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micro iDSD 導入記(3) ―USB 入力(1)―
オーディオ実験室収載 micro iDSD 導入記(3) ―USB 入力(1)― 1.はじめに 前報(2)の S/PDIF 入力に引き続き USB 入力での試聴を行いますが、本報では、音質 評価に至る前にまずその準備について述べます。 2.USB 入力試聴の準備 USB 入力は micro iDSD の背面の写真の 3 の USB 入力端子(A 型オス)を利用しま す。 通常は USB 入力端子は B 型メスの場合が多いので USB ケーブル側とマッチしませ ん。そのための付属品がいくつか準備されていますので、このうち矢印で示した変換 コネクターを使用しました。 USB ケーブルはインフラノイズの発売まもない USB リベラメンテと USB-W4 を候 補にし、試聴を行いました。その結果は、別途 USB リベラメンテ導入記(13)として 報告していますのでそちらの方を参照してください。 なお、これまで PC と USB ケーブルの間には FIDELIX の USB ノイズフィルター HiFi USB を使用してきましたので、今回もこれを使用しようとしたところ、PC 側 が micro iDSD を認識しないという現象が起こりました。HiFi USB を外して直結し たところ micro iDSD を認識しましたので HiFi USB は使用しないことにしました。 音源の準備は前報(1)で述べました、 ①ネットオーディオ No.15 付録の 11.2MHz,DSD 音源、②早稲田大学の 1 ビットコンソーシアムの Web 上で公開されたヴァイオリン ソロ、③2L のサイトからダウンロードした 352.8KHz/24bit,PCM 音源と 11.2MHz,DSD 音源、④JustListen というサイトからダウンロードした 352.8KHz/24bit,PCM 音源と 11.2MHz,DSD 音源を使用します。これらの入手先に ついての情報とその解説は前報(1)記載のとおりです。 USB 入力の試聴の際の設定条件として重要なのは写真の 11 と 12 でそれぞれ次のよ うな選択ができます。 11 はデジタルフィルターの選択で以下が選択可能ですが、PCM の場合は、聴取用 には Bit-Perfect を、 測定用には Standard が推奨されています。今回は、DSD、 PCM、 DXD とも一応三つの選択肢で音質を確認してみます。 DSD:Extrem/Extended/Standard Range (analogue) PCM:Bit-Perfect/Minimum-Phase/Standard (digital) DXD:Bit-Perfect Processing( 固定) analogue 12はラインダイレクトモード/プリアンプモードの切り替えで、今回の使い方では ラインダイレクトでいいのですが、ボリュームコントロール調整があると便利であり、 S/PDIF入力で大きな音質的な差はなかったようなのでプリアンプモードで使用して いきます。 これらの音質に与える効果は次報(4)で報告することにいたします。 電源のON/OFFを兼ねるアナログボリュームコントロールではUSB 電源モードと バッテリー電源モードが選択できます。 USB 電源モードの場合は、まず最初にコンピューターに接続し、その後に電源をON にします。 バッテリー電源モードの場合は、まず最初に電源をON にし、その後にコンピュー ターに接続します。 これらの電源の選択の音質に与える効果は次報(4)で報告することにいたします。 4.USB 入力試聴の予備テストとその結果 準備した音源を次ページの添付の表の条件に従って PC と micro iDSD を USB リベ ラメンテ 1.3m で接続し、Senheiser のヘッドフォンを用いて HQPlayer Desktop3 ASIO により試聴していきましたところ、次ページの表に示されたように再生の限界 が見えてきました。即ち、352.8KHzPCM や 256sDSD は何とか再生できるものの、 それ以上の条件では音切れやノイズの発生が起こりました。なお、LED の点灯はマ ニュアル記載の LED 一覧のとおりでした。 電源ON時 LEDの色 モード マゼンタ DSD512 22.5/24.5MHz ブルー DSD256 11.2/12.2MHz シアン DSD128/DSD64 2.8/3.1/5.6/6.2MHz ホワイト DXD705/768kHz イエロー 176/192kHz DXD352/384kHz グリーン 44/48/88/96kHz グリーン(点滅) USB接続待機中 レッド 電池残量少 なし 電池切れ 電源OFF時 LEDの色 モード ブルー* 充電中 *充電が完了するとブルーのLEDは消灯 5.まとめ 予備テストの結果で再生可能と判断された条件で次報以降の試聴を行い、デジタルフ ィルターの選択や USB 電源モードとバッテリー電源モードの選択などが音質に与 える影響を調べていきます。 再生条件の設定と再生結果 音源 送り出し設定 Up-convert Transcoding 再生結果 LED NOTE 64sDSD 64sDSD OK Cyan 128sDSD 128sDSD OK Cyan 256sDSD 256sDSD OK Blue OK Yellow ○ OK Yellow ○ OK Yellow ○ NG White ノイズ発生 NG White ノイズ発生 ○ OK Blue 352.8KHzPCM 352.8KHzPCM 128sDSD 352.8KHzPCM 256sDSD 352.8KHzPCM 256sDSD 705.6KHzPCM ○ 352.8KHzPCM 705.6KHzPCM ○ ○ 352.8KHzPCM 256sDSD 352.8KHzPCM 512sDSD ○ ○ NG Magenta CD-AD 352.8KHzPCM ○ ○ OK Yellow CD-AD 705.6KHzPCM ○ ○ NG White CD-AD 256sDSD ○ ○ OK Blue 註1 CD-AD 512sDSD ○ ○ NG Magenta 註2 音切れ発生 ノイズ発生 註 1:オーバーサンプリングフィルターを通常の polysync のままとしたら、スタートに 128sDSD 設定よ りさらに時間がかかるが、再生は異常なし 註 2:オーバーサンプリングフィルターを minringFIR にしたらすぐにスタートしたが音切れ発生、CPU 占有率 25%、メモリー占有率 55% 以上