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5GHz帯MIMOソフトウェア無線機の構築

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5GHz帯MIMOソフトウェア無線機の構築
社団法人 電子情報通信学会
信学技報
招待論文 帯 ソフトウェア無線機の構築
阪口
啓
水谷
慶
高田
潤一
荒木
東京工業大学
〒 目黒区大岡山 純道
本稿では 帯 システムの研究開発を目的として構築した ソフトウェア無線機を紹介
あらまし
する.本無線機はベースバンド信号処理部に複数の ・
を有しており,これらのソフトウェアおよび 上に実装された上位レイヤプログラムを書き換えることにより任意の システムを実装可能である.また本無
線機は 帯において実験無線局免許を有しており,本ハードウェアを導入することにより実環境において様々な
通信方式の評価や, 伝搬特性の測定を行うことができる.さらにハードウェアドライバとして無線セ
キュリティマネージャを実装することにより,安全なソフトウェアのダウンロード,認証,インストール,実行管理
電波法に関連するパラメタの監視 を可能とするソフトウェア管理アーキテクチャを実現している.
キーワード
ソフトウェア無線機, システム,無線セキュリティマネージャ ソフトウェア管理アーキテクチャ
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はじめに
や などに代表されるプログラマブルロジックの
発展にともないソフトウェア無線機の試作・実用化が行われつ
つある.例えば では をターゲットとしたマルチモード
つかである.
よって現在実用化されているソフトウェア無線機はコストと
サイズに関する制限が少ない分野に限られている.例えば軍需
産業では などにおいて米国における軍事通信の標準規格
である !"#$% &'("( ' $)("%"&$% *+ に準拠
ソフトウェア無線端末が試作された.また ∼ では,それ
, と ,
と のデュアルモード端末が
したソフトウェア無線機が製品化されている.民需では , 米国
ソフトウェア無線技術を用いて試作された.しかし,これら商
得した初めての商用ソフトウェア無線機であり,セキュリティ
用ソフトウェア無線端末を実用化するためには,技術的また制
対策も充分に施されているものと考えられる.またアマチュア
度的に解決せねばならぬ問題が多々ある.すなわち如何にコス
無線の世界では,その自由度の高さやユーザの好奇心からソフ
トを下げ,如何にサイズを小さくし,如何にセキュリティを保
トウェア無線化が進み,/ などの製品が一般に販売されている.
ぞれ と などがソフトウェア無線基地局を製品化している.特に , は
%%$- &'("( '. (..( '* + の認可を取
00
一方,研究開発を目的としたソフトウェア無線プラットホー
ムも多く製品化されている.例えば では
1
ソフトウェア無線ハードウェア
系も含
めた製品が販売されており,無線通信システムのハードウェア
本節では構築した
3 ソフトウェア無線機のハードウェ
プロトタイピングやカスタムメイド実験装置として多くの技
アアーキテクチャおよびソフトウェア実装アーキテクチャを紹
術者が利用しているものと考えられる.そもそもソフトウェア
介する.
ハードウェアアーキテクチャ
無線機とはソフトウェアを入れ替えることによって任意のシス
テムに変更可能であるため,既存のシステムを実装するより
図 に筆者らが設計・製作した 3 ソフトウェア無線プ
は,これから標準化しようとするシステムや世の中にはない独
ラットホームの写真を示す.本プラットホームは無線機の機能
自の実験装置を実装することに適していると考えられる.そこ
毎に複数のボード *1 ボード:図 *+,3 ボード:図 *+,
で筆者らは近年話題となっている
&-"('2&" &-"(3&"2&"
*3+ システムの研究開発を目的とした 3 ソフトウェ
ベースバンド送信フロントエンドボード:図 *+,ベースバン
ア無線機の構築を考えた.
