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工学部(1.6MB)

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工学部(1.6MB)
工学部
Faculty of Engineering
工業分野に直結した専門的な教育と研究で、
「ものづくり」技術を発展させる実力を育む。
人類 は 二足歩行を始 めたときから「もの 」を扱うことを覚え、やがて「もの 」を創り出し、社会生活を発展させてきました 。
「もの 」は 人類 の 豊かな生活 の 基盤 であり、特に近年 は 、環境、医療、福祉などの 人間生活 の 根幹に関 わる部分 で 、
「ものづくり」技術 の 役割 がますます 拡大しています 。
工学部 では 、ものづくりのベースとなる物理、化学、数学などの 基礎学問に加え、外国語も含 めたコミュニケーション 能力 や
リーダーシップなどを培 いながら、ものづくりに直結 する専門知識を修得します 。
教育理念
求める学生像
工学 の目的は、具現化 の 探求です 。すなわち、自然
工学部では、工学を培い、工学を通じて人の社会のために働く人材の育成を目指しており、
との調和の中で、社会における要請や課題を解決す
次のような学生を求めています。
るための具体的方策を科学的な知識・技術に基づい
て検討し、実現することです。
工学部は、工学上の学術や技術に関 する教育研究
1
を推進し、工学 の目的を達成 するための 基礎能力・
応用能力とともに社会性 や自律性を備えた 人材を
育成して 豊かな社会を作り、さらには 人類 の 平和、
発展 や 存続に貢献 することを目的としています 。特
に 、環境問題等 の 社会的課題を敏感に察知し、高
度情報化等の進歩に的確に対応し、かつ、成果を内
外に正しく発信できるコミュニケーション能力を備え
た研究者・技術者の育成を目指しています。
091
工学部
基礎的・基本的な学力を幅広くきち
んと身につけ 、特に理科 や 数学に高
い学力を有する人
2
工学に興味を持ち、これを学ぶことに
意欲を有する人
3
工学を通じて社会に貢献することを
目標とする人
大学入学までに身につけておくべき教科・科目等
〈工学部のすべての類に共通〉
各高等学校が定める教育課程表に従い、すべての教科・科目
について 、大学入学後 の勉学に支障をきたさないように履修
していることが望まれます。特に、工学部での授業内容を理解
するために不可欠な教科である数学、理科、英語に関しては、
下記の科目の内容を理解していることが望まれます。
・数学/数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B
・理科/物理基礎・物理、化学基礎・化学
・英語/リーディング、
ライティング
4つの類では基礎科目、専門科目を複合的に学習し、
それぞれの分野で
「ものづくり」
のための基礎学力・応用力・研究能力を養います。
本学部 は 第一類(機械システム 工学系)、第二類(電気・電子・システム・情報系)、第三類(化学・バイオ・プロセ
ス 系)、第四類(建設・環境系)の 4 つの 類 から構成されています 。広 い 視野と基礎学力・応用力・研究能力を備え
た 人材 の 育成を目指し、機械、電気・電子、情報、応用化学、そして 建設などの 各分野 で 、エンジニアや 研究者と
して 第一線 で 活躍 できる人材を世 の 中 に 送り出します 。
社会基盤環境工学プログラム
輸送機器環境工学プログラム
第一類
第四類
(機械システム工学系)
(建設・環境系)
建築プログラム
機械システム工学系プログラム
自然・人間・技術の
調和を図り、
真に生活を豊かにする
「ものづくり」
を目指す人材
応用化学プログラム
化学工学プログラム
生物工学プログラム
第二類
(電気・電子・
システム・情報系)
第三類
(化学・バイオ・プロセス系)
電気・電子・システム・情報系プログラム
生産システム・エネルギー・設計・知能機械 の 4 つの 工学課程を 設置。各課
程とも基礎的な知識・技術を有機的 に 結 び 合 わせて 駆使 する能力を育 てる
教育を展開。機械と人間との 関係、次世代 エネルギーや 環境問題 について
広 い 視野を備えた 技術者を養成します 。
第一類(機械システム工学系)
第二類(電気・電子・システム・情報系)
