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放牧飼育による肥育豚の行動と生理的影響

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放牧飼育による肥育豚の行動と生理的影響
栄養生理研究会報 Vol.60,No.1 2016
放牧飼育による肥育豚の行動と生理的影響
戸澤あきつ
(信州大学農学部)
1.はじめに
りつつある 3)。2015 年 10 月に TPP(環太平洋パー
動物の行動と生理は互いに影響しあっている。生
トナーシップ)が合意されたいま、安価なだけでな
体内化学物質濃度が変化することにより、それに
く、アニマルウェルフェアに準じて生産された輸入
伴って行動に変化があらわれることがある。哺乳動
畜産物が国内市場に流通すると見込まれる。国内産
物では消化管、脂肪組織、脳における栄養素あるい
の畜産物の生き残りのためにもウェルフェアに配慮
は内分泌の変化によって空腹を感じ、エネルギーを
した畜産の推進および付加価値をつけた生産が求め
得ようと食物を探すように行動する。食物を得るた
られることは必須である。
めに探査し、栄養源となるものを探し当て、口にし、
アニマルウェルフェアは動物の飼育状態を動物主
咀嚼して体内に取り込む。繁殖行動でも同様のこと
体で捉え、「5 つの自由」を共通概念として掲げて
がいえる。オスではテストステロン、メスではエス
いる 4)。「①空腹および渇きからの自由」「②不快か
トロジェンの血中ホルモン濃度が上昇することによ
らの自由」「③苦痛、損傷、疾病からの自由」
「④正
り、互いに受入れるようになる。
常行動発現の自由」「⑤恐怖および苦悩からの自由」
また、その逆も起こる。行動発現の有無によって、
である。いずれかのみが満たされれば良いのではな
生体内の生理的変化が生じる場合である。種の存続
く、これらの 5 つがバランスよく満たされている状
のためにも種の典型的な行動や個体および社会的集
態を目指す。アニマルウェルフェア評価では動物の
団の中で行われる生得的な行動が動物には備わって
状態を正確に捉えるために、欲求や内的状態が表出
いる。生得的な行動の発現が困難な場合あるいは動
しうる行動からの側面と、行動だけでは捉えられな
きを拘束されることによって、動物はストレスを感
い生理的な側面からの両方を組み合わせた総合的な
じ、グルココルチコイドやアドレナリン、ノルアド
評価が望ましい。
レナリンといった血中ホルモン濃度が上昇する。特
現行の集約的な畜産方式における肥育豚の飼育環
に家畜や動物園動物といった、人間の管理下におか
境は狭小かつ単調であり、外部刺激が少なく、生得
れている飼育動物は自然下で発現している行動が制
的な行動が十分発現できない 5)。単調な環境の中で
限されやすいため、長期ストレスにさらされているこ
の慢性的無気力症 5)、あるいは適切な刺激の欠乏に
とが多い。また、母子行動における授乳・吸乳行動と、
よる異常な転嫁行動や常同行動の発達は長期的スト
乳汁の合成や分泌に関与するプロラクチン、オキシ
レスのあらわれであり、繁殖率の低下や疾病の増加
トシンといったホルモンの分泌の相関は高く
、行
といった生産性の低下へとつながる。対して、放牧
動の発現あるいは受容することによる生体内の生理
という飼育方式は、飼育スペースが拡大することや
変化が認められている。
屋外での多様な刺激が存在することから、行動の自
海外では家畜にとって苦痛や不快の少ない飼育方
由度が増し、家畜は活動的になる。給水や給
法を目指したアニマルウェルフェア畜産が主流とな
病予防、怪我への対応といった基本的な飼育管理が
1,
2)
Proceedings of Japanese Society for Animal Nutrition and Metabolism 60(1): 45-51, 2016.