理ボード:図 *%+,および
や などを備えたソフトウェア無線プラット
ホームにカスタムメイドの 1 もしくはアップ4ダウンコンバー
*+,ベースバンド信号処
7 ボード+ から構成され,それ
らが 2" *+ 7 のラックに収められている *図
*:++.これらに図 *!+ のアレーアンテナと市販の レシー
バを接続することで 3 ソフトウェア無線トランシーバが
完成する. レシーバは後に示す無線セキュリティマネー
ト機能を有する測定器を組合わせた構成となっている.よって
ジャの位置管理機能として用いる.この様に機能毎に分けて
3 システムのプロトタイプハードウェアに関しては筆
者らも含めて多くの報告がなされている ∼.これらの
多くは
や のプログラムを書き換えることによって,様々
な 3 通信方式の評価や 3 伝搬特性測定装置の実装
を行うことができる.筆者らは構築した 3 ソフトウェア
無線機に対して 5 帯における実験無線局免許を取得し,実
環境において誤り率の評価 やリアルタイムの伝搬測定 6,
モデルハウスにおける伝送容量解析 を行っている.この
3 ソフトウェア無線機は既に製品化されており,本ハード
ウェアを導入することで誰でも 3 システムの研究開発が
行える状態となっている.
本 3 ソフトウェア無線機を実際に運用するに際しては
ド受信フロントエンドボード:図
ハードウェアを構成することによって,例えばターゲット周波
数の変更 *1 ・3 ボードの変更+ やシステム構成の変更 *デュ
プレクス/シンプレクス+ を容易に行うことができ,研究開発
の効率化を図ることができる.
次に 1 ・3 ボードの詳細な回路図を図 に主な仕様を表
に示す.1 ボードには 方式のスーパーヘテロダイン
トランシーバが チャネル並列に実装されている.中心周波数
は 3 ボードで生成される 1 ローカル信号の周波数を制御
することにより 5 65 の間で可変である.また
送信電力は送信ゲインコントロール信号を制御することによ
68 ;8 の間で可変である.3 ボードは 88 ク
セキュリティ対策が重要となる.ソフトウェア無線のセキュリ
り
ティ問題に関しては で詳しく議論されている.しかし本
ロックも同時に供給しており,系全体が 3 ボード内の 3<3
3 ソフトウェア無線機の運用形態が実験無線局であるこ
または外部のルビジウム発振器に同期している.
とから議論は簡単になる.すなわち不法電波の発射を防げば良
表
いわけである.不法電波の発射を防ぐためには認定試験に合格
中心周波数
していないソフトウェアを使わせないこと,および無線局免許
占有帯域幅
の許容値を超えるパラメタの設定をさせないことが重要であ
送信電力
る.これらを実現するために本 3 ソフトウェア無線機に
は で提案されている無線セキュリティマネージャを実装し
た.無線セキュリティマネージャはセキュリティ機能を持った
ハードウェアドライバとして 7 で動作する 3 上に常駐し,
ソフトウェアのダウンロード,認証,インストール,実行管理
*電波法に関連するパラメタの監視+ を行っている.これにより
セキュアなソフトウェア管理アーキテクチャを含めた 3
ソフトウェア無線機の完成をみた.
本稿は次のように構成される. で構築した 3 ソフト
ウェア無線機のハードウェアに関して説明する.6 ではリファ
レンスソフトウェアとして 2%
! ローカル
クロック
" # 次にベースバンド信号処理ボードの詳細な回路図を図 6 に主
な仕様を表 に示す.ベースバンド信号処理ボードは送信フロ
ントエンドボード,受信フロントエンドボード,および信号処
理ボードから構成され,これらのボード間は (" 幅 5
クロックのデータバスで接続されている.送信フロントエンド
ボードと受信フロントエンドボードはほぼ対称な構造となって
おり,それぞれ 個の または 変換器と 個の ゲー
(% 8- 9 % *
8+
33 システムを実装する. では無線セキュリティ
トの
マネージャを中心とするソフトウェア管理アーキテクチャを説
おいて
明する.最後に で本稿をまとめる.
