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バーレン 220kV 海底 OF ケーブルプロジェクトの完成 バーレン 220kV 海底 OF ケーブルプロジェクトの完成 Completion of 220kV Submarine Oil-filled Cable Project in Bahrain *1 植 田 朝喜与 島 田 明 A. Ueda *1 A. Shimada 昼 田 幸 次 *3 本 越 伸 行 N. Motogoshi 斉 藤 秀 樹 K. Hiruta H. Saitoh *3 *1 藤 井 盛 *2 M. Fujii 飯 塚 久 夫 *2 H. Iizuka 要 約 1997 年,当社はバーレン国内の電力需要の増大に伴う安定した電力供給を目的として新しく建設されるヒッド発 電所と既設の変電所間を結ぶ 220kV 海底 OF ケーブルプロジェクトをバーレン水電力省(MEW)より受注した。こ のプロジェクトは,220kV 1C × 800mm 2 海底 OF ケーブル 3.3km × 2 回線と陸上 OF ケーブル 3.4km × 2 回線か らなり,陸上部で既設の 220kV 陸上 OF ケーブル線路に接続されることによって新しい電力供給網を構築した。 海底 OF ケーブルの製造に先立ち,CIGRE ELECTRA No.171 と IEC141-1 のタイプテストがコンサルタントの 立会の下に実施され合格した。海底 OF ケーブルは,3.3km 一連長で製造され,布設された。輸送船,布設船,艤 装,布設工法については,事前に詳細なルートサーベイと実ケーブルを使用した各種模擬実験を行って最適な大き さと方法を決定した。 本プロジェクトは契約から完工まで 17ヶ月と短納期であったが,1999 年 3 月に無事完工した。 キーワード:海底ケーブル,海底 OF ケーブル Summary In 1997, Mitsubishi Cable Industries Ltd. was awarded a full turn key contract by the Ministry of Electricity & Water (MEW), state of Bahrain for the supply and installation of 220kV submarine oil-filled cable circuits between the new Hidd power station facilities and the existing 220kV land oil-filled cable circuits at Manama. The intention of MEW is to obtain a stable power supply against the increasing demand on electrical power in Bahrain. Each circuit of project consists of 3.3km circuit length of 220kV submarine cables and 3.4km circuit length of 220kV land cables. Prior to the manufacturing, the submarine cable and accessories were type tested at the manufacturer's factory under the witness of the consultant representative in accordance with CIGRE ELECTRA No. 171 and IEC 141-1. The submarine cables were manufactured in one continuous length and shipped to Bahrain by cargo vessel. In Bahrain, the submarine cables were coiled on the cable laying barge and installed at 1.3 meter below the seabed. The commissioning tests were conducted on the newly installed submarine and land cables before