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10~12月期(PDF:64KB)
総務省統計局 家計調査 平成19年10∼12月期平均結果の概況 −家計収支編(二人以上の世帯)− Ⅰ 家計収支の概要 図2 消費支出の対前年同期実質増減率の推移 1 消費支出は4期連続の実質増加 (%) 5 平成19年10∼12月期の二人以上の世帯(平均世 消費支出(除く住居等 * ) 4 3 帯人員3.13人、世帯主の平均年齢55.7歳)の消費 2 支出は、1世帯当たり1か月平均310,496円で、前 1 0 年同期に比べ名目1.4%の増加、実質0.8%の増加 -1 となった。 -2 最近の消費支出の動きを対前年同期比でみると、 平成18年1∼3月期から18年10∼12月期まで4期 -3 -4 消費支出 -5 Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ 平成17年 18年 連続して減少していたが、19年1∼3月期以降は 4期連続して増加している(図1) 。 Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ 19年 Ⅲ Ⅳ *: 「住居」のほか、 「自動車等購入」 、 「贈与金」及び 「仕送り金」を除いている。図3も同じ。 図1 消費支出の対前年同期増減率の推移 (%) 5 季節調整済実質指数で消費支出の足元の動きを 4 みると、平成19年10∼12月期は前期に比べ実質 消費者物価指数変化率 3 0.9%の増加となっている。 2 1 また、消費支出(除く住居等注)についてみる 0 と、 平成19年10∼12月期は前期に比べ実質0.5%の -1 -2 増加となっている(図3) 。 -3 名目増減率 -4 実質増減率 図3 消費支出(季節調整済実質指数)の推移 -5 Ⅲ Ⅳ 平成17年 Ⅰ Ⅱ 18年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ 19年 Ⅲ Ⅳ (平成17年=100) 105 104 (注) Ⅰは1∼3月期、Ⅱは4∼6月期、Ⅲは7∼9月 期、Ⅳは10∼12月期を表す。以下同じ。 103 102 消費支出(除く住居等* ) 101 注 また、消費支出(除く住居等 )についてみる 100 99 と、平成19年10∼12月期は前年同期に比べ実質 98 97 1.0%の増加となっている(図2) 。 消費支出 96 95 (注) 「住居」のほか、「自動車等購入」、「贈与金」及び「仕送 り金」を除いている。これらの見方については、「家計調 査の結果を見る際のポイント」(下記URL)No.4を参照さ れたい。 http://www.stat.go.jp/data/kakei/point.htm Ⅲ Ⅳ 平成17年 1 Ⅰ 18年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 家計調査 総務省統計局 2 諸雑費などの「その他の消費支出」 、教養娯楽 などが実質増加に寄与 平成19年10∼12月期の消費支出の対前年同期実 また、授業料等(+0.18)を含む教育(+0.13) 、 質増減率に対する寄与度 (%) を費目別にみると、 設備修繕・維持(+0.28)を含む住居(+0.10) 、 諸雑費(+0.38) 、交際費(+0.36)などの「その 電気冷蔵庫などの家庭用耐久財(+0.04)を含む 他の消費支出」 (+1.11)のほか、テレビやパーソ 家具・家事用品(+0.05)も増加に寄与した。 ナルコンピュータなどの教養娯楽用耐久財 一方、自動車等関係費(−0.48)を含む交通・ (+0.32) 、 インターネット接続料や国内パック旅 通信(−0.45)のほか、食料(−0.24) 、被服及び 行費などの教養娯楽サービス(+0.14)を含む教 履物(−0.15) 、保健医療(−0.01)は消費支出の 養娯楽(+0.29)が消費支出の増加に大きく寄与 減少に寄与した(図4) 。 した。 