Behavioural and physiological responses of fattening pigs rearing at pasture
Akitsu Tozawa
(Faculty of Agriculture, Shinshu University)
- 45 -
、疾
徹底されれば、アニマルウェルフェアの「5 つの自由」
入した。4 腹から 2 頭ずつ導入し、異なる腹の子豚
のうち、現行の集約畜産では実現しにくい「④正常
を 4 頭 1 群として舎飼区と放牧区に供試した。両処
行動発現の自由」が放牧では充足され、アニマルウェ
理区は同敷地内に設置し、気候、衛生環境、給与飼
ルフェアが向上すると考えられる 。
料を統一した。また、同一人物が管理することで、
そこで本稿では、現行の畜産で主流となっている
供試豚に対する扱いも統一した。舎飼区は開放式の
集約的な舎飼方式(以下、舎飼)と、粗放的な飼育で
豚舎を利用し(1.2m2 /頭)、床の半分はスノコ、半
ある放牧方式(以下、放牧)で飼育された肥育豚の行
分はベニヤ板であった。放牧区では舎飼区と同様の
動と生理的変化について生産性も含めて紹介する。
豚舎を設置し、加えて牧草のケンタッキーブルーグ
6)
ラス(Poa pratensis)、イタリアンライグラス(Lolitum
2.舎飼と放牧における肥育豚の行動発現と生産性
multiflorum)、レッドトップ(Agrostis alba)が優占す
の比較
る放牧地(200m2)を提供した。不断給
、自由飲
集約的な畜産方式における肥育豚の一般的な飼育
水であり、豚舎内の清掃は毎日行った。肥育豚の導
では、生産効率や衛生面、適度な休息場所の提供(横
入時期は 87 日齢、体重(平均±S.D.)は舎飼区で
臥が可能であるか)といった観点から、1 頭あたり
36.3±1.0kg、放牧区で32.9±1.1kg であった(P=0.04)。
0.8m2 程度の広さが提供された屋内ペンでの群飼が
行動観察は 151∼156 日齢、体重 100kg 前後の肥育
多い。また、飼育ペン内の環境はコンクリートやス
後期に行った。観察した行動の項目は表 1 の通りで
ノコ床で単調であり、多くの農家ではエンリッチな
ある。個体自身の生理的平衡を保つために発現され
環境を提供していない。ブタはイノシシを家畜化し
る維持行動と、間欠的にみられるイベント的な行動
た動物である。イノシシは林地あるいは草地で生活
を観察した。また、生産性の指標として、体重を導
することから、ブタを放牧地で飼育することで生得
入時、肥育後期に差しかかる 70kg 前後の時期(138
的な行動の発現がみられる。そこで、狭小で刺激が
日齢)と出荷時(193 日齢)に測定した。出荷時には
少ない単純な環境(舎飼区)と半自然下の環境(放
外傷評価を welfare Quality® assessment protocol9)に
牧区)での飼育が肥育豚の行動にどのように影響す
従って行った。
るか検討した 7,8)。
維持行動(表 2)では、飼料、生草、土壌すべて
同時期に産まれた LW 種、去勢雄を 8 頭同時に導
の摂食行動を合わせた全摂食行動の時間配分が舎飼
表 1.行動観察に使用した肥育豚のエソグラム
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(文献 7 をもとに改変)
- 46 -
表 2.肥育豚の維持行動の時間配分(平均±S.D.%)
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a:マンホイットニーの U 検定
(文献 7 をもとに改変)
区で 12.7±1.0%、放牧区で 19.9±3.5%となり、放牧
期よりも後期に高い増体を示すといえる。
区で摂食行動の発現が多くなった(P =0.03)。摂食
行動観察において、探査行動の時間配分は舎飼区
行動のうち、飼料の摂食では時間配分に違いがみら
で 3.3±0.8%であったが、放牧区では 12.2±1.0%と
れなかったが、放牧区では生草や土壌の存在により、
3.7 倍も発現していた(P=0.03)。ブタにとって発現
それらの摂食が発現されていた。同じ給与飼料を同
機会が減少することにより問題となる行動のひとつ