コンピュータの 誕生 は 、人間 の 生活 や 社会 の 仕組 みを 大きく変えました 。第
二類 では 、コンピュータを 中心 としたシステムや 集積回路 について 学習。
「電気・電子」と「システム・情報」の 2分野 から「電気」を統括的に 追究。時
代 のニーズに応えるエンジニアを育 てます 。
第三類(化学・バイオ・プロセス系)
機能性物質 や 材料を創る応用化学、動植物・微生物 から物質を創るバイオ
テクノロジー 、資源・エネルギーを 創って 利用 する化学工学 など 、さまざまな
化学 プロセスの 設計・制御能力を 求 められる現代 において 、物事を 多角的
にとらえる能力 のあるプロフェッショナルを育成します 。
第四類(建設・環境系)
環境破壊 の 進行 が 地球規模 の 問題となり、限りある資源を有効に 使 いなが
ら社会基盤、輸送機器、生活住環境をいかに 整備し発展させるか 、その 技
術 が 求 められている現代社会。3種類 の 教育 プログラムで 、人類と地球 の
豊かな関係を未来に築くことのできる力を培 います 。
1年次
前期
2年次
後期
前期
4年次
後期
後期
課程ごとに 専門細目分野
として 複数 の 専門領域を
設 け ることに 加 え 、課 程
間 で 専 門 細 目 分 野を共
有 することで 多様性 に 富
む履修を実現しています 。
工学部
専門教育科目
前期
職
2 年 次 には
類 ごとに 設
けられ た 履
修課程に配
属されます。
3年次
後期
就
教養教育科目
前期
大学院進学
●カリキュラム
●プログラムへの 登録 および 課程配属 について /第三類 および 第四類内 の 各プログラムへの 登録、および 第一類、第二類、第四類内 の
各課程 への 配属については 、教育上 の 理由から標準定員を設けており、必 ずしも本人 の 希望に添えないことがあります 。入学後における
本人 の 志望 および 所定 の 時期までの 在学中 の 学業成績を考慮して 決定します 。
国内外で活躍・貢献する人間性あふれる技術者の養成。
深刻化 する地球規模 の 課題解決 に 向 けて 、技術革新 の 加速
が 大きく叫 ばれており、人間生活 の 利便性向上 や 人類 の 平和
に 寄与 する学問 である工学 には 大きな 期待 が 寄 せられていま
工学部長
佐 野 庸治
す 。そのためには 広 い 視野と基礎学力を身につけた 、世界と対
専門研究分野
等 に 競争 できる多様な価値観を有 する人材 が 不可欠 です 。総
分子をふるい分けることが
できる無機多孔質結晶ゼ
合研究大学として 期待 されている 広島大学 の 工学部 で 基礎
オライトを合成し、石油精
から先端技術までを 学 び 、持続可能 な 社会 の 実現 に 向 けて 、
製、化学品合成、自動車
国 や 地域という境界を 越えて 活躍 する人間性 あふれるエンジ
ニア 、研究者を目指しませんか 。
排ガス 浄化 のための 触媒
などへの 応用 について 研
究しています。
Faculty of Engineering
092
第一類
機械システム工学系
●ロボティックスワーム
アリやトリなどの 実生物に 観測される、群
れの 賢 い 振 る舞 い 様式を、人工物 である
ロボットの 群 れに 導入 できるように 、人工
進化 や 機械学習 などのコンピュータによ
る知能化技術を使って 探究しています 。
●魚体周りの流体解析
モデル 化した 魚体形状周りの 圧
力・流れの構造の数値計算結果。
尾を振 ると周期的 な渦構造 が 後
方に 発生し(左図)、周辺圧力よ
り尾の片側・頭部は高圧、低圧部
分 が 胴体付近 に 生じる様子 がわ
かります(右図)。
プログラム・履修課程ごとの専門細目分野
履修課程
プログラム
卒業研究における実験風景
未 来の設計・エネルギー・生 産 技 術の研 究 開 発に向けて
第一類 では 、自然との 共生を 図り、人類 の 平和、発展、存続 や 幸福 の 実現
機械システム工学系
プログラム
材料・加工学、熱・流体工学、応用力学、
計測制御、システム設計
エネルギー工学課程
熱・流体工学、材料・加工学、応用力学、
計測制御、システム設計
設計工学課程
システム設計、材料・加工学、熱・流体工学、
応用力学、計測制御
知能機械工学課程
計測制御、材料・加工学、熱・流体工学、
応用力学、システム設計
