 11/2, 1/25, 3/17)政策金利を引上げ。現在レポ・レート6.75%、リバー ス・レポ・レート5.75%、預金準備率(CRR)6.0%。 対米ドル・ルピー為替(2010年5月~2011年4月) 政策金利等の変動(2008年10月~2011年3月) 9.50 9.00 8.50 8.00 7.50 7.00 6.50 6.00 5.50 5.00 4.50 4.00 3.50 3.00 リバース・レポレート レポレート CRR 4 課題:農業、貧困、教育 識字率(1951-2011年度) ●農業:人口比率では約6割、GDP構成では14.6%を占める。 ★2009年度の成長率は0.4%(政府目標は4%成長),2010年 度は5.4%の見込み。 ★零細・小規模農家(所有農地2ha以下)が全体の8割 ★世界有数の食料生産国 (世界1位:畜牛・豆類・紅茶,世界2位:米・小麦・サトウキビ・野 菜・果物) ★未発達な食品加工業 (農林水産物の95%が未加工のまま販売。年間成長率は4年 前の6%から2009年度14.9% ) ●貧困人口:4億5,600万人、人口の42%(2005年,世銀)。 (1日所得1.25ドル以下) ★5才未満児の栄養失調は43.5%(2000-08年,世銀)。 ★所得税納税者内訳 80 70 60 50 40 30 20 10 0 74.04 64.8 52.2 43.6 28.3 34.5 18.3 1951 1961 1971 1981 1991 2001 2011 (出典)National Level Educational Statistics 2005-2006. Ministry of Human Resource Development, GOI, Census 2011 Provisional Report 年間所得 16万ルピー以下 約11億2,300万人(全人口の約97.2%) → 課税無し 16万ルピー以上 約3,250万人(全人口の約2.8%) → 課税対象 うち10-50万ルピー 約3,120万人( 同 約2.7%) 50-80万ルピー 約 60万人( 同 約0.05%) 80万ルピー超 約 70万人( 同 約0.06%) 貧困人口比率の推移(1973-2004年度) (百万人,%) 全国 農村部 都市部 貧困ライン以下の人口 貧困ライン以下の人口 貧困ライン以下の人口 シェア シェア シェア ★「食料安全保障法」(国会未提出) 調査年 → 貧困ライン以下の世帯に1か月につき最大35kgの米又は 小麦を安価で供給する(現在、国家諮問会議と政府で調整中) 1973年度 1983年度 321 323 54.9 44.5 261 252 56.4 45.7 60 71 49.0 40.8 1993年度 320 36.0 244 37.3 76 32.4 2004年度 302 27.5 221 28.3 81 25.7 ●識字率:74.04% (国勢調査2011) ★男子50%、女子33%が経済的な理由により未就学。 ●平均寿命:63.5歳(男性:62.6歳、女性:64.2歳)。 (注)貧困ラインは月世帯消費額で決定。 農村部:356ルピー,都市部:539ルピー。(2004年度) (出典)GOI, Economic Survey 2004/05. Press Release by Planning Commission, March 21, 2007 5 対外開放度の拡大:貿易 インドの対外貿易額(1990-2009年度) ●貿易総額は近年急増(09年度約4,670億ドル)するも、 輸出に比べて輸入のシェアが高い ★対GDP比(2009年度、ルピー建てにて算出) 輸出:13.6%、輸入:21.8%、貿易赤字:8.2% ●主要貿易相手国 (2009年度) ★貿易総額上位国 : 1位 アラブ首長国連邦 (434.6億ドル) 2位 中国(424.4億ドル) 3位 米国(365.0億ドル) ★輸出相手国(括弧内はシェア) 1位:アラブ首長国連邦(13.4%)、2位:米国(10.9%)、 3位:中国(6.5%) ★輸入相手国(括弧内はシェア) 