程度の時間摂食していたため、舎飼区と放牧区では
に探査行動がある。ブタは積極的に探査を行う動物
飼料からの栄養摂取は同程度であると考えられる。
であることから、探査行動の発現は重要である 11)。
しかし、放牧区では生草の摂食が全摂食行動のうち
探査行動には、
の 26.1%、土壌の摂食は 10.5%行われていた。摂取
明確な目的がある外因性探査と新規物といった外部
食物が異なれば、体内に取り込まれる栄養素も異な
からの刺激に対する好奇心に動機づけられた内因性
ると考えられた。
探査がある。探査行動の発現形態は外因性と内因性
このように、飼育環境が異なることで全摂食行動
で区別を付けることができないことから、内因性の
の時間配分に違いがあらわれることから、体重増加
探査行動を発現するためにも外部からの刺激は重要
にも影響を与えると考えられた。しかし、表 2 の結
となる。放牧地には適度な刺激が存在し、複雑な環
果からもわかるように、放牧区では休息が舎飼区の
境を提供できていたことから探査行動の発現を促す
73%であり、活動性が高かった。高い活動性はエネ
ことが可能であったといえる。
ルギー消費を促すことから、十分な増体が見込まれ
また、ブタは探査行動の中でも鼻先で穴を掘る行
ない可能性もある。本研究で体重測定を行ったとこ
動であるルーティング、そして口の中でものの咀
ろ、導入時(P=0.04)および 138 日齢(体重=平均
嚼を行うチューイングといった、口先を動かす oral
±S.D.;舎飼区 78.1±1.8kg、放牧区 70.1±1.4kg、P
behaviour の発現欲求が高い。ルーティングは舎飼
=0.03)では、放牧区よりも舎飼区で体重が有意に
区で発現がみられなかったが、放牧区では 13.9±6.0
増加していた。しかし、出荷時には舎飼区の体重(平
回/時と発現されていた(表 3、P=0.01)。チューイ
均± S.D.)は 119.3±11.5kg、放牧区は 119.9±4.6kg
ングは舎飼区で 0.3±0.3 回/時であったが、放牧区
となり、差がみられなかった(P=0.57)。Gentry ら
では 19.4±3.6 回/時発現されていた(P=0.02)。ブ
(2002)は夏期の放牧によって舎飼よりも肥育豚の
タは oral behaviour の発現が不十分な場合、その行
増体が良好だったと報告している
や休息場所を探し求めるといった
。本研究も夏
動を他個体や施設に向けて転嫁する12,13,14)。攻撃を
期に行われたが、導入時体重に差があったにも関わ
受けた個体は外傷の増加や食欲不振といった生産性
らず、出荷時体重では差がみられなくなった。肥育
の低下をもたらすことがあるため、失宜行動は精神
豚は放牧でも舎飼と
的ストレス指標のひとつといえる。他個体に対する
10)
色なく成長し、また、肥育前
- 47 -
表 3.各行動の 1 時間あたりの出現頻度(平均±S.D. 回/時)
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a:マンホイットニーの U 検定
(文献 7 をもとに改変)
攻撃性や転位行動を含めた失宜行動が舎飼区では
不飽和脂肪酸が肥育豚の体内に取り込まれ、体内不
8.3±5.9 回/時となり、0.7±0.8 回/時であった放牧
飽和脂肪酸含量の増加につながったと考えられた。
区よりも有意に多く発現されていた(P=0.02)。本
放牧地のブタは土壌の摂食も行っていることか
研究において出荷時外傷を評価したところ、舎飼
ら、土壌中のミネラルを摂取していると考えられ
区では 47.5±22.7 点、放牧区では 6.3±4.6 点となり、
る。しかし、ミネラルやビタミンといった微量の栄
放牧区で外傷が有意に少なくなった(P=0.03)。放
養素は給与配合飼料で十分補えることから、肥育豚
牧することで肥育豚は正常な行動の発現が可能とな
の土壌摂取による栄養学的メリットは少ないとされ
り、精神的ストレスが少なくなり、外傷の少なさと
ている 17)。ただ、生理的貧血を起こす哺乳期に放
いう生産性低下の防止につながったと考えられた。
牧下で飼育された子豚は鉄製剤を投与しなくても貧
血を起こさないという報告がある18)。このことから、
3.放牧地での生草および土壌摂取、高い活動性に
よる肥育豚の生理的変化