ローカル から構成されている.送受フロントエンドボードに
7 7 は つの 4= 入力信号に対する波形レ
ベルのフロンドエンド処理を並列に実行し, 7 がそれ
らを 3 として束ねている.一方,信号処理ボードは 6 個の
ゲートの , 個の > 2. の ,および外部
00
RF board
RSSI
LPF
D/C
MIX BPF LNA
RxI OUT
LPF BPF
90ο
LPF
BPF
RxQ OUT
RF I/O
Rx GC
$% $% &' DIV
LPF
570
MHz
1/2
1140
MHz
RF LO IN
IF LO IN
DIV
PA
DA BPF
TxI IN
LPF
90ο
LPF
U/C
MIX
TxQ IN
Tx GC
RX/TX SW
LO board
$% () *
$% ) *
REF
10M OUT
INT STD
10M OCXO
PLL MODULE
φCOMP
EXT STD
10M IN
INT/EXT
SW
$% +
, + $% -. VCO
RF LO OUT
VCO
IF LO OUT
1/M
PLL
DATA
(RF LO)
φCOMP
1/N
PLL
DATA
(IF LO)
FREQ SEL
(RF LO)
CLK SEL
(40M/80M)
FPGA
図
CLK OUT
/ に示す.ここでも ・
・7 に実装するプログラムをその機能毎に分類しそれ
場合の実装アーキテクチャを図
ぞれモジュールとして実装する.ベースバンド信号処理ボード
に組込み 7 として実装される「モジュールコ
上の
ントローラ」がシステム全体のマスタコントローラとなり,ス
レーブの各モジュールをリアルタイムに制御・管理する.ベー
スバンド信号処理ボード上の
$+% !' / 0+ ,
/
図
インターフェースを搭載し,時空間符号化や固有ビームフォー
ミングなどの情報レベルの処理やシステム全体の制御を行う.
さらに全てのボードは (" 幅 665 クロックの バス
経由で
7 ボードと接続されており,7 ボードにユーザ
インターフェースを実装することにより,ハードウェアの制御
・ および 7
や結果の表示が可能となる.これら
・ にはこれ以外に主
として情報レベルの処理を行う「送信信号処理モジュール」
「受
上のプログラムを書き換えることにより任意の 3 システ
ムの実装が可能である.
信信号処理モジュール」「浮動小数点演算モジュール」および
1
系の制御を行う「1
コントローラ」が実装される.ベー
スバンド送信フロントエンドボードおよび受信フロントエンド
ボード上の
にはそれぞれ波形レベルの処理を行う「送
信ポスト処理モジュール」
「受信プリ処理モジュール」が実装さ
れる.最後に 7 ボードには上位の「ユーザインターフェー
ス」とセキュリティ機能を持ったハードウェアドライバである
「無線セキュリティマネージャ」が実装される.
それぞれのモジュールにどの様な機能ブロックが実装される
の 33 通信システムをターゲットに具体
かを 例を説明する.まず送信信号処理モジュールでは最大
表
+
, + デバイス
1-2
仕様
" -12
#" 03-
+
10
4
() ) 0
#
リームの情報ビットの生成および時空間符号化や固有ビーム形
成が行われる.これらはデータバスを介して送信ポスト処理モ
ジュールに転送され,
#
スト
実装アーキテクチャ
構築したハードウェアを用いて 3 システムを構成する
処理や &$ '"%$?- *+ の付
加などの波形レベルの処理が行われる.その後 変換され
チャネルのアナログ 4= 信号として 1 ボードに入力され,
5 帯にアップコンバートされた後, 素子アレーアンテナ
から送信される.一方, 素子アレーアンテナによって受信さ
れた信号は 1 ボードによってベースバンド 4= 信号に変換さ
れ, 変換器で (" のデジタル信号に変換された後,受信
060
の設定は 1 コントローラが担当している.モジュールコント
BB Tx front-end board
64
14
FPGA
U1
64
FPGA
U5
14
FPGA
U2
14
FPGA
U3
14
cPCI I/F
14
FPGA
U4
128
14
FIFO
14
64
14
14
FIFO
14
14
DAC
OUT1
DAC
OUT2
DAC
OUT3
FPGA
U1
32
FPGA
U2
32
FPGA
U3
64
14
64
64
128
32
64
16
16
14
64
64
14
64
FIFO
FIFO
32
FPGA
U4
14
14
14
FIFO
14
32
14
14
14
cPCI I/F
32
14
FIFO
14
32
FPGA
U5
OUT4
介して送信ゲインの設定や受信データの取得・表示を行うこと
CLK
CLK IN
ができる.
