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マイクロストリップパワースプリッタの最適化
MW STUDIO マイクロストリップパワースプリッタの最適化 完全に自動化された最適化を 3 ポートのマイクロストリップパワースプリッタモデルに対して行った事例を紹介します。 この最適化には MW STUDIO 2006 に内蔵された Classic Powell 最適化メソッドを使用しています。図 1 は 3 つのウ ェイブガイドポートを定義したマイクロストリップパワースプリッタのモデルです。 基板は誘電率 9、寸法は 11.308× 5.2×0.635(単位 mm)。 メタライゼーションの厚さは 0.017mm です。 この計算は時間領域ソルバを使用して行いました。 最適化前の S パラメータを図 2 に示します。 図 1: ウェイブガイドポートのセットアップを表示したマイクロストリップパワースプリッタモデル 図 2: 最適化前のモデルの S パラメータ 図 2 に示すように、最適化前のモデルでは、リターンロスは周波数 7.86GHz で最小となります。 チューニングを行うエレメントを図 3 に示します。 このエレメントの長さを最適化の変数とします。また、リターンロスが最小 となる周波数が 6GHz にシフトするのを最適化のゴールとします。 C061215-SW261-001 ©2006 AET,Inc. All rights reserved. 株式会社エーイーティー 〒215-0033 神奈川県川崎市麻生区栗木 2-7-6 TEL (044)980-0505 FAX (044)980-1515 図 3: 最適化変数としてのチューニング対象のエレメントの長さ 最適化後の S パラメータを図 4 に示します。 要求された通り、リターンロス最小値が 6GHz にシフトしている点にご注 意ください。 図 4: 最適化後のモデルの S パラメータ 図 5 はパラメータ値を変化させた場合の各々のケースについて、リターンロスをプロットしたものです。 図 5: パラメータ値を変化させた場合のリターンロスの変化 C061215-SW261-001 ©2006 AET,Inc. All rights reserved. 株式会社エーイーティー 〒215-0033 神奈川県川崎市麻生区栗木 2-7-6 TEL (044)980-0505 FAX (044)980-1515 図 6 は最適化後のパワースプリッタモデルのパワーフローです。 ポート 1 に供給された入力電力がポート 2 と 3 に等し く二分されているのが分かります。 図 6: 最適化後のモデルのパワーフロー まとめ: この記事では、最適化のプロセスにおいてチューニングエレメントの長さを変化させることで、ポート 2 と 3 に目的通り のパワーフローを実現できることを示しました。 これにより例えば-3dB パワースプリッタなどの設計を支援します。 C061215-SW261-001 ©2006 AET,Inc. All rights reserved. 株式会社エーイーティー 〒215-0033 神奈川県川崎市麻生区栗木 2-7-6 TEL (044)980-0505 FAX (044)980-1515