1位:中国(10.7%)、2位:アラブ首長国連邦(6.7%)、3位:サウジアラビア(5.9%) ●2009年度の貿易赤字は1,082億ドル (2008年度は1,184億ドル) (出典)インド準備銀行発行『RBI Bulletin』 インドの貿易相手国 (2009年度) インドの主な輸出・輸入品目の構成比 (2009年度(4-10月)、%) 輸出 輸出相手国 輸入 皮革・皮革 製品, 2 鉱石・鉱 物, 4.2 農産物, 9 宝石・宝飾 品, 16.7 その他, 6.3 機械機器, 23.3 石油製品, 14.2 化学品, 12.9 既製服類, 11.4 金属鉱石・ス クラップ等, 2.5 肥料, 2.7 その他, 16.5 石油・石油製 品, 30.6 鉄鋼, 3 石炭・コーク ス等, 3.3 有機・無機化 学品, 4.4 金, 9.4 資本財, 22.9 輸入相手国 順位 相手国 シェア 順位 相手国 シェア 1 UAE 13.4% 1 中国 10.7% 2 米国 10.9% 2 UAE 6.7% 3 中国 6.5% 3 サウジアラビア 5.9% 4 香港 4.4% 4 米国 5.9% (参考) 日本 2.0% (参考) 日本 2.3% (出典)印商工省 India’s Trade 宝石類, 4.7 (出典)インド準備銀行資料より作成。 6 (参考)ASEANとの貿易 主要国・地域の対ASEAN貿易(2009年) 貿易相手国・ 地域 金額(億ドル) 輸出 輸入 総貿易額 ASEANから見た 主要貿易相手国・地域のシェア(%) 中国 815.9 965.9 1,781.9 中国 11.6 EU 929.9 788.0 1,717.9 EU 11.2 日本 780.7 828.0 1,608.6 日本 10.5 米国 822.0 673.7 1,495.7 米国 9.7 韓国 342.9 404.5 747.4 韓国 4.9 豪州 290.4 148.1 438.5 豪州 2.9 インド 265.2 126.0 391.2 インド 2.5 1995.9 1766.2 3,762.1 ASEAN域内 ASEAN域内 24.5 (出典)ASEAN事務局統計 7 対外開放度の拡大:投資 セクター別FDIの推移 (2005-2009年度、百万ドル) ●外国直接投資(FDI)流入額 2009年度は対前年度比ほぼ横ばい (08年度約273億ドル→09年度約259億ドル) 2010年度は前年比約25%減*で推移している。 (*印商工省発表による同年度2011年1月までの値) セクター/年度 サービス(金融・非金 融) コンピュータ・ソフトウェア/ハード 2 ウェア 3 通信 4 住宅・不動産 5 建設 6 電力 7 自動車産業 ★インド・モーリシャス間租税条約の下、同国を 経由したインド投資が税制上の優遇を受けられ ることが投資額が圧倒的第一位である理由。 1 モーリシャス 2 シンガポール 2006 2,570 275 6,363 578 2007 2008 11,096 11,208 3,073 3,454 累計額 2009 (2000.42010.3) 10,376 47,240 2,379 10,190 累計額 FDI 2009 (2000.4- 構成比 2010.3) (%) 543 4,664 6,615 6,116 4,392 23,460 21 1,375 2,614 1,410 1,677 919 9,872 9 624 38 151 87 143 478 467 985 157 276 1,261 2,179 1,743 967 675 2,558 2,801 2,028 985 1,152 2,554 2,844 2,868 1,437 1,177 8,931 8,357 8,059 4,627 4,565 8 8 7 4 4 800 シェア (%) 400 200 502 856 1,089 1,802 1,943 8,278 8 266 1,878 1,176 864 657 5,884 5 76 70 644 58 695 834 883 629 899 1,623 4,487 3,899 4 4 7 日本 208 85 815 405 1,183 3,714 3 8 ドイツ 9 U.A.E. 303 49 120 260 514 258 1,287 257 626 629 2,799 1,549 3 1 10 フランス 18 117 145 467 303 1,530 1 5,546 15,726 24,579 27,309 25,888 115,728 (出典)印商工省資料。 