jointing to the existing 220kV cable circuits. These test were finally repeated on the complete circuits after the connection of the new cables to the existing circuits. This project was successfully completed in March 1999 within the contract period only after 17 months from the awarding of contract. Key words: Submarine cable, Submarine oil-filled cable このヒッド発電所とマナマ側の既設 2 2 0 k V の電力ネッ 1.はじめに トワークへの接続方法としては,半島の北側を大きく迂回 バーレン国は中近東のサウジアラビア南東に浮かぶ人口 して 2 2 0 k V 陸上ケーブルで接続する方法と最短距離を 約 55 万人の島国である。バーレン水電力省(MEW)は,近 220kV 海底ケーブルで接続する方法の二つがあった。計画 年のバーレン国内の電力需要増大に対し安定した電力供給 のために,市街地マナマ地区の対岸にある半島に新しい て埋め立てられることになり,結局,トータルの建設コス ヒッド発電所の建設を計画していた。 トの安い海底ケーブルを使用して接続する方法が採用さ *1 電力・電線事業部 工事部 の途中で海底部 6km の約半分の 3km がコーズウェイとし *2 電力・電線事業部 海外プロジェクト部 − 9 − *3 尼崎製作所 第95号 平成11年6月 三 菱 電 線 工 業 時 報 れることになった。 バーレン湾内に位置し全長で 3.3km,最大水深 10m,底質 本プロジェクトは,バーレン国で初めての 220kV クラス は沈泥層と珊瑚礁からなっている。陸上部は,ヒッド側の の海底ケーブルプロジェクトであり,ヒッド地区の発電所 海を埋め立てたコーズウェイ内の 3 . 2 k m とマナマ側の既 建設工事と合わせて同国の国家的なプロジェクトとして 設ケーブルに接続する 0.2km からなっている。 位置付けられて進められた。 3.システム設計 2.ケーブル布設ルート 3.1 システム仕様 ケーブル布設ルートの概略を Fig. 1 に示す。海底部は, システムの概略仕様を Table 1 に示す。 3.2 システム系統図 システム系統図の概略を Fig. 2 に示す。 3.3 220kV 海底 OF ケーブルの仕様 220kV 海底OFケーブルの構造を Table 2 に,完成ケー ブルとその断面図を Fig. 3 と Fig. 4 にそれぞれ示す。 AL MANAMA AL HIDD 220kV 海底OFケーブル Embassy S/S Table 1 Specification of system コーズウェイ システム仕様 既設 220kV 陸上OFケ−ブル 220kV 陸上 OFケーブル Hidd P/S 項 目 単 位 仕様値 定格電圧 kV 220 最大運転電圧 kV 245 送電容量 MVA/cct 雷インパルスレベル kV 短絡容量 kA × 1 秒間 Umm Al Hassam S/S Fig. 1 Cable route of 220kV cables ケーブル布設ルート 300 1,050 40 Embassy S/S 3 6 Hidd S/S GP 8 7 2 9 GP 1 AG AG GP 2 15 5 A 4 13 GP AG 12 Umm Al Hassam S/S 14 5 A GP 10 AG 11 1 220kV 1C×800mm2 海底OFケーブル 7 油止接続箱 13 パイロットケーブル用接続箱 2 220kV 1C×800mm2 陸上OFケーブル 8 絶縁接続箱 14 パイロットケーブル用接続箱 3 既設220kV 1C×800mm2 陸上OFケーブル 9 GIS用終端箱 15 マーシャリングボックス 4 61対 海底パイロットケーブル 10 アラームゲージパネル 16 警報受信装置 5 61対 陸上パイロットケーブル 11 ゲージパネル 6 既設61対 陸上パイロットケーブル 12 内ガス型PT Fig. 2 Schematic diagram of 220kV cable system システム系統図 − 10 − 16 バーレン 220kV 海底 OF ケーブルプロジェクトの完成 Table 2 Construction of 220kV submarine oil-filled cable 主な特徴は以下のとおりである。 