Comments
Description
Transcript
スライド タイトルなし
臨時レポート ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社 2009年4月10日 米国リート市場の投資環境について 4 月 7 日 ( 火 ) の 米 国 株 式 市 場 は 、 前 日 比 ▲ 2.4% (S&P500指数(配当なし/米ドルベース))と軟調に推 移する中、米国リート市場も下落し、下落率は前日比 ▲8.9%(MSCI米国リート指数(配当なし/米ドルベー ス))となりました。 【米国リート市場の推移】 (2008年6月30日~2009年4月7日) 120 110 7日(火)の取引終了後に発表された米アルミ生産最 大手アルコアの決算を皮切りに、今後発表される米 国企業の第1四半期決算がさえない内容になるとの 懸念から、投資家のリスク志向は後退し、米国株式市 場は下落しました。また、同日に米不動産仲介会社 大手クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが、ニュー ヨーク市マンハッタン地区のオフィス賃貸料が今年 1~3月の第1四半期に前期比で少なくとも過去25年で 最大の下落率になったと発表しました。この発表は不 動産市況へのマイナス要因として懸念され、米国リー ト市場の下落要因となりました。加えてこの日、マッ コーリーキャピタルUSAのリサーチアナリストが、米国 リート大手のアバロンベイ・コミュニティーズがニュー ヨークやボストンといった主要都市で2月初旬から平 均5%程度の賃料引き下げを実施したとのレポートを 出しました。その結果、同社の賃料収入が低下し、業 績悪化が懸念され、同社をはじめとする米国リート市 場全体への先行き不透明感が高まったことも下落要 因となりました。 100 90 80 70 60 50 40 30 08/6/30 08/8/30 08/10/30 08/12/30 09/2/28 出所:ブルームバーグ 2008年6月30日を100として指数化 米国リート:MSCI米国リート指数(配当込み/米ドルベース) 【4月7日米国リート市場 セクター別騰落率】 今後の見通し ショッピング・モール -6.7 2008年9月の米大手証券リーマン・ブラザーズ破綻以 降、極度に高まっていた金融市場の緊張は徐々に落 ヘルスケア -8.2 ち着きを見せています。足元の投資家の関心は景気 の底打ちのタイミングを探る展開に移りつつあります。 ホテル -8.7 しかし、底打ちの時期を予想することは難しく、米国政 府による金融危機などへの対策の効果が思うように オフィス -8.9 得られなかったならば、今後も実体経済への不安感 が拭えない状況が続くと考えられます。そのため、暫 住宅 -9.7 くは軟調な経済指標や企業業績の発表に対し、株式 市場は敏感に反応する地合いが継続する可能性が -10.1 ショッピング・センター 高いと考えられます。 リート市場についての現時点で最大のリスクは資金 -10.3 産業用施設 調達環境をめぐる不透明感です。不動産事業は資本 -10 -5 0 集約的であるため、市場の安定にとって、正常な資金 -15 (%) 調達環境は不可欠です。現在の環境を受けて、リート 出所:ブルームバーグ を中心に不動産市場では価格が下方修正されていま 各セクター指数:BBリート指数(米ドルベース) す。短期的な価格動向は、いつ、どのような形で資金 調達環境が落ち着くかにかかっています。中期的に 資金調達環境が回復すると仮定すれば、 (1)平均負 債比率は概ね低水準に抑えられており、また短期で満期を迎える債務も限られていることから、ほとんどのリートの財務 基盤は強いこと、(2)ファンダメンタルズは軟化しているものの、リートは主として長期契約の商業用不動産で構成されて いるため、他の事業会社と比べて相対的に収益構造が安定していること、(3)あらゆる指標でみて、バリュエーションが歴 史的に割安な水準にあること、といった背景を理由としてリート市場が好転する可能性はあると考えられます。 本資料は情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが作成した資料であり、有価証券の取得の勧誘を目的とするものではありません。 本資料に記載された数値・データは過去のものであり、将来の結果を保証するものではありません。本資料に記載された市場の見通し等は、本資料作成時点 でのゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの見解であり、将来の動向や結果を保証するものではありません。経済、市場等に関する予測は、高い不確 実性を伴うものであり、大きく変動する可能性があります。当社及び予測機関は、予測値の達成を保証するものではありません。また、将来予告無しに変更す る場合もあります。本資料は情報の提供を目的とするものであり、個別銘柄の売却、購入等の行為を勧誘するものではありません。本資料は、弊社において 入手した信頼できると思われる資料に基づいて作成されていますが、弊社がその正確性、完全性を保証するものではありません。