土壌の摂食はブタの体内生理に少なからず影響を与
えているといえる。
前項に示した通り、肥育豚を放牧した場合、放牧
放牧飼育により、肥育豚は舎飼よりも背脂肪が薄
地に存在する野草あるいは牧草といった生草の摂食
く、赤身肉割合が高くなることが報告されている19)。
や土壌の摂食がみられる。摂取食物が異なることで
また、筋線維組成が舎飼と放牧で異なるという報告
体内の栄養組成が変化すれば、体成分や生産物の構
もある 20)。放牧地で肥育豚は活動的であり、運動
成にも影響する。
量が影響すると考えられた。しかし、前述したよう
Högberg ら(2001)は放牧することによって肥育
に放牧では舎飼と増体変化も異なるため、その違い
豚の筋肉内脂肪中の不飽和脂肪酸が変化すると報告
が関係しているともいわれており、さらなる研究が
している
必要である。
。この報告によると、筋肉内脂肪中の
15)
ω−3 脂肪酸含量が舎飼では 1.01%であったのに対
し、放牧では 1.17%と有意に増加し(P=0.02)、ω−
4.正常行動の発現有無による肥育豚の生理的スト
レス指標の変化
6 脂肪酸含量は舎飼で 7.41%、放牧で 7.69%と増加
する傾向にあった(P=0.55)。ω−3、ω−6 脂肪酸は
これまで述べてきたように、放牧という半自然環
共に動物の体内では合成できない必須脂肪酸である
境下では生得的な行動の発現が可能であるが、現行
ことから、これらの変化は外部からの摂取に依存す
の集約的な畜産方式では制約されてしまうことか
る。Van der Wal と Mateman(1993)は給与飼料のう
ら、肥育豚は長期的にストレスにさらされていると
ち 10%が粗飼料であった放牧豚の背脂肪中リノレ
考えられる。放牧下でのブタの生理的ストレス評価
ン酸(C 18:3)含量が増加したと報告している 16)。
を行っている研究は少ない。しかし、舎飼の環境改
放牧地での生草の摂取により、生草に含まれている
善のためにエンリッチメント資材を提供することで
- 48 -
正常行動の発現を促し、そのことによるストレス状
4 頭中 3 頭、放牧区で 4 頭中 2 頭であった。ワクチン
態の生理的評価は数多く行われてきた。De Jong ら
接種前後の平均抗体価上昇度は PRRS で舎飼区 2.47
(2000)は単調な環境とワラを提供したエンリッチ
±0.81、放牧区 2.36±0.86 となり、AD で舎飼区 0.42
環境で飼育した肥育豚の唾液コルチゾール濃度につ
±0.34、放牧区 0.37±0.28 となった。いずれも有意
いて報告している
な差はみられず(P >0.05)、ワクチン接種による抗
。この報告において、単調な環
21)
境は 0.84m2 /頭で半分がコンクリート床、半分がス
体反応は飼育環境で変わらなかった。
ノコ床であり、エンリッチ環境は 1.26m2 /頭で半分
以上のことから、飼育環境の違いによる正常行動
がコンクリート床にワラが提供され、半分はスノコ
発現の抑制という長期的ストレスは、内分泌に影響
床であった。ワラの提供はブタにとって探査行動を
をおよぼすという報告はあるものの、抗体産生等の
はじめとする正常行動を促すことから一般的に使用
免疫機能に変化をもたらすほどの影響は与えないと
されているエンリッチメント素材である。肥育豚を
考えられた。
10 週齢以降にそれぞれの環境で飼育し、22 週齢で
唾液コルチゾール濃度を 1 時間おきに 24 時間測定し
5.おわりに
たところ、エンリッチ環境で飼育された肥育豚は日
20 世紀後半の効率主義的な産業の発展は地球環境
中にコルチゾール濃度が上昇し、概日リズムが保た
へ多大なる負荷をかけ、自然を消耗してきた。今後、
れていた。しかし、単調な環境で飼育された肥育豚
世界は持続可能な発展を行うべく、これまでの産業
では一日を通してコルチゾール濃度が上昇せず平坦
の在り方を見直す時期にさしかかっている。家畜の
化しており、概日リズムが保たれていなかった。コ
放牧飼育は、草地生態系の多様性維持に貢献する持
ルチゾールは概日リズムを有するホルモンである。
続可能な農業のひとつである 22)。また、わが国で
概日リズムが保たれていないということは副腎機能
増加している耕作放棄地の有効利用、つまり未利用
の低下を意味し、長期的なストレス負荷がかかって
