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家庭用燃料電池のライフサイクルコストに関する研究 - 赤林研究室
新潟大学工学部建設学科建築学コース 卒業研究梗概 平成 27 年度 家庭用燃料電池のライフサイクルコストに関する研究 東北電力管内を対象としたケーススタディ T12K687A 志田 眸 指導教員 赤林 伸一 教授 1 研究目的 家庭用 FCCGS ※1は、各家庭で消費される電力の一部を 発電により賄うとともに、排熱を給湯などに利用するこ とで総合効率を約 80%に向上させることができる。家庭 用 FCCGS は 2030 年までに全国で 530 万台導入する事が 目標※2とされており、既往の研究文1) では燃料電池が多 数普及した場合の我が国全体における一次エネルギー削 減効果を明らかにしている。しかし、家庭用 FCCGS はイ ニシャルコストが極めて高価であり、家庭用 FCCGS 導入 時のライフサイクルコストについて検討する必要がある。 本研究では東北電力管内※3の電気・ガス料金を調査し、 既往の研究文1) で算出した FC 住宅※4 における固体酸化 物形燃料電池 (SOFC) 及び固体高分子形燃料電池 (PEFC) の稼働シミュレーションを基に、戸建住宅の年間エネル ギーコストの算出を行い、家庭用 FCCGS のライフサイクル コスト評価を行い、導入を促進させるための料金設定や イニシャルコストの削減の検討をすることを目的とする。 2 研究概要 2.1 解析対象 : 対象住宅は東北電力管内の戸建住宅と する。住宅モデルは日本建築学会住宅用標準問題モデ ルを用いる。熱損失係数は 2.57[W/(m 2・K)] とする。 2.2 電気・ ガス料金 : 図1に東北電力管内の各県にお 3万 使用量4000MJ時の ガス料金高い順 1 青森県 2 岩手県 3 福島県 4 山形県 5 宮城県 6 秋田県 7 新潟県 2万5千 30000 ガス料金 [ 円 ] 岩手県 2万 25000 1万5千 宮城県 秋田県 山形県 3万 2万5千 岩手県 福島県 使用量4000MJ時の ガス料金高い順 1 岩手県 2 福島県 3 秋田県 4 青森県 5 宮城県 6 山形県 7 新潟県 青森県 ガス料金 [ 円 ] 青森県 2万 1万5千 ける従来住宅※5及び FC 住宅を対象としたガス料金を、 表1に東北電力文2) の電気料金を示す。ガス料金の調査 対象は東北電力管内を管轄する各ガス事業者文3) とす る。ガス料金はガス種別で単位発熱量当たりの価格に 換算し、各県においてガス事業者の需要家数で加重平 均することにより算出する。又、家庭用 FCCGS からの 逆潮流※6電力の売電単価は買電単価と同じとする。 2.3 解析条件 : 表2に対象住宅の空調・換気条件を、 表3に家庭用 FCCGS と高効率ガス給湯器の性能と価格を、 表4に家庭用 F C C G S の運転条件を、表5に解析 c a s e を 示す。S O F C 及び P E F C の稼働シミュレーションには既往 の研究文1) のデータを使用する。F C 住宅及び従来住宅共 に空調はエアコン(平均 COP:3.0)で行い、給湯は FC 住 宅は家庭用 F C C G S、従来住宅は高効率ガス給湯器(熱効 率 :95%)で賄う。FC 住宅の発電余剰電力は逆潮流させ、 湯量不足時にはバックアップボイラ ( 熱効率 :95% ) を 用いる。F C 住宅及び従来住宅において年間のエネルギー コストを算出し、イニシャルコストを含めて評価を行う。 3 解析結果 3.1 新潟県における年間の解析結果 : 図2に新潟県に 表3 家庭用 FCCGS と高効率ガス給湯器の性能と価格 機種 燃料種類 ガス料金は従来住宅と FC住宅で異なる料金設 定になっている。 性能 岩手県 価格 1万 1万 20000 青森県 5千 新潟県 SOFC 0 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 ガス使用量 [MJ] 10000 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 従量 0 電灯B 電力量 料金 区分 単位 料金 単価[円] 40A 1契約 1,296 1000 0~120kWh 121~300kWh 301kWh~ 稼動条件 18.24 1kWh 2000 24.87 1kWh 28.75 1kWh 運転時定格運転 (b) FC 住宅のガス料金 図1 東北電力管内の各県における 従来住宅※5及び FC 住宅を対象としたガス料金 5000 東北電力文2) の電気料金 表2 対象住宅の空調・換気条件 表1 0 基本 料金 ①終日定格運転 ②終日電主運転 ③ピーク時定格 運転他電主運転 ガス使用量 [MJ] (a) 従来住宅のガス料金 設定温度 28[℃] 空調条件 エアコン 冷房 期間 6月~9月 (在室時 (平均COP 設定温度 20[℃] 空調) :3.0) 暖房 期間 11月~3月 3000 4000 5000 6000 換気回数 