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産業廃棄物の適正処理に向けて

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産業廃棄物の適正処理に向けて
排出事業者のみなさんへ
産業廃棄物の適正処理に向けて
平成24年3月
神奈川県湘南地域県政総合センター環境部
1
目
Ⅰ
はじめに
1 廃棄物とは
2
3
Ⅱ
ページ
…………………………………………………………
1
事業者の責任 ………………………………………………………
廃棄物処理に伴う企業経営のリスク ……………………………
3
6
産業廃棄物の処理
1
2
3
Ⅲ
次
廃棄物等の分別 …………………………………………………… 7
産業廃棄物を自ら処理する場合の順守事項 …………………… 10
産業廃棄物を委託処理により処理する場合の順守事項 ……… 15
知事等への年次報告
1 産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付状況報告 …………… 20
2 多量排出事業者報告 ……………………………………………… 21
2
Ⅰ はじめに
1 廃棄物とは
人間の活動に伴って発生するもので、その占有者が自分で利用したり、他人に
有償で売却したりできないため、不要となった固形状や液状のもの(放射性物質
及びこれによって汚染された物を除く。)をいい、産業廃棄物と一般廃棄物に分
類されます。
■ 産業廃棄物とは
● 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」と略します。)では、会社
や工場などの事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃プラスチックや木くず
など20種類の廃棄物が産業廃棄物として定められています。(法第2条第4
項)
● 産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害
を生ずるおそれのあるものは、「特別管理産業廃棄物」とされ、保管や処理の
基準が産業廃棄物とは別に定められています。(法第2条第5項)
● 事業活動にともなって生じた廃棄物でも、紙くずや木くず等7種類について
は、「業種限定」があります。例えば、「紙くず」については、政令第2条第
1項で、「建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたも
のに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用
して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、
製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又
は染み込んだものに限る。」と規定されています。この政令に規定された業種
以外の工場や一般のオフィス等から排出された紙くず等7種類の廃棄物は「一
般廃棄物」となります。
■ 一般廃棄物とは
● 産業廃棄物以外の廃棄物をいいます。市町村が一般廃棄物処理計画を定め、
その計画に沿って、市町村が原則として処理することになっています。
● 一般廃棄物の処分方法については、市町村のホームページ等に掲載されてい
ますので、その地域のルールに従って処分をお願いします。
出典:経済産業省HP
1
■ 業種限定がない産業廃棄物
■ 業種限定がある産業廃棄物
■ 特別管理産業廃棄物の分類
特別管理産業廃棄物
2
2 事業者の責任
【循環型社会形成推進基本法】
○事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに際しては、原材料等がその事
業活動において廃棄物等となることを抑制するために必要な措置を講じなければなり
ません。(第11条第1項)
○原材料等がその事業活動において循環資源となった場合には、これについて自ら適
正に循環的な利用を行い、若しくはこれについて適正に循環的な利用が行われるため
に必要な措置を講じ、又は循環的な利用が行われない循環資源について自らの責任
において適正に処分する責務を有します。 (第11条第1項)
■ 企業活動が社会に与える影響が従来と比べ格段に大きくなっている中、従来の
大量生産、大量消費、大量廃棄の経済活動では、環境上の制約と資源上の制約が
経済活動の制約にもつながっていくことが懸念されます。
■
このため、環境保全と経済成長を両立させる循環型社会を形成することが極め
て重要であることから、平成12年に「循環型社会形成推進基本法」が制定され、
事業者は、事業活動の全ての段階において、循環型社会の形成のために努力する
ことが責務として定められました。
■
循環型社会形成推進基本法では、対象物を有価、無化を問わず「廃棄物等」と
とらえ、製品等が廃棄物等となることの抑制を図るべきことと、発生した廃棄物
等についてその有用性に着目し、「循環資源」としてその循環的な利用を図るべ
きことを定めています。
■
このようなことから、同法では循環資源の適正処理については、
再
①発生抑制 ② 使用
③再生利用 ④熱回収 ⑤残ったものの適正処分
優先順位で対策を進めることを基本原則としています。
■ 特に、①発生抑制 ②再使用 ③再生利用の3つは「3R」と総称され、廃棄
物そのものの減量化を図ることが求められています。
●発生抑制:(Reduce):不要となる物の「発生量」そのものを減らす
ことです。ごみも資源ももとから減らす、ごみ減量を考える際、最も優先的
に取り組むべきものです。
●再使用(Reuse):一度使用された製品や部品が、主に使用者を替えつ
つそのままの形や機能を生かして再び使われることです。
