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人財育成と社内研修の取組み

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人財育成と社内研修の取組み
文書番号:14HRD-W001号
人財育成と社内研修の取組み
平成26年 11月8日
人財開発部 中尾善孝
Copyright© 2012-2014 KUBOTA Systems Inc. All Rights Reserved.
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1. はじめに
当社は株式会社クボタの情報処理業務を担う子会社です。
製造業を中心とした内販、外販のシステム開発・運用事業
の他、CADや自社パッケージの開発、販売も行っています。
人財育成を企画・推進する部門としてH24年4月に3名で発足。各部
門の教育・訓練計画とキャリアプランを取りまとめ、新入社員研修や社
内研修、OJD(OJT+OFFJT+自己啓発)支援などを行っています。
人財育成部門の発足から2年半が経ち、これまで取り組んできた研修
および施策について、ご意見やご教示を賜りたいと考えます。
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1.1 人財育成目標
人財育成の目標(Human Resource Development Program)
自律考動(行動)型要員の育成
自ら問題と課題を見つけ出し、解決へと繋げられる姿勢を目標とする。
「気付く」「論理的に考える」ことを基本に、行動できる人材を育てることを目的とする。
企業風土・文化
経営環境
トップのビジョン
組織戦略
人事戦略
人事制度・営業施策
社員のやりがいを醸成
社会・お客様へ貢献
① トップのビジョンに沿った人材育成
② 事業方針に沿ったスキルマップ
③ 【自律考動型社員】への意識改革
④ 働きがいのある職場環境づくり
⑤ 将来を背負って行く人創り
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1.2 人財開発部の存在意義
中期計画
目標
人財ポートフォリオ
事業目標を達成するための
人作り/組織作り
(業務コンサル、PMの早期育成)
クボタグループの
ITブレーンとなる
売上高、経常利益の達成
大口 案件獲得
人の成長が、会社を成長させる
自己把握
個人目標
人財育成体系
(Skill Compass)
(キャリアパス)
(研修ガイド)
人間力育成
事業育成
経営理念
人作り支援
人財開発部
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組織作り支援
1.3 人財育成のアウトライン
研修種別
新入社員研修
(内定期間教育)
キャリア開発研修
職
種
別
ス
キ
ル
研
修
コンセプチュアル
ヒューマン
テクニカル
品質管理
自己啓発支援
研修内容
研修目標
社会人としての職場や地域社会との多様な人々と協力して仕事がで 社会人基礎力
きる基礎能力を身に付ける。IT技術者としての基本知識の取得、プ IT基礎力、
ログラミング開発の基礎知識を修得する。
プログラミング基本開発力
企業ニーズに合致した能力を持つ人材の育成と、社員のキャリアプ
ランの実現を目指して行われる長期的、計画的な職務開発および能
力開発。
知識や情報などを体系的に組み合わせ、複雑な物事や課題を概念
化することにより、物事の本質を把握する能力のこと。
概念化能力とも言われ、抽象的な考えや物事の大枠を理解する力
を育成する。
教育・研修制度と
ローテーションなどの
異動・再配置
他者や周囲との円滑な関係を構築・維持する能力。
対人関係能力とも言われ、職務を遂行していく上で他者との良好な
関係を築く力を育成する。
コミュニケーション力、
ネゴシエーション力
ある特定の職務を遂行するのに必要とされる能力。
職務遂行能力とも言われ、その職務を遂行する上で必要となる専門
的な技術知識を育成する。
QMS、CMS,ITSMS等を円滑に遂行するための部門内部監査員。
検査員を教育する。研修においては、一般研修に加え、力量評価が
出来るeラーニングを取入れている。
従業員自らの意思によって能力開発、スキル習得を図る。
企業から与えられるものだけでなく、自己のキャリアを実現する
観点から積極的に自己啓発に取り組む。
開発技術力
開発知識
テクニカル研修(受講し放題)
QMS,CMS,ITSMS内部
監査員、QMS検査員、
ITSMS教育
語学研修
(TOEIC600点)
通信教育(資格取得)
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論理思考力、洞察力、
創造力、状況判断能力、
問題解決力、応用力
1.4 人財育成体系(階層別研修)
1年目
内定時
(選抜研修)
2年目
3年目
5年目
6年目~
発表会 PM/コンサル研修
高度IT技術者育成
ジェネラリスト育成
マネジャー研修
6ヵ月後
通信教育
ビジネス研修
リーダー研修
3ヵ月後
技術者研修
3ヵ月後
OJD 研修
6ヵ月後
1年後
自律研修
