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報道発表資料(PDF:322KB)
全日本空輸株式会社に対する排除命令について 平成20年8月25日 公 正 取 引 委 員 会 公正取引委員会は,全日本空輸株式会社(以下「全日本空輸」という。 )が提供する「プ レミアムクラス」と称する,専用カウンター及びラウンジの利用,優先搭乗等の空港サー ビス並びに一般の座席よりも広い座席間隔で設置された上質の座席の利用,機内食の提供 等の機内サービスを提供する役務(以下「プレミアムクラス」という。)に係る表示につい て調査を行ってきたところ,景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)の規定に違反す る事実が認められたので,本日,同法第6条第1項の規定に基づき,同社に対して,排除 命令(別添排除命令書参照)を行った。 1 関係人の概要 事業者名 所 在 地 代 表 者 全日本空輸株式会社 東京都港区東新橋一丁目5番2号 代表取締役 山元 峯生 2 排除命令の概要 (1) 違反事実の概要 全日本空輸は,平成20年4月1日からプレミアムクラスを一般消費者に提供する に当たり,一般日刊紙に掲載した広告において,例えば,座席の頭部の両側部分に仕 切りを設け,隣の座席の人から顔が見えないようにするなどした新型の座席(以下「新 型座席」という。 )の画像を掲載するとともに「ANAの国内線「プレミアムクラス」、 4/1より全国でスタート。 」と記載することにより,あたかも,プレミアムクラスを 利用すれば,新型座席を利用することができるかのように示す表示をしているが,実 際には,同年4月から同年5月までの間においては,新型座席が設置されている便は なく,大部分の便において従来から使用されていた座席をそのまま提供し,その余の 便においても従来から使用されていた座席を生地の張替え及び座席間隔の変更をして 提供しているものであった。 (2) 排除措置の概要 ア 前記(1)の表示は,一般消費者に対し,実際のものよりも著しく優良であると 示すものである旨を公示すること。 イ 再発防止策を講じて,これを役員及び従業員に周知徹底すること。 ウ 今後,同様の表示を行わないこと。 問い合わせ先 ホームページ 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部景品表示監視室 電話 03−3581−3377(直通) http://www.jftc.go.jp (参考) 不当景品類及び不当表示防止法(抜粋) (昭和三十七年法律第百三十四号) (目的) 第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示によ る顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法 律(昭和二十二年法律第五十四号)の特例を定めることにより、公正な競争を 確保し、もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。 (不当な表示の禁止) 第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲 げる表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際の ものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係 にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に 顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と 競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利である と一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するお それがあると認められる表示 三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消 費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争 を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの 2 (省略) (排除命令) 第六条 公正取引委員会は、第三条〔景品類の制限及び禁止〕の規定による制限 若しくは禁止又は第四条第一項〔不当な表示の禁止〕の規定に違反する行為が あるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行 われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その 他必要な事項を命ずることができる。その命令は、当該違反行為が既になくな つている場合においても、することができる。 2及び3 (省略) 別 添 平 成20 年(排 )第4 5号 排 除 命 令 書 東京都 港区東 新 橋 一丁目 5番2 号 全日本空輸株式会社 同代表者 代表取締役 山 元 峯 生 公正取引委員会は ,前記 の者に 対し, 不当景品類及び不当表示防止法 (以下 「景 品表示法 」と い う。) 