220kV 海底 OF ケーブルの構造表 ) 導体 単 位 項 目 製造∼布設までの間に行われるコイル巻き時のケーブ 設計値 1 導体 線心数 公称断面積 mm2 ルの可とう性を考慮して,中空円形撚線構造とした。 800 構 成 * 絶縁体 中空円形撚線 mm 39 絶縁厚については,陸上 OF ケーブルと同じ 14.9mm を 油通路 内径 mm 12 採用した。 絶縁体 mm 平均厚 14.9 鉛合金シース mm 平均厚 2.9 外 径 + 帰路導体 単心海底ケーブルの場合,導体サイズが大きく送電電流 2.8mmφ × 83 本 帰路導体 中密度ポリエチレン防食層 mm ポリプロピレン座床 mm 鉄線鎧装 平均厚 4.2 が大きくなると,鉄線鎧装に流れる帰路電流の影響で鉄 平均厚 2.5 線ロスが大きくなり,結果として許容電流が極端に低下 6mmφ × 51 本 してしまう。この対策として,500mm2 の帰路導体を設 ポリプロピレンサービング mm 平均厚 3.5 仕上外径 mm 128 けた。 , 防食層 仕上質量 kg/m 40.2 最大導体抵抗(at20℃) Ω/km 0.0221 耐水性が良く,外傷に強い中密度ポリエチレンを採用し 最大静電容量 µF/km 0.330 kV/mm 12.8 た。 最大使用電位傾度(at142kV) - 鉄線鎧装 最大水深が 10m と浅いこととケーブル全長を埋設する ことから,6mmΦ の 1 重鉄線を採用した。座床,サービ ング層には,機械性能,耐腐食性能共に優れたポリプロ ピレンを採用した。 3.4 接地システム設計 海底ケーブル部は両端接地方式を,陸上ケーブルはヒッ ド側の新設部はクロスボンド方式を,マナマ側の既設ケー ブルへのつなぎ込み部分を含めた一部分はスパン数の関 係で片端接地方式をそれぞれ採用した。 3.5 給油システム設計 余裕油量(海底部 100リットル/相以上,陸上部 10リッ トル/相以上)を考慮して,最も経済的な内ガス型 PTで両 端から給油する方式を採用した。更に緊急時の対応とし て,海底ケーブルの両端にスペアの PTを各 1台/回線ずつ 据え付けることにした。 Fig. 3 220kV submarine oil-filled cable 3.6 警報システム設計 220kV 海底 OF ケーブル システム内の油圧を確実に監視することと誤動作を無 くすために以下の設計を採用した。 油通路 ①地震他の振動による誤動作を防止するために,警報受信 導体 回路の中にリレータイマーを取り付けた。 絶縁体 ②警報受信装置内の結露防止対策として,装置内に湿度・ 合金鉛シース 温度コントロールセンサーを取り付けた。 帰路導体 防食層 4.タイプテスト 黄銅テープ ポリプロピレン座床 220kV 海底 OF ケーブルとそのリペアジョイントがタイ 亜鉛メッキ鉄線鎧装 プテストの試験対象になり C I G R E R e c o m m e n d a t i o n ポリプロピレンサービング Fig. 4 Cross section of 220kV submarine oil-filled cable 220kV 海底 OF ケーブル断面図 ELECTRA No. 171(April 1997)と IEC 141-1(1993)に 規定されている機械試験と電気試験を実施することに なった。タイプテストは,1 9 9 8 年 4 月にコンサルタント − 11 − 第95号 平成11年6月 三 菱 電 線 工 業 時 報 (Mott Ewbank Preece)の立会の下に行われ,無事合格し 5.2 出荷試験 た。 1998 年 8 月 に 客 先 と コ ン サ ル タ ン ト の 立 会 の 下 に 詳細な試験条件とその結果を Table 3 に,引張り曲げ試 IEC141-1 のルーチンテストとスペシャルテストの試験を 験の試験状況を Fig. 5 に示す。 実施し無事合格した。 5.海底ケーブルの製造及び出荷試験 6.ケーブル布設方法の検討 5.1 海底ケーブルの製造 6.1 ケーブル布設仕様 単位製造長の長い海底ケーブルの製造においては,いか ケーブルを最低 1m の深さに埋設すること,および揚陸 に全長にわたって品質管理を行うかがポイントになる。今 地点を除き回線間の距離を 1 0 0 m とすることが要求され 回の海底OFケーブルの製造にあたっては,事前に抽出し た。