DAC
OUT5
DAC
OUT6
DAC
OUT7
DAC
OUT8
128
FIFO
128
FPGA
U1
14
14
FIFO
14
64
128
*+ などで記述され 上にハードウェアロジックとし
IN2
て実装される.一方,プロトコルレイヤであるモジュールコン
ADC
IN3
ADC
IN4
CLK
CLK IN
ADC
IN5
ADC
IN6
ADC
IN7
ADC
IN8
16
cPCI I/F
ANALOG
OUT
DAC
で記述され 7 コアに実装される.モ
ジュールコントローラと各物理レイヤモジュールとは 3')(2
%$(2)%$- 8&. *38+ を介して接続される.ハードウェアド
ライバである無線セキュリティマネージャは 3 記述言語で
ある 言語を用いて記述され 7 上に実装される.無線セ
キュリティマネージャとモジュールマネージャ間は バス
を介してインターフェースしているが,この バスドライ
バ * にビットストリームを書込むための @
チェーン
を含む+ を筆者らが独自に製作しその仕様を公開していないた
トローラは組込み
め,一般ユーザは無線セキュリティマネージャを介さずにハー
32
FPGA
U2
$ :$ '"%$!% *+ をまとめた.まず送受信信号処理モ
ジュールや 1 コントローラなどの物理レイヤモジュールは
IN1
DIGITAL
I/O
FPGA
U3
32
32
16
ドウェアとは通信できない状態となっている.後に説明するが
DSP
U1
DSP
U2
DSP LINK
DSP
U3
DSP
U4
DSP LINK
この仕組みによりソフトウェア無線機のセキュリティを確保し
ている.最後に上位レイヤであるユーザインターフェースは例
えば
図
/ +
, + 4ch I/Q
4ch I/Q
Tx postprocessor
Rx preprocessor
BB Tx front-end board
BB Rx front-end board
Radio
security
manager
Tx signal
processor
User
interface
に関しては,無線セキュリティマネージャをライブラリとして
発生しセキュリティを充分に確保することができない.そこで
本装置ではユーザインターフェースは 9%" を用いて無線セ
キュリティマネージャと通信しハードウェアの制御を行う仕組
みを採用している.
RF
controller
Module
controller
Socket
cPCI
(original protocol)
OPB
Data
Rx signal
processor
Floating point
processor
User
interface
e.g. MATLAB
Radio security
manager
C
CPU board
図
Module
controller
Embedded C
Modules
(Tx/Rx SP...)
HDL
BB signal processing board
-,
+ 5,
BB signal processing board
User
図
ユーザインターフェースと無線セキュリティマネージャの関係
128bit 40MHz
128bit 40MHz
Control
signal
8 などの高級言語を用いて 7 上に構築する.
ユーザインターフェースから呼び出すと両者の間に従属関係が
RF board
CPU board
'
ADC
32
64
最後に図 に主要なモジュールの実装形態とその 22-("(
ADC
BB signal processing board
16
ターフェースが実装される.ユーザはモジュールマネージャを
リアルタイム性や並列処理を重視してハードウェア記述言語
14
32
ローラには 4 のプロトコルや,上位レイヤとのイン
DAC
BB Rx front-end board
64
CPU
14
FIFO
14
64
64
16
14
64
16
16
FIFO
14
64
64
128
14
!,
5 !' .