0.5[回/h] 換気条件 台所レンジフード 3 300[m /h] 排気風量 SOFC-Ⅱ (将来仕様) 都市ガス 49.6 27.1 76.7 0.70 0.38 1.41 30 70 PEFC 都市ガス 35.2 50.6 85.8 0.75 1.08 2.13 147 60 高効率ガス 給湯器(24号) 都市・LPガス ― ― ― ― ― 48.4(最大) ― 70 95 10 215 40 195 215 20 40 195 160 35 145 25 3 ― 28 表4 家庭用 FCCGS の運転条件 新潟県 5千 0 15000 発電 熱回収 総合 定格出力 発電 [kW] 熱回収 ガス消費量[kW] 貯湯タンク容量[ℓ] 出湯温度[℃] バックアップボイラ熱効率[%] 耐久年数※8 [年] 希望小売価格[万円] 設置費用[万円] 補助金[万円] 導入価格[万円] 定格効率 (HHV)[%] 新潟県 SOFC-Ⅰ (現行仕様) 都市ガス 42.0 39.2 81.2 0.70 0.65 1.67 90 70 起動条件 PEFC 停止条件 ・定格出力で運転を行う。(逆潮流あり) ・電力需要に追従して運転を行う。(逆潮流なし) ・ピーク時(13:00~16:00)は定格出力で運転を行い、それ以外の時間帯は 電力需要に追従して運転を行う。(ピーク時:逆潮流あり、その他:逆潮流なし) ・SOFCは24時間365日運転し続けるものとする。 ・余剰排熱はファンにより大気中に放熱する。 ・定格出力で運転を行う。(逆潮流あり) ・起動時刻は給湯需要のピークを迎える20:45から稼働時間を逆算し、決定する。 ・発電開始時刻が13時以降になる場合、発電開始時刻は13時とする。 ・作湯量が日積算給湯需要を満たした場合、貯湯タンクが満蓄になった場合及び 発電時間が20時間に達した場合に発電を停止する。 ・起動停止は1日1回とし、1日当たり4時間は強制的に停止する。 表5 解析 case 解析case case1 case2 case3 case4 case5 case6 世帯人員数 3人 4人 3人 3人 3人 3人 FC設置条件 SOFC-Ⅰ SOFC-Ⅰ SOFC-Ⅱ PEFC SOFC-Ⅰ SOFC-Ⅰ FC運転条件 終日定格運転 終日定格運転 終日定格運転 運転時定格運転 終日電主運転 ピーク時定格運転他電主運転 従来住宅ガス消費量 FC住宅買電電力量 従来住宅買電電力量 1,500 FC 2012年 従来 FC1,500 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 1,500 2013年 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 4月 住宅 5月 住宅 住宅 6月 住宅 住宅 7月 住宅 住宅 8月住宅 住宅 9月住宅 住宅 10月住宅 住宅 11月 12月 1月 2月 3月 1,000 1,000 1,000 2012年 2013年 500 500 500 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 00 0 -500 -500 -500 25,000 25,000 25,000 4 まとめ ①新潟県で世帯人員数が3人の戸建住宅に SOFC- Ⅰを 設置し、終日定格運転を行った場合、年間ランニン グコストは約8万円削減される。 ②家庭用 FCCGS の種類の違い (case1,3,4) で比較すると、 発電効率が高い SOFC- Ⅱを用いる case3 が3case 中 で最も年間ランニングコストの削減額が多くなる。 ③運転条件の違い (case1,5,6) で比較すると、case1 で は逆潮流電力量が多くなり、年間ランニングコスト 削減額が3case の中で最も多くなる。 ④耐久年数までに減価償却するためには、イニシャル コストを SOFC- Ⅰ ・ Ⅱで約 110 万円、PEFC では約 66 万円とする必要がある。 ⑤東北電力管内の7県の中では青森県の年間ランニン グコスト削減額が約 11 万円と最も多い。 ※1 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム ※2 「日本再興戦略」 (平成 27 年 6 月 30 日閣議決定)における家庭用燃料電池の普及目標。 全世帯数の約1割を目標とする。 ※3 東北電力の供給地域 ( 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県 ) の7県とする。 ※4 家庭用 FCCGS 導入住宅 ※5 家庭用 FCCGS を導入せず、高効率ガス給湯器を使用する住宅。 ※6 自家発電により発電した余剰電力を電力会社線側に逆流させること。現在、電力会 社は家庭用 FCCGS からの逆潮流を認めていない。 ※7 電気料金は東北電力の従量電灯Bを、ガス料金は FC 住宅には家庭用 FCCGS 用ガス料 金を、従来住宅には一般ガス料金を適用させる。 ※8 稼働からオーバーホールまでの年数とする。 