●再生利用(Recycle):不要になった製品を、いったん原材料に戻し
て資源として、再び利用することです。ごみ減量の最終手段です。
の
出典:経済産業省HP
3
【廃棄物処理法】
【排出事業者の処理責任の原則】
事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処
理しなければなりません。(法第3条第1項)
【産業廃棄物の排出事業者責任】
事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければなりません。
(法第11条第1項)
【製品等の製造者としての責任】
事業者は事業活動に伴って生ずる廃棄物の再生利用等を行うことにより、その
減量に努めなければなりません。(法第3条第2項)
事業者は物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となっ
た場合における処理の困難性についてあらかじめ評価し、適正な処理が困難とな
らないような製品、容器等の開発を行うこと。(法第3条第2項)
事業者はその製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法について情報提供
すること等により、廃棄物となった場合に適正な処理が困難になることのないよ
うにしなければなりません。(法第3条第2項)
【排出事業者責任】
■
事業活動に伴って生じた廃棄物(一般廃棄物か産業廃棄物かは問いません。)
自らの責任において適正に処理する」とは、自らの手で処理することに限ら
ず、一般廃棄物処理業者や産業廃棄物処理業者等に委託することも含まれます。
※ 処理とは、分別、保管、収集、運搬、中間処理(破砕や焼却等)、最終処分(埋
立、再生等)の一連の工程のことをいいます。
を「
【一般廃棄物】
任が明記されています(法第6条の2)
が、市町村の処理原則の下、一般廃棄物のうち生活環境の保全上支障のない方法
で容易に処分することができるものについては、事業者はなるべく自らの手で処
分するように努めるとともに、自ら処分しない一般廃棄物については、市町村の
一般廃棄物処理計画に従い、市町村の行う処理に協力するべき旨規定されていま
す(法第6条の2 第4項、第5項)。
■ 事業者が一般廃棄物の処理を他人に委託する場合は、運搬について一般廃棄物
収集運搬業者等、処分については一般廃棄物処分業者等に委託しなければなりま
せん。(法第6条の2第6項)
■ 事業者が一般廃棄物の運搬、処分を委託する場合は、委託しようとする一般廃
棄物の運搬・処分・再生がその事業の範囲に含まれている委託業者に委託しなけ
ればなりません。また、特別管理一般廃棄物を委託する場合は、種類、数量、性
状及び荷姿、取扱う際の注意事項をあらかじめ文書で通知しなければなりません。
(法第6条の2第7項)
■
一般廃棄物については、市町村の処理責
4
【産業廃棄物】
づ
自
ければなりません。「排出事業者責任の原則」
第11条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
■ 市町村は一般廃棄物とあわせて処理(いわゆるあわせ産廃処理)することもで
きますが、これは市町村が公益上の観点から行うもので、原則は排出事業者自ら
が処理責任を負っていることにかわりがありません。(法第11条第2項)
■
産業廃棄物は、法第11条第1項の規定に基 いて、排出事業者が ら処理をしな
第11条
単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができ
る産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の
2
市町村は、
処理をその事務として行なうことができる。
■
自ら処理する場合は、産業廃棄物の保管基準(法第12条第2項、法第12条の2第2
項)や処理基準(法第12条第1項、法第12条の2第1項)にしたがって処理しなけれ
ばなりません。
委託する場合は、知事等の許可を得た産業廃棄物処理業者
等に委託しなければなりません。(法第12条第5項、法第12条の2第5項)
■ 産業廃棄物業者に委託する場合は、委託基準(法第12条第6項、法第12条の2第6
項)を遵守して委託しなければなりません。
■ 産業廃棄物処理業者に処理を委託した場合であっても、処理状況の確認を行う
とともに、最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるために必要な
措置を講ずるよう努めなければなりません。(法第12条第7項、法第12条の2第7
■
産業廃棄物の処理を
項)
状況 確認
○ 委託先 間 施 最終
最低 現 確認
・ 間 施
可能 状態
・施 内
異常 溜
・施
飛散流
・最終
残余容 十
○ 公表
状況 施
排出事業者による処理
の
の例
の中 処理 設や
処分場について、適正処理のための
限の 地
等を行う。
中 処理 設が使用
な
か
設 の廃棄物が
に まっていないか
設外に廃棄物が
出していないか
処分場の
量が 分か など
されている処理業者の処理
や 設の
管理
等から
する など
◎
必要
維持
状況
確認
以上のように、事業活動に伴って排出される廃棄物は、一般廃棄物については
任を果たす一方、産業廃棄物については
基本的に排出事業者が発生場所での保管から処分までの一連の工程を、自ら適正
に処理を行うか適切に処理業者等に委託するなど、排出事業者責任を全うする必
市町村の処理原則の下で排出事業者の責
要があります。
5
3 廃棄物処理に伴う企業経営のリスク
事業者から排出される廃棄物は、様々なルートを経由して処理されており、万
一、これらの一部でも従業員や委託業者により不適切な処理を行った場合には、