プリ処理モジュールに入力される.受信プリ処理モジュールで
は各種同期処理や の除去,
処理などを行い波形レベル
を情報レベルの信号に変換する.情報レベルの信号は受信信号
処理モジュールに入力され時空間復号や固有ビームが形成され
最大 つの情報ビットストリームに復元される.その際,固有
ウェイト計算などの複雑な演算は浮動小数点演算モジュールが
担当する.1 ボードにおける送受信ゲインや送受信スイッチ
リファレンス ソフトウェア
筆者らは本 3 ソフトウェア無線機上で動作する 3
伝搬・伝送特性測定のための様々なアプリケーションソフトウェ
アを開発してきた.本稿ではその一例である 8 を用いた
33 トランシーバ について紹介する.
構築した 8 33 トランシーバは 7 上で動
作するユーザインターフェースプログラムと 上で動作す
る物理レイヤプログラムで構成される.
8 33 トランシーバの物理レイヤの実装ブロックダイアグラムを図 00
に示す.送信側では 3
変調された 8 ビットストリー
ムがベースバンド送信フロントエンドに実装された 13 テー
ブルに波形メモリとして保存されており送信タイミングに合わ
せて繰り返し送信される.送信信号は
を拡張し
た表 6 の仕様を実装した.ここでショートプリアンブルは送信
をモジュールコントローラを介して
1
ボードに設定できる.
一方,受信モードの場合には 8 復号した信号をモジュール
=A 変
33 システムの受信コンスタレー
コントローラを介して取得し表示できる.ここでは
調された 8
ションと誤り率の一例を示している.
アンテナ毎に '.* ポイント+ ずつ巡回シフトさせたものを用
いている.またロングプリアンブルは通常の 3
シンボル
を 次のアダマール行列で拡散したものを用いている.一方,
受信側ではベースバンド受信フロントエンドにフレーム同期モ
モジュールが実装されている.フレーム
ジュールおよび
同期モジュールではショートプリアンブルの自己相関値に基づ
いた判定を行っているが,3 システムの場合は
チャネ
ルの自己相関値の総和に対して同期判定を行うことによってダ
イバーシチ効果を得ている.ベースバンド信号処理ボードには
受信信号処理モジュールとしてチャネル推定器および 8 復
号器が実装されている.チャネル推定は拡張したロングプリア
ンブル信号を用いて各サブキャリア毎に行っている.このチャ
ネル行列から 8 復号のための拡張チャネル行列を生成し,
受信信号に掛け合わせることで
8 復号を行っている.モ
ジュールコントローラには受信電力に基づいた 制御プロ
9 (2 !'*'1 6
図
グラムが実装されている.
物理レイヤソフトウェアの実装結果を表 に示す.ここでは
RF board
ベースバンド受信フロントエンドボード上の
Tx PP
Rx PP
Synchronization
ROM
FFT
BB Rx front-end board
BB Tx front-end board
Rx SP
RF controller
AGC, TPC, RSSI
Module
controller
Channel
estimator
STBC
decoder
のリソース使用率を示して
いる.リソース使用率は実際に使用している *<(-('B 社
の <C+ のリソース数に対する割合を示している.この
使用率をできるだけ小さくすること *もしくは小さいサイズの
に実装すること+ がソフトウェアのサイズを小さくする
バンド信号処理ボード上の
ことに繋がる.ファイル圧縮後のこのソフトウェアのファイル
サイズは表 のようになった.ソフトウェア無線運用時にはこ
れらのソフトウェアをダウンロードしハードウェアに書き込む
こととなる.
表 BB signal processing board
図
表
) 03- 0 03-
(2 !'*'1 .
帯域幅
( ポイント数
データキャリア数
3! 長
'1 シンボル長
(2 レート
項目
9 9
,
#<
<
#<
, ,
<
<
<
&9(
9
9
:2;
<
<
#<
5,,
#<
<
=<
,7 -
<
<
<
!,
5, (2 !'*'1
6
(2 !'*'1 6 ,7 +
送受信アンテナ数
とベース
#
ポイント
# ポイント
8
ショートプリアンブル長
'1 シンボル
ロングプリアンブル長
# '1 シンボル
表
, (2 !'*'1 6 /
ユーザインターフェース
>.
