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エンジンスプレーの燃焼室壁面への衝突過程に関する体系的モデリング

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エンジンスプレーの燃焼室壁面への衝突過程に関する体系的モデリング
38微粒化Vol・'2,No.39(2003)
:撫皐#,鯨
エンジンスプレーの燃焼室壁面への衝突過程に関する
体系的モデリング
ModelingonlnteractionProCessesofEngineSpraysandChambeI・Wall
千田二郎,松田健
(JiroSENDA)(TsuyoshiMArSUDA)
同志社大学
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Thespray-wallinteractiona錐ctscombustionprocessandmixturefbrmationprocess・Andthereisaproblemthat
unbumedhydrocarbonsandthecombustionchamberdepositoccurduetotheadhesionoffUelonthewall、Thus,thisstudyis
fbcusedonmodelinginteractionprocessesofenginespraysandchamberwalllnthispapeErepresentativemodeling
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heattransfbEanddropletbreakupowingtothesolid-liquidinterfaceboilingareintroducedwiththecomparisonof
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K2ywo施な:WallimpingingsprayPropletbreakup,Simulation
1.まえがき
紹介し,3章以降で各サブモデルの内容を記述する.
本論文は,著者らがこれまでに提案したディーゼル
エンジンやガソリンエンジン内の燃料噴霧と壁面(燃
1.1.噴霧‐壁面干渉のパターン
焼室壁面や吸気管壁面)の干渉モデルを体系的にまと
・ディーゼル機関
めたものである.著者らは,初期のディーゼルエンジ
小型高速型のディーゼル機関では,図lに示すよう
ンに関する研究に始まり,壁面上の液膜形成に着目し
に噴射された燃料噴霧はピストンキャビティなどの壁
たモデル,また吸気管噴射式ガソリンエンジンへ拡張
面に衝突し,噴霧液滴と壁面間でさまざまな干渉過程
した研究,壁面の伝熱面過熱度による固液界面の沸騰
を経て,噴霧液滴群あるいは燃料蒸気は壁面から分
形態の差異を考慮した研究,さらに直噴ガソリンエン
散・拡散して燃焼過程を左右する.特に,近年実用化
ジンへの適用モデルなどを個別に報告してきた.しか
されている高圧燃料噴射の場合には,壁面近傍で主要
し,各モデルの意義や相違点が明確でなく,また使用
な燃焼過程が継続し,噴霧の壁面衝突後の分散過程は
の際の利便性についても大きな問題があったと考えら
燃焼,特に各種の化学種の生成にも大きな影響を及ぼ
れる.そこで,本論文において,これまでの各モデル
すと考えられる.
を一つの体系的モデルとしてまとめあげた体系的モデ
・吸気管噴射ガソリン機関
ルについて報告する.なお,この「まえがき」では以
吸気管噴射において,図1に示すように噴射された
下に噴霧と各種壁面との干渉についての背景を示すと
燃料は吸気管壁面および吸気バルブに衝突する.衝突
ともに,モデリング研究のレビューを行う.そして2
した燃料液滴は蒸発し蒸気となるものと,液滴のまま
章において,これまでの著者らの提案モデルの概要を
反射し飛散するもの,そして付着し液膜を形成するも
原稿受付平成15年2月14日
(
1
)
微粒化Vol‘12,No.39(2003)39
のがある.この付着燃料液膜は空燃比制御を困難にし,
DiR・ectlnjeCtionDieSeIEngine
特に冷間始動時や加速時の応答性に大きな影響を与え
no咳咳Ie
る(1).また,これが多量の未燃炭化水素の排出原因(2)
f磯
となっている.
・直噴ガソリン機関
(
直噴ガソリン機関は,燃焼室内空気流動とピストン
壁面を利用することで,燃焼制御の自由度を増し低負
荷時において安定した希薄燃焼を得ることで,大幅な
燃料消費の低減を達成している.しかし,図lに示す
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ように,噴射された燃料はピストン壁面へ衝突し液膜
として付着する.その液膜の燃焼は困難で,未燃炭化
水素やデポジットの生成要因となる(3),(4).これらは,
、
排気特性のみならず,機関の出力特性や信頼性.保守
Eva
性をも悪化させる.
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このように,内燃機関において噴霧の壁面衝突挙動
はその後の混合気形成過程および燃焼過程に大きな影
響を及ぼす.また,燃焼室内の壁面に付着した液膜は,
未燃炭化水素やすすの排出原因となっている.よって,
bIEakup
これらの噴霧-壁面干渉過程を解明することは機関の
DirectInjectiOnGasOlineEngine
更なる高効率,低エミッション化を図る上で重要であ
る
.
、nアブ
1.2.ModeIing研究のレビュー
内燃機関内での流動と噴霧現象さらに燃焼過程を
解析するため,LosAlamos研究所で開発されたKIVA
コード(5)は,実際のエンジン解析に求められる機能を
t
付加することによって,KIVA-n(6),KIVA-3(7),
KIVABV(8)と進化してきた.その間,計算精度の向上
のため,様々な物理現象のサブモデルについて研究が
Fig.1Spray-wallinteractionsofintemalcombustion
行なわれている.このKIVA,KIVA-Ⅱのオリジナルコ
ードには壁面衝突後の液滴の飛散に対する計算が含ま
れず,計算結果が実現象と一致しないことから,壁面
衝突噴霧現象に対するモデリングが数多く行なわれて
いる.
Naberら(9)は,Wachtersら('0)の高温壁面(弧,,=400[℃])
に衝突する水滴の実験結果から入射Weber数と反射
Weber数の関係についてモデリングを行なっている.
これは,晩>80で液滴は壁面に垂直方向の反射速度を
持たずに半径方向へ拡がり(Walljet),晩≦80では液
滴はWachtersらの実験結果に従って反射するモデル
(Rebound)であり,KIVAコードに組み込まれて実験値
と比較された.しかし,実際の壁面衝突噴霧において
は,衝突時の液滴のWeber数はほとんどが80以上で
あり,この解析においては衝突した液滴は壁面上を半
径方向にWalljet状に拡がるのみで,壁面上方への噴
霧の成長が過小に見積もられている.また,壁面上へ
の液膜の形成を考慮していないため,液滴と液膜の干
渉効果が見積もられていない.
Wakisakaら('1)は衝突液滴による液膜形成とその
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液膜の壁面上での流動を含むモデルを提案している.
このモデルでは,衝突液滴の分裂挙動をWeber数によ
って分類し,壁面に付着した液膜については液膜の持
つ初速度と液膜に作用する力からその流動を解析して
いる.
Wangら('2)は液滴の衝突時のエネルギ損失を考慮し
て,Naberらのモデル(9)を改良し,雁>80の場合には
液滴の壁面衝突による分裂を考慮して,反射液滴径が
入射液滴径のl/4になるモデリングを行なっている.