不適切な処理を行った者はもとより、経営者側にも責任を求められ、また、企業
ブランドの低下を招きます。
■ 企業経営において、経営者は製品の製造、販売等直接的利益に目がいきがちで
すが、事業活動に伴って発生した廃棄物は排出事業者責任の下、法に定める産業
廃棄物処理基準や保管基準、委託基準に従って適正に処理する必要があります。
■ 自ら処理を行うに当たって、処理基準や保管基準に違反した場合は改善命令が
行われ、また、委託基準に違反した委託が行われた場合には、罰則が適用される
場合があります。
■ 処理基準や保管基準に違反し、生活環境の保全上の支障が生じるおそれのある
場合等は、その支障の除去を講じるよう措置命令が行われることがあります。
■ 産業廃棄物処理業者に委託した場合にあっても、その業者が処理基準等に違反
し、措置命令を受けた場合、委託者(排出事業者)にも措置命令が行われること
があります。
委託した処分業者が不法投棄した場合の排出事業者への措置命令
法
措置命令要件
排出事業者
措置命令
不法投棄した者
(法 19 条の5) 委託基準に違反した場合
○
マニフェストの義務に違反した場合
○
不法投棄を要求、依頼、教唆、幇助した場合
○
排出事業者等
運搬 業 者 、 著しく低廉な料金で委託した場合
○
への措置命令 処 分 業 者 等 不法投棄を知りつつ委託した場合
○
(法第19条の6) に 資 力 が な その他責めに帰する事由がある場合
○
い場合
■ 神奈川県廃棄物の不適正処理の防止等に関する条例により、改善命令や措置命
令を行ったときは、その旨を公表することにしています。
第12条 知 事は、法第14 条の 3 (法第14 条の 6 において準用する場 合 を 含
む。)、法第14条の3の2(法第14条の6において準用する場合を含む。)、
法第15条の2の6、法第15条の3、法第19条の3、法第19条の5又は法第19条
の6の規定により処分をしたときは、その旨を公表するものとする。
6
Ⅱ 産業廃棄物等の処理
1 廃棄物等の分別
(1)分別管理の必要性
再生利用等による減量化を含めた適正処理・リサイクルを進めていくために
は、工場、事業場の発生時点で、廃棄物等(廃棄物、有価物)の適切な分別を行
った上で、分別されたそれぞれの廃棄物等について管理を行うことが前提となり
ます。
分別を徹底するためには、廃棄物等の分別区分、分別の実施方式、排出、保管
場所の明確化、表示の方法等に関し、社内ルールやマニュアルなどを定め、現場
従業員にまで周知徹底することが重要です。
■
廃棄物等の分別管理を適
す。
切に行うことによって、次のような効果が期待できま
● 資源有効利用の促進
分別を行うことにより排出抑制やリ
サイクルが促進され、資源が有効利用さ
割合が高まります。(3Rの取組の推進)
● 廃棄物が不適正処理されるリスクの低減
分別された廃棄物等は、混合された廃棄物等よりも処理が容易になるため、
一般に廃棄物が不適正処理ルートに流れる可能性が小さくなります。
● 売却収益の拡大と処理経費の削減
分別を行うことで、有価で売却できる物の割合が高まるとともに、廃棄物の
中間処理物、最終処理物が減少し、結果的に廃棄物処分費の削減につながりま
れる
す。
(2) 分別管理システムの構築
分別管理システムを構築するには、現場での廃棄物等の流れ、排出、分別、廃
棄物の処理や有価物としての売却の現状を把握し、その情報を取りまとめます。
取りまとめた排出状況等により廃棄物等の分別区分を設定するなど分別ルール
をつくり、それを従業員等に周知・教育し、日常管理を行いながら継続的に取組
を進めていきます。
生産工程の変更、廃棄物の処理方法の変更等があった場合には、従業員等現場
の意見を聞きながら分別ルールを見直すなどし、それを従業員等に周知して継続
的に分別管理を実施していきます。
7
■
現場での排出状況等の把握は、廃棄物等の分類ごとに次の事項について把握し
ます。
状況
・ 排出場所 ・ 廃棄物等の種類(単独物か混合物も含む。)や性状
・ 排出量 ・ 排出頻度 ・ 現場担当者等
● 処理先、売却先の状況
・ 廃棄物等の種類や性状 ・ 回収頻度
・ 委託量 ・ 売却量や売却先での利用方法
・ 廃棄物処理【収集運搬、中間処分、最終処分(再生・埋立等)】の委託先
での処理方法、処理量等の状況
・ 処理先でのリサイクル等の方法や技術 等
● 排出状況等の調査票は廃棄物担当部門が作成し、とりまとめます。
● 排出
■
分別ルールづくりのポイントは次のとおりです。
● 分別の基本は、廃棄物等を大まかな種類ごとに分類し、その中で分別区分を
細分化することです。その際に、廃棄物の処理や売却先の状況に応じて区分す
ることも重要です。
OA紙を引き取
る業者を確保した場合は、
廃棄物等の細分化の例
・発泡スチロール、廃ポリエチレン
シート、塩ビ管など
・鉄加工スクラップ、アルミ缶、
スチール缶など
・OA紙、新聞・雑誌、
ダンボール、紙コップなど
例えば、
紙類といった大まかな分類
から
OA紙とそれ以外の紙
とに分類します。このよう
・売却先の受け皿に
応じて分別の基準を細分化
に処理
します。
● 分別ルールの留意点
• 保管場所
保管場所は廃棄物等の種類に応じて設け、廃棄物等を整理整頓して保管し
ます。整理整頓されていることにより、異物の混入を避けられ、現場担当者
が容易に分別管理を行うことが可能となります。また、収集運搬業者等が種
類ごとに運搬できるとともに、危険物の混入リスクも減らすことができ、運
搬中や処分先での爆発等の事故を防止できます。
• 搬出のタイミング
廃棄物等の腐敗や過剰保管を防ぐため、処理業者や売却先の業者とも協議
の上決定します。
• 処理業者等の選定
分別ルールを作る際には、処理業者等の引き受け側との情報共有を図りな
がら、分別した廃棄物等を分別したとおり確実に引き取る業者を選定する必
8
要があります。
