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三村提出資料
資料2−2 第2回 地球温暖化問題に関する懇談会 説明資料 平成20年4月5日 三村明夫 1 世界のエネルギー起源二酸化炭素排出量(2005年) 途上国 50% 削減義務の ある先進国 29% ロシア 日本 6% 4% ドイツ 3% カナダ 2% 英国 2%イタリア その他 23% 2% フランス 1% 豪州 1% その他の削減 義務国 7% メキシコ 1% イラン 2% 韓国 2% インド 4% 米国 21% 中国 19% 離脱した米 21% 途上国 (億t-CO2) 302億t 離脱した米・豪 300 削減義務のある先進国 250 215億t +41% 139億t 46% 200 30% 65億t 25% 53億t 71億t 45% 98億t 92億t 1990 2010 (出典)米国エネルギー省 150 23% 100 50 31% 0 出典:IEA 出典:米国エネルギー省 2 GDPあたりのCO2排出原単位水準 国別排出枠の実質レベル (1990年時点) オイルショック以降の 技術開発、省エネ投資効果 (日本の早期努力分) 190 175 削減義務 ▲ 6% 離脱前 削減義務 ▲ 7% 242 削減義務 ▲ 8% 100 260 日本の 1.9倍 日本の 2.6倍 94 日本 EU 米国 3 排出権のメイン購入者は日本 EU15 2005年 削減実績 0 EU12(東欧諸国) 2010年 削減目標 2005年 削減実績 0.87 2010年 削減目標 1.11 1 東欧諸国で大幅な排出枠余剰が存在 2 3.42 4億4400万トン 余剰 3 4 5 6 2億5600万トン 不足 5.55 出典:EEA “Greenhouse gas emission trends and projections in Europe 2007” ○日本としての排出権購入予定量は、産業界2.2億トン、政府1.0億トン、 合計3.2 億トン。 ○東欧諸国において、実質的削減努力を必要としない余剰排出枠が存在するため、 EUは域内取引で目標の達成が可能と思われる。 ○今後、排出権を購入するのは日本がメインとなると見込まれる。 4 鉄鋼業のエネルギー原単位の国際比較 粗鋼エネルギー原単位︵t石油/t粗 鋼︶ 0.79 0.8 0.74 0.75 0.72 0.71 0.69 0.7 0.6 0.59 0.76 0.78 0.63 0.5 0.4 0.3 一貫製鉄所のエ ネルギー効率比 較において、日本 は欧米中印より優 れている。 (廃熱回収装備率、 副生ガスの利用 率の差が大きく影 響している。) 0.2 0.1 0 0.8 米 加 英 仏 独 日 豪 韓 中 印 露 世界の全ての製鉄所エネルギー効率を日本と同程度とした 場合、約3億t/年のCO2削減が可能と試算される。 出所:「エネルギー効率の国際比較(発電、鉄鋼、セメント部門)」RITE、2008(日訳・数値記載は鉄鋼連盟) 5 京都議定書における日本鉄鋼業への影響 生産量2000万㌧/年以上(2006年)の 世界の主要鉄鋼メーカー (生産量とCO2排出制約義務の有無) アルセロール・ミッタル/ルクセンブルク 1 (117.2百万㌧/年) 排出制約あり 排出制約なし 2 新日鉄/日本 (32.7) 3 JFE/日本 (32.0) 4 POSCO/韓国 (30.1) 5 宝山鋼鉄/中国 (22.5) 6 U.S.Steel/米国 (21.2) 7 Nucor/米国 (20.3) 内EUでの生産は3分の1 世界の主要な鉄鋼メーカーのうち、実質 的なCO2排出制約を負っているのは、 日本のみ。 (欧州のアルセロール・ミッタルは3分の 1のみ制約あり。生産拠点間での生産 調整も可能) 世界最高のエネルギー効率にも拘らず、 自主行動計画達成のため、約1000億 円を負担し、4400万トンの排出権を購 入予定。 6 EU域内排出量取引制度について ○EUでは、対象事業所約10,000のうち、活発に取引を行って いるのは50社程度。 ○EUの市場参加者のほとんどが、金融やブローカー(数千業 者) などの利益目的の参加者である。 排出削減義務を課せられた事業者による実需取引は稀なのが 実態である。 ※環境省・経済産業省・日本経済団体連合会の合同調査ミッション報告書より (2007年4月調査) ○2006年の取引量約11億トン(約3兆円)のうち、実需量は約 1.02億トン(約9.3%)。 ※世界銀行 “State and Trends of the Carbon Market 2007” (2007年5月) ※「実需量」とは、ここでは、「各国の対象セクター毎に、排出実績が排出枠の割当量を 上回った量(不足量)」と定義。 7 世界全体のセクター別CO2排出量 z世界全体のCO2排出量をセクター別に分類すると、 ①APPの協力対象分野(電力、鉄鋼、セメント、電機機器等)の比率は約5割(53%)であり、 ②上記に自動車分野を加えれば、約7割(70%)を占める。 産業部門 16.2% 転換部門 49.9% 発電部門:発電+自家発 36.6% その他転換 13.3% 鉄鋼 5.2% 民生部門 12.6% その他産業 家庭 8.9% 8.7% セメント 2.2% 運輸部門 21.2% 自動車 17.2% 業務、他 3.9% その他交通 4.0% (注)各部門排出量は直接排出量(電気は全て発電部門にカウント)。熱に関しては各部門の需要に応じて按分している。 セメントなどの工業プロセスから排出されるCO2はカウントされていない。 (出典)IEA 8 アジア太平洋パートナーシップ(APP) 2005年に官民連携で発足。7カ国メンバー(豪州、中国、インド、 日本、韓国、米国、カナダ)で、エネルギーと環境問題へ対応。 技術に立脚した、セクター別ボトムアップ型のアプローチ APP 7カ国は、全世界の経済、人口、およびエ ネルギー消費の約半分を占め、全世界の石炭 の約65%、鉄鋼の約60%、アルミニウムの約37%、 セメントの約61%を生産している。 よりクリーンな化石エネルギー/ 再生可能エネルギーと分散型電源/ 発電及び送電 / 鉄鋼 / アルミニウム / セメント/ 石炭鉱業/ 建物及び電気機器 0 10 CDQ 20 30 million t / year 20.24 石炭調湿設備 5.27 36.09 40 第1回TF:2006年7月@バークレイ 第2回TF:2006年9月東京 第3回TF:2007年3月カルカッタ 第4回TF:2007年11月シドニー COG 回収 5.14 焼結クーラー排熱回収 36.10 BFG 回収 TRT 微粉炭吹き込み 熱風炉排熱回収 3.65 0.86 BOFガス回収 BOFガス顕熱回収 State-of-the-Art Clean Technologies Handbook (SOACT) 5.30 9.57 4.98 APPの鉄鋼業で約1.3億tの 削減ポテンシャルがある 101の環境・省エネ技術を掲載。 内63技術は日本からの提供 http://asiapacificpartnership.org/ <削減ポテンシャル調査> 9 鉄鋼業における国際連携のあり方について 国際鉄鋼協会ステートメント (2007.10) ●地球温暖化対策の推進にはグローバルな、セクトラル・アプローチが最善。 ●現在EUで行われているようなCap and Trade政策は、CO2排出量削減に効果 的ではなく、解決策とはならない。 ●全ての主要製鉄国の参加と、生産単位当りCO2排出量の改善に焦点を当てる ことにより、既存技術の普及・移転と革新的な技術開発を推進。 国際鉄鋼協会 CO2ブレークスループログラム (2003.10∼) ●IISIにおいては抜本的にCO2排出削減をもたらす「CO2ブレークスループロ グラム」(2003年10月スタート)に取組んでいる。各地域での情報交換を経て、 2008年から連携の強化、共同研究体制への移行を検討中。 ●製鉄プロセスにおける、CO2の分離回収、水素利用、電解精錬、バイオマス活 用、溶融還元の5テーマ が候補に挙がっており、日本はCO2の分離回収、水 素利用分野に参画する予定。 国際鉄鋼協会(IISI):世界60カ国、180の企業・団体が加盟する業界団体。 10