しかし,反射後の速度は半径方向成分のみで壁面上方
に与えておらず,計算結果では,噴霧の高さが過小に
見積もられる.そのため,液滴の衝突する場合に液滴
の粒径の影響を考慮し,衝突後に液滴が粒数の少ない
方向に移動するように改良を行なっているが,実験結
果と十分に一致しない.さらに,Watkinsら('3)はこの
モデルを改良し,液滴の情報への飛散を考慮したモデ
ルを構築している.
Baiら('4)は,まず液滴の壁面への衝突現象を壁面温
度とWeber数により分類し,液滴の飽和温度と壁面温
(
2
)
40微粒化Vol・'2,No.39(2003)
度の関係から各壁面温度において考慮すべき現象を詳
解析すると衝突後の噴霧の半径方向への分散が過大評
細に分析している.これに基づき,常温壁面への衝突
価され,壁面上方への分散が過小評価された.そこで
現象を対象として,様々な液滴実験の実験結果をもと
筆者らはより現実の現象を記述できる各種実験データ
にモデリングを行なっている.さらに,Baiら('5)はこ
ベースを援用した以下のモデルを構築して,
のモデルに加えて,液膜の運動を数値解析的に求める
KIVAKIVA-Ⅱ,KIVA-3に組み込んで解析を行ない,別
モデルを構築している.
に行った非蒸発噴霧の透過光減衰光撮影実験,ならび
Stantonら('6)は,液膜に衝突する液滴の挙動をWeber
数によって四つに分類(Stick,Rebound,Spread,Splash)
に非蒸発噴霧のExciplex蛍光実験の測定結果と比較・
検討した.本項は以下の内容構成で各モデルを紹介す
した噴霧‐液膜干渉モデルと液滴の衝突や周囲空気の
る
.
酋断による液膜の拡張,移動を考慮した液膜モデルを
・低温壁面モデルと高温壁面モデル(23),(24).
用いて,実験との比較を行なっている.また,Stanton
ら('7)は,液膜への熱伝達を考慮して液膜モデルの改良
壁面が低温の場合は衝突した液滴は壁面に付着・滞
を行ない,蒸発場での実験結果と比較を行なっている.
留するため,それによる液膜形成過程を簡易モデル化
さらに,多成分蒸発モデルと併用し,冷間始動時にお
し,液膜形成後の液滴衝突に伴なう液膜スプラッシュ
ける噴霧の壁面への衝突や液膜の影響について調べて
い
る
(
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8
)
.
状分裂をモデル化した.一方,高負荷時相当の壁面が
高温の場合には,液滴と壁面間の熱伝達,沸騰による
ガソリン噴霧に対して,Nagaokaら(',)は実際の噴霧
分裂・分裂液滴群の飛散過程をモデル化した.
のPDPA計測結果をもとに,入射前後の液滴の状態を
・液膜形成モデル(25)'(26):
統計的に調べ,モデル化している.このモデルでは,
ディーゼル機関の各作動条件よりピストン壁面の表
反射後の粒径,速度,角度などがそれぞれ入射時の値
面温度を推定し,燃料である軽油の沸点・飽和温度と
の関数となっている.また,液膜の形成は考慮されて
の関係を調べた結果,燃料の50%留出温度相当の成分
いるが,その移動までは考えられていない.また,
に対しては,壁面温度は非沸騰から核沸騰の範囲であ
Naitohら(20)は液滴の飛散についてはNagaokaら('9)と同
ることが明らかとなった.この沸騰範囲では壁面に達
様にPDPA計測の結果から解析し,液膜の形成と移動
した液滴群は壁面に付着し,その滞留時間が長いため,
に関してOPT(Oval-ParabolaTrajectories)モデルを構
液膜成長過程中に後続の噴霧液滴がそこに衝突し,こ
築し,実際のガソリン吸気管内の流動と液膜形成を数
の液膜と液滴間の干渉に起因する液膜形成が支配的と
値解析により調べている.Ahmadiら(2')は汎用の計算
なる.この過程についてモデル実験を行ない,その結
コードSmR−CDを用いて,液膜の形成と移動を数値
果をモデル化した.
解析により解くモデルを考案している.O,Rourkeら(22)
・液膜流動モデル(27)'(28).
は,液膜形成に関するサブモデルを作成し,KIVA-3
液膜に衝突する液滴の分裂後の挙動は膜厚に大きく
コードに組み込んでいる.このモデルは,液滴の壁面
左右されるため、分裂後の挙動および液膜形状の記述
衝突時からの挙動を液膜パーセルに置き換え,液膜の
が上記のモデルでは正しくは記述できていない.これ
運動や蒸発といった一連の現象を流体力学計算により
は,壁面に付着した液膜はセルごとに保存され液膜の
求めるものである.
流動を考慮していないためである.そこで,新たに液
膜の流動を簡易的にエネルギ保存則より求め,液膜流
動モデルを作成した.
2.筆者の噴霧-壁面干渉モデルの分類
・壁面の伝熱面過熱度を考慮したモデル(2,)'(30)。
筆者らは,KIVAKIVA-II,KIVAF3コードを用いて,
ディーゼル噴霧と壁面間の干渉過程に関する様々のモ
機関の燃焼室の壁面温度は負荷条件によっても変
デルを提案し,それをKIYAコードに組み込んで,壁
化する.一方,軽油,ガソリンなどの燃料は多成分燃
面衝突噴霧の分散挙動を解析してきた.そもそもKIVA
料であり,低沸点のものから高沸点のものまでを含ん
コードでは,壁面に衝突した液滴はすべて付着するた
でいる.このため,ある壁面温度を想定した場合にお
め壁面近傍の混合気形成過程の予測は出来なかった.
いても,燃料中の成分によって噴霧の壁面衝突時の固
そこで,NabeトReitzらは,衝突する液滴のWeber数に
液界面の沸騰形態は変化する事になる.すなわち,あ
る壁面温度に対して,燃料中の低沸点の成分は伝熱面
よって,液滴が壁面に付着するモードと壁面上を半径
方向に壁噴流状に移動するモードを含むモデルを提案
した.しかし,このモデルで実際のディーゼル噴霧を
過熱度が高いために,遷移沸騰から膜沸騰になる場合
がある。これに対し,高沸点の成分は伝熱面過熱度が
(
3
)
微粒化Vol,12,No.39(2003)41
低いために非沸騰から核沸騰の状況を呈するようにな
温壁面間の沸騰現象を考慮し,それに基づく分裂過程
る.この固液界面の沸騰状況は,液滴の壁面衝突後の
を筆者らの以前の研究結果(35) (37)からモデル化した.
分散挙動に大きな影響を及ぼすために,この燃料の多
さらに,高温壁面からの衝突液滴への熱伝達モデルも
成分性に着目した伝熱面過熱度を考慮したモデルを構
新たに組み込んでいる.以上の2種類の衝突モデルを
築した.