資源の活用にもなりうる。これらのことも考慮する
いたと考えられた。よって、エンリッチメント資材
と、肥育豚の放牧飼育はこれまでの集約的な畜産と
の提供による正常行動の促進は肥育豚にとって長期
は異なった視点を持った畜産のひとつとして提案す
的ストレス負荷が軽減されていたといえる。
ることができる。
このように、正常行動発現の有無は身体への生理
これまで述べてきたように、放牧することで肥育
的な影響をおよぼす。長期的なストレス負荷による
豚の正常行動発現が促され、長期的ストレスの回避
副腎機能の低下は内分泌物質への影響だけでなく、
により、体内の生理状態も機能し、身体的な健康性
免疫機能へも影響し、正常に機能しない可能性が考
を維持した生産が可能であると考えられた。また、
えられた。そこで、前述の行動観察に用いた舎飼区
消費者の食生活への健康志向が高まっているいま23)、
と放牧区の肥育豚へのワクチン接種による免疫機能
脂肪が多い肉よりも赤身肉の需要が高まっている。
の評価を行った。
そして、食べることにより中性脂肪を減少させると
ワクチンによる抗原刺激により、抗原刺激に対す
いわれている多価不飽和脂肪酸を多く含む食品が注
る抗体価の変化を調べた。使用ワクチンは日本脳
目されている。これらを鑑みると放牧豚の産肉は添
炎、豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)、豚オーエス
加物を給与しなくても高付加価値をつけられる畜産
キー病(AD)の 3 種であった。接種前に採血を行
物となりうる。ただし、体内の栄養素組成について
い、ワクチン接種 3 週間後に再び採血を行い、接種
は、行動の発現だけでなく外部環境の影響が大きい
前後の抗体価を測定して比較した 。日本脳炎の抗
と考えられた。放牧は自然環境下での飼育のため、
体価は HI で測定した。PRRS および AD の抗体価
ヒトが十分に制御することができない気候や各放牧
は ELISA で測定し、補正値(披検血清の ELISA 値
地特有の植生および土壌環境が存在する。それらの
/参照陽性血清の ELISA 値)を算出した。ワクチン
体内生理への影響を把握することにより、高ウェル
接種 3 週間後の日本脳炎の抗体保有個体は舎飼区で
フェアなだけでなく、個々の放牧地での特徴的な環
8)
- 49 -
境を活かした高付加価値生産が可能となる。わが国
育豚飼育方式の福祉性改善要因の解明.博士論
における高付加価値国産豚肉の生産のためにも、今
文.東北大学.
後、放牧養豚の行動学的側面だけでなく、生理学的
9) Welfare
側面も伴った複合的な研究を期待したい。
Quality®
Quality®
Consortium.
2009. Welfare
assessment protocol for pigs (sows and
piglets, growing and finishing pigs). Welfare
謝 辞
Quality® Consortium, Lelystad, Netherlands.
本稿で紹介した研究の一部は東北大学大学院農学
10) Gentry JG, McGlone JJ, Blanton Jr. JR, Miller
研究科附属複合生態フィールド教育研究センターで
MF. 2002. Alternative housing systems for pigs:
遂行されたものである。御指導いただいた佐藤衆介
Influences on growth, composition, and pork quality.
教授(現帝京科学大学教授)ならびに関係者各位に
J. Anim. Sci., 80 : 1781−1790.
厚く御礼申し上げます。
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development of behaviour in pigs. Appl. Anim.
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somatostatin,
insulin,
glucagon
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