要求埋設深度が浅いのは,この布設場所が比較的小型 た品質管理項目について関係者で十分に事前検討を行い, 船舶が航行する浅い海であり,船舶のアンカーによるケー 万全の対策を施して製造を完了した。 ブル外傷対策として 1m 埋設深度で十分なためである。 Table 3 Test conditions and results of type test 6.2 ケーブル布設方法 タイプテストの試験条件と結果 海底部はケーブルが 1 ケ所に集中するケーブル揚陸部近 試験項目 試験条件 1. コイル取り試験 コイル取り半径:5m (ケーブル) 傍をプレトレンチ方式とし,残りの部分は,鋤式の埋設機 試験後のケーブ を使用してケーブル 2 本を布設同時埋設することとした。 ジョッキーの高さ:11m ルの解体調査結 コイル取り回数:4 回 果は,異常なし 2.引張り曲げ試験 曲げ径:5.8m (ケーブル) 結果 ケーブル布設形態図を Fig. 6 に示す。埋設深度は,許容 3項の電気試験後 * 張 力:84,000N(8,570kg) の ケーブル解体 巻付け,巻戻し回数:3 サイクル 調査結果は、異常 MANAMA 1 cct なし 3 .引張り曲げ試験 誘電正接温度特性試験 後の電気試験 (ケーブル) HIDD 良 1 cct AC 長時間耐圧試験:325kV × 24 時間 インパルス耐電圧試験:±1,050kV ×各10 回 AC 耐電圧試験:228kV × 15 分 4.外部水圧試験 (ケーブル) 内外部圧力差:0.10MPa(1.0kgf/cm 2) 試験後のケーブ 印加時間:48 時間 ルの解体調査結 プレ トレンチ 機械埋設 プレ トレンチ A B 100m60m C 2560m B D 160m 40m 220kV 海底ケーブル ルート 果は,異常なし 5.内部圧力試験 (ケーブル) 内部圧力:1.26MPa(12.9kgf/cm 2) 試験後のケーブ 印加時間:24 時間 ルの解体調査結 セクションA 果は,異常なし 6.電気試験 220kV 海底OFケーブル 海底パイロットケーブル インパルス耐電圧試験:±1,050kV ×各10 回 良 1.3m (リペアジョイント) AC 長時間耐圧試験:325kV × 24 時間 *:今回は、特に水深 200m に相当する張力が要求された。 11m セクションB 1.3m 5m セクションC 1.3m 20m セクションD 1.3m Fig. 5 Tensile bending test on 220kV submarine oil-filled 17m Fig. 6 Cable arrangement in submarine cable route cable 220kV 海底 OF ケーブルの引張り曲げ試験 海底ケーブル布設形態図 − 12 − バーレン 220kV 海底 OF ケーブルプロジェクトの完成 電流への配慮及び確実に1m深さ以上に埋設するため 使用機材現場搬入 1.3m を設定値とした。 作業許認可 揚陸地点のケーブル防護方法として,既設ケーブルへの カットインとなるマナマ側はコンクリートトラフ内に 布設台船艤装 ケーブルを収納する方式とし,また反対側のヒッド側新設 試行テスト準備 コーズウェイでは,護岸工事の都合により事前に布設され 汀線部工事 両端部掘削工事 汀線部工事 両端部埋め戻し工事 試航 るダクト内を通す設計とした。ケーブル布設には 7 0 m 級 バージを採用し,バージ上 2 ケ所にコイルどりしたケーブ ケーブル積込み ルを上段より順番に各コイルから1本づつ同時に2本,ホー 布設準備 リングマシーンにより牽引し,埋設機に繰り出し布設同時 Manama側陸揚げ 埋設することとした。 ケーブル布設バージはアンカリング方式とした。また 布設準備 ケーブルの布設張力が作用する船尾スキッド(船尾の R ガ 布設 布設4回 Hidd側陸揚げ イド)の曲げ半径は 3.3m以上に,その他のRガイドは2.5m 残線処理 以上となるように艤装設計を行った。 布設台船艤装解除 6.3 埋設機 完了 埋設方式として,全長プレトレンチの案も並行して検討 したが,限られた契約工事期間内に布設を実施しなければ Fig. 7 Work flow (Submarine cable installation) ワーク フロー(海底ケーブル) ならないことにより機械埋設方式を採用した。 埋設機は 2 条同時鋤式でケーブル布設と同期して埋設で きる方式とし,布設条件・現地地質データを基に新たに製 作した。