KIVAコードに組み込み,さらにNaberら(9)の反射モデ
・直噴ガソリ ンへの拡張(3'):
ルを組み込んで飛散液滴の速度を与えた.詳細は文献
(23),(24)を参照されたい.
これまでのモデルでは,噴霧の衝突後の分裂.飛散
過程のデータベースとして水滴の壁面衝突実験結果を
3.2.計算結果
援用してきた.しかし,水滴と軽油やガソリンの燃料
3.2.1.低温壁面への衝突噴霧の計算結果(T撒く蕗")
成分とではぬれ性が大きく異なる.そこで,本モデル
図3に噴射後1.2,sにおける衝突噴霧の中心断面上
を作成するにあたり,これらの燃料成分のぬれ性に近
における液滴密度分布の再構成画像,KIVAコード
いl-propanolの液滴を壁面に衝突させ実験を行ない新
たにデータベースを作成した(31) (34).このデータベー
:蚤哩息寓
スをもとに新たにサブモデル作成した.
3.低温壁面モデルと高温壁面モデル
の=o51015ZO250510152025
3.1.モデルの概要
このモデルでは,図2に示すように壁面の表面温度
基L_畿_市
期が燃料液滴の飽和温度乳.,より低い壁面に衝突する
場合(瓜v<Zai)と,弧,,が恥1以上であり高温壁面に衝
突する場合(、v≧既α1)とを区別してモデリングを行な
った.前者の低温壁面の条件では,初めに壁面上に衝
突液滴による液膜形成を考え,衝突領域全体にプール
状の液膜が形成された時間以降に衝突する液滴による
Fig.3ComparisonbetweenexPerimemszmd
液膜あるいは衝突液滴の分裂過程を簡単なモデルによ
calculating(”く歴画,t=1.2[msD
り与えた.後者の高温壁面の条件では,衝突液滴と高
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onthewall(”く弧4
"雌,│mis』。』,i"';』↑1.浬。土。#綿
とNaberらの反射モデルさらに本研究のモデルでの計
算結果を示す.本モデルでは,壁面上に付着した液膜
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と半径方向に分散した液滴群が表現されており,衝突
熟議;…_議
烏&穐撫周縞Ⅲ凧!。#櫓細撫!i'1.,,,,
噴霧の形状は(a)の再構成画像と定性的であるが一致
している.
図4に,壁面上の噴霧の半径方向への拡がり距離Rw
の時間変化の計算値と実験値との比較を示す.KIVA
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anddropIetdispersionmodel
コードでは衝突した液滴のほとんどは半径方向には拡
DislributionoIdropparcel
がらずに衝突点で付着している.Naberらの反射モデ
DistributionofexcessairraMo
ルでは,衝突した液滴のほぼ全てが半径方向に拡がり,
Fig.5Comparisonbetweenexperimentsandcalculating
噴射開始後約0.6,sで実験値より大きくなっている.
a‘,≧路",t=1.2[ms])
これは,衝突液滴のもつ運動量が保存されて半径方向
セル分布の場合と同様に,(c)の場合に比べて蒸気濃度
分布は壁面上方へも広がっており,(a)の実験結果と比
へ大きな速度で液滴が移動するためと考えられる.本
研究のモデルを用いた計算においては,全ての時間で
較的よく一致している.
実験値よりやや小さめであるが,ほぼ同じような変化
の傾向を示している.本モデルでは,液膜より分裂し
4.液膜形成モデル
た粒径功oの液滴群が壁面上の空間へ飛散し,周囲気
4.1.モデルの概要
体からの抗力を受けつつ飛行するものと考えられる.
4.1.1壁面衝突モデル
3.2.2.高温壁面への衝突噴霧の計算結果(期≧Za)
本モデルでは,冷間始動時に相当する非蒸発の衝突
図5に噴射後1.2,sにおける噴霧液滴に相当するパ
噴霧から,高負荷運転時に相当する蒸発場の高温壁面
ーセルの分布および空気過剰率/Zの分布の計算結果を
に衝突する噴霧の双方に適応するモデルを構築するた
示す.(a)はエキサイプレックス蛍光法により測定され
めに,まず燃料液滴の壁面衝突時における沸騰現象の
た実験結果(38)であり,液相の蛍光強度と蒸気の定童化
違いに着目した.さらに燃料噴霧の壁面衝突現象に重
された濃度が示されている.(b)はKIVAコードによる
点を起き,液滴壁面衝突による分裂・飛散現象,液滴同
もので,(c)はNaberらの反射モデルを考慮した場合,
さらに(。)は本研究の衝突液滴の分裂および熱伝達モ
士の干渉効果,液膜の形成過程,液滴と液滴の干渉効
果を考慮し,モデリングを行なった.その際,衝突液
デルを考慮した計算結果である.
滴の持つエネルギを,ウェーバ数(暁=”Wαβ:液体の
密度,α:液滴径,w:液滴速度,G:表面張力)により評価
(d)の分裂モデルおよび熱伝達率モデルを考慮した
結果では,(b),(c)と比べて壁面衝突後,パーセルは半
し,それが低い場合(雁≦300)と高い場合(庇>300)
径方向へ成長すると共に噴霧外縁部において壁面上方
に分類した.衝突エネルギが低い場合には,連続して
へも成長しており,実験結果の噴霧形状を定性的に記
液滴が衝突する場合の液滴と液滴および液滴と液膜の
述できている.また空気過剰率分布においても,パー
(
5
)
微粒化VoLl2,No.39(2003)43
この干渉効果はAl-Roubら(39),(40)の壁面に衝突する
DTywallWetwall
理“走陶①白戸言目揖①全凹夢冒日幽Cz
4……‘!‘,…..‘‘…’…,。‘…,,,…,.,,,J唯,=八発,Lα)
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300
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水滴の実験により,その分裂過程への影響が調べら
綴
れている.
図7に,本モデルで適用した低ウェーバ数領域で
諺 唖 柵 噛−$
。
のAl-Roubら(39),(40)の単液による実験結果を示す.図
7の(a)は2つの液滴が連続して壁面温度弧,=373[K]
言慨艦重撫淵冒撫綱LowWebe1
DIDplct/皿、
の乾き壁面に衝突した場合の分裂確率wとmとの
number
関係を示す.zRとは液滴の衝突する時間間隔αを
毒騨雲零窯
壁面上での液滴の滞留時間Tdで除した値である.こ
垂
の結果より,液滴と液滴の干渉効果が分裂確率に大
きな影響を与えることがわかる.そこで,これらの
Fig.6Breakupregime
実験結果より得られた実験式をモデル内に組み込ん
相互干渉効果を考慮してモデル化を行なった.また,
だ
.