選定は廃棄物の減量化の観点から、可能な限り最終
処分が再生利用されることを選定することが大切です。
なお、工場・事業場の排出事業者は処理業者が適正処理を行うためには相応
のコストが必要であることを理解し、処理料金に対する正しい認識を持つ必要
があります。他の処理業者と比較して極端に低い料金で引き受ける業者に委託
した場合、不適正処理につながるおそれも否定できないため、なぜそのような
低料金で処理できるのかなどの根拠を確認しておく必要があります。
さらに、既に委託している業者と協議し、廃棄物等の種類や量に見合った処
理方法等を検討し、それに対応した分別方法を検討することも必要です。
■ 分別管理の徹底に向けた従業員等への普及啓発
● 現場の廃棄物管理担当者が分別管理の効果(3Rの推進や経費節減等)や職
場環境の向上等につながることを分かりやすく説明することが重要です。
● そのために、廃棄物管理担当者が直接指導することや、職場集会等において
周知することが考えられます。
● 現場担当者が分かりやすい分別方式を採用することが分別の精度を高めるこ
とにつながることから、大型コンテナから小袋や小箱を採用することも考えら
また、廃棄物処理業者の
れます。
●
所や保管場所に廃棄物等の名称、注意事項、リサイクルのされ方等に
ついて明記したプレート等を掲示して現場担当者が廃棄物等の置き場を間違え
ないようにするとともに、分別排出を行う必要性について理解するよう配慮す
排出場
ることが重要です。
■
日常管理
担当部門等が作成した様式を利用し、現場の管理担当者が次の
事項について確認します。
・ 分別区分ごとの排出量 ・ 廃棄物等の分別状況 ・ 廃棄物等の搬出頻度
・ 保管場所の清掃状況(保管量が過大になっていないかの確認も含む。)
・ 廃棄物等の処理の委託量 ・ 売却量 等
● 現場管理担当者は巡回等を行い、管理状況を廃棄物管理の担当部門に報告す
るとともに、現場における改善等の要望等も行うなど、双方向の情報共有が大
切です。
■ 分別ルールの見直し
生産、廃棄物等の発生、保管、処理・売却までの一連の工程における実態を見
極めながら、処理業者等との意見交換などを行い、分別ルールを見直します。
以上の分別管理等の記述は、「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」
(平成16年9月 産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会)を参考にしました。
●
廃棄物管理の
http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/3r_policy/policy/pdf/governance/governance.pdf
9
2 産業廃棄物を自ら処理する場合の順守事項
(1)産業廃棄物の保管
排出事業者は、発生した場所で産業廃棄物を自ら処理又は委託処理するま
で、保管基準に従って適正に保管しなければなりません。(法第12条第2項
法第12条の2第2項 )
産業廃棄物保管基準
■ 産業廃棄物を自ら保管するときは、次の基準により行う必要があります。
● 飛散、流出、地下に浸透しないこと。
● 悪臭 、 騒音 、又は 振 動によって生
活環境の保全上支障を生ずるおそれの
ないように必要な措置を講ずること。
● ねずみ・害虫の発生を防ぐこと。
● 保管場所には、その旨を表示した掲
示板を設けること。
● 石綿含有産業廃棄物の保管を行う場
合は、他の産業廃棄物と混合しないよ
うにすること。
屋外で保管する場合には、積み上げ
勾配や囲いの規定があります。
●
■
合 記
次
● 特別管理産業廃棄物に他の物が混入するおそれがないように仕切り等必要な
措置を行うこと。
● 廃酸、廃アルカリにあっては、容器に入れ密封すること、廃酸等による腐食
を防止するなど。
特別管理産業廃棄物を保管する場 は上 の基準に加え の基準があります。
10
(2)産業廃棄物の収集運搬、処分
排出事業者が自ら処理をする場合は、産業廃棄物処理基準に従って処理しな
ければなりません。(法第12条第1項)
■
産業廃棄物処理基準には、①
関する基準があります。
収集運搬の基準、②積替え保管の基準、③処分に
【①収集運搬の基準】
・ 収集運搬に伴う悪臭、騒音、振動によって生活環境上の支障が生じないよう
に必要な措置を講ずること。
・ 運搬車、運搬容器は廃棄物が飛散・流出・悪臭漏洩するおそれがないもので
あること。
・ 運搬車には、次の事項を車体の両側面に鮮明かつ見えやすいように表示する
こと。
(例)
cm以上
約3cm以上
約5
㈱・・・・工業
産業廃棄物収集運搬車
・ 運搬車には次の事項を記載した書面(必要事項が記された伝票でも可)を備
え付けなければなりません。
氏名又は名称及び住所
運搬する産業廃棄物の種類及び数量
運搬する産業廃棄物を積載した日並びに積載した事業場の名称、所在地及び
連絡先
運搬先の事業場の名称、所在地及び連絡先
【②積替え保管(収集運搬途中(発生場所以外)での保管)】
● 積替えの基準
・ 積替えは、周囲に囲いが設けられ、かつ、積替えの場所であることの表示が
されていること。
・ 積替えの場所から、産業廃棄物が飛散・流出しないよう、地下に浸透しない
よう、悪臭が発生しないよう必要な措置を講じること。
・ 積替えの場所には、ねずみが生息し、蚊やハエその他の害虫が発生しないよ
うにすること。
・ 石綿含有産業廃棄物を積替えする場合は、他の廃棄物と混合するおそれのな
いよう、仕切り等を設けること。
● 保管の基準
・ あらかじめ積替え保管を行った後の運搬先が定められていること。
・ 適切に保管できる量を超えないこと。
11
・ 性状に変化が生じないうちに搬出すること。
・ 保管数量は、1日当たりの平均的な搬出量の7日分の数量を超えないこと。