シェアはルピー建てで算出されたもの。 600 43 9 4 英国 FDI総額 2008 外国投資総額の推移(2001-2009年度、億ドル) 3 米国 5 オランダ 6 キプロス 2007 (出典)印商工省資料。 FDI構成比はルピー建てで算出されたもの。 国別FDIの推移 (2005-2009年度、百万ドル、順位は累計額) 2005 2006 1 ●外国直接投資額の高い国: 1位 モーリシャス 2位 シンガポール 3位 米国 投資国/年度 2005 0 -200 01 02 03 04 直接投資 05 06 間接投資 07 08 09(P) 合計 (出典) RBI Bulletin Mar,2011 *直接投資は再投資額等を含む。 *間接投資は預託証券、外国機関投資家(FII)、 オフショアファンド等による投資。 2008年度および2009年度は暫定値。 8 第11次5か年計画と第2次シン政権の「旗艦プログラム」 第11次5か年計画の優先課題 ●第11次5か年計画(2007~11年度)の目標 目標:迅速的かつ包含的な経済成長の達成 目標成長率(年平均):9.0% 目標貯蓄率:32.3%、目標投資率:35.1% ●第11次5か年計画中のインフラ投資需要 2007~11年度のインフラ投資需要額:5000億ドル 官民投資割合:官(70.4%)、民(29.6%) ●シン首相は、第12次5か年計画における経済成長 目標を10%とし、特にインフラへの支出を1兆ドルへ と倍増すべき旨発言。 第11次5か年計画の部門別インフラ投資と民間出資比率 (10億ルピー、2006年度価格) 部門 電力 道路・橋 電気通信 鉄道 灌漑 上下水道 港湾 空港 その他 合計 投資額 6,665.2 3,141.5 2,584.4 2,618.1 2,533.0 1,437.3 880.0 309.7 392.3 20,561.5 シェア(%) 民間出資比率(%) 32.4 27.8 15.3 33.9 12.6 68.8 12.7 19.2 12.3 0.0 7.0 3.8 4.3 61.9 1.5 69.9 1.9 45.2 100.0 (出典)印計画委員会、第11次5か年計画アプローチペーパー、2006年 農業の再活性化 雇用の拡大 貧困層への基礎的サービスの提供 製造業の競争力の改善 ガバナンスの改善 格差と分断の解消 (出典)印計画委員会、第11次5か年計画アプ ローチペーパー、2006年 第2次シン政権の「旗艦プログラム」 2009年5月に成立した第2次シン政権は農 業,貧困,弱者対策,教育等の優先課題に対 処すべく,以下を政権の「旗艦プログラム」とし て取り組んでいる。 農村での雇用保障,インフラ開発 女性の社会進出(識字率向上,議会での 女性枠(1/3)の確保) 都市スラム対策(5年でスラム撤廃) 少数部族対策(教育,雇用) 職業訓練 国民皆教育の実現 全国民へのID番号付与 9 電気通信分野 ★インドのICTの発展はインド経済自由化(1991年~)の成功事例の1つ ★特に携帯電話の加入数が毎月約1700~2000万増加(2011年1月末現在 携帯電話 7億7,118万加入、固定電話 3,494万加入、 合計8億0,613万加入、電話普及率67.67%) 携帯電話加入数で、中国(約8億加入)に迫る世界第2位の携帯ネットワーク大国に ★世界で最も安価な電話料金(GSM携帯電話月額料金262円程度、通話料金1秒1パイサ約2銭(タタドコモが1秒1パイサの料金を開始し 他の事業者が追従)) ★インド携帯電話事業者は15社もあり、激しい競争環境にある。内3社が加入者1億超。(日本の携帯電話・PHS契約数 約1億1407万加入) ★日本からはNTTドコモがタタテレサービシズに出資。加入者数を大幅に伸ばし、現在インド第4位。 ★携帯電話セクターの激しい競争のため、収入は伸び悩んでいる。2009年度は加入者数が50%も伸びているにもかかわらず 収入の伸びは3.6%で、額は年間約1兆ルピー(2009年度) ★固定電話シェアは、BSNL/MTNL(国営)が約85%のシェア ★携帯電話はGSM方式が約80%で増加、CDMA方式が約20%減少傾向 出典:The Indian Telecom Services Performance Indicator Report for the Quarter(TRAI) Information Note to the PressTelecom Subscription Data(TRAI) 10 エネルギー事情 ●世界第5位の一次エネルギー消費量。石炭依存度が高い。 発電の7割は石炭。 インドの発電構成比(2007年) ★石炭消費量 245.8 (百万石油換算トン、2009年) (米:498、日:108.8、中国:1537.4) 石油 原子力 2.1% 天然ガス 4.2% 8.3% ★石油消費量 148.5 (百万トン、2009年) (米:842.9、日:197.6、中国:404.6) 水力 15.4% ★天然ガス消費量:519 (億立方メートル、2009年) (=46.7百万石油換算トン) (米:6,466、日:874、中国:887) ★輸入依存度 (2009年) その他再生可能 エネルギー※ 1.7% 石炭 68.4% (出典)IEA Energy Balance of OECD Countries 2009 edition IEA Energy Balance of non-OECD Countries 2009 edition (以上、出典:BP) 石炭 14.0%、石油 76.2%、天然ガス 24.3% ●2030年までの一次エネルギー需要の伸びは2.4倍増の見通し。 537(2005年)→1,299(2030年) (百万石油換算トン) 中国は同期間1,742から3,819への見通し ※再生可能エネルギーの比率: 水力15.3%,風力1.1%、バイオマス0.3%(IEA, 2006) 一次エネルギー消費量の比較(2009年) GDP当たり一次エネルギー供給量の比較(2007年) (百万石油換算トン) 〔石油換算トン/1000USD(2000年基準為替レート)〕 数値が低いほどエネルギー効率が高い。 2,182 1.69 2,177.60 0.83 0.78 0.21 0.1 0.18 印 米 中 露 日 EU27 (出典)IEA Energy Balance of OECD Countries 2009 edition IEA Energy Balance of non-OECD Countries 2009 edition 635.3 468.9 印 米 中 露 463.9 日 289.8 独 (出典)BP Statistical Review of World Energy, June 2010 11 気候変動 ●インドの基本データ ★ CO2排出量:世界第4位(14.3億㌧,2008年) ①中国(22.3%),②米(19.0%),③露(5.4%),④印(4.9%),⑤日本(4.2%) ★ 一人当たりCO2排出量(2008):米18.4 ㌧ ,日本9.0 ㌧ ,中国4.9 ㌧に対し印1.7㌧ ★ 産業別CO2排出量(2007): • エネルギー部門:①電力(37.8%),②運輸(7.5%),③居住(7.2%),④その他エネルギー(5.3%) • 産業部門:①セメント(6.8%),②製鉄(6.2%),③その他産業(8.7%) • 農業部門:17.6% ●インド政府の基本的立場 ★先進国の責任論、「共通だが差異ある責任・各国の能力」原則を堅持 ★一人当たりCO2排出量の概念の重視 ●気候変動に関する「行動計画」(2008年6月30日発表) ★8つのミッションを提示:太陽エネルギーのシェア拡大、エネルギー効率改善、持続可能な住環境整備、水資源保護、ヒマラヤ地域 のエコシステム維持、グリーン・インディア計画、持続可能な農業、気候変動に関する戦略的知見蓄積。 ①太陽エネルギーのシェア拡大に関し、2013年までに433億7千万ルピーを投じ、2022年までに20GWの発電容量を目指す「ジャワ ハルラル・ネルー国家太陽ミッション」を2009年11月に閣議了承。 ②エネルギー効率改善に関し,国内で最もエネルギー集約的な9つの産業部門(電力,製鉄及びセメント等) に対する義務的なエ ネルギー効率改善目標を設定。 ●ラクイラサミット(2009年7月) ★エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)において、各国での低炭素成長計画の策定とともに、世界全体の排出を 2050年までに相当の量削減する目標を設定することを確認。 ★世界全体の平均気温の上昇が2℃を超えないようにすべきとの科学的見解を認識。 ●BASIC閣僚会合(2010年10月,第5回会合(於:北京)) ★社会的、経済的発展及び貧困撲滅が途上国にとっての最優先事項であることを踏まえた上で、世界全体の平均気温の上昇を産 業革命前の2℃以内に抑えるとの目標を支持。 ★持続可能な開発への衡平なアクセスは気候変動における国際合意の中心的要素であり,国際的な排出削減目標設定の前提条 件である。 ●排出原単位の削減目標 ★コペンハーゲンでのCOP15を前に、ラメシュ環境森林大臣は、インドの温室効果ガスの排出原単位(emission intensity)を2020年ま 12 でに2005年比20-25%削減できると表明。コペンハーゲンの後、インドの自発的努力目標としてUNFCCCに通報。 日印経済関係 13 日印貿易 日印貿易の内訳(2009年、%) ●日印貿易の推移・内訳 (日本財務省貿易統計による。数字は2009年) ★日印の二国間貿易額は近年急増 (2002年4,940億円 → 2009年1兆43億円) ★印→日:伝統的な輸出品(鉄鉱石、宝石・宝飾品、海産物) に加え、近年石油製品の輸出量が急速に拡大 印→日輸出額約3,906億円 ★日→印:一般機械、電子機器、鉄鋼製品、輸送機器の輸入 量が拡大 日→印輸入額:約6,526億円 ★印側は約2,619億円の貿易赤字 ●日印双方とも貿易拡大のポテンシャルは大 ★日本の対世界貿易の中で印の占める割合:0.9%(23位) ★インドの対世界貿易の中で日本の占める割合:2.2%(14位)* インドから日本への主な輸出品 石油製品, 24.2% その他, 24.5% 織物用糸・繊 維製品, 3.2% 鉄鉱石等, 14.7% 衣類, 5.3% 元素・化合物, 6.4% ダイヤモンド 等, 7.5% 魚介類, 7.0% *出典 印商工省 飼料, 7.2% インドの日本からの主な輸入品 日印貿易の推移(1998-2009年) (億円) 14000 その他, 19.0% 12000 精密機械類, 2.5% 10000 8000 一般機械, 26.9% プラスチック, 3.3% 6000 4000 金属製品, 4.0% 2000 電気機器, 18.4% 元素・化合 物, 4.8% 0 輸送用機器, 8.0% 日←印 (出典:日本財務省貿易統計) 日→印 鉄鋼, 13.0% 貿易額 (出典:日本財務省貿易統計より作成) 14 日本の対印直接投資 投資計画の例(2007-2010年) (報道等に基づく) ●日本の対印直接投資額は急速に増加し、2008年度 (2008年4月~2009年4月)は対中国投資額を超えた。 マルチ・スズキ(工場増設、R&D施設) 2,000億円 ホンダ(工場増設) 580億円 日産(工場建設) 1,100億円 トヨタ(工場増設) 680億円 三菱化学(工場増設) 425億円 第一三共(ランバクシー買収) 3,700億円 NTTドコモ(タタ・テレサービシズ出資) 2,640億円 パナソニック(工場増設、市場強化) 300億円 住友金属工業(2015年稼働を目途) 2-3,000億円 JFEスチール(JSWスチール出資) 900億円 日本の対印・対中直接投資比較(2005-2009年度) 10,000 中国 インド 8,000 (億円) 6,000 4,000 2,000 0 FY2005 FY2006 FY2007 FY2008 FY2009 中国 7,774 6,706 7,015 6,793 5,901 インド 425 