衝突エネルギが高い場合には液滴の壁面衝突による
.濡れ壁面への衝突
Splash現象に着目しモデル化を行なった.さらに各場
ウェーバ数が低い場合,壁面に衝突した液滴はほと
合とも壁面衝突時における壁面上の液膜の有無により,
んどが壁面に付着する.しかし,壁面上に形成された
その壁面衝突挙動が異なる.図6に示すように衝突液
液膜との干渉を考えると,その表面波の振動モードと
滴の分裂形態は,壁面上に液膜が形成されている場合,
の関係より液膜からの液滴の分裂が生じる場合がある.
液膜の無次元膜厚と液滴のウェーバ数によって表わす
そこで,Al-Roubら(31),(40)はこの干渉効果を調べ,液膜
ことができる(39),(40).また乾き壁面の場合,衝突エネル
からの分裂形態を(反射液滴径,反射速度)を全て無
ギが低い際には液滴と液滴の相互干渉を考慮し,逆に
次元l漠厚4。"で整理し以下に示すような3つのタイプ
衝突エネルギが高い場合では臨界ウェーバ数を用いて
に分類している(図7の(b)).なお,図中に示す無次
液滴のSplash現象を考慮した.
4.1.1.1低Weber数モデル(雁≦300)(図7参照)
液滴径[m])である.
元膜厚4。"とは’4。"=〃4"(う:膜厚[m]’4”:入射
(1)リムタイプ:液膜の縁に隆起したリム状の突起から
・乾き壁面への衝突
1つの液滴が分裂する場合.分裂液滴数....,
KIvAコードでは,均一粒径や均一物理特性である
(2)クラスタータイプ:クラウン状の突起より複数個の
粒子群を一つの代表粒子であるパーセルとして取り扱
小さな液滴群が分裂する場合.分裂液滴数..。4
場合,液滴と液滴との干渉効果を考慮する必要がある.
(3)コラムタイプ:液膜中央部に表面波の反射により大
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( b ) ( c )
Fig.7ImpingementmodelfbrlowWebernumber(we<300)
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っている.このため,このパーセルが壁面に衝突した
44微粒化Vol、12,No.39(2003)
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PammeterK(K=0カ.Re1.25)
Fig.81mpingementmodeIforhighWeber皿mber(we>300)
・分裂液滴径と分裂数
きく隆起したコラムが生じ,それより比較的大きな
Splash現象では,衝突した液滴あるいは液膜は比較
液滴が分裂する場合.分裂液滴数.・・・1
また,この液膜から分裂した液滴の分散過程は,当
的微小な液滴に分裂する.MUndoら(35)は図8右図に示
然その3つのタイプによって異なる.図7の(c)におい
すように,分裂液滴群のザウタ平均液滴径と入射液滴
て,雁,が壁面に対して水平方向のウェーバ数,恥〃
径の比と衝突時の液滴の状態を表わす無次元パラメー
が垂直方向のウェーバ数である.これよりクラスター
タKとの関係を,粗い壁面と滑らかな壁面に衝突する
タイプとコラムタイプの場合には垂直方向への反射ウ
場合のそれぞれについて調べている.本モデルではこ
ェーバ数が非常に低くなっている.また,水平方向へ
の図の関係から分裂飛散した液滴群のザウタ平均粒径
の反射ウェーバ数は,どの分裂タイプにおいてもほと
を求めた.
さらに,壁面上に形成された液膜はその表面が波打
んど一定とみなせる.以上の液滴実験によって得られ
っており,衝突液滴径相当の凸凹が生じていることか
た結果はすべて,近似曲線で定式化することにより,
モデル内に組み込んだ.
ら,粗い壁面に対する関係式を液膜に衝突する場合に,
4.1,1.2高Weber数モデル(雁>300)(図8参照)
滑らかな壁面に対するものを乾き壁面に衝突する場合
にそれぞれ適用した.
比較的低温の壁面に衝突した液滴は,その入射
,飛散速度
Weber数が低い場合壁面上で液膜を形成する.一方,
高いWeber数で液滴が乾き壁面あるいは液膜の上に衝
液滴の分裂後の飛散速度は,入射時と分裂飛散後に
突すると,液滴自身の分裂あるいは液膜からの液滴の
おけるエネルギ保存により考え,次式が成り立つ.
分裂飛散が生じ,いわゆるSplash現象が起こる.この
Splashが起こる場合と液膜に付着する場合の臨界(臨
E・皿=Ei,j−Ecr…(2)
界値)については,Cogheら(41),MUndoら(42),Yarin
ら(43),Marengo(44)により調べられている.特に,Marengo
はこの境界について詳細に調べ,臨界のWeber数につ
いて以下の実験式を提案している.
み(:反射後の液滴のエネルギ[J]
E》,:入射時の液滴のエネルギ、
且『:液膜からの分裂に必要なエネルギ[J]
これより,
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Lα:Laplace数(Lα=牙・ぴ・4秤)
吟:燃料の粘性係数[N・s/m]
必卿,=(2E・"/、。卿,)'ノ2…(3)
が成り立つ.ここで,液滴の衝突前後の位置エネルギ
は非常に微小であるためここでは考えない.
4.1.2液膜蒸発モデル
本モデルにおいては,上式の臨界Weber数を用いて
本モデルでは,液滴の壁面衝突後の挙動と液滴およ
液滴が液膜に付着するか,分裂飛散するかの判定を行
び蒸気濃度の空間分布に重点をおき,液膜形成に関し
なった.
(
7
)
微粒化Vol、12,No.39(2003)45
てはそれが衝突液滴に及ぼす影響のみを考慮した.そ
径方向RF20mm付近に見られるいくつかの液滴パー
のため,液膜蒸発のモデル化の際にはできるだけ簡略
セルが周囲気体の流動により半径方向に拡がるのみで,
化したモデルを作成した.液滴の衝突により形成され
ほとんどの液滴は噴霧中心軸近傍に付着している.ま
た液膜は,その初期において液滴温度と等しく,その
た,壁面上方への成長は小さい.次に,(c)のNabeFReitz
後壁面や雰囲気気体より与えられた熱量を液膜の温度
のモデルを組み込んだものは,高いWeber数を持つ液
上昇および蒸発に費やす.そこで,液膜に供給される
滴が壁面衝突後半径方向へwalljet状に拡がるため,噴
熱量と液膜が消費する熱量を等しいとすると,エネル
霧の先端部に多くの液滴が存在している.この先端部
ギ保存則より次式が成り立つ.
では,壁面上方へも噴霧が成長している.(d)の本研究
Q/+9.vq,=gg_/+g"_/…(4)
g『:液膜の温度上昇に費やされる熱量[J]
Qevqp:液膜の蒸発に費やされる熱量[J1
ggヅ:雰囲気気体より液膜に供給される熱量[J]
9Wゾ:壁面から液膜に供給される熱量[J]
これより,各々の熱量を求め液膜の蒸発量を算出した.
以上に示した各モデルの詳細は,文献(25),(26)を参
照されたい.