文1) 赤林ら「家庭用燃料電池による一次エネルギー削減効果に関する研究 その3, 4」 日本建築学会大会学術講演梗概集、2015 年 文2) 東北電力 http://www.tohoku-epco.co.jp 文3)ガス事業便覧:平成 26 年度版 表6 新潟県においてイニシャルコストを 変化させた場合の減価償却までの年数 (case1,3,4) 20,000 20,000 20,000 15,000 15,000 15,000 2012年 2012年 2012年 4月 4月4月 5月 5月5月 6月 6月6月 7月7月 7月 8月8月 8月 9月9月 9月 10月 10月 10月 11月 11月 11月 2013年 2013年 2013年 12月 12月 1月1月 12月 1月 5,000 5,000 5,000 2月2月 2月 ( 世帯人員数3人、FC 住宅 :SOFC- Ⅰ ( 終日定格運転)、 従来住宅 : 高効率ガス給湯器 (24 号 )) 3月3月 3月 図2 新潟県における一世帯あたりの電気・ガス消費量 とランニングコスト※7の月積算値の推移(case1) FC住宅買電電力量 FC住宅買電電力量 FC大気放熱量 FC大気放熱量 20,000 85,914 16,000 20,000 12,000 16,000 8,000 12,000 4,000 8,000 0 4,000 0 80,219 FC逆潮流電力量 FC住宅ガス消費量 FC逆潮流電力量 FC住宅ガス消費量 年間ランニングコスト削減量 年間ランニングコスト削減額 100,000 83,454 113,162 88,212 109,285 37,802 68,580 43,552 case1 case2 世帯人員数: 3人 設置条件: 青森県 SOFC-Ⅰ 世帯人員数: 4人 設置条件: 岩手県 SOFC-Ⅰ 運転条件: 終日定格 運転 運転条件: 終日定格 運転 case3 case4 64,888 67,914 80,219 55,706 case5 case6 世帯人員数: 世帯人員数: 世帯人員数: 世帯人員数: 3人 3人 3人 3人 設置条件: 秋田県 設置条件: 宮城県 山形県 設置条件: 福島県 設置条件: 新潟県 SOFC-Ⅱ PEFC SOFC-Ⅰ SOFC-Ⅰ 運転条件: 運転条件: 運転条件: 運転条件: ピーク時 終日定格 運転時 終日電主 定格運転 運転 定格運転 運転 他電主運転 60,000 120,000 40,000 90,000 図3 新潟県における各 case の 電気・ガス消費量と年間ランニングコスト削減額 0 解析条件 SOFC-Ⅰ SOFC-Ⅱ PEFC 高効率ガス給湯器 SOFC-Ⅰ 年間ランニングコ SOFC-Ⅱ スト削減額[万円] PEFC SOFC-Ⅰ 減価償却までの SOFC-Ⅱ FC住宅買電電力量 年数[年] FC住宅買電電力量 FC大気放熱量 PEFC イニシャルコスト [万円] 80,000 150,000 20,000 60,000 030,000 caseA 解析case 10,000 10,000 10,000 逆潮流電力量 逆潮流電力量 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 FC 従 従来 従来 従来 従来 従来 住FC FC従来 来 住FC FC従来 来 住FC FC従来 来 住FC FC従来 来 住FC FC従来 来 住FC FC従来 来従来 住FC FC従来 来従来 住FC FC従来 来従来 住FC FC従来 来従来 住FC FC従来 来従来 住FC FC従来 来従来 住FC FC従来 来従来 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 宅 住宅 住 宅 住宅 住 宅 住宅 住 宅 住宅 住 宅 住宅 住 宅 住宅 住住宅 宅 住宅 住住宅 宅 住住宅 宅 住住宅 宅 住住宅 宅 住住宅 宅 住住宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 宅 20,000 20,000 16,000 16,000 20,000 12,000 12,000 16,000 8,000 8,000 12,000 4,000 4,000 8,000 0 0 4,000 0 FC大気放熱量 FC住宅買電電力量 FC大気放熱量 113,162 113,162 43,552 43,552 88,212 109,285 109,285 68,580 68,580 109,285 68,580 岩手県 caseD 宮城県 秋田県 55,706 55,706 FC住宅ガス消費量 80,219 80,219 80,219 55,706 43,552 青森県 青森県 caseC 年間ランニングコスト削減額 FC逆潮流電力量 年間ランニングコスト削減額 88,212 88,212 113,162 caseB イニシャルコス イニシャルコス イニシャルコス 現状料金設定 ト低下(2016年 ト低下(2030年 ト低下(10年で 度の目標値) 度の目標値) 