636 1,890 8,090 893 (出典)日本財務省資料 日本の対印直接投資の推移(1997-2009年、暦年) 日系進出企業数の推移(2005-2010年):3年で倍増 800 550 600 627 725 438 6,000 400 (億円) 5,000 4,000 362 248 267 Apr05 Jan06 200 3,000 2,000 1,000 19 97 19 98 19 99 20 00 20 01 20 02 20 03 20 04 20 05 20 06 20 07 20 08 20 09 0 (年) (出典)日本財務省資料。2009年は暫定値。 0 Feb07 Jan08 Oct08 ●インド日本商工会(JCCII)会員数 2004年 105社 2011年4月1日現在 276社 Oct09 10-Oct 15 経済連携協定(EPA) ●2007年1月から交渉開始。2010年9月の第14回交渉会合で大筋合意に達し、同10月のシン首相訪日時に交渉完了を確 認。2011年2月16日に正式署名が前原外務大臣とシャルマ商工大臣の間で行われた。今後、日本の国会承認を経て発効。 ●日印互いにとり最大のGDP相手国とのEPA。日本にとり、BRICs諸国との初めての、インドにとり先進国との初めてのE PA。インドは韓国、ASEANとCEPAを妥結、EU、マレーシア等と交渉中。 ●物品の市場アクセスについては、インドは日本からの輸入の約90%、日本はインドからの輸入の約97%(双方向で約94 %)を10年間で無税にすることとしている。なお、印韓CEPAは、印側75%、韓国側90%。 ●物品貿易に加え,税関手続,サービス貿易,自然人の移動,投資,知的財産,TBT(強制規格,任意規格及び適合性評 価手続)及びSPS(衛生植物検疫措置),協力,ビジネス環境整備,政府調達,競争を含む包括的な協定。ビジネス環境整 備章により設置される委員会で、ビジネス界が直面する諸問題を取り上げることができることも当地日系企業の利点。 【参考】インド側が自由化する品目の一例 (カッコ内は現行税率) 1.鉱工業品 <自動車部品> エンジン関連部品(7.5~10%): 10年間で撤廃 マフラー(10%): 10年間で撤廃 ディーゼルエンジン(7.5%): 6年間で5%まで関税削減 ギアボックス(10%): 8年間で6.25%まで関税削減 <鉄鋼> 熱延鋼板,冷延鋼板,亜鉛めっき鋼板(同5%): 5年間で撤廃 合金鋼(5%): 5年間で撤廃 <電気・電子> DVDプレーヤー(10%): 10年間で撤廃 ビデオカメラ(10%): 10年間で撤廃 2.農林水産品 <農産品> 盆栽(5%): 5年間で撤廃 ながいも,もも,いちご,かき(すべて30%): 10年間で撤廃 【参考】日本側が自由化する品目の一例 (カッコ内は現行税率) <農産品・農産加工品> ランブータン(2.5%),ドリアン(2.5%)等: 即時撤廃 とうがらし(3%),スイートコーン(6%)等: 7年間で撤廃 カレー(3.6%)等: 10年間で撤廃 紅茶(3kg超・飲用)(2.5%): 10年間で撤廃 <林産品> 丸太(無税),製材(0~3.6%)等: 即時撤廃 単板(0~3.6%)等: 10年間で撤廃 <水産品> えび(1~2%)等: 即時撤廃 えび調製品(3.2~5.3%),くらげ(7%)等:10年間で撤廃 16 日印間及び日中国間の人的交流/経済的交流の比較 日・インド間 日・中国間 割合 日本人訪問者数(2009年) 124,219人 3,317,500人 1:27 訪日外客数(2009年) [ ] 内はうち観光客数 58,918人 [20,310人] 1,006,685人 [481,696人] 1:17 [1:24] 543人 79,082人 1:146 3,284人 125,928人 1:38 約1.1万人 約68.4万人 1:62 5組 333組 1:66 17便/週 556便/週 1:32 1兆435億円 21.7兆円 1:21 3,443億円 6,493億円 1:2 在日留学生数 (2009年5月1日現在) 在留邦人数 (2008年) 日本語学習者数(2006年) 姉妹都市、友好都市(2009年) 直行航空便数(2010年夏季、旅客) 貿易総額 (2009年) 日本からの直接投資額 (2009年) 全て暦年(1月~12月)。 