のモデルでは,噴霧が半径方向へ成長するとともに壁
面上方へも大きく成長している.また,図中の白丸の
大きさが粒径を表わしており,(c)と比べると壁面上に
拡がっている液滴の粒径が小さいことがわかる.本モ
デルでは衝突後分散した液滴が空間中に広く分布して
おり,噴霧液滴の空間分布が他のモデルと比べて実験
結果と良く一致している.また,壁面上方への成長は,
雰囲気流動の巻き上げ渦に液滴が追従することによる
ものと考えられ,オリジナルコードとNabeFReitzのモ
デルでは壁面衝突後の液滴の分裂が考慮されていない
42‘計算結果
ために,粒径が大きく噴霧高さが過小に見積もられる
4.2.1非蒸発噴霧の解析
ものと考えられる.
図9に,噴射圧力Pir99皿a,衝突距離Zw=30mmの
4.2.2蒸発噴霧の解析
条件における,噴射開始からI=12,sの噴霧の液滴パ
図10に噴射圧力P"=99唖a,衝突距離Z1F30mm
ーセル分布および実験結果を示す.(a)の実験結果は透
の場合の噴射開始からノー1.4,sの燃料蒸気および液滴
過光減衰法によって得られた同時刻の噴霧写真である.
パーセルの空間分布とExciplex蛍光法により撮影され
KIVA-Ⅱオリジナルコードによる計算結果を,(b)に示
た同時刻の蒸発噴霧の蒸気相および液相の画像を示す.
す.オリジナルコードでは壁面衝突後の液滴の分散モ
図中の(a)は実験結果を,(b)はKIVA-Ⅱオリジナルコー
デルが組み込まれていないため,衝突した液滴パー
#
セルは壁面に付着するだけである.したがって,半
謬
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concentrationanddropIetparcels
parcels(P"=99[Mpa],Zツー301mm],Z=1.2
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8
)
46微粒化Vol、12,No.39(2003)
ドによる計算結果,(c)はNabel迄Reitzのモデルを組み込
んだもの,(。)は本研究のモデルによる計算結果をそれ
ぞれ示す.(b)のオリジナルコードでは,燃料蒸気はそ
の濃度が非常に薄く,壁面上方への拡がりも実験結果
と比べて小さい.また,液相は比較的実験結果と一致
しているが,壁面上に液滴が多数付着しており実際の
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挙動を示すものではない.(c)のNabeI迄Reitzのモデルで
は,(b)に比べて蒸気濃度は濃くなり壁面上方へも成長
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している.しかし,液滴パーセルの分布を見ると,大
Momentumconservationeq,'外finnI
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(。)の本研究のモデルでは,燃料蒸気濃度は実験値と近
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風
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い値を示しているが,分布が異なっている.液滴パー
Fig.11PhysicalphenomenamodeIfbrfIlm
燃料液滴の蒸発が進んでいないことがわかる.一方,
セルの分布は,液滴の壁面衝突による分裂を考慮して
transportationprocessonthewall
いるため,反射後の粒径が小さく,液滴の蒸発が進ん
るが,Uedaら(45)はこのエネルギ損失を考慮した補正
でいる.半径方向にRw=15mm付近までは液滴の数密
度が高いが,Rw>15mmでは液滴の数が少なく,実際
係数を以下のように与えている.
D"“=β'・必"において,β1=087β…(6)
の噴霧現象を表現しているといえる,先端部に蒸気濃
度の高い領域が存在している原因としては,実際の噴
この補正係数は広範囲のウェーバ数で適用できるから
霧では壁面近傍で蒸発した蒸気が壁而上方に巻き上が
本モデルでも付着液膜の拡がりを算出する際にはこの
り,そこで周囲気体と混合・拡散していくが,KIvA-Ⅱ
補正係数を用いた.
コードでは燃料の蒸発が遅く,拡散がうまく取り扱わ
また,本モデルで導入した液膜移動モデルの概略
れておらず,液相が噴霧先端部で蒸発しているためで
図を図11に示す.液膜の移動に関しては,入射
あると考えられる.このことから,燃料蒸気量を見積
液滴と反射液滴の持つ運動量,雰囲気気体のせん
もるためには,液滴の壁面衝突による微粒化を考慮す
断力,液膜と壁との摩擦力の3つの因子を考慮し
ることが重要であると考えられる.
た運動堂保存式を解くことによって,以下の(4)式
5.液膜流動モデル
に示した運動量保存式を算出した(22).
5.1.モデルの概要
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(
7
)
ェーバ数が低い場合,衝突した液滴はほとんどが壁面
に付着する.壁面衝突モデルにおいて壁面上に付着し
ここで,必:単位時間当たりの付着液膜質量変化[g]
であり,4は時間。tでの変化量を表す.
た液膜の厚さは,分裂・飛散の形態を決定する上で非常
に重要な意味を持つ.そこで,本モデルではその液膜
式(7)より各計算タイムステップ毎に平均液膜移動速
形成過程について,特に液膜の拡がり,移動に着目し
度を算出することにより,液膜を移動させた.これに
てモデリングを行なった.
より,離散化された液膜は内部流動を含まない剛体で
壁面上で壁面との摩擦によるエネルギ損失が小さい
あるが,その移動により疑似的な液膜流動のモデル化
時,初期の液滴が持っているエネルギである運動エネ
を行なった.詳しくは文献(27),(28)を参照されたい.
ルギと液滴の表面張力である表面エネルギの和が,液
5.2.計算結果
膜の最大直径D"Iarでの表面張力によるエネルギと等
5.2.1.壁面衝突噴霧の空間分布
図12に噴射開始から2,4,6,8,sにおける噴霧の
しいと仮定することにより,以下の式が導かれる.
液滴パーセルの体積表示空間分布の実験結果を,図13
寺
(
=
β
)
皇
浄
に噴霧半径Rwと噴霧高さ〃wの時間変化を示す.実験
.
。
.
(
5
)
この結果,付着液膜の最大直径D"唾は上述したエネ
結果はレーザシート光による散乱撮影によって得られ
た同時刻の噴霧写真である.
ルギ損失がない場合は(2)式により求めることができ
(
9
)
微粒化Vol、12,No.39(2003)47
︵EE−主逗
○Z
52
0 5
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3
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050
02
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11
3
この計算結果を見ると衝突初期において,壁面に衝突
一二口一①二云因﹄Qの
↑二m一の二二句﹂Qの
蕊:
lD0dQIQ・ロ・10』.。$』、ロ.P0000Ⅱ.・101
した噴霧は比較的早い速度で半径方向外側へ飛散する.
この飛散方向に若干の偏りがあるが,これは入射液滴
の密度が高い半径方向2mm付近の位置に衝突する液
滴が非常に多く,その入射角度にあまり差が無かった
05I01520Z530
051015202530
幅一EE]造三画一①垂易硬旦の
i
熱
│■巧■=■==■■−−
0510152025ヨO
結果と言える.しかしながら,噴射開始後t=6.0,sで
Sp「ayradiusR"Imm]
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は反射液滴の飛散速度は,周囲気体の抵抗を受けて減
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2
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[
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.