減価償却) 195.0 80.0 60.0 108.2 195.0 80.0 60.0 111.5 145.0 70.0 50.0 65.8 28.0 28.0 28.0 28.0 8.0 8.0 8.0 8.0 8.3 8.3 8.3 8.3 3.8 3.8 3.8 3.8 20.8 6.5 4.0 10.0 20.0 3.8 10.0 FC逆潮流電力量6.2 FC住宅ガス消費量 FC逆潮流電力量11.1 FC住宅ガス消費量 31.0 5.8 10.0 年間ランニングコスト削減額 山形県 福島県 新潟県 岩手県 宮城県 秋田県 福島県 新潟県 ( 世帯人員数3人、FC 住宅 :SOFC-山形県 Ⅰ ( 終日定格運転) 、 従来住宅 : 高効率ガス給湯器 (24 号 )) 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 年間ランニングコスト削減額 [ 円 ] FC住宅ガス消費量 FC 従来 FC 従来 FC逆潮流電力量 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 従来住宅料金 FC 従来 逆潮流電力量 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC 従来 FC住宅料金 2,000 30,000 30,000 30,000 2,000 住宅 住宅 2,000 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 住宅 10 年で減価償却 (caseD) するためには SOFC- Ⅰ ・ Ⅱを約 110 万円、PEFC を約 66 万円とする必要がある。 3.3 東北電力管内の各県における解析結果 : 図4に東 北電力管内の各県における電気 ・ ガス消費量と年間ラン ニングコスト削減額 (case1) を示す。最も年間ランニン グコストの削減額が多い県は、従来住宅のガス料金が最 も高く、FC 住宅のガス料金が比較的安い青森県であり、 約 11 万円削減される。また、最も削減額が少ない県は岩 手県であり、約4万円の削減にとどまる。青森県と岩手県 の年間ランニングコストの削減額の差は約7万円となる。 電気・ガス消費量 [kWh] -500 料金 [ 円 / 月 ] 0 -500 0 年間ランニングコスト削減額 [ 円 ] 500 電気・ガス消費量 [kWh] 500 1,000 電気・ガス消費量 [kWh] 2,000 1,500 2,000 1,000 1,500 おける一世帯あたりの電気 ・ ガス消費量とランニングコ スト※7 の月積算値の推移 (case1) を示す。SOFC- Ⅰを導 入し終日定格運転を行った場合、従来住宅と比較して燃 料電池の稼働によりガス消費量は増加するが、燃料電池 の発電により買電電力量は減少し、逆潮流による売電を 含めると年間ランニングコストは約8万円削減される。 3.2 新潟県における各 case の解析結果 : 図3に新潟 県における各 case の電気 ・ ガス消費量と年間ランニン グコスト削減額を示す。世帯人員数の違い (case1,2) で 比較すると、case2 では case1 と比較して給湯の需要量 が多いため、燃料電池の大気放熱量が減少し、総合効率 が向上するため、年間ランニングコスト削減額は多くな る。今回の解析 case では case2 が最も年間ランニング コスト削減額が多く、約8万5千円削減される。家庭用 FCCGS の機種の違い (case1,3,4) で比較すると、発電効 率の高い SOFC- Ⅱを用いる case3 が3case の中で最も年 間ランニングコスト削減額が多い。家庭用 FCCGS の運転 条件の違い (case1,5,6) で比較すると、case1 では逆潮 流電力量が比較的多いため、年間ランニングコスト削減 額が3case の中で最も多くなる。 表6に新潟県においてイニシャルコストを変化させた 場合の減価償却までの年数 (case1,3,4) を示す。caseA を基準とし、caseB ではイニシャルコストを 2016 年度の 目標値 (SOFC- Ⅰ ・ Ⅱ :80 万円、PEFC:70 万円 ) とし、 caseC ではイニシャルコストを 2030 年度の目標値 (SOFCⅠ・Ⅱ :60 万円、PEFC:50 万円 ) とする。caseD は耐久年 数※8までに減価償却するためのイニシャルコストを算出 する。caseA の場合、減価償却するために SOFC- Ⅰ ・ Ⅱ では約 20 年、PEFC では約 30 年かかる。caseB では約6 ~ 11 年、caseC では約4~6年で減価償却が可能となる。 逆潮流電力量 150,000 150,000 120,000 120,000 150,000 90,000 90,000 120,000 60,000 60,000 90,000 30,000 30,000 60,000 0 030,000 0 図4 東北電力管内の各県における電気・ガス消費量と 年間ランニングコスト削減額 (case1)