に 貢 献 できる 、優 れ た 人 間 性 と 理 性 を 兼 ね 備 えた 行 動 力 のある 人 材 の 育
成を目指しています 。機能性材料 の 開発と利用、生産加工原理、新 エネル
ギー 開発、動力変換技術、新しい 機械 システムの 構造・機能 や 設計原理、
メカトロニクス 技 術 、知 能 化 機 械 システムの 制 御 などの 機 械 システム 工 学
専門細目分野
生産システム工学課程
STUDENT’S VOICE
の 基礎を 修得 するカリキュラムにより、機械 と人間 との 関 わり合 い 、次世代
機械システム工学系 4年次生(平成24年度)
のエネルギーや 環 境 問 題 などについて 広 い 視 野 を 持 ち 、最 先 端 の 研 究 開
篠田 一至
発 を 担 える 技 術 者 の 養 成 を目指しています 。広 島 大 学 では 教 育 の 質 の 向
私 は 自 動 車 の 製 造 に 興 味 があり 第 一 類 に
上 や 社 会 が 求 める 卒 業 生 への 期 待 の 変 化 などに 対 応 するため 教 育 プログ
進 学 を 希 望しました 。現 在 、自動 車 業 界 で
ラム「HiPROSPECTS ® 」システムを 構築しており、第一類 では 教育 プロ
需 要 が 増 加して い る 高 張 力 鋼 板 に つ い て
研 究 を 行っています 。大 変 なこともあります
グラム(主専攻 プログラム )として「機械 システム 工学 プログラム 」を 開設し
が 、自 分 の 興 味 ある 研 究 が できてうれしく
ています 。本 プログラムは 1年次前期 から開始 され 、入学と同時 に 本 プログ
思 います 。
ラムが 主 専 攻 プログラムとして 登 録 されます 。2 年 次 前 期 には 4 つの 課 程
( 生 産 システム 工 学 、エネルギー 工 学 、設 計 工 学 、知 能 機 械 工 学 )のい ず
れかに 配属 され 、また 4年次 には 19 の 研究室 のいずれかに 配属 され 、研究
テーマを 選 択して 卒 業 研 究 を 遂 行し 、その 集 大 成 として 卒 業 論 文 を 書くこ
とになります 。
取得可能免許・資格
高等学校教諭一種免許状(工業)、技術士受験資格、安全管理者、
ボイラー取扱主任者受験資格、自動車整備士受験資格など
進学・就職・資格
●大学院
工学研究科
先端物質科学研究科
国際協力研究科
機械システム工学専攻/機械物理工学専攻
システムサイバネティクス専攻/情報工学専攻
化学工学専攻/応用化学専攻/社会基盤環境工学専攻
輸送・環境システム専攻/建築学専攻
量子物質科学専攻
分子生命機能科学専攻
半導体集積科学専攻
開発科学専攻
○学部からの進学者(平成26年度)/工学研究科260人(学部卒業生の51%)、先端物質科学研究科51人(学部卒業生の10%)、
生物圏科学研究科3名(学部卒業生の1%)、国際協力研究科6人(学部卒業生の1%)
●取得可能免許・資格
類によって 取得できる免許・資格は異なります 。詳しくは各類 の「取得可能免許・資格」欄をご 覧ください 。
093
工学部
第二類
電気・電子・システム・情報系
●最先端電子デバイス
半導体結晶成長法 や 薄膜堆積法、
リソグラフィやエッチングなどのプロセ
ス技術 の 実践的知識・技能を身につ
け 、ナノスケールデバイスや 大面積
電子デバイスなどの最先端研究の基
礎を学 びます 。写真はプラズマCVD
装置による製膜実験の様子です。
●人間共存型ロボット
現在、ロボットは 多くの 工場 で 活躍
していますが 、今後 は 人間 の 生活環
境 での 活躍も期待されています 。電
気、計測制御、コンピュータそして 人
間 も 含 め 、これらを 統 合 することで
新 たなロボットを開発しています 。
プログラム・履修課程ごとの専門細目分野
演習風景
次 世代の情報化社 会を支える革 新 的 技 術を追 求
履修課程
プログラム
電気・電子・システム・
情報系プログラム
第二類 では 教育プログラム(主専攻プログラム)として「電気・電子・システム・
電子システム課程
電気システム制御課程
物性工学、集積システム、電気回路エネルギー、
計測制御、システム計画管理、コンピュータ、情報数理
情報工学課程
集積システム、電気回路エネルギー、計測制御、
システム計画管理、コンピュータ、情報数理
情報系プログラム 」を開設しており、第二類 への 入学と同時にこのプログラム
