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田辺三菱製薬株式会社 様
事例カタログ フィールド・イノベーション導入事例 田辺三菱製薬株式会社 様 自己を見直す意識改革で業務効率化を加速 間接業務の全社最適化へ大きな足がかりに 課 題 効 果 ■ 属人化しがちな体質を改善し、確実に業務を継続できる環境 を構築 ■ 可視化で根本要因を追求し、 「他責」ではなく 「自責」の意識で 自ら業務改善に取り組む職場風土を醸成 ■ 本社・関連企業に、最適な間接業務サービスを提供すること ■ 意識改革の効果を拡大し、部門全体の業務改革を促進 こうした点を解消すべく導入されたのが、富士通のフィールド・ イノベーションだ。 「自分達自身が納得しながら進めていく手法 がコンサルとは違いますし、確実に成果が出せると感じました。 外 部 の 客 観 的 な 目 で 業 務 を 見 てもらうことで 、改 善 がより スピーディーに進むことを期待しました」 と木之下氏は語る。 プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ (以下、 FIer)は、 早速インタビューやデータ分析、現場観察などによる事実可視化 写真左から、吉富薬品株式会社 企画管理部 中村 泰崇氏、 に着手。その結果、会計データ修正作業に多くの工数を要して 田辺三菱製薬株式会社 理事 ビジネスエキスパートセンター長 木之下 敦彦氏、 ビジネスエキスパートセンター 会計グループ グループマネジャー 松本 実氏 おり、 約 54 %が申請部門での入力ミスに起因していることが 判明。また、事前の仮説通り、会計グループ内での承認作業が 会計業務の安定継承を目指し改革に着手 共通化・標準化できていない点も、効率化の阻害要因になって いることが浮かび上がってきた。 「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」と これらの可視化結果を踏まえて、課題の整理と改善施策の いう企業理念の下、医薬品の開発・販売事業を展開する田辺三菱 立案に向けたワークショップを実施。当時の改革メンバーであり、 製薬。その中で、 グループ全社の経理・財務、総務、採用、人材育成 現在はグループの一社である吉富薬品に籍を置く中村 泰崇氏は などの サ ービスを提 供して いるの がビジネスエキスパート 「メンバーは各々が一部門や一社等の単位で伝票審査を担当 センターと呼ばれる部門だ。 していて、それぞれの部門の特性に合わせて業務を進めてきま 今回、同センターでは、各種の支払いや経費精算などを担う した。その方法を標準化するために、全員が本音で議論を重ねて と語る。 会計グループの業務改革に着手。センター長の木之下 敦彦氏は、 納得できる施策をまとめました」 「高齢化が進むにしたがって、当社でもベテラン社員がどんどん その結果定められた改善テーマは、 「申請部門の入力ミス 定年を迎えています。今後も事業を継続していくために、現状の 防止」 「会計グループの指示ミス撲滅」 「会計グループのチェック 業務プロセスを見直し、標準化・効率化を進めることが急務で 作業標準化」の 3 点。特に申請部門の入力ミス防止については、 した」 と説明する。 「修正件数 45 %削減」という具体的な KG( I 到達目標)も掲げら れた。 会計データの修正が発生する原因を徹底的に追求 同社では合併を経たこともあり、支払処理の手順や判断が 担当者によって異なっていた。同社の松本 実氏は「もちろん 、 最終的な会計処理は同じ結果に収まります。 しかし、人によって やり方が違うと社員が混乱しますので、会計グループとしての 標準化が必要と常々感じていました」 と振り返る。 お客様プロフィール 田辺三菱製薬株式会社 本 社 大阪市中央区道修町3-2-10 設 立 1933年12月15日 資 本 U R 金 500億円 L http://www.mt-pharma.co.jp/ http://www.fujitsu.com/jp/fieldinnovation/ 事例カタログ フィールド・イノベーション導入事例 木之下氏は「他責から自責、つまり 『社員が間違うのは、自分 ■会計データ修正の理由 たちの業務に何か改善すべき点があるからではないか』 という 発想をメンバーが持つようになりました。