]
衰し次第に周囲空気の流れに追従する液滴が表れる.
この結果,壁面衝突噴霧解析においてよく論じられる
壁面上の噴霧粒先端部での巻き上がり現象(46)が確認
される.また,噴射開始後t=80,sではその液滴の空
盛子
間分布は,中心軸付近で若干計算結果が希薄になって
0510152oz530
いるものの半径方向,高さ方向の拡がりについては,
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[EE︸誕毎三口一①竺塞画﹄ロの
0
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実験結果とよく一致しており,巻き上げ現象を計算で
Timefrominjectionstart仁4.0【ms.】
謹
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識
墨
実現できた効果が大きいと考えられる.しかし,半径
言
2
.
卜
方向の拡がりについては衝突開始後10,sにおいて,
肇
K
,
蝋
一
計算結果は約,5%過大に見積もられた.これは比較的
粒径の大きな液滴群が,周囲気体の抵抗による減衰を
十分に記述できず,計算結果において半径方向へ過大
に分散したためと考えられる.
5.2.2.壁面付着燃料と混合気形成過程
図14に噴射開始後2,3,4,5,6,10,14,sにお
燕
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圭
;
L
蝋
ける液膜形状の時間履歴を示す.図中に示す実験結果
はレーザ誘起蛍光法により測定した噴射終了後10,s
での付着率,平均膜厚である.実験の詳細については
参考文献(47)を参照されたい.この計算結果をみる
と,インジェクタ中心軸付近において液膜厚さが厚く
なっている領域があるが,これは円錐状噴霧による液
滴の衝突位置の影響が大きく表れた結果である.しか
し,液膜自体の時間履歴を見ると,液膜の移動をモデ
Fig.12亜mPoralchangemdistribution0fparceland
ル内に考慮したこともあり,衝突早期においては液膜
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TimefromimpingementiL伽,[ms.]
Fig.13亜mpomlchangeinsprayheighthwand
Fig.14Changeincalculatedfnmthicknesswithtimeimm
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radiusRw
(
1
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)
48微粒化Vol、12,No.39(2003)
が半径方向外側に大きく移動していることが分かる.
膜沸騰領域の沸騰形態をとり,高沸点成分は非沸騰領
液滴の衝突が開始してからまもなく液膜の移動がほと
域の沸騰形態をとる.このように,燃料沸点の違いは
んど無くなり,最終的には中心軸付近が厚くなる結果
同一壁面温度に対しても沸騰形態を変化させ,反射後
になっているが,Z=14,sでの燃料付着率が実験結果
の分裂挙動(飛散角度,液滴径,速度)に影響を与え
とよく一致していることから妥当な結果であると考え
る.また,燃料の沸点は雰囲気密度が上昇するに伴な
られる.よって,本モデルにより衝突噴霧の燃料液膜
い増加する.よって,本研究では様々な条件下におい
形成過程を見積もることができると示唆される.
て沸騰形態の違いを考慮するため,壁面過熱度4Z。‘(=
壁面温度Z’一液体の飽和温度Ziqi)を用いて整理した.
6.2.壁面過熱度による沸騰形態の変化
6.壁面過熱度を考慮したモデル
本モデルで対象とする小型直噴式ディーゼル機関の
6.1.本モデルのコンセプト
壁面温度範囲は,3∼6MPaの加圧条件下で473∼673K
本モデルでは,これまで構築した壁面衝突モデルを
である.軽油の飽和温度の田P,50%留出温度,FBP
踏まえて,今後多成分燃料噴霧へと展開するためのコ
をそれぞれとると,壁面の温度範囲は図16に示すよう
ンセプトを提案する.実際に機関で用いられる燃料で
に-208∼278Kと非常に広くなる.すなわち,FBPに
ある軽油は多数の成分によって構成される多成分燃料
対しては4Zα‘=208∼-8Kで非沸騰領域(4Zα,<25K),
であり,ガスクロマトグラフィーによる精密蒸留の結
50%留出温度に対しては4路。《-81∼119Kで非沸騰領
果によると,蒸発が始まる初留点凪P(InitialBoiling
域から核沸騰領域(4恥=25∼100K),IBPに対して
Point)は395K付近,終了する終留点はFBP(Final
は4匁。!=78∼278Kで主に遷移沸騰領域(4蕗α『=100∼
BoilingPoint)は681K付近となっており,両者の間に
200K)から膜沸騰領域(4Z。!=200∼300K)とあらゆ
は290K程度の開きがある.したがって,多成分燃料
る沸騰形態をとることになる.これまでのディーゼル
噴霧の場合,次のような成分分布が予測される.飽和
機関を対象としたモデルにおいては,n−トリデカンを
温度の低い成分は噴射開始直後にノズル近傍で蒸発を
代表成分として用いたため,実機相当の高圧場では壁
開始し,飽和温度の高い成分は液相のまま壁面に衝突
面過熱度は4野。,=-200∼0Kとなり,沸騰形態として非
して液膜を形成する.また,その中間の飽和温度を持
沸騰から核沸騰の条件でしか考慮していなかった.し
つ成分は壁面近傍で混合気を形成する.
かし,多成分燃料である軽油を用いる場合,沸騰形態
そこで本研究では,燃料成分の沸点の違いによる燃
が遷移沸騰および膜沸騰まで及ぶために,固液界面の
料成分の蒸発過程および壁面衝突時の沸騰形態の違い
沸騰現象に伴なう液滴の種々の分裂形態を考慮する必
に注目した.図15にそのコンセプトを示す.図15に
要がある.
示した壁面温度Z,′に対する液滴寿命曲線は,燃料の違
竹内らは単一液滴の高温壁面への衝突実験を行ない,
いにより低沸点成分は左へ,高沸点成分は右へシフト
沸騰形態の違いによる液滴の挙動を示している(37).こ
する.つまり,同一壁面温度において低沸点成分では
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-200痔1000100200300
』
Superheat47§arUq
Fig、16Boilingmrveofeachcompositioninengine
condition
(
1
1
)
微粒化Vol、12,No.39(2003)49
いては液膜は形成されず,分裂後の液滴は半径方向に
本モデルでの液滴の反射速度は次式のようになる.
飛散することが分かる.したがって,核沸騰領域に対
が,遷移沸騰および膜沸騰領域には適用することがで
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きない.そこで,本モデルでは遷移沸騰,膜沸騰領域
Weio≧80:M,ou1=Vhn/γ
に適用可能な壁面衝突モデルの構築を行なった.
ここでγは3∼9の値をとる乱数である.
