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3.緑に関する施策の方針

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3.緑に関する施策の方針
3.緑に関する施策の方針
(1)緑地の保全及び緑化の目標
緑地の保全(施設緑地の整備を含む)及び緑化について、目標年次である平成 32 年の数値目標を設
定しました。
①計画のフレーム
緑地の保全及び緑化の目標を設定するための目安となる数値を、以下に設定します。
計画対象区域は稲沢市全域とし、人口見通しは総合計画との整合を考慮し、以下のとおりとします。
表 3-1 計画対象区域
都市計画区域名称
稲沢中島都市計画区域
計画対象区域
79.3km2(稲沢市全域)
表 3-2 人口の見通し
実績値
稲沢市総人口
目標年
平成 12 年
平成 17 年
平成 32 年
136,938 人
136,965 人
131,200 人
②緑の確保目標
市街化区域において新たに整備する都市公園、市街化調整区域において新たに整備する都市公園及び
民有地にて確保する緑地の目標量をそれぞれ定めました。その上で、目標年次における面積、人口等の
計画フレームを前提に、緑地、都市公園等、緑化に係る各指標の目標を定めました。
表 3-3 平成 32 年(目標年次)までに整備する緑地の目標量
区域
概要
市街化区域
新たに整備する都市公園
+8.0ha
新たに整備する都市公園
+4.0ha
民有地にて確保する緑地
+2.0ha
市街化調整区域
合計
平成 32 年までに
+14.0ha
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表 3-4 緑地等の整備に係る各指標の目標
項 目
計画フ
レーム
( 指 標 )
現
況
平成 32 年(目標年次)
都市計画区域面積
7,930 ha
7,930 ha
都市計画区域内人口
137 千人(H17 国勢調査)
131 千人
市街地面積(市街化区域面積)
898 ha(H21.4.1 現在)
995 ha
市街地内人口(市街化区域内人口)
53.1 千人(H17 国勢調査) 57.8 千人
都市計画区域内の緑地面積
3,216 ha ※4(H21.4.1 現在) 3,230 ha
市街化区域内の緑地面積
48.3 ha(H21.4.1 現在)
56.3 ha
市街地面積に対する緑地の割合
48.3/898 = 5.4 %
56.3/995 = 5.7 %
都市計画区域面積に対する緑地の割合
3,216/7,930 = 40.6 %
3,230/7,930 = 40.7 %
都市計画区域の都市公園※2 面積
55.1 ha(H21.4.1 現在)
67.1 ha
都市計画区域の一人当たり都市公園面積
4.0 m2/人
5.1 m2/人
都市計画区域の都市公園等※3 面積
138.3 ha(H21.4.1 現在)
152.3 ha
緑地※1
都市公
園等
緑化
都市計画区域の一人当たり都市公園等面積 10.1 m2/人
11.6 m2/人
市街化区域内の都市公園面積
16.5 ha(H21.4.1 現在)
24.5 ha
市街化区域内の一人当たり都市公園面積
3.1 m2/人
4.2 m2/人
市道の緑化延長
39,850 m(H21.4.1 現在)
44,000 m
※1 「緑地」とは、永続性の担保される緑地(都市公園、公共施設緑地、生産緑地、農用地、保存樹林)のこと。
※2 「都市公園」には、都市緑地、河川敷緑地を含む。
※3 「都市公園等」は、「都市公園」に公共施設緑地(児童遊園、地区広場、ちびっこ広場、教育施設グランド、運動場など)を加
えたもの。
※4 H21.4.1 の面積から、新市街地として除外される農用地を除く。
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(2)系統別の緑地の配置方針
①環境保全系統の緑地(環境を守る緑)の配置方針
1)市街地の背景となる農地の保全
・市街地を取り囲む広大な農地については、稲沢市全体の都市環境保全にとって重要な緑であり、無秩
序な開発抑制と適正な管理等によって面的な保全を図ります。
2)河川の環境改善と親水空間づくり
・幹となる河川環境軸として木曽川を位置づけ、河川敷緑地として保全するとともに、国営木曽三川公
園ワイルドネイチャープラザを中心に水辺空間の有効活用を図ります。
・身近な河川環境軸として、領内川、日光川、光堂川、須ヶ谷川、三宅川、大江川、目比川、福田川、
青木川、五条川を位置づけます。これら河畔では、親水空間や親水公園の整備を進め、生態系の保全