図4 消費支出の対前年同期実質増減率に対する費目別寄与度 (%) -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 -0.24 -0.06 -0.05 -0.10 -0.17 -0.04 -0.04 -0.15 -0.10 -0.01 -0.04 -0.06 -0.45 -0.48 -0.04 -0.07 0.0 0.0 食 ( ( ( ( 住 ( ( 光 ( ( ( 家 ( 被 ( 保 ( ( ( 交 ( ( 教 ( ( 教 ( ( ( そ ( ( ( 魚 野 調 外 菜 理 介 ・ 海 食 類 藻 品 食 家 賃 地 代 設 備 修 繕 ・ 維 持 熱 ・ 水 電 気 代 ガ ス 代 上 下 水 道 料 具 ・ 家 事 用 家 庭 用 耐 久 財 服 及 び 履 洋 服 健 医 医 薬 品 保健医療用品・器具 保 健 医 療 サ ー ビ ス 通 ・ 通 自 動 車 等 関 係 費 通 信 授 補 業 料 等 習 教 育 養 娯 教 養 娯 楽 用 耐 久 財 教 養 娯 楽 用 品 教 養 娯 楽 サ ー ビ ス の 他 の 消 費 支 諸 雑 費 こ づ か い 交 際 費 料 ) ) ) ) 居 ) ) 道 ) ) ) 品 ) 物 ) 療 ) ) ) 信 ) ) 育 ) ) 楽 ) ) ) 出 ) ) ) (%) 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 0.04 0.10 0.28 0.00 0.08 0.05 0.04 0.09 0.10 0.13 0.18 0.29 0.32 0.14 1.11 0.38 0.32 0.36 (注) 1. 平成19年10∼12月期 2. グラフ中の黒棒の部分は10大費目を表す。 3. 「その他の消費支出」 、こづかい及び交際費の増減率の実質化には、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)を用いた。 2 家計調査 総務省統計局 Ⅱ 最近の家計消費の特徴 1 4期連続で実質増加となった サービスへの支出 消費支出の内訳を財・サービス区分別にみる ②インターネット接続料 インターネット接続料は、平成18年10∼12月 期以降、前年同期に比べ5期連続して10%以上 の実質増加となっており、19年10∼12月期は実 と、平成19年10∼12月期は、耐久財、半耐久財、 質15.0%の増加となった(図6) 。 非耐久財が共に前年同期に比べ実質減少となっ たが、サービスは実質2.4%の増加となった。最 図6 インターネット接続料の四半期別支出金額の 対前年同期実質増減率の推移 近のサービスへの支出の動きをみると、平成 19年1∼3月期以降4期連続して実質増加と (%) 25 実質増減率 名目増減率 なっている(表1) 。 20 15 表1 財・サービス区分別支出の 対前年同期実質増減率の推移 10 5 平 成 18年 財 (商 品 ) 19年 0 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ -2.3 -2.2 -3.4 -0.9 1.6 0.3 1.5 -1.5 耐久財 -9.5 -3.2 -5.6 5.6 10.5 2.9 14.6 半耐久財 -5.3 -4.5 -2.0 -2.7 5.7 2.9 -1.2 -4.1 非耐久財 -0.3 -1.6 -3.3 -1.3 -0.6 -0.5 0.4 -1.0 サービス -1.6 -1.1 -3.8 -0.7 3.2 3.4 1.4 2.4 -5 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 平成18年 -1.3 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 ②ケーブルテレビ受信料 ケーブルテレビ受信料は、平成18年4∼6月 期以降、前年同期に比べ3期連続して10%以上 の実質増加となった。平成19年1∼3月期以降 サービスの増加に寄与している主な品目の動 は、増加率は低下したものの、引き続き実質増 きをみると、次のようになっている。 加となっており、 10∼12月期は実質6.4%の増加 (1)IT関連サービス となった(図7) 。 ①移動電話通信料 移動電話通信料は、 平成19年1∼3月期以降、 図7 ケーブルテレビ受信料の四半期別支出金額の 対前年同期実質増減率の推移 増加率はやや低下したものの、引き続き前年同 (%) 25 期に比べ実質増加となっており、19年10∼12月 名目増減率 期は実質8.0%の増加となった(図5) 。 実質増減率 20 15 図5 移動電話通信料の四半期別支出金額の 対前年同期実質増減率の推移 10 (%) 25 5 0 20 実質増減率 -5 名目増減率 Ⅰ 15 平成18年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 10 5 0 -5 Ⅰ 平成18年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 3 家計調査 総務省統計局 2 注目される耐久財品目の動き (1)テレビ (2)その他のサービスへの支出 ①非貯蓄型保険料 テレビは、平成19年10∼12月期は前年同期に 非貯蓄型保険料は、様々なタイプの掛け捨て 比べ実質28.6%増と、19期連続して実質増加と 型医療保険が販売されたこともあり、平成18年 なっている。 