会社人教育
IT基礎教育
12月
3月
他者の「意」
ヒューマンスキル習得
入社準備
入社前研修
キャリア研修
(3年目、10年目)
コーチング研修
自
分
の
「
意
」
ミドル研修
(40才)
シニア研修
「意」の探索隊
(50才)
(1年目、5年目)
新入社員研修
6ヵ月フォロー研修
1年目フォロー研修
2年目社員研修
2年目フォロー研修
OJD研修
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3年目社員研修
3年目フォロー研修
5年目社員研修
5年目フォロー研修
スキル診断(Skill Compass)
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中核社員研修
ミドル研修
シニア研修
1.5 次世代リーダー候補育成
社会・経済環境の急速な変化により、組織が若手社員に期待する成長のスピード
も速まっています。しかし、若手社員がそのスピードについて行けず、戦力化できて
いない問題も起きています。 そこで、若手社員には次世代リーダー候補としての期
待を明確に伝えると共に、早い時期からキャリア開発意識の醸成や段階的なスキル
アップを支援することで、若手社員に持続的な成長に取組んでいます。
<育成の目安>
入社
半年~1年
2~3年
コンセプチュアルスキル
ヒューマンスキル
テクニカルスキル
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4年~5年
2. 社内研修(社外の研修利用含む)
社内研修
コンセプチュ
アル
受講し放題研修
クボタ研修センター
ヒューマン
スキル
テクニカル
通信教育助成制度
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2.1 社内研修マップ
平成26年度
既存
教育・訓練マップ、及び、業務フロー
新規
今後開催
職務階層
事業部長
部長層
マネジャー層
コンセプチュアル(C)
ヒューマン(D)
ポストマネジャー研修
ミドル研修
㊯ 上級職研修(8種類)
中核社員研修
中核社員
5年目社員研修
㊯ 基本事業戦略入門
OJDコーチング
㊯ 基礎マーケティング
自己啓発
(H)
品質管理研修(G)
㊯ 基礎決算書の読方
3年目社員研修
㊯ 基礎論理的思考
行
動
セ
ル
フ
マ
ネ
ン
ジ
メ
ン
ト
フ
ァ
シ
リ
テ
ー
シ
ョ
ン
戦
略
的
交
渉
術
間
力
向
上
」
研
修
㊯
PM研修(中級)
㊯営業戦略勉強会
PM(研修)フォロー
要件定義
PM研修(初級)
運用設計
提案書作成
設計・開発
経営戦略入門
㊯
QMS内部監査員教育
SE養成講座
eCMS内部監査員教育
eITSMS内部監査員教育
eQMS検査員教育
WBS/EVM実践
ITSMS教育
テスト実践
通
信
教
育
㊯
T
O
E
I
C
対
策
レ
ッ
ス
ン
初
級
T
O
E
I
C
対
策
レ
ッ
ス
ン
上
級
e
I
T
用
語
研
修
(
㊯ クループ会社合同研修
仕
事
の
5
力
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
力
強
化
リ
ー
ダ
ー
シ
ッ
プ
力
強
化
「
㊯ 人
)
新入社員研修
内定者研修
社外連携
(外部セミナー)
㊯ 女性研修(上司研修)
㊯ LDP(7つの習慣)
㊯テクニカル研修
㊯女性研修(本人)
ベンダー研修
クボタ教育センター連携
事業部OJD
技術事例発表会
全社共通
AEON連携
事業部研修(OJT)
外部セミナー受講報告
主催部門
総務/人財開発部
総務部
キャリアマップ
業務経歴
支援ツール
人財ポートフォリオ
スキルマップ
トレーニー制度
資格取得管理
人財開発部
人財開発部
品質管理部
人財開発部
eラーニング
スキルバランスシート
QMS/CMS
外部教育機関
行動指針
スキルピラミッド
ITSMS
通信教育制度
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ITSS Skill Compass
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研修受講情報
論
文
作
成
添
( )
㊯ Javaプログラミング
ビ
ジ
ネ
ス
文
書
ロ
ジ
カ
ル
シ
ン
キ
ン
グ
面
接
官
ト
レ
ー
ニ
ン
グ
)
リクルーター
2年目社員研修
新入社員
内定者
PM研修(F)
(
若手社員
テクニカル(E)
部長
マネジャー研修
新任マネジャー研修
上級職層
㊯ 外部協力
職種別スキル研修
新入社員研修(A)
キャリア開発研修(B)
e
eラーニング
2.2 他部門や他社との連携
研修アライアンス(講師共有)
総務部
新卒採用、内定者教育
新入社員研修(4月~6月)
キャリアプラン作成(合宿)
他社
人財
開発部
社内
部門
スキル診断と対策支援
PMO(Project Management office)
品質
保証部
OJT,OFFJT,自己啓発支援
品質セキュリティ関連の研修
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各部門の教育訓練計画