を図りながら、住民の憩い・交流の場として活用を図ります。
3)生き物に配慮した緑の空間づくり
・植物の自生地や動物の生息地となっている河川や緑地、農地などは、生物多様性確保の観点から積極
的に保全を図ります。
・環境学習の場としてビオトープ等の整備を進めます。
4)寺社などの歴史的資源と一体となった緑地の保全
・豊かな鎮守の森を有する尾張大國霊神社(国府宮)をはじめとする、寺社が保有する天然記念物の樹
木や保存樹・保存樹林については、歴史的資源と一体となった貴重な緑として保全します。
5)生活環境の向上につながる身近な公園・緑地などの整備及び緑化
・住宅地及び商業地については、既存の公園の再整備や寺社の緑の有効活用も含め、身近な公園・緑地
を整備します。また、生け垣設置など、民有地内の緑地確保、緑化を図ります。工場団地や住宅団地
では、市街地の良好な環境を確保するため、緑地協定などの制度を活用します。
・(都)南大通線及び(都)祖父江稲沢線、(都)中大通線、(都)稲沢西春線、(都)馬飼稲沢線、(都)春日井稲沢
線 (都)西尾張中央道といった幹線道路を中心に道路緑化を図ります。
注:路線名の前につけられた(都)は、都市計画道路であることを示しています。
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凡例の 1)∼5)の数字は、前頁の項目に対応しています。
図 3-1 環境保全系統の緑地の配置方針
②レクリエーション系統の緑地(交流を促す緑)の配置方針
1)水と緑をつなぐ歩行者ネットワークの形成
・散策やジョギングなどのために、河川沿いの散策路、歩道の整備を行います。
・尾張水道みち(旧尾張サイクリングロード)や景観地 50 選をめぐるウォーキングコースなどに、安
全で楽しい歩行者ネットワークの形成を図ります。
2)交流を促す公園・緑地などの整備
・健康維持や軽いスポーツを楽しむための日常的なレクリエーションの場となる身近な公園・緑地につ
いては、生活圏域を考慮して配置します。また、稲沢市において最も規模の大きい都市公園である稲
沢公園については、市民交流の場として施設の充実を図ります。
・寺社境内林については、市民緑地をはじめとした制度により保全を図り、日常的な子供の遊び場や周
辺住民の憩いの場として活用します。
・稲沢市の特徴的な緑である植木畑や銀杏畑については、来訪者に対応した魅力ある環境づくりを進め
ます。
・尾張国分寺跡については、史跡公園としての保存・活用を検討します。
3)ワイルドネイチャープラザ周辺の活用促進
・水上スポーツや多様な屋外レクリエーションを楽しむことができる国営木曽三川公園ワイルドネイチ
ャープラザや隣接する県営木曽川祖父江緑地、祖父江ワイルドネイチャー緑地は、一体となって広域
的レクリエーション機能を担っています。国・県とともに、広域からの来訪者や市民のスポーツ・健
康づくりの場として活用します。
4)健康増進を促す公園・緑地などの整備
・多様化するレクリエーション需要に対応するため、スポーツやレジャーなどを行うことができる運動
公園などを配置します。
・木曽川河川敷、須ヶ谷川周辺、JR 稲沢駅周辺などにおいて、市民の健康づくりに活用できる緑地等の
整備と活用を図ります。
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凡例の 1)∼4)の数字は、前頁の項目に対応しています。
図 3-2 レクリエーション系統の緑地の配置方針
③防災系統の緑地(安全を守る緑)の配置方針
1)遊水機能を担う緑地や農地の保全
・大雨時の住宅への浸水被害や道路冠水を防ぐため、遊水機能を備えた市街化調整区域の農地や、雨水
浸透に寄与する緑地を保全します。
・雨水貯留施設を備えた公園の整備を検討します。
2)避難場所となる公園・緑地などの確保
・学校などの避難所・避難場所だけでなく、市街地内の都市公園などを一時避難場所として適正配置す
るとともに、防災機能を高める施設整備を図ります。
・避難所・避難場所などにおいては、難燃性の常緑樹による緑化を促進し、市街地における延焼防止を
図ります。
3)緑の街路ネットワークの形成
・主要な幹線道路を避難路として位置づけるとともに、難燃性の常緑樹による緑化を促進し、市街地の
延焼防止を図ります。
・狭隘道路に面している危険なブロック塀については、地震時の倒壊による安全な避難と救助活動を阻
害することが予想されるため、生け垣補助制度の積極的な活用により、生け垣化を促進します。
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凡例の 1)∼3)の数字は、前頁の項目に対応しています。