また、 購入数量も平成19年7∼9月 4∼6月期以降、前年同期に比べ実質増加が続 期以降、2期連続して前年同期を上回っている いており、 19年10∼12月期は実質4.0%の増加と (図10) 。 なった(図8) 。 図10 テレビの四半期別支出金額の対前年同期 実質増減率及び購入数量増減率の推移 図8 非貯蓄型保険料の四半期別支出金額 の対前年同期実質増減率の推移 (%) 120 (%) 20 実質増減率 名目増減率 100 15 実質増減率 80 60 10 購入数量増減率 40 5 20 0 0 -20 -5 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 平成18年 Ⅱ Ⅲ Ⅰ Ⅳ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 平成18年 19年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 (2)パーソナルコンピュータ <参考> 非貯蓄型保険料の年齢階級別年間支出金額 パーソナルコンピュータは、最も普及してい 非貯蓄型保険料の支出金額を世帯主の年齢階 る基本ソフトの新バージョンが発売(平成19年 級別にみると、50∼59歳の世帯で最も多くなっ 1月)された19年1∼3月期は前年同期に比べ ている。また、平成19年は対前年増加率も50∼ 実質減少となったが、4∼6月期以降3期連続 59歳の世帯が最も大きくなっている(図9) 。 して実質増加となり、10∼12月は実質30.8%と なった(図11) 。 図9 非貯蓄型保険料の年齢階級別年間支出金額 −平成18年、19年− 図11 パーソナルコンピュータの四半期別支出金額 の対前年同期実質増減率の推移 (円) 100,000 平成18年 平成19年 (%) 80,000 110 60,000 90 実質増減率 70 40,000 50 20,000 名目増減率 30 10 0 平均 30歳未満 30∼39歳 40∼49歳 50∼59歳 60歳以上 -10 -30 Ⅰ 平成18年 4 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 家計調査 総務省統計局 (3)電気冷蔵庫 図13 灯油の四半期別支出金額の 対前年同期増減率の推移 電気冷蔵庫は、猛暑の影響もあり平成19年 (%) 60 7∼9月期は購入数量が前年同期に比べ17.6% (平成17年=100) 160 50 の増加となった。平成19年10∼12月期の購入数 150 消費者物価指数(右目盛) 40 140 30 130 20 120 (大容量、高性能)な機種の購入が増えたこと 10 110 0 100 により、支出金額は実質21.8%の増加となった -10 量は8.3%の減少となったものの、より高品質 90 -20 (図12) 。 80 名目増減率 (左目盛) -30 実質増減率 (左目盛) 70 -40 60 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 平成18年 図12 電気冷蔵庫の四半期別支出金額の対前年同期 実質増減率及び購入数量増減率の推移 (%) Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 (2)ガソリン 60 ガソリンは、平成18年10∼12月期、19年1∼ 50 40 3月期は、価格が下落したこともあり、実質増 実質増減率 30 購入数量増減率 加となった。平成19年4∼6月期以降は価格が 20 10 高騰したこともあり、3期連続して実質減少と 0 なっているが、10∼12月期は名目では増加と -10 -20 なった(図14) 。 -30 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 平成18年 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 図14 ガソリンの四半期別支出金額の 対前年同期増減率の推移 Ⅲ 最近の家計をめぐる事象 (%) 25 1 原油関連品目の動き (平成17年=100) 125 消費者物価指数(右目盛) 120 20 原油価格の高騰により、灯油及びガソリンの 価格が大幅に上昇した。