に 登録されます 。2年次開始時 に 右表 に 示 す 3 つの 課程 のいずれか 1 つを選
専門細目分野
物性工学、集積システム、電気回路エネルギー、
計測制御、コンピュータ、情報数理
STUDENT’S VOICE
択しますが 、これらの 課程 の 科目はお 互 いに 少しずつ 重 なり合 いながら、全体
として 電気・電子・システム・情報 の 分野 が 網羅されるカリキュラムを構成して
電気・電子・システム・情報系
4年次生(平成25年度)
います 。そのため 、専門基礎科目と各課程 の 専門科目を基礎 から応用まで 体
松原 沙也加
系的に学 ぶことができ、確かな基礎力と深 い 専門性が養 われます 。4年次には
みなさんも情報の授業を受けたことがあると思い
研究室 に 所属し、最先端 の 研究 に 触 れることができます 。電子システム 課程
ますが、大学ではネットワークやコンピュータの内
では 、半導体電子 デバイス 、光 デバイスおよび 集積回路・システムの 開発に必
部構造などさらに専門的な学習をします。身近に
要 な 電磁気学、量子力学、半導体工学、集積電子回路、ナノ材料 などの 基
ありながら未知な世界について 知ることは楽しさ
礎 から、集積システムの 製造・設計技術までを習得します 。電気システム 制御
を、また、コンピュータ用言語などの新しい知識を
課程 では 、電気技術に 立脚 するさまざまなシステム 制御・設計・管理に 必要と
得ることに、とてもやりがいを感じています。
される知識を身につけるために 、電気回路・エネルギー 、計測制御、システム
取得可能免許・資格
高等学校教諭一種免許状(工業、情報)、技術士受験資格、安全管理者、
無線技術士受験資格、電気主任技術者、電気通信主任技術者受験資格、
第1級陸上特殊無線技士、第2級海上特殊無線技士など
ウェアの 知識 から計算原理・知識情報処理・ネットワーク理論などのソフトウェ
アを支える理論と技術までを、体系的に学 びます 。
●主な就職先(平成26年度・五十音順)
●卒業生の進路(平成26年度)
その他 23人(4.5%)
その他のサービス業 4人(0.8%)
電気・ガス・熱供給・水道業 3人(0.6%)
製造業 56人(11.0%)
情報通信業 14人(2.8%)
公務 22人(4.4%)
建設業 21人(4.2%)
就職
金融業、保険業 4人(0.8%)
教育、学習支援業 2人(0.4%)
学術研究、専門・技術サービス業 6人(1.2%)
卸売業、小売業 3人(0.6%)
工学部
数理 に 関 する分野を中心とする基礎理論と応用を学 びます 。情報工学課程
では 、現代 の 情報化社会 の 根幹 をなすコンピュータシステムに 関し 、ハード
進学
342人
67.7%
●製造業(北川鉄工所、サノヤスホールディングス、新日鐵
トヨタ自動車、日産自動車、日本製鋼
住金、ダイハツ工業、
所、パナソニック、日立製作所、不二越、本田技研工業、マ
ツダ、三菱重工業、三菱電機、ヤマハ 発動機、リコー)
●建設業(旭化成ホームズ 、清水建設、積水 ハウス、大成
建設、大和ハウス工業)
●電力事業(関西電力、中国電力)
●サービス業(日本海事協会、メイテック)
●情報通信業(トランスコスモス、日立ソリューションズ)
●公務員(警察庁中国管区警察局、国土交通省近畿地
方整備局、島根県、広島県、広島市、山口県)
●運輸業(山九、西日本旅客鉄道)
不動産業・物品賃貸業 2人(0.4%)
運輸業、郵便業 3人(0.6%)
Faculty of Engineering
094
第三類
化学・バイオ・プロセス系
●真理を見抜く力の育 成
エネルギー 問題 や 新素材開発に 対応
して 、生命・環境・物質 を 三本柱 に 据
えた 教育を行っています 。化学現象 や
材 料 設 計 などを自身 で 考 え 、判 断 で
きる「真理を見抜く力」を育成します 。
●脱レアメタル
発光材料
省 エネルギー 型 の 照
明 であるLED用 の 発
光 材 料( 蛍 光 体 )の
合成 には 、レアメタル
の使用が必須であ
り、輸入規制 への 対策 が 必要となっています 。最先端 の 研究として 、レアメタルを
使 わない 発光材料 の 研究も行 われています 。
プログラム・履修課程ごとの専門細目分野
実験風景
人 類の未来を切り拓く、材 料・バイオ・環 境を学ぶ
第三類 は 、化学(応用化学)、バイオ(生物工学)、プロセス(化学工学)を総