図 3-3 防災系統の緑地の配置方針
④景観系統の緑地(風景を創る緑)の配置方針
1)植木畑、銀杏畑などの本市特有の景観の保全
・稲沢市の植木は、日本の四大植木産地の一つであり、全国的にも特徴ある景観になっています。また
銀杏は、日本最大の生産量を誇っており、一面の黄葉に埋め尽くされる銀杏畑の秋の景観は、見る者
を魅了し、多くの来訪者を集めています。こうした稲沢市が全国に誇る植木畑、銀杏畑の景観保全を
図り、活用の検討を進めます。
・豊かな鎮守の森を有する尾張大國霊神社(国府宮)をはじめとする、寺社が保有する天然記念物の樹
木や保存樹・保存樹林については、歴史的資源と一体となった貴重な緑として保全します(再掲)
。
・須ヶ谷川・日光川の桜づつみや神明津の松林など、地域住民に親しまれてきた緑(景観地 50 選、地
域別ワークショップなどで挙げられた緑)についても、ふるさとの景観として、積極的な保全や創出
を図ります。
2)尾張大國霊神社(国府宮)参道の景観の保全
・尾張大國霊神社の参道については、桜並木の保全を図るとともに、景観計画を策定し、参道景観の保
全を図ります。
3)緑の街路ネットワークの形成
・緑の軸は、東西軸と南北軸で構成します。東西軸は、
(都)南大通線及び(都)祖父江稲沢線、
(都)
中大通線、
(都)稲沢西春線、
(都)馬飼稲沢線、
(都)春日井稲沢線を位置づけます。また南北軸は、
(都)西尾張中央道を位置づけます。これら緑の軸では、地区の特性を考慮した道路緑化を推進しま
す。
・既に緑化の進められている街路については、適正な維持管理に努めます。
4)都市の顔となる場所における緑豊かな景観づくり
・都市計画マスタープランに位置づけられている都市拠点(名鉄国府宮駅、JR 稲沢駅)
、生活交流拠点
(稲沢市役所、祖父江支所・祖父江の森、平和支所・平和らくらくプラザ)については、公共施設の
積極的な緑化を進め、稲沢市の玄関口や交流の憩いの場として相応しい緑豊かな都市景観の創出を図
ります。
・住宅地については、建築協定、緑地協定、地区計画などの制度を活用し、緑豊かな住環境の創出を図
ります。また市民に対して、生け垣の設置などを奨励します。
5)木曽川の自然景観の保全
・全国でも珍しい淡水の砂丘である祖父江砂丘、松林、豊かな河畔林など、木曽川が有する雄大な自然
景観の保全を図ります。
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凡例の 1)∼5)の数字は、前頁の項目に対応しています。
図 3-4 景観系統の緑地の配置方針
(3)総合的な緑地の配置方針
以上の 4 つの系統別(環境保全系統、レクリエーション系統、防災系統、景観系統)の緑地の配置に
ついて、
「河川環境軸」
、
「緑の軸」、
「特徴的な緑のエリア」の将来骨格との関係を表 3-5 に示しました。
また、これらの骨格と稲沢市における「緑の地域資源」を有機的に結びつけていきます。
表 3-5 将来骨格と緑の資源との関係
①河川環境軸
【幹となる河川環境軸】木曽川
【身近な河川環境軸】
領内川、日光川、光堂川、須ヶ谷川、三宅川、大江川、目比川、
福田川、青木川、五条川
②緑の軸
【東西方向】(都)南大通線及び(都)祖父江稲沢線、(都)中大通線、(都)稲沢西春線、
(都)馬飼稲沢線、(都)春日井稲沢線
【南北方向】(都)西尾張中央道
③特徴的な緑の
エリア
④緑の地域資源
名鉄国府宮駅・JR 稲沢駅及び両駅周辺、矢合地区、山崎地区、
木曽川及び河川敷、須ヶ谷川・日光川周辺
【公共施設】稲沢市役所、祖父江支所・祖父江の森、平和支所・平和らくらくプ
ラザ
【親水空間】長束・梅公園、広口池、目比地区親水公園、大江川親水公園、
長岡地区ビオトープ
【歴史的資源】尾張大國霊神社(国府宮)
、性海寺、八幡社、塩江神社、大福寺、
神明社、善福寺、八剣社、天ノ宮神社、経蔵寺、八幡社、
布智神社、祐専寺、中牧皇大明神社
【都市公園】稲沢公園、平和中央公園、
グリーン・スパーク中央公園、吹上公園、小正中央公園、奥田公園、
小沢菅原公園、西町4号公園、込野農村広場、鷲尾農村公園、
【広域レクリエーション】
国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ、県営木曽川祖父江緑
地、祖父江ワイルドネイチャー緑地
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図 3-5 総合的な緑地の配置方針
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