これらの品目について 支出額の推移をみると、 次のようになっている。 15 115 10 110 5 105 0 100 -5 名目増減率 (左目盛) -10 (1)灯油 95 実質増減率 (左目盛) 90 85 -15 Ⅰ 灯油は、平成18年12月から19年2月までの記 平成18年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 録的な暖冬に加え、 価格が高騰したこともあり、 2 価格が上昇した主な食料 18年10∼12月期以降は前年同期に比べ5期連続 して実質減少となった。しかし、価格上昇の影 原材料費の高騰もあり、様々な商品やサービ 響で平成19年10∼12月期は名目11.7%の増加と スの価格の値上げが発表され、実施された。価 なった(図13) 。 格の上昇が世帯の購入に影響したとみられる品 目についてみると、次のようになっている。 5 家計調査 総務省統計局 (1)マヨネーズ・ドレッシング (2)魚介の缶詰 マヨネーズ・ドレッシングは、価格が大きく 魚介の缶詰は、平成19年7∼9月期は前年同 上昇した平成19年7∼9月期に前年同期に比べ 期に比べ名目実質共に増加となったが、価格が 名目実質共に減少となった。平成19年10∼12月 上昇した平成19年10∼12月期に名目実質共に減 期は名目では増加となったものの、実質では減 少となった(図16) 。 少となっている(図15) 。 図16 魚介の缶詰の四半期別支出金額の 対前年同期増減率の推移 図15 マヨネーズ・ドレッシングの四半期別 支出金額の対前年同期増減率の推移 (%) 15 10 (平成17年=100) 115 実質増減率 (左目盛) 名目増減率 (左目盛) (%) 20 名目増減率 (左目盛) 15 (平成17年=100) 110 実質増減率 (左目盛) 105 10 110 5 105 0 100 5 100 0 -5 95 -10 95 -5 消費者物価指数(右目盛) -10 90 消費者物価指数(右目盛) -15 90 -20 Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 平成18年 Ⅱ Ⅲ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 平成18年 85 -15 Ⅱ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 19年 Ⅳ 19年 コラム クレジットカードの利用と月別にみた消費支出の平均変化率 1 実収入に対するクレジット額の割合 2 月別にみた消費支出 注 実収入に対するクレジット額 の割合をみる と、クレジットカードの利用額が増えたことか ら、平成19年は5.7%と、昭和60年に比べ3.4ポ イント上昇している。 平成13年から19年までの期間について、月別 の消費支出の対前年同月実質平均変化率をみる と、7月及び12月の減少率がその他の月に比べ て大きくなっている。これはクレジットカード の普及により、賞与が支給される前に、耐久財 などをクレジットカードで購入する世帯が多く なったことなどによるとみられる。 (注)クレジット額は、 「分割払購入借入金」と「一括 払購入借入金」の合計額 図 実収入に対するクレジット額の割合の推移 (%) 7.0 5.7 6.0 4.8 5.0 4.4 4.0 4.0 2.7 3.0 2.3 2.7 2.9 3.2 3.2 3.0 3.2 3.4 3.1 4.0 4.1 5.0 5.1 5.2 (%) 図 月別にみた消費支出の対前年同月 実質平均変化率(平成13∼19年平均) 0.5 4.2 3.6 0.0 3.0 -0.2 2.4 -0.5 2.0 -0.5 -0.5 -0.4 -0.3 -0.3 -0.5 -0.5 -0.3 -0.5 1.0 -1.0 0.0 昭和 61年 62年 63年 平成 60年 元年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 7月及び12月を除く全ての月の平均変化率(-0.4) 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 (注) 平成11年以前は、 農林漁家世帯を除いた結果による。 -1.3 -1.3 -1.5 -2.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (平成 20 年3月 11 日 作成) 6 家計調査