第6条 第1項 の規定 に基 づき, 次のとおり命 令する 。 主 1 文 全日本空輸株式会社 (以下主文 において「全日本空輸」 という。)は,一般消費者に 提供す る「プレミアムクラス 」 と 称する ,専 用カウンター 及び ラウンジの利 用,優 先 搭 乗 等 の空港 サービス並 びに一 般の 座席よりも広 い座席間隔 で 設 置さ れ た上 質の座 席の利 用, 機内食 の提 供 等の機 内サ ー ビ スを提 供す る役務 (以下主文 において「プレミアムクラ ス 」と い う。 )の取 引に関 し, 一般消費者の 誤認を 排除 す るために ,平 成20 年2月 ころ から同 年3月 ころまでの 間 新聞広告 において行 った, あたかも, 当該役 務を利 用す れ ば 新型の 座席 を利用 することができる かのように示 す表 示 は ,事実 と異 なるものであり, かかる 表示は ,当該 役務 の 内 容について ,一般消費者 に対 し,実 際のものよりも著 し く 優良で あ る と示すものである 旨を速 やかに 公示し な け れ ばならな い。 この公 示の方 法については,あらかじめ, 当 委員会の 承認を 得なければならない 。 2 全日本空輸は ,今後 ,プレミアムクラス又はこれと 同種 の 役務の 取引 に関し ,前項 の表 示と同 様の表 示が行 わ れ る ことを防 止するために必要 な措 置を講 じ,これを自 社の 役 員 及び従業員に 周知徹底しなければならない。 3 全日本空輸は ,今後 ,プレミアムクラス又はこれと 同種 の 役務の 取引 に関し ,第1 項の 表示と 同様の 表示を 行う こ 1 とにより ,当 該役務 の内容 について, 一般消費者に 対し , 実 際のものよりも著 しく優 良であると 示す表 示をしてはな らない。 4 全日本空輸は ,第1 項に基 づ い て行っ た公 示 及び第 2項 に 基づ い て採 った措 置について ,速やかに文 書をもって 当 委員会に 報告しなければならない。 事 実 1 全日本空輸株式会社(以 下「全日本空輸」という 。)は ,肩 書 地に本 店を置 き, 航空運送 業を営 む事 業 者で あ る。 2 (1) 全日本空輸 は,平成 20年 4月1 日以降,同社の 国内線 の一部 の便において , 「 プレミアムクラス」と 称す る,専用 カウンター及 びラウンジの 利用,優先搭 乗 等 の 空 港 サ ー ビ ス並 び に 一 般 の座 席 よ り も 広 い座 席 間 隔 で 設置 さ れ た 上 質 の 座席の 利用,機内食の 提 供 等の機 内サービスを 提供す る役務( 以下「プレミ ア ム クラス」という。 )を一般消費者に提 供している 。 (2) 全日本空輸 は,平 成20 年2月 1日 以 降,プレミアムクラスの利 用の予 約を 受 け付け ている 。 3 全日本空輸 は, プレミアムクラス について ,別 表 記 載の 日に 同表記載 の一般日 刊 紙 に掲 載し た広 告に お い て, 例え ば, 平成 20 年2 月1 日付 け日 本 経 済 新 聞に 掲 載 した 広告 (別添写 し) にあっては, 座席 の頭 部の 両側部分 に仕 切り を設 け, 隣 の座席 の人か ら顔が 見えないようにするなどした新 型の座 席(以下「新型座席 」 と い う。 )の 画像 を掲 載す ると と も に「 A N Aの 国 内 線「 プレミアムクラス 」、 4 / 1よ り全 国で スタート 。」 と記 載することにより ,あ た か も, プレミアムク ラ ス を利 用すれば ,新 型 座 席を 利用 することができるかのように示 す表 示をして い る が, 実際 には ,平 成2 0年 4月 から 同年 5月 ま で の間 においては, 新型座席 が 設 置されている 便はなく ,大部分 の便 において 従来 から 使用 されていた座 席を そのまま 提供 し, その 余の 便に お い ても 従来 から 使用 されていた座 席を 生地 の張 替 え及び 座席間隔の変 更をし て提供 してい るものであった。 法 令 の 適 用 前 記事実 によれば, 全日本空輸は ,プレミアムクラスの内 容について, 一般消費 者 に対し ,実際 のものよりも著し く優良 であると示 すことにより ,不当 に顧客 を誘 2 引 し,公 正な競 争を 阻害するおそれがあると認 められる表 示をしていた ものであっ て ,か か る行為 は,景品表示法第4 条第1 項第 1号の 規定に 違反するものである 。 よって ,主文 のとおり命令 する。 平 成20 年8月 25日 公 正 取 引 委 員 会 委員長 竹 島 一 彦 委 員 山 田 昭 雄 委 員 濱 崎 恭 生 委 員 後 藤 委 員 神 垣 3 晃 清 水 別表 広 告 掲 載紙 日本経済新聞 朝 刊・夕 刊の別 広告掲載 日 朝刊 平 成20 年2月 1日, 同年3 月28 日 夕刊 平 成20 年3月 24日 読売新聞 朝刊 平 成20 年2月 1日, 同年3 月28 日 朝日新聞 朝刊 平 成20 年2月 1日, 同年3 月28 日 毎日新聞 朝刊 平 成20 年2月 2日, 同年3 月28 日 産経新聞 朝刊 平 成20 年2月 2日, 同年3 月28 日 北海道新聞 朝刊 平 成20 年3月 28日 中日新聞 朝刊 平 成20 年3月 28日 西日本新聞 朝刊 平 成20 年3月 28日 4 別添写し (縮小したもの)