6.3.モデルの概要
・熱伝達モデル
しては,これまでに構築したモデルは適用可能である
壁面の温度とディーゼル機関用の燃料である軽油
高温壁面に衝突した液滴はある一定期間壁面上で
の飽和温度を考えた場合,壁面と衝突液滴間の界面で
液膜状に拡がり,その後分裂あるいは未分裂の状態で
の沸騰挙動は非沸騰から膜沸騰の形態をとる.そこで、
壁面より反射する.ノズルより噴射された燃料液滴は,
遷移沸騰から膜沸騰に対応できるモデルを構築した.
壁面衝突後,壁面より熱量を供給され,液滴が壁面上
このモデルは図17に示すように液滴分裂モデル,液
に滞留している問,液滴の温度上昇および蒸発過程に
滴反射モデル,熱伝達モデルからなる.
費やされる.壁面から液滴への熱伝達壁g[J]は式(9)
・液滴分裂モデル
で与えられる.
筆者らが以前行なった高温壁面に衝突する水滴の変
Q=α‘.s#・rd・△r…(9)
的:壁面から液滴への熱伝達率[W/(m2.K)]
的:壁面と液滴との接触面積[m2]
形および分裂挙動に関する実験結果より近似式よりを
求め,衝突後の分裂液滴径を入射ウェーバ数の関数と
して算出を行なった.
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・液滴反射モデル
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Naberらの提案する液滴反射モデルを参考に,筆者
らが行なった水滴実験の結果を考慮してモデリングを
行なった.入射液滴の晩く80ではNaberらの提案す
るモデルを用い,晩≧80では水滴実験結果より反射後
0102030
SprayradiusRw[mm]
(a)OriginaimodeI
の液滴径によらず入射液滴の速度除"のl/3∼l/9の値
で反射速度Jノibmiををランダムにふりわる.これにより,
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Fig.17sprayimpingementmodelonhightemperature
Fig.18Comparisonofsp減ialdistributionoffmeIvapor
concmtrationa皿ddropletparcels(t=1.5[msl)
wall
(
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)
50微粒化VoLl2,No.39(2003)
〆
。
功:液滴の壁面上での滞留時間[s]
、
Consideringdropletwettability
4T:壁面温度和と液滴温度zの温度差
Macro
Micro
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式(6)の未知数αtf,‘sIf,功を決定することで,壁面か
らの熱伝達による液滴の上昇温度が算出される.そこ
で,未知数αJ,鞠,zzfは大久保ら(48)の水滴実験および
筆者らの水滴実験結果(35) (37)より求めた.
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以上のモデルの詳細は文献(29),(30)を参照されたい.
擬鋳謹識騨瀞議
6.2.計算結果
図18に噴射開始から戸1.5,sのときの燃料蒸気濃度
(、)n-pemanc(b)isoocmc(c)l-propanol
および液滴パーセルの空間分布を示す.(a)はオリジナ
ルコードによる計算結果,(b),(c),(d)はそれぞれ核沸
し
騰,遷移沸騰,膜沸騰の場合の計算結果である.オリ
鮮驚
(。)Water
ノ
Fig.19conmctangleimagesoffimel
ジナルコードの場合,壁面からの熱伝達が考慮されて
おらず,各壁面温度による計算結果が同等のものとな
飛散するという両沸騰領域の挙動が記述されているこ
ったため,1つの結果のみを示した.
とが分かる.
図18において,(a)では壁面からの熱伝達が考慮さ
7.直噴ガソリン機関への拡張
れていないこと,噴霧の壁面衝突挙動が詳細に記述さ
7.1.モデルの概要
れていないことから,蒸気濃度分布が非常に希薄なも
のとなっており,壁面上の液滴も比較的大きいことが
これまでのモデルでは,噴霧の衝突後の分裂・飛散
わかる.核沸騰の条件で計算された(b)では,液膜形成
モデル(24),(25)が適用されており,液滴分布から壁面
上に厚みを持った液膜が形成されている様子が伺える,
過程のデータベースとして水滴の壁面衝突実験結果を
援用してきた.しかし,図19に示すように水滴と軽油
やガソリンの燃料成分とではぬれ性が大きく異なる.
さらに,遷移沸騰と膜沸騰の条件では,固液接触状況
そこで,本モデルではガソリン成分に近いぬれ性およ
の差異により生成蒸気堂に差が生じ,壁面上の蒸気濃
びガソリンの50%留出温度の沸点を有する1‐プロパ
度は核沸騰条件に比べて低い.液膜を形成せず液滴が
ノールを供試液体として微小液滴の実験を行ないデー
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(i)ゴ7可sa伝-80
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(c)Newmodel(仁1.30[ms])
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(
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微粒化Vol12,No.39(2003)51
タベースを作成した.
鶏
留点は470K付近となっている.このように幅広い沸点
勝
二
範囲を持つ燃料が壁面に衝突すると,その沸騰形態の
[匡恒﹂一旦画囚苛厘の
蒸発が始まる初留点は300K付近であり,終了する終
釦如加加如0
育置﹄]醤壱四青豆の
る燃料は多数の成分で構成される多成分燃料であり,
釦“鋤和泊0
。……一…mode'−.画幅1modeIl
また,直噴ガソリン機関において,実際に用いられ
2.
3.
−0
01.02.
003
O
−FE]当一口巴巽囚1m
温度範囲において,液膜の形成と液滴の分裂.飛散を
詳細に記述するモデルを構築する必要がある.そこで
本モデルでは,これまで作成したモデルを参考にし,
04
03
02
01
0
5
領域は核沸騰領域から膜沸騰領域までの幅広い沸騰領
域をとる.したがって,低温から高温までの広い壁面
(
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i
)
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〆
ツ
〆
201’列lll
W
H
4
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│
=
F
F
01.02.03.0
mT旧fromIn胸ctions垣rtIms1
全ての沸騰領域に対して適応可能な統合モデルを構築
而mefmmlnjgctions垣rtIms]
(i)d兎イー80
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〆
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(iV)4喝‘F127
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した.詳しくは文献(31)を参照されたい.
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02
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3.
−0
0
Ti雁f『omiY1ections垣『t【n石]
Fig.22亜mporaIchangeinsprayradmsRwasR
fimctionofsuperheatingdegreeofwall
7.2.計算結果
図20に,噴射圧力P1,F101,⑲a,衝突距離Zw=30mm
モデルの計算結果と実験結果の時系列変化を比較した
の条件において壁面過熱度“αIをパラメータとした
結果を図21,22に示す.図において,噴霧の半径方向
場合の,噴霧の液滴パーセル分布および実験結果を示
への拡がりは各沸騰領域において,噴霧の壁面衝突初
す.(a)は散乱光撮影によって得られた噴霧画像である
K,VA-3オリジナルコードにおける計算結果を(b)に示
期から衝突終了まで良い一致を示している.しかし,
高さ方向への拡がりは壁面衝突初期においては良い一
す.なお燃料としてイソオクタンを用いた.オリジナ
致を示しているが,衝突後期になると高さ方向への拡
ルコードでは壁面温度の影響が考慮されていないため,
がりが過大になっている.これは,壁面からの熱伝達
すべての壁面温度において同様の結果となっている.