・ 周囲に囲い(囲いに廃棄物の荷重が直接かかる場合はその荷重に対し構造耐
力上安全なものに限る。)が設けられていること。
・ 掲示板や屋外保管の基準等は発生場所での保管基準と原則として同様です。
● 処分の基準
・ 焼却を行う場合の基準(政令第6条第1項第2号イ)、廃家電の処分の基準
(同第6条第1項第2号ハ)、石綿含有廃棄物の処分の基準(同第6条第1項
第2号ニ)、埋立処分の基準(同第6条第3号)などが定められています。
・ 焼却を行う場合の基準は次のとおりで、この基準に抵触する焼却は不法焼却
(法第16条の2)に原則として該当します。
焼却を行う場合の基準
【構造基準】
① 空気の取入口及び煙突以外に焼却設備内が外気と接することなく、燃
焼室において発生するガス(燃焼ガス)の温度が800℃以上で燃焼でき
ること
② 燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること
③ 燃焼室内で廃棄物が燃焼しているときに、燃焼室に廃棄物を投入する
場合は外気と遮断された状態で、定量ずつ廃棄物を投入できるものであ
ること
④ 燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること(一部例
外あり)
⑤ 燃焼ガスの温度を保つために必要な助燃装置が設けられていること
(一部例外あり)
【維持管理基準】
① 煙突の先端以外から燃焼ガスが排出されないようにすること
② 煙突の先端から火炎又はJIS D8004の定める汚染度が25%を超える黒
煙が排出されないこと
③ 煙突から焼却灰及び未燃物が飛散しないこと
積替え保管施設であっても、処分の見込みが客観的になく概ね180日以上の長
期にわたり放置されている場合は、不法投棄とみなすことがあります。
●
(参考)
● 平成12年7月24日 衛環65号 〈抜粋〉
(各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部環
境整備課長通知)
(略)最近、廃棄物である使用済みタイヤを有価物等であると称して野積みすることに
より、生活環境保全上の支障が生じている事案が多く発生している。(略)
5 使用済みタイヤが廃棄物であると判断される場合において、長期間にわたりその放
置が行われているときは、占有者に適正な保管であることを客観的に明らかにさせる
などして、客観的に放置の意思が認められるか否かを判断し、これが認められる場合
には、その放置されている状態を処分として厳正に対処すべきこと。
12
● 平成12年7月24日 衛産95号 〈抜粋〉
(各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長あて厚生省生活衛生局水道環境部環
境整備課産業廃棄物対策室長通知)
2 前記通知5における「長期間にわたりその放置が行われている」とは、概ね180日以
上の長期にわたり乱雑に放置されている状態をいうものであること。
3
許可
( )産業廃棄物処理施設の設置
産業廃棄物処理施設を設置して処理をする場合に、設置工事をする前に知
許可を受けなければなりません。(法第15条第1項)
事等の
許可を要する主な産業廃棄物処理施設は次のとおりです。(政令第7条各号)
号 産業廃棄物処理施設
規模要件
1
汚泥の脱水施設
処理能力が10㎥/日を超えるもの
2
汚泥の乾燥施設
処理能力が10㎥/日を超えるもの
(天日乾燥施設は100㎥/日を超えるもの)
3 汚泥の焼却施設
処理 能 力が5 ㎥/日 を 超 えるもの、200kg/時 以上
のもの、火格子面積が2㎡以上のもののいずれか
4
廃油の油水分離施設
処理能力が10㎥/日を超えるもの
5
廃油の焼却施設
処理能力が1㎥/日を超えるもの、200kg/時以上の
もの、火格子面積が2㎡以上のもののいずれか
6 廃酸又は廃アルカリ 処理能力が50㎥/日を超えるもの
の中和施設
7
廃プラスチック類の
処理能力が5t/日を超えるもの
破砕施設
8-1 廃プラスチック類の 処理能力が100kg/日超えるもの、火格子面積が2
焼却施設
㎡以上のもののいずれか
8-2 木くず又はがれき類 処理能力が5t/日を超えるもの
の破砕施設
13-2 産業廃棄物焼却施設
処理能力が200kg/時を超えるもの、火格子面積が
2㎡以上のもののいずれか
備考 上記のほか許可を要する産業廃棄物処理施設には、コンクリート固型化施
設、水銀のばい焼施設、シアン化合物分解施設、最終処分場等8施設があ
ります。
■ これらの産業廃棄物処理施設を設置しようとする場合は、設置の場所、産業廃
棄物処理施設の種類、処理能力、構造等の設置に関する計画、維持管理に関する
計画等を記載した申請書に生活環境影響調査報告書(いわゆるミニアセス)を添
付して提出しなければなりません。
■ 提出された申請書を基に、法に定める許可の基準等に基づき審査を行い、許可
■
13
否 判断します。
■ 県では、このような審査事務を効率的に行うため、「産業廃棄物排出事業者に
係る産業廃棄物処理施設設置許可等事務処理要領」を定め、申請に先立ち必要に
応じて事業予定計画書の提出を求める等の事前調整をお願いしています。
の適 を
4
届
( )保管の 出等
所以外で保管する場合は処理基準に
従って適正に保管するほ か、県 条例や法に基づ く届出が必 要です。( 神奈川
県廃棄物の不適正処理の防止等に関する条例第10条、法第12条第3項、法第12
条の2第3項)
排出事業者は、産業廃棄物が生じた場
例 づ 届
■ 神奈川県内(横浜市、川崎市、相模原市を除く。)において、産業廃棄物(種
類の限定がありません。)が生じた場所以外の場所(保管面積100m2以上)で保
管しようとする場合は、あらかじめ県条例に基づく届出が必要です。
■ 保管面積の算定は、原則として囲いやコンテナ等により他の用地と明確に区分