履修課程
専門細目分野
応用化学プログラム
応用化学課程
基礎化学、応用化学、材料化学、環境化学工学、
基礎生物科学、応用生物科学
化学工学プログラム
化学工学課程
化学工学基礎、化学工学応用、環境化学工学、
基礎化学、応用化学、材料化学、基礎生物科学
生物工学プログラム
発酵工学課程
基礎生物科学、応用生物科学、基礎化学、
応用化学、化学工学基礎、環境化学工学
プログラム
合 する幅広 い 専門分野 です 。新しい 機能性物質 や 材料 の 開発、動植物・微
生物 のバイオテクノロジー 、化学プロセスの 設計と制御をはじめとして 、環境
STUDENT’S VOICE
保全・浄化 や 資源・エネルギーの 開発などを含む、いわば 人類 の 未来を切り拓
化学・バイオ・プロセス系 4年次生(平成25年度)
く、やりがいのある分野 です 。これらに 関 する幅広 い 基礎知識を養 い 、高度な
林 有香
専門技術をバランスよく身につけた 人材を育成 することを教育 の目的として
私 は 反応開発を 専門とする研究室 に 所属して
います 。2年次後期からは 、各教育プログラムでさらに専門性 の 高 い 教育が 受
います 。金属を触媒にして 新しい 方法 で 有機化
けられます 。第三類 の“化学”は 応用化学プログラム 、
“ バイオ ”は 生物工学プ
合物を合成します 。高価な金属 が 必要な反応を
ログラム 、
“プロセス ”は 化学工学プログラムに 対応し、計3 つのプログラムが
安価な金属で 可能にするなど 、従来 の 方法 の 改
良に 取り組 んでいます 。学習 の 中 で 湧 いてくる
あります 。第三類 では 、学部学生2∼3名に 教員1名 が 研究指導を担当し、密
疑 問 を 実 験 で 解 決したり、毎日新しい 発 見 が
度 の 高 い 教育 が 行 われています 。また 、研究業績 は 国内外 で 高く評価され 、
あったりするところにおもしろさを感じています 。
全国 でも屈指 の 研究設備を有 する優 れた 研究環境 があります 。さらに 高度な
教育と研究 のために 、大学院 では 、
“化学”関係 の「工学研究科応用化学専
攻」、
“プロセス ”関係 の「工学研究科化学工学専攻」および“ バイオ”関係 の
「先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻」が 設置 されています 。毎
年、70%以上 の 卒業生が大学院 へ 進学します 。
設備・附属施設
CLOSE UP
●フェニックス工房
095
工学部
取得可能免許・資格
高等学校教諭一種免許状(工業)、技術士受験資格、
危険物取扱者受験資格、毒物劇物取扱責任者、安全管理者など
●並列計算PCクラスタ設備
ものづくりを体験して 基礎的 な知
近年、コンピュータを 並列 に 動 か
識を得 る、創造意欲を持 つなど 、
して 驚異的 な 処理能力を実現 す
自主性・創造性を養うことを目的
る「 クラスタ技術」が 注目を 浴 び
とする「学生主体 のものづくり拠
ています 。
しかし、単に並列にする
点」です 。卒業論文などの 作成に
だけではうまくいかず 、そこにはさ
必 要 な 機 器 を 自ら 発 想し 、工 作
まざまな技術 が 必要 です 。写真 は
機 械 を 操 作して 製 作 でき 、人 力
パソコンを30台、高速 ネットワー
飛行機製作 チームやフェニックス
ク で 接 続 し た もの で す 。さらに
レーシングチームも利用していま
80CPUコアを搭載したシステム
す 。また 、建築用 のデザインや 製
も 稼 働しており、これらを 用 いて
図を学 ぶスペースとしても利用し
高 速 並 列 処 理 に 関 する研 究を
ています 。
行っています 。
第四類
建設・環境系
●国際会議の開催
韓国・中国・台湾 などの 協定校とともに 、
研 究 成 果を英 語 で 発 表 する国 際 会 議
を 、毎年主催しています 。論文執筆 や 質
疑、学生間交流 によって 、総合的 な 英語
力 と 生 き 生 きとした 国 際 感 覚 を 養 うこと
ができます 。
●人力飛行機で空を飛ぶ
ものづくり教育 の 観点 から人力飛行
機 の 設 計・製 作 活 動 を 支 援していま
す 。他 に 例 を 見 な い 双 発 機 を 製 作
し 、毎年「鳥人間コンテスト」へ 出場