および周囲気体の抵抗による減衰を十分に記述できず,
また,実験結果に比べ半径方向への拡がりが少ない.
計算結果において高さ方向へ過大に分散したためと考
(c)は本研究のモデルの計算結果である本モデルでは
えられる.
壁面温度の影響による液滴の分裂挙動の違いを考慮し
8.統合モデルのフローチャート
ているため高温領域(遷移沸騰領域(4Zai=60K)・膜沸
統合モデルのフローチャートを図23に示す.本モ
騰領域(4恥戸127K))および低温領域(非沸騰領域(“αi
=-80K).核沸騰領域(4鴎。,=0K))の相違が顕著にあら
デルでは,壁面に衝突する燃料液滴の飽和温度および
われている.また,半径方向への拡がりもオリジナル
壁面温度により,液滴の衝突時の沸騰領域を算出する.
モデルに比べ実験結果とよく一致している.
これによって壁面衝突後の挙動を,それぞれの沸騰領
次に噴霧の外形形状として,噴霧半径Rwと噴霧高さ
唖些沙
力wを各沸騰領域において,本モデルおよびオリジナル
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Fig・Z3Flowchartofthismodel
Fig、21亜mporalchangeinsprayheighthwaSa
fmctionofsuperheatmgdegreeofwall
(
1
4
)
52微粒化Vol、12,No.39(2003)
域によって計算を行なっている,大別すると,低温
5)A、AAmsden,J、DRamshow,P.J、O,Rourke,andJ.
K、Dukowiez,KIVA:AComputerProgramfbrTWo-
領域と高温領域に分割した.高温領域においては液膜
andThree-DimensionalFluidFlowswithChemical
が形成されないため,分裂後の液滴の飛散速度,飛散
角度,液滴径,液滴温度をエネルギ保存則および微小
液滴実験の実験結果による実験式により求めている.
次に,液膜の形成される低温領域においては,液滴間
干渉および液膜と液滴の干渉を考慮したモデルを作成
し,それにより分裂後の液滴の状態を算出している.
つまり,入射時の液滴の入射角,ウェーバ数,壁面過
熱度,液膜厚さおよび液滴間間隔などの関数によって
求めている.
9.結言
本研究では,微小液滴の壁面衝突実験を基盤として,
壁面に衝突した液滴が各沸騰形態の挙動を振る舞うよ
ReactionsandFuelSprays,LosAlamosNational
LaboratoIyreportLA-10254-MS,(1985).
6)A・AAmsden,EJ.O,Rourkeand,T・DButler,
KIVAJI:AComputerProgramfbrChemically
ReactiveFlowsandSprays,LosAlamosNational
LaboratoryreportLA-11560-MS,(1989).
7)A、A・Amsden,KIVA-3:AKIVAProgramwith
Block-StructuI・edMeshfbrComplexGeometries,Los
AlamosNationalLaboratoryreportLA戸I2503-MS,
(
1
9
9
3
)
.
8)AAAmsden,KIVA-3V:ABlock-StmcturedKIVA
ProgramfbrEngineswithVもrticalorCantedValves,
LosAlamosNationalLaboratolyrepoltLA-I3313-MS,
(
1
9
9
7
)
.
9)JD・Nab“andRDReitz,ModelingEngineSpray/
Walllmpingement,SAEPaper,No.880107,(1988).
う,壁面過熱度によって整理する壁面衝突統合モデル
を提案した.このモデルは,二つの大きな利点を備え
10)L、H、J,WachtersandNA.J・Westerling,Theheat
transfbrfromahoTWalltoimpingingwaterdropsin
thespheroidalstate,chemEng、Sci.,21,(1966),
ている.一つ目は多成分燃料噴霧への適用性である.
先にも述べたように軽油やガソリンのような多成分燃
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.
11)T,Wakisaka,YShimamoto,,YIsshiki,T,Noda,
料噴霧の液滴が壁面に衝突する際,燃料成分によって
沸騰形態が異なることを考慮すれば,壁面に付着する
成分や壁面近傍で混合気を形成し燃焼を支配する成分
が自ずと明らかとなり,燃焼室内の現象解明や燃料設
計の面で非常に有益となる.二つ目は様々な壁面衝突
現象に適用できる点である.壁面衝突挙動の計算時に
は壁面過熱度のみを考慮するためあらゆる燃料および
壁温に対して使用可能であり,本研究で対象とした内
燃機関と同様に,燃料が高温壁面に衝突する原子炉炉
心や圧延鋼板などの噴霧冷却の解析に適用可能である.
このように,本研究で提案したモデルは燃焼室内で
生じる混合気形成や燃焼現象の解明に役立つとともに,
直噴式のディーゼル機関やガソリン機関の開発,ある
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7
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.
同志社大学工学部
灘蝿
機械系学科教授
〒610-0321
賦都府京田辺市多女羅都谷1−3
31)松田健,千田二郎,藤本元,ガソリン機関に
TeI.&Fax.O774-65-6405
おける噴霧液滴の壁面衝突過程のモデリング,第
11回微粒化シンポジウム,pp26-31,(2002-12).
略歴41985年ヤンマーーデイーゼル(株)入社
32)山下勇人,別所孝範,鶴谷和司千田二郎,
1990年同志社大学:I:学部機械系学科専任識
藤本元,関西支部第76期定時総会講演論文集,
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33)別所孝範,松田健,千田二郎,藤本元,関西
1992年同志社大学1:学部機械系学科助教授
支部第77期定時総会講演論文集,523,
1994年米国ウィスコンシン大学客員助教授
(
5
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,
(
2
0
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2
)
1998年同志社大学工学部機械系学科教授
34)松田健,別所孝典,千田二郎,藤本元,非定常燃
料噴霧における壁面衝突挙動に関する基礎的研究,
第17回内燃機関シンポジウム講演論文集,pp403
-408,(2002)
35)千田二郎,山田耕司,竹内貴一郎,三木英雄,
高温壁面に衝突する液滴の変形および分裂挙動,
日本機械学会論文集(B),52-481,(1986),
pp3372 3379.
松田健
鱗
同志社大学工学研究科
修士2年
〒610-0321
京都府京田辺市多々羅都谷1-3
Te1.0774-65-6747
36)千田二郎,山田耕司,藤本元,三木英雄,高
Fax、0774-65-6741
温壁面に衝突する液滴の熱伝達特性に関する研究,
日本機械学会論文集(B),53-485,(1987),pp、176 182.
37)竹内貴一郎,千田二郎,佐藤嘉明,高温壁面に
略歴:2001年同志社大学工学部卒業.非定常燃料噴
霧における壁面衝突挙動の研究に従
衝突する噴霧液滴の微粒化に関する研究,内燃機
事
関,Vb1.21No.268,(1982),pp9 18.
(
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