された保管用地の区域を対象とします。なお、保管用地が明確に特定できない場
合は、保管に供する場所を含む全体の敷地のうち、建物の面積を除いた場所の面
積となります。
■ 届出の際には、添付書類として保管用地の登記事項証明書(3か月以内に発行
されたもの)、保管用地の土地の賃貸借契約書その他使用権原を証する書類の写
し(保管用地が届出者の所有でない場合)、保管用地の位置図(住宅地図等で保
管用地が分かるもの)、保管しようとする施設の配置図、その他必要な書類が必
【条 に基 く 出】
要です。
届出内容を変更しようとする場合は変更届を、保管用地を廃止したときは廃止
届を提出する必要があります。
■ 相模原市内で保管する場合には、「相模原市廃棄物の減量化、資源化及び適正
処理等の推進に関する条例」に基づく届出が必要です。
【法に基づく届出】
■ 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物を生じた場所以外の場所で保管しようとする
場合(保管面積300㎡以上)は、あらかじめ法に基づく届出が必要です(第12条第
3項及び第12条の2第3項)。
■ 保管面積の算定や届出内容、変更届出等は条例とほぼ同様です。
■ 法に基づく届出をした場合は、条例に基づく届出は必要ありません。
※建設工事とは土木建築に関する工事であって、広く建築物その他の工作物の全
部又は一部の新築、改築又は除去を含みます。
条例等について、詳しくは次のホームページをご覧ください。
県のホームページ: http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f3965/
■
14
3 産業廃棄物を委託処理により処理する場合の順守事項
集運搬・処分】を他人に委託して行う場
合は、許可業者等に委託しなければなりません。(法第12条第5項)
その際には産業廃棄物の運搬、処分等の委託基準に従わなければなりません。
(法第12条第6項)
排出事業者は、産業廃棄物の処理【収
■
委託業者の選定等
● 収集運搬や処分業者の許可業者名簿は都道府県の廃棄物所管課のホームペー
ジや各都道府県にある(社)産業廃棄物協会のホームページなどで確認できま
す。
神奈川県廃棄物指導課 http://www.pref.kanagawa.jp/div/0504/
神奈川県産業廃棄物協会 http://www.kiwa.or.jp/
● 委託 しようとする産業廃棄物が 許可 業者の「取 扱 う産業廃棄物(事業の 範
囲)」に含まれていることが必要です。また許可の期限が切れていないことも
確認します。
● 「取扱う廃棄物の種類(事業の範囲)」に含まれている場合でも、廃棄物の
性状によっては処理が難しい場合がありますので、選定予定の業者に事前に廃
棄物の性状等を十分説明し、実際に処理が可能なことを確認する必要がありま
す。例として廃棄物の種類に応じた破砕処理の適否を示します。
破砕装置の選定の目安
ゴ ム 紙 く 金属
ガラス
廃棄物の種類、性状 廃プラスチック類
形式等
軟質 硬質 くず ず くず くず
竪型切断式
◎
◎ ◎ ◎ ◎
切断機
横型切断式
○
◎ ○ ○ ○
回転 横型 スイングハンマ式 △
◎ ○ ◎ ◎ ◎
破砕
インパクト式
△
◎ △ ◎ △ ◎
機
せん断式
単独 ○
◎ ○ ◎
△
双軸 ◎
◎ ◎ ◎
△
竪型 スイングハンマ式 △
◎ ○ ◎ ◎ ◎
せん断式
◎
◎ ◎ ◎ △ △
圧縮破砕機 ジョークラッシャ式 △
△ △ △ △ ◎
◎最適 ○可能 △不適
(産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会テキスト:
(財)日本産業廃棄物処理振興センターより引用)
15
収集運搬を受託する業者は、積出地(廃棄物の発生場所)と持込先(中間処
理施設や最終処分場)の両方の区域を所管する都道府県知事の許可を持ってい
ることが必要です。
ただし、以下の場合は政令で指定する市長の許可が必要となります。
・ 政令市の区域内で積替え保管を行う場合
・ 都道府県内の一つの政令市のみで業を行う場合(市域をこえる範囲での収集
運搬を業として行う都道府県の許可を受けた業者が、一つの政令市内での収集
運搬を行うことはできます。)
●
収集運搬や処分を委託する場合は、委託しようとする
業者に対し、委託しようとする特別管理産業廃棄物の種類、数量、性状、荷姿、
取り扱う際の注意すべき事項を、あらかじめ文書で通知する必要があります。
(政令第6条の6)
●
■
特別管理産業廃棄物の
委託契約の締結(委託の基準)
● 委託する業者が決まったら、書面により行う契約を行う必要があります。
● 収集運搬業者と処分業者が異なる場合は、それぞれ別に委託契約を締結する
必要があります。
● 委託契約書には次の事項が含まれていることが必要です。
・ 委託する産業廃棄物の種類及び数量
・ 運搬を委託するときは運搬の最終目的地の所在地
・ 処分又は再生を委託するときは、その場所の所在地、方法、施設の処理能力
・ 最終処分の場所の所在地、最終処分方法、施設の処理能力
・ 委託契約書の有効期間
・ 受託者に支払う料金
・ 受託者が受けている許可の事業の範囲
・ 受託者が積替え保管を行う場合には、その所在地、当該場所で保管できる産
業廃棄物の種類及び保管量の上限
・ 安定型産業廃棄物を積み換え保管をする場合には、他の廃棄物と混合するこ
との許否
・ 適正処理に必要な情報(産業廃棄物の性状・荷姿、腐敗・揮発等の性状の変
化に関する事項、他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項、廃パ
ソコンや廃テレビなどの廃棄物にあっては、日本工業規格C0950号に規定する含
有マークの表示に関する事項、石綿含有産業廃棄物又は特定産業廃棄物が含ま