また埋設機の実作業時に働く張力を,グラプネル アンカーで実布設ルート上を模擬牽引実験し確認した。ま た,埋設機の最終組立後試運転を実施し埋設性能確認を 行った上でバーレンでの実作業に供することとした。 7.布設工事 7.1 ケーブル輸送及びケーブル積み替え 電力海底ケーブル 6 条及びパイロット海底ケーブル 2 条 の計 8 条を船倉にコイル取りし,専用輸送船にて現地バー レン(ミナサルマン港)に輸送した。日本でのケーブル積 み込みには,ケーブルコイラーを用いて実施した。現地で Fig. 8 は輸送船が到着するまでに布設バージ上の主な艤装を終 Cable landing work ケーブル揚陸作業風景 えて,輸送船到着後ケーブルコイラー・ホーリングマシー ン等をバージに積み替え据え付けた後,それらを使用して ケーブルを輸送船より引き出し,布設バージのやぐらまで 押し上げ,コイル状に落とし込む方法によりケーブル積み 替えを実施した。 7.2 布設 海底ケーブルの布設部分のワークフローを F i g . 7 に示 す。布設方式としては2条同時布設を採用したので合計4回 のケーブル布設航行となった。最初のケーブル揚陸を1998 年 10 月 26 日に開始し,予定どおり 11 月 15 日にすべての 海底ケーブルを布設した。揚陸作業時の写真をFig. 8に,ま た布設バージ全景を Fig. 9 に示す。 Fig. 9 Cable laying barge ケーブル布設バージ全景 − 13 − 第95号 平成11年6月 三 菱 電 線 工 業 時 報 で 17 ケ月と短い納期であったが,1999 年 3 月 21 日に全工 8.現地試験 事を無事完了した。 8.1 仕様 最後に本プロジェクト遂行にあたり,ご指導とご援助を 今回布設した海底ケーブル及び陸上ケーブルは,まずこ 頂いた客先の MEW,コンサルタントの MEP社ならびにご れらのケーブル単独で DC510kV/15分の耐圧試験に供され 協力を頂いた他関係会社各位に深く感謝致します。 る。最終試験として既設ケーブルとの接続作業後 DC300kV/15 分を印加する。 完成した回線については OF ケーブルの通常の試験項目 (導体抵抗試験,防食層の耐圧試験,油流抵抗試験,ガス定 数試験)の他に正相・逆相・零相インピーダンスの試験が 植田朝喜与(うえだ あさきよ) 電力・電線事業部 工事部(バーレン駐在) 海外電力ケーブルプロジェクト業務に従事 電気学会会員 要求された。 8.2 結果 島田 明(しまだ あきら) 耐圧試験を含めすべての試験は問題なく合格した。新設 電力・電線事業部 工事部 部のみの 5 1 0 k V の耐圧試験では既設ケーブルとの接続側 海底ケーブル全般に亘る技術・開発に従事 に試験用の気中終端部を組立てて試験に供した。試験風景 を Fig. 10 に示す。 本越伸行(もとごし のぶゆき) 電力・電線事業部 工事部 大阪工事課 ケーブル布設工事システムの設計業務に従事 藤井 盛(ふじい もり) 電力・電線事業部 海外プロジェクト部 海外工事課 海外電力ケーブルプロジェクト業務に従事 電気学会会員 Fig. 10 Test end for DC510 kV 直流 510kV 試験用気中終端及び試験風景 昼田幸次(ひるた こうじ) 尼崎製作所 電力製造課 インピーダンスの測定では,従来当社が日本国内で経験 高圧電力ケーブルの製造に従事 のある測定方式をそのまま適用することとし, 回線に 100A 程度の電流を供する電源装置と測定機器を現地に持 ち込み測定を行った。正相・逆相インピーダンスは計算値 に非常に近い値が得られ,計算モデルが正しいことが判っ 斉藤秀樹(さいとう ひでき) た。 尼崎製作所 生産技術課 一方,零相インピーダンスについては事前の計算値とか 高圧CVおよびOFケーブルの設計業務に従事 なり異なった値が得られたが,鉄線鎧装の内部インダクタ ンス及び片端接地箇所の平行地線のインダクタンスの影 響を考慮することにより近い値が得られた。 すべての試験は契約工期内に計画通り終了し,本プロ ジェクトは 1999 年 3月 21 日竣工,同月 25 日より実運転に 供された。 飯塚久夫(いいづか ひさお) 電力・電線事業部 海外プロジェクト部 海外技術課 高電圧ケーブルシステムの開発,設計業務に従事 9.む す び 本プロジェクトは,現在の AC 送電海底ケーブルの中で 最高電圧クラスに位置付けられる。また,契約から完工ま − 14 −