物理レイヤ
>.
図 , に 7 上に実装されたユーザインターフェースの実行
画面を示す.送信モードの場合には送信電力および中心周波数
00
ソフトウェア管理アーキテクチャ
Digital signature
本 3 ソフトウェア無線機と筆者らが開発した 3 研
Distributable software
Electronic label
究開発用のソフトウェアは 5 帯において実験無線局免許を
取得している.実験無線局免許の主要なパラメタを表
- Name of software
- Software developer
- Radio license number
- Expiration date of license
- Center frequency
- Maximum transmit power
- Geographical area
にま
とめる.本 3 ソフトウェア無線機の運用時には電波法を
遵守し不法電波の発射を防ぐ必要がある.不法電波の発射を防
ぐためには認定試験に合格していないソフトウェアを使わせな
いこと,および無線局免許の許容値を超えるパラメタの設定を
させないことが重要である.そこで本 3 ソフトウェア無
Compressed software
MIMO-SDR software
線機には で提案されている無線セキュリティマネージャを
- FPGA bitstream
- DSP program
- Upper layer (MATLAB GUI)
実装した.無線セキュリティマネージャはセキュリティ機能を
持ったハードウェアドライバとして 7 で動作する 3 上に
常駐し,ソフトウェアのダウンロード,認証,インストール,
実行管理 *無線局免許に関連するパラメタの監視+ を行ってい
図#
る.本節ではこの無線セキュリティマネージャを中心としたソ
/ 7+
フトウェア管理アーキテクチャを紹介する.
表
0 )
, ,
まれた公開鍵を用いてソフトウェアパッケージの電子署名を認
= ビットストリーム・
プログラムをハードウェアに書き込む. で説明した様
に, ・ へのプログラム書き込み手段は無線セキュリ
有効期間
年 月 日
ティマネージャのみが有するため認証されていないソフトウェ
移動範囲
東工大キャンパス他
アの書き込みは不可能となる.一方,ユーザインターフェース
送受信アンテナ数
中心周波数
" " # 3
帯域幅
証する.認証に成功した場合のみ
は実行可能なファイルとして 7 ボード上のハードディスク
ソフトウェアパッケージ
に保存される.ここでユーザインターフェースに関してはユー
本ソフトウェア管理アーキテクチャでは例えば 6 で開発した
ザが測定データを自由に解析できるために書き換え *改竄+ を許
ソフトウェアに対して電子ラベルおよび電子署名を付加しソフ
容していることに注目されたい.本ソフトウェア管理アーキテ
トウェアをパッケージ化する.ソフトウェアパッケージの具体
クチャはユーザインターフェースの変更とは関係なく運用の安
例を図 に示す.ソフトウェア本体は
全性が守られる仕組みとなっている.これに対して電子ラベル
ビットストリー
ム, プログラム,上位レイヤプログラムなどから構成され
に記載された無線局免許に関するパラメタは無線セキュリティ
る.これに無線局免許の内容を記述した電子ラベルを付加する.
マネージャ内の変数として保持される.そのため電子ラベルの
電子ラベルの重要なパラメタはソフトウェア名,ソフトウェア
改竄は不可能となる.ソフトウェアのインストールが完了した
開発機関名,無線局免許番号,免許の有効期間,中心周波数,
時点で無線セキュリティマネージャはユーザインターフェース
空中線電力,移動範囲 *緯度・経度のポリゴン+ である.これら
からの命令を待ち受ける状態となり図 *+ の実行管理モニタ
のパラメタは無線セキュリティマネージャがソフトウェアの実
が起動する.無線セキュリティマネージャの実行管理機能では
行管理を行うときに使用される.最後に圧縮されたソフトウェ
電子ラベルに記述された無線局免許パラメタを用いてオンサイ
アと電子ラベルに対して電子署名を付加する.この電子署名は
トでのパラメタチェックを行う.無線局の運用時に重要となる
ソフトウェアの認証・改竄防止に用いられる.