れる場合にはその旨、その他取り扱う際に注意すべき事項
・ 委託契約の有効期間中に適正処理に必要な情報に変更があった場合の伝達方
法に関する事項
・ 受託業務終了時の受託者から委託者への報告に関する事項
16
・ 委託契約解除の場合の未処理廃棄物の取扱いに関する事項
● 委託契約書には、受託業者の許可書の写しを添付する必要があります。
● 委託契約書は委託契約が終了してから5年間保存する必要があります。
● 再委託を承諾したときは、その書面を5年間保存する必要があります。
・ 委託契約書等について、詳しくは公益社団法人全国産業廃棄物連合会のホー
ムページ http://www.zensanpairen.or.jp/exhaust/index.html(排出事業者の
方へ)を参照してください。
集運搬・処分】を他人に委託して行う場
合は、産業廃棄物管理票( マニフェ スト)を交付 し、マニフェストにより、一 連
の処理の工程(運搬~中間処分~最終処分)を確認しなければなりません。
排出事業者は、産業廃棄物の処理【収
(法第12条の3)
―○ マニフェストの流れと保存等
表
17
マニフェストについて】
■ マニフェストは排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、その廃棄物が
どのようなものなのかを自ら把握し、廃棄物の取扱い上の注意事項等を収集運搬
業者や処分業者に確実に伝えるとともに、排出事業者が産業廃棄物の流れを自ら
把握・ 管理することにより、廃棄物の適正な処理( 運搬~最終 処分( 再 生利
用))を確認し、不法投棄等の不適正処理や事故の防止を図るものです。
■ 処理を委託する排出事業者はマニフェストを交付しなければならず、処理を受
託する処理業者はマニフェストの交付を受けなければなりません。
■ マニフェストには、紙マニフェストと電子マニフェストがあり、国や県等は現
在、電子マニフェストの普及を促進しています。
■ 紙マニフェストは、法で定める様式を使い自ら作成しても構いませんが、発行
後の送付の義務等があることから、ほとんどの場合、公益法人全国産業廃棄物連
合会(販売:各都道府県産業廃棄物協会等)や建設九団体(販売:各都道府県の
建設業協会等)が発行している複写式のマニフェストが利用されています。
■ 電子マニフェストは、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の3者間でインタ
ーネットにより(財)日本産業廃棄物処理振興センターの情報処理センターを経
由して、利用するもので、事務の効率化が図れます。
加入手続き等は同センターのサポートセンター(℡03-3668-6513)まで問い
合わせてください。 詳しくは http://www.jwnet.or.jp/jwnet/
【
マニフェストの交付について】
■ A票に排出事業者の担当者が、交付年月日、交付担当者名、委託する産業廃棄
物の種類、数量、形状・荷姿、運搬や処分する際の注意事項、排出事業者やその
事業場の名称・所在地、委託する収集運搬業者や処分業者の名称・所在地、最終
処分の場所の名称・所在地等を記載します。
【
マニフェストの管理について】
■ 産業廃棄物の流れを自ら把握・管理するため、次のようにマニフェストが排出
事業者に各受託者から送付されますので、自ら記載したA票を含めファイルする
など5年間保存します。
「B2票」:運搬受託者が運搬を終了した日から10日以内に送付
「D票」:中間処分受託者が中間処分を終了した日から10日以内に送付
「E票」:中間処分受託者が:最終処分が終了した旨が記載されたマニフ
ェストが最終処分業者から返送された日から10日以内に送付
■ 排出事業者は、マニフェストの返送が遅れるなどした場合は必要な措置、届出
を行わなければなりません。
● マニフェスト交付の日から、B2票及びD票が90日以内(特別管理産業廃棄
物は60日以内)にマニフェストが送付されない場合やE表が180日以内に送付さ
【
18
合は、処理業者に問い合わせて処理の状況を把握するとともに、生活
環境保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講じた後、講じ
た内容を各期間が経過した日から30日以内に知事に報告しなければなりません。
● 記載漏れのあるマニフェストの送付を受けた場合は送付を受けた日から30日
以内に、虚偽記載のあるマニフェストを受けた場合はそのことを知った日から
30日以内に処理状況の把握や必要な措置を講じた内容を知事に報告しなければ
れない場
なりません。
■
マニフェストについて詳しくは公益社団法人全国産業廃棄物連合会のホームペ
ー ジ http://www.zensanpairen.or.jp/exhaust/index.html ( 排 出 事 業 者 の 方
へ)を参照してください。
出典:「マニフェストシステムがよくわかる本」
(公益社団法人全国産業廃棄物連合会)
※ ホームページから無料ダウンロードできます。
19
Ⅲ 知事等への年次報告
1 産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付状況報告
年度(4月1日から3月31日)の一年間に交付した産業廃棄物管理
票の交付状況を翌年度の6月30日までに知事等に報告しなければなりません。(法第
12条の3第7項)
■ 産業廃棄物を委託処理し、産業廃棄物管理票を交付した全ての排出事業者が報
告の対象となります。(1枚でも交付した場合は報告の対象となります。)
■ 電子マニフェストを利用している場合は報告の必要がありません。
(別途、財団法人産業廃棄物処理振興センター情報処理センターから県等に報告
排出事業者は、前
があります。)
ごとの提出となりますので、神奈川県の区域内に支店等の事業場が