これは、今回の活動の 交際費 関連ミス その他 づいているからこそ、 メンバーも納得して活動を進められたの データ 削除・返戻 54% 勘定科目違い までの時間が、想像以上に早かった。これもFIerの支援のおかげ と感謝しています。徹底した業務観察など、客観的な事実に基 申請元による 入力ミス起因 書類不備 非常に大きな成果と感じています。 しかも、 この意識改革に至る 請求書番号ミス 支払希望日違い でしょう」 と満足げに語る。 ■大幅に減少した修正作業 修正比率(修正件数/総会計データ件数) 12.0% 10.0% 8.0% 会計グループでは毎月会計データの修正に多くの工数を費やしていたが、 その原因の半分以上が、申請部門の入力ミスであった。 6.0% 4.0% 3つの課題に取り組み修正件数を1/2に削減 まず「申請部門の入力ミス防止」については、社員が入力を 間違えずに行えるようシステムの改良を実施。表示するガイ ダンスの内容も、利用している社員の声を基に適宜見直しを実施 している。 2.0% 0.0% ※11.4% → 5.8%へ半減 2015年5月 2015年8月 2016年3月 申請部門の入力ミス防止策を展開したことで、修正比率は11.4%→5.8%と 半減。目に見える成果が得られたことで、改善に取り組むメンバーの意識も 大きく変わった。 また、 「会計グループの指示ミス撲滅」については、様々な会計 処理の入力見本を新たに作成し社員に公開。 「社員に入力見本を 見てもらえば相互理解も進みますし、問い合わせにも的確に回答 活動の成果を他のグループへも拡大 できます。入力見本の内容は、問い合わせ内容を反映して改善を 今回の活動に参加した松本氏、中村氏も、 「現状の業 務を 繰り返しています」 と中村氏は語る。 効率化し、新しいことに挑戦しようという意識が高まったことは 最後の「会計グループのチェック作業標準化」では、業務フロー 大きな変化。この機運をさらなるサービス向上につなげていき そのものを見直した。松本氏は「伝票に記載されている項目の たい」 ( 松本氏)、 「 成果が数値で現れるのは嬉しいこと。今後に 中には、マーケティングに関する項目等、会計グループ側では 向けたモチベーション向上にもつながりましたね。FIerから学ん 正誤の判断がつかないものがあります。そのチェックを先に現場 だ様々な改善手法も、大いに参考になりました」 と語る。 部門側で済ませてもらい、処理の迅速化と効率化を図りました」 さらに同社では、この活動をビジネスエキスパートセンター と説明する。 全体に広げるべく、新たな取り組みを展開中だ。木之下氏は また、会計グループ内で情報を共有し、処理方法を統一。その 「 今回の成果や活動プロセスについては、経営トップから高く 効果は非常に大きく、修正件数は従来の約 50%と、設定したKGI 評価されました。当社では常に改善・改革活動では『ブライト 以上の成果を上げた。現場の社員からも、迷わず手続きができる スポット』、つまり小さな成功例を積み重ねていくことが重要だと ようになったと、歓迎の声が寄せられている。 意識づけをしています。今回の取り組みはまさにこのブライト こうした活動を通して、会計グループの意識改革は大きく進 スポットそのもの。実際に、同様の課題を抱えていた給与・厚生 んだ。以前は前例主義に陥りがちな面もあったが、 さまざまな業務 グループでもフィールド・イノベーションを導入し、成果を上げて の問題点を「なぜなぜ」で徹底的に追求する中で、課題の本質を います。全社的な業務改革に向けた環境整備ができたので、 より 明らかにし自ら改善に挑もうとする意識が生まれてきたのだ。 一層サービスの向上を図っていきたい」 と抱負を語った。 お問い合わせ先 富士通コンタクトライン(総合窓口) 0120-933-200 受付時間 9:00 ∼ 17:30 (土 ・ 日 ・ 祝日を除く) 富士通株式会社 〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター http://www.fujitsu.com/jp/fieldinnovation/ Copyright 2016 FUJITSU LIMITED 2016年10月