出典:(日本人訪問者数・訪日外客数)日本政府観光局、(在日留学生数)日本学生支援機構、(在留邦人数)日本外務省、 (日本語学習者数)国際交流基金、(姉妹都市・友好都市)自治体国際化協会、(直行航空便数)日本国土交通省、 (貿易・投資額)日本財務省貿易統計より作成。 17 日本の対インド経済協力 ●1958年に円借款を開始(日本の円借款の第1号)。インドから見て日本は最大の二国間ドナーであり、また日本から見てイ ンドは過去7年間連続で円借款の最大の受取国(2009年度は約2,182億円)。デリーメトロが成功例として高い評価。 ●支援の重点目標(「対インド国別援助計画」による): ①経済成長の促進(電力、運輸等)、②貧困・環境問題の改善、③人 材育成・人的交流の拡充(人材育成、人的交流、日印知的交流等) ●有償資金協力主要案件 ★貨物専用鉄道建設計画(DFC):インド鉄道貨物輸送の約65%を担うデリー・ムンバイ間(西回廊)及びデリー・コルカタ 間(東回廊)、総延長約2,800kmの貨物輸送力を強化する計画。2010年3月にフェーズ1の本体借款を締結、 2010年7月 にフェーズ2のE/S借款を締結。2010年10月のシン首相訪日時には,両フェーズが同時並行的に早期に完成することを めざす旨表明した。 ●デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC):日本企業の対印投資にも資する形で、デリー・ムンバイ間に上記貨物鉄道、 工業団地、港湾等を整備する構想。2009年12月に、国際協力銀行(JBIC)とインドインフラ金融公社(IICFL)との間で、総 額7500万ドル限度の事業開発等金融の融資契約に調印。 2010年10月のシン首相訪日時にはDMIC計画の進展を加速 させることを表明した。また、日系企業コンソーシアムによるスマートコミュニティ事業(環境配慮型の都市開発)をデリー・ ムンバイ間の4箇所(マネサール、ダヘジ、チャンゴーダル、シェンドラ)で推進。 ●無償資金協力 従来より基礎生活分野に対する協力を中心に実施(ポリオ撲滅計画等)してきたが,2010年7月にイン ディラ・ガンディー国立放送大学教材制作センターへの機材供与(7億8700万円)を行った。 ●技術協力 ★2009年度末までの実績:研修生受入5,689人、専門家派遣971人。 ★青年海外協力隊の派遣:1979年以降停止されていたが、2006年から派遣再開。2009年度末までの実績は159人。 ★技術プロジェクト:医療保健、交通インフラ、農村開発、環境保全などの分野の他、2007年より製造業経営幹部育成 支援(VLFM)プロジェクトを実施し、製造業促進のための人材育成にも貢献(インド側からの強い要望により2013年ま で延長)。 ●草の根無償 貧困層の生活向上といった草の根レベルの活動を支援。2009年度は21件、1.6億円を実施。 18 2006年度対インド円借款案件所在地図 2009年度 経済協力 主要プロジェクト (含む継続案件) ポリオ撲滅計画 (無償)(全国対象) デリー高速輸送システム 建設計画(フェーズ2)(第五期) シッキム州生物多様性 保全・森林管理計画 インディラ・ガンディー国立放送大学 教材制作センター整備計画 (一般無償) コルカタ東西地下鉄 建設計画(第二期) 貨物専用鉄道 建設計画(フェーズ1) (第一期)および(第二期) (レワリ・バドーダラ間約950Km) 草の根文化無償(1件) 製造業経営幹部育成支援 (VLFM) レンガリ灌漑計画(III) (オリッサ州) 草の根・人間の安全保障無償 (21件) チェンナイ地下鉄 建設計画(第二期) 海外青年協力隊派遣 (各地,13名) [地球規模課題対応科学技術協力](2件) 「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク」 「日本とインドにおける低炭素技術の移転促進に関する研究」 技術協力 無償資金協力 19 有償資金協力