パラメタは免許の有効期間,中心周波数,空中線電力,移動範
無線セキュリティマネージャ
囲である.免許の有効期間に関してはソフトウェアインストー
本ソフトウェア無線機のユーザは上記で説明したソフトウェ
ル時にチェックする.中心周波数,空中線電力に関してはユー
アパッケージを 8 経由などでダウンロードし使用すること
ザインターフェースからの命令をオンラインでチェックし,許
ディスクからロード+,認証,インストール,実行管理は全て無
関しても無線セキュリティマネージャのみがハードウェアにア
線セキュリティマネージャが行う.無線セキュリティマネージャ
クセス可能であるためセキュリティが保たれる.移動範囲に関
となる.この際,ソフトウェアのダウンロード *もしくはハード
の機能ダイアグラムを図
/ に,また無線セキュリティマネー
容値範囲内の場合のみ 1 コントローラに設定を行う.これに
しては による位置管理を行い,移動範囲外の場合は電波
ジャの実行画面を図
に示す.ソフトウェアを実行する場合
ははじめに無線セキュリティマネージャを起動する *図 *++.
の発射を中止し待機状態となる.これらによりセキュアなソフ
無線セキュリティマネージャよりインストールしたいソフト
線機が完成した.
トウェア管理アーキテクチャを含めた 3 ソフトウェア無
ウェアパッケージをダウンロード *もしくはハードディスクか
らロード+ する.無線セキュリティマネージャは内部に組み込
00
安全な運用のためのソフトウェア管理アーキテクチャを紹介し
Software
package
CPU board
No
5 帯において実験無線局免許を有してい
るため,本ハードウェアを導入することにより実環境において
Radio security
manager
Digital signature
verification
た.本無線機は
様々な 3 通信方式の評価や,3 伝搬特性の測定を行
Termination
うことができる.筆者らは本ソフトウェア無線機を 3 シ
Yes
ステムの研究開発に役立てるためにオープンな研究プロジェク
Installation
トを企画しているので活用されたい ,.
謝
Regulation
parameters
本研究は情報通信研究機構 *
+ の受託研究「第4世代移
Yes
GPS
check
辞
動通信システムに供するソフトウェア無線アーキテクチャに関
する研究開発」の一環として実施したものである.その中で信
No
Parameter
monitoring
User interface
Power, frequency
setting
Parameter
check
Yes
No
Alarm
号処理ボードの設計・製作にご協力頂いた *株+ 光電製作所の荒
田慎太郎氏,海賀和彦氏,間鍋栄氏,1 ボードの設計・製作
にご協力頂いた *株+ サムスン横浜研究所の満井勉氏,大谷雅
男氏,横井敦也氏,*株+ アドニクスの新家隆広氏にはここに記
して感謝の意を表したい.また 3 ソフトウェアの実装に
関しては東京工業大学の鈴木博氏,須山聡氏,静野隆之氏,伊
Configuration
Parameter setting
藤雅文氏,寒河江佑太氏とのディスカッションが非常に有用で
FPGA
Module
controller
DSP
図=
BB Tx front-end board
BB Rx front-end board
BB signal processing board
RF
controller
5
+ . +
$% 2
, ,
$% 図 . +
ま と め
本稿では筆者らが構築した 3 ソフトウェア無線機のハー
ドウェア構成,リファレンス 3 ソフトウェアおよびその
あったのでここに記して感謝の意を表したい.
文
献
? @ " 5A" B- / ,,* 5,*
5,*7 / . 55 ,,*
+
."C !D!2D (
25
" 6,D#*
" " * " 1 ?@ " ( " E " ! (." > 9"
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+5, 1 , 3 ."C !D!2D
(
25
" 6,D##*" " #*#" ?@ 原田" C新世代モバイル通信システムに対応したソフトウェア無
線端末の開発H概要とシステム構成H"C 信学技報" 2* "
年 月
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