しており、これまで 810m の 記録を残
しています 。
ゼミ風景
人間生活空間の計画、創造、維持、再生に携わる技術者を育てる
プログラム・履修課程ごとの専門細目分野
第四類 では 、生活 の 質的向上、社会構造 の 成熟化、地球環境問題 の 顕在化
プログラム
履修課程
など 、今日の 社会 におけるさまざまな 制約条件を考慮した 上 で 、人間 が 生活
社会基盤環境工学
プログラム
社会基盤環境工学課程
建設構造工学、地球環境工学
輸送機器工学課程
創成型プロジェクト、構造工学、環境・流体工学、
システム・情報、輸送システム
環境共生システム課程
創成型プロジェクト、構造工学、環境・流体工学、
システム・情報、輸送システム
建築学課程
建築構造学、建築計画学、居住環境計画学
建築工学課程
建築構造学、建築計画学
する空間 の 計画、創造、維持、再生を可能とする技術者 の 養成を目標として
おり、社会基盤環境工学プログラム 、輸送機器環境工学プログラム 、建築プ
輸送機器環境工学
プログラム
ログラムの 3 つのプログラムを提供しています 。社会基盤環境工学プログラム
では 、都市を形 づくりその 活動を支える、道路 や 空港、鉄道、河川堤防、上下
建築プログラム
専門細目分野
水道 などの 社会基盤施設 の 計画・設計・建設・保全 に 関 する技術を学 び 、都
市 および 国土 の 社会基盤整備をリードする人材を育成します 。輸送機器環境
STUDENT’S VOICE
工学プログラムでは 、自動車、船舶、航空機等を主とする輸送機器 および 物
建設・環境系 4年次生(平成25年度)
流 システムの 工学技術と、地球環境全体 の 保全・創造技術、輸送機器と共
上野 拓也
生 するための 工学技術を学 びます 。実際に 設計・製作 や 性能評価を行 い 、学
建築設計製図 の 授業 では、与えられたテーマ
んだ 知識を統合化 することも教育 の 特徴としています 。建築プログラムでは 、
に 対して自分 の 設計案を考え、模型を製作し
人が 生活を営む場としての 都市 や 建物を、よりよい 形 で 創造、保全 するために
て 形にしていく過程がおもしろいと感じていま
す 。私 は 木造建築に 興味 があったので 、現在
必要 な 、建築構造 や 建築環境 などの 工学・技術、建築設計 や 計画、さらに 、
は 、伝統的木造建築 の 部材 の 変形挙動を解
芸術 や 人文・社会科学に至る幅広 い 分野を学習し、特に製図 や 実験を通して
明 するための 研究をしています 。
物作りの 基本姿勢を学 びます 。
社会基盤環境
工学プログラム
技術士補、測量士補。必要な実務経験後、
技術士、土木施工管理技士等の受験資格
輸送機器環境
工学プログラム
必要な実務経験後、技術士・技術士補、建設機械施工技士、
計算力学技術者、気象予報士、環境計量士等の受験資格
●大型構造物実験棟
建築プログラム
共通
二級建築士の受験資格。2年間の実務経験後、
一級建築士の受験資格
所定の科目を修得すれば高等学校教諭一種免許状
(工業)
工学部
取得可能
免許・資格
●船型試験水槽
大型構造物実験棟は、長さ30m
今 や 海洋 は 、私 たちにとって 限り
の 橋桁 や 10m(長)
×8m(幅)
×
ない 可 能 性 を 秘 めた 場 所 で す 。
6m( 高 )の 建 築 構 造 物 など 、実
洋 上 風 力 や 潮 流 エネルギーによ
物大 の 構造物を対象とする耐荷
る発電、海底資源 の 採掘、そして
力実験、耐震性能実験 や 疲労試
浮体式空港 の 開発 などが 考 えら
験 などが 可 能 で 、中 四 国 地 方 で
れています 。広島大学 には 、長 さ
は 最 大 規 模 の 施 設 です 。新しい
100m の 大型試験水槽(船型試
構造物 の 開発・創造、老朽化した
験 水 槽 )があり、そこでは 、流 体
インフラ 構 造 物 の 再 生 、建 築 構
力 学 上 の 基 礎 研 究 をはじめ 、海
造 物 の 耐 震 性 向 上 など 、
「安全
洋 エネル ギー や 資 源 さらには 船
で 快適 な人 の 暮らし」のための 研
舶・海洋工学上 のテーマについて
究と教育を担っています 。
開発研究が行 われています 。
Faculty of Engineering
096
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