複数ある場合でも、支店ごとの報告となります。
■ 建築現場のように短期間の事業場が複数ある場合は、工事現場の地域を所管す
る県又は市ごとに代表的な工事現場または管轄する支店等の事業所を記入してく
■
排出事業場
ださい。
■
現場が排出事業場となる場合、工期の長短にかかわらず、複数の現場をと
りまとめて報告してください。
工事
【報告書の提出先】
排出事業場を所管する神奈川県の各地域県政総合センター環境部、横浜市・
川崎市・相模原市・横須賀市の産業廃棄物所管課です。
例:排出事業場が平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、
寒川町、大磯町、二宮町にある場合は、
湘南地域県政総合センター環境部 環境調整課
〒254-0073 平塚市西八幡1-3-1(県平塚合同庁舎)
TEL 0463-22-2711(代表)まで
提出は直接お持ちいただくか、郵送でお願いします。なお郵送の場合は、封
筒の宛先に「マニフェスト交付等状況報告 担当行き」と記入してくださ
い。
■
具体の報告書の作成にあたっては、
県のホームページ(産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付等状況報告を提出
してください。)
詳しくは http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f4463/p12920.html を参照して
ください(報告の様式、記載例、注意事項、よくある質問、よくある誤り等を記
載しています。)。
20
2 多量排出事業者報告
多量排出事業者は6月30日までに当該事業場の産業廃棄物に係る減量、その処理に
関する計画を作成し、知事等に報告しなければなりません。(法第12条第9項)
また、上記の計画を作成・報告した事業者は、計画の実施状況を翌年度の6月30日
までに知事等に報告しなければなりません。
■ 多量排出事業者とは、前年度(4月1日から3月31日)に産業廃棄物を1000トン以
上又は特別管理産業廃棄物を50トン以上発生した事業者のことをいいます。
算
【産業廃棄物の発生量の 定】
判断は、廃棄物の処理を何ら加えていない時点での量を発生量とし
ます。したがって、生産工程の中で行われる減量等の工程を経て発生する場合
はその直後の量が発生量となり、同じ事業場の中でも、生産工程の外で廃棄物
として別途処理する場合は、別途処理する前の時点の量が発生量となります。
●
発生量の
考え方と作成単位】
● 製造業等の場合
県又は政令市(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市)の各区域内の工場・
事業場ごとに産業廃棄物発生量を把握します。複数の工場が同じ事業場にある
場合はそれらを含めた産業廃棄物発生量を集計します。また、同一敷地内に関
連会社がある場合、廃棄物の処理を一体的に行っている場合は関連会社から発
生する産業廃棄物も含めることもできます。
● 建設業等の場合
県又は政令市の各地域内の作業所(現場)を総括的に管理している本店・支
店等が、その管理する区域単位に産業廃棄物発生量を把握します。
■ 製造業等、建設業等の事業者は、当年度の6月30日までに、当該事業場の事業内
容、処理に係る管理体制、排出抑制、分別、再生利用、中間処理、処分、委託な
どに関する事項を内容とする産業廃棄物処理計画又は特別管理産業廃棄物処理計
画を作成し、知事等に報告しなければなりません。
■ また、その計画に沿った産業廃棄物の処理状況を翌年度の6月30日までに知事等
に報告しなければなりません。
■ 知事等への報告先
事業場の所在地に応じて県又は政令市に報告してください。
横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・県(4政令市の区域以外※)
※原則として、各地域県政総合センター環境部環境調整課又は環境課
【事業場の
21
主
県 政 市 協調
年度 4月
月
800 以 又
40 以
対
主
多
ほぼ同
主
願
奮 参
だ
願
報 告書の作 成等詳しくは 県のホームページ (廃棄物自主 管理事
業) http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f94/ を 参照 してく だ さ
【廃棄物自 管理事業】
と 令 は
して、前
(
1日から3 31日)に産業廃
棄物を
トン 上 は特別管理産業廃棄物を トン 上発生し
た事業者に して、自 的に法の 量排出事業者と
様な
取組(廃棄物自 管理事業)をお いしています。廃棄物の減
量化のためにも って 加していたた くようお いします。
い。
おしまいに…
排出事業者の方は不良品等の取り扱いについて、日常から3R「Re
duce(発生抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再生
利用)に努めながら、できるだけ不要物を減らし、最後に残った不要物
(廃棄物)の処理は廃掃法を順守し適正に処理することが重要です。
産業廃棄物の委託処理は、排出事業者と処理業者の方々がお互いに情
報を共有し、コミュニケーションを図りながら進めていきましょう。
なお、今後、この冊子は皆様のご意見を伺いながら、よりわかりやす
く、正確なものにしていきたいと考えています。お気づきの点などござ
いましたら、ご意見をお寄せいただければ幸いです。
この冊子についてのお問合せは
神奈川県湘南地域県政総合センター 環境部 環境調整課
電話 :0463-22-2711(内線2220~2224)
FAX:0463-24-3608 までお問合せください。
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