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(1)新入社員研修(総務部)
強制ではなく、自己啓発の勧め
• 社会人意識(ダイヤモンド社 フレッシャーズコース)
• 図書提供(勝ち残りSEの分岐点)
• ITパスポート受験推奨(特に文系内定者)
• 情報処理技術者試験の支援(eラーニング)
• TOEIC
主体性重視の自律考動型社員へ
• グループ会社合同研修会(CSR, マナー)
• 「意」の探索隊(社長、部門長インタビュー)
• 仕事の5力、報連相などヒューマンスキル研修
• ソフトウェアエンジニアリングの「わたおし運動(※)」
• Java言語教育(3週間の社外研修)
• 工場見学(主力事業とルーツ事業)
• 疑似プロジェクト(企画、設計製造、テスト)
※わたおし運動とは「私教えます研修」のこと。新入社員が順番に講師になって教える。
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(2)研修アライアンス
• 気付きと
取り組み
• 30代社員
合宿研修
社員
交流会
キャリア
プラン
オリジナル
研修
高度IT
技術者
• 出張講師
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• 論文など
試験対策
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2.3 発表会・その他
毎年秋に開催
基調講演、技術発表、事例発表
技術研究
事例発表
セミナー
受講報告
他部門への展開によって活用
効果が望めるセミナーを発表
人財
開発部
戦略的
交渉力
面接官
トレーニング
1日目:交渉の基本、テクニック
2日目:交渉のロールプレー
企画提案
コンペ
中堅社員による新事業
や改善提案のプレゼン
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3. 研修で難しいと思うこと
難しい所
キャリアプラン研修
ベテラン社員向けは難しい
PMとコンサルの研修
顧客や開発方式で異なる
知恵を共有する仕組
集団活動の経験が乏しい
ロールプレイ研修
顔なじみの講師では難しい
セオリーを教える研修
頭で納得できない人がいる
ヒューマンスキル研修
どこまで一般化できるか
研修後のフォロー
行動変容と定着化が困難
リーダー育成研修
焦点が絞りきれない(※)
ドーナツ知識の研修
職人気質の社員が減少
※リーダーシップ、フォロワーシップ、メンバーシップ、パートナーシップの上下左右の関連性
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3.1 キャリアプラン研修(二刀流への道)
一刀流から二刀流に幅を広げる効果的な施策はローテーションであるが、
なかなか難しい。キャリアプランニング研修でベテランを変えられるか?
一刀流
も1つ覚えて
二刀流
プログラム経験の
ないSE
プログラミングか
コンサルの習得
前工程は神様、
後工程はお客様
概念知識なしの
たたき上げ
資格の取得
鬼に金棒
その道、うん十年
異なる分野の
テクニカル習得
のこぎり曲線
我流のプロジェクト
管理
デファクトスタン
ダードの学習
大規模プロジェクト
のPMに抜擢
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3.2 行動変容と定着化
中途入社社員は即戦力として難しい職場に配属される。挫折しないよ
うに、社風や文化の正しい認識をヒューマンスキル研修に反映している。
また、研修アンケートで「役に立つ」の点数が高いが「目的達成」は低い。
行動変容と定着化を進めていきたい。
例えば、若山先生の「う~ん、ちょっと待った!7箇条」を借りて
おかしい個所
該当する7箇条
理由
前の会社でPMをやっていたから、
ここでもすぐにPMをやれる
因果関係に第3の
変数がある
プロジェクトメンバーや顧客と
の信頼関係が先
この開発は、新しいシステムの仕組み
で実績を作るのにちょうど良い
本当の目的は何
か?
システムの仕組みや作り方は
手段であって目的ではない
前任者の作った見積りやスケジュール
に間違いない
鵜呑みの危険性
見積りとスケジュールは誰が
やっても予測でしかない
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3.3 ドーナツ知識(職人気質)の減少
リーダーに必要な「広い心」や「勇敢な行動」などの考え方や熱意、ある
いは、常識の外側にあるドーナツ知識(職人のメタ知識)を研修で一般の
人に教えることができるか?(徒弟制度の復活が必要?)
(君島先生の方程式)
知識
スキル
経験
考え方 × 能力(熱意)
メタ
知識
みんな知っている知識
経験:手間がかかる所や近道を知っている
メタ知識